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国立大学独立行政法人化の諸問題: 意見広告の会ニュース


12/30 転載「意見広告の会」ニュース231(2004.12.30)意見広告の会ニュース
12/24 転載:「意見広告の会」ニュース230 (2004.12.24)意見広告の会ニュース
12/21 転載:「意見広告の会」ニュース228(2004.12.20)意見広告の会ニュース
12/18 転載:「意見広告の会」ニュース227 (2004.12.18)意見広告の会ニュース
11/08 転載:「意見広告の会」ニュース212(2004.11.07)意見広告の会ニュース
11/06 転載:「意見広告の会」ニュース211(2004.11.01)意見広告の会ニュース
11/06 転載:「意見広告の会」ニュース210(2004.10.31)意見広告の会ニュース
10/30 転載:「意見広告の会」ニュース209(2004.10.30)意見広告の会ニュース
10/28 「意見広告の会」ニュース208(2004.10.28)意見広告の会ニュース
10/26 転載:「意見広告の会」ニュース207[2004.10.26]意見広告の会ニュース
10/24 転載:「意見広告の会」ニュース206(2004.10.24)意見広告の会ニュース
10/21 転載「意見広告の会」ニュース205[2004.10.21]意見広告の会ニュース
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10/17 転載:「意見広告の会」ニュース No 203[2004.10.17]意見広告の会ニュース
10/14 転載:「意見広告の会」ニュース202 [2004.10.14]意見広告の会ニュース
10/12 転載:「意見広告の会」ニュース No 201 (2004.10.12)意見広告の会ニュース
10/09 「意見広告の会」ニュース200 2004.10.08意見広告の会ニュース
10/06 「意見広告の会」ニュース199 (2004.10.06)意見広告の会ニュース
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10/03 「意見広告の会」ニュース196 (2004.9.27)意見広告の会ニュース
9/25 「意見広告の会」ニュース195 2004.9.25意見広告の会ニュース
9/24 「意見広告の会」ニュース194意見広告の会ニュース
3/13 [AcNet Letter 71] 東京都立大学評議会見解2004.3.9AcNet Letter , 意見広告の会ニュース , 荒廃の諸相 , 大学の自治 , 地方独立行政法人制度 , 東京都の大学支配問題
2/04 フランスにおける科学者・研究者たちの闘い――「研究を救おう!」をめぐる三週間の動き意見広告の会ニュース , 学問の意義 , 研究者から社会へ , 大学の使命 , 大学財政 , 大学政策
1/19 「意見広告の会」ニュース87意見広告の会ニュース
1/14 意見広告の会ニュース83号意見広告の会ニュース
12/27 法人化に賛成した国立大学長への謝罪と損害賠償の要求意見広告の会ニュース , 学長の権限 , 国立大学法人制度の欠陥 , 大学財政
12/27 「意見広告の会」ニュース77意見広告の会ニュース
12/24 抗議辞職した都立大四教授支持声明意見広告の会ニュース , 学問の意義 , 大学の使命 , 大学の自治 , 東京都の大学支配問題
12/13 「意見広告の会」ニュース71(2003.12.13)意見広告の会ニュース , 東京都の大学支配問題
12/13 「意見広告の会」ニュース 70 (2003.12.12)意見広告の会ニュース

2004年12月30日

転載「意見広告の会」ニュース231(2004.12.30)

*ニュースの配布申し込み、投稿は、
  qahoujin at magellan.c.u-tokyo.ac.jp まで、お願い致します。

*授業料値上げ問題に関する各大学の状況・情報を上記へお寄せ下さい。
  その際、掲載の可・不可、匿名希望等の指定をお願い致します。

** 目次 **
1 国立大学授業料値上げ問題特集
      政府支出は189億円、率にして1.5%強減少する。
1−1 2005年度国立大学関係予算政府案を分析する
      国立大学法人法反対首都圏ネットワーク事務局
1−2 文科省資料目次
      本資料は首都圏ネットのHPをご覧下さい。
1−3 資料 平成17年度国立大学関係予算の政府案決定と今後の対応について
      国大協会長 佐々木 毅
1−4 資料 国立大学の授業料標準額の改定について
      国立大学法人支援課長 清水孝悦
1−5 国立大学の授業料値上げを文科省が押しつけ JANJANニュース
  J    ANJAN 2004年12月26日付

2 真にかつ種々の意味で危機を迎える都立大
2−1 大手予備校進路相談担当者の見方紹介
      やさしいFAQ
2−2 大手予備校進路相談担当者は「首大」をどう見ているか?
力作・労作・傑作! その一部を紹介
2−3 中期目標素案紹介
やさしいFAQ 

***
1 国立大学授業料値上げ問題特集

1−1 2005年度国立大学関係予算政府案を分析する
  2004年12月30日 国立大学法人法反対首都圏ネットワーク事務局

 去る24日、2005年度予算政府案が閣議決定された。同日国大協は会長
名で「平成17年度国立大学関係予算の政府案決定と今後の対応について」
(国大協企画第125号。以下、『12.24国大協会長文書』)を各会員大
学代表者(学長)宛に送付し、来年1月13日に臨時理事会を開催して対応を
検討する旨表明した。同文書には国立大学関係予算の枠組み等にかかわる文科
省の資料(以下、『文科省資料』。引用を容易にするために本事務局でA〜G
のラベルをつけた)が添付されている。なお、これに先立ち、22日には、文
科省高等教育局国立大学法人支援課長名による「国立大学の授業料標準額の改
定について」という事務連絡文書(以下、『12.22支援課長文書』)が各
大学の学生納付金担当理事宛に送付されている。本事務局は、これらの文書を
まず公開することとする。

(1)12.24国大協会長文書
(2)文科省資料(A〜G)
(3)12.22支援課長文書

 また、それらの文書を基にして、2005年度国立大学関係予算政府案の解
説と分析を試みたのでその結果を併せて以下に示す。

1.国立大学法人の収入:『文科省資料A,F』が全体を理解する上で便利で
ある。

(1)収入の項目
授業料等、雑収入、運営費交付金、病院収入の4つである

(2)各項目の増減
1)授業料:授業料標準額の増額(15,000円)による収入増81億円が既に組
み込まれて、総額86億円増。『文科省資料G』の2)参照。
2)雑収入:1億円減。根拠不明。
3)運営費交付金:『文科省資料G』にあるとおり98億円減。
4)病院収入:経営改善係数2%分=92億円の収入増が前提にされている。
総額104億円の収入増のためにはさらに12億円の収入増が必要だがその根
拠は不明(医療費「改革」?)。

(3)事業費総額
91億円増。このうち81億円は授業料値上げによる増収であることに注意。

2.国立大学法人の支出:『文科省資料A,F』が全体を理解する上で便利で
ある。

(1)支出の項目
特別教育研究経費、教育研究費等、退職手当等、病院関係経費の4つである。

(2)各項目の増減
1)特別教育研究経費:45億円増。競争的経費への傾斜を示す。『文科省資
料B,G』参照。
2)教育研究費等:46億円増額することによって効率化係額97億円減額分
を51億円減に圧縮。『文科省資料B,G』参照。
3)退職手当等:78億円増。
4)病院関係経費:病院関係経費=病院収入+運営費交付金(病院診療関係相
当分)であるから、病院関係経費の増額が19億円に留まっていることは、運
c費交付金(病院診療関係相当分)が平成16年度の584億円から499億
円へ85億円、率にして約15%の減を意味する。

3.2005年度国立大学関係予算政府案の本質

(1)2005年度国立大学関係予算政府案は授業料値上げを前提として作ら
れている。

 文科省は、「運営費交付金の減額は98億円、0.8%に過ぎない。現状ではベ
ストに近い予算案である」と主張していると伝えられているが、これはことの
本質を覆い隠すデマゴーギッシュな主張である。『文科省資料G』に示された
「算定ルール」による189億円の運営費交付金減額を98億円にまで圧縮で
きたのは、授業料値上げによる81億円増収や病院収入において経営改善額以
外に12億円の増収などを見込んでいるからである。そして、政府支出は疑い
なく189億円、率にして1.5%強減少するのである。

(2)授業料の連続的値上げが導かれる

 政府支出減を最も確かな収入増である授業料値上げでまかなおうとするなら
ば、授業料を毎年値上げしなければならないことになることは明白である。す
なわち、学生と父母の負担が毎年増大するのである。しかも、退職手当等増7
8億円(ほぼ授業料値上げ増収額に匹敵)となる2005年度は教職員数が最
も少ない世代が定年を迎える年度であり、第1次ベビーブーマーが定年に達す
る2007年度は退職手当経費はピークになるニ推定されていることにも注目
しておこう。

(3)病院の独立採算制移行への拍車がかかる

 2(2)4)で指摘したように、病院の経営改善係数2%の強制によって、
病院診療関係相当分の運営費交付金は全体の10倍、年15%の率で減少して
いる。この率で減少するならば、5年で当初年度の約50%になる。そうなれ
ばもはや事実上の独立採算制となるが、果たしてそれで大学病院としての任務
が果たせるのであろうか。

4.問われる各大学、そして国大協の姿勢

 授業料値上げを前提とした政府予算案を粉砕しない限り、学生と父母への負
担増によって運営費交付金削減をまかなうという悪無限的構造が確立される。
各大学が個別に対処するのではなく、全国立大学が一致してきっぱりと授業料
標準額値上げを拒否し、国立大学関係予算政府案の組み替えを要求することが
必要である。そしてこのような運営費交付金制度をもたらした国立大学法人法
の廃止へと進まねばならない。

 国大協執行部、なかんずく国立大学法人法案の国会審議過程で参考人として
同法に賛成の意見陳述を行った佐々木会長は、自らの責任を自覚しつつ、予算
案組み替えのための行動を直ちに展開しなければならない。その意味でも1月
13日の臨時理事会が注目される。

1−2 文科省資料 

A 国立大学法人の収支構造(イメージ)
B 平成17年度 国立大学法人運営費交付金の内示概要
C 国立大学法人の授業料標準額の改定について(案)
D 国立大学と私立大学の授業料と改定幅の推移
E (参考) 国立大学と私立大学の授業料等の推移
F 平成17年度予算の内示概要
G 平成17年度 国立大学法人予算予定額の概要
 *詳細は首都圏ネット http://www.shutoken-net.jp/ をご覧下さい。

1−3 平成17年度国立大学関係予算の政府案決定と今後の対応について

国大協企画第125号
平成16年12月24日
各会員大学代表者 各位
社団法人 国立大学協会
会長 佐々木 毅

平成17年度国立大学関係予算の政府案決定と今後の対応について

ご案内のとおり、平成17年度の政府予算は、本日閣議決定されました。各大学に掛か
る個別案件の結果については、既に文部科学省から各大学ごとにご連絡があったことと
承知しておりますが、国立大学関係予算の枠組み等については、別添のとおり資料を入
手しましたので、ご参考に供します。
ところで、この予算案において、国立大学学生納付金(授業料)の標準額が改定される
予定となりました。具体的には、今後、文部科学省令において改訂額が規定され、各大
学はその110%を上限として、授業料を設定するとの説明を受けております。
しかしながら、今回の授業料標準額改定やこれを新年度から実施するに当たっての具体
的な諸課題への対応などについては、法人化された国立大学の立場などとの関係も含め
必ずしも明確ではありません。このため、先般文部科学省当局との間でこの問題を話し
合いました。文部科学省は、既に各大学の学生納付金担当理事あての通知で、疑問点の
問い合わせ窓口設置を通知しているようですがA各大学や各支部から要請があれば、責
任者の会議等に自ら出かけて説明する用意があるとの意向を示しております。ついては
、このことについて国大協事務局から貴大学の事務当局に対して、日程調整を中心にし
た連絡をさせますので、よろしくご協力の程お願いします。
おって、今回の予算案については、来年1月13日(木)に臨時理事会を開催し、文部
科学省から詳しい説明を受けるとともに、今後の対応を協議することとしておりますの
で、念のため申し添えます。

1−4 文科省資料 
事 務 連 絡
平成16年12月22日
各国立大学法人
学生納付金担当理事 殿
文部科学省高等教育局
国立大学法人支援課長 清水孝悦

国立大学の授業料標準額の改定について

平成17年度以降の授業料標準額については、私立大学の授業料等の水準など社会経済
情勢等を総合的に勘案し、別紙案のとおり改訂することとなりましたのでお知らせしま
す。
今後、国立大学等の授業料その他の費用に関する省令(平成16年3月31日文部科学
省令第16号、以下「費用省令」。)の改正を予定しています。
ついては、下記にご留意の上、必要なご検討、ご対応をいただくようお願いいたします

1.各国立大学における具体の授業料の改訂については、費用省令の定める額を標準と
して、各国立大学法人の学則等により定められているところです。

2.各国立大学法人において授業料の額を改定される場合は、学生・保護者に対する事
前の周知に努めていただくようお願いいたします。(なお、各国立大学法人においては
、これまでも募集要項等において、授業料等が予定額であり、入学時または在学中に改
定を行った場合には、改定時から新たな授業料等を適用することなどを周知されてきた
ところと思います。)

3.なお、疑問点については、問い合わせ先に照会願います。

(問い合わせ先:略)

1−5 国立大学の授業料値上げを文科省が押しつけ JANJANニュース
  JANJAN 2004年12月26日付

 国立大学が法人化されてまだ1年もたたないのに、来年からの授業料の値上げが、文
科省によって押しつけられようとしている。法人化によって、国立の大学ではなくなっ
た「国立大学法人」は、授業料は自分たちで決められるはずであった。

 しかし、大学の運営に必要なお金「^営交付金」を、来年から学生の授業料を値上げ
して増益した分を減額するというやり方で、まだ値上げを決めてもいない大wに値上げ
を押しつけようとしている。法人化によって、文科省のコントロールから独立したはず
の「国立大学」だが、実際には、運営交付金を減らすと言うだけで、授業料の値上げを
せざるを得ない状態に追い込まれてしまう。そして、政府が国立大学に交付してきた金
を減らした分だけ、学生に負担させようということなのだ。

 学生よ。もっとこの政府のやり方に怒るべきだ。それともお金を払うのは親だから、
私達は知らないよ、というのだろうか。

 肝心の国立大学協会では、12月8日に総会を開いてその問題も含めて審議した。授
業料の値上げは容認できないという意見が多くの大学から出され、文科省への要望書を
提出した。しかし、政府予算案では、国大協の要望は一顧だにされず、授業料の値上げ
を前提とした運営交付金の減額が行われてしまった。これは、授業料を決めるのは国立
大学法人ではなく、実質的には、法人化したにもかかわらず政府が決めるということの
強い意志(脅し)を表したのであろう。国大協も法人化にきちんと反対しなかったため
、なめられたものだ。
(山路比呂志)
 http://www.janjan.jp/government/0412/0412221879/1.php

2 真にかつ種々の意味で危機を迎える都立大 

2−1 やさしいFAQ 大手予備校進路相談担当者の見方

2004年12月24日:クビダイ・ドット・コムに読者からの投稿 大手予備校進路相談担当
者は「首大」をどう見ているか? が掲載された。
  http://www.kubidai.com/modules/xfsection/article.php?articleid=26

COMMENT:受験産業はそれなりに「首大」の情報分析をしている。単に国公立合格率を上
げるために「首大」を推薦しているところもあれば,様子を見ていて,「積極的には奬
めない」ところもあるようだ。「首都大学東京大」というのにヘ, 笑ってしまった。「
首都大学」+「東京大」ですね(無理なネーミングをすると,こんな風に間違って受け
入れられてしまうという例)。
ところで,「首大」ブランドプロモーションは,河合塾によって行われた。宣伝紙 Voi
ceが約1万部が受験生に配布された。内容は,「リベラルアーツの重要性を見直すとこ
ろから大学改革が進んでいる!」というタイトルの一般論 2ページと「首都大学東京っ
てどんな大学?」という「首大」の全体的説明1ページの後に,コースごとに1名ない
し2名の教員の紹介が3ページほど掲載された冊子。 「首大」でやるのは,リベラル
アーツ(Liberal Arts)ではない!「都市教養」という,地域限定内容不明のレッテルが
存在するだけ。 そして,「都市教養」という概念が大学改革の中心にあるというのは
幻想。「首都大学東京」成立で中心にあったのは,(1) 人件費削減,(2) 東京都による
教育支配, (3) 経営効率のアップであって,「教育や研究」の未来を考えたものでは
なかった!

2−2 大手予備校進路相談担当者は「首大」をどう見ているか?
     一部紹介

私は,このサイト,クビダイドットコムの熱心な読者の一人である。伝統ある都立大学
を廃止し,中身が全くわからない首都大学東京が設置されるという現状を強く憂う者だ
。このサイトに掲載された情報などから判断すると,都立大学と首都大学東京とは全く
の別物である。それは,インターネット等で入手できる予備校の偏差値予測にも現われ
ているが,最近,実際にどの程度予備校の進路相談担当者に新大学の中身のなさ,設置
をめぐる混乱模様が伝わっているのだろうか,きちんと受験生に伝わっているのだろう
か,ということがどうしても気になるようになってきた。

そこで,都内の大きなX駅周辺 (そこは予備校激戦地区とも呼ばれる) において,複数
の予備校を訪問し,進路相談担当の事務員に今冬の首都大学東京の入試難易度,受験志
望者の傾向,予備校としての指導方針などを質問してきた。

以下は,その訪問記である。
 *以下は http://www.kubidai.com/modules/xfsection/article.php?articleid=26
  をご覧下さい。

2−3 やさしいFAQ 中期目標素案紹介

2004年12月27日:12月20日に行われた第9回経営準備室会議で, 中期目標素案(12/20/2
004)が紹介され,中期目標はほぼこれで完成であるとの報告がなされたらしい。 2004
年12月15日の情報で伝えたように,12月15日に配布された案に対して,同日締め切りで
意見が求められ,それに応じて人文学部長が提出した修正案(12/15/2004) が提出され
た。素案と修正意見を比較するには, こちらをクリック。
COMMENT:比較して分かること: 字句の修正以Oの基本的理念はほとんど何も受け入れら
れてはいない。 例1)首大の【教育課程・教育方法】に「現代都市における新たな教養
教育を創成し、都市教養という概念が広く社会に認知されるよう努める。  また、こ
れらを基礎に、各分野における専門教育の充実にwめるとともに、各学部の協力のもと
に、学部横断的な都市政策コースを開設し、魅力的なカ リキュラムを学生に提供する
。 」とあるが,「都市教養」なんて誰も分からないものを社会に広めるなんて無理。ウ
らに,河合塾外注から飛び出してきた「都市政策コース」なんてまだほとんど内容は議
論されていないばかりか,担当教員はたった一人とい、噂!
例2)「研究内容等に関する目標」にある「また、首都大学東京の使命を意識しながら
、個々の研究の質を高めるように努める。」 は削られることはなく,「研究実施体制
等の整備に関キる目標」に「長期的視野に立ち学術の体系に沿った研究に基礎的研究費
の配分を保障するとともに、 研究を活性化する観点から戦略的な研究費配分をも採り
入れる一方、全学的な体制整備のもとに 外部資金の獲得を積極的に進める。」 という
提案に対して、「研究を活性化する観点から戦略的な研究費配分を行うとともに、産学
公連携センターを中心に体制の整備を進め、外部資金の獲得を積極的に進める。」 と
なった。長期的視野に立った学問は無視し,研究費の傾斜的配分や産学交流をメインに
し,なるべく外部から研究費を集めろという方針が明確になっている。もう呆れて声も
出ない。

2004年12月24日

転載:「意見広告の会」ニュース230 (2004.12.24)

*ニュースの配布申し込み、投稿は、
  qahoujin at magellan.c.u-tokyo.ac.jp まで、お願い致します。
** 目次 **
1 立川反戦ビラ事件無罪判決
1−1 立川反戦ビラ事件無罪判決を支持する法学者声明
1−2 検察側、控訴の方針 自衛隊イラク派遣反対ビラ訴訟 
     12/22 朝日新聞
1−3 防衛庁長官コメント
     防衛庁記者会見の概要より
2 学校に自由の風を!ネットワーク1・10集会へのご賛同のお願い
     呼びかけ人3名含む賛同者計121人

***
1−1 立川反戦ビラ事件無罪判決を支持する法学者声明
 立川市内の防衛庁官舎で、イラク派兵に反対する内容のビラを投函した市民グループ
「立川自衛隊監視テント村」のメンバー三人が、住居侵入罪の容疑で、逮捕・起訴され
た事件の判決言い渡しが、一二月一六日に東京地方裁判所八王子支部であった。

 1 判決内容

 判決は、三人が行ったビラ投函は憲法二一条一項の保障する政治的表現の一態様であ
り、民主主義社会の根幹を成すものとして、営業活動など経済的自由に比して「優越的
地位」にあり、憲法上特に強い保障を受けると判示した。このように表現の自由の意義
を確認したうえで、政治的見解を伝える動機で、官舎の住人のプライヴァシーを侵害す
る程度が非常に低い態様で、防衛庁官舎に立ち入った三人の行為は、刑罰を加えるほど
の違法性がないとして、無罪判決を言い渡した。
 またこの判決は、住居侵入罪の構成要件について、従来の最高裁判所の判例の立場と
同様に、意思侵害説に立ち、また住居侵入罪の対象について、集合住宅の個々の居室、
通路および敷地を「一体」のものと捉えるという見解を示した。そして、三人の行為は
、住居侵入罪の構成要件を満たすとした上で、しかし、行為の動機が政治的意見表明を
目的とした正当なものであり、手段も相当なものであり、その行為の結果も法益の侵害
の程度が極めて軽微という三点において刑罰を加えるほどの違法性がないとした。
 すなわち管理人ないし住人から、明確な意思表示があったわけではないこと、ビラの
内容自体には「威力」をちらつかせたり、法によって保護されるべき住人の何らかの利
益を侵害するところがないこと、三人が属する市民グループの普段の活動も暴力を用い
て政治的主張を行うものではないこと等の事実を詳細に認定した上で、無罪判決を言い
渡したしたのである。

 2 私たちは、この無罪判決を支持する。

 私たち法学者は、民主主義社会における表現の自由の意義についての適切な評価を踏
まえて、丁寧な事実認定と説得力ある論理に基づいた無罪判決を支持する。
 また、この無罪判決が、今回の捜査、逮捕及び起訴が、極めて不当なものであったこ
とを浮き彫りにさせるものであることを確認する。

 3 私たちは、次のことを要求する。

 以上に述べた無罪判決の意義にかんがみて、私たちは、次のことを強く要求する。
 検察は、民主主義社会における表現の自由の意義および最高裁判所の判例に照らして
も無罪判決が当然の結論であることを深く理解し、この事件の控訴を行うべきではない

 防衛庁官舎等の管理人および住人は、この事件における三人の行為のような民主主義
社会が当然に前提とする表現活動の意義を認識し、プライヴァシー侵害などの重大な不
利益が発生する等の場合を除いては、安易に拒絶の意思表示を行うべきではない。また
拒絶の意思表示をする場合であっても、住人一人一人の判断を尊重すべきである。
 最後に、私たち法学者は、少数意見への寛容さが急速に失われつつある日本において
、三人を無罪とした裁判官の見識に敬意を表するとともに、この無罪判決をきっかけに
して、民主主義社会における表現の自由の重要性を再確認することを、すべての市民に
呼びかける。

二〇〇四年一二月一六日

呼びかけ人 奥平康弘(憲法研究者)、山内敏弘(龍谷大学・憲法学)、松宮孝明(立
命館大学・刑法学)

賛同者(12/23, 00:30更新)

愛敬浩二(名古屋大学)/鮎京正訓(名古屋大学)/青井未帆(信州大学)/麻生多聞
(鳴門教育大学)/安達光治(國學院大學)/足立英郎(大阪電気通信大学)/綾部六
郎(北海道大学)/飯島滋明(工学院大学)/飯田泰雄(鹿児島大学)/生田勝義(立
命館大学)/井口秀作(大阪産業大学)/池端忠司(香川大学)/石川裕一郎(早稲田
大学)/石埼学(亜細亜大学)/市川正人(立命館大学)/伊藤雅康(札幌学院大学)
/稲正樹(大宮法科大学院大学)/井端正幸(沖縄国際大学)/今関源成(早稲田大学
)/岩佐卓也(神戸大学)/植松健一(島根大学)/植村勝慶(國學院大學)/右崎正
博(獨協大学)/浦田一郎(一橋大学)/浦田賢治(早稲田大学)/蛯原健介(明治学
院大学)/遠藤隆久(熊本学園大学)/遠藤美奈(摂南大学)/大久保史郎(立命館大
学)/大河内美紀(新潟大学)/岡本篤尚(神戸学院大学)/小栗実(鹿児島大学)/
小沢隆一(静岡大学)/柏崎敏義(関東学院大学)/加藤一彦(東京経済大学)/紙野
健二(名古屋大学)/上脇博之(神戸学院大学)/川岸令和(早稲田大学)/北川善英
(横浜国立大学)/君島東彦(立命館大学)/葛野尋之(立命館大学)/楠本孝(三重
短期大学)/久保田穣(東京農工大学)/倉持孝司(甲南大学)/小竹聡(愛知教育大
学)/小林武(愛知大学)/小松浩(神戸学院大学)/木幡洋子(愛知県立大学)/近
藤充代(日本福祉大学)/斉藤小百合(恵泉女学園大学)/阪口正二郎(一橋大学)/
佐々木弘通(成城大学)/佐々木光明(神戸学院大学)/笹沼弘志(静岡大学)/澤野
義一(大阪経済法科大学)/清水雅彦(明治大学)/新屋達之(大宮法科大学院大学)
/杉浦一孝(名古屋大学)/杉原弘修(宇都宮大学)/鈴木眞澄(龍谷大学)/隅野隆
徳(専修大学)/芹沢斉(青山学院大学)/高佐智美(獨協大学)/高橋利安(広島修
道大学)/高村学人(東京都立大学)/武川眞固(高田短期大学)/多田一路(大分大
学)/只野雅人(一橋大学)/館田晶子(跡見学園女子大学)/塚田哲之(福井大学)
/土屋清(山梨学院大学)/角替晃(東京学芸大学)/寺川史朗(三重大学)/豊崎七
絵(龍谷大学)/長岡徹(関西学院大学)/中島茂樹(立命館大学)/中島徹(早稲田
大学)/永田秀樹(関西学院大学)/長塚真琴(獨協大学)/中富公一(岡山大学)/
長峯信彦(愛知大学)/永山茂樹(東亜大学)/成澤孝人(三重短期大学)/名和鐵郎
(獨協大学)/西原博史(早稲田大学)/丹羽徹(大阪経済法科大学)/庭山英雄(刑
事法研究者)/根森健(新潟大学)/坂東行和(四日市大学)/東澤靖(明治学院大学
)/平井佐和子(西南学院大学)/藤原俊雄(静岡大学)/本田稔(立命館大学)/前
田朗(東京造形大学)/前原清隆(長崎総合科学大学)/松井幸夫(関西学院大学)/
水島朝穂(早稲田大学)/緑大輔(広島修道大学)/宮地基(明治学院大学)/宮本弘
典(関東学院大学)/三輪隆(埼玉大学)/宗野隆俊(滋賀大学)/村井敏邦(龍谷大
学)/村田尚紀(関西大学)/本秀紀(名古屋大学)/元山健(龍谷大学)/森尾亮(
久留米大学)/森川恭剛(琉球大学)/森英樹(名古屋大学)/柳井健一(山口大学)
/山口和秀(岡山大学)/山崎英壽(日本体育大学)/山元一(東北大学)/横田力(
都留文科大学)/吉田省三(長崎大学)/和田進(神戸大学)/渡辺治(一橋大学)/
渡辺洋(神戸学院大学)

呼びかけ人3名含む賛同者計121人

声明事務局 石埼学 ma1968@msj.biglobe.ne.jp

1−2 検察側、控訴の方針 自衛隊イラク派遣反対ビラ訴訟 

 自衛隊のイラク派遣反対を訴えるビラを防衛庁官舎の新聞受けに入れたとして、住居
侵入の罪に問われた市民団体の人に東京地裁八王子支部が無罪判決を言い渡したことを
不服として、検察当局は22日、東京高裁に控訴する方針を固めた。

 東京地裁八王子支部は16日、「住民のプライバシー侵害の程度は低く、ビラ入れが
憲法で保障された政治的表現活動の一つとして民主主義社会の根幹をなすことを考えれ
ば、刑事罰に値するほどの違法性はない」と述べて無罪を言い渡した。 (12/23 07:55)

1−3 防衛庁記者会見の概要より(→12月17日をクリック)
http://www.jda.go.jp/j/kisha/index.html

Q:昨日、東京地裁の八王子支部の判決で、自衛隊のイラク派遣に反対する
ビラを防衛庁の官舎に配布した市民団体のメンバーに対して無罪判決が
言い渡されましたが、これついての大臣の所見を頂きたいと思います。

A:事件はイラク派遣反対ビラを立川公務員宿舎に撒いた人がいるという
ことで、これについて言わば住民の方から、「もうこういうビラは撒かないで
欲しい。」という要請が出たわけであります。そして立ち入り制限に入って
くれるなということを紙に書いたビラを掲示していたということでありますが、
これを無視して入ってきて、そしてビラを引き続き撒いたということで、宿舎
維持管理責任者である東立川駐屯地の業務隊長などが警察と相談して、警視庁
立川警察署長に対して住居侵入に対する被害届を提出した。これが事実であります。

 これに対して裁判の方は、今お尋ねのとおりであります。法的にどう判断する
かは別といたしまして、やはりビラを撒くというのは言論の自由であり、報道の
自由であり、そういう言論の自由と関係することではありますけれども、問題は、
「それが嫌だ。」、「そういうことをして欲しくない。」と言うのも自由な
は、私は全く別だと思いますけれども、そういうビラを撒いて欲しくないという
人がいたら、そういう要望があるということも撒く方は考えてもらいたいという
気がいたします。

◆大野防衛庁長官へのご意見はこちらへ ◆
--------------------------------------------------
防衛庁
〒162-8801 東京都新宿区市谷本村町5-1
電話(代表)  03−3268−3111  03−5366―3111
イラク派遣へのご意見箱  info-iraq at jda.go.jp
その他のご意見箱     info at jda.go.jp

2 学校に自由の風を!ネットワーク1・10集会へのご賛同のお願い

 今年も残り少なくなってまいりましたが、お元気でご活躍のことと存じます。
今年一年、私たちはいろいろな方々のご協力を得て、「学校に自由の風を」吹かせよ
うと活動を続けてまいりました都立学校の保護者などを中心とする市民団体です。
ご存知の通り、昨年10月23日の都教委通達以来、東京の学校への国旗・国歌の強制は
極限に達した感があります。教職員のみならず、生徒や保護者にまで国旗・国歌が強
制され始めるなど、東京の教育現場は国家主義への道をまっしぐらに進んでいるよう
に見えます。また、現在の教育にかけられている攻撃は、憲法・教育基本法の「改
定」につながる道筋のうえにあることは明らかで、国旗・国歌の強制は、その道筋の
一つの典型なのだと私たちは考えています。今、私たちが大きな連帯で声を上げてい
かなければ、日本の教育において良心はすべておしつぶされ、戦争への道をひた走る
レールが引かれてしまう、そこまで事ヤは進行していると言えるでしょう。

私たちは教育の自由を守り、この東京から平和や人権を守る大きな流れを、多くの
方々とともにつくっていきたいと考え、別紙の通り来年1月10日、日比谷公会堂での
集会を計画いたしました。大きな会場での集会をなんとしても成功させて、国旗・国
歌の強制などで教職員・生徒・保護者の心を縛ろうとする東京都教育委員会の暴走に
ストップをかけ、さらに日本中の学校に「自由の風」を吹かせていきたいと考えてい
ます。

年末のお忙しい時期とは存じますが、集会に成功に向けてぜひお力をお貸しいただき
たく、下記のことをお願い申し上げるしだいです。どうぞよろしくお願いいたしま
す。
末筆ながら、今後のさらなるご活躍をお祈りいたします。

                  記
1.集会へのメッセージをお願いいたします。別紙にご記入の上、ご返送ください。
  ※いただいたメッセージは、集会当日のプログラムに掲載させていただくとともに

   集会後の報告としてHPに「プログラムより」として掲載させていただきますので

   お名前・肩書きの公表の可否をお書き添えください。
  (e-mail、Fax、何れでも結構です)

2.集会にご賛同ください。集会は入場無料といたしましたが、会場費・資料代等か
なり財政的に厳しいものがございます。大変恐縮ですが以下の振込先に賛同金
のご協力をいただけると幸いです。

以上

連絡先:丸浜江里子 筺Fax3331-4533、東本久子 筺Fax3334-6656
      学校に自由の風を!ネットワーク  
HP http://comcom.jca.apc.org/freedom/
 e-mail jiyuunokaze at yahoo.co.jp

■賛同金 団体:一口2000円(何口でも大歓迎)、個人:一口500円以上
   振り込み先:郵便振替口座 加入者名:自由の風ネットワーク
      口座番号:00140−8−777805   

2004年12月21日

転載:「意見広告の会」ニュース228(2004.12.20)

*ニュースの配布申し込み、投稿は、
  qahoujin at magellan.c.u-tokyo.ac.jp まで、お願い致します。
** 目次 **
1 真にかつ種々の意味で危機を迎える都立大
1−1 都立2高専を統合 
      やさしいFAQ
1−2 ものづくり技術高専、06年開校 大学経ず修士コース−−都方針
毎日新聞 12/17
1−3 単位バンクの「学修カウンセラー」
やさしいFAQ
1−4 「任用・給与制度の選択について」 ルール無視の管理本部
      「手から手へ」 2313号   *付 FAQコメント
1−5 新たな流出が判明
      首大非就任者の会HP
2 中国・四国地区国立大学法人学長 「標準額」引き上げに反対

3 「授業料が危ない!」についての Ac Net Letter編集発行人の註
    Academia e-Network Letter No 221 (2004.12.18 Sat)


*前号目次「10」の「同上」(以下参照)は「朝日新聞」ではなく「任命阻止ネット」のことです。
 短時間制作によるミスをお詫び致します。
8 つくる会が埼玉新聞への「攻撃」を呼びかけ  任命阻止ネット
9 県幹部の意見に埼玉知事が注意 朝日新聞
10 高橋氏任命の違法性について、知事周辺で二転三転 同上
***
1−1 都立の2高専を統合 やさしいFAQ

2004年12月18日:東京新聞(12/17/04)に,「都立2高専を統合:専攻科新設大学院と一
体化へ」という記事。以下,一部引用:

 都教委の「高専改革検討委員会」(委員長・山際成一学務部長)は十六日、都立工業
高専(品川区)と航空高専(荒川区)を統合再編して専攻科を新設するなど、より専門
化した高等教育機関とする報告書をまとめた。

 新高専は現高専二校をそれぞれ品川キャンパス、荒川キャンパスとして二〇〇六年四
月の開校を目指す。専攻科修了後、首都大学東京の産業技術大学院(二〇〇六年設置予
定)への進学を視野に入れており、日本で唯一大学院と一体化した教育で「ものづくり
のスペシャリスト」養成を目指すのが最大の特色という。
COMMENT:2つの高専を再編統合するという話の続きとして,高専専攻科を卒業して,「
首都大学東京産業技術大学院」に入学する道を作るという話。高専の専攻科卒業は,大
学卒業と同等の資格が得られるのか?そもそも高専の再編統合も,「産業技術大学院」
も,現都立4大学の教員とはまったく関係ないところで進められている話。しかし,1
つの法人で高等教育すべてを統括し,東京都の思ったようにコントロールできる教育体
制は,これで完成する。もう阻止できないのか? はっきりと NO! と言う人が急増しな
い限り,「これは都民のためにやっているんです」,「都民は大賛成しています」と宣
伝されてしまう。本当ですよ。

1−2 ものづくり技術高専、06年開校 大学経ず修士コース−−都方針
     『毎日新聞』2004年12月17日付
 ◇9年間の一貫教育

 中学校卒業後に9年間かけて、科学技術の高度化に対応できる「ものづくり
技術者」を養成しようと、都は06年4月、新たな高等専門学校を開校し、2
4歳までの一貫教育プログラムを準備する方針を決めた。4年制大学を経由せ
ずに「専門職大学院」で修士号を得られる国内唯一のコースになるという。

 都教委の構想によると、現在ある都立工業高専(品川区)と都立航空工業高
専(荒川区)を統合した新しい高専の本科(5年)の上に専攻科(2年)を新
設し、「首都大学東京」の産業技術大学院(2年)に接続する。学力テスト以
外の多様な入試を実施することにより、ものづくりの才能がある中学卒業生を
入学させるという。

 新しい高専は、公立大学法人「首都大学東京」が運営する見込み。東京のも
のづくり産業を担うスペシャリストの養成を目標に掲げ、環境に配慮したエネ
ルギー技術や、防災・防犯のための安全確保技術など「東京再生に寄与する東
京工学」の視点を取り入れた教育をする。

 現在、公立大学法人による高専経営は認められていないため、都は国に教育
改革特区を申請中。専攻科の定員は1学年32人を想定し、専門職大学院に進
学しなかった学生も学士号を得られるため、大卒と同じ扱いになるという。
【奥村隆】

1−3 単位バンクの「学修カウンセラー」
2004年12月18日:単位バンクシステムで活躍予定の「学修カウンセラー」(旧:キャリ
アカウンセラー)のチーフ1名,スタッフ2名が公募されていることが判明(2004年12
月10日開催第6回教学準備会議資料より。 2005年1月21日受付締切,2月中に決定予定
)。学生のカリキュラム相談を担当し,学生に合ったカリキュラムを助言し作っていく
ことができるという恐ろしく強権な職員。
COMMENT:教学準備委員会では,「学修カウンセラー」の公募が事前の協議なしに始めら
れたことに対して,抗議が出たようだ。なにしろ, 「学修カウンセラー」の具体的な
職務規程に関しては,まだ何も決まっていないのだ。しかし,より本質的な問題は,学
生のカリキュラムの決定に大きな影響を与える人材が,学外から職員として採用される
という点。このシステム自体が根本的に間違っている。さらに「時間がない」という常
套句の繰り返しで,議論もせずに,なし崩しに事が決められていく。その被害者は,教
職員と学生。役人は,ただ期限までに仕事を終わらせればよいのだ。

1−4 「任用・給与制度の選択について」 ルール無視の管理本部

「手から手へ」 2313号

大学管理本部の背信行為に怒りを込めて抗議する!!
    2004年12月16日 東京都立大学・短期大学教職員組合 中央執行委員会

 本日、「大学管理本部長」名で都立の各大学学長宛に『任用・給与制度の選択につい
て(依頼)』という文書が届けられました。これは表題が示すとおり、現在、組合と当
局の間で交渉の真っ最中である法人下での雇用、賃金制度に関して、労働条件を示さず
に労働契約を押し付けようと発せられたもので、組合とすべての教職員に対する重大な
背信行為です。
 第一にこの文書は言語道断な交渉ルール無視であり、誠実な交渉義務に反する暴挙で
す。私たちは昨日、12月15日に、まさにこの問題に関する緊急要求書および制度選択の
前提となる事項に関しての解明要求書を当局に提出し、合意した交渉ルールに則って20
日に決定されていた団交の議題とするべく、双方の窓口において内容整理の話し合いを
行っていたのです。その最中にこの文書が事前に内容を提示することもなく一方的に出
されたことは背信行為以外の何ものでもありません。
 第二にこの文書はなんら労働契約の前提となる判断材料を示していません。当局自身
が去る7月2日付の『5項目要求への回答』において「法人と教員各人が労働契約を締結
する際には、労基法に定める項目に関し、条件を明示」すると述べているにもかかわら
ず、これまでと同じあいまいな内容提示のまま、教員の現在と将来の生活を決してしま
う選択を迫っていることは許しがたい不誠実さです。その判断に必要だからこそ私たち
は再三にわたり団交で問いかけ、解明要求を提出しているのです。
 私たちは管理本部に対して、この文書を撤回し、まず緊急要求と解明要求に答えるこ
とを強く要求します。また、各大学学長に対しては、組合の交渉過程を注視し、軽はず
みに「依頼」に応えないよう要望します。
 4大学の教員のみなさん。組合は12月20日団交を予定しており、さらに別記の緊急要
求、解明要求を管理本部に求めています。これらの経過、結果は遂次「手から手へ」と
HPでお知らせします。たとえこの「照会」が届いたとしても、安易に応じないようにお
願いします。評価制度の未定なままの任期制・年俸制も、昇任・昇給を放棄することも
どちらも、現状からの不利益変更なのです。当局の横暴に団結して闘いましょう。

*FAQの関連コメント
◎ 2004年12月16日:都立大学・短期大学教職員組合は,12月15日付で大学管理本部長
宛に「新法人における賃金雇用制度に関する緊急要求」を提出していたことが判明。管
理本部は,「任用・給与制度の選択について」という文書を12月中に都立4大学教員の
該当者に配布し,「新制度」と「旧制度」の選択を迫ろうとしている。
COMMENT:法人に就任する承諾書の前に,任用・給与制度を選択する「意思確認」をさせ
ようとしている。所属部局への締め切りが2005年1月14日,管理本部締め切りが1月18日
。これまでに「新制度」(=任期制・年俸制)か「旧制度」(=昇格なし,昇給なし)
を決めないと4月に給与が支払えないと主張しているようだ。しかし,任用・給与制度
の基本的確認事項が組合との間に合意されていない現在,個人に2つの制度から1つを
(署名捺印して)選択させるのは違法。なお,先頃行われた首大昇任人事に該当する教
員は,自動的に「新制度」の適用になり,首大非就任者は自動的に「旧制度」になると
いうのは,明らかに雇用の不利益変更にあたる。これに対して,都立大各学部長は,法
学部を除き,この「任用・給与制度の選択について」という文書を配布しないと宣言し
ているらしい。

1−5 新たな流出が判明
12月16日
人文学部において2名の転出が決定し、人文学部の「流出数」は32名、「流出率」は24.
8%になった。(ただし、2名のうち1名は来年度末の転出予定である。)
また,理学研究科において1名の退職が決定し,理学研究科の「流出率」は12.4%となっ
た。

2 中国・四国地区国立大学法人学長 「標準額」引き上げに反対
 声 明 文
       「国立大学授業料の値上げについて再考を」

 文部科学・財務両省は14日、国立大学の年間授業料の目安となる「標準額」
を来年4月、現行の52万800円から1万5000円引き上げ、53万58
00円とする方向で調整に入った、という突然のインターネット上の情報に、
私たち学長は仰天していると同時に、学生やその保護者に対して誠に申し訳な
いと思っている。

 12月8日、国立大学長の集まりである国立大学協会が、臨時総会を東京で
開いて、文部科学省の授業料値上げや老朽校舎整備のための施設整備費補助金
の大幅カットの動きについて意見を交わし、こうした事態が現実化しないよう、
要請文「国立大学関連予算の充実について」を全員一致で決議し、中山成彬文
部科学大臣に提出したところである。その主要な要請内容は次のとおりである。

 平成17年度予算等における要請

(1)運営費交付金の確保・充実

 教育・人材立国、科学技術創造立国の重要な拠点である国立大学が、意欲的
な特色ある取り組みを継続して推進し、法人化のメリットを活かすことができ
るよう、運営費交付金の確実な確保を図ること。

(2)学生納付金標準額の据え置き

 学生が、経済状況に左右されることなく、能力・適性に応じて進学できる機
会を確保するという国立大学の役割を果たすため、中期計画期間における学生
納付金の値上げは容認できないこと。

(3)施設整備費の大幅増

 「国立大学等施設緊急整備5か年計画」の達成、特に、老朽施設の着実な整
備は、より高い教育研究の成果を実現するために欠かせない緊急な課題であり、
施設整備費補助金などの大幅な増額を図ること。 

 私たちの願いとは反対に、国立大学の学生納付金が法人化前と同様に、授業
料と入学料の値上げが隔年で交互に実施されれば、国立大学法人の使命である、
国民が能力に応じて高等教育を受ける機会を保障しにくくなる。特に、中国・
四国地域の国立大学にあっては、経済状況に左右されることなく、地域から幅
広く能力のある学生を集め、地域社会の中核となる人材を育成して、地域社会
のあらゆる分野に大きく貢献してきた。しかし、世界一高い国立大学の授業料
であるにもかかわらず、さらに値上げが続けば、地域における「知のサイクル」
が壊れ、地方と中央の格差はますます拡大し、地域の発展は期待しがたいこと
となる。

 教育・科学技術創造立国を目指すわが国としては、その拠点となる国立大学
の教育研究基盤の充実を図れるよう、国が予算面からも支援して、安易に授業
料の値上げをしないよう強く訴える。

      平成16年12月16日

中国・四国地区国立大学法人

鳥取大学長  道上 正規
島根大学長  本田 雄一
岡山大学長  河野 伊一郎
広島大学長  牟田 泰三
山口大学長  加藤 紘
徳島大学長  青野 敏博
鳴門教育大学長 高橋 啓
香川大学長  木村 好次
愛媛大学長  小松 正幸
高知大学長  相良 祐輔

3 「授業料が危ない!」についての Ac Net Letter編集発行人の註
    Academia e-Network Letter No 221 (2004.12.18 Sat)

#(編註:国立大学の独立行政法人化は「独立採算化ではない」の
で民営化とは違う、という説明により国立大学社会は独立行政法人
化を気軽に受け入れたと言ってもよい。しかし、財務省が25年間やっ
てきた通り、今後も、学費値上げと入学金値上げを1年置きに交互に
行い、その分だけ運営費交付金を減らしていくとすれば、それは時
間をかけた独立採算化と何が違うのだろうか。また、国立大学社会
の志気を著しく低下させる弊害は大きい。

一方、私大の高い学費を緩和すべく私学補助金の増額が行われるべ
きであるが、来年度も、削減はされていないが一般補助は据えおか
れたままである。私立大学の学生が格段に裕福な家庭の子女である
わけではなく、国立大学の学費値上げと同じように、私学の高い学
費が維持されていることは多くの家計を圧迫している。

四半世紀一貫して政府が推進している「高等教育費受益者負担化政
策」を疑問視する世論を形成しないかぎり、ごく少数のエリートの
ための国立大学が数校残り、他はすべて学校法人立や株式会社立と
なり、学費は「受益者」がすべて負担する時代が来ることは避けが
たいのではなかろうか、日本を動かす力のある組織や団体が絶えず
それを主張している以上。)

編集発行人連絡先: admin@letter.ac-net.org
趣旨:http://ac-net.org/letter/
ログ:http://ac-net.org/letter/log.php

2004年12月18日

転載:「意見広告の会」ニュース227 (2004.12.18)


*ニュースの配布申し込み、投稿は、
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** 目次 「埼玉教育委員」問題特集 **

1 埼玉教育委員選任で波紋 つくる会元幹部要請で 大分合同新聞
2 賛否で波紋 東京新聞
3 上田知事HPより
4 馬脚を現した上田埼玉県知事  ジャーナリスト浅井久仁臣氏HPより
    はっきりと高橋氏が「作る会」の副代表と書いていたではないですか。
5 上田知事は姑息なウソをつくのをやめよ!
    http://www.geocities.jp/saitamakyoiku/
6 人事撤回 1416人の賛同人が集まりました。
7 「反対運動は知事の任命権を侵すものだ」  任命阻止ネット
8 つくる会が埼玉新聞への「攻撃」を呼びかけ  任命阻止ネット
9 県幹部の意見に埼玉知事が注意 朝日新聞
10 高橋氏任命の違法性について、知事周辺で二転三転 同上
11 高橋史朗氏の県教育委員任命阻止行動についての情報
12 高橋史朗氏の華麗なキャリア 
13 「民間教育臨調」とは何か
14 「日本では急進的性教育の蔓延などで性感染症や妊娠が増えている」
高橋j朗氏の華麗な発言


1 埼玉教育委員選任で波紋 つくる会元幹部要請で 大分合同新聞

 埼玉県の上田清司知事が「新しい歴史教科書をつくる会」の元幹部に教育委員就任を
要請、市民団体などから抗議が相次いでいる。人事案は県議会で過半数を占める自民党
などの賛成で20日、可決の見通しだ。知事の古巣の民主党は与党の立場と支持者の反
発の間で悩んでいる。  就任を要請された同会元副会長の高橋史朗・明星大学教授(
54)は「中立性が問われるのでけじめをつける」と11月に副会長を辞任した。  
今月6日に知事の要請が明るみに出ると、市民団体は撤回を求める文書を相次いで知事
に提出。10日には県庁前でビラまきや座り込みを始めた。埼玉教職員組合の金子彰委
員長は「つくる会の教科書を採択させるための任命」と危ぐする。

[12月10日 19:05]

2 賛否で波紋 東京新聞
『つくる会』前副会長の県教育委員登用人事 
 上田清司知事が「新しい歴史教科書をつくる会」前副会長の高橋史朗・明星大学教授
(54)を県教育委員に起用する方針を固めたことが波紋を広げている。反対する市民
団体などが声明を出したり反対集会を計画するなどの動きが活発化。一方、県議会で過
半数を占める自民党県議団は「国際社会を生きる日本人を育てるための教育改革は必要
」と歓迎する意向を示しており、人事案は県議会最終日の二十日に賛成多数で同意され
る見込みだ。

 高橋氏の起用に反対する共産党県議団や市民団体「あぶない教科書はやめて!市民の
会」などは「ただちに人事案を撤回し教科書採択に一切の疑念を生む余地のない不偏不
党な人事に改めるべきだ」などの声明を出した。また、「子どもと教育・文化を守る埼
玉県民会議」は十日午後六時半からさいたま市の埼玉教育会館で「前副会長の選任を許
すな」とする緊急集会を開催する。県庁前で座り込みを予定する団体もある。

 一方、埼玉大学の長谷川三千子教授(哲学)は「教科書についての議論ならできるが
、つくる会に属していたというだけで高橋氏が公正中立でないと批判するのはおかしい
。高橋氏は教育現場をよく知っており、空論だけの人物ではない。県教委の委員として
適任だ」と高橋氏を高く評価する。

 高橋氏と以前から交流があったという上田知事は「十月に高橋氏の経歴書を見るまで
は、つくる会の副会長だったことを知らなかった」と説明。「感性教育、体験教育など
の面で高橋氏を上回る人物はいない。反対運動は知事の任命権を侵すものだ。高橋氏起
用を止めることはあり得ない。レッテルを張って反対することはやめてほしい」と話し
た。 (増村 光俊)

3 **上田知事HPより**
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%8A%E7%94%B0%E6%B8%85%E5%8F%B8
政策
代議士時代は北朝鮮系金融機関への公的資金注入に反対し、北朝鮮による拉致問題には
やい時期より取り組む。
首都圏連合推進。
子育て支援徹底。
埼玉高速鉄道早期延伸推進。
天下り廃止(全国初)。
新しい歴史教科書をつくる会の活動に理解を示し、平成16年12月、同会の副会長であっ
た高橋史朗明星大学教授を埼玉県教育委員に指名する。

4 三足の草鞋   浅井久仁臣(あさいくにおみ)プロフィール
http://www.asaikuniomi.com/myperspectives.htm.htm
一足目の草鞋: ジャーナリスト

愛知県岡崎市生まれ。AP(米)通信記者を経て76年、フリーランス・ジャーナリス
トになる。レバノン内戦、イラン・イラク戦争、北アイルランド紛争を取材、新聞・雑
誌・テレビなどに発表。1980年代から1993年までTBSテレビの契約特派員と
して湾岸戦争、旧ユーゴ内戦を報告してきた。その後、一時的にジャーナリズムから身
を引いていたが、2001年9月11日の「同時多発テロ」後、各TV局から解説者とし
ての出演要請を受け、活動を再開した。02年4月、戦火のパレスチナに入り、イスラ
エル軍の包囲下にあった(アラファト)議長府や大量虐殺疑惑のあったジェニン・難民キ
ャンプに潜入取材、5月にも再度パレスチナ入りし、TBSニュースや『ザ・スクープ』
でその内容を報告した。アメリカの対イラク攻撃に備えて11月、現地取材。開戦後は
、様々なメディアで解説をしたり、各地で講演活動を行なっている。 バグダッドにて

私の視点  馬脚を現した上田埼玉県知事
 上田知事については選挙前から県民やマスコミにあった“過度な期待”を危惧して何
度か取り上げてきました。それが遂に上田さん、馬脚を現しました。この度、県の教育
委員に「新しい歴史教科書を作る会」副会長(11月に辞任。12月7日に退会)の高橋史朗
明星大教授を任命する事がこのほど明らかになりました。
 上田さんは就任後、“市民派”で当選した知事とは思えぬほど、多数野党である自民
党とも、前知事である「土屋色」が強かった県庁職員とも良好な関係を築き上げてきま
した。それはそうです。私が何度も言っているように、上田さん、出自は保守です。そ
れが、政界再編の嵐の中でいつの間にか民主党の幹部になり、マスコミに露出が多くな
るにつれ市民派の看板を背負ってしまったのです。マスコミ受けする爽やかな話し方と
ルックスで数年前には民主党を代表する“論客”としてTV討論番組の常連でもありまし
た。TVや国会中継で受けるには、派手なパフォーマンスで政府与党を追い詰めることだ
と熟知する上田さんは、実に上手く自分をアピールできる数少ない政治家の1人でした
。そうする内に、国民の上田さんへの評価が、民主党の中でも進歩的であるかのような
勘違いが進んでいったのです。
 「マニフェスト」「NPO」「対話」など、マスコミ受けする言葉を操って知事に当選
した上田さんですが、当選してしまえばこちらのものとばかりに、本来の保守色をむき
出しにしてきました。当選後、鏡の前で「衣を脱いで」鎧姿になってみれば、やはりオ
レはこちらの方が合っていると思ったのかもしれません。教育の場だけでも、性差別の
動きに逆行する性教育の学校調査を行ない、「新しい歴史教科書」を基本的と注釈を入
れながらも評価を与え、「君が代不起立」教職員には処分をほのめかす発言をしていま
す。そして今回の高橋氏の教育委員への任命です。
 ところが上田さん、高橋氏の任命に対して周辺からの反対が予想以上に強いと、「(
高橋氏が)歴史教科書を作る会の副代表であることを知らなかった」と発言。責任逃れ
をはかりました。ホント、この御仁の口を開けて見てみたいものですね、舌が何枚ある
かを。
 上田さん、あなたは2年前に自分の事務所で高橋さんを呼んで勉強会をしませんでし
たか?その時、事務所前に貼られた案内の紙を胡散臭そうに眺めていた男がいたことを
知らなかったでしょうが、それが誰あろう、私でした(私は当時、上田事務所のすぐ近
くに住んでいたのです)。あなたは講演会の講師を紹介する案内文ではっきりと高橋氏
が「作る会」の副代表と書いていたではないですか。それに、「教育の本質」「真実」
などという表現を使っていましたよね。正直言って、その言葉も私のあなたへの不信を
増長させる原因になりました。そんな言葉を使う輩に限って、本質の見極めも出来なけ
れば、真実の何たるかも分からないのです。
 上田氏は今後、石原人気を参考にしながら、いや実際に石原氏と協調しながら保守路
線を一気に突っ走ろうとするでしょう。そして、自民党とも組んで2選3選を果たしてい
くでしょう。
 ただ、風見鶏に特徴的ですが、風の吹く方向に敏感な御仁です。風の流れが変わって
民主党が政権を握ればそちらに旗を振りなおすことは平気でしていくでしょう。という
ことは、マスコミ報道や世論にも神経質なはずです。市民活動グループがマスコミを味
方につけて全力を挙げて流れを阻止しようとすれば、もしかしたら気が変わるかもしれ
ません。埼玉県民の奮起が期待されるところです。

5 「つくる会の副会長であったことは就任を要請するまで知らなかった」 
上田知事は姑息なウソをつくのをやめよ!
http://www.geocities.jp/saitamakyoiku/

上田知事は高橋史朗氏が「新しい歴史教科書をつくる会」の副会長職にあったことに関
し、マスコミに対して「就任を要請するまで知らなかった」「10月に高橋氏の経歴書を
見るまでは、つくる会の副会長だったことを知らなかった」と説明しています。
  12月10日付『埼玉新聞』の記事  12月10日付『東京新聞』の記事

ところが上田氏自身のHPでは、2年前に高橋史朗氏が「新しい歴史教科書をつくる会」
副会長などを務める気鋭の教育研究家として紹介されています。これは上田氏が衆議院
議員だった2002年10月に、自分の事務所で開催した「四市政経フォーラム 10月セミ
ナー及び講演会」で、高橋史朗氏を講師として招いた際の案内文に掲載されていたもの
です。                         
  上田氏のHPに掲載されている「四市政経フォーラム 10月セミナー及び講演会の
ご案内」 (14日朝に削除されました)
  HP保存サイトに残されている↑のキャッシュ   検索エンジンに残されている↑
のキャッシュ (こちらで削除前の案内文を見ることができます)

つまり上田氏は、今年の10月どころか少なくとも2年前の10月の時点で、高橋史朗氏が
「新しい歴史教科書をつくる会」の副会長職にあることを十分知っており、高橋氏の肩
書きを利用にして自らが主宰する有料フォーラムに客を集めていたのです。

上田知事はマスコミを欺き県民にウソをついたことに関して、もはや言い逃れはできま
せん。私たちが14日朝から県庁前で「ご案内」を掲載したチラシを巻き始めると、知事
は即座に自分のHPから「ご案内」のコンテンツを削除しましたが、これは自らウソをつ
いたことを認め、慌てて証拠隠滅を図ろうとしたことに他なりません。

上田知事は県民に対して素直に謝罪し、高橋史朗氏を教育委員とする人事案を撤回すべ
きです。

6 上田埼玉県知事による高橋史朗氏の 教育委員任命を阻止するネットワーク
   (任命阻止ネット)
    http://www.geocities.jp/saitamakyoiku/

高橋史朗氏を埼玉県教育委員に起用する人事提案に反対し、撤回を求めます
16日までに1416人の賛同人が集まりました
(1146人の方から氏名公表をご了承いただきました)

埼玉県の上田清司知事は12月20日の県議会で、高橋史朗氏を教育委員に任命する人事案
を提案しようとしています。
高橋史朗氏は11月まで「新しい歴史教科書を作る会」の副代表の要職にあり、その後も
同会の会員です。
  (教育委員への就任要請が報道された後の12月7日になって退会)
特定の教科書の採用を強力に推進する団体の中心メンバーだった人が教育委員に任命さ
れれば、客観・中立・公正に行うべき教科書採択が損なわれることになります。
また、高橋史朗氏は扶桑社発行の『新しい歴史教科書』の監修者であり、この教科書に
よって、監修料収入など直接的な利益を受ける立場の人物です。高橋氏が教育委員にな
ることは、公共事業で入札する企業の役員が入札を審査する委員に就任するようなもの
です。
知事の地位を利用した県政の私物化や、特定の出版社・人物への利益誘導は許せません
。 私たちは上田知事に対し、高橋史朗氏を教育委員とする人事案の撤回を求めます。

地方教育行政の組織および運営に関する法律
第11条5項 委員は、政党その他の政治団体の役員になり、又は積極的に政治運動をし
てはならない。
第13条5項 教育委員は、自己、配偶者若しくは三親等以内の親族の一身上に関する事
件又は自己もしくはこれらの者の従事する業務に直接の利害関係のある事件については
、その議事に参与することができない

7 「反対運動は知事の任命権を侵すものだ」 
     上田知事は民主主義を無視した暴言を撤回せよ 任命阻止ネット

県内各界から巻き起こった反対運動に直面して、上田知事は9日「反対運動は知事の任
命権を侵すものだ」と発言しています。
  12月10日付『東京新聞』の記事

上田知事は県民が抗議の声を挙げることすら許さないようです。

知事の施策に反対して、声明を発表する、要望書を出す、集会を開く、街頭アピールを
行う、署名を集める・・・などの行動は、民主主義の基本的な権利のはずです。当然の
ことながら日本国憲法でも保障されています。

また、県議会で知事が提出する人事案に反対する議員も、「知事の任命権」を侵害する
ことになるのでしょうか?

かつて民主党や新自由クラブの野党政治家として、首相の施策に対して様々な反対運動
をしていたはずの上田氏は、知事という地方権力の座に着くや、すっかり驕り高ぶった
独裁者になってしまったようです。

上田知事は、民主主義の基本ルールを無視した暴言をただちに撤回すべきです。

8 つくる会が埼玉新聞への「攻撃」を呼びかけ  任命阻止ネット
  こんな圧力団体の元幹部は、公正であるべき委員に不適格

「新しい歴史教科書をつくる会」は9日、HPに『埼玉新聞』に『赤旗』と同類の記事!
というニュースを掲載し、埼玉新聞社の電話とFAX番号を掲げて「この際、厳重に抗議
することを呼びかけます」と訴えました。また同会の会員などへもFAXを通じて抗議活
動の呼びかけが行われ、その結果、埼玉新聞社へは連日、抗議の電話やFAXが殺到し、
業務に支障をきたす事態になったようです。
  つくる会WEBニュース

つくる会が問題としたのは、10日に「子どもと教育・文化を守る埼玉県民会議」が開い
た「『つくる会』前副会長の教育委員選任を許すな!12・10緊急集会」の案内記事
です。記事の内容や書き方は『赤旗』とは異なっているのに、集会開催を紹介する記事
が載ったというだけで、つくる会では「『赤旗』と同類の記事」と認定したようです。

また、実際に『埼玉新聞』に掲載された記事の見出しは「つくる会」元幹部の教育委員
就任許すな 有識者があす集会 さいたまでしたが、つくる会では見出しの後半部分を
削除して「つくる会」元幹部の教育委員就任許すなとだけ宣伝し、『埼玉新聞』がいか
にも「就任許すな」と主張しているかのように見せかけています。

このように、自分たちの意に添わないマスコミへの「攻撃」を呼びかける圧力団体の中
心メンバーだった人物が教育委員になれば、教科書採択の中立さや公正さは当然のこと
ながら失われてしまいます。

今回の一件は、高橋史朗氏が教育委員に不適格であることを、つくる会自身が行動で証
明したようなものです。

9 県幹部の意見に埼玉知事が注意 朝日新聞
 埼玉県が県教育委員への起用方針を固めた「新しい歴史教科書をつくる会
つくる会)」元副会長の高橋史朗・明星大教授(54)について、高橋氏が現在、一部
で使われている扶桑社版歴史教科書の監修者であることから「採択の議論に積極的に加
わるわけにはいかないのでは」と述べた。これに対し上田清司知事は「採択は教育委員
会が決めることで、県(自体)が判断することではない」として、発言した幹部に「よ
く知らないことを話すな」と注意したという。
 発言したのは、県特別秘書の野本能伸氏。この日市民団体が「高橋氏が採択に加わる
のは違法だ」と陳情した際に応対してそう話した。高橋氏ははでに「つくる会」を退会
しており、扶桑社は現在検定中の教科書の監修にかかわっていない、としている。上田
知事は、高橋氏が「つくる会」の会員だった経歴と県教育委員への起用方針とは関係な
いとしている。(以下略)

10 「高橋氏は教科書の裁定から外す、これが知事のお考えです」
→→「秘書が勝手に言ったことだ!」
高橋氏任命の違法性について、知事周辺で二転三転

16日午前11時30分から、私たち「任命阻止ネット」は大田堯・東京大学名誉教授
、佐藤一子・東京大学大学院教授、林量俶・埼玉大学教授らとともに弁護士を伴って、
知事特別秘書の野本能伸氏と会見しました。席上「教科書の監修者である高橋史朗氏が
、教科書の採択に関連する任務を行うことは違法ではないか」という点を再三指摘した
ところ、野本特別秘書は「高橋史朗氏は、教科書の監修者である以上、教科書の裁定に
関与させるわけにはいかない。これが知事のお考えです。外すと言うことです」と回答
しました。
  「子どもの人権埼玉ネット」の意見書 (これの2に記載されている問題について
、会見を行いました)

私たちは野本氏の同意のもとに、記者会見でこの「知事のお考え」を公表しましたが、
上田知事は夕方になって記者に対し「それは秘書が勝手に言ったことだ」「何も知らな
いことは答えるなと、秘書を厳しく叱っておいた」と、野本氏が発表した「知事のお考
え」を否定し、「法律に触れるかどうかは、教育委員会が判断すべき問題であって、私
の問題ではない」と開き直りました。

上田知事は、先に高橋史郎氏の教育委員任命については「反対運動は知事の任命権を侵
すものだ」と公言しながら、その任命の違法性については「私の問題ではない」という
のでは、全く無責任な発言です。知事は任命にあたって違法かどうかを考える必要はな
く、違法性を指摘して反対することは知事の権限侵害にあたるというのですから、これ
ではまるで絶対権力を持った独裁者のようです。

知事の周辺ですら、高橋氏が教科書採択に関わることの違法性をめぐって発言が二転三
転している状況では、教育委員任命の人事案はひとまず撤回すべきでしょう。

みなさまへ

このメールは、メール署名に賛同された方には送られていると思いますので、重複する
方も多いと思いますが、念のためお知らせします。

ーーーーーーーーーーーーー

「高橋史朗氏の埼玉県教育委員任命阻止ネット事務局」です。
このたびは、私どもの呼びかけにご賛同いただきまして、まことにありがとうございま
した。12月16日朝までに、1500人以上の賛同署名をいただく事ができました。
この署名は、本日県庁の知事特別秘書に渡されました。心より、御礼申し上げます。運
動の手が足りず、公開作業が遅れております。申し訳ございませんが、公開については
いましばらくお待ちください。

本日、先日の賛同メールの呼びかけ人である大田堯氏(東京大学名誉教授)、佐藤一子
氏(東京大学教授)、林量俶氏(埼玉大学)らが知事特別秘書・野本能伸氏にお会いし
、「教科書の監修者である人物が教科書の採択やそれにかかわる指導等の任務を行うこ
とはできないのではないか」ということを再三にわたって指摘したところ、氏からは「
高橋史朗氏は、教科書の監修者である以上、教科書の裁定に関与させるわけにはいかな
い、というのが知事のお考えです。外すということです」という回答をいただきました
。氏からの同意を得たうえで私たちはそのことをその後の記者会見で公表したのですが
、それを聞き知った知事は慌てられたのでしょう、夕方記者団に対して、「それは誤報
か野本の言い誤りでしょう」とし、「法律にふれるかどうかは、教育委員会が判断すべ
き問題であって私の問題ではない」と開き直られました。
知事は、私たちが指摘する法的問題点(*)については真正面から答えることなく、何
があっても20日(月)の議会での同意に持ち込むかまえでいるように見えます。言う
までもないことですが、教科書採択には巨大な利権が絡みます。ある教科書が採択され
れば、その教科書会社は大きな利益を得ることができます。だからこそ、教科書づくり
にかかわった者が教科書採択にかかわる任務を行うことはできないことになっているわ
けです。そして、教科書採択に関連する任務を行うことができないような委員を選ぶこ
とは、教育委員の提案としては間違いなのではないでしょうか。
(*)詳細は、「子どもの人権埼玉ネット」の意見・
(http://homepage2.nifty.com/1234567890987654321/04.12.12.ikensyo.htm)をご覧
下さい。
そこで皆さまにお願いしたいのですが、ぜひ下記のメールアドレスにむけて(上田県知
事のアドレスです)抗議のメールを出していただければと存じます。現段階では、繰り
返しになりますが、「教科書づくりにかかわってきた人が、教科書を採択したり、それ
にかかわる指導を行うことはできない」というこの点が、知事にとっては最もやっかい
な問題になっているように思われます。
埼玉県庁(知事への提言) a2840-02@pref.saitama.lg.jp
私たち国民の手で、日本の教育を守ることが、何よりも重要です。はからずも埼玉県は
、教科書採択の最前線となってしまいました。今回の人事の阻止のために、みなさまの
ご協力をお願いいたします。

11 高橋史朗氏の県教育委員任命阻止行動についての情報です。

○12月19日(土) 緊急講演
うらわ市民会館 18時より

高橋哲哉(東京大学大学院教授)
上原公子(国立市長)
佐藤一子(東京大学大学院教授)

○12月20日(日) 抗議デモ・県議会傍聴
浦和駅西口
 11時〜街宣
 12時〜デモ出発(県庁1周)
    県議会本会議傍聴

ーーーーーーーーー
埼玉の皆様へ、近県の皆様へ
次の緊急行動が行われることになりました。
参加出来る方は是非お願いします。

>尚、19日の場所は分かり次第お知らせします。

>●19日(日)18:00〜緊急に県民集会を開くことになりました。
国立市の上原市長が来てくださるとのことです。
他にも、現在交渉中です。
(場所は、今日とりますので追ってご連絡します。)

●また、20日(月)は浦和駅西口で、11:00〜リレートーク、12:00〜県

包囲デモに出発。それから傍聴になだれこむ、という予定になっています。
(ただ心配なのは、決議が早まるという噂もあります・・・。)

11 高橋史朗氏の華麗なキャリア
"子ども教科書ネット21"

俵義文です。
子どもと教科書全国ネット21として、上田清司埼玉県知事に以下の抗議文を出しました

高橋史朗氏の罪状を事実にもとづいて、出来るだけたくさん指摘したので、長い文にな
っていますが参考のして下さい。

転載歓迎

高橋史朗氏を教育委員に選任することに抗議し、強く撤回を求めます
埼玉県知事
上田 清司 殿

 上田清司埼玉県知事が、新しい歴史教科書をつくる会(「つくる会」)の前副会長
の高橋史朗氏に県の教育委員への就任を要請し、高橋氏も承諾したという報道に接
し、大変な驚きとともに強い怒りを感じています。
高橋史朗氏は「つくる会」の呼びかけ人であり、結成当初からの理事、副会長として
「つくる会」運動を実質的にコーディネートしてきました。また、改憲・右翼組織で
ある日本会議の中心メンバーとして、「つくる会」と日本会議とのパイプ役を果たし
てきた人物です。「つくる会」歴史教科書(扶桑社版)は、日本の侵略戦争を正当化
し、歴史を歪曲するものです。歴史教科書で日本の過去の戦争を肯定し、公民教科書
で今日とこれからの日本の戦争を正当化するものです。つまり、「戦争をする国」の
歴史・公民教育によって、戦争国家の人材養成をめざす教科書です。

上田知事は、高橋氏の「実績を評価した」と述べていますが、彼の実績とは何でしょ
うか。日本政府も認めている日本軍「慰安婦」被害者を攻撃して、教科書から「慰安
婦」記述削除を執拗に要求してきたこと、教科書を「自虐史観」と誹謗攻撃してきた
こと、性教育を攻撃しジェンダー・フリーを攻撃してきたこと、統一教会=勝共連合
のイデオローグとして活動してきたこと、学生時代から、「天皇中心の新体制国家の
形成を期すことを目的にし、大日本帝国憲法体制に原点回帰を目指す」(『右翼・民
族派事典』)という方針を持つ右翼組織の日本青年協議会をつくり、この協議会の下
部組織として日本教育研究所をつくり、初代事務局長や副所長を務めて青年・学生の
右翼運動の指導者だったこと(俵義文著『ドキュメント「慰安婦」問題と教科書攻
撃』)、今日の教育がかかえる様々な困難をすべて歴史教科書と教育基本法に原因が
あるかのように言いふらしてきたこと、教育勅語や国家神道を賛美し、「日の丸・君
が代」は教員だけでなく子どもや保護者に強制すべきだと主張してきたこと、教育基
本法改悪をめざす「国民運動組織」として「日本の教育改革」有識者懇談会(民間教
育臨調)を「つくる会」と日本会議が共同して結成する中心的役割を担い、発足後は
運営委員長の任にあること、などなどが彼の実績です。高橋氏は、教科書やジェン
ダー・フリーを攻撃するときに、教科書記述や原著、相手の主張の一部を恣意的に引
用し、それに勝手な解釈をつけて、批判するという手法を多用しています。以上のこ
とはすべて資料や証拠がある事実です。これは研究者が絶対にやってはいけないもの
で、学者としての資質が問われるものです。
以上のようにことは、どれをとっても教育委員としてふさわしくないものといえま
す。

さらに重要なことは、高橋氏は「つくる会」歴史教科書の監修者だということです。
今年4月に「つくる会」・扶桑社は改訂版教科書を文部科学省に検定申請していま
す。検定申請時には、著者名簿も提出しますが、4月時点では教育委員就任の話はな
かったので間違いなく改訂版にも監修者として名前があるはずです。それどころか、
9月11日の「つくる会」の総会でも彼は副会長として再任されています。教育委員に
なったら、検定合格後に見本本を作るときに著者名を削除して、「つくる会」教科書
とは直接関係がないというつもりでしょうが、彼が「つくる会」教科書に深くかか
わっていることは消し難い事実です。たとえ、副会長を辞任したとしても、「つくる
会」との関係は否定できません。特定の教科書やその教科書の採択運動に深くかかわ
り、その責任者として利害関係のある人物を、教育委員に任命することは大きな問題
だといえます。
しかも、上田清司知事は、9月7日の記者会見で「つくる会」教科書を「新しい試みと
して私は基本的に評価したい」(「埼玉新聞」9月8日)といい、9月30日の県議会
で、「つくる会」教科書に対するアジア諸国からの批判を「内政干渉だ」「国内に他
国からの批判に呼応する動きがあることが問題」と述べ(「東京新聞」10月2日)
て、「つくる会」教科書に反対する市民や教員を攻撃しました。さらに、上田知事
は、「つくる会」が9月11日の総会後に開催した「東京・愛媛の成果を来年の採択に
生かそう!!『つくる会』前進のつどい」に、全国の知事でただ一人、「『新しい歴史
教科書をつくる会』の活動が、八木新会長様をはじめとする新たな体制で推進される
ことをお喜び申し上げます」というメッセージを送っています。こうした点からみる
ならば、中学校教科書の採択を目前にしたこの時期に、高橋氏を教育委員にするの
は、「つくる会」教科書を県内で多数採択させるための人事と言わざるをえません。

高橋氏は、11月の「つくる会」理事会で副会長の辞任を申し出たということです。そ
れだけでなく、12月7日に「つくる会」にも退会を申し出、日本青年協議会も辞めた
といっています(埼玉新聞12月10日)。高橋氏の「つくる会」副会長の辞任、「つく
る会」や日本青年協議会の退会は、明らかに教育委員になるための「偽装辞任・退
会」だといえます。仮に、辞任・退会したとしても、高橋氏の考えや主張が変わるわ
けではなく、彼が言ってきたこと、やってきたことも消されるわけではありません。
 
上田知事は、「高橋氏がつくる会の副会長であったことは就任を要請するまで知らな
かった」といっていますが、これは明らかな虚偽です。2002年10月に上田氏が主催し
た「四市政策フォーラム」の講師に高橋氏を招いていますが、衆議院議員上田清司名
による案内文書で、高橋氏を「つくる会」副会長として紹介しています。さらに、上
田知事は「つくる会」教科書を評価する発言をしているので、当然、「つくる会」教
科書を読んだということであり、高橋氏が監修者だということも知っていたはずで
す。
こうしたウソまでつきながら、何がなんでも高橋氏を教育委員に選任しようとするの
は、「実績」や「体験学習の第一人者」という理由ではなく、「つくる会」を支援
し、その教科書を県内に多数採択させることをねらうものであることはもちろんです
が、それだけでなく、いま憲法・教育基本法の改悪をねらう勢力の意図にそって、埼
玉県の教育を戦争するための人づくり教育に全面的に転換させようとするものにほか
なりません。高橋氏の教育委員就任は、教科書採択の公正はもちろん、教育行政の中
立・公平・公正の面からも絶対に許されないことです。
 私たちは、上田清司知事が高橋史朗氏を教育委員に就任することを要請したことに
怒りをもって抗議し、高橋氏の教育委員選任を撤回することを強く要求します。
2005年12月16日
        子どもと教科書全国ネット21
          代表委員:石田米子・尾山宏・小森陽一・高嶋伸欣・田港朝昭

鶴田敦子・西野瑠美子・藤本義一・山田朗・渡辺和恵
     住所:〒102−0072 東京都千代田区飯田橋2−6−1 小宮山ビル201
         筺03−3265−7606 Fax:03−3239−8590

13 教育基本法改悪運動と「つくる会」
   http://www.h2.dion.ne.jp/~kyokasho/0_conb07.htm
  今年1月26日、東京の砂防会館に1200名余を集めて「『日本の教育改革』有
識者懇談会」(略称・民間教育臨調)の設立集会とシンポジウムが開かれた。役員には
著名な文化人、大学関係者、スポーツ機構の役員、元労働団体役員など、多彩な顔ぶれ
が目立ち、中曽根康弘と森喜朗からの長文の祝電も寄せられ、教育基本法改悪勢力の総
結集とその広がりを印象づける集会となった。会場は熱気にあふれていたという。
  同会の趣意書によると、「我が国の光輝ある歴史と伝統に基づく教育理念の再構築
」が必要であり、「米国の占領行政の一環として制定せしめられた教育基本法を基盤と
する戦後教育の諸慣行が、さまざまな破綻をもたらしている」とし、同会は「教育理念
」「学校教育」「家庭教育」「教育制度」の4つの部会で調査検討し、それを政府・文
部科学省・都道府県教育委員会などに対して「積極的に改革案を提示し、改善をもとめ
る」ため、さまざまな運動を繰り広げるとうたっている。シンポジウムでは、中央教育
審議会の昨年11月の中間報告を評価しつつも、「さらに進んで国への誇りや自己犠牲
を明記しなければならない」(産経新聞1月27日)などを訴えた。
  当日、会場で配布された役員名簿によると、この団体の役員は、顧問8人、会長1
人・副会長5人・代表委員69人・運営委員長1人、事務局長1人、協力委員157人
からなる大組織で、中心は会長・副会長・運営委員長の3役であることが、会場におけ
る発言などから判明する。表1にそのメンバーを記したが、中でも中心となって全体を
統括しているのが運営委員長の高橋史朗であり、同会の連絡先は明星大学の高橋史朗研
究室となっている。事務局長も、同大学の戦後教育史研究センター所員・勝岡寛次(著
書に『韓国・中国「歴史教科書」を徹底批判する』)である。
  この団体の性格を正確に分析しようとするとき、その前提として「新しい教育基本
法を求める会」(以下「求める会」)なる存在を知っておく必要がある。表2に記した
が、「求める会」は、2000年に発足した組織で、同年9月には「新しい教育基本法へ6
つの提言」(以下「6つの提言」)を森喜朗首相(当時)に提出した。その役員構成は
、「新しい歴史教科書をつくる会」(以下「つくる会」)の主要メンバーと「日本の高
等教育を考える会」(1997年設立、復古調教育を追求。2001年に「日本の教育改革を進
める会」へと改称。会長・西澤潤一ほか)の会員であり、両者が協力して作った組織で
ある(後述する日本会議も一部協力)。ただ、「求める会」の役員19人のうち「つく
る会」役員・主要賛同者が過半数の10人を占め、また事務局長にも高橋史朗(「つく
る会」副会長)がなり、主導権は「つくる会」系が握っていたといえるが、会長として
もういっぽうの組織を代表する西澤潤一を担ぐ形をとり、顔をたてることも忘れないで
いた。
  今回の民間教育臨調は、「求める会」とおなじように高橋史朗が中心となって会長
・西澤潤一を担ぐ構成となっているだけでない、集会の参加者全員に、2000年に作成・
提出した上の「6つの提言」冊子をそっくりそのまま配布し、「『新しい教育基本法を
求める会』は、このたび『日本の教育改革』有識者懇談会(略称 民間教育臨調)とし
て生まれ変わりました」という「お知らせ」の紙片を挟み込んでいた。
  当日の基調も、両組織が前面に立ちつつも、どちらかといえば「つくる会」が内実
を占める線で進められた。総合司会は「進める会」の小林正(元神奈川県教組委員長、
元参議院議員)が行い、あいさつは西澤会長、活動方針の提起を高橋運営委員長、シン
ポジウムについてはパネリスト4人のうち、「つくる会」理事の中西輝政、賛同者の長
谷川三千子、同会をマスコミ・出版の面から支えてきた産経新聞の論説委員・石川水穂
と、「つくる会」系が三人が占め、さらにシンポのコーディネーターとして再び同会副
会長の高橋史朗が登壇するというありさまであった。
  つまり、「つくる会」は今、教基法改悪に力を入れており、「求める会」をより幅
広い勢力とともに結成した成果を基礎に、今回、民間教育臨調としていっそうその影響
力を拡大したことを意味する。
  「つくる会」は現在、独自の主要な活動として会員倍増運動を進めるとともに、次
回2005年の採択にかかる歴史教科書を来年4月に検定申請するが、その見本本を『
ジュニア版歴史入門』として今年7月に市販する計画を進めている(同会「第5回定期
総会議案書」02年7月)。だが、このように、もういっぽうで教育基本法(以下、教
基法)の改悪に大きな力を注いでいることに注目する必要があろう。その理由として、
教基法改悪によって学習指導要領そのものを反動的に改変する基礎をつくるとともに、
教育行政が現場教員とその教育内容を完全に統制することができるようにするためと考
えられる。
  「つくる会」教科書と私たちが次に正面から対決する05年の前哨戦は、教基法改
悪をめぐって今進められようとしている。

表1 民間教育臨調 主要役員名簿 (2003年1月26日、▼印は上杉による、本文参照
) 【顧 問】(8名を略す)
【会 長】
 ▽西澤潤一(岩手県立大学長)

【副会長】
 ▼石井公一郎(元ブリヂストンサイクル社長)
 ▼宇佐美忠信(富士社会教育センター理事長)
 ▼長谷川三千子(埼玉大教授)
 ▼村松英子(女優)
 ▽安嶋彌(日本工芸会会長)
【代表委員】(69名を略す)

【運営委員長】
 ▽高橋史朗(明星大教授)

【事務局長】
 ▽勝岡寛次(明星大戦後教育史研究センター所員)

【協力委員】(157名を略す)

14 『産経新聞』の回答と、それに対する再抗議文(2003年2月9日)
産経新聞社御中

2003年1月10日

産経新聞の事実をねじ曲げた記事に対する抗議文

“人間と性”教育研究協議会
代表幹事 浅井春夫・村瀬幸浩
http://www.seikyokyo.org/news/news_03.html

4)「日本では急進的性教育の蔓延などで性感染症や妊娠が増えている」という高橋史
朗・明星大学教授のコメントですが、そうした内容はどのように証明されているのでし
ょうか。従来の氏の主張からすれば、「急進的性教育」は性教協のことを指していると
考えられますが、「蔓延」などという状況の理解は何に基づいてコメントされているの
でしょうか。また「急進的性教育の蔓延」がどのように性感染症や妊娠の増加とつなが
っているというのでしょうか。私たちだけでなく、性教育・保健・医療関係者で、性感
染症や妊娠の増加についてそのような分析をしている人はほとんどいないと思われます
。全く特異な立場からの発言であることを貴社はご存じなのでしょうか。
 すでにおわかりと思いますが、高橋史朗・明星大学教授は、これまで統一協会系ダミ
ー団体(たとえば、世界女性平和連合、東西南北統一運動国民連合など)で、講演と執
筆を精力的に行なってきた人物です。そのことを承知の上で、コメントを掲載している
のでしたら、『産経新聞』の見識が疑われる問題です。
 氏が統一協会の新純潔教育路線の忠実な協力者であったことは、浅井春夫編著『時代
と子どものニーズに応える性教育――統一協会の「新純潔教育」総批判』(あゆみ出版
、1993年)の拙稿「子どもたちに何を語りたいのですか――高橋史朗氏の「性教育」論
批判」および「高橋史朗氏の『第三の性教育』批判」(『ヒューマン・セクシュアリテ
ィ』16号、1994年8月)で、高橋氏の協力者ぶりについて事実をもって明らかにしてい
ます。また1992年からはじめられた科学と人権を柱とした性教育への攻撃に対しても“
人間と性”教育研究協議会代表幹事会編『統一協会 ボディコントロールの恐怖』(か
もがわ出版、1997年)で、基本的な反論はしていますので、あらためてお読みください

 今後、私どもに対して誹謗・中傷するような記事の掲載が続くようであれば、重大な
決意でことに臨むことをお伝えしておきます。以上の内容について、真摯に検討をされ
、紙面の改善をされることを強く訴えるものであります。
 上記の抗議文への見解と訂正記事の掲載に関して、1月末までに返答を求めるもので
す。

2004年11月08日

転載:「意見広告の会」ニュース212(2004.11.07)

Date: Sun, 07 Nov 2004 23:16:31 +0900

*ニュースの配布申し込み、投稿は、
  qahoujin[アットマーク]magellan.c.u-tokyo.ac.jp まで、お願い致します。

** 目次 **
1 ファルージャでの虐殺
1−1 ファルージャ住民代表からアナン国連事務総長に宛てたメッセージ
     諮問評議会、弁護士会、教員組合、部族長協議会、Fatwa・宗教教育議会
1−2 囚われのファルージャ
紹介 イラクから帰国された5人をサポートする会 
1−3 小泉首相宛の公開質問状
イラクから帰国された5人をサポートする会 世話人会

2 真に、かつ、種々の意味で危機を迎える都立大
2−1 「未来塾」の未来
     やさしいFAQより
2−2 都立大学法学部法律学科の崩壊
     首大非就任者の会HP
2−3 the Tokyo U-club 発起人(2004年10月19日現在,155名)の皆さん
     U-clubのHPより

3 国立大学法人の来年度予算問題 次号より様々な形で掲載
3−1 小手調べ 回顧する「効率化係数」問題
     NHKニュース速報 2004/1/21
3−2 新首都圏ネットのポスター・セッション報道
『しんぶん赤旗』2004年11月6日付

***
1−1 ファルージャ住民代表からアナン国連事務総長に宛てたメッセージ
     諮問評議会、弁護士会、教員組合、部族長協議会、Fatwa・宗教教育議会

このメッセージは、イギリスのストップ・ザ・ウォー連合ブリストル支部に届いた
ものを「911を追求する組織」がニュースレターの中で紹介したもので、転送・転載
歓迎とのことです。
#########################

アメリカ軍がイラクで毎日、大量虐殺を続けていることは、証拠を
提出するまでもなく明らかです。そして、この手紙を書いている今、
アメリカはファルージャの街に対して、この大量虐殺を実施してい
ます。アメリカ軍は自らが保有する中で、最も破壊能力の高い爆弾
をファルージャの市民に向け投下し、罪のない多くの人々をを殺傷
しているのです。そして地上では、アメリカ軍の戦車が、激しい砲
撃で街を破壊しています。

ご存知のように、ファルージャ市の代表とアラウィ政権との間で交
渉が続いているため、現在ファルージャに軍は駐留していません。
またここ数週間、抵抗勢力も行動を控えています。

しかし、新たな爆撃は、イスラム教の断食月ラマダンで、人々が断
食をしている時に開始されました。その結果、多くの市民が、瓦礫
の中に埋まり、外からの援助も断ち切られている状態です。10月
13日の夜、アメリカ軍は爆撃機1機で、民家50件を破壊、多く
の人を殺害しました。これは大量虐殺という犯罪行為ではないので
しょうか、それともアメリカ民主主義の教訓なのでしょうか。アメ
リカ軍は、占領を認めさせるために、ファルージャの人々に対しテ
ロ行為を繰り返しているのです。

あなた(アナン事務総長)は、アメリカとその同盟国が、大量破壊
兵器の脅威を口実に、私たちの国の破壊を続けて来たことをご存知
のはずです。彼らは自らの大量破壊兵器を用い、多くの市民を殺害
しました。そして今になって、イラクに大量破壊兵器はなかったこ
とを認めています。しかし、彼らは自分たちが犯した罪については
口にしようとしません。世界中が沈黙しているのです。イラクの一
般市民を殺害することすら非難の対象にならないのです。アメリカ
は、1991年の戦争の後、イラクに賠償金の支払いを強制しまし
たが、今回アメリカはイラクに賠償金を支払うでしょうか。

私たちの住んでいる世界はどうやら、二つの異なった基準があるよ
うです。ファルージャでアメリカとその同盟国はアル・ザルカウィ
という新しい、正体不明の標的を作り出しました。ザルカウィはア
メリカの犯罪行為を正当化する新たな口実です。この新しい人物は
一年前に、でっち上げられました。そして、その一年の間、アメリ
カは民家、モスク、レストランを攻撃し、女性、子供を殺害しまし
た。そして、常に「われわれは、アル・ザルカウィに対する攻撃を
成功裡に遂行した。」とだけ言い、決して、ザルカウィを殺したと
は言いません。言えない筈です、ザルカウィなど実在しないのです
から。

私たちtァルージャの住民は、この人物が市内にいないことを保証
します。そして、多分イラク国内にいることもないでしょう。私た
ちは、これまで何度も、「誰でもいいから、ザルカウィを見かけた
ら、殺せ」と訴えてきました。しかし、今、ザルカウィはアメリカ
がでっち上げた幻だということがわかりました。私たちの代表は、
これまで繰り返し、市民の誘拐や殺人を非難してきました。私たち
は、非人間的なことをしているグループと何のかかわりもありませ
ん。ファルージャに対する犯罪行為をやめ、軍をファルージャから
撤退させるよう、あなたそして世界の指導者がブッシュ政権に大き
な圧力をかけることを要請します。

ファルージャからアメリカ軍が一時撤退した後、ファルージャは平
和で静かな街となっていました。混乱はまったくありませんでした。
資金不足にもかかわらず、街の文民行政もうまく機能していました。
私たちの唯一の犯した「罪」は、占領軍に来てほしくないと主張し
たことのようです。しかし、占領に反対するということは、国連憲
章そして国際法、また人間としての常識に照らし合わせてみても、
私たちが持つ当然の権利のはずです。

今、あなた、そして世界の指導者が、新たな惨事を防ぐために早急
に介入することを要請します。私たちは、イラクの国連の代表と連
絡を取って、このメッセージを伝えようとしましたが、ご存知の通
り、国連はバグダッドで一番警備の厳しい、外の社会と遮断された
グリーン地域にあり、立ち入りは許されませんでした。私たちは国
連にファルージャの状況に目を向けて欲しいと願っています。

ファルージャに住む市民一同、教職員組合etc.

原文にある後書:
On behalf of the people of Fallujah and for:

Al-Fallujah Shura Council
The Bar Association
The Teacher Union
Council of Tribes Leaders
The House of Fatwa and Religious Education

1−2 囚われのファルージャ
     発信はファルージャの一市民

Kidnapping of Faluja
Every Body, every thing is kidnapped in Faluja, Women, Children, families,
history humanity and peace. And the world is only watching, how the US army wi
ll kill civilian, and what military plane will be used. What weapons will be t
ested in Faluja. The world is become just dead body has no feelings, and no an
y reaction.
Do you know what Faluja mean, it mean every city in this world. It means
Hiroshima, Kabul. Faluja means the black future of humanity and the killing by
the name of democratic and peace. Faluja isn’t belonging to Faluja people on
ly; it is the symbol for today’s world. The big fish eat the small one.
Keep client and your city will be the next, and your history will be the
next. Keep watching how the new technology can very easily kill the innocent k
ids and week people. Then the next will be you.
Every body with negative stance from today’s crime, he will be partner i
n this crime, in front of history and humanity. Nobody will excuse the cowards
or the scared. It is as Shakespeare said “TO BE OR NOT TO BE
Faluja not expecting cry from us, Faluja need strong shriek…..to make al
l consciences wake up.

囚われのファルージャ   (原文次郎訳)

誰もが、全てのものがファルージャで囚われの身になっている。女性、子ども、家族、
歴史、人間性、そして平和が。そして世界は米陸軍部隊が市民を殺す様子、どんな爆撃
機が使われるのか、どんな兵器がファルージャで試されるのかをただ見ているだけだ。
世界は死に体になっていて、いなかる感情も、反応も示さない。

あなたはファルージャが意味するものを知っていますか?それはこの世界のどの都市に
も当てはまることです。それはヒロシマであり、カブールであり、ファルージャは人間
性の漆黒の将来‐民主制と平和の名のもとに行われる殺戮を意味します。ファルージャ
はファルージャの人々のもとにあるものを意味するだけではありません。ファルージャ
はこんにちの世界のシンボルなのです。大魚が小魚を食べてしまうような世界の。

沈黙を保っていると、あなた方の街が、あなた方の歴史が次の番です。いかにして最新
の技術が容易に無実の子どもたちや脆弱な人々を殺せるのかを見続けなさい。そして次
はあなた方の番です。

誰でも、きょうの犯罪に否定的な立場を取る人々が、歴史と人間性の前に照らして、(
あすには)この犯罪に手を貸す者になるのです。誰もが臆病さやおびえから免れられな
いのです。それが、シェイクスピアの言うところの「なすべきか、なさざるべきか」と
いう問題なのです。

ファルージャはわれわれの嘆きを期待していません。ファルージャはすべての良心を呼
び覚ますような強い叫びを必要としているのです。

1−3 小泉首相宛の公開質問状
イラクから帰国された5人をサポートする会 世話人会
──────────────────────────────
                       2004年11月5日
内閣総理大臣
小泉純一郎 殿

香田証生さんの死を悼み、イラクと日本の平和・安全のために
日本政府のイラク政策の再検討を要望します

    イラクから帰国された5人をサポートする会 世話人会

1.去る10月31日、無事解放を願うご家族と国民の思い、救出のた
めの運動もかなわず、香田証生さんの痛ましい遺体がバグダッドで
発見されました。証生さんのお母さんが話されたところでは、「証
生」という名前の由来は「生きて証しをする」ということだそうで
す。にもかかわらず、まだ24歳の証生さんがお母さんの言葉通りに
「生身の人間として平和のために微力を尽くす」社会人に成長され
る機会が絶たれてしまったことは痛恨の極みです。ここに心より哀
悼の意を表し、ご冥福をお祈りいたします。

と同時に、私達は、人間の命を交換条件にした政治的主張は、それ
がどのような動機、内容であるにせよ、卑劣な手段であり、決して
許すことはできません。また、そうした卑劣で残忍な行動は平和を
願うイラク国民の意思と無縁であり、今回の事件によって日本国民
のイラクの人々への友好の気持ちが揺らぐことはあり得ません。

2.ところで、事件発生の第一報を受けた小泉首相は早々と、「自
衛隊を撤退させない。テロに屈してはならない」と公言しました。
しかし、いかに卑劣とはいえ、犯人グループが48時間以内に自衛隊
を撤退させなければ香田さんを殺害すると明言し、前例に照らして
そうした予告が実行される可能性が高いと予見できたにもかかわら
ず、無造作にこうした発言をしたのでは香田さん解放へ向けた交渉
の可能性を絶つ結果になるばかりか、香田さんの命を見捨てたのも
同然です。国民の生命と安全の確保を使命とする政府を代表する人
物の発言として、これほど冷酷で無策なものはあるでしょうか。私
たちは、一国の総理としての資質を欠いた小泉首相のこうした言動
に強く抗議します。

3.この時期にイラクへ出かけた香田さんの行動については、その
動機を含め、議論の余地はあるでしょう。しかし、問題の根源に冷
静な目を向ければ、アメリカ政府が「テロとの戦い」を錦の御旗に
した「掃討作戦」で多数のイラク国民を殺傷すればするほど、イラ
ク国民の反米感情は高まり、過激な武装集団の活動の土壌を拡大さ
せています。そして、それを口実にアメリカ軍がさらなる攻撃を仕
掛けるという悪循環に陥っているのが現実です。

これに対して、日本政府はアメリカ政府に呼応して「テロに屈する
な」という常套句を繰り返し、12月14日に期限切れとなる自衛隊の
イラク派遣を延長する政府案を早々と作成しました。その案には、
現地での迫撃砲などによる攻撃に備えたレーダーを新たに配備する
計画も盛り込まれています。げんに、31日にはサマワの自衛隊宿営
地にロケッド弾が撃ち込まれるという事態に至っています。これで
も小泉首相は自衛隊派遣を「非戦闘地域での人道支援」と強弁する
のでしょうか?これほど、国民に犠牲と危険を強いてまでも継続し
ようとする自衛隊派遣の大義とは何なのでしょうか?イラク各地へ
の武力攻撃を繰り返すアメリカ政府を支援しつつ、その武力攻撃で
破壊されたイラク復興支援のため、自衛隊を派遣するというのは変
ではありませんか?

小泉首相、あなたは多くの国民のこうした疑問に答える説明責任を
負っています。そして、その説明が誠意と理性に基づくものなら、
日本政府の対イラク政策を再検討するという結論に行き着くのが必
然だと私たちは考えます。

                         以 上 
──────────────────────────────
(サイト管理者註:この書簡は本日(11/5)、醍醐世話人会代表から
小泉首相に送付され、マスコミ各社にも送付された。
ウェブサイト掲示:http://ac-net.org/honor/doc/041105-koizumi.php )

2−1 「未来塾」の未来
     やさしいFAQより
O-13 東京都が開設する「未来塾」って何ですか?

ポーカス博士
以前,大学説明会の時にもその質問があったが,大学管理本部もよく知らない制度じゃ
。管轄が「教育庁」だから分からないというのがその時の答弁じゃった。詳しくは,
東京都教育委員会(外部リンク) の説明を読んでもらえばおよそのことは分かる。 平
成17年度に設置される都立の「新大学」と高等学校との連携により、日本の将来を担い
得る改革型リーダーとしての資質を持つ人材を育成するために設置するんだそうだ。そ
う言えば,2004年3月10日には,合格通知が発送されているはずなのだが...
 いくつかの特徴を箇条書きにしてみると:

(1)  対象は都内在住の高校3年生,50人(文系学部志望者約25人、理系学部志望者約
25人)。(50人の内訳:都立高校生約40人、国立・私立高校生約10人)
(2) 東京都教職員研修センター分館東京都総合技術教育センター等を利用。
(3) 〈特別講義〉,〈課題解決学習〉,〈ゼミナール〉,〈体験学習〉からなる講座を
4月から2月までの約100日受講する。
(4) 塾生は,東京未来塾と在籍校の学習成果に基づき,「首大」が創設する特別推薦制
度(仮称)を活用することができる。(無試験入学という噂)
(5) 第一線で活躍する社会人・大学教員などが講師となる。

 何が問題かというと,東京都教育委員会が主体的に運営するこの未来塾が, 日本の
将来を担い得る改革型リーダーとしての資質を持つ人材を高校3年生から50人集め,10
0日間鍛えて,「首大」に押し込んでくる という点じゃ。いったい誰が塾の講師となる
か?当然,東京都教育委員会が気に入った人達だろう。どんな学生が集まるか?「首大
」に入りたい高校3年生。あの「大学構想」に魅力を感じる高校3年生じゃ。そのよう
な若者が,東京都の作ったプログラムで100日間鍛えられて,無試験で「首大」に入学
してくる。
 分かるかな? 4月の大学の授業が始まってみると,教室の中に「日本の将来を担い
得る改革型リーダー」として東京都教育委員会によって選ばれた未来塾卒業生がいるか
もしれないのだ。怖い話だとは思わんか? 東京都教育委員会は,自分達のお気に入り
の教師も作ろうとしている。その名も「東京教師養成塾」だ。4月から大学4年生10
0人を対象として開講し,独自に教員養成に乗り出すらしい。教師も学生も,みーんな
自分達の気に入った理想像に近づけたいというのは,戦前の日本で実在した状況じゃ。
歴史を紐解いてみれば,権力者たちは教育を自在にあやつることで国民を巧みにコント
ロールしてきたことが分かる。そんな危険な行為を,今東京都は大々的にやり始めてい
る。誰かがこの流れを止めないと,東京都の教育は,東京都という行政機関が望むよう
な形にすべて塗り替えられてしまう。この流れを止めなければ...

2004年6月になって,「首大」入試関係の業務がつぎつぎと具体化を迫られるようにな
ってきた。そんな中で,未来塾の学生の扱いが問題となったのだが,なんと50名の枠に
60名しか応募がなかったそうじゃ。その中でも,大学の進学希望学部は人文・社会系が
16名(枠としては9名)と,突出していたという噂だ。学部コースによっては,はるか
に希望者が少ないところもあったようだ。

その後,しばらくの間,未来塾の話は聞こえてこなかったが,10月に入って一通のメー
ルが舞い込んだ。そのまま紹介する訳にはいかないので,名前は伏せさせてもらったが
,まずは次のメールを読んで欲しい。

------------------------------------------------------------------------------
--
A高校の3年生B君は、4月以来「未来塾」に時間割をやりくりして通っていました。
2学期になって希望学科を決定する段になり、彼は「首都大学東京」のあるコースを希
望しましたが、他にも希望者がおり、そこへは進学できないと言われました。一時は「
首都大学東京」への進学をあきらめましたが、「未来塾」へ通っていたため受験勉強は
ほとんどできず一浪を覚悟しました。「未来塾」は毎週大学並みの論文課題が出され、
長期休暇中も講義やボランティアへの参加を義務づけられているうえ、学校の成績を下
げてはならないと言われており、一般の受験勉強をする余裕はありませんでした。B君
の通っているA高校から抗議や交渉を行いましたが、結果的には本人が妥協し「首都大
学東京」別のコースに進学することにしました。

今年度の「未来塾」の説明会ではこのような問題も含めて様々な問題点が各高校から出
されたようです。A高校でも「首都大学東京」の現状もあり来年度の「未来塾」への参
加を再検討中です。
------------------------------------------------------------------------------
--

この話を読んで分かったことがいくつかある。まず,未来塾というのは,想像以上に厳
しい教育をしているらしい。大学並みの難しい講義を聴かせてレポートを書かせるとい
う噂だ。学生の方でも中途半端な気持で授業に望む訳にいかず,学校の勉強の他に大変
な量の勉強をさせられたようだ。それはそれで結構な話なのだが,未来塾に多くの時間
を取られるため,受験勉強はまったくできい状態だったが,そもそも「未来塾に入った
ら,首都大学東京に入学できるから」と先生から(?)聞いて入ってきた学生が多かっ
たので,さて進学希望が必ずしもかなわないと聞かされた時はショックだったようだ。

ここでの行き違いには,2つの要因が絡んでいる。
(1) 未来塾の塾生が全員「首大」の希望学部学科コースに無条件で入れると思い込んで
いた人達がいる。
(2) 特別推薦制度(仮称)というのは,未来塾がスタートした時点では何も決まってい
なかった(東京都教育庁が勝手に構想しただけで,東京都大学管理本部も関知していな
かった)。

未来塾を設計したのは教育庁で,「首大」を設計したのは,大学管理本部,つまり,こ
こには典型的な縦割り行政があって,お互いに1つの大学に関与しておきながら,相手
のことなどおかまいなしに事を進めたということだろう。教育庁での未来塾は,重点事
業になっているから何年間かはやるだろうが,本当に末長く続けるつもりがあるのかど
うかは疑わしい。
 そして,もともと募集要項には, 「塾生は、東京未来塾と在籍校の学習成果に基づ
き、都立の新大学が創設する特別推薦制度(仮称)を活用することができます。」と曖
昧な書き方がしてあったのも罪作りな部分だ。さらに,人数を集めるために「首大に入
れます」と勧誘して回った可能性も否定できない。希望の学科コースには定員があり,
その人数しか受け入れないことは,募集の時からきちんと明示すべきだったし,その人
数内に調整されても, 試験が行われるので,成績によっては「首大」の学生になれな
い可能性もあるのに,それを募集時に知らせていない。

今回の騒動に巻き込まれ,自分の希望しなかった学科コースに入ることを強いられてし
まった塾生は,まったく気の毒としかいいようがない。責任は,そもそも管理本部とも
大学側とも相談せずに,1つの事業として一方的に初めてしまった教育庁にある。しか
し,アイデアは知事サイドから降ってきたのかも知れない。「都レンジャー」の件だっ
て,都知事がアメリカに行って感激して日本でもやろう,と言い出して,「首大」に養
成コースを作れなんていったら,本当に真面目に役人が検討する。しまいには,大学に
その話が降りてきて,もう取り消しようがなくなる。巻き込まれた役人は,ただの仕事
としてこなせば済むことかもしれない。しかし, 今回の未来塾の塾生は,半分だまさ
れたようなものだから,気の毒だ。鳴り物入りで登場して「すごいぞー」と思わせる,
でもやり方や実現性はきちんと詰めて検討されていない,これは未来塾だけでなく,「
首大構想」にも当てはまることではないかな。
 「首大」の希望のコースに進めない未来塾の塾生,「首大」に入れると思っていたの
に,入れない塾生,その子達の未来の可能性をもて遊んでいるのは,いったい誰なんだ
!被害者の人達も声を上げないと,この問題は闇から闇へ葬り去られてしまう。気がつ
いたら,そんな「塾」があったっけ,と皆に忘れ去られてしまうかもしれない。

2−2 都立大学法学部法律学科の崩壊
     首大非就任者の会HP
            人見 剛,水林 彪

 「25名だけが「首大」への就任拒否をしたわけではないーー都立大学文系3学部に
ける人材流出の実態ーー」の「5 法学部」の末尾の文章は、「『首都大学東京都市教
養学部法学系法律学コース』は,名ばかりでなく,実においても,『東京都立大学法学
部法律学科』とはほとんど異質な組織とならざるをえない」ことを指摘した。その際、
立論の根拠としたのは、文章作成時点において公表されていた情報に規定されて、もっ
ぱら法学部から大量の首大非就任者が出たという事実であった。しかるに、先般、「首
都大学東京」HPにおいて、「首都大学東京都市教養学部都市教養学科法律学コース」(
以下、略して「首大法律学コース」よぶ)の予定教員のリストが発表されたことにより
、廃止される東京都立大学法学部法律学科と新設される首大法律学コースの教員編成を
具体的に比較検討することができるようになり、両組織が名実ともに全くといってよい
ほど異質の組織であること、東京都立大学法学部法律学科は8.1事件を契機に実質的
にも消滅させられてしまったこと、が一層明瞭となった。本コメントでは、このことを
記しておくこととする。

 別表は、2003年8月1日時点において「都立大学法学部法律学科」に在籍してい
た教員のリストと、首大HPに発表されている「首大法律学コース」の教員のリストとを
一つの表にまとめて示したものである。特に注目すべきは、以下の3点である。

(1) 2003年8月1日時点において、東京都立大学法学部の教員であっ たもののう
ち、民法、行政法、社会法、法哲学、法社会学、日本法制史、西 洋法制史の7つの専
門分野の教員は、全て(定年退職者1名を除く12名)、 首大に就任しなかった。全
員、首大に移行した分野は、わずかに、憲法、刑 事法、国際法の3分野のみである。

(2) 首大法律学コースには、社会法分野(労働法、社会保障法など)と基 礎法学分野
(法哲学、法社会学、日本法制史、西洋法制史)の専任教員が存 在しない。

(3) 民法、民訴法、行政法の3分野において、首大法律学コースの人事補充は、人員
の点からみた場合、不足している。民法は4分の3、民訴法および行政法はそれぞれ、
2分の1である。

 首大HPの「教員採用」欄によれば、現在公募されている法律コース教員は、知的財産
法、法哲学、法社会学の3分野、各1名である。この新規公募と既に公表された上記教
員リストを総合するならば、そこに、開設時点における首大都市教養学部法律コースの
特徴は、次のようにまとめることができよう。

 1. 民法、民訴法、行政法などの基幹的実定法分野が非常に手薄である。

 2. 社会法の専任教員がゼロである。

 3. 法哲学・法社会学の教員をかりに採用できたとしても、法を歴史的に研究する法
制史分野の専任教員を欠くこととなる。基礎法学分野全体の教員数も、東京都立大学法
学部に比して半減する。

 4. 基幹的実定法分野や基礎法分野を縮小した分を、知財法、国際私法などのいわゆ
る先端的分野の拡大に振り向けているように見える。

 右の諸点は、おのずと、首大全体の理念を象徴的に表現しているように思われる。す
なわち、基礎的基幹的学問領域を軽視する発想である。「都市教養学」という得体のし
れない名称の中にも、一応は「教養」という語が見えるが、上記の「首大都市教養学部
都市教養学科法律コース」の特徴は、「教養」重視とは正反対の方向であると言わねば
ならない。

 土台・柱・壁などの骨格部分の工事では大幅に手を抜き、その分、見栄えのよい流行
の家具調度品を揃えることに資金を回した家屋を想起させられる。そこに住む人すなわ
ち首大学生諸君はどうなってしまうのであろうか?

////////
都立大学法学部法律関係と首大都市教養学部法律コースの教員対照表
専門   2003年8月1日時点の都立大学在籍者   首大法律学コース教員
憲法          宍戸常寿           宍戸常寿
行政法         磯部 力
            人見 剛
                        *村松 勲
民法          池田恒男
            石井美智子
            山口成樹
遠藤 歩
*石崎泰雄
*篠田昌志
*桶舎典哲
民訴法 中島弘雅
我妻 学 我妻 学
商法 渋谷達紀
大杉謙一
清水真希子 清水真希子
*矢崎淳司
*潘 阿憲
知財法 *工藤莞司
消費者法 *深津健二
経済法 *酒井享平
刑事法 前田雅英 前田雅英
木村光江 木村光江
亀井源太郎 亀井源太郎
社会法 浅倉むつ子
米津孝司
国際法 森田章夫 森田章夫
森 肇志 森 肇志
国際私法 *竹下啓介
法哲学 名和田是彦
法社会学 高村学人
日本法制史 水林 彪
西洋法制史 渕 倫彦
源河達史

*1 2003年8月1日時点で東京都立大学法学部法律学科に在籍していた教員であり、この
うち青色で表示した者は首大法律学コースに在籍しないことを示す。
*2 青色表示の中には、2003年度の定年退職者ないしこれに準ずる者2名、8.1事件以前
に割愛承認を得ていた者3名が含まれる。
*3 赤色表示は2003年8月1日時点において東京都立大学法学部教員ではなかったことを
示す。ただし、3名は東京都立短期大学の教員であった。

*赤色表示となっていたものには*を付けています(「ニュース」編集)

2−3 the Tokyo U-club 発起人(2004年10月19日現在,155名)の皆さん
     U-clubのHPより
高橋宏:首都大学東京(理事長予定者),秋山多久美:(株)ライズコーポレーション
(常務取締役),秋山正樹:パナソニックシステムソリューションズ社(代表取締役社
長),阿久津扶見:(株)インターナショナルジュエリーアート(代表取締役社長),
阿部廣行:住商エレクトロニクス株式会社(代表取締役社長),荒安明:富士通株式会
社公共営業本部(経営執行役/公共営業本部部長),安楽淳子:エージー株式会社(代
表取締役社長),石河正樹:(株)セーフティネット(代表取締役社長),石田守:NT
Tコミュニケーションズ株式会社(代表取締役副社長),石野廣子:ジュリエット・ア
ルファ株式会社(取締役副社長),市瀬優子:美和商事株式会社(代表取締役社長),
市川周:株式会社市川アソシエイツ(代表),今井武久:神戸大学(非常勤講師),植
野淳子:株式会社 A-image(代表取締役社長), 上原英治:東京ガス株式会社(代表
取締役副社長), 歌田勝弘:味の素株式会社(特別顧問),内永ゆか子:日本アイ・
ビー・エム株式会社(開発製造,常務執行役員),漆崎博之:株式会社リクルート(学
びディビジョンカンパニー,執行役員),江頭邦雄:味の素株式会社(代表取締役社長
),大河内恒:NPO法人プロジェクトHOPEジャパン(副代表),大島一男:富士通株式
会社(文教ソリューション事業本部,本部長),大森淑子:特定非営利活動NPO人材ア
カデミー(理事長),岡田孝夫:株式会社生体分子計測研究所(代表取締役),岡田冨
美也:FEC国際親善協会(代表常任顧問),岡村勲:全国犯罪被害者の会「あすの会」
(代表幹事),岡本義幸:ボイデンジャパン(代表取締役会長),沖田章喜:株式会社
エヌ・ティ・ティ・ファシリティーズ(代表取締役副社長),奥田碩:日本経団連/ト
ヨタ自動車(会長),小椋秀樹:株式会社ア・ファクトリー(代表取締役社長),小野
寺徳雄:日本電気株式会社(執行役員常務/NTT営業推進本部長),柿沢美貴:株式会社
スラップ・ショット(取締役副社長),柿沢未途:東京都議会(議員),梶原徳二:(
株)カジワラ(代表取締役社長),片山芳枝:(株)ビューティー・クリエーション片
山(代表取締役社長),唐津一:東海大学(名誉教授),河合弘登:学校法人河合塾(
理事長/理事),川島房男:カワシマ株式会社(代表取締役),川淵三郎:(財)日本
サッカー協会(キャプテン),木村隆夫:松下電器産業株式会社パナソニックシステム
ソリューションズ社(公共ソリューション本部,教育システムグループ,部長),木代
侑里:(株)ファルダ・美ラボ(代表取締役社長),草刈隆郎:日本郵船株式会社(会
長),郡山史郎(株)CEAFOM(代表取締役社長),後藤繁雄:京都造形芸術大学/有限
会社後藤事務所(ASP学科,学科長/代表取締役),後藤忠治:セントラルスポーツ株式
会社(代表取締役社長),後藤亘:東京メトロポリタンテレビジョン株式会社(取締役
社長),小林章一:(株)アルビオン(代表取締役 常務),小林初江:(株)コバヤ
シ(代表取締役社長),小山裕司:実践女子大学(人間社会学部人間社会学科,助教授
),権太正洋:NPO法人All(副理事長),佐藤正治:梶本音楽事務所(副社長),澤野
和彦:(株)エヌ・エヌ・エー(代表取締役社長),篠木利史子:東京ケータリング株
式会社(代表取締役社長),柴田洋一(代表取締役社長),下前雄:(株)ジーアンド
エフ(代表取締役),東海林豊:高砂協立病院(副院長),白石武夫:一橋大学大学院
国際企業研究所(渉外ディレクター),杉山清次:(株)みずほ銀行(頭取),鈴木壮
治:一橋総合研究所(常務理事・事務局長),高崎治郎:ロングビーチ港湾局(日本代
表),高橋亜紀子:TPC株式会社(代表取締役社長),高橋信之:スタジオ・ハードデ
ラックス株式会社(代表取締役),武田健二:(株)日立製作所(研究開発本部,主幹
),多湖輝:千葉大学/心の東京革命推進協議会(青少年育成協会)(名誉教授/会長)
,田澤慶暁:(株)電通パブリックリレーションズ(PRディレクション本部営業開発プ
ロジェクト,シニア・プロデューサー),田中和夫:社団法人日本鉄道施設協会(相談
役),田中千恵子:(株)ル・シエール(代表取締役社長),谷口博:八雲会(東京都
立大学同窓会)(事務局長),谷口誠:早稲田大学(現代中国総合研究所,顧問),田
村滋美:東京電力株式会社(取締役会長),角田昭治:(株)オーバル・アドバタイジ
ング(代表取締役),傳田純:東京都立工業高等専門学校(事務室長),徳川恒孝:徳
川記念財団(理事長,18代徳川家宗主),長島俊夫:三菱地所株式会社(ビル事業本部
/ビル開発企画部,常務執行役員/部長),中林美恵子:独立行政法人経済産業研究所(
研究グループ,研究員),涛川栄太:新松下村塾(塾長),西澤潤一:首都大学東京(
学長予定者),新田満夫:雄松堂書店(代表取締役会長),蜂須賀蓮志:(株)エヌ・
ティ・ティ ファシリティズ(建築事業本部 設計第1部,副本部長),早瀬勇:金沢
星陵大学(学長),原嶋渉:東京都府中病院(リハビリテーション科,理学療法士),
原田大三郎:多摩美術大学(教授),日高正博:arbeat publishers(代表取締役),
廣常啓一:(株)エンタコムスコープ(代表取締役),深山英房:(株)パスコ(常務
取締役),福島茂喜:(株)アイ・ティ・コム(顧問),福地勉:八基通商株式会社(
代表取締役),藤田健次:(株)サイバード(モバイルコンテンツ事業部第2コンテン
ツ部第4コンテンツチーム,プロデューサー),舟本奨:(株)教育戦略情報研究所(
代表),古川令治:アセットマネジャーズ株式会社(社長),前野徹:アジア経済懇話
会(理事),松延洋平:ジョージタウン大学(法科大学院,客員教授),真野輝彦(経
済評論家),間宮忠敏:日本郵船株式会社(代表取締役副社長),南靖武:東京メトロ
ポリタンテレビ株式会社(常務取締役),宮本喜一(著述翻訳家),茂木賢三郎:キッ
コーマン株式会社(代表取締役副社長),森重利直:財団法人国際ビジネスコミュニケ
ーション協会(TOEIC)(理事長),森稔:森ビル株式会社(代表取締役社長),八木岡
穂積:SFA.J(取締役),安井啓子:(株)安井雅裕建築研究所(取締役副社長),山
口信夫:東京商工会議所(会頭),山崎登美子:ジュバンスコスム株式会社(代表取締
役社長),山崎富治:財団法人山種美術財団(理事長),横川慎二:三菱商事株式会社
(ICT事業本部 企画・開発室,マネージャー),横山征次:デジタル・トウキョー株
式会社(代表取締役社長),米長邦雄(東京都教育委員会,委員),凌星光(日中関係
研究所,所長),若山昇:英国国立ウェールズ大学大学院(環境プログラム,教授),
渡辺光子:(株)メセナ青山(代表取締役社長),渡辺昇一(上智大学,名誉教授) (
ここまで112名)

福永正通:東京都(副知事),濱渦武生:東京都(副知事),大塚俊郎:東京都(副知
事),竹花豊:東京都(副知事),櫻井厳:東京都(出納長),横山洋吉:東京都(教
育長),前川耀男:東京都(知事本局,局長),赤星経:東京都(総務局,局長),村
山寛司:東京都(大学管理本部,局長),松澤敏夫:東京都(財務局,局長),山口一
久:東京都(主税局,局長),山内隆夫:東京都(生活文化局,局長),梶山修:東京
都(都市整備局,局長),平井健一:東京都(環境局,局長),幸田昭一:東京都(福
祉保健局,局長),押元洋:東京都(病院経営本部,局長),関谷保夫:東京都(産業
労働局,局長),岩永勉:東京都(建設局,局長),成田浩:東京都(港湾局,局長)
,二村保宏:東京都(下水道局,局長),高橋和志:東京都(選挙管理委員会事務局,
局長),佐藤広:東京都(人事委員会事務局,局長),久保田経三:東京都(地方労働
委員会事務局,局長),石山伸彦:財団法人東京都高齢者研究・福祉振興財団(理事長
),荻野忠:財団法人東京都医学研究機構(理事長),今村皓一:財団法人東京都保健
医療公社(理事長),中島元彦:社会福祉法人東京都社会福祉事業団(理事長),柿沼
伸二:財団法人東京都中小企業振興公社(理事長),上條弘人:財団法人東京しごと財
団(理事長),中野英則:財団法人東京都生涯学習文化財団(理事長),久保田康治:
(株)多摩ニュータウン開発センター(社長),鳥海厳:(株)東京国際フォーラム(
代表取締役社長),浪越勝海:(株)東京ビッグサイト(代表取締役社長),川崎裕康
:(株)東京テレポートセンター,<竹芝地域開発株式会社>,<東京臨海副都心建設
株式会社>(社長),

前田雅英:東京都立大学(法学部,学部長),井上晴夫:東京都立大学(工学部,教授
),中塚利直:東京都立大学(経済学部,学部長),中村一樹:東京都立大学(都市科
学研究科,研究科長),川田誠一:東京都立大学(工学研究科,教授),石島辰太郎:
東京都立科学技術大学(学長),米本恭三:東京都立保健科学大学(学長),繁田雅弘
:東京都立保健科学大学(教授),石渡徳彌:東京都立短期大学(学長)。

3 
3−1 国立大学法人化で教育・研究費の交付を毎年削減 先端的研究
NHKニュース速報 2004/1/21

 文部科学省は、ことし四月から、国立大学が法人化されるのに伴い、教員の給 与を
除いて教育・研究費を毎年一%ずつ削減し効率化を進める一方で、先端的 な研究など
に対しては新たに財政的支援を行う方針を固めました。

 国立大学は、ことし四月から、国の組織から切り離されて「国立大学法人」に移行し
、国が財政的な支援を行うものの、運営は、それぞれの法人に委ねられることなってい
ます。

 これを受けて、今後の財政支援について、財務省が、運営の効率化を進めるためにも
予算額を毎年減らすべきだと主張したのに対し、文部科学省が、基礎的な教育や研究の
切り捨てにつながるなどと反発し、調整が進められてきました。

 その結果、大学を設置する場合に必要な最低限の教員の給与を除いて、教育・研究費
を毎年一%ずつ削減して、経営の効率化を進めることが固まりました。

 その一方で、文部科学省は、「特別教育研究経費」という制度を新設し、先端的な研
究や新たな教育研究施設に対して、財政的な支援を行うとしています。
[2004-01-21-11:11]

3−2 『しんぶん赤旗』2004年11月6日付
おはよう ニュース問答
国立大学は法人化で予算不足 深刻なんだよ

 のぼる この前、大学の先生たちが国会内で開いたポスター展示会を見てき
たよ。
 晴男 へえ、何のポスターだい?
 のぼる 四月から国立大学が国立大学法人になったでしょ。設置者が国から
法人にかわり、国の財政責任の後退が心配されたけど、案の定、予算不足が深
刻なんだ。それを一目でわかるポスターにして国会議員に見せ、実情を知って
もらおうと開いたそうだよ。

調査費用は自腹
 晴男 面白い試みだね。それで、どんな中身だったんだい?
 のぼる もう驚きの連続! たとえば新潟大の理学部地質科学科では、研究
経費が去年の半分以下に減らされた。教員一人当たりの年間配分額は十七―二
十四万円。十月までに底をつき、いまやってる新潟県中越地震の現地調査は、
旅費なども全部自腹だって。
 晴男 そりゃあ大変だ。研究科あげて頑張ってるんだろう。地理に詳しく、
データを蓄積できる地元大学の役割は大きい。お金の心配なく打ち込めるよう
でなきゃ。
 のぼる 同じ新潟大の人文系学部では、コピー代を学生の自己負担にしたり、
雑誌の定期購読を打ちきったり…。
 晴男 学生もあおりを受けているわけか。悲惨だね。

ヒモ付でゆがむ
 のぼる どこでも“企業などにいって外部資金をとってこい”の大合唱らし
いよ。ある先生は「外部資金を受けたが、ヒモ付きの金なので本来やりたいこ
ととは違う研究を学生たちにやらせている。教育や研究がゆがめられてしまう」
と顔を曇らせていたよ。
 晴男 文科省は「法人に移行しても、教育研究が確実に実施されるに必要な
額を確保する」と約束したはずだろ。参議院で採択された二十三項目の付帯決
議に含まれていたじゃないか。
 のぼる 実際には半年でこれだけ支障が出てる。法人化に必要な財政的手当
てが行われなかったのが主な原因だよ。補正予算を緊急に組むなど、先生たち
の真剣な思いに政府はこたえるべきだ。
 晴男 国が大学に出す運営費交付金の抜本改善も必要だね。毎年1%ずつ減
額していけば、のぼるが聞いたような実情がさらに広がるのは目に見えてるか
らね。

2004年11月06日

転載:「意見広告の会」ニュース211(2004.11.01)

Date: Mon, 01 Nov 2004 23:20:26 +0900

*ニュースの配布申し込み、投稿は、
  qahoujin@magellan.c.u-tokyo.ac.jp まで、お願い致します。
1 西澤潤一首大学長予定者のインタビュー
    やさしいFAQ
2 日本人男性の誘拐・殺害事件の背景 
モハメド医師からのメール
3 米長君、君に教育委員は務まらない
    「澤藤統一郎の事務局長日記」より
***
1 やさしいFAQ 11/1
◎ 2004年11月1日(月):週刊エコノミスト(11/9特大号,特報 就職できる大学) の2
8ページに西澤潤一首大学長予定者のインタビューが掲載されている。タイトルは「専
門教育の中心は都市工学だ」。やはり,西澤氏の本心ここにあり。他の専門教育なんて
,そこそこにやればいいとお考えのよう。そして、再び問題発言。(石原都知事,高橋
理事長予定者とまったく同じ内容の,フランス文学を引き合いに出した)単位バンクの
説明の後で, 「他大学に優れた講義がある場合、対抗して同じ講義を首都大学東京に
も作るのは意味がない」 そうだ。この考え方を進めて行くのが単位バンク制度の根幹
にあるとすると, A大学の数学の講義は優れているから首大では数学をやらない、B
大学の中国史の講義は優れているから首大では中国史をやらない、と無限の逆行をする
ことになり、最終的に「限られた予算内で」は、首大の授業は好きなだけ削減できる
ということ。馬脚を露わした,というところか。 (それにしても,知事,理事長予定者
,学長予定者,3人そろって同じ<たとえ話>しかしないというのは,あまりにもお粗
末。もう少し,お勉強したらいかがでしょうか。)
なお,同ページにはコラム「不人気!?首都大学東京:何のための大学改革なのか」と
いう「首大構想」の適切な分析・評価記事が掲載されている。



2 香田さんの死を悼む モハメド医師からのメール
「イラクから帰国された5人をサポートする会」世話人会より紹介

モハメド医師は、今年2月から半年間、名古屋大学病院で研修医として、
医療技術を学び、8月末にイラクに帰国された方です。
翻訳は同医師が来日されたときの知人によるものです。

……………………………
親愛なる友人へ

現在、かなり多忙なのですが、日本人男性の誘拐・殺害事件の背景を説明しなけ
ればいけないと思っています。

イスラム教の指導者たちの調整が機能していない状態にあり、事態は最悪です。
その原因は、ほとんどの指導者が刑務所に送られ、残りはイラク国外に逃げてし
まったことです。だから、イラク国内には、アメリカ軍のための軍隊か、テロリ
ストしかいないんです。私たちの現状を想像できますか? お金のための軍隊か、
米軍をイラクから追い出すための軍隊しかいないのです。もうイラクに日本の人
を送らないでください。バグダッドで私たちは、より困難な生活を送っています。
毎日、バグダッドの市民に対して、3〜4回の爆撃が行われています。昼でも夜
でもです。とくに早朝に爆撃されます。アメリカ軍の戦車が一日に何度もハイウ
ェイを通過し、よく彼らは攻撃されます。だから、ハイウェイを使うことができ
ません。ハイウェイで攻撃に会う可能性がきわめて高いので、緊急事態でない限
り、誰もハイウェイを使いません。また、イラク国軍はアメリカ軍に指揮され、
彼らの命令下で働いています。だから、彼らも攻撃の対象にされるのです。不思
議に思ったかもしれませんが、先週、Dialaで49人ものイラク人兵士が殺された
のは、このためです。さらに、イラク国外に逃げようとした、医者や科学者も殺
されています。イラク国内にいるイラク人も殺されるかもしれないという脅威に
さらされています。とりわけ特別な立場にいる人、例えば政府機関で働いている
人や特定分野で有名な人にとっては、その危険性がより高くなっています。

もちろんのこと、外国人が殺される確率は、それよりも高くなっています。だか
ら、全ての日本の方に、自重してイラクから離れることをお願いしています。そ
して、日本軍の早期撤退をお願いします。イラクの状況はより悪化していくので、
軍人だろうと安全ではなくなるでしょう。彼らの命も守ってください。

日本とイラクの良好な関係を維持したいので、日本人殺害事件のことを残念に思
っています。イラクの人々を責めないでください。私たちは、あなた方の親愛な
る兄弟でありたいのです。日本人の中には、私たちイラク人のことを憎む人がい
るだろうと思っています。しかし、私たちは何をすればよいのでしょうか? 最
後にいっておきたいことは、今まで、イラクにとって、いい兆しはなにもありま
せんでした。イラクのリーダー、アラウィが選挙のことを話している一方で、フ
ァルージャではアメリカからの大規模攻撃を待ち受けているんです。じつに皮肉
なことではないですか。



3 日本民主法律家協会HP「澤藤統一郎の事務局長日記」より
   http://www.jdla.jp/jim-diary/jimu-d.html

2004年10月31日(日)
米長君、君に教育委員は務まらない  

米長邦雄君、君は教育委員にふさわしくない。潔く辞任したまえ。

君は、棋士として名をなしたそうだ。産経新聞社主催の棋聖戦では不思議と強くて「永
世棋聖」を名乗っていると聞く。僕も将棋は好きだがまったくのヘボ。永世棋聖がどの
くらいのものだか、君がどのくらい強いのか理解はできない。

しかし、これだけは僕にも分かる。君は盤外のことはよく分からないのだ。そして盤外
では、自分の指し手に相手がどう対応するのか、まったく読めない。将棋ができること
がエライわけではなく、将棋しかできないことが愚かでもない。問題は、盤外での君が
、愚かを通り越してルール違反をしたこと。禁じ手を指したのだ。即負けなのだよ。教
育委員が務まるわけがない。

本来、教育委員というのは、重い任務なのだよ。日本の将来の少なくとも一部に責任を
持たねばならない。将棋を指すこととは、根本的に異なる。それなりの見識がなければ
ならない。床屋談義のレベルで務まるものではないのだ。不見識を露呈した君は、その
任務に堪え得ない。だから、一日も早く辞めたまえ。それが、若者の将来のためでもあ
り、君自身のためでもある。

君は園遊会で、天皇に次のように話しかけた。
「日本中の学校に国旗を上げて国歌を斉唱させるというのが私の仕事でございます」
このことは、複数のマスコミ報道が一致している。ところが君のホームページを見ると
、国旗国歌問題については何の会話もなかった如くだ。この姿勢はフェアではなかろう
。君のやり方は姑息だ。ちっともさわやかではない。

君が天皇へ話しかけた言葉に不見識が露呈されている。君の頭の中がよくみえる。君は
、子どもたちの無限の可能性を引き出す教育という崇高な営みについて何も考えてはい
ない。教育について何も分かってはいない。国旗・国歌問題だけが「私の仕事」と信じ
こんでいるのだ。しかも、天皇からさえ批判された「強制」が君のこれまでの仕事なの
だ。

君は棋聖なのだから、自分が一手を指すまえに相手の二手目の応手を読むだろう。それ
なくしては一手を指せない。きみは、天皇に話しかけるに際して、相手の反応をどう読
んだのか。いったい天皇のどんな返答を期待したのだろうか。願わくは「しっかりやっ
てくださいね」という激励、少なくとも「そうですか。ご苦労様」という消極的同意を
期待したものと判断せざるを得ない。でなくては、棋士米長にあるまじき無意味な発語
。君がどんなに否定してもそのような状況でのそのような意味を持つ発言なのだ。

これは、天皇の政治的利用以外の何ものでもない。君も知ってのとおり、日本には最高
規範として日本国憲法というものがある。憲法では天皇の存在は認められているが、厳
格に政治的な権能は制約されている。そもそも、天皇の存在自体が憲法の本筋として定
められている国民主権原理に矛盾しかねない。政治的にまったく無権限・無色というこ
とでかろうじて憲法に位置を占めているのが、天皇という存在なのだ。だから、天皇の
政治的利用は、誰の立場からもタブーなのだ。君は、そのタブーをおかしたのだよ。不
見識を通り越して、ルール違反・禁じ手だという所以だ。

天皇が、君の問いかけに対して、こう答えたと報じられている。
「やはり強制になるということでないことが望ましいですね」
君と一心同体の産経だけが、、「望ましい」でなく、「好ましい」としているそうだが
、どちらでも大差はない。

これは、天皇としてあるまじき政治的発言ではないか。誰が考えても、学校教育の現場
での国旗国歌のあり方が政治的テーマでないはずがない。しかも今、強制の波は現実の
課題として押し寄せ、大量処分と訴訟にまで発展している。政治的に大きく割れた意見
のその一方の肩をもつ発言を天皇がしたのだ。由々しき事態である。この問題発言を引
き出したのは、米長君、君だ。君自身が責任をとらねばならない。

もっとも、君もさぞかし驚いただろう。天皇は、君がやっている「日の丸・君が代」強
制の事実を知っていたのだ。しかも、それに批判的な見解をもっていた。都教委が現場
の教師に起立・斉唱を強制し、これを拒否した教員を大量処分した事実に関心を持ちよ
く新聞も読んでいたのだろう。即座に、強制反対を口にしたのは、予てからこの事態を
苦々しく見ていたからに違いない。皮肉なことだが、君とその仲間がやっていたことは
、天皇のお気に召すことではなかったのだ。

この天皇の発言に対する、君の三手目の指し手が次のとおりだ。
「ああ、もう、もちろんそうです」「ほんとにもう、すばらしいお言葉をいただきまし
てありがとうございました」
これをどう理解すればよいのだろう。君は多分天皇崇拝主義者なのだろうね。だから、
天皇に反論したりはせず、滑稽なほど迎合した発言になってしまったのだろう。それは
ともかく、君は、「強制でないことが望ましい」に対して、「もちろんそう。すばらし
いお言葉ありがとう」と言ったのだよ。天皇の前でのこの言葉を、まさか、撤回という
ことはあるまいね。今後は「すばらしいお言葉」を無視して、「日の丸・君が代」の強
制を続けることなどできはすまい。

実は、君の一手目がルール違反で敗着。指し継いでも、相手の二手目が絶妙手で君の負
け。三手目は詰んだあとの無駄な指し手。

もう君には、教育委員の重責は務まらない。やることがあるとすれば、君の言のとおり
強制を望ましくないとして、処分を撤回すること。それができないのなら、すぐに辞め
たまえ。君の流儀は「さわやか流」というそうではないか。この際さわやかに潔く辞め
ることが、君の名誉をいささかなりとも救うせめてもの「形作り」なのだから。

転載:「意見広告の会」ニュース210(2004.10.31)

Date: Sun, 31 Oct 2004 23:11:59 +0900

*ニュースの配布申し込み、投稿は、
  qahoujin@magellan.c.u-tokyo.ac.jp まで、お願い致します。

** 目次 **
1 「大学財政危機打開をめざす国会内ポスターセッション」へのお誘い
国立大学法人法反対首都圏ネットワーク
2 石原東京都知事に発言の撤回を求める
       東京都立大学人文学部フランス文学専攻教員一同
3 「教育基本法改悪反対」意見広告掲載のための緊急要請
       10/30広告に関連して

***
1 「大学財政危機打開をめざす国会内ポスターセッション」
      (11月1日、2日)へのお誘い

○全国から、約15の大学と組織が参加して、国立大学法人の危機的状況を具体的なデー
タとともに公表します。
○ポスターセッションですので、時間内に来ていただければいつでも説明を聞くことが
できます。
○議員会館に入館される前に、080‐3427‐0464(11月1、2日)に電話してください。
入館証を渡しにいきます。

主催
国立大学法人法反対首都圏ネットワーク

日時・場所
11月1日(月) 午前11時〜午後3時
衆議院議員第1議員会館  第1会議室

11月2日(火) 午前11時〜午後3時
参議院議員会館  第3・4会議室

ポスターの内容
イントロダクション
法人法の審議経過
法人化経費
非常勤職員待遇改善経費
サービス残業を一掃経費
役員問題
問題解決に求められる補正予算額
運営費交付金制度の抜本的改革を

大学・組織からのポスター
富山大学
北海道大学
新潟大学
島根大学
東京外語大学
茨城大学
千葉大学
愛知教育大学
横浜市立大学
秋田大学

独法化から半年、付帯決議も文科省答弁も守られていない…
 すべての国立大学が国立大学法人へ移行してから半年が経ちました。参議院文教科学
委員会は国立大学法人法案を採決する際に23項目にもわたる付帯決議を採択し、その中
で、「運営費交付金等の算定に当たっては、・・・法人化前の公費投入額を踏まえ、従
来以上に各国立大学における教育研究が確実に実施されるに必要な所要額を確保するよ
う努めること。」と決議しました。また、文科省は、国立大学法人の雇用関係への労働
法の適用に関連しては、「労働基準法等の労働法制を遵守することは当然である」と繰
り返し答弁してきました。
 しかし、それらは法人化後半年の間に全くの絵空事であることが明白になっています
。研究教育の最前線に位置づく研究室および教員に割当てられる研究予算が40%〜50%
減少するという事態が多くの国立大学法人において発生しています。また、サービス残
業の問題、そして、同じ労働をしていながら低賃金しか払われていない非常勤職員の問
題も解決されていません。

付帯決議および労働法遵守を実現するための補正予算の必要性
 先に指摘した問題は、付帯決議や文科省答弁にもかかわらず、法人化に必要な財政的
な手当てがなされてこなかったことにその原因の一つがあります。そこで、附帯決議違
反、労働法制違反の状態を今年度中に解決するために、どれほどの費用が必要なのかを
以下の3分野に絞って全国集計・推計し、それを補正予算要求として提示することとし
ました。
(1)法人化にあたって新たに発生した経費
(2)「サービス残業」解消のための経費
(3)“同一労働・同一賃金”の原則に反する非常勤職員の処遇改善経費

運営費交付金制度の抜本的改善の必要性
 国立大学法人法案の審議過程では、運営費交付金は従来の交付金制度を引き継ぎ、「
収支差額補填方式」が想定されていました。しかし、法成立後、財務省は強引に「総額
管理・各種係数による逓減方式」を要求し、文科省はこれを受け入れてしまいました。
これにより、国立大学への運営費交付金が毎年1〜2%程度減額されることは必至です。
特に病院には2%の経営係数が乗ぜられるために、大学財政を大きく圧迫します。
 ポスターセッションでは、来年度予算決定過程において、運営費交付金制度を当初設
計通りの「収支差額補填方式」に戻す必要性を、具体的に提示したいと思います。

連絡先 info@shutoken-net.jp 

2 石原東京都知事に発言の撤回を求める
              2004年10月31日
              東京都立大学人文学部フランス文学専攻教員一同

 去る10月19日、石原慎太郎東京都知事は、「The Tokyo U-club」設立総会の場で次の
ような発言を行ったと伝えられる(『毎日新聞』10月20日付ほか)。

「都立大にはドイツ語やフランス語の教員はいっぱいいるのに学生は数人またはゼロ。

「フランス語は数を勘定できない言葉ですから国際語として失格しているのもむべなる
かなという気がします。そういうものにしがみついている手合いが〔東京都立大学の廃
止、新大学の設置をめぐって〕反対のための反対をしている。笑止千万だ。」

 教員の配置数と、ドイツ語ドイツ文学、フランス語フランス文学を履修する学生数の
関係については、すでに幾度となュ真実の「数の勘定」にもとづいた正確な評価と公の
議論を東京都大学管理本部に申し入黷トきたが、その甲斐もなく、知事側からまたもや
この種の発言が繰り返されたことは誠に遺憾である。現・東京都立大学において、フラ
ンス語を学ぶ学生は、毎年、数百人の規模で存在しており、また、人文学部フランス文
学専攻に在籍する学生の数(昼間部・夜間部の上限定数、各学年それぞれ9名・3名)が
ゼロであった年度など、いまだかつて一度もなかったことを、ここで再び確認しておか
ねばならない。
 新大学「首都大学東京」の支援組織「The Tokyo-U club」が、このような虚言と、他
国の言語、文化に対する価値毀損の暴言を旗印として発足すること自体、東京都教育行
政の権威を失墜せしめるばかりか、日本の首都の知的水準を世界の目に疑わしめかねな
い極めて重大な事態である。東京都は、1982年、フランスの首都パリと姉妹友好都市協
定を締結しており、東京都立大学は、「日仏共同博士課程日本コンソーシアム」発足以
来、日本側加盟大学29校に名を連ねている。このように相手国の言語と文化をいたずら
に貶めて恥じないような人物を、東京都の長の座に、そして大学設置主体の最高責任者
の座に戴いてしまったことの不幸を、良識ある東京都民、現・東京都立大学の教職員、
学生諸君とともに心より嘆く。

 世界1億7千万人のフランス語常用者、数億、十数億人の随時使用者、学習者、なら
びに日本国、とりわけ東京都にあって、フランス語、フランス語圏文化となんらかのか
たちで関わりながら暮らしているすべての住民を前に、断固、上記発言の撤回を求める

                 石川知広 石野好一 大久保康明
                 岡田真知夫 小川定義 菅野賢治
                 西川直子 藤原真実 吉川一義

*仏語版は以下をご覧下さい。
http://members.jcom.home.ne.jp/frsect_metro-u/Protestation.pdf

3 「教育基本法改悪反対」意見広告掲載のための緊急要請
     〜全国の小さな流れを結集して、大きなうねりに〜

10月30日(土)の朝日新聞朝刊全国版を
ご覧になっていただけましたでしょうか。

「教育基本法の改悪をとめよう!全国連絡会」と
「教育基本法改悪反対・『多彩な意見広告』の会」が
共同して行った、教育基本法改悪反対の
意見広告が掲載されています。

緊急の呼びかけにもかかわらず、
ご協力をいただきました皆様、本当にありがとうございました。

この流れを断ち切らず、私たちはさらに
パワーアップした意見広告を掲載する決意です。
以下の概要、呼びかけをご覧になっていただき、
皆様の一層のご協力を心からお願いいたします。

★☆★☆★☆ 意 見 広 告 概 要 ★☆★☆★☆

【次回掲載時期】 2005年2月〜3月(予定)

【掲 載 紙】 全国紙朝刊 (どの新聞にするかは検討中) 

【賛同金】
 1口1,000円 できるだけ3口以上
(もちろんそれ以下でも、いくらでも歓迎です)

【振込先】

1.三井住友銀行 高幡不動支店(タカハタフドウシテン)
  普通1477174
  加入者名 全国連絡会意見広告
  (ゼンコクレンラクカイイケンコウコク)

2.郵便振替 00190−5−389679
  加入者名:全国連絡会意見広告

【第一次集約】 2005年1月末

※ なお、意見広告には、私たちの訴えをできるだけ
くわしく掲載するために、賛同していただいた皆さんの
お名前を載せることができません。どうか、ご了承ください。

☆★☆★☆★☆ 呼 び か け ★☆★☆★☆★
私たち「教育基本法の改悪をとめよう!全国連絡会」は、
さまざまな立場の人が、北海道から沖縄まで、
教育基本法改悪阻止で大きくつながっているネットワークです。

私たちは、教育基本法を改悪されるということが、
私たち一人ひとりに関係する重大な問題である
ということを打ち出すために、
「教育基本法改悪反対・『多彩な意見広告』の会」と共同で
「11・6全国集会までに全国紙に意見広告を打とう!」
という運動を展開してきました。

おかげさまで、10月30日(土)の朝日新聞朝刊全国版に
意見広告を掲載することができました。
緊急の呼びかけにもかかわらず、
ご協力をいただきました皆様、本当にありがとうございました。

しかし、情勢はますます緊迫しています。
来年の通常国会に提案されれば、今の議員構成からして、
「改正」法案が可決・成立する危険性が大と
言わざるをえないでしょう。
これを許さないためにも、国会への法案提出を
絶対に阻止しなければなりません。

最近の世論調査では、改正賛成が約6割と
報道されておりますが、賛成する人の多くが、
内容や改悪の狙いを知らないのが実情です。

いま何より求められているのは、改悪の本当の狙いを
全国の人びとに伝えることであり、これを報道しない
多くのメディアに代わり、私たちはさらにパワーアップした
意見広告?掲載する決意です。

多額の費用を要することになりますが、
かつての子どもたち、今の子どもたち、そして
これから生まれてくる子どもたちのためにも、
教育基本法の改悪はなんとしても止めたいのです。

このような私たちの意を汲まれ、
皆様の一層のご協力を心からお願いいたします。

教育基本法の改悪をとめよう!全国連絡会
http://www.kyokiren.net/
教育基本法改悪反対・「多彩な意見広告」の会
http://www.tasai.net/

〒113-0033
東京都文京区本郷5-19-6 坪井法律事務所内
  TEL 090-3914-7114(意見広告専用)
  TEL/FAX 03-3812-5510
  メール info@kyokiren.net
☆★☆★☆ よろしくお願い致します ★☆★☆★

2004年10月30日

転載:「意見広告の会」ニュース209(2004.10.30)

Date: Sat, 30 Oct 2004 01:10:58 +0900

*ニュースの配布申し込み、投稿は、
  qahoujin[アットマーク]magellan.c.u-tokyo.ac.jp まで、お願い致します。

** 目次 **
1 意見広告の掲載は明日の朝日朝刊
 教育基本法の改悪に反対
2 真に、かつ、種々の意味で危機を迎える都立大
    「首大」設計者達の暴言と慣らされてしまった人達
 ネット新聞 JanJan 2004年10月29日付
3 強制でないことが望ましい 天皇発言
 共同通信ニュース
4 「11/13(土)〜14(日)第8回 集中学習検討会」の案内
  労働法の基礎を学び、労働組合の課題を考える労働講座
       2004年10月 全大教関東甲信越地区協議
5 山形大学学寮自治会「損害賠償請求控訴事件」の意見陳述書

***
1 以下の意見広告の掲載は明日の朝日朝刊です。
    教育基本法の改悪を止めよう
国立大学法人法案に反対する意見広告の会の皆さんへ
  ―意見広告への賛同と募金のための緊急のお願い
     (文章は既載されています)
【掲載時期】
2004年10月30日(予定)

【掲載紙】
朝日新聞全5段(1/3ページ)

【振込先】
(1)三井住友銀行 高幡不動支店 普通1477174
(2)郵便振替 00190−5−389679
 加入者名:全国連絡会意見広告

【賛同金】
1口1,000円 
(できるだけ3口以上をお願いしたいのですが、それ以下でもいくらでも歓迎です)

2 「首大」設計者達の暴言と慣らされてしまった人達
JanJan 2004年10月29日付
 現代はコンピュータの処理速度向上と合わせるかのように、情報が加速的に
飛び交う社会となった。情報の洪水の中で人々は、自分にとって関心のある情
報、面白い情報を争って入手しようとする。情報発信者は、いかに読者を獲得
しようかと知恵を絞り、よりインパクトのある強烈なメッセージを流す。テレ
ビ、新聞はもとより、電車の中の吊り広告、街中の広告を見ると、それぞれが
見る者に飛びかかろうとしている。

 そんな現代において、人々は知らず知らずの内に「過激な言葉」に慣らされ
てしまい、政治家や指導者達の暴言に「またか!」と言って呆れて済ましてし
まっていないだろうか?

 以下の発言をまずご覧頂きたい。

A:「大学全入時代、学校さえ選ばなければバカでもチョンでも、そこそこの
大学に入れる時代が3年後に来る。首都大学東京ヘ世界の共通の財産。有識者
の声を反映した、いい大学にしたい」
B:「一部のバカ野郎が反対して金が出なくなったが、あんなものどうでもい
い」
C:「一部のバカ野郎が反対して文部科学省との関係が切れたが、あんなもの
はどうでもいい。反対のための反対しかできなかった連中で笑止千万。何の痛
痒(つうよう)も感じない」
D:「フランス語は数を勘定できない言葉だから国際語として失格しているの
も、むべなるかなという気がする。そういうものにしがみついている手合いが
反対のための反対をしている。笑止千万だ」

 2004年10月19日、東京都庁で「the Tokyo U−club」という名の「首
都大学東京」(以下、「首大」と略)をサポートする会員制クラブ設立総会が
開かれた時の発言である。Aは、首大理事長予定者である高橋宏氏(元郵船航
空サービス相談役)の発言(毎日新聞10月20日朝刊)、BとDは、石原慎
太郎東京都知事の発言(同日同紙)である。Cは、同日の産経新聞で紹介され
たもの。

 Aは、「首大」サポートクラブ総会出席者を前にして大学理事長予定者が発
言したものだが、毎日新聞のコメントを待つまでもなく差別用語が用いられて
いる。

 BとCは、10月13日に平成15年度に文部科学省の採択を受けた東京都
立大学における21世紀COEプログラム「金融市場のミクロ構造と制度設計」
が返上されたことを受けての都知事の発言である。このCOEプロジェクトを
推進していた近代経済学グループは、「首大」があまりにも一方的に東京都の
行政に尽くすことを目的としていることに反対し、研究が続けられないと宣言
し、プロジェクト継続を断念する発表をしていた。そして、都知事は彼らを
「バカ野郎」と罵った。

 最後にDは、あまりにも一方的に人文学部を破壊しようとした東京都に対し
て、反対の声をあげ続けた仏文専攻に対して発せられた嫌みのようである。し
かし、誰が考えても、フランス語で数が数えられないのは、石原知事の不勉強
が理由であり、フランス語のせいではない。もし都知事が、フランス語を母語
とする優秀な数学者が多数いることを知らないとしたら、教養のかけらもない
と世界から笑われるだろう。ましてや、それをもって「フランス語が国際語と
して失格」などと理由づけることなどできるわけがない。

 しかし、なぜこのような暴言を吐くのだろうか? それは、冒頭に述べたよ
うに、暴言を吐くと、聞いた人が反応してくれるからだ。汚く罵れば罵るだけ
世間が注目してくれる、そういう構造があるのではないか。そして、その内容
が事実と違っていても、面白がって傍観しているだけ。

 傍観者には、一般人だけでなく、マスコミも含まれる。今回の毎日新聞と産
経新聞の記事は、それでも少しは実態を伝えようとしているが、ここに引用さ
れている読売新聞や朝日新聞の記事を見ると、まったく問題視していないこと
が分かる。

 これは、感性の麻痺というだけでなく、知性の麻痺でもある。政治家を含む
指導層が暴言を吐き、それを人々が許容するという構図は、やがて暴言の内容
を実行するような指導者を知らず知らずの内に許してしまう社会を作り出すの
ではないか?

 「ああ、また愚かな暴言を吐いている」と考えるのは、危険な徴候だ。その
ように感じる人は、自分の知性が麻痺してきていると自戒すべきだろう。地域
面の小さな記事としてほったらかしにしてはいけない。マスコミは指導者層の
暴言をもっと大きく扱って、このような人達の責任を問うべきだ。

 ちなみに、産経新聞によるCの表現は、毎日新聞のBとDのせりふの中間を
「意図的」に削除しているような気がしてならない。

 (B+D)−C=「フランス語は数を勘定できない言葉だから国際語として
失格しているのも、むべなるかなという気がする。そういうものにしがみつい
ている手合いが」

 この部分をカットした記者の罪の重さを感じざるを得ない。攻撃対ロになっ
た都立大現代経済学グループの一人は、「『クビ大COE』はなぜ阻止されね
ばならなかったのか」を発表しているが、フランスからの抗議はまだ届いてい
ない。

注:COE=「中核的研究拠点(Center of Excellence: COE)形成プログラ
ム」とは、創造性豊かな世界の最先端の学術研究を推進する卓越した日本の研
究拠点のこと。
(静山視河)

3 強制でないことが望ましい 
 学校の日の丸君が代で陛下  園遊会で異例の発言 

 東京・元赤坂の赤坂御苑で二十八日に開催された秋の園遊会で、天皇陛下が招待者と
の会話の中で、学校現場での日の丸掲揚と君が代斉唱について「強制になるということ
でないことが望ましいですね」と発言された。
 棋士で東京都教育委員会委員の米長邦雄(よねなが・くにお)さん(61)が「日本
中の学校に国旗を揚げ、国歌を斉唱させることが私の仕事でございます」と述べたこと
に対し、陛下が答えた。
 国旗国歌問題に関して陛下が発言するのは異例という。
 園遊会後に会見した宮内庁の羽毛田信吾(はけた・しんご)次長は「行政施策の当否
を述べたものではない」と政治的発言であることを否定した上で「国旗や国歌は自発的
に掲げ、歌うのが望ましいありようという一般的な常識を述べたもの」と話した。
 一九九九年に施行された国旗国歌法は、日の丸を国旗、君が代を国歌と定めたが、義
務規定や罰則規定はない。
 一方、学習指導要領は国旗国歌について「指導するものとする」と定め、文部科学省
が全国の公立校に指導の徹底を求めている。近年の同省の調査では、全国の公立小中高
校における入学式、卒業式の日の丸・君が代の実施率はほぼ100%となっている。

4 11/13(土)〜14(日)第8回 集中学習検討会
労働法の基礎を学び、労働組合の課題を考える労働講座に、ぜひご参加ください!
                   2004年10月 全大教関東甲信越地区協議会
基礎を確認し、実践に役立てる「労働法集中講座」を開催します。
短期集中労働法講座では、なにを学ぶのか。第1講から第17講までの講義題目のなか
で、なにを学ぶのか、その中心的な論点を提起します(別記参照ください)。それぞれ
の設問に答えられるならば、基礎体力はついているということです。
不安ならば、大変でしょうが、一緒に勉強しましょう。これからの労働組合活動にとっ
て必要な労働法知識の基礎ですから。
なお事前の質問を受け付けます。特に労基法等労働法に関わる問題など大歓迎です。
これからの労働組合運動のために、ぜひ、参加してください。
会場にはまだ空席がございます。お早めにご連絡ください。(定員60名)

名 称F集中学習検討会VIII:労働法の基礎を学び、労働組合の課題を考える労働講座
日 時:2004年11月13日(土)12時〜18時30分
          14日(日)9時30分〜16時30分
場 所(予):国公労連会議室(地図は下記)
※第6回(04年2月)を開催した会場です。
 http://www.kokko-net.org/kokkororen/chizu.pdf
東京都港区西新橋1-17-14リバティ14ビル5F TEL 03-3502-6363

主 催:全大教関東甲信越地区協議会

講 師:深谷 信夫氏(茨城大教授)、田端 博邦氏(東大教授)、
    飯塚 徹氏(国公労連独法対策部長)

テーマ(予定。講義内容詳細は後日お知らせします):
1部:国立大学法人における労働組合運動の課題

2部:短期集中労働法講座 ※下記、講座のポイントを参照
 第1講 国立大学から国立大学法人への労働関係の変化
 第2講 現代日本の労働法の構造
 第3講 労働条件決定の仕組み/労働法と労働協約と就業規則と労働契約
 第4講 労基法就業規則法制の概要と論点
 第5講 国立大学法人就業規則の検討課題
 第6講 過半数代表者制度と労使協定制度
 第7講 団体交渉と労働協約
 第8講 組合活動の自由と権利/不当労働行為の法理
 第9講 大学教員任期法と労基法有期労働契約法制
 第10講 人事制度と人事異動の法律問題
 第11講 労働時間・休日・休暇
 第12講 裁量労働制と教員の労働時間制度
 第13講 変形労働時間制度と職員の労働時間制度
 第14講 賃金・賞与・退職金
 第15講 解雇・整理解雇、退職・退職勧奨
 第16講 雇用機会均等法と次世代育成支援法
 第17講 懲戒処分の法律問題
参加費:2,000円(資料代。当日お支払いください。)

参加申込・事前質問受付:
 参加申し込み、また講義でふれてほしい内容や疑問、みんなで検討してほしい事柄等
について事前にお知らせ下されば、講義・検討に組み入れます。メールで次のアドレス
まで連絡ください。
 なお、今回は会場の関係で定員を60名とさせていただきます。申し込みが定員とな
り次第、締め切りますので、お早めにご連絡ください。
 全大教関東甲信越地区協議会事務局

◆前回(第7回。2004年7月開催)の学習会レジメが茨城大学教職員組合のご協力で、
ホームページ(下記)に掲載されています。ご活用ください。
 http://park16.wakwak.com/~ibakyo/resime.htm
>
■ 第2部 短期集中労働法講座のポイント ■
1)国立大学から国立大学法人へ移行することによって生まれた労働関係の変化の内容
はなにか
2)国家公務員法上の職員団体と憲法・労働組合法上の労働組合ではなにがどう違うの
か3)憲法25条から憲法28条までの社会的基本権保障、とくに、憲法27条と28
条による労働基本権保障の法律的な意義はどこにあるのか
4)労働基準法・労働組合法と労働協約と就業規則と労働契約による労働条件決定の仕
組みはどうなっているのか
5)労働基準法の就業規則法制はどのような内容か
6)就業規則による労働条件の一方的不利益変更がなぜ法律問題となるのか、この問題

ついて、最高裁はどのような法律判断をしているのか
7)労働基準法などの労働保護法のなかで、過半数代表者は、どのような役割を果たす


8)労使協定と労働協約との違いはなにか
9)団体交渉における使用者の団交応諾義務と誠実交渉義務の内容はどのようなものか
10)不当労働行為とはなにか、労組法第7条の内容はどうなっているのか
11)大学教員任期法と労働基準法有期労働契約法制との関係はどう理解しなければな

ないのか
12)現状の職員人事制度をどう評価するのか
13)使用者はなぜ人事異動を強制できないのか
14)労働時間・休日・休暇についての法律制度はどうなっているか
15)裁量についてのみなし労働時間制度というのはどういう労働時間制度か
16)教員の労働時間制度はどう設計されるべきか
17)職員の労働時間制度はどう設計されるべきか
18)賃金・賞与・退職金を一方的に不利益変更することはできるのか、人事院勧告を
理由とする賃金制度の一方的変更は合法的か
19)男女差別を解消するために男女雇用機会均等法はどう活用できるか
20)職業生活と家族生活との両立をめざし、大学に作成が義務づけられている「次世
代育成支援行動計画」とはどのようなものか
21)人事院規則の懲戒処分に関する規則を国立大学法人の就業規則に組み込めば、そ
れに基づく処懲戒分は正当な懲戒処分といえるのか22)どういう理由があると大学は
教職員を解雇することができるのか

>=========================================
全大教関東甲信越地区協議会
事務局:東京大学職員組合気付
〒113-0033 東京都文京区本郷7-3-1
Fax:03-3813-1565 Tel:03-5841-7971
E-Mail
HP URL

5 「意見陳述書」
平成16年(ネ)第300号 損害賠償請求控訴事件
控訴人  山形大学学寮自治会  外
被控訴人  国

                  意見陳述書

                           2004年 10月25日

仙台高等裁判所 第3民事部 御中
 裁判長裁判官  佐 藤   康 殿
    裁判官  浦 木 厚 利 殿
    裁判官  畑   一 郎 殿

                    控訴人団長    橘 川 直 人

上記事件について、控訴人橘川直人は以下のとおり陳述します。

1 本件提訴に至った理由
  そもそもこの事件は、国の教育機関である山形大学で起きた事件であり、しかもそ
れは、〇碍疎膤悗清掃員に指示し、私たち学生の会議資料や個人のノートなどを窃盗
する手段を用いて、私たちに関する情報収集・密偵行為を行っていた、△修量偵行為
が地元テレビ局により報道されるや否や、山形大学は密偵行為の真相を隠蔽する目的か
ら、私たちを虚偽の刑事告発した事件です。
2000年3月16日に本件窃盗行為が発覚した後、私たちは山形大学に対し、繰り返
し「調査要求」「話し合い要求」「公開質問状の提出」などを行い、この事件の公正な
調査を行うこと、そして人権侵害に対して謝罪することを求めました。しかし山形大学
は、窃盗行為が記録されたビデオテープの受領を拒否し公正な調査を行わないまま窃盗
行為の事実を否定したばかりか被害者である私たちを犯罪者扱いし、客観的根拠が一切
ないにもかかわらず虚偽の刑事告発に及んだものです。
こうした一連の山形大学の対応は学生や教員にも秘して行われており、その結果、山形
大学人文学部が当時の成澤郁夫学長に対し「第3者による調査機関の設置」を要求する
という事態に及んでいます。また取材に当たった地元テレビ局のキャスターがニュース
報道の中で「大学の対応には不審を抱かざるを得ない」ことを表明するに至っています
。つまり窃盗行為をなぜ調査しないのか、にもかかわらずどうして刑事告発に及ぶのか
、どうして告発の事実を隠していたのか、といった山形大学の責任者自らが招いた疑惑
について、極めて多くの人が不審を持っていたことが当時の世論の状況から明らかであ
り、山形大学はこうした疑惑に対して公的機関として解明する責務を負っていたのです

しかるに山形大学フ責任者はこうした多くの批判や不審の声に対して終始これを無視し
未だに公正な調査及び人権侵害に対する謝罪を行っていないのです。
  このような経緯から私たちは自らが通う山形大学に対して提訴せざるを得なかった
のです。私たちが裁判に訴えたのは、私たち自身の人権・名誉の回復は勿論ですが、そ
れとともに、事実を隠蔽し疑惑に対する説明責任を放棄してきた山形大学の行為に対し
て、裁判所による事件の公正な調査・公正な判断を求めます。

2 公正な調査を行わなかった山形地裁
  しかしながら、第一審・山形地裁は、公正な調査どころか最低限の事実調査すら行
いませんでした。
  山川清掃員は窃盗行為を行っていた理由について、「大学から聞かれたときに答え
るため」「業務の範囲内だから」と証言し、実際、山形大学(国側)が提出した大学の
会議議事録には、私たちに関する動向調査の記録や非公開としていた私たちの内部情報
が記載されていました。山形大学の組織的関与がより鮮明になったのです。したがって
山川清掃員の直属の上司であり、直接業務命令を下した岩佐厚生課長の証人尋問を行う
など、徹底した事実の調査が行われるべきです。しかし山形地裁は、岩佐厚生課長の証
人調請求を、理由を明らかにすることなく却下し、会議議事録についての調査さえも全
く行わなかったのです。
  さらに虚偽の告発に至っては、全く事実調査が行われませんでした。告発が虚偽で
あるか否か調査するには、告発した本人の証人尋問は必要不可欠であり、最低限行うべ
き調査です。山形地裁が証人尋問を行った黒沼証人は、「告発について私は分かない」
「成澤学長が告発を決め、告発状を作成した」ことを証言しました。この証言からも告
発の経緯・告発をなす判断について証言できるのは、告発した成澤学長(当時)本人し
かいないことが明らかになったのです。したがって虚偽告発について事実を調査するに
は、成澤学長の証人尋問が必要不可欠であり、ほかに手段はないのです。しかし山形地
裁は、私たちが繰り返し請求する成澤学長の証人尋問を、理由を明らかにすることなく
却下し、虚偽告発に関する一切の調査を行わなかったのです。
  以上のとおり山形地裁は、公正な調査どころか最低限の事実調査すら行わずに判決
を下したのです。それは、中立性を欠いた不公平裁判です。このような山形地裁の一審
判決は、その内容以前の問題として、明らかに不当な判決です。

3 明々白々な窃盗行為を容認した山形地裁
  さらに山形地裁は、清掃員の窃盗行為の違法性に触れないという、司法の責任を放
棄する愚を犯したものです。
  学生の会議資料などを盗み出した清掃員の窃盗行為は証拠のビデオテープに記録さ
れており、清掃員自身「ばれるとまずい」「悪いことだと思っていた」ことを証言する
など、争いようのない事実です。しかし、判決はこの明らかな違法行為について何ら言
及していません。これは、明らかな不当判決です。
その一方、山形地裁は窃盗を行った清掃員に対し正当かつ当然な追及を行ったに過ぎな
い学生たちの行為について、「少なくとも監禁罪・強要罪に該当する余地がある」「犯
罪の嫌疑がないとはいえない」と認定し、大学学長による刑事告発について「違法であ
ると認めることは出来ない」と認定しています。しかしこの認定にあたり学生たちの行
為の前提となる事実、すなわちそもそも清掃員が窃盗行為を働いたという事実および学
生たちがその被害者であるという事実は一貫して無視されています。山形地裁は、明々
白々な清掃員の窃盗行為の違法性についてあえて触れないことにより事実を歪曲し、学
生たちの正当行為を「監禁罪・強要罪」であるかのごとく認定しました。これは山形地
裁が、山形大学による虚偽の告発を隠蔽する恣意的な判断を行ったものと言わざるを得
ません。
一連の不公平裁判および不当判決により、山形大学の違法行為は隠蔽され侵害された学
生たちの人権と名誉はいまだ回復していません。むしろ山形地裁の判決は学生たちに再
び濡れ衣を着せ、再び人権と名誉を侵害するものです。

4 仙台高裁こそ公正な調査、公正な判断を行うべき
  そもそも司法判断=判決というものは、「公平」で「独立」した調査・審理が行わ
れることを前提に、その正当性が担保されるものであり(憲法32条、76条)、公平
な判決は公平な審理によってのみ保障されるものだと思います。すなわち「公平性」・
「独立性」が、司法=裁判所に当然に求められる原理原則であって、この原理原則は、
行政当局の違法行為を問題とする国賠訴訟においては、なおさら徹底して貫徹されなけ
ればならないものです。それは、行政当局が法を根拠に広範な人々に対し絶大なる権力
を有する存在である以上、行政当局の違法行為は、直接の被害者固有の問題だけでなく
、本質的にはその行政当局の権力が及ぶ人々共通の問題となるからです。つまり行政当
局の違法行為が司法によっても正されないのであればA被害は更に広範囲に拡大するの
です。
  戦前・戦時中の「国家無答責」を廃し、戦後初めて憲法により保障された国賠訴訟
は、以上の理由から実体のない形式的なものであってはならないのです。国賠訴訟の意
義が、「公平性」・「独立性」に欠けた裁判所の審理によって歪められるのであれば、
それは「国家無答責」時代への逆戻りであり、戦後国家の基本原則である「国民主権」
も画餅に過ぎなくなってしまいます。
  既に述べたとおり、山形地裁は最低限の事実調査さえ行わず、山形大学の窃盗行為
を容認しました。これは「公平性」・「独立性」という裁判所の原理原則を捨て去り、
山形地裁が山形大学の違法行為の隠蔽に加担したことを意味します。山形地裁は、自ら
の役割を放棄し、国賠訴訟の意義を踏みにじったのです。かねてから多くの方々が「司
法の壁」「行政当局に追随する司法」などと司法の問題を指摘してきましたが、まさに
山形地裁はこの問題点を浮き彫りにしたのです。
  したェって第二審を担当する仙台高裁こそが、司法本来の役割を果たすべきです。
私たちは仙台高裁に対し、山形地裁の不公平裁判を前提とするのではなく、事件を一か
ら徹底して調査し、公平な裁判を行うよう強く求めます。少なくとも、結論ありきでは
なく、証拠を吟味し、証人尋問を一回一回積み重ねていくなかで、心証を形成していく
審理を求めます。
  被控訴人は、承認調べの必要無しとの意見書を出していますが、間違っても、本日
の第一回公判で結審とし、事実調査を全く行わないなどということは絶対にあってはな
らないことです。

5 まとめ
  山形大学において教員が学生に『セクシャルハラスメント』を行った事件が発覚し
ました。2003年7月、相次いで起きた2つの『セクハラ』事件であり、今年8月Aマス
コミ報道よって露見したのです。山形大学はこの教員2名を処分することなく依願退職
させ、公表義務を定めた学内規則にかかわらず、「すでに辞めた人だから」として『セ
クハラ』事件を隠蔽していました。
  先に述べたとおり、行政当局が法を根拠に広範囲の人々に絶大なる権力を有する以
上、行政当局の違法・不当行為が正されないのであれば、被害は更に広範囲に拡大しま
す。現に『セクハラ』事件を隠蔽していた山形大学では、今年8月・9月の2ヶ月間けで
、実に5件もの『セクハラ』事件が発覚しているのです。
  他にも山形大学は、『入学試験合否判定ミス』を5年間繰り返すなど、学生(受験
生)の人権・権利を侵害し続けています。このような山形大学の学生の人権・権利を侵
害し、さらには事件そのものを隠蔽する姿勢は、まさに私たちの事件と共通するもので
す。むしろ、積極的に学生の人権を侵害した私たちの事件が裁かれず、正されないこと
によって、現在も山形大学では学生の人権を侵害する事件が相次いでいると言っても過
言ではありません。
  私たちの事件は山形大学が引き起こした事件であり、この問題は当事者である私た
ちのみならず、山形大学の学生全般に関わる問題であることは、以上のことから明らか
です。仙台高裁が山形大学の事件隠蔽を容認するのであれば、学生の人権を侵害し続け
る問題ある山形大学の姿勢は一向に改善されず、今後も人権侵害が起こり続けることは
間違いないのです。
また、私たちの事件は、国の教育機関である山形大学で起きた人権侵害事件であること
から、多くの人々がこの問題に関心を寄せ、教育機関において二度とこのような人権侵
害事件が起きないよう望んでおります。このことは仙台高裁に宛てられた『共同声明』
を見れば明らかです。さらに現在、この事件の一連の経過を記録したドキュメント映画
「泥ウソとテント村」が全国各地で上映されています。客観的な映像により、窃盗行為
をはじめとした山形大学の組織的な違法行為は、もはや周知の事実となっています。こ
の事実を目撃した多くの人々は仙台高裁がこの事件をどのように判断するのか大いに注
目しているのです。
以上の理由から、仙台高裁第3民事部、佐藤康裁判長裁判官・浦木厚利裁判官・畑一郎
裁判官には、司法=裁判所の本来の役割を全うし、また山形大学の正常な運営を望む多
くの学生・市民の期待に応え、山形大学(国側)による違法行為の隠蔽及び山形地裁の
不当判決を絶対に許さず、徹黷オた事実調査による公正な審理を行われるよう、切に願
い申し上げます。

                            以 上

2004年10月28日

「意見広告の会」ニュース208(2004.10.28)

Date: Thu, 28 Oct 2004 01:46:40 +0900
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** 目次 **
1 真に、かつ、種々の意味で危機を迎える都立大
1−1 都立大学の教学体制
1−1−1 教学体制の保全に関する質問書(2004年9月17日)
   学生自治会執行委員会など
1−1−2 貴会から提出された総長への質問書に対する回答
        2004年10月18日,総長 茂木俊彦
1−1−3 総長からの回答をうけて(2004年10月22日)
学生・院生連絡会議
1−2 誰も納得できないような「昇任審査」が行われようとしている
        「手から手へ」2308号
1−3 高橋理事長予定者と石原知事の暴言を批判する
        「手から手へ」2307号

2 「教育基本法の改悪をとめよう」意見広告の掲載日迫る(10/30の予定)
        記事は再掲です。

***
1−1−1 教学体制の保全に関する質問書(2004年9月17日)
学生自治会執行委員会,人文科学研究科院生会,史学科院生会,社会科学研究科院生有志

平成16年9月17日

東京都立大学総長 茂木 俊彦 様

教学体制の保全に関する質問書

 私たちは、東京都立大学に在籍する学生・院生として、今後いかなる事態があろうと
も、ゆらぐことのない私たちの地位と権利をここに確認するとともに、私たちの学習研
究環境の保障に直接責任を負う教学体制の保全を求めて下記の事項に関して質問いたし
ます。
 いかなる外部の高圧的な管理も私たちの学習研究環境とは相容れない性質のものであ
ること、私たち学生・院生すべては、都立大本来の教育と研究環境を当然に享受すべき
であること、並びに、その自由な学生生活は脅かすことのできない価値であることをご
理解いただきたくお願い申し上げます。

------------------------------------------------------------------------------
--
 私たち東京都立大学の学生・院生は、これまで一貫して私たちの学習研究環境の保障
を求めてきました。しかし、現在まで具体的な回答は何一つ示されていません。このよ
うな中で、公立大学法人首都大学東京定款(たたき台)が示され、その附則第11項は、
「第19条第1項に規定するもののほか、法人に旧大学ごとに当該大学の教育研究に関す
る重要事項を審議する機関として、教育研究審議会を置く」としており、さらに同12項
は、現大学の教育関連事項を決定するにあたって、首都大学東京の規定を準用するとし
ています。
 現在、東京都立大学においては、カリキュラムの編成、論文審査に関する事項、学位
の授与などは、東京都立大学学則と学部規則、あるいは大学院学則、学位規程等にもと
づいて教授会の権限とされています。すなわち、私たちの教育研究に関する責任主体な
らびに学習研究環境の保障主体は、各学部あるいは各研究科の教授会となります。東京
都は、私たちが東京都立大学に入学したことをもって、入学時の学則等によって定めら
れた高等教育を提供する契約を締結しました。当該契約内容は、契約当事者が東京都か
ら公立大学法人首都大学東京へ変更されたとしても、信義則上、影響を受けるものでは
ありません。私たちは東京都立大学において、教授会等の現体制の責任のもと学習研究
環境が保障されることで、初めて契約の履行を得られたことになるのです。

 ところが、定款附則11項は「法人に旧大学ごとに当該大学の教育研究に関する重要事
項を審議する機関として、教育研究審議会を置く」としているのみで、「教育研究審議
会」と現大学の教授会との関係が明らかでなく、教授会が本来の機能を果たすことがで
きるかについて危惧を招くものです。私たちの学習研究環境の保障主体である現大学の
教授会が、今後十分にその機能を発揮できない状態におかれるならば、公立大学法人首
都大学東京が私たちに対して契約を履行するのは不可能となります。また附則12項は、
現大学の教育関連事項を決定するにあたって、首都大学東京に適用されるべき規定を準
用するとしていますが、新大学である首都大学東京の体制がいかなるものであろうと、
そのようなものは現大学に在籍する学生・院生にいささかも関係のないことです。公立
大学法人が発足するにともない、現東京都立大学の学則が不可避的に改変されるとして
も、新大学である首都大学東京の体制を東京都立大学に適用することは、当初私たちが
入学時に締結した契約に明らかに違反するものです。まして学則の改変が正規の手続き
を経て行われなければ、とうてい私たちの受け入れられるものではありません。

------------------------------------------------------------------------------
--
 以上の認識にもとづいて、以下の二つの点につき質問いたします。
 第一に、現東京都立大学が公立大学法人首都大学東京・東京都立大学として移行した
後も、現在私たちの学習研究環境の保障主体である教授会を、従来どおり東京都立大学
における研究教育のあり方すべてを最終的に決定し運営する機関として、東京都立大学
が存続する限り維持するつもりがあるかについてお答え下さい。
 第二に、公立大学法人への移行に伴い、不可避的に学則を改変しなければならない場
合、契約の一方当事者である私たちの意見を聴取・反映するつもりがあるかについてお
答え下さい。

東京都立大学 学生・院生連絡会議
学生自治会執行委員会
人文科学研究科院生会
史学科院生会
社会科学研究科院生有志
連絡先:renrakukaigi[アットマーク]yahoo.co.jp

1−1−2 貴会から提出された総長への質問書に対する回答
        2004年10月18日,総長 茂木俊彦

東京都立大学 学生・院生連絡会議のみなさんへ

貴会から提出された総長への質問書(平成16年9月17日付)に対する回答
2004年10月18日
総長 茂木俊彦

質問書をいただいてから1ヶ月余も経過してしまいました。まずお詫びします。
2つの質問に対して以下のように回答します。

1.について
 ご存知の通り平成22年度までは現都立大学は存続します。公立大学法人首都大学東
京が設置する大学となる点が16年度末までとことなりますが、教授会は引き続き学校
教育法に基づいて設置されます。ただし教授会の権限は法人のもとで設置される教育研
究審議会の審議・決定事項との関連で変更される可能性があります。
 総長としては、みなさんの身分、学習・研究の条件等にかかわる部分で、みなさんの
入学時の学則に規定されているものに照らし、不利益をもたらす変更が生じないよう力
をつくす所存です。

2.について
 ご指摘の内容は当然の要求だと考えます。ご意見の聴取の機会はもうけるつもりです
ので、必要に応じて申し出てください。なお本年10月7日付けで学内掲示した「総長
見解」では、この点に関しても総長としての基本的な意見を記しました。参照願います

以上

1−1−3 総長からの回答をうけて(2004年10月22日)
        学生・院生連絡会議

総長からの回答をうけて
平成16年10月22日

 平成16年9月17日付の質問状に対して、総長から回答を頂きました。困難な状況の中
で可能な限り誠実な回答を頂いたと理解しております。但し法人化後の事態に関しては
、依然として不安が払拭されません。
 私たちとしましては、この回答をふまえて未だ不安な点について、あらためて大学管
理本部に確認していく所存です。

学生・院生連絡会議

1−2 誰も納得できないような「昇任審査」が行われようとしている

任期・年俸制、教授会権限剥奪の予行的人事を行ってはならない
                           2004年10月25日 
東京都立大学・短期大学教職員組合中央執行委員会                
                    
 週末である10月22日に、「平成17年4月1日付け昇任の審査の実施について」と標記さ
れた各大学学長宛の大学管理本部長名の通知が公表されました。
  東京都大学管理本部の愚行には慣れっこになってしまった感がありますが、それに
しても、今回の「昇任審査」については、 その非常識さ加減、権限を盾に取った横暴
さに対しては厳しく抗議しておかなければなりません。
 大きな問題が3つあります。 /該佐霆爐量簑蝓↓⊃該困了期、期間を含めた審査
方法の問題、承認後の処遇の問題、です。

教員は営業マンなのか

 昇任する審査基準としてあげられている項目を見て、応募を諦めてしまう人がほとん
どでしょう。「仝威ある賞の受賞、 顕著な外部資金獲得」というのだから恐れ入
ります。日本中、いや世界中の大学で、助手が助教授に昇任する際の基準としてこのよ
うな項目を掲げる大学があるでしょうか。「権威ある」というのがどんな程度を意味す
るのか不明ですが、,老みな要求である程度で許せるでしょう。しかし、△忙蠅辰
は、管理本部が法人化された大学で教員をどのように扱おうとしているのか露骨に示し
ていてとうてい黙認できる基準ではありません。科研費にせよその他の外部資金にせよ
、助手が単独で獲得できる研究費は枠そのものからして小さいのは周知の実態です(日
本の研究費政策のお粗末さです)。そのことが助手の承認昇任、昇格の希望のひとつの
要因なのです。教授や助教授とのグループのメンバーであればよい、としても、こんな
基準を設けること自体が、「有力な」教授のグループに属さなければ昇任すらできない
、という研究風土を煽ることになるのに気がつかないのでしょうか。いや、そもそも管
理本部は「首都大学東京」という大学をそういう大学として目指している、としか考え
られません。
  任期制や裁量労働制を言うときには管理本部自身が、助手(「研究員」)は「主と
して研究を行っている」と定義するにもかかわ のありさまです。「主としてお金を取
れる研究を行っている」者でなければならないようです。しかも、「教育研究業績一覧
」 (様式2)では、記載の順は「教育上の能力に関する事項」「職務上の実績に関する
事項」そしてその後に、研究業績一覧となってい るのです。様式3に至ってはまるま
る取得外部資金額の記載です。これでは、若手の教員研究者は絶望してしまうでしょう

  大学教員審査での、こんな「社会的に」恥ずかしい基準は撤回するべきだし、応募
者は無視すべきです。

誰が、どうやって審査するのか、またもや不明

 審査方法については、これまでの「新規公募」の際に再三再四にわたって行ってきた
批判と抗議をまたもやしなければなりません。
  相も変わらず、「教学準備会議の下に置く教員選考委員会分野別昇任審査分科会」
なる正体不明の組織で「書類審査」を行う ようです。この「分科会」は、噂によれば
専門も何も関係なく、人数も不定の、たった数人の管理本部指名の教員と管理本部の
事務担当者が決定権をもった組織で「書類審査」を行うようです(「申請書」によれば
、審査を希望する「専門分野」欄には、文系と 理系の区別しかないのです!)、人数
も不定の、たった数人の管理本部指名の教員と管理本部の事務担当者が決定権をもった
組織のようです。このような「噂」が囁かれること自体、異常な審査であることを示し
ているのです。
  およそ、外部からの公募はもとより、例え内部昇格であったとしても、いかなる大
学でも教員人事は、専門性を考慮した選考委 員が教授会で選出され、応募者の履歴、
業績を精査し、面接も含めて候補者を絞り、選考過程を教授会に報告して投票などで昇
任されるのが常識です。ところが、今回の応募書類によれば、なんと、論文、著書等
の提出が要求されていないのです。200字の説 明だけの一覧表で教育と研究の担当者を
決めてしまう大学があったとしたら、物笑いの種になるだけでは済まず、学生や納税者
に 対する責任放棄と言わざるをえません。
  さらにそれこそ、きちんと社会的に認知され、有資格を認められ、そして、昇任す
れば応募者もその一員となる教授会組織が現 にあるにもかかわらず、それを無視し、
メンバーも経過も秘匿した審査をする必要があるのでしょうか。そこに、現大学のみな
らず、新大学においても教授会から人事権を剥奪する意図が露骨に現われています。
  「新大学人事だから」という理屈は通りません。もともと、新大学は「教員審査省
略」で設置申請されて、認可されたのです。 それは、「現行教員組織がその教育研究
の資格と責任をもつから」であることは言うをまたないことです。一方で社会や文科省
に それを主張し、他方で現行教員組織を「権限なし」とするのは明らかな論理矛盾で
す。したがって、このような昇任審査手続きを 私たちは厳しく糾弾しなければなりま
せん。最低限、「昇任審査分科会」の構成メンバーを直ちに公表し、審査経過を教員組
織に 正確に公開することを強く要求します。
  教職員組合は個々の人事に介入する意図はありませんが、このような教授会権限を
侵犯し、なおかつ杜撰で常識をわきまえない選考方法がとられるなら、大学界のみなら
ず、社会から新大学の教育研究の水準を疑われてしまうことになるでしょう。このこと
に対して各大学の教員組織が抗議の意思表示をするべきであると考えます。また、管理
本部と学長予定者に対して、最低限、「昇任審査分科会」の構成メンバーを直ちに公表
し、審査方法の改善と審査経過を教員組織に正確に公開し、承認を求めることを強く要
求します。
  審査の恣意性、覆面性に加えて、今回の昇任審査には、時期の異常さ、期間の異様
な短さを指摘しなければなりません。
  新大学でのカリキュラムづくりが大詰めを迎え、時間割を必死になってい確定しよ
うとしている現在、助手も含めてすべての教員の担当が決まってきています。講義担当
者が増えてくること自体は喜ぶべきことですが、担当科目配分、時間割づくりはまた新
たな 混乱が生じる懸念があります。しかも、応募書類の「記載要領」によれば「担当
授業科目等に関する教育上の能力に関する事項」を書かなければならないとされていま
す。いったい、助手は何を書けばよいのでしょう。
  さらに、問題なのは、この「平成17年4月1日付け昇任の審査の実施について」とい
う通知は、10月21日付の各大学学長宛の通知であるにもかかわらず、日程が下記のよう
になっていることです。

募集期間   …… 平成16年10月22日(金)〜平成16年11月5日(金)
分科会    …… 平成16年11月8日(月)〜平成16年11月12日(金)
候補者の決定 …… 平成16年11月15日(月)
 とくに言語道断なのは(2)の実質審査期間が1週間で、おそらくただ一度の「分科会」
会合で、面接も何もなく決定されてしまうことです。この日程を見て、懸念されるのは
、「結果は、実はもう決まっているのではないか」ということです。様式(2)〜(3)(あ
るいは (2)〜(4))は膨大な書類となります。それを短期間に苦労して書いても、徒労
に終わることになるのではないかと心配されます。

昇任と「任期制・年俸制」を連動させてはならない

 上述のような種々の混乱や異常さを無視して行おうとしている今回の「昇任審査」の
もっとも大きな危険性は、その「処遇」事項にあります。助手→「准教授」の場合は以
下の通りです。

処遇
「新制度」の任期制・年俸制を適用

* 昇任者の17年度年俸は、従来の取扱いにおいて本人が助教授に昇任した場合に適用
される号給等を基礎に基本給算定基礎額を算定し、これに対応した基本給、及び当該基
本給の額の5分の3相当額の職務給、5分の2相当額の業績給を支給します。

 私たち教職員組合は、これまで一貫して、現職の教員に「任期制・年俸制」を押しつ
けることに反対し、正式に要求書を提出して、現在、団体交渉を行っています。その中
の重要な論点として、「昇任と任期制・年俸制を結ムつけてはならない」という項目が
あります。百歩譲って一部に「任期制・年俸制」を敷くことになったとしても、あくま
でも本人の自由意志による選択、同意を前・とすべきで、「審査される」という弱い立
場を利用して意志に反して「同意」を取り付けることなど断じて許されない暴挙です。
  現在交渉中の重大な勤務・労働条件に関して、もし当局が「組合との合意、了解な
ど必要がない」という見解を取るならば、今後の労使関係の全局面に重大な事態が起こ
ることを覚悟すべきです。
 また、応募される教員は、労働者側とのなんらの了解もない募集要項のこの部分は無
視しましょう。たとえ昇任という判定結果に なっても、それは教員としての資格認定
であり、賃金、勤務条件に関しては、「賃金は、現行を下回ることはない」という事項
以外は、労使で合意していないのです。それらは労基法に定めるすべての事項が出そろ
ってから一人ひとりが個別に結ぶ「法人との労働契約」によってはじめて有効になるの
ですから、いまだ存在していない法人との労働契約に「後で化ける」ような、怪しげな
「同意」を与える必要はありません。この点では、「処遇」の記載より、「備考」欄の

            「公立大学法人の職員となる方には、今後公立大学法人と雇
用契約を締結していただくこととなります。
            上記の勤務条件は、現段階での都の方針であり、各人との雇
用契約は、公立大学法人が定める規定に
            基づいて、締結されます。」
の方が正当(「都の方針」は「都の希望」と書くべきですが)であり、しかも「公立大
学法人が定める規定」はまだ存在していないことを忘れないでください。

 教職員組合は、助手の昇任そのものに、異を唱えるものではありません。むしろ、学
生の教育保障の立場から、この間、退職した 教員の後任を早急に補充すべきであるこ
とを主張してきました。しかし、今?の「昇任審査」に対しては、新大学、新法人での
不当な 教員管理の予行的事例として数々の疑念、懸念を持っています。また、このよ
うな人事が行われようとすることで、若手の就任予定者が新大学から去り、また就任し
なくなってしまうことを恐れます。人事はあくまで大学、学部の必要な部署に、誰もが
公正だと思える方法で行われなくてはなりません。私たちは上述の3点に関して強く抗
議するとともに、「審査」の全過程に厳重な監視を行い、いかなる権利侵害に対しても
直ちに必要な反撃を行うことを表明します。

1−3 高橋理事長予定者と石原知事の暴言を批判する
       「手から手へ」2307号

 10・0日付けの毎日新聞によれば、首都大学をサポートすると称する会員制クラブ「t
he Tokyo U-club」の設立総会の席上、高橋宏理事長予定者は次の様な発言をしている
。「大学全入時代、学校さえ選ばなければバカでもチョンでも、そこそこの大学に入れ
る時代が3年後に来る。首都大学東京は世界の共通財産。有識者の声を反映した、いい
大学にしたい」。
  「バカでもチョンでも」とは、なんという品性に欠けた発言であろう。これが一大
学の理事長にもなろうという人物が公開の場で口にするべき言葉だろうか。
そのうえ、これまで、新大学のレヴェル維持と創造的建設には徹底して無理解を示して
おきながら、「世界の共通財産云々」とは。 筋の通らない、支離滅裂な話っぷりであ
る。だが、もし本当にそのような考えに立つなら、今すぐにでも、教員・学生を含む各
方面に開かれた新大学作りの作業を始めることこそ、本筋であろう。理事長がこのよう
な意識を持っているならば、「世界の共通財産」などけっして生まれてはこない。
  さらに、席上石原知事は、経済学部のCOE返上問題に触れ、「一部のバカ野郎が反対
して金がでなくなったが、あんなものどうでもいい」。また、首都大学構想に批判的な
教員の多い仏文・独文に関しては、「フランス語は数を勘定できない言葉だから国際語
として失格しているのも、むべなるかなという気がする。そういうものにしがみついて
いる手合いが反対のための反対をしている。笑止千万だ」と話した、と報道されている

  これは、まともな批判に値するかどうかも疑わしい、無知で下品な、醜い罵りの言
葉だ。先の高橋発言も問題だが、とくに石原知事にあっては、本人は威勢のいい啖呵だ
と思っているのかどうかは知らないが、聞くに堪えない罵詈雑言の類いにどっぷり浸っ
ている感がある。啖呵は本来、弱いものが強者を穿つ、武器としての、意表をついた開
き直りの科白(せりふ)を指す。権力者が、権力をもたぬ者たちに振り下ろす悪罵ほど
、啖呵と程遠いものはないのである。
  フランス語の数を表す体系が英語より複雑なこと、それかあらぬか、フランスには
偉大な数学者が輩出していること、フランス語が、きわめて意識的に明晰と洗練を目差
してきた言語であること、外交の世界では、いまなおフランス語の位置はきわめて重要
なこと。

こんなことを、いまさらながら知事に具申しなければならないとは。
やはり、知事はこの「不規則発言」を撤回し、フランスとフランス鼬翌ノ対して、率直
に謝るべきである。

2 国立大学法人法案に反対する意見広告の会の皆さんへ
   ―意見広告への賛同と募金のための緊急のお願い
 
 私たち4人が呼びかけ人である「教育基本法の改悪をとめよう!全国連絡会」は、さ
まざまな立場の人が、北海道から沖縄まで、教育基本法改悪阻止の1点でつながってい
るネットワークです。私たちは、11月6日午後1時半から、日比谷野外音楽堂で、「教育
基本法改悪をとめよう!11・6全国集会」を開催いたします。
 与党自民党と公明党は、合意ができたところからの教育基本法「改正」法案作成をす
でに文部科学省にゆだねており、2005年の通常国会に法案を上程し、成立させることを
目指しています。しかし教育基本法が改悪されることによって、教育が私たち一人ひと
りの権利から国家による国民統治のための手段へと大転換されてしまう緊迫した事態に
ついて、新聞やテレビではほとんど報道されていません。
 こうした状況の中で、私たちは、教育基本法改悪に反対する主張と、集会参加への呼
びかけの意見広告を「11月6日まで」に「朝日新聞」全国版で行うことを決断いたしま
した。
 この決断を行う際には、私たち4人も呼びかけ人として取り組んだ昨年2003年の国立
大学法人法案に反対する意見広告運動の経験が念頭にありました。朝日、毎日、読売、
毎日と合計4度にわたる意見広告を打ち、国会審議などに大きな影響を及ぼすことがで
きました。この運動は最終的には法案成立を阻止できませんでしたが、イラク特措法の
ための会期延長がなければ審議未了・廃案になったかもしれないところまで、文科省を
追い詰めるのに効果を発揮しました。
 国立大学法人法案は、各大学の自主性・自立性を奪う点で、「学問の自由」を守るこ
とを規定した日本国憲法第23条と、「教育への不当な支配」からの自由を保障した教育
基本法第10条に違反するものです。また大学の財政基盤が不安定となり、授業料の値上
げがなされることによって、教育基本法第3条の「教育の機会均等」にも違反する内容
をもっています。国立大学法人法案は、その内容からいって教育基本法の改悪を先取り
するものであったといえるでしょう。
 教育基本法「改正」法案へ向けて作成された与党中間報告においては、教育基本法第
2条(教育の方針)にある「学問の自由を尊重し」が削除されています。また第3条(教
育の機会均等)にある「すべて国民は、ひとしく」のなかの「すべて」と「ひとしく」
が削除されています。さらに第10条では、教育行政(文部科学省・都道府県教育委員会
)による教育内容への介入は「不当な支配」として禁じられていますが、与党案では「
教育行政は、不当な支配に服することなく」となっており、教育行政による教育内容へ
の介入を完全に認めています。そして国や地方公共団体は学校の設置(教育基本法第6
条)者から、「施策の策定と実施の責務」を行う主体となり、教育内容の決定と実施を
直接的に担うこととなります。国や地方公共団体の教育に対する権限は飛躍的に拡大し
、教育内容や実践への介入を一層強めることになるでしょう。この国や地方公共団体に
よる教育施策を具体的に定めるのが、与党中間報告で規定されている教育振興基本計画
であるといえます。2003年3月20日に出された中教審答申では、教育振興基本計画の政
策目標として、「国際競争力のある大学づくり」や「産官学連携を推進する」などが挙
げられており、「学問の自由」の削除と結びつけて考えれば、教育基本法の改悪が、大
学における研究や教育のあり方への国家介入を一層促進することは間違いありません。
そればかりか、与党案において「郷土と国を愛し(大切にし)」が(教育の目標)とし
て盛り込まれることからもわかるように、愛国心教育が教育のあらゆる場で強制される
など、国家による教育支配がすべての教育段階で貫徹されることとなります。私たちは
こうした教育基本法の改悪を絶対に阻止し
なければならないと考えています。
 そこで多くの人々に教育基本法改悪の危険性を伝え、「教育基本法改悪をとめよう!
11・6全国集会」を成功させるための意見広告をぜひ実現したいと考えています。国立
大学法人法案の経験からもわかるように、法案が国会に上程されてか轤サれを阻止する
ことは非常に困難です。教育基本法「改正」法案も国会に上程されてしまえば、現在の
国会情勢では成立を阻止することはとても困難であるといえます。改悪を阻止するため
には、国会上程を阻止することが何よりも重要であり、そのためには今が最後のチャン
スといえます。
 教育における自由と平等を守るために、教育基本法の改悪を何としても阻止したいと
いうのが私たちの願いです。事は急を要します。「11月6日まで」に意見広告を実現
するために、皆さまに緊急の御賛同と募金をお願いいたしますと同時に、皆さまのお知
り合い、御存知のネットワークなどにも、このお願いを至急、広く届けていただけます
よ、、心からお願い申し上げたく存じます。

       2004年10月15日 教育基本法の改悪をとめよう!全国連絡会
             呼びかけ人:大内裕和(松山大学)
                   小森陽一(東京大学)
                   高橋哲哉(東京大学)
                   三宅晶子(千葉大学)

【掲載時期】
2004年10月30日(予定)
【掲載紙】
朝日新聞全5段(1/3ページ)
【目標金額】
1000万円 …掲載費800万、諸経費200万(デザイン料・印刷費・郵送料など)
【振込先】
〇旭羹四Ф箙圈々眸不動支店 普通1477174
⇒絞愎饗悄。娃娃隠坑亜檻機檻械牽坑僑沓
 加入者名:全国連絡会意見広告
【賛同金】
1口1,000円 
(できるだけ3口以上をお願いしたいのですが、それ以下でもいくらでも歓迎です)

【広告概要】
教育基本法の存在と、改悪の意図、改悪に反対する全国運動がおこっていることについ
て、簡潔に伝える意図でつくります。まだ正式な決定ではありませんが、文章は以下の
とおりです。

※なお、今回の意見広告には、紙面の都合上、賛同していただいた皆さんのお名前を載
せることができませんが、意見広告は今後も継続しておこない、呼びかけ人として賛同
してくださる方もあらためて募ることを考えています。

<小見出し>
世の中が悪いのを、子どもや若者のせいにしていませんか?
学校や教育の問題を、「教育基本法」のせいにしていませんか?

<大見出し>
教育基本法を変えて(小さく)
「お国のために
命を投げ出す」子どもを
つくりたいですか?

<本文> 
今、教育基本法を変えようという動きが
急ピッチで進められています
その理由を、ある国会議員が
「国のために死ねる日本人をつくるため」
だと明言しました
また
「できんもんはできんままで結構
限りなくできない非才、無才には、
せめて実直な精神だけを養っておいてもらえばいい」
と発言する前教育課程審議会会長もいます

これこそが、
教育基本法を変えようという人たちの本当の理由

「愛国心」だって個人の心の問題であり、
国家から一方的に強制される問題ではありません。

教育が私たちのものではなく
完全に国家のものになってしまいます
つまり、政府が教育のしくみを
都合のいいようにコントロールできるということです

私たちが氓フ世代にどんな未来を手渡したいのか、
もう一度考えてみませんか。

かつて子どもだった人に
今の子どもたちに
そして未来の子どもたちへ
戦争しない国で生きたい

<本文下に>
教育基本法の改悪を止めよう!11・6全国集会
2004年11月6日(土)
場所/東京・日比谷野外音楽堂
開場 12時半 開演 13時半 参加費/無料
出演者/ソウルフラワーモノノケサミット、
ザ・ニュースペーパー、各地からの報告 ほか
集会後、この趣旨をひろくアピールするために
パレードを行います

【意見広告呼びかけ人】
石坂啓(漫画家)、梅原猛(哲学者)、大内裕和(松山大学)
大田尭(教育学者)、小山内美江子(シナリオライター)、
落合恵子(作家)、川田龍平(人権アクティビストの会)、
姜尚中(東京大学)、小森陽一(東京大学)、高橋哲哉(東京大学)、
竹下景子(女優)、辻井喬(作家)、暉峻淑子(埼玉大学)、
灰谷健次郎(作家)、三宅晶子(千葉大学)、山田洋次(映画監督)

【問合せ】
〒113−0033 東京都文京区本郷1−19−6 坪井法律事務所内
教育基本法の改悪をとめよう!全国連絡会

筺 。娃坑亜檻械坑隠粥檻沓隠隠粥憤娶広告専用)
Fax 03−3812−5510
メール info[アットマーク]kyokiren.net

2004年10月26日

転載:「意見広告の会」ニュース207[2004.10.26]

Date: Tue, 26 Oct 2004 00:02:39 +0900

*ニュースの配布申し込み、投稿は、
qahoujin[アットマーク]magellan.c.u-tokyo.ac.jp まで、お願い致します。

** 目次 **
1 真に、かつ、種々の意味で危機を迎える都立大
1−1 「クビ大COE」はなぜ阻止されねばならなかったのか
     東京都立大学経済学部 戸田裕之
1−2 東京都による大学破壊の実証的研究: 現在の都立大学教員流出状況
      首大非就任者の会

2 大学財政危機打開をめざす国会内ポスターセッション
7th Circular 10/24
      国立大学法人法反対首都圏ネットワーク事務局

***
1−1「クビ大COE」はなぜ阻止されねばならなかったのか
              東京都立大学経済学部 戸田裕之

2003年7月,近代経済学グループ注1が文部科学省21世紀COEプログラムの一拠点に採択
されたことの前提には,当時公式に計画されていた「新都立大学」と現在の都立大学と
の間に十分な継続性が存在するであろうという当然の見通しがあった。ところが,その
直後の8月,東京都はそれまでの公式計画とはまったく異なる大学「改革」構想を発表
した。この構想に基づく新大学なるものが東京都立大学とは完全に異質の「大学」であ
ることは,「首都大学東京」(以下「首大」と略称)の姿が東京都によって具体化されて
いくその後の過程で明白になった。

新奇なことと価値あることはむろん同義ではない。「実学」「地場の利益」の掛け声の
もと,「一地方」東京に直接の利益をもたらすことのみを追求しようとするのが,この
首大の理念である。他方,学問一般の発展に対する基礎的な貢献については,一切その
価値を認めようとしない。すなわち,首大は,人類の公共財としての学術知識の発展に
寄与するという大学本来の使命を放棄し,他者の成し遂げた基礎的研究の成果に寄生す
るだけの存在として構想されているのである。

もし仮に東京が世界の「一流都市」のひとつとして認知されたいと望むのであれば,そ
のような貧しい心性を露呈することに益があろうはずもない。また,首大構想は,過去
における東京都自らの公的資金投入の成果である都立大学の学問的資産を適切に評価し
継承することを拒絶する。それらの学問的資産が将来に亙って生み出すはずの「投資収
益」を無条件に放棄しているのである。目先の「利益」にとらわれて長期的視野を欠く
,実に狭隘な発想というほかない。

私を含めて近代経済学グループ構成員の多くは,このような首大への就任を微塵も望ま
ない。実際,首大構想が姿を現した昨年度のうちに,早くも16名中3名が抗議の意思の
もとに他大学への転出を決意している注2。都立大学経済COEはそこに属する研究者の人
的構成を前提として採択されたものである。事業推進者の大半が首大へ移行しない以上
,「世界的な研究教育拠点(COE)としての継続的な活動」を目指すこの事業が速やかに
中止されねばならないことは当然である。COE採択の根拠となった諸条件をもはや満た
すことのない組織に対して,国の公的補助金を投入し続けるような浪費が行われてはな
らない。

ましてや首大がCOE事業を引き継ぐことなどあってはならない。上述のように,東京都
は都立大学が築いた学問的資産を適切に評価し継承することを放棄した。その設置者に
よって設立される首大が,まさにそのような評価を経て採択されたCOE事業を継承する
資格を持たないことは明らかである。また,21世紀COEプログラムの目的は,首大の矮
小な自己中心主義とはまったく相容れないものである。「持続可能な世界的研究教育拠
点」の形成事業をまかされるのは,現在世代だけでなく将来世代に対しても便益を生み
出す公共財としての学問の発展に貢献しようという高い志を持つ大学でなければならな
い。

このように,都立大学経済COE事業を今後も継続することには一片の正統性も存在しな
い。それにもかかわらず,さまざまな思惑と打算から,組織の見せかけの継続性を取り
繕い,事業継続正当化のための理由を捻出し,首大へのCOE 移行を企てる動きが過去何
ヶ月かの間に見られた。今回の「COE辞退」は,受動的・消極的な判断の産物などでは
なく,そのような動きに抗する多くの努力と断固たる意志をもって実現した「クビ大CO
Eの阻止」である。真摯に学問に取り組む現在と将来の研究者すべてに向けて,このこ
とを最後に明らかにしておきたい。

------------------------------------------------------------------------------
--

注1 日本では,歴史的経緯から世界標準の経済学を「近代経済学」と呼ぶ。
注2 都立大学経済COEの研究主題は,「ゲーム理論的制度設計の観点から金融市場の課
題を分析する」ことであった。転出を決めた3名中2名はゲーム理論分野の研究者である
。つまり,核となる研究者から流出が始まったのである。(もちろん,彼らの判断は研
究者として当然であり,より良い研究環境でその実力を発揮できることは,社会厚生上
も望ましい。) 世界中のまっとうな研究者たちによって,首大が今後どのような存在と
見なされることになるか(既に見なされているか)を示唆する象徴的な事例といえよう。

1−2 東京都による大学破壊の実証的研究: 現在の都立大学教員流出状況
                
           首大非就任者の会

このページでは、都立大学における教員流出状況を随時更新してお伝えする。具体的に
は、25名だけが首大への就任拒否をしたわけではない の調査時点 (7月) における 転
出(予定)者数 (B2) にその後転出が決定した教員数を加え、下表の 転出(予定)者数 (B
2) [およびその結果として 流出数 ® と 流出率 (RR)] を更新する。

ここで注目する 転出(予定)者数 (B2) の増加は、すべて首大就任承諾者の中からの転
出決定数であることに注意されたい。就任承諾書非提出者はすでに 非承諾者数 (D) と
して流出数に算入済みであるから、非提出者の転出が決定しても下表の数字は変化しな
い。

なお、ここでは「転出」という言葉を他大学への転出以外の退職 (抗議辞職等) も含む
意味で使う。また「転出の決定」とは、都立大学の各学部教授会においてそれが正式に
決定されることと定義する。実質的には転出予定であっても、割愛手続きを経ての転出
ではなく退職の道を選んだ場合などのように、教授会審議の対象にはならないケースも
考えられる。その場合には 転出(予定)者数 (B2) にはカウントされないので、表の流
出率はその分だけ実態を過小評価していることになる。

前段落で述べた「転出」の定義により、通常下表の更新は毎月の教授会後ということに
なるだろう。流出状況に変化があった場合には、このページにコメントを追加すること
によって、読者にお知らせする。また、最も最近変化した 転出(予定)者数 (B2) は、
赤色で表中に示すことにする。

下表は、25名だけが首大への就任拒否をしたわけではない と同じ形式で、人文・法・
経・理の4学部について現在の教員流出状況を整理したものである。表の詳しい見方に
ついては、25名だけが首大への就任拒否をしたわけではない のPDF版またはHTML版の第
3節を参照していただきたい。

**「表」などは以下をご覧下さい。
http://www.kubidai.com/modules/xfsection/article.php?articleid=18

大学財政危機打開をめざす国会内ポスターセッション
7th Circular
法人化経費と非常勤職員の処遇改善経費の推定値
を出しました!+11月1日と2日の予定について。

2004年10月24日
国立大学法人法反対首都圏ネットワーク事務局

(1) 法人化経費の全国大学の総額(推計)は、およそ350億円。非常勤職員の処遇改
善経費(推計)は、およそ320億円。批判的検討をお願いします。
 法人化にあたって新たに発生した経費および、“同一労働・同一賃金”の原則に反す
る非常勤職員の処遇改善経費の推計値を出しました。法人化経費の全国大学の総額(推
計)は、およそ350億円。非常勤職員の処遇改善経費(推計)は、およそ320億円、とな
りました。
 補正予算請求の基礎とするためには、推計値は可能な限り現実に近いものにしなけれ
ばなりません。そこで、推計値とその推計方法を公表し(このCircularに資料として添
付)、皆さんによる批判的検討をお願いすることにしました。

(2) ポスターについて
 ポスターは、.櫂好拭璽札奪轡腑鵑某涌を派遣される大学にあっては、ハード・コ
ピーを、11月1日朝9時までに衆議員会館第1会議室に持参してください。また、⊃涌
を派遣せず、ポスターのみ出展される大学に当たっては、東大職組までメールにてデー
タを、10月29日(金)午後4時までに送付するか(toushoku@u.email.ne.jp)、あるい
は、ハード・コピーを東大職組に(〒113-0033 文京区本郷7-3-1)、10月29日(金)
午後4時までに送付してください。

(3) 国会議員会館への入館およびセッション中の連絡先について
 国会議員会館への入館にあたっては080−3427−0464に電話してください
。入館証をお渡しいたします。国会ポスターセッション期間中の連絡先も、上記の携帯
電話にお願いいたします。なお、ポスターセッション準備は、午前9時過ぎより開始し
ますので、人員を派遣される大学および団体にあっては、午前9時前に、議員会館の受
付(1日に会っては、衆議院第1議員会館、2日にあっては参議院議員会館)に集合して
ください。

資料

法人化経費 推計350億円
 「法人化にあたって新たに発生した経費」を詳しく見積っている東京大学の推計額を
基礎にして、それと各大学の教職員数や、支出総額などの比率に応じて推計しました。
この推計では、病院、理系部局の有無による保険料、労安法対策費の多寡については考
慮できていません。

国立大学法人(87大学2短大)の法人化経費概算(暫定版)
       実数 比(対東京大学) 備考
教職員数 117710 人 15.57 a 教職員数は2002年度
支出総額 23381 億円 10.91 b 支出総額は2004年度予算

                    費用(億円)   備考
コンピューターシステム・サポート経費 7.63 0.70b(min 0.05)
職員研修費用              2.80 0.18a(min 0.03)
職員採用試験実施経費           4.05   0.26a(min 0.03)
銀行手数料 10.47   0.96b(min 0.05)
保険料 201.04   12.91a(min 0.03)
法定監査法人費用 18.38   1.18a(min 0.03)
役員人件費(503名) 100.60   0.2*役員数
労働安全衛生法見合いの維持費 11.68   0.75a(min 0.03)
総費用 356.65

非常勤職員の処遇改善経費 推計320億円
 時間雇用職員および日々雇用職員の人数の出典は国大協法人化特別委員会が2002年に
作成した資料。調査年度は2001年ということでデータとしては少し古く、23,562人(日
々雇用・5,455人、時間雇用・18,107人)となっています。「法人化」の前後でどこの
大学でも削減されていると思われますので百の単位はカットして概算しました。

A)時間雇用職員(週30時間)の平均年収:約172万円
  内訳:@950円 x 120H = 114,000円 (1ヶ月の本俸)
     超勤手当て・9,500円(10H)、通勤手当・10,000円、厚生年

     事業主負担分・10,000円 
    *上記1ヶ月の合計=143,500円 (x 12ヶ月が年収)
 時間雇用の総雇用費:172万円 x 18,000人 = 309億6,000万

B)日々雇用職員(週40時間)の平均年収:約327万円 
  327万円の根拠 (時間雇用職員の年収172万円 x 1.9)
  時間雇用職員に比べて勤務時間が長いこと、一時金が年間4.4ヶ月支給さ
  れること、調整手当、住居手当が付くこと等)
 日々雇用の総雇用費: 327万円 x 5,000人 = 163億5,000万

C)非常勤職員の総雇用費: 473億1,000万円 (A + B)
D)常勤職員として同世代の労働者を雇用すると想定した場合の人件費:
  約791億2,000万円
  算定式: 時間雇用職員の平均年収・172万円 x 2 = 344万円  
  (2倍の根拠は勤務時間が1.3倍、一時金が年間4.4ヶ月支給される、調
  整手当、住居手当が付く、1年1号俸昇給が保障されている、超勤が20時
  間位やられている等々)
  → 344万円 x 23,000人 = 791億2,000万円
E)総雇用費の格差=常勤職員並み保障に必要な原資 (D − C)
   791億2,000万円 − 473億1,000万円 = 318億1,0
00万円

2004年10月24日

転載:「意見広告の会」ニュース206(2004.10.24)

Date: Sun, 24 Oct 2004 13:19:07 +0900

*ニュースの配布申し込み、投稿は、
qahoujin[アットマーク]magellan.c.u-tokyo.ac.jp まで、お願い致します。
*災害が相次いでおります。
 台風並びに地震の被害のあった地方の皆様に、心よりお見舞い申し上げます。

** 目次 **
1 真に、かつ、種々の意味で危機を迎える都立大
1−1 石原知事「今後とも時代の要請に応えた新しいプログラムを次々に世に送り出
して行くつもり」と発言
 予算を切りつめながら、どうやって新しいプログラムを次々に送り出して行くことが
できるのでしょうか。

2 大学の批判力 横浜市立大学の場合
2−1 学問の自由と大学の自治の危機問題(佐藤真彦教授)より

2−2 『カメリア通信』第30号より

***
1 22日定例記者会見での知事発言
首都大学東京が、さる9月30日に文部科学大臣から設置許可を得ました。
17年4月の開学時に設置する学部コースについては既に発表しておりますけれども、
新たに平成18年からシステムデザイン学部の中にインダストリアルアート・コースな
るものを設置し、学部の充実をはかってゆきたいと思っております。
 (中略、ここでドイツのバーハウスについて一くさり)
さらにこれも研究中ですけど、せっかくやり出したことでね、日本の環境を守るための
レインジャー、これも東京の新しい大学がある資格を与え、いろんな機能も備えたねー
……その他この他自然に関する該博な知識を必要とするといった……そういう人たちを
沢山育てて……他の県にも紹介して働いてもらいたいと思います。
同じく18年度に、東京の産業を活性化する意欲と能力をもつ人材を育成するための産
業技術大学院を設置する予定であります。
既存の大学院では教えない実践的な教育を行うことで、技術を商品開発に結びつけるこ
との出来る総合技術のリーダーや現在42万人不足していると言われている高度なIT
技術者を育成して行きたいと思っております。
 (中略)
いずれにせよ、首都大学東京は開学に向けて準備は順調に進んでおりまして、今後とも
時代の要請に応えた新しいプログラムを次々に世に送り出して行くつもりなので……高
校生や社会人の皆さんにも是非期待して……新しい教養を身に着けようと言う人がいた
ら大歓迎であります

2 大学の批判力 横浜市立大学の場合
2−1 学問の自由と大学の自治の危機問題(佐藤真彦教授)より

“官僚統制大学”化へ突き進む横浜市立大学

 出張研究で1ヶ月余りの間留守にしていたが,その間に“官僚統制大学”[1]として
の横浜市立大学の将来像がより鮮明になったようだ.この間の情報を得るのに,永岑三
千輝氏(本学)[2]や片山一義氏(札幌学院大学)[3]のホームページが大いに役に立
った.

 なかでも,(1)“公立大学(法人)で初の外国人学長(予定者)!!新たな横浜市
立大学の「初代学長予定者」が決まりました!”(9月3日)[4],および,(2)“「
副学長予定者」「国際総合科学部長予定者」「国際総合科学研究科長予定者」が決まり
ました!”(9月15日)[5]の2つの記者発表が象徴的である.相変わらず,「密室で
決定・いきなり公表・トップダウン」(東京新聞2004年2月16日付)[6]の強権的なや
り方である.“大学の自治”の根幹である教員の選挙に基づいた現行の制度の方が,は
るかに民主的で健全なことは言うまでもない.“大学の自治”を徹底的に破壊してしま
おうという横浜市当局の強い執念を感じるのは,私だけではないだろう.

 いずれの記者発表でも,“横浜市政記者,横浜ラジオ・テレビ記者 各位・・・初代
学長予定者に,ブルース・ストロナク氏(前ベッカー大学学長代行)を決定しました.
・・・”,あるいは,“・・・副学長予定者と,新たに設置する国際総合科学部の学部
長予定者及び国際総合科学研究科の研究科長予定者を,次のとおり決定しました.副学
長予定者 布施勉氏(国際文化学部教授)南睦彦氏(医学部教授),国際総合科学部長
予定者 藤野次男氏(商学部長),国際総合科学研究科長予定者 馬来国弼氏(理学部
長)・・・” とある.“・・・決定しました”となっているが,「いつ・どこで・だ
れが」決定したのかまったく不明である.

 ちなみに,後者の面々は,昨年5月の“市長改学宣言”[7]を受けて,記者発表の席
で“忠誠宣言”を行った“サイレントマジョリティー教授”[8],ならびに,その後の
「プロジェクトR」・「コース・カリキュラム案検討プロジェクト部会」等において,
学内外からの多くの反対意見にもかかわらず,横浜市当局に対して積極的に協力してき
た“積極擦り寄り派”と見なされている人々である[9].

 なお,その後,新学部(国際総合科学部)のコース長(1年任期)も上から任命され
たという[10].

 来年度に発足する公立大学法人横浜市立大学では,個々の教員の教育研究が,横浜市
当局やこれらの人々によって逐一“評価”され,再任の有無・昇任/降格等の人事・年
俸・研究費の競争的傾斜配分などに反映されることになるが,強権的で透明性を欠いた
“改革”のやり口を目の当たりにして,また,“大学から求められた役割をきちんと果
たしているかの視点が重要である”とする,どうにでも解釈可能な“評価の視点”(「
横浜市立大学の新たな大学像について03-10-29」)[11]と相まって,あらゆる状況が
一般教員の士気を阻喪させるのに十分である.とくに,教員の身分保障が失われること
で,自由な批判精神や反骨精神が大学から一掃されてしまうであろうことは,致命的で
ある[12].

 横浜市当局は,“知の大海へ!未来へ!キーワードは「創造」”,あるいは,“21
世紀の知の世界へ新たな開国!!未来をきりひらく横浜市立大学”などと空疎なプロパ
ガンダに余念がない[13]が,“学問の自由と大学の自治”が喪失し,忠誠競争が蔓延
し,また,容易に恐怖支配へとつながる新たな横浜市立大学(“官僚統制大学”)に“
未来”はない[14].

2004年10月20日
大学院総合理学研究科 佐藤真彦

2−2 『カメリア通信』第30号より
Camellia News No. 30, by the Committee for Concerned YCU Scholars
************************************************************

2004年9月,10月評議会――私的報告

理学部 一楽重雄

 9月の評議会については報告をサボっていましたが,例によって報告事項のみであま
り意味のあることはありませんでした.来年度の予算について予算が厳しいので各教員
に協力してほしいとのbが事務局からありました.これに対して私は「新しい大学の計
画に対しては教授会の関与を否定してきたのに,予算の節約に関してだけ協力を求める
のは一貫していないのではないか,虫がいいのではないか」という趣旨の発言をしまし
たが,意味のある反応は得られなかったように思います.

 10月の評議会では,報告事項として8月9月10月づけの昇任,採用人事が報告さ
れました.これに関連して,私は「現在凍結されている人事がたくさんある中でこれら
が解禁された理由を教えて欲しい」と要求しました.これに対して学長は「教育上,ど
うしても必要だと判断されたもの」という意味の回答をしました.続いて,M所長から
も「いま多くの昇任人事を行うのは改革に熱心でないということにはならないか,もう
少しなのだから,待てなかったのか」という質問がありました.

 これは,このような表現ですが,質問の意図は私と同じく「解禁の基準がはっきりし
ない」ということにあるのではないかと思いました.人事の報告をよく見てみると,大
部分が昇任の人事,それも助教授から教授への昇格でしたので,私は「教育上の差し迫
った理由というのであれば,助教授から教授への昇格というのは説明できないのではな
いか,助教授も教授も教育上はほとんど同じ仕事をしているのではないか」という意味
の質問をしました.これには学長は回答せず,S副学長が「この人事は数年前からの懸
案であり,待って待ってやっと行ったものである.助教授と教授の違いは,ゼミの学生
の集まりとかいろいろあるだろう」という意味の回答をしました.私は「それではさき
ほどの学長答弁は少し違うのですね,教育上の配慮だけではないことがわかりました,
それなら,むしろよいと思いますが.」というような具合に,少々,やりとりをしまし
た.

 その中で確認できたのは,凍結解除についてはきちんとした基準がない,少なくとも
評議会には示されなかったということです.手続きについて質問したところ,各教授会
などから人事案件を学長ではなく総務課へ提出するという手続きになり,それはいまま
でと同じであるとのことが確認されました.今になってみると,もっと追求すればよか
ったと思いますが,私ばかりが発言することに気後れがする面もあり,この程度になっ
てしまいました.

 評議会が終わりそうだったので「他で言うところがないのでここで発言するが,学術
雑誌の購入の注文はもうその時期であるが,これまで個人研究費で購入していたものは
どうしたらよいのか.個人研究費ゼロであるフだから,もう,まったく注文できないの
か.対応に困っている.」と質問しましたが,これについては,岡村部長からプロジェ
クトで検討するというだけで終わりました.推進本部はこのような問題があること自体
知らなかったようです.

 「この問題に示されるように,来年からの大学についてもすでに実務を行わなければ
ならない,前から評議会で大学改革について議論すべきと言って来たが,(現在の大学
がこれに関与しないことは疑問があるが)“新”大学の人事が発表されたが,それが動
き出すのは来年ではないか,現実の問題の処理に間に合わない」という趣旨の発言をし
たところ,岡村部長から「新組織は4月を待たずに,もう機能させる」と回答がありま
した.それに対して「それなら教員個人々々の末端までの組織を早く組織しなければ,
実際問題として困る」という指摘をしておきました.

 本来,このようなことは現大学が組織としてかかわるべきものであると思いますが,
なにしろ,「評議会は“新”大学に対して権限がない,したがって,評議会では話し合
わない」というのが学長の以前の答弁で,誰もそれに異議を唱えないのでした.反対の
意志表示もせず,かと言って協力もしない,評議会は“新”大学に関与せずということ
に疑問を持つのは私だけなのでしょうか.

 今回の評議会では,S研究科長からも発言があり,「新人事が発表されたが,現在の
学生が不利益を得ないよう,引継ぎなどをきちんと行って欲しい」とのことでした.こ
れについては,誰が回答したかは記憶にないのですが「それはそのとおり,きちんとし
ます」というような回答でした.

 評議会で発表された“新”大学の人事は,現在の役職者を中心としていますが,コー
ス長や専攻長などには助教授も含まれていました.この点については,「若い人も大胆
に登用しのだ」とみるか,「引受けて手がなく,教授ではまかなえなかったのだな」と
見るかは,意見が分かれそうです.国際文化研究の専攻長,学術情報センター長につい
ては決まり次第発表するということでした.これらの任期は,他と同じく一年というこ
とでした.

 本当に“新”大学はどんなことになるのか.結局は,現場の我々教員にしわよせが来
る,そして“新”大学に期待して入ってきた学生は,大学の現実に大きな幻滅を感じる
という結果になってしまうのではないかと恐れるばかりです.

 「“大学改革”でなくて“大学潰し”」だという矢吹先生の言葉が現実になっている
ように思えてなりません.

2004年10月21日

転載「意見広告の会」ニュース205[2004.10.21]

Date: Thu, 21 Oct 2004 07:08:41 +0900

*ニュースの配布申し込み、投稿は、
  qahoujin[アットマーク]magellan.c.u-tokyo.ac.jp まで、お願い致します。
#([アットマーク] は @ に換えてください)
** 目次 **
真に、かつ、種々の意味で危機を迎える都立大

1 暴言は続く。 
    「やさしいFAQ」より
2 不買運動を呼びかけるべき 
    AcNet Letter 196
3 「the Tokyo U―club」のご案内
    「毎日新聞」10月14日朝刊

***
1 暴言は続く 「やさしいFAQ」より
Z-10 2004年10月19日の「The Tokyo U-Club」設立総会で,次々と放言が飛び出した
って本当ですか?

ポーカス博士
10月19日に「首大」のサポート組織としての「the Tokyo U-Club」設立総会が都庁で開
かれたそうだ。財界人や都庁の局長,都立大の学部長らが発起人となっているそうだが
,その総勢は255人だそうだ。そのうち80人あまりが出席した総会で,まずは高橋 宏
理事長予定者,そして石原慎太郎東京都知事が相次いで問題発言をしたらしい。 10月2
0日の毎日新聞朝刊(都内版,24面)の記事から紹介しよう。

------------------------------------------------------------------------------
--

「バカでもチョンでも・・・」理事長予定者が発言
首都大応援団設立総会で

 来春開学予定の「首都大学東京」をサポートする会員制クラブ「the Tokyo U-club」
が19日、都庁で設立総会を開いた。会長に就任した高橋宏・理事長予定者はあいさつ
の中で「大学全入時代、学校さえ選ばなければバカでもチョンでも、そこそこの大学に
入れる時代が3年後に来る。首都大学東京は世界の共通の財産。有識者の声を反映した
、いい大学にしたい」と発言した。 「チョン」は韓国・朝鮮人に対する差別的表現と
の捉え方もあり、今後、批判が出る可能性もある。
 また、石原慎太郎知事は祝辞で都立大のCOE返上問題に触れ、「一部のバカ野郎が反
対して金が出なくなったが、あんなものどうでもいい」と述べた。都立大でフランス文
学やドイツ文学を担当する教員に首都大の構想に批判的な教員が多いことに関して「フ
ランス語は数を勘定できない言葉だから国際語として失格しているのも、むべなるかな
という気がする。そういうものにしがみついている手合いが反対のための反対をしてい
る。笑止千万だ」と話した。(奥村隆)

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--

差別用語を公の席上で平気で使う高橋 宏理事長予定者も,「バカ野郎」などと人の事
を公のスピーチで罵る東京都知事も,品性に欠けるだけでなく,リーダーとしての資格
がまるでない。リーダーたるもの,どのような人が聞いていても恥ずかしくない内容と
気品を備えたスピーチをする義務がある。そして,聴衆を説得し,納得させるスピーチ
が求められる。それがまるで分かっていないようだ。ましてや, 「フランス語は数を
勘定できない言葉だから国際語として失格しているのも、むべなるかなという気がする
」というのにはフランスからの正式な抗議があってしかるべき発言だな。まあ,フラン
ス語で数が数えられないと思っている人が,世界的大都市東京の知事をやっているなん
て,お笑い草だがな。自分でフランス語ができないことを告白しているようなものなの
に,それすら分かっていない。フランス人も,フランス語を母語にする人達も,ちゃん
と数が数えられるだけでなく,優秀な数学者もいることを知らないのが東京都知事だな
んて言ったら,それこそ東京が「非国際的な村」であることをさらけ出しているような
ものだ。

設立総会の場に同席したわけではないので,詳しい状況は分からないが,この他にも,
知事は,ドイツ語やフランス語の教員は都立大にいっぱいいるのに学生は数人またはゼ
ロだ,と繰り返したらしい。まったく,何度抗議しても,何度違うと言っても,「フラ
ンス語やドイツ語の学生が数人とかゼロ」だと信じ込んでいる。いや,事実ではないと
分かっていても,敢えて何度も繰り返す。それによって,事実とはかけ離れた事も,事
実として聞く人を信じ込ませようとしているのかもしれない。これは,現代社会に蔓延
っている「情報操作」の典型的なやり口だ。 社会の指導者的地位にいる人達が,この
ような情報操作を日常的にやるようになったら,くい止めるのは難しい。マスコミの良
心的報道を期待したいところだが,今回のさまざまな問題発言を伝えたのは,どうやら
毎日新聞だけだったようだ。他の新聞は,このような指導者達の放言や情報操作を黙認
してもよいと考えているのだろうか?もし,そうだとしたら,今後の日本は,放言をし
ても許される政治家達,情報操作を好んでする政治家達の言いなりに動いていってしま
うだろう。一般の人達は,もっと政治家達のこのような発言を知るべきだ。放言や情報
操作が明らかになったら,その政治家のリコール運動が起きても当然だ。もちろん,選
挙の時の判断材料にして,二度とそのような政治家が指導者にならないように監視しな
ければならない。

それにしても, 「首都大学東京は世界の共通の財産。有識者の声を反映した、いい大
学にしたい」という高橋理事長予定者の発言にはまいったな。これだけ都立の大学を破
壊しておいて,その自覚がまったくない。<破壊された東京都の大学>が<世界共通の
財産>だという認識らしい。まあ,本気でそう思っているのなら,ユネスコにでも申請
してみるがよい。

2 不買運動を呼びかけるべき
━ AcNet Letter 196 【2】━━━━━━━━━━ 2004.10.18 ━━━━━━

「首都大学東京」の発展支援、都が会員制クラブ−19日設立
毎日新聞地方版(2004/10/14)
http://university.main.jp/blog/archives/002061.html
──────────────────────────────

#(編註:19日に設立される、「首都大学東京」をサポートする
会員制クラブ「the Tokyo U―club」に、財界人ら
約120人が発起人に名を連ねているそうである。

このようなクラブに所属することは、行政権力を濫用して都立大を
瞬時に破壊してみせることで日本国憲法と教育基本法への徹底した
侮蔑の念を言葉だけでなく行為で示した都知事を支持することであ
り、日本国憲法への侮蔑を明確に表明するものである。そのような
「財界人」のリストを広く公開し、特に極端な言動をする者につい
ては、関連企業の製品を注意深く少数だけ選定し、不買運動を呼び
かけるべきであろう. 2月28日に日比谷公会堂に集った1800名の
怒りを具体的な力に結晶できる機会が生じたように思える。)

3 「首都大学東京」の発展支援、都が会員制クラブ−−19日設立 /東京

 都は、来春開学予定の「首都大学東京」をサポートする会員制クラブ「the To
kyo U―club」を19日に設立する。新大学の設立趣旨に賛同する法人・個人
を対象に会員を募集し、大学に助言・提言したり、インターンシップや産学連携のビジ
ネスチャンスを提供することで大学の発展を支援するという。
 新大学の理事長予定者である高橋宏氏(元郵船航空サービス相談役)が同クラブ会長
に就任する見込みで、財界人ら約120人が発起人に名を連ねている。会員には「大学
とともに充実した“東京ライフ”を享受することを願う善意の人々」を想定。活動内容
として「都民の声を伝える」「東京の振興に資する共同事業を展開する」「学生に教育
研究の場を提供する」などを掲げる。会員は大学のサービスや施設を利用できる。ブラ
ンドプロモーションで新大学のイメージアップも図るという。廃止される都立4大学の
出身者にも「卒業生会員」の資格がある。
 入会金は法人20万円、個人2000円、年会費はそれぞれ10万円と2000円。
問い合わせは同クラブ事務局(03・5294・9358)。【奥村隆】

2004年10月19日

転載「意見広告の会」ニュース204 [2004.10.19]

Date: Tue, 19 Oct 2004 01:26:27 +0900

以下のような「呼びかけ」をいただいております。
******
国立大学法人法案に反対する意見広告の会の皆さんへ
―意見広告への賛同と募金のための緊急のお願い
 
 私たち4人が呼びかけ人である「教育基本法の改悪をとめよう!全国連絡会」は、さ
まざまな立場の人が、北海道から沖縄まで、教育基本法改悪阻止の1点でつながってい
るネットワークです。私たちは、11月6日午後1時半から、日比谷野外音楽堂で、「教育
基本法改悪をとめよう!11・6全国集会」を開催いたします。

 与党自民党と公明党は、合意ができたところからの教育基本法「改正」法案作成をす
でに文部科学省にゆだねており、2005年の通常国会に法案を上程し、成立させることを
目指しています。しかし教育基本法が改悪されることによって、教育が私たち一人ひと
りの権利から国家による国民統治のための手段へと大転換されてしまう緊迫した事態に
ついて、新聞やテレビではほとんど報道されていません。

 こうした状況の中で、私たちは、教育基本法改悪に反対する主張と、集会参加への呼
びかけの意見広告を「11月6日まで」に「朝日新聞」全国版で行うことを決断いたしま
した。

 この決断を行う際には、私たち4人も呼びかけ人として取り組んだ昨年2003年の国立
大学法人法案に反対する意見広告運動の経験が念頭にありました。朝日、毎日、読売、
毎日と合計4度にわたる意見広告を打ち、国会審議などに大きな影響を及ぼすことがで
きました。この運動は最終的には法案成立を阻止できませんでしたが、イラク特措法の
ための会期延長がなければ審議未了・廃案になったかもしれないところまで、文科省を
追い詰めるのに効果を発揮しました。

 国立大学法人法案は、各大学の自主性・自立性を奪う点で、「学問の自由」を守るこ
とを規定した日本国憲法第23条と、「教育への不当な支配」からの自由を保障した教育
基本法第10条に違反するものです。また大学の財政基盤が不安定となり、授業料の値上
げがなされることによって、教育基本法第3条の「教育の機会均等」にも違反する内容
をもっています。国立大学法人法案は、その内容からいって教育基本法の改悪を先取り
するものであったといえるでしょう。

 教育基本法「改正」法案へ向けて作成された与党中間報告においては、教育基本法第
2条(教育の方針)にある「学問の自由を尊重し」が削除されています。また第3条(教
育の機会均等)にある「すべて国民は、ひとしく」のなかの「すべて」と「ひとしく」
が削除されています。さらに第10条では、教育行政(文部科学省・都道府県教育委員会
)による教育内容への介入は「不当な支配」として禁じられていますが、与党案では「
教育行政は、不当な支配に服することなく」となっており、教育行政による教育内容へ
の介入を完全に認めています。そして国や地方公共団体は学校の設置(教育基本法第6
条)者から、「施策の策定と実施の責務」を行う主体となり、教育内容の決定と実施を
直接的に担うこととなります。国や地方公共団体の教育に対する権限は飛躍的に拡大し
、教育内容や実践への介入を一層強めることになるでしょう。この国や地方公共団体に
よる教育施策を具体的に定めるのが、与党中間報告で規定されている教育振興基本計画
であるといえます。2003年3月20日に出された中教審答申では、教育振興基本計画の政
策目標として、「国際競争力のある大学づくり」や「産官学連携を推進する」などが挙
げられており、「学問の自由」の削除と結びつけて考えれば、教育基本法の改悪が、大
学における研究や教育のあり方への国家介入を一層促進することは間違いありません。
そればかりか、与党案において「郷土と国を愛し(大切にし)」が(教育の目標)とし
て盛り込まれることからもわかるように、愛国心教育が教育のあらゆる場で強制される
など、国家による教育支配がすべての教育段階で貫徹されることとなります。私たちは
こうした教育基本法の改悪を絶対に阻止し
なければならないと考えています。

 そこで多くの人々に教育基本法改悪の危険性を伝え、「教育基本法改悪をとめよう!
11・6全国集会」を成功させるための意見広告をぜひ実現したいと考えています。国立
大学法人法案の経験からもわかるように、法案が国会に上程されてからそれを阻止する
ことは非常に困難です。教育基本法「改正」法案も国会に上程されてしまえば、現在の
国会情勢では成立を阻止することはとても困難であるといえます。改悪を阻止するため
には、国会上程を阻止することが何よりも重要であり、そのためには今が最後のチャン
スといえます。

 教育における自由と平等を守るために、教育基本法の改悪を何としても阻止したいと
いうのが私たちの願いです。事は急を要します。「11月6日まで」に意見広告を実現
するために、皆さまに緊急の御賛同と募金をお願いいたしますと同時に、皆さまのお知
り合い、御存知のネットワークなどにも、このお願いを至急、広く届けていただけます
よう、心からお願い申し上げたく存じます。

       2004年10月15日 教育基本法の改悪をとめよう!全国連絡会
             呼びかけ人:大内裕和(松山大学)
                   小森陽一(東京大学)
                   高橋哲哉(東京大学)
                   三宅晶子(千葉大学)

【掲載時期】
2004年10月30日(予定)

【掲載紙】
朝日新聞全5段(1/3ページ)

【目標金額】
1000万円 …掲載費800万、諸経費200万(デザイン料・印刷費・郵送料など)

【振込先】
(1)三井住友銀行 高幡不動支店 普通1477174
(2)郵便振替 00190−5−389679
 加入者名:全国連絡会意見広告

【賛同金】
1口1,000円 
(できるだけ3口以上をお願いしたいのですが、それ以下でもいくらでも歓迎です)

【広告概要】

教育基本法の存在と、改悪の意図、改悪に反対する全国運動がおこっていることについ
て、簡潔に伝える意図でつくります。まだ正式な決定ではありませんが、文章は以下の
とおりです。

※なお、今回の意見広告には、紙面の都合上、賛同していただいた皆さんのお名前を載
せることができませんが、意見広告は今後も継続しておこない、呼びかけ人として賛同
してくださる方もあらためて募ることを考えています。

<小見出し>

世の中が悪いのを、子どもや若者のせいにしていませんか?
学校や教育の問題を、「教育基本法」のせいにしていませんか?

<大見出し>
教育基本法を変えて(小さく)
「お国のために
命を投げ出す」子どもを
つくりたいですか?

<本文> 
今、教育基本法を変えようという動きが
急ピッチで進められています
その理由を、ある国会議員が
「国のために死ねる日本人をつくるため」
だと明言しました
また
「できんもんはできんままで結構
限りなくできない非才、無才には、
せめて実直な精神だけを養っておいてもらえばいい」
と発言する前教育課程審議会会長もいます

これこそが、
教育基本法を変えようという人たちの本当の理由

「愛国心」だって個人の心の問題であり、
国家から一方的に強制される問題ではありません。

教育が私たちのものではなく
完全に国家のものになってしまいます
つまり、政府が教育のしくみを
都合のいいようにコントロールできるということです

私たちが次の世代にどんな未来を手渡したいのか、
もう一度考えてみませんか。

かつて子どもだった人に
今の子どもたちに
そして未来の子どもたちへ
戦争しない国で生きたい

<本文下に>
教育基本法の改悪を止めよう!11・6全国集会
2004年11月6日(土)
場所/東京・日比谷野外音楽堂
開場 12時半 開演 13時半 参加費/無料
出演者/ソウルフラワーモノノケサミット、
ザ・ニュースペーパー、各地からの報告 ほか
集会後、この趣旨をひろくアピールするために
パレードを行います

【意見広告呼びかけ人】
石坂啓(漫画家)、梅原猛(哲学者)、大内裕和(松山大学)
大田尭(教育学者)、小山内美江子(シナリオライター)、
落合恵子(作家)、川田龍平(人権アクティビストの会)、
姜ョ中(東京大学)、小森陽一(東京大学)、高橋哲哉(東京大学)、
竹下景子(女優)、辻井喬(作家)、暉峻淑子(埼玉大学)、
灰谷健次郎(作家)、三宅晶子(千葉大学)、山田洋次(映画監督)

【問合せ】
〒113−0033 東京都文京区本郷1−19−6 坪井法律事務所内
教育基本法の改悪をとめよう!全国連絡会

TEL 090−3914−7114(意見広告専用)
Fax 03−3812−5510
メール info[アットマーク]kyokiren.net
#( [アットマーク] は @ に換えてください)

2004年10月17日

転載:「意見広告の会」ニュース No 203[2004.10.17]

Date: Sun, 17 Oct 2004 00:42:20 +0900
#(サイト管理者より:文中のアドレスを使うときは、[アットマーク] は@に、[ドット] はドット"."に換えてください。)

*ニュースの配布申し込み、投稿は、
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** 目次 **
1 米軍ヘリ墜落 沖縄国際大
1−1 「耐えられない思い」 風化させずと教職員ら集会 沖国大 
      「琉球新報」10/14
1−2 「基地ある限り事故の可能性」 沖国大、強く抗議
  「琉球新報」10/14
1−3 町村外相が「操縦が上手」発言
      「東京新聞」10/16
2 都立大学 COE返上
2−1 目的達成できず残念 御手洗文科次官
「時事通信」 10/14
2−2 都立大教授らのCOE返上、石原知事「痛くもかゆくもない」 /東京
      「毎日新聞」10/16
2−3 石原知事発言詳報
      定例記者会見 10/15
3 京滋4大学統合凍結で関係者に波紋
      「京都新聞」 10/14
4 「おわび金」で職員賞与カット案  採点ミスで京都産業大
      「京都新聞」 10/15 
5 アレゼール日本 第2回シンポジウム「大学が市民社会のチカラになる」
       Academia e-Network Projectの辻下徹氏も講演
6 理学部一楽重雄教授の情報開示請求に関する異議申し立て書
      『カメリア通信』第29号より
***
1 米軍ヘリ墜落 沖縄国際大 


1−1 「耐えられない思い」 風化させずと教職員ら集会 沖国大 
       「琉球新報」10/14

米軍ヘリ墜落事故を風化させない」と開かれた集会=宜野湾市の沖縄国際大学米軍ヘリ
沖国大墜落事故で、同大学の教職員有志が呼び掛けた「米軍ヘリ墜落事故を考える会」
の第二回集会が十三日、宜野湾市の同大学構内で開かれた。事故が起きた日時に合わせ
、毎月十三日に開かれているもので、授業の後期日程が始まってからは初めて。同型機
の飛行再開に「納得いかない」と抗議の声も上がった。

夏休み中の前回は参加者が十人余りと少なかったが、今回は学生や教職員百人余りが参
加、事故のつめ跡が生々しく残る校舎の前で、当日の状況を語る職員の話に聞き入った

会の賛同者として現在、教職員四十五人が名を連ねている。呼び掛け人の一人、来間泰
男教授は、同型機の飛行再開について「とんでもないことだ。耐えられない思いがする
。事故原因の調査結果では、入念にしているはずの整備を、きちんとやっていなかった
。事故はいつでも起こり得る」と話し、受け入れられないとの考えを示した。

経済学科四年の瑞慶覧奈美さん(二二)は「原因が十分に説明されていないのに、また
飛ぶのは納得いかない。また同じことが起きるかもしれず、怖い。事故を風化させない
ことが大切」と強調、法学科四年の池城やよいさん(二二)も「(飛行再開は)許せな
い。事故を忘れないよう伝えていかないといけない」と話した。

集会は今後も毎月十三日に開く予定で、来間教授は「基地がなくなるまで続けたい」と
話した。



1−2 「基地ある限り事故の可能性」 沖国大、強く抗議 
      「琉球新報」10/14
事故機と同型機の飛行再開に沖国大事件対策本部(本部長・渡久地朝明学長)は十三日
コメントを発表、「ヘリが飛ばないというこれまでの『異常』から感じた二カ月の静寂
が、またも無残にも引き裂かれようとしている。事故機のみならず、航空機の飛行だけ
でも正常でいられない人々がいることを分かってほしい」と強く抗議した。

同本部は、「整備員の疲労が事故原因ならば、基地がある限り今回よりも悲惨な事故が
起こる得る」とし、「事故原因を容認し、県民の安心、安全より米軍を重視する日本政
府の姿勢も断じて許せない」と、恒久的な飛行停止などを訴えている。



1−3 町村外相が「操縦が上手」発言
      「東京新聞」10/16
米軍ヘリ墜落事故、批判受け釈明
 町村信孝外相は16日、視察のため訪れた沖縄県宜野湾市の米軍ヘリ墜落事故現場で
、「操縦技術が上手だったのかもしれないが、よく最小の被害でとどまったとびっくり
した」と発言した。

 8月の事故直後に在日米軍当局者が同様の趣旨の感想を示し、地元の反発を招いたい
きさつがあり、外相はこの後の記者会見で「素人考えで言ったまでだ。技術レベルを分
からずに言ったのは不適切だった」と釈明した。

 外相発言について、民主党の岡田克也代表は岩手県二戸市内での記者会見で「操縦が
うまいというよりも、死者が出なかったという結果は奇跡に近かった。発言の真意を疑
う」と厳しく批判。細田博之官房長官も「十分、発言に注意していただきたい。誤解さ
れないようよく説明されることを希望する」と、発言は適切さを欠いたとの認識を示し
た。



2 都立大学COE継続断念

2−1 目的達成できず残念=都立大COE継続断念で−御手洗文科次官
      時事通信(10/14)

 来春開設の「首都大学東京」に移行することに反発した研究者の教員就任拒否で、東
京都立大が文部科学省の「21世紀COE(卓越した研究拠点)プログラム」に採択さ
れた「金融市場のミクロ構造と制度設計」を来年度以降継続することを断念した問題に
ついて、文部科学省の御手洗康事務次官は14日の会見で「5年間継続して世界的研究
拠点をつくり、人材を育てるというCOEの目的が達成できなくなることは明らかで、
残念」と遺憾の意を示した。 
 ただ、「(大学運営をどうするかは)大学それぞれの自治の問題」とも話し、「これ
までの研究成果を何らかの形で生かせる整理をしていただけるとありがたい」と述べた



2−2 都立大教授らのCOE返上、石原知事「痛くもかゆくもない」 /東京
     「毎日新聞」10/16

 都立大の近代経済学の教授らが、来春開学する首都大学東京への就任を拒み、世界水
準の研究を目指すとして文部科学省から指定されていた「21世紀COEプログラム」
を返上したことについて、石原慎太郎知事は15日の定例記者会見で「一番頑固な保守
的な反対派が、腹いせにああいうことをやったんだろう」と述べた。

 都立大経済学部の渡部敏明教授ら16人は昨年度、金融市場に関する研究で、「卓越
した研究拠点づくり」のために国の予算を重点配分する同プログラムに採用された。し
かし、同グループは都の新大学構想について、改革手法や「研究軽視」ぶりを批判。メ
ンバーの大半が就任を承諾せず、新大学に残るのは3人だけとなった。渡部教授らは1
3日、文科省で会見し「首都大の新大学院には経済学コースがなく、継続的な活動が期
待できない」として、来年度以降のCOE研究継続断念を表明していた。

 石原知事は会見で、COE返上の影響について「痛くもかゆくもない。今のままで(
首都大は)研究を進められるし、また申請し直して、違う方法で国の援助を仰ぐことも
できる」と話した。都立大の研究グループに対しては、「ああいう姑息(こそく)なこ
とをやらないほうがいいよ。あれが学者かと思うくらい浅はかだ」と批判した。【奥村
隆】



2−3 石原知事発言詳報 「分からないこと聞くなよ」
時事通信記者
 先日都立大の研究グループがCOEプログラムを辞退して、これで首都大学は先端的
な研究を一つうしなったわけですが、

石原知事(質問をさえぎって)
 全然違いますね。一番頑固な、保守的・退嬰的な反対派がですね、腹いせにあんなこ
とやったんでね、痛くもかゆくもない。今のままでも研究進められるし、充実して、ま
た申請し直して、違う方法で国の援助を仰ぐこともできる。ああいう姑息なことをやら
ない方がいいよ。あれが学者かと思うくらい浅はかだ。

時事通信記者
 今後コミュニケーションの方法とかを変えると言うことは、

石原知事
 彼らがそれを取り消せばいいんだよ。今の大学に残りたくないんだろ?どうなの?

時事通信記者
 いやそれは、分からないんですけど

石原知事
 分からないこと聞くなよ。記者ならそれを調べてから質問すべきだと思うけどね。は
い次ぎ。

*パソコンによっては、記者会見の模様を以下でご覧になることができます。
  http://www.metro.tokyo.jp/GOVERNOR/KAIKEN/index.htm



3 京滋4大学統合凍結で関係者に波紋
       「京都新聞」 10/14
学生ら「不安消えない」

 滋賀大と滋賀医科大、京都教育大、京都工芸繊維大の4大学の学長が統合協議を当面
凍結し、他の大学を含めた新たな統合を認める方向で合意したことが明らかになった1
4日、関係者の間では、今後の統合の枠組みをめぐって期待と不安が交錯した。

 凍結の方針は、今年9月、1年半ぶりに滋賀医科大で開かれた学長懇談会で固まった
。法人化後の体制作りを急ぐ必要などから、「積極的に進める時期ではない」という考
えで一致した。

 滋賀大の成瀬龍夫学長は「大学を取り巻く環境は法人化で激変した」という。「今後
、経営戦略会議をつくり統合問題も含め大学の在り方を議論する。個人的には、協議の
出発点である滋賀医大との統合を進めたい」と2大学での統合に意欲をみせる。

 一方、滋賀医大の吉川隆一学長は「9月の懇談会は前回から変わらない状況を確認し
たにすぎない」と受け止める。「法人化への対応が最優先であり、近隣の大学との統合
は否定しない。今後も年1回、懇談会は続ける」と慎重な姿勢だ。

 各大学の学生自治会は02年12月、交流会を開いて統合問題の疑問点をぶつけ合っ
た。滋賀大学生自治会副委員長の北川陽一郎さん(21)=教育学部4年=は今春、大学の
教職員から府県境をまたぐ統合は難しいと聞かされた。「県内2大学の統合に風向きが
変わったとも聞く。生活がどう変わるのか、賛否は別にして、漠然とした不安は消えな
い」ともらす。

 一方、府県境を越える4大学統合に反対してきた国松善次知事は「4大学は京都と滋
賀、それぞれの地域特性や歴史があり、統合すれば特性を発揮しにくい。統合後も特性
を発揮しやすい県内2大学の統合をあらためて期待する」と学長間の合意を歓迎した。



4 「おわび金」で職員賞与カット案 採点ミスで京都産業大、組合は反発
     「京都新聞」 10/15
 本年度入試の採点ミスで110人の追加合格を出した京都産業大(京都市北区)が、
合格者への「おわび金」などの支出を補てんするため全教職員の冬のボーナス(年末手
当)を一律カットする案をまとめたことが15日、分かった。同大学教職員組合は「全
教職員の手当カットは前例がなく、認められない」と猛反発している。

 採点ミスは今年6月に判明。追加合格者に対し、他大学へ支払った入学金などの補償
金とおわび金、計約5600万円を渡した。

 これらの支出について大学と組合は、教職員で負担することでは基本的に合意。大学
側は正規教職員約500人の年末手当を一律0・2カ月分、平均約10万円カットする
案をまとめ組合に示したが、組合は「経営者や入試担当者が責任を取っていない。他大
学のように有志の寄付金などで対応すべき」と拒否している。

 京産大は「全教職員の一律カットはまだ一つの案であり、組合と協議したい」(森戸
啓介総務部長)としている。



5 アレゼール日本 第2回シンポジウム「大学が市民社会のチカラになる」

日時:2004年11月3日(祝) 13:30〜17:30
会場:早稲田大学(本部キャンパス) 1号館301教室(正門すぐ右手)
(東西線早稲田駅より徒歩5分、山手線高田馬場駅より早大正門行きバス終点より徒歩
0分)
*参加費、事前のお申し込みは不要です。

講演タイトル
「現場主義の学問と大学の可能性:自主講座運動の経験から」
  宇井純(沖縄大学名誉教授、公害論)
「バリアフリーな市民社会を作る:障害学という実践」
  長瀬修(東京大学先端科学技術研究センター、障害学)
「市民社会と向き合う研究者のネットワーク」
  辻下徹(立命館大学理工学部、Acedemia e-Network Project呼びかけ人)

 近年の大学界を覆う改革の嵐のなかで、これまで「象牙の塔」だった大学を社会に開
き、多様な人々の期待に応えていくことが強く要請されています。そのもとで、各大学
では「社会貢献」へむけた取り組みへと少なからぬ努力が注がれていますが、その多く
は「社会」を産業界と理解し、産学連携を進めことが唯一の解決策であるかのような傾
向さえ見受けられます。しかし、大学がその知を開くべき社会とは産業界に限られるも
のではありません。むしろ、ときに産業界と利益が衝突することもある地域住民、一般
の市民へと目を向けるべきであり、多様な市民の生活の向上に結びつく必要があると、
私たちは考えて
います。そのような取り組みのなかでこそ、大学ははじめて、すべての人々にとって本
当の意味で「開かれた」存在として生まれ変わることができるのではないでしょうか。
今回のシンポジウムでは、大学が市民社会のチカラになるための条件とその可能性を探
りたいと思います。

 当日は、1970年代より自主講座運動というかたちで、市民社会と切り結んだ現場
主義の学問の道を模索され実践されてきた宇井純氏から、自主講座運動の経験を踏まえ
た問題提起を行っていただきます。続いて、日本での「障害学」の立ち上げに尽力され
てきた長瀬修氏から、多様な成員から構成される市民社会と大学との関わりにおいて新
たな道を切り拓きつつある「障害学」という学問的実践のありかたをめぐって、話題提
供していただきます。また、Academia e-Network Projectを立ち上げ、全国の研究者の
間の新しいネットワークのあり方を模索されている辻下徹氏からは、多様なかたちで市
民社会と向き合
おうとする研究者たちのあいだで、どのようなかたちの連携が可能なのかをめぐって、
議論していただく予定です。

 市民社会に開かれた大学のあり方を議論し、新しい大学のあり方を模索する場とした
いと思います。本シンポジウムへのみなさまのご参加をお待ちしております。

本シンポジウムについてのお問い合わせ先
 アレゼール日本(高等教育と研究の現在を考える会)事務局
 E-mail office[アットマーク]areserjp[ドット]org / Web Site http://areserjp.org/
 〒169-8050 東京都新宿区西早稲田1-6-1
   早稲田大学政治経済学部岡山茂研究室気付
 fax 03-3203-9816 / tel 03-5286-9723



6 『カメリア通信』第29号より  横浜市立大学の未来を考える
       2004年10月15日(不定期刊メールマガジン)
 Camellia News No. 29, by the Committee for Concerned YCU Scholars

************************************************************
理学部一楽重雄教授の情報開示請求に関する異議申し立て書

大学改革アンケート結果に関する情報開示請求の一部開示決定(大改2号、3号)につい
ての異議申し立てに関する諮問(諮問第506号)に際しての意見書
平成16年10月12日

  横浜市青葉区****************一楽重雄

要約:情報の共有は民主主義の基本的要件であり、情報の非開示については、公共の利
益の観点から慎重にすべきである。今回非開示とされた黒塗り部分の一部は、すでに大
学当局から公表されているものであり、非開示とする理由がない。アンケート回答の個
別意見は、ごく一部のみが公表され、行政に都合のよいものだけを公表している疑いが
ある。今回のアンケートでは、ごく一部の部分を除いて、回答内容を公表しても回答者
が特定される恐れはまったくなく、回答者の利益、権益が犯される恐れもない。それら
について非開示とする理由はない。企業規模など企業自身に関する設問などへの回答を
除いて開示すべきである。

本論:情報公開制度は、民主主義の基本である情報の共有を目指すものです。特に、行
政文書の開示は、権力が恣意的な行政運営を行っていないかを検証するために不可欠な
ものです。その一方、個人のプライバシーを守る観点から文書の内容によっては、非開
示あるいは一部開示とせざるを得ない場合も存在します。この場合、公共の利益と個人
のプライバシーの保護というふたつの相反する要素の比較衡量が必要となり、個別の判
断が不可欠です。

 今回の情報開示請求は、「大学改革アンケートの結果」に関するものです。アンケー
トの回答内容をむやみに公表すること、特にアンケート回答を書いた人の氏名などの公
表については、その方に思わぬ不利益を与える場合があり得ますので慎重にすべきこと
であることは十分理解できます。しかしながら、アンケートと一口に言っても、個人や
企業に関する実態調査などのような個人や企業自体に関する情報が含まれるものと,今
回のアンケートのように大学の在り方について意見を聴く場合とでは大きく状況が異な
ります.確かに、個人の意見であっても,その個人が特定される可能性があり,またそ
のおかれた状況などが読みとれる可能性があるものなどについては,情報の開示は慎重
にされなければなりません。

 今回の種々のアンケートにおいて,上のような観点も考慮して、非開示が適当と思わ
れるのは,回答者の氏名などと回答企業の規模,業務内容などに限られると思われます
.それ以外のものについては,公表しても回答者を特定できる可能性がないものばかり
です.さらに,その内容も大学のあり方を中心とするものあり,それを開示したからと
言って,回答者の権利権益が犯されることはおよそ考えられません。情報の共有という
公共の利益と比較した場合,抽象的に個人の利益権益が犯されるということで非開示と
いうのは不適当であり,具体的な特定の権益が犯される可能性がある場合にのみ非開示
とすることが許されるものです。

 また、実施にあたって、公にしないとの条件をつけてアンケートをしたと主張してい
ますが、今回のように大学改革に対する意見は、「法人等又は個人における通例として
公にしないこととされているものその他の当該条件を付すことが当該情報の性質、当時
の状況等に照らして合理的であると認められるもの」とは言えず、非開示の理由にはな
りません。

 事実,このアンケートの回答については,すでに、大学自身が「個別意見の例」とし
て,一部を公表しています.なぜ,すでに公表されているものまで非開示となるのでし
ょうか.この点については,大学側の提出した意見書ではまったく触れられていません

また,一部の個別意見のみを公表する事は,アンケート結果を恣意的に利用したのでは
ないかという疑いを持たざるを得ません。もし,そうであるとすれば,これは民主主義
の基本をふみにじるものであり,決して許されることではありません.残念なことに、
本件の場合A総合的に判断すると、あらかじめ想定している「大学改革」に都合のよい
結果を出すためのアンケートであり、結果の公表であった疑いが捨て切れません。

 実際,アンケート回答には「専門教育を充実すべき」という意見が大変多いにもかか
わらず,大学の公表した「アンケート結果概要」では,このことにはまったく触れられ
ていません。そもそも,これらのアンケートは,市民の意見を偏見なく聴くという態度
に欠けています.例えば,「米国にある教養中心の大学が日本にもあった方がよいと思
いますか」という設問自体,回答者を誘導するものです.市大の大学改革のために質問
しているのですから,ここでは「市大がこのような教養中心の大学になることに賛成で
すか」というように聴くべきです.日本にはたくさんの大学がある訳で,このような聴
き方では「日本にひとつくらいそういう大学があってもよい」という考えのひとは,「
そう思う」に丸をつけます.それをもって市大が教養大学になることが支持されている
というように話をもっていくことは許されないことではないでしょうか。

 あるいは,入学時点では専門を決めず2年次以降で選択できる制度についてもきいて
いますが,この場合,実験設備,あるいは,教員の人的資源等から,2年次以降で選択
する場合に,おのずと制限が生じることに触れずに、単に「自由に選択出来る制度」に
ついてきいています.希望さえすれば,その専攻に進むことができるかのような表現で
は,誰でも賛成するに違いありません.このような設問の場合には,当然,希望に進め
ないことも生じることを示して聴くことが必要です.実際、現在の理学部で行われてい
る学科配属でも、ある学科ではおよそ半数くらいが第一希望以外の学生となっています
。このようなことを明らかにして質問すれば、自ずと結果は変わって来ます。

 また、回答を公表すれば回答者と市との信頼関係が損なわれるという市側の主張につ
いては、ごく一部の設問、会社の規模などについての設問などを除いてその恐れはない
と考えます。また、アンケートは実施に際して「個別の回答を公表することはしない」
として実施したから公表できないという市の主張は、一部の回答をすでに公表した事実
に矛盾するものです。むしろ、この種のアンケートにあっては「回答された意見は、氏
名などを伏せて公表する場合があります」と断るべきものです。実際、文部科学省がパ
ブリックコメントとして意見を募集する際にはそのような断り書きをしています。市民
は自由に意見を述べる権利を保有するとともに、その意見には一定の責任を持つべきも
のであり、内容の公表はむしろ前提とされるべきであり、それをもとに行政と市民とが
意見交換をすることにより初めて民主的な行政が可能となるのです。結果の公表をしな
い、あるいは、結果の一部のみを公表する(いわゆるつまみ食い)ということは、アン
ケートを実施する意味を持たなくするものであり、アンケート費用は税金の無駄遣いと
なります。

 一部をすでに公表している個別意見と同じ範疇である個別意見は、基本的に開示すべ
きであって、特に回答者が特定される恐れが強いもの、あるいは、回答者の権益が具体
的に犯される可能性があるものについてのみ黒塗りとすべきです。今回の一部開示では
あまりに多くの部分を黒塗りとしており、これを容認すれば事実上情報開示制度は意味
のないものとなるでしょう。審査委員会の厳正かつ実態にあった審議をお願いする次第
です。    以上
----------------------------------------------------------------------------
編集発行人: 矢吹晋(商学部非常勤講師) 連絡先:
yabuki[アットマーク]ca2[ドット]so-net[ドット]ne[ドット]jp

2004年10月14日

転載:「意見広告の会」ニュース202 [2004.10.14]

Date: Thu, 14 Oct 2004 00:14:06 +0900


*ニュースの配布申し込み、投稿は、
  qahoujin@magellan.c.u-tokyo.ac.jp まで、お願い致します。

** 目次 **
1 真に、かつ、種々の意味で危機を迎える都立大
1−1 都立大COEを断念

1−2 同 時事通信速報

1−3 「首大」教員の公募  やさしいFAQ

1−4 同 管理本部発表詳細

2 東京都教育委員会のあらたな「日の丸・君が代」強制への反対を呼びかけるアピー
ルへの賛同の呼びかけ
   子どもと教科書全国ネット21

   
***
1−1 東京都立大学21世紀COEプログラム「金融市場のミクロ構造と制度設計」に
ついて

平成16年10月13日
東京都立大学

 東京都立大学は、平成15年度に文部科学省の採択を受けた21世紀COEプロ
グラム「金融市場のミクロ構造と制度設計」(リーダー渡部敏明教授)について、
平成17年度以降の事業継続が困難であると判断し、文部科学省に対して同事業
の継続を断念する旨、申し出ました。

 東京都立大学では、平成15年度に2件の21世紀COEプログラムが採択され、
事業を実施してきたところです。このうち「金融市場のミクロ構造と制度設計」
について、当該プログラムの事業推進担当者の多くが平成17年度に開設される
首都大学東京への就任を保留した状態となっていました。

 同事業の継続及び首都大学東京での経済学分野の充実のため、事業推進担当
者の就任を説得してきましたが、現時点において大部分の事業推進担当者の就
任意思を得るに至りませんでした。

 このため、平成17年度以降のCOE事業の継続は困難と判断し、事業継続の
断念を文部科学省に申し出たものです。

 今後、これまでの研究成果を取りまとめるとともに、今年度事業の取扱い等
について文部科学省の指導を得ながら、適切に対処していきます。

資料
 (1)「21世紀COEプログラム」について
 (2)金融市場のミクロ構造と制度設計

問い合わせ先
東京都立大学事務局庶務課
 電話 0426−77−2014

1−2 時事通信配信記事詳報 2004年10月13日付

都立大、COE継続断念=首都大学東京に反発、研究者離脱

 東京都立大学は13日、国際水準にある大学院博士課程クラスの研究に補助金を重点
配分する文部科学省の「卓越した研究拠点(COE)プログラム」に昨年度採択された
「金融市場のミクロ構造と制度設計」について、来年度以降の継続を断念すると発表し
た。

 拠点リーダーをはじめ担当研究者の大部分が、同大など4大学・短大を統合して来春
開設される首都大学東京の教員就任を拒否しているためで、年内をめどにこれまでの研
究成果を取りまとめた上、今年度の補助金が残った場合は返還する。

 2002年度から始まり、これまでに274件の「世界最高レベルの研究」を採択し
てきたCOEだが、打ち切りが決まったのは初めて。首都大学東京は採択された2件の
うち1件を失ってスタートすることになる。

 文部科学省で記者会見した拠点リーダーの渡部敏明経済学部教授は「継続すべく努力
したが、教員数を減らされるなど、大学側の協力が得られない体制になった。世界最先
端の研究・教育を行うということへの理解も得られず、新大学では研究は続けられない
」と話した。(了)

1−3 新たに5名の「首大」教員を公募  やさしいFAQ
2004年10月12日(火):東京都大学管理本部は,新たに5名の「首大」教員の公募を発表
。魅力ある教員の研究教育環境を保障せずに何回公募をやっても,集まってくる人達は
知れている。今回も募集は「任期付き准教授」が中心。知的財産法,法哲学,法社会学
,現代日本政治,統計学(教授又は「准教授」)。

1−4 管理本部発表(一部略)
新大学専任教員公募一覧
   ※ 学部・コース等の名称はいずれも仮称です。
    ※ 募集要項はすべてPDF形式のファイルです。

都市教養学部法学系法律コース
社会科学研究科基礎法学専攻
(18年度に法学政治学専攻に改編予定) 知的財産法 「准教授」 1 募集要項 H16.11.
30
都市教養学部法学系法律コース
社会科学研究科基礎法学専攻
(18年度に法学政治学専攻に改編予定) 法哲学 「准教授」 1 募集要項 H16.11.30
都市教養学部法学系法律コース
社会科学研究科基礎法学専攻
(18年度に法学政治学専攻に改編予定) 法社会学 「准教授」 1 募集要項 H16.11.30

都市教養学部法学系政治学コース
社会科学研究科政治学専攻
(18年度に法学政治学専攻に改編予定) 現代日本政治 「准教授」 1 募集要項 H16.1
1.30
都市教養学部経営学系経営コース
社会科学研究科経営学専攻 統計学 教授又は「准教授」 1 募集要項 H16.11.30

新大学の教員の人事給与制度について
  新大学は、地方独立行政法人法に基き東京都が設置する公立大学法人が運営する大
学となることを予定しております。
問合せ先
  ・募集全般に関する問合せ
   東京都大学管理本部管理部総務課人事係
     TEL 03−5320−7093
     E-mail S0000677@section.metro.tokyo.jp
  ・専門分野に関する問合せ
   各募集要項に記載されている問合せ先へ

2 東京都教育委員会のあらたな「日の丸・君が代」強制への反対を呼びかけるアピー
ルへの賛同の呼びかけ

3月に都教委の「日の丸・君が代」強制に反対する緊急アピールにご賛同いただいた
皆さん、その節はありがとうございました。
東京都の「日の丸・君が代」強制は一段と酷さを増し、生徒に対する強制にまでエス
カレートしてきました。そして、この東京の動きは、埼玉、神奈川にも広がってきて
います。
私たちは、この新事態に対して、緊急アピールを出して、広く賛同者を募り、都民・
全国の市民に訴えていきたいと考えました。
今回は研究者や分野などにこだわらないで賛同署名を集めます。
今回も、皆さんにご賛同いただきたいのもちろんですが、お知り合いの方に広く呼び
かけていただきますよう、心からお願いいたします。

以下、転送歓迎です。

東京都教育委員会のあらたな「日の丸・君が代」強制への反対を呼びかけるアピール
への賛同を呼びかけます

 10月2日の都立2校の周年行事・開校式で「生徒に対する強制」の職務命令が出され
ました。生徒の思想・良心の自由に対する本格的な攻撃が始まりました。
 このあらたな事態に対して10月1日に6人が呼びかけ人となり緊急のアピールを発表
しました。今後、賛同者を広く集めアピールを市民の向けて発表します。
 つきましては、本アピールへの賛同の意思をお寄せいただきたく、ここにお願い申
し上げる次第です。賛同の可否及び氏名等(氏名・所属)の公表可否につきまして、
下記までご連絡いただければ幸いです。
2004年10月12日

≪呼びかけ人≫
 勝野 正章(東京大学) 小森 陽一(東京大学) 斎藤 貴男(ジャーナリスト)
  俵 義文(立正大学)   成嶋 隆(新潟大学)  西原 博史(早稲田大学)

■以下のメールアドレスに送っていただくか、ファックスで送ってください。
 ○メールアドレス
   呼びかけ人共通のE-mail hinokiminet@yahoo.co.jp
   俵 義文のE-mail      kyokashonet@a.email.ne.jp
   成嶋 隆のE-mail      nrsmtks@jura.niigata-u.ac.jp
 ○ファックス
   勝野正章研究室(直通)  03−5841−3967
■ご連絡いただく事項
 ○緊急アピールへの賛同の可否
 ○氏名等(氏名・所属または肩書き)の公表可否

■第一次締め切り
  2004年10月31日

〈アピールに賛同します〉
お名前               所属又は肩書(ありましたら)

*どちらかに○をつけて下さい
  上記の氏名と所属・肩書きを公表する  可   否

生徒の「内心の自由」を押しつぶしてはならない!
〜東京都教育委員会のあらたな「日の丸・君が代」強制
への反対を呼びかけるアピール〜
 東京都教育委員会(都教委)は2003年10月23日、「入学式、卒業式等における国旗
掲揚及び国歌斉唱の実施について」の「通達」と「実施指針」を出しました。処分を
ふりかざした「通達」「実施指針」によって、これまで各学校が自主的に創りあげて
きた卒業式などの学校行事が《命令》と《強制》の場と化し、「国歌」斉唱時に不起
立などの行動をとった248人の教職員が処分され、9名は再雇用などの採用内定が取り
消されて教壇から追われることになりました。さらに、処分を受けた教職員に対して
「再発防止研修」を強行して、「思想・良心の転向」を迫ることまでおこなっていま
す。

 戦後の教育に例を見ないこのような事態に対して、学校現場はもとより保護者・市
民などから多くの批判が噴出しました。メディアも「戒厳令下の卒業式」「壮絶な学
校現場」などと報道し、海外からも批判の声があがっています。

 しかし、こうした多くの批判にもかかわらず、都教委はこれに耳を傾けるどころ
か、強制を強化する動きに一段と拍車をかけています。

 3月16日の都議会において横山教育長は、「学習指導要領に基づきまして国歌の指
導が適切に行われていれば、歌えない、あるいは歌わない児童生徒が多数いるという
ことは考えられない」とし、「学習指導要領に基づく指導がなされていなければ研修
命令を含めた処分の対象となるのは当然」と答弁しました。
 これにもとづき都教委は、生徒の多くが不起立だった学校や生徒会が討論会をおこ
なった学校などを「調査」し、5月24日には「生徒に不起立を促す発言をするなど不
適切な指導」があったとして、67人の教職員と校長、教頭を「厳重注意」「注意」
「指導」としました。横山教育長は、6月8日の都議会でも「学習指導要領や通達に
基づいて、児童生徒を指導することを盛り込んだ職務命令を出し、厳正に対処すべき
と考える」と述べています。

 都教委は職務命令によって「児童生徒を指導すること」をすべての教職員に義務づ
けたうえで、「生徒の不起立」を「教職員の不適切な指導」に直結させて教職員を処
分するという卑劣なやりかたをとおして、すべての子どもに「起つこと・歌うこと」
を強制して、生徒の「内心の自由」を押しつぶそうとしています。

 新たな事態といわなければなりません。「越えてはならない一線」が越えられよう
としています。もはや問題は「教職員の服務のありかた」や「東京の公立学校の問
題」にとどまるものではありません。憲法と教育基本法をもつこの国で、主権者であ
る生徒が、こともあろうに学校という自己形成の場でその思想・良心の自由を蹂躙さ
れようとしているのです。この事態が看過されるなら、「東京から国を変える」とい
う石原都知事のもと、全国に強制が波及することは火を見るより明らかです。

 いうまでもなく、国旗・国歌に対する態度は憲法で保障された思想・良心の自由に
かかわることがらであり、生徒への一方的な強制は、国旗・国歌法制定時に「義務づ
けを行なうものではない」とした政府答弁からも逸脱しています。学習指導要領は教
育内容の「大綱的基準」を示すものであり、教育内容の細部にいたる法的拘束力をも
つものではありません。憲法・教育基本法や子どもの権利条約などが定める教育や人
権に関わる諸原理にてらせば、都教委の強制に一片の理もないことは明らかです。

 私たちは、「10.23通達」「実施指針」の撤回、不当な処分の撤回を要求します。
命令・処分・政治的圧力など強権的な手法を駆使して、「生徒に対する強制」にまで
突き進む都教委を糾弾し、教育の場に思想・良心の自由と教育活動の自主性を取り戻
すために、圧倒的多数の「強制反対」の声をあげるように訴えます。

2004年10月1日

《呼びかけ人》
勝野 正章(東京大学) 小森 陽一(東京大学) 斎藤 貴男(ジャーナリスト)
俵 義文(立正大学)  成嶋 隆(新潟大学)  西原 博史(早稲田大学)

子どもと教科書全国ネット21
Children and Textbooks Japan Network21(CTJN21)
E-mail kyokashonet@a.email.ne.jp
HP http://www.ne.jp/asahi/kyokasho/net21/
?:03-3265-7606 Fax:03-3239-8590

2004年10月12日

転載:「意見広告の会」ニュース No 201 (2004.10.12)

Date: Tue, 12 Oct 2004 19:31:05 +0900

*ニュースの配布申し込み、投稿は、
  qahoujin@magellan.c.u-tokyo.ac.jp まで、お願い致します。
** 目次 **
1 授業料の値上げ始まる。
   国立大授業料自由化で値上げ NHKニュース 10/11 12:28
2 大学財政危機打開をめざす国会内ポスターセッション 首都圏ネット
    5th Circular
3 特殊法人を上回る「蜜の味」 独立行政法人
   北沢栄の「さらばニッポン官僚社会」より
4 真に、かつ、種々の意味で危機を迎える都立大
4−1 都立大総長声明の意味  やさしいFAQより
4−2 首都大学「遅滞生じ危機的状況」
    都立大学長が異例の声明 各分野の課題列挙 「東京新聞」記事
*4−2は4−1に含まれています。
**
1 授業料の値上げ始まる。
国立大授業料自由化で値上げ NHKニュース 10/11 12:28

国立大学の授業料は、昨年度まで文部科学省がすべての大学で一律に決めてきました
が、今年4月に法人化されてからは、各大学がこれまでの10パーセントの値上げを上
限に自由に決められるようになりました。今年度、授業料を変えた大学はありませんで
したが、東京農工大学は、来年度新たに設置を予定している専門職大学院の授業料を国
立大学としては初めて値上げし、上限の57万2800円とすることを決めました。こ
の大学院は、企業に勤める技術者などを対象に、製品の欠陥などを減らし企業に大きな
損失を与えないようにする危機管理のあり方を教えるもので、東京農工大学の宮田清蔵
学長は「企業経験のある実務者を多く教員として招く予定で、質の高い教育を提供する
ため授業料を値上げすることにした」と話しています。これについて、文部科学省は「
法人化のメリットを生かして大学の特色を打ち出そうというもので、今後、授業料を独
自に設定する国立大学が増えてくると思う」としています。



2 大学財政危機打開をめざす国会内ポスターセッション
5th Circular
   「法人化にあたって新たに発生した経費」の推計方法
2004年10月12日
国立大学法人法反対首都圏ネットワーク事務局

4th Circularで「法人化にあたって新たに発生した経費」(法人化経費)を把握して、全国総計を求め、それを補正予算要求に組み込む方針を提示しました。そもそも法人化経費は国から別途用意されるべきものでした。ところが、各大学に配分された運営費交付金の中で措置されたために各大学における予算を実質的に減少させ、その減少率が学科レベルの現場では増幅されて教育研究活動に深刻な影響を与える要因の一つとなっています。こうした事態は、「運営費交付金等の算定に当たっては、・・・法人化前の公費投入額を踏まえ、従来以上に各国立大学における教育研究が確実に実施されるに必要な所要額を確保するよう努めること。」(参議院文教科学委員会附帯決議第12項)に明白に違反しています。そこで、各大学において法人化経費を把握することをお願いしたのです。予算情報が十分開示されておらず、法人化経費が把握できない場合は、2nd Circularのワークシート1(WS1)http://www.shutoken-net.jp/040911_1ws1.htmlの第2項を用いて、推計してください。

ワークシート1(WS1)の2項「法人化に伴う費用」の見積もり方式とその根拠

1.各大学における「恒常的法人化経費」の算出方式

[手順1] 当該大学の教職員数Aの東京大学の教職員数(7559名)に対する比を計算する。
     a=A/7559(有効数字4桁まで計算)

[手順2] 当該大学の総支出額Bの東京大学の総支出額(2144億円)に対する比を計算する

     b=B/7559(有効数字4桁まで計算)

[手順3] 次式により、各費用の算出を行う(単位億円)。ただし小数点以下3桁目を四
捨五入する。

<3-1> コンピュータ・システム・サポート経費(人事,財務会計,病院管理会計)
X1=0.70×b(億円) ; ただしX1 <0.05の場合はX1=0.05とする。

<3-2> 職員研修費用(労務・人事管理, 会計基準等・衛生管理者研修等)
X2=0.18×a(億円) ; ただしX2<0.03の場合はX2=0.03とする。

<3-3> 職員採用試験実施経費(募集要項・問題作成等)
X3=0.26×a(億円) ; ただしX3<0.03の場合はX3=0.03とする。

<3-4> 銀行手数料(振込手数料,ファームバンキング利用料等)
     X4=0.96×b(億円) ; ただしX4<0.05の場合はX4=0.05とする。

<3-5> 保険料(雇用保険,労災保険,児童手当拠出金,火災保険,自動車保険,損害賠償責任
保険等)
     X5=12.91×a(億円) ; ただしX5<0.03の場合はX5=0.03とする。

<3-6> 法定監査人費用等(弁護士・会計士等費用)
X6=1.18×a(億円) ; ただしX6<0.03の場合はX6=0.03とする。

<3-7> 役員人件費
X7=0.2×役員数

<3-8> 労働安全衛生法見合いの維持費
X8=0.75×a(億円) ; ただしX8<0.03の場合はX8=0.03とする。
[手順4] 次式により、総費用Tの算出を行う(億円)。
T=X1+X2+X3+X4+X5+X6+X7+X8

2.上記の算出方式の根拠
 上記<3-1>〜<3-8>項の各費用の算出は、極めて困難である。その理由は、

(i) 法人化1年目のため、正確な値が分からず、他のデータ等から予測しなければなら
ないため,

(ii) 上記予測に必要な信頼に足る詳細なデータが公開されていないため,
等である。一方、東京大学においては、法人化前に上記費用の詳細な予測が行われてお
り、そのデータは利用可能である。
そこで本算出方式においては、各大学におけるおおよその費用を見積もるため、入手可
能な「教職員数」および「総支出額」のみを用い、東京大学の試算額との比を用いて計
算を行うことを考えた。
まず「総支出額」と深い関わりを持つと考えられる<3-1>,<3-4>の項目については、当
該大学と東京大学の「総支出額」の割合に東京大学の予測経費を掛けることにより、算
出を行った。ただし計算結果が500万円を下回る場合は、その項目の経費は500万円とし
た。これは経費規模が小さくても、最低必要な額があると判断したためである。
同様に、「教職員数」と深い関わりを持つと考えられる<3-2>,<3-3>,<3-5>,<3- 6>
,<3-8>の項目については、当該大学と東京大学の「教職員数」の割合に東京大学の予
測経費を掛けることにより、算出を行った。ただし計算結果が300万円を下回る場合は
、その項目の経費は300万円とした。これは教職員数が少なくても、最低必要な額があ
ると判断したためである。

また項目<3-7>については、役員1名あたり0.2億円の経費とした。
以上のようにして各項目に対する必要経費を見積もり、その合計を取ることにより総経
費の見積額を算出した。

[註] 上記の計算において、もし「総支出額」が不明もしくは信頼性に欠ける場合は、
その代わりに「教職員数」を用いて計算を行っても、その違いは僅かであると考えられ
る。いくつかの大学の試算では、その食い違いは1割程度であった。

3.その他

上で算出した費用は、法人化に伴い恒常的に必要となった費用の見積もりである。しか
し上記以外にも、大学法人が負担しなければならなくなる可能性のある費用として、次
のものが考えられる。
() 共済組合負担金
() 借入金償還額
これらの費用については、平成16年度は手当されたが、平成17年度以降は未定であり、
もし手当されない場合には、おおよそ次の額がさらに必要となる。
() 共済組合負担金 : 63.5×a(億円)
() 借入金償還額  : (大学により異なる)



3 北沢栄の 「さらばニッポン官僚社会」より (許可を得て転載)
第75章 特殊法人を上回る「蜜の味」 独立行政法人
http://www.the-naguri.com/kita/kita77.html
(2004年8月26日)

 独立行政法人(独法)はいま、特殊法人以上に「官の聖域」と化している。職員の平均年収が国家公務員よりも多く、天下り比率も特殊法人より高いのだ。昨年10月以降、特殊法人・認可法人から移行した独法に、その傾向が著しい。だが、これら独法の人件費は、「運営費交付金」を名目に補助金で、つまり国民の税金や保険料など特別財源で賄われている。現在、107法人に上る独法の巨額の人件費に、「国民のカネ」が惜しげもなくバラまかれているのだ。

国家公務員より高い給与

 総務省は7月末、独法95法人の役員報酬と職員の給与水準を公表した。それによれば、2003年度の常勤役員報酬(平均)は、理事長など法人の長が1842万4000円、理事が15 95万7000円、監事が1401万円だった。

 常勤職員の給与水準はどんなか。年齢構成に合わせた昨年度の比較(ラスパイレス指数)でみると、国家公務員行政職の「100」に対し事務・技術職員が107.4、研究職員10 2.3。いずれも国家公務員の給与を上回る。すなわち事務E技術職員2万3262人(平均年齢42.7歳)の年間給与額の平均が728万4000円、研究職員8377人(平均年齢44.0歳)が同899万5000円だ。

 だが、各法人にかなりのバラつきがあり、この平均値を10ポイント超上回る給与突出の法人が実に33法人に上る。その原因は、「法人の自律性の尊重の下、国家公務員や民間企業の給与、法人の業績等を考慮しつつ、各法人がそれぞれ支給基準を定めること」(総務省)とされているためだ。
 今夏の賞与も、特殊法人同様、国家公務員(2.1カ月分)のを業績に関係なく上乗せさせた2.19カ月分で決着している。給与、賞与とも、独法の方が国家公務員より優遇されている形だ。

給与約4割高の独法も

 調査対象とされた95法人中、職員の給与が最も高いのが農畜産業振興機構(農林水産省所管)。国家公務員の給与を36.4%も上回る。
 同機構は昨年10月、特殊法人の農畜産業振興事業団と認可法人の野菜供給安定基金が統合され、発足した。畜産物・生糸・砂糖・野菜の価格安定化のため、指定乳製品や指定食肉の売渡し、加工原料乳や肉用子牛の生産者への補助金交付などの業務を行う。
 同機構のホームページに掲載された公開情報によると、03年度の年間換算報酬額(推計)は、理事長が2054万8000円、副理事長(1人)が1895万7000円、総括理事が2人で計3569万9000円、理事4人が計6750万2000円、監事2人が計2910万3000円。

 理事長の場合、全報酬のうち賞与が565万7000円、調整手当が158万4000円を占め、賞与と手当の比重が高い。役員の報酬体系の特色は、理事長と副理事長以下との格差が、民間の役員の格差に比べずっと小さいことだ。多くの独法にみられるように、とかく目立つ理事長の報酬は抑えて副理事長以下に厚くする「高原型体系」になっている。
 常勤職員の場合も高原型に支給され、計182人の平均年齢43.6歳の平均年間給与額は諸手当と賞与が押し上げて960万6000円。在外職員は9人(平均年齢40.6歳)で、平均13 47万6000円の「高待遇」だ。
 同職員の給与水準は、独法全体の水準と比べても独法平均を100として127.4。3割近くも高い。こうしたべらぼうな給与設定ができるのも、所管省庁と総務省のチェック機能が甘いためだ。双方とも第三者チェック機関の独立行政法人評価委員会を設けているが、十分機能していない。

給与は底上げの「高原型」

 国家公務員に比べて職員給与を4割近くも高給にしている理由について、農畜産業振興機構の総務部は、二つの理由を挙げる。

 一つは、BSE(狂牛病)や鳥インフルエンザのような事態に緊急対応ができる管理職の割合が役所より高く、大卒と大学院卒も同様の高比率で全従業員の8割を占めること。

 二つめは、本部(東京)に機能が集中しているうえ、公務員住宅を持たない住宅事情から調整・住宅・通勤各手当が公務員よりかかる。

 以上の「特殊事情」から、給与の高め設定はやむを得ない、というのだ。だが、こうした「特殊事情」はなにも同機構に固有のものでない。何より重要な点は、機構は自らの財源(収入)で給与水準を決定しているのではないことだ。国民の税金で、自らを養っているのだという見地から給与水準を決めなければならないはずだ。

 職員給与が国家公務員より3割以上高い独法は、ほかにも日本貿易振興機構(旧日本貿易振興会=JETRO)と理化学研究所がある。31.1%高い日本貿易振興機構の場合、役員報酬は理事長が03年度に2136万9000円、理事が1人当たり1682万9000円、監事同1 473万1000円の水準。理事長と理事の報酬格差が500万円弱と比較的小さい。他方、職員570人(平均年齢38.4歳)の年間平均給与額は774万円。役員に比べ職員の給与が、相対的に高い。

 職員の給与が国家公務員より29.9%高い福祉医療機構の場合、理事長の03年度の年間報酬は2063万8000円。理事4人が計6816万1000円、常勤監事1人が1452万7000円、非常勤監事1人が477万5000円。

 ここでも、理事長の報酬を抑えた分、理事報酬が高めに設定され、職員給与も高水準だ。このような高原型の給与体系で、独法は運営されているのである。

在職2年で1000万円近い退職金

 もう一つ、退職金の支給実態はどんなか。特殊法人の場合、見直し実施前の02年3月までは、総裁が任期たったの4年で2326万円、理事長が1787万円も貰って批判を浴びた。政府は独法に対しても昨年12月に、役員の退職金の支給率の基準を決め、業績の範囲内に収めるよう、遅ればせながら閣議決定している。

 総務省によれば、03年度に退職した独法常勤役員の退職金の支給状況は、理事長など法人の長4人に対し計2535万7000円(単純平均633万9000円)、理事17人に1億1403万円(単純平均670万8000円)、監事1人に674万3000円だった。

 金額それ自体は小型化しているが、問題は在職期間だ。水産総合研究センター(農水省所管)の理事長の場合(ことし1月退職)、在職期間わずか2年10カ月なのに962万900 0円の退職金が支給された。大学入試センター(文部科学省所管)の理事長のケース(昨年11月退職)では、在職期間が前者より少ない2年8カ月だが、退職金は991万円に上った。

 理事に対しても、在職2年余りなのに理事長並みに退職金を900万円超支給している独法が3法人あった。退職金も「高原型」といえる。その典型例は、農業・生物系特定産業技術研究機構(農水省所管)。在職期間2年6カ月の理事(昨年9月退職)に948万4000 円支給している。これらはすべて「国民のカネ」から賄われているのだから、「お手盛り」というほかない。

「国民のカネ」が、このような人件費に一体、総額でどのくらい費やされたのか―。

「隠れた国民負担」約6千億円

 「隠れた国民負担」と言うべき、こうした独法の役職員の人件費は、95法人の「最広義の人件費」(03年度)でみると、総額5817億8017万円に上る。「最広義人件費」とは、「給与、報酬等支給総額」に、退職手当引当金繰入額(当該年度のネットの繰入額。同引当金を取り崩した場合には、その額を控除)、法定福利厚生費、共済組合等の負担金の額および非常勤職員や臨時職員に支給した給与(手当)の合計額である。

 法人別でみると、同人件費のトップは、雇用・能力開発機構(厚生労働省所管)。61 9億7195万円に上る。次いで国立印刷局(財務省所管)の498億8899万円、産業技術総合研究所(経済産業省所管)の421億5158万円が続く。

 最大の「人件費ガズラー(大食い者)」の雇用・能力開発機構は、ことし3月に特殊法人から移行した。スパウザ小田原や中野サンプラザといった、雇用保険の積立金を使って建設した勤労者福祉施設は計2070。それらがことごとく不採算のため廃止を余儀なくされ、超安値で売却されて波紋を投げたのは記憶に新しい。

 官業の大失敗にもかかわらず、「特殊法人」の看板を「独立行政法人」に付け替えて存続し、いまなお役職員の人件費向けに巨額の公費を貪っているのだ。この間、官業の破綻と公費の壮大な浪費に対し、官僚は何一つ責任を取っていない。

 だが、独法の問題は「補助金を使った高い給与と疑問符の付いた仕事の内容」ばかりでない。経営を担う常勤役員の大部分が、所管官庁や特殊法人の出身者で占められていることだ。

役員全員が天下りの法人も

 独法の数は04年7月末現在で、107法人。これに独法の仕組みを取り入れた国立大学法人の89を加えると、実質196法人に上る。

 これらの独法は、大学法人を除けば、二つに大別できる。研究所など国の直属機関から分離され、01年4月に設立された第一期生の独法と、のちに特殊法人・認可法人が衣替えした独法だ。

 後者は、小泉内閣が閣議決定した01年12月の「特殊法人等整理合理化計画」により、特殊法人と認可法人(当時計163法人)は「廃止・民営化」する以外は基本的に独立行政法人化する方針に基づき、昨年10月以降独法化されていったものだ。

 だが、この独法の後発グループは、先の雇用・能力開発機構のように事実上、特殊法人などからの「看板の付け替え」に終わっている。いや、特殊法人時代よりも給与を引き上げ、天下りを増やしている例が多い。業務の自律性が認められていることをいいことに、独法の多くは自分勝手に運営している、と言うほかない。

 常勤役員中の官僚出身者比率をみると、特殊法人と認可法人から改組された独法では特殊法人を上回り、約7割に上っている。小泉政権の天下り抑制方針は、官僚に軽く見られ、事実上無視されているのだ。

 農畜産業振興機構を取り上げてみよう。役員10人全員が、前任の農水省と特殊法人、認可法人の元幹部だ。山本徹理事長は、林野庁長官から同事業団理事長を経て就任している。菱沼毅副理事長は元九州農政局長。独法全体が、蜜を吸い集める「官の巣」に化しているのだ。

 「改革」を看板にする小泉政権が、官僚に丸投げしてできた「改革の鬼子」をどう処置するかが、いま問われる。

北沢 栄(きたざわ・さかえ) ジャーナリスト・著作家。現在、情報発信・翻訳会社
などを経営する傍ら、金融・行財政の構造改革について研究。近著に 『官僚社会主義
 日本を食い物にする自己増殖システム』(朝日選書)、『公益法人』(岩波書店)、
『再生か荒廃か グローバルスタンダードの21世紀』(全日法規)、『銀行小説 バベ
ルの階段』(総合法令)、『金融小説 ダンテスからの伝言』(全日法規)。翻訳書に
『リンカーンの三分間』(共同通信)など。



4−1(含む4−2) 都立大総長声明の意味
2004年10月7日に発表された都立大総長声明は,どんな意味を持つのでしょうか? 次

ポーカス博士
まず,茂木総長声明「新大学設置認可答申を受けて──現状評価と課題──」 と, 10
月8日の東京新聞(朝刊,多摩版)の記事を読んでもらおう。個々の論点は,読めば分
かることばかりなので敢えて解説はしないが,後で2つの点から今回の声明の意味を考
えてみたい。


首都大学「遅滞生じ危機的状況」
都立大学長が異例の声明 各分野の課題列挙

 都立四大学を統合して来春開学する首都大学東京について、都立大学の茂木俊彦学長
は七日、開学準備や新学部の内容など幅広い分野の課題を列挙する声明を学内で公表し
た。首都大は先月末に文部科学相から設置認可を受けたばかり。統合対象大学のトップ
によるこの時期の声明は異例ともいえ、都立大教員らの反発の根深さが浮き彫りになっ
た格好だ。
 声明は、首都大について「解決を急ぐべき多くの課題がある」と指摘し、「さまざま
な面で著しい遅滞が生じており、危機的状況と言っても過言ではない」と準備の遅れを
懸念している。
 また、首都大が新たに設置する「都市教養学部」について、「理念が不明確で組織構
成に無理がある」と批判。他大学での受講を単位に認める「単位バンクシステム」につ
いても「大学間で教育資源が開放される兆候がない現状では、現行制度の拡充から始め
ることが現実的」としている。
 茂木学長は、首都大の授業や研究の体制などを検討する教学準備会議のメンバー。都
大学管理本部は「指摘内容はいずれも現在検討中のものばかり。開学準備が遅れている
ことはない」と反論している。


まず,今回の総長声明が「全学のみなさんへ」というタイトルになっていることに注目
したい。この声明は,都立大学の学生・院生,教職員全員に向けて発せられたことにな
っている。なるほど,総長として,設置認可が降りた今,どのような現状があり,どの
ような課題が残されているのかを総括したと言えるわけだ。都立大学総長は,現在の都
立大教員の代表だ。それはつまり,「都立大教員」の代表であるばかりか,300人余り
の「首大就任予定教員」の代表であることも意味している。だから都立大の現状を憂い
ながらも,「首大」の準備をしている教員の努力をねぎらうことになり,「首大」設置
準備が著しく遅れていることを指摘して,現状の問題点が早期に解決されるように願う
ことになる。 就任承諾書を300人余りの教員が出したのは事実であり,「首大設置認可
」は降りてしまった。そんな状況で,総長が現状(status quo)を分析し,その現状をど
のように改善できるかを学内のすべての人達に対して訴えた のだ。しかし,これは方
向が違う。現状分析をして改善策を出すといっても,改善策を実行に移す主体は,都立
大の教員ではなく,大学管理本部の役人と,管理本部よりの一部の教員なのだ。指摘し
た課題を解決できるのは,大学の中の人間ではない。それなのになぜ,「全学のみなさ
んへ」なのか?
 これは,わし個人の解釈じゃが,管理本部宛に声明を出すことは,今や無意味だと総
長は考えたのではないか。
(1) これまで管理本部宛に声明を出しても,まともに答えが返ってきたことはない。
(2) 一年前とは違い,総長は大学管理本部で開かれる「教学準備会議」や「経営準備室
運営会議」のメンバーとなっている。
(3) 世間一般に向けての声明という形を取ると,管理本部がまた大問題にする。

次に,東京新聞の記事の最後の部分に注目したい。 「都大学管理本部は『指摘内容は
いずれも現在検討中のものばかり。開学準備が遅れていることはない』と反論している
。」 もし本当にこのように大学管理本部が答えたとしたら,馬脚を現したと言わねば
ならない。つまり,「指摘内容は現在(10月7日)検討中」だから「開学準備が遅れて
いることはない」と言っているのだが,これは,大学管理運営の常識からすると,大間
違いだ。つまり, 「指摘内容は現在(10月7日)検討中」=「開学準備が遅れている」
というのが,総長が挙げた問題点に関して,大学教員が考える常識なのだ。 10月中旬
といったら,もう次年度の計画はほとんど決定しており,具体的にその計画実現のため
に作業がある程度進んでいる時期なのだ。しかし,「単位バンク」1つとっても,都立
大の学部長,研究科長を入れた会議は9月末に第1回が開かれたばかりで,これから検
討しましょう,という段階だ。具体的作業というよりは,まだまだ机上の議論なのだ。
総長声明にある基礎教育センターしかり。あれをやるこれをやる,と言いながら,具体
的に実施することを念頭に置いたら,決めなけらばならないことが山積していて,すで
に来年4月開校に向けて実行に移しておかないといけないことがあるのに分かっていな
い。だから,首都大学「遅滞生じ危機的状況」という東京新聞のタイトルは真実を伝え
ている。本当に,管理本部では未解決,未定の問題が山積みなのだが,本当に大学運営
がどういうものかを知らない役人達は,事態を甘く見ているのだ。繰り返して言うが,
たとえ設置審が認可答申を出し,文部科学省が認可しても,4月から問題なく「首大」
がスタートできるという保障は何一つないのだ。まあ,考えてみれば当然だ。大学管理
本部といっても,これまでひとつの大学を一から設計したことはないし,大学の内部の
運営などこれまで手をつけたことがないのだから,どの時期にどの程度の仕事をこなし
ているか,なんてなーんにも分かっていないのだ。ここにきて,管理本部の一部のお役
人は,事態の深刻さに気づき初めているらしい。急遽,いろいろな委員会に協力する教
員の数を増やしたり,学部長予定者だけではどうしようもないから,「設立準備主査」
なんていう名前で,元となる学部の代表者を正式に取り込んでいこうとしている(「主
査」なんて,どこかで聞いたことのある名前だな)。 さて,総長の投げたボールは,
誰がどのように取るのだろうか?投げっ放しとか,誰もボールを取らないということが
あってはならない!

2004年10月09日

「意見広告の会」ニュース200 2004.10.08

Fri, 08 Oct 2004 23:19:40 +0900

*ニュースの配布申し込み、投稿は、  qahoujin@magellan.c.u-tokyo.ac.jp まで、お願い致します。

** 目次 **
1 国会内ポスターセッション  4th Circular
  国立大学法人法反対首都圏ネットワーク事務局
2 真に、かつ、種々の意味で危機を迎える都立大
2−1 新大学設置認可答申を受けて ── 現状評価と課題 ──
     東京都立大学総長 茂木俊彦
2−2 都立4大学を統合する法人の設立,新大学・大学院の設置に関する陳情
     開かれた大学改革を求める会

1 大学財政危機打開をめざす国会内ポスターセッション
4th Circular
2004年10月6日
国立大学法人法反対首都圏ネットワーク事務局

11月1日(月)・2日(火)に決定
当初、10月27日を含む2日間を予定しましたが、最新の国会動向等を踏まえて国会内ポ
スターセッションは11月1日(月)・2日(火)に開催することにしました。

11月1日(月)
・ ポスターセッション
衆議院第1議員会館  第1会議室 午前9時〜午後5時
・ 国立大学関係諸団体とのディスカッション
衆議院第1議員会館  第1会議室 午後1時間くらい
(現在折衝中)
・ 国会議員諸氏を交えて懇談会
衆議院第1議員会館  地下食堂 午後5時30分〜午後7時30分
11月2日(火)
・ ポスターセッション
参議院議員会館  第3・4会議室 午前9時〜午後5時
(ポスターセッションの時間は衆参いずれも、事前の準備および事後の片付けの時間を
含みます。)

◎ポスターの規格などについては3rd Circularの通りで、一切変更ありません。

既に11大学等から参加申し込み。第2次締切は22日(金)
 10月5日現在、8.14集会に参加された23大学を中心に11の大学教職組・団体・有志か
ら初の国会内ポスターセッション参加の申し込みがあります。また、現在検討中との連
絡も頂いております。そこで国会内ポスターセッションの開催が1週間近く延びたこと
もあり、第2次の締切を10月22日(金)に致します。大学の実情を紹介・分析するポス
ターセッションに奮ってご参加ください。なお、参加の意思表示をされた団体には、近
々『連絡ニュース』を配信します。実施の詳細については『連絡ニュース』をご覧下さ
い。

3つの経費の全国総計を出して本年度補正予算要求へ
 昨年、国立大学法人法が国会で成立する際に、参議院文教科学委員会は、「運営費交
付金等の算定に当たっては、・・・法人化前の公費投入額を踏まえ、従来以上に各国立
大学における教育研究が確実に実施されるに必要な所要額を確保するよう努めること。
」と附帯決議したことは記憶に新しいことです。また、「労働基準法等の労働法制を遵
守することは当然である」と文科省は繰り返し答弁してきました。しかし、それらは法
人化後半年の間に全くの絵空事であることが明白になっています。そこで、附帯決議違
反、労働法制違反の状態を今年度中に解決するために、最低限、どれほどの費用が必要
かを以下の3分野に絞って全国集計・推計し、補正予算要求として国会議員諸氏に提示
したいと思います。
(1)法人化にあたって新たに発生した経費
(2)「サービス残業」解消のための経費
(3)“同一労働・同一賃金”の原則に反する非常勤職員の処遇改善経費

運営費交付金制度の抜本的改善要求へ
国立大学法人法案の審議過程では、運営費交付金は従来の交付金制度を引き継ぎ、「収
支差額補填方式」が想定されていました。しかし、法成立後、財務省は強引に「総額管
理・各種係数による逓減方式」を要求し、文科省はこれに屈服しました。これにより、
国立大学への運営費交付金が毎年1〜2%程度減額されることは必至です。特に病院には
2%の経営係数が乗ぜられるために、大学財政を大きく圧迫します。附属病院での収支
を改善しようとするならば、先端医療や難病研究など大学病院が担っていた役割を捨て
、収益のあがる部門重視へ傾斜せざるをえなくなります。それは民間の医療機関を圧迫
し、国民医療体制を崩壊の危機にさらすことになりかねません。ポスターセッションで
は、来年度予算決定過程において、運営費交付金制度を当初設計通りの「収支差額補填
方式」に戻す必要性を、具体的に提示したいと思います。

参加費について
ポスターセッションを行うためにはパネルの借用、搬入出経費、資料準備等の費用がか
かります。このため、既にお知らせしましたように、ポスター1枚(横90cm×縦150cm
)当たり1万円をお願いします。なお、当日参加できず、ポスターのみを張り出す場合
には、1万5千円を申し受けます。

2−1 全学のみなさんへ
新大学設置認可答申を受けて
── 現状評価と課題 ──

東京都立大学総長 茂木俊彦

2004年10月7日

9月21日、大学設置・学校法人審議会は都の新大学(首都大学東京)を2005年4
月に開設することを認可するよう文部科学大臣に答申、同月30日認可された。しかし
、新大学は2003年8月の前計画の廃棄に発し基本計画の策定から詳細設計にいたる
開設準備の全過程でさまざまな問題を抱えていた。このことは、審議会答申が都の期待
した7月にはなされず継続審査となったこと、2003年10月の都立大学総長声明、
2004年1月の都立大学評議会見解をはじめ、学内外から数多く発信された声明・要
望などを見れば明らかであろう。事実、今般の答申は多量の「留意事項」を付して行わ
れた。それらを見るだけでも新大学の開学のためには解決を急ぐべき多くの課題がある
ことを改めて認識せざるをえない。
 また、今回の答申・認可には含まれないものの、同時に計画されている公立大学法人
への移行も、もし設置者の財政負担削減や大学組織の自律性の大幅な制約のみを狙いと
して進められるのであれば、誇るべき都民の財産として発展を遂げてきた本学の研究教
育の蓄積を維持し、また激しさを増しつつある大学間競争に勝ち残り、さらに長期的視
野から人類文化に貢献していくことはきわめて困難となるであろう。
 残念なことに、来年度に向けた開学準備も、われわれが再三にわたって求めてきた「
協議」を避けるために、敢えて組織としての大学には協力を求めず、少なくともこれま
では、全体を統括する責任体制も作業の明確な見通しも欠いたまま進められて来たのが
実情である。実際、すでにさまざまな面で著しい遅滞が生じており危機的状況に至って
いると言っても過言ではない。東京都は、この状況を早期に打開するために、今こそ設
置審の付した留意事項ならびに大学の意見を真摯に受け止め、可能な限り改善の努力を
行、べきである。これまであまりに不十分であった教育研究機関としての大学の特性へ
の特段の配慮が不可欠だからである。
 同時に、残存する現大学(3大学・1短大)の運営体制の検討が経営・教学の両面に
わたりまったく不十分であり、学生、教員の間に深刻な不安が広がっていることを指摘
しておかなければならない。設置者権限に属するとして一方的に現4大学を廃止し法人
のもとに「首都大学東京」の開設を決めたのは東京都である以上、学生をはじめとする
関係者に不利益が生じないようにする義務と責任がもっぱら都にあることは言うまでも
ないであろう。新大学の開学および新法人の開設準備に全力をあげるべきであるが、そ
れだけに目を奪われ、法人のもとでの現大学の運営体制の整備が遅れ、在学生に深刻な
被害が及ぶことを危惧する。
 私は、本学の教員・職員が、日常的な業務に加えて新大学の準備作業のために額に汗
して奮闘してくださっていることに心から感謝し敬意を表する。総長としては、その職
の責任を自覚し、これまで通り今後も、学内構成員の意見・要望に真摯に耳を傾けつつ
、都の開学準備に向けた会議等の場において必要な意見の表明は行っていく所存である
。以下に記すのは、設置認可を機に大学管理本部が自らの取り組み方の全体を改めて点
検するとともに、特に留意して取り組むべき課題や考察を深めるべき課題のいくつかで
ある。最低限これらに迅速かつ誠実に対応することが「首都大学東京」および現大学の
いずれもが生き生きと機能していくために必要であり、同時に本学構成員の努力に適切
に呼応する道である。
 もとより私の基本認識や個々の問題の指摘に過不足がないとは思わない。まして無謬
だとは考えていない。この見解がみなさんの注目と議論の対象となり、ひいては学内構
成員がエネルギーを高めて課題解決のために取り組んでいく一つの契機になることを期
待している。

1.新大学の問題

1)都市教養学部
 この学部の準備に関連して第1に指摘したいのは、全学の基礎的教育を進める中核と
なるべき基礎教育センターについて、現段階でなお、その役割・任務も組織体制もほと
んど未確定であるということである。情報教育の内容と方法をはじめ基礎・教養の教育
の検討が大幅に遅れているのはこれと無関係ではない。さらにこのセンターと学生サポ
ートセンターの任務の分担と連携はどうするのか、基礎教育センターと学生サポートセ
ンターの両者は、基礎・教養段階と学部専門教育段階にそれぞれどうかかわるのかにつ
いても十分な解明がない。さらに言えば、ファカルティ・ディベロプメント(FD)の
取り組みは基礎教育センターが担うのかどうかといった問題も明確でない。新大学の開
設準備においては、これらを早急に確定し、それと結合していっそう体系的な教育課程
の編成に向けて前進することが重要であり、それが新大学に入学してくる学生に対する
責任を果たすことでもある。
 なお設置審の留意事項に「名称に『都市』を冠する『都市教養学部』の教育理念を一
層明確にし、これにふさわしい特色を持つ体系的な教育課程の編成に一層の配慮をする
こと」とある。「教養」という普遍的概念に「都市」という特殊限定的概念を接木する
ことの分かりにくさを指摘したものと理解してよいと思われるが、この点はわれわれが
つとに指摘してきたことである。われわれは「都市教養」なるものの理念があいかわら
ず不明確であること、人・法・経・理・工という本学現行5学部を廃止して大括りにす
る組織構成に無理があることから目をそらすべきではない。上記の作ニの遂行と並行し
て、学部の名称、理念等に関して学内構成員の意見交換を引き続き行い、場合によって
は学部名称の変更もありうるという見通しをもって今後に臨む必要があると考える。

2)都市政策コースとインターンシップ
 都市政策コースは、大括りの学部構成の象徴であるはずである。だが、いまだに管理
本部はコースの教育理念、教育課程に関して具体性をもって決めるに至っていない。設
置審がこれについても懸念を表明しているのは、まことに正鵠を射ている。分野横断型
の教育研究が成り立つためには、まず「分野」が確立しそれぞれ独自の教育課程が整備
されていることが前提であることは自明の理である。それゆえに困難も伴うし、拙速は
避けるべきであるが、本コースの内容等の具体をできるだけ早く整理して内外に示す必
要があろう。
 また、インターンシップは当面は選択制にすることで落ち着いた。だがこれを本格実
施する方向をとるのであれば、その目的、実施方法等に関する相当にていねいな検討が
欠かせない。1,2年生のインターンシップと3,4年生のそれとは、目的も性格も異
なると考えるのが自然であり、実施方法も同じであるとは限らないといったことはその
一例である。

 
3)単位バンク
 学生の履修形態の多様化、利用可能な教育資源の拡大という意味で、単位バンクの考
え方にもそれなりの利点が含まれていることは否定しない。しかしながら、大学間の教
育資源の開放が全国的システムとして整備されるどころかその兆候さえない現状では、
まず現行の単位互換制度・単位認定制度の拡充から始めるのが現実的対応であることも
また確かであろう。とりわけ、大学管理本部の原案にあるような科目登録委員会と学位
設計委員会の考え方は、学校教育法等で定められた教授会の教育課程編成に関する責任
と権限に抵触する恐れがある。設置審の付した留意事項に、「関係組織間の適切な連携
の下、単位バンクシステムや学位設計委員会等の新たな試みが円滑かつ有効に機能する
よう努めること」とあるのは、まさにこの点を指した問題提起だと見るべきである。

2.現大学の運営について

1)在学生の学習権保障(教員転出、学則)
 今回の新大学への移行にあたり、何よりも留意すべき重要な問題が、現大学の学生・
院生の学習権保障であったことは言うまでもない。東京都が、法人のもとに期限を切っ
て現4大学を存続させるという複雑な手続きを採ったのもそのためであった。しかし現
状を見ると、新大学と法人の開設にのみ注意を奪われる結果、現大学学生への配慮が後
回しになりがちとなっている。とりわけ他大学等に転出する教員が続出しているにもか
かわらず、後任の採用はおろか非常勤対応さえ不十分にしか行われないことは深刻な問
題と言うべきである。これによる教員スタッフの著しい貧困化は、残った教員による埋
め合わせが可能な範囲を超えており、本学における教育サービスの質に直接影響するこ
とは否定しようがない。必要な措置をとることが喫緊の課題である。
 また、現大学の学則に関し、法人化に伴う不可避な改訂は別として、新大学の学則に
機械的に倣う改訂を行うことによって、現在の学則に保障された学生の諸権利を侵すこ
とになることがあってはならない。

2)来年度の教務(カリキュラム・時間割編成等)
 新大学の来年度カリキュラム・時間割編成等には深刻な遅滞が生じている。多くの欠
員を抱える中で現在に至るまで非常勤講師枠すら決定に至っていないことは遅滞の典型
例である。建設中の新校舎の備品・管理体制なども詳細は未定であり、このまま推移す
れば、仮に何とか授業開始となったとしてもさまざまな面で混乱は避けがたい。もとよ
り本学は、総合大学としての経験に照らし新大学の教務について全面的協力を惜しむも
のではない。しかし、そのためにはまず予算措置を含めた全体の方針を早急に定めたう
えで、教育研究の実態に通じた大学側に必要な権限とイニシアチブを分与することによ
り、機動的な対応を図る必要がある。この点について管理本部は、従来とってきた考え
方と手法に固執することなく、適切に対処するべきである。

3)事務体制・学生サポートセンター
 事務組織体制・学生サポートセンターについても、詳細はまだほとんど何も決まって
いない状態である。にもかかわらず大学管理本部は検討の過程を公開せず今に至っても
なお机上の設計を繰り返しているように見える。大学の実情に疎い行政組織による教学
事務体制等の検討は非効率かつ非現実的である。準備の遅れとリアリティを欠いた設計
が放置されれば、それらはすべて新入生と在学生双方に多大な犠牲を強いる結果にしか
ならないことに思いをいたすべきである。
 なお管理本部は学生サポートセンターを教員組織と分離して法人の一組織とする方向
を示している。そのようなことで学生の多面的なニーズにまともに対応できるかどうか
、慎重な検討が求められよう。

4)現大学に残る教員の研究教育条件
 今回の大学改革の手続き上の問題についてはここでは触れない。しかし、改革問題が
起きて以来、とりわけ昨年夏の前計画の廃棄以降、多くの教員が転出しあるいは現大学
残留の道を選んだことは忘れてはならない事実である。4大学の中では特に本学にそう
した新大学非就任教員が集中しており、総長としてはそれだけ重大な関心を持たざるを
得ない。しかし同時に、現大学にとどまる教員の今後の研究教育条件の検討が後回しに
なり、まだ何の方針も示されていないことは遺憾であり、今後深刻な人権問題にも発展
する恐れがある。たとえ新大学への移行を希望しなかったとはいえ、かれらが東京都(
法人移行後は公立大学法人)の雇用する正規職員として、これまで通り研究及び在学生
への教育の任にあたる点で何ら変わりはないことを改めて認識し、検討を即座に開始し
て早く適正な結論を得るべきである。

3.法人化に向けての課題

1)定款(含む学則)
 新法人の定款は、7月にその「たたき台」の提示があり、これに対する関係部局の意
見も徴集されたが、最近になってようやく管理本部からそれら意見への回答が示された
。しかし、残念なことに、都側に大学の意見に真摯に耳を傾け、誠意をもって改善を図
る意志がほとんどないことが明らかになったに過ぎない。これは同時に行なわれた教員
の身分・労働条件についての回答(次項参照)についても同様である。役員会すら存在
しない中での理事長権限の突出、事務局長を学長と並ぶ副理事長とすることによる経営
部門への教学部門の従属、教員の選考・昇任等人事にかかわる教授会自治の弱体化、学
長選考手続きの非民主性、現大学学則の取り扱いなど、定款「たたき台」は全体に大学
の特性への配慮があまりに欠けており、法人下での大学業務の発展の観点からも深い危
惧を抱かざるを得ない。何よりも人で成り立つ大学経営において、成功するための経営
感覚とは何かを学び直しつつ相当な見直しを行う必要があろう。

2)研究教育?件・教員の身分
 これに対する回答の内容もまったく不十分である。すでに多くの教員が流出している
こと、新規教員公募の著しい低調さなど、すでに明らかになっている否定的兆候から学
ぶべきは、教育研究の質を確保するにはもっぱら研究教育条件を整え組織の士気を高揚
するしかないということである。長期的見通しに立った慧明な経営戦略を欠いたまま、
いたずらに運営経費を削減し組織の自発性を萎縮させることは、大学においては自殺行
為に等しいということを強調しておきたい。

以上

2−2 都立4大学を統合する法人の設立,新大学・大学院の設置に関する陳情
      2004年10月5日提出

「東京都議会議長
内田 茂 殿

郵便番号 192-0397 東京都八王子市南大沢1−1
東京都立大学人文学部仏文研究室内
電話番号 #(転載時省略)
開かれた大学改革を求める会
代表
(西川 直子)

(願意)
 都立4大学を統合する法人の設立及び新大学・新大学院の設置にあたって,都は,学
生・大学院生が安心して学習研究に取り組み,大学人が安定した教育研究を継続するこ
とを保障する定款・学則その他の諸規程を作ってください.

(理由)
 都立の新大学については9月に認可が下りたものの,「大学説明会」(南大沢キャン
パス,8月末)も例年に比べ著しく低調であり,『入学者選抜要項』(7月発表)でも
,かなりの項目が「未定」とされています.

 都立4大学を統合する法人を設立する「定款(案)」・「条例(案)」や,新大学の
「学則(案)」・新大学院の「学則(案)」は,東京都大学管理本部から7月までに示
されましたが,いずれも現4大学の大学人(教員・職員・学生)による事前検討がなさ
れていません.また,その内容も大学側からのこれまでの要望に十分配慮したものとは
言えません.

 示された案によれば,教育課程・カリキュラムについて「科目登録委員会(仮称)」
「学位設計委員会(仮称)」,教員の採用・承認について「人事委員会(仮称)」「教
員選考委員会(仮称)」などが構想され,委員会には外部委員の参画が構想されていま
す.しかしながら,現行法では「教授会」が「重要な事項を審議」する(学校教育法59
条1項)とされているのであり,現に都立現4大学でも,カリキュラムの設計や教員の
選考は専門家が行っております.学長の選出について,大学の学長選考機関は,「教育
研究審議機関を構成する者」と「経営審議機関を構成する者」フうち,それぞれの機関
から選出された者によって構成すると定められています(地方独立行政法人法71条4項
).学長候補者等の選出方法について,法には特段の定めはありませんが,教員の選挙
によって新総長を選出した東京大学のように,大学人の意思が直接反映される仕組みを
「学則」等の規定に盛り込むことは可能です.

 4月に都が行なった新大学の設置申請は,7月段階の「早期認可」が見送られ,自然
科学及び社会科学系大学院の9月入試は不可能となりました.9月には認可されました
が,4月の開学までになすべき作業はかなりの分量になり,大学人との共同作業があっ
てすら実現可能であるとは言えない部分があります.また現時点においても,入学後の
学生寮など「未定」のことが多数あるのは,大きな不安となっています. 新大学の発
足時も発足後も,いたずらに新奇さや見かけの効率を求めるのではなく,現在及び未来
の学生・院生・教員に不安を与えない制度が保障されなければなりません.

 これから提案される予定の公立大学法人の設立にかかる「定款」「条例」,新大学の
設置にかかる「学則」及び新大学院の設置にかかる「学則」その他諸規程の作成にあた
っては,これまで以上に大学人の意見に耳を傾け,法に定められた三つの機関(教授会
と教育研究審議機関・経営審議機関)の役割分担を明らかにし,法定事項でない事柄に
ついては,大学人との意見交換を十分に行なっていただきたい,また、現行4大学の学
則は法人化後も現在の学則ノ準ずるものを維持していただきたい,と考えます.これら
の要請は,これまで都民の共有財産である都立の大学が高い評価を得るのに貢献してき
た大学人に共通した願いでありましょう.このことに配慮が及ばないならば,法人の設
立,新大学の設置に向けての準備と発足後の運営に大きな障害を生むことになりかねま
せん.

 瑣末な数字にとらわれるのではなく,百年先を見越して,内外に誇れる大学・大学院
を作ることが求められています.」

2004年10月06日

「意見広告の会」ニュース199 (2004.10.06)

Date: Wed, 06 Oct 2004 00:17:46 +0900

*ニュースの配布申し込み、投稿は、qahoujin@magellan.c.u-tokyo.ac.jp まで、お願い致します。

** 目次 **
1 沖縄国際大学への米軍機墜落事件

1−1 <拡大学習会版>秋の研究交流集会ご案内
      日本科学者会議(JSA)沖縄支部電子メールニュース

1−2 沖国大の米軍ヘリ墜落の現場を残そう! 緊急署名のお願い
保存についての賛成意見・反対意見は以下でご覧になれます。
     http://www.okiuwebnet.com/syamaguchi/network/touhyou1.html

2 相次ぐ東京都の教育統制

2−1 10月23日(土) 一斉行動&パレード

2−2 紹介 ついに「国歌斉唱」生徒指導の職務命令が出た 
     都教委が指揮する「日の丸・君が代」狂想曲の”第2楽章”
      「サンデー毎日」 10・17号 発売中

3 教育基本法改悪阻止・賛同カウントアップ
    全国連絡会(http://www.kyokiren.net/)

***
1 沖縄国際大学への米軍機墜落事件

1−1 JSA沖縄支部電子メールニュース

<拡大学習会版>秋の研究交流集会ご案内
 沖縄国際大学への米軍機墜落事件を考える

 CH-53D大型ヘリの墜落から、早くも2ヶ月になります。

しかし、機体の空中分解という異常事態の発生原因も、PTSDなどに今も苦しむ被災者への完全補償の道筋も、米軍による現場の侵入・封鎖・証拠持ち去 りなどの法的根拠の説明も、基地提供者である日本政府の大学と県民への正式の謝罪も、何ひとつ解決していません。再発防止の展望などないまま、普天間基 地内では同型機の飛行が再開され、政府・沖縄県は辺野古への海兵隊基地建設を急ごうとさえしています。このような状態で、私たちは平穏に教育研究を進め ることができるでしょうか。

まず、沖国大で対策の中心的なメンバーとして取り組んでこられた鎌田隆教授に、現地からの報告をしていただきます。加えて、事件直後からJSA沖縄支 部事務局も現地調査などをしてきましたので、補足の報告と問題提起をいたします。

ひろく教職員、学生・院生、市民の皆さんに開かれた学習会です。会員・非会員を問わず、皆さまお誘い合わせの上、ぜひご参加下さい。

********
学習会 沖縄国際大学への米軍機墜落事件を考える

沖国大からの報告 鎌田  隆・沖国大経済学部教授
現地調査報告と問題提起 亀山統一・JSA沖縄支部事務局長

日時 10月15日 (金) 17:30〜20:00
場所 琉球大学理学部105講義室
(生協向かいの理学部棟入ってすぐの講義室)           入場無料 

*終了後、同一会場で懇親会を行います。
*学習会・懇親会ともどなたでもご参加になれます。皆さんのお越しをお待ちしていま
す。

********

主催:日本科学者会議(JSA)沖縄支部・琉球大学分会
代表幹事:武居洋・加藤祐三(琉大名誉教授)、新垣進(琉大法文学部)
問合せ先:事務局長・亀山統一 〒903-0213琉球大学農学部森林保護研内
電話/Fax 098-895-8794 メールokinawa@jsa.gr.jp
ホームページ:全国 http://www.jsa.gr.jp 沖縄 http://www.jsa.gr.jp/okinawa/

JSAは人文・社会・自然科学を総合する、日本で唯一の分野横断的な学会です。大学・研究所の研究者・教員・院生のみならず、技術者、医師、弁護士、 高校教諭、NGOメンバーなど、科学にたずさわる人が広く参加しています。JSAは日本の公害・環境運動の先駆けの役を果たし、今も、自然環境保全、科 学者の倫理と権利、憲法や平和の問題、大学政策など、多様な問題に積極的にとりくんでいます。

会費(沖縄支部の場合・月額)一般850円、院生350円(月刊の会誌代含む) どうぞご入会ください。

1−2 沖国大の米軍ヘリ墜落の現場を残そう!緊急署名のお願い

緊急署名のお願いを教科書ネットMLから転送します。
要請には締め切りがなかったので問い合わせところ、
正式には10月7日(木)正午ということですが、
メールでの署名は10月6日夜までにできるだけお願いしますということです。
(その後も署名は継続とのこと)

 なお、以下、保存に関して賛成・反対の両者の意見がそれぞれ掲載されています。

*沖国大ヘリ墜落事件情報ネットワーク
http://www.okiuwebnet.com/syamaguchi/network/touhyou1.html
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

◆転送歓迎!
沖国大の米軍ヘリ墜落の現場を残そう!緊急署名のお願い

<沖縄国際大学 安達菜子さんからのメッセージ>

沖縄国際大学に米軍のヘリコプターが墜落した8月13日、私は実家に帰っていたので沖縄にはいなかったのですが、墜落のことは知り合いからの連絡で発 生直後に知ることができました。「死者も出たらしい」「学生が怪我をしたらしい」などと友達からの情報が錯綜し、墜落の事実しか分からない中で、もしや 誰か巻き込まれたのではと思い、本当にいてもたってもいられない気持ちでいっぱいでした。少しでも情報が得られるかもしれないとテレビの画面に食い入る ようにその日の全国ニュースを見ましたが、その扱いの小ささに、本当に悔しい思いをしました。自分の大学に米軍のヘリコプターが落ちたという大きな ショック、しかしそれと同時に自分の周りでは何事もなかったように日々の生活が続いていくということの間に、大きな違和感を覚えざるをえませんでした。 文字通り、沖縄と本土の基地問題に対する温度差というものを身をもって感じ、これが“沖縄の問題”となってしまっている現実を改めて突きつけられた気が しました。

沖縄に戻ったその日、墜落の現場を見に行きました。もちろん、もう学内に米兵の姿はなく、ヘリコプターの残骸もきれいに持ち去られていました。しか し、ヘリが激突した一号館の壁は真っ黒に焼け焦げ、周囲にはまだ異様な匂いが漂っていました。その壁を見たとき、私は今回のヘリ墜落がどのようなもので あったのかをやっと実感することができたのです。身震いがしました。その時に思ったこと、それは“このヘリが激突した壁を絶対に残したい”ということで した。メディアを含めた本土の人々の目が今回のことになかなか向かない中で、ヘリ墜落の事実をこれほどまでに伝えられるものは、今やこの壁しかないので す。

私はこれまで沖縄の基地や戦跡を歩き、フィールドワークする中でたくさんのことを学ぶと同時に、“もの”を通して伝わるものの大きさ、また伝えること の意味を実感してきました。アウシュビッツや広島、長崎、その他世界中で行われてきたように、沖縄でも沖縄戦の傷跡を“戦跡”として語り継ぐ努力がたく さんの人によってなされてきました。だからこそ、沖縄はたくさんの人の“平和を学ぶ場”となりえてきたのだと思います。今回のヘリ墜落が起きてしまった ことには本当にショックで腹立たしい思いでいっぱいですが、でも起こってしまったからには、この現場を沖縄の基地問題の現実を感じられる場、“平和”と いうものについて考えられる場、しいてはこれほど危険な米軍基地の撤去への原動力にしていくことが、今私たちにできることではないでしょうか。多くの人 にこの現場を自分の目で見、その墜落の記憶を共有し、そしてこの場所が今回のことを決して風化させることない“記憶の場”となればと思います。

9月のはじめから、沖縄国際大学の平和学ゼミナールの学生が中心になって壁の保存を求める署名活動を始めています。残念ながら学長は今のところ、壁を 含む一号館の全面建替えの方針を示しています。ぜひ、多くの方々の署名へのご協力をお願いします。

沖縄国際大学総合文化学部社会文化学科1年 
安達菜子

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“米ヘリ激突壁”の保存を求める署名

沖縄国際大学学長 渡久地 朝明 様

私たちは、本館のヘリ墜落によって黒こげになった外壁をありのまま保存する事を強く要望します。

私たちは今まで、異常を日常として生活してきましたが、授業を遮る爆音もない、命の危険にさらされることのない大学生活こそが本来の姿であり、私たちは 全国の他の大学生と同じように、隣接する軍事基地に脅かされることのない普通の大学生活を送ることを、心から願っています。

 そのためにも、この事件を決して風化させるわけにはいきません。

 学生がこの事件をより深く意識し、考えていくにはこの壁の存在が必要であり、そこから生まれる気持ちが、普天間基地即時閉鎖への活動のエネルギーにな ることは間違いありません。

 “米ヘリ激突壁”を残すためのあらゆる手法や技術があるはずです。
 どうか、私たちの意見に耳を傾け、墜落によって焼けこげた壁を残して下さい。

                    沖縄国際大学 平和学ゼミナール

氏 名 所属又は住所
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インターネットでの署名の宛先 
こちらに賛同のメールをお送りください。
時間がありません、どうぞよろしくお願いします。

ーーーーーーーーー【参考まで:安達さんからの問い合わせに対するメール】

この署名は、今週の木曜日に第一弾として学長に手渡します。
その後も、署名活動は続けますが、まずはこの木曜日が目標です。

私がこのメールを見られるのは明日の夜までとなりますので、本当に急ですが、
よろしくお願いします。

2 相次ぐ東京都の教育統制

2−1 10月23日(土) 一斉行動&パレード

10・23
   東京の学校から自由が奪われた日
  
  ★ 怒りをアクションに!
         一斉行動&パレードに集ろう!

昨年の10月23日に東京都教育委員会は、「入学式・卒業式」などにおける国旗掲揚及び国歌斉唱の実施について通達を出しました。

 「君が代」斉唱時の教職員自身の不起立のみならず、生徒の不起立までも理由として約300人の教師がさまざまなかたちで処分を受けました。

驚くなかれ今年は「君が代」斉唱時、子どもたちへ「起立の指導」をするよう、校長から教員に職務命令が出されました。子どもが「着席」したら担任を処分をするということでしょうか。

子どもたちの想いがズタズタにされる!
子どもたちがつぶされる! こんなのぜったいゆるさない!
みんな みんな  あつまろう!
                   
★10月23日(土) 一斉行動&パレード★

  <リレートーク・歌など
      各種パフォーマンス・ボード隊・チラシ配布などなど>

時間●午後3時〜4時
    
<次のいずれかの駅にご参加ください>
場所●渋谷(ハチ公前)新宿(東口・交番前あたり)
    池袋(西口・東武デパート前)

<パレード>
時間●集合・午後5時 パレード開始・午後5時30分 
場所●新宿駅西口 柏木公園
  (新宿駅西口下車大久保方向へ歩く大ガード交差点都民銀行先)
  
 ※パレード終了後交流パーティを行ないます〜♪
   
    飲んで〜話して〜歌って〜 交流を深め 
           英気をやしなって次なる闘いへ〜
   
場所●新宿文化センター (2階ホール貸しきり)
            (パレード解散地点から徒歩5分ほど)
時間●19時〜21時
会費●2000円

主催●「学校に自由の風を!」ネットワーク
           http://comcom.jca.apc.org/freedom/
    ※HPから、チラシは直接ダウンロードできます!
     プリントアウトしてご活用ください。

連絡先● Fax・ 03-3331−4538(丸浜)
        Tel・03-3334−6656(東本)
=====================

「卒業式・入学式に関する都教委通達の撤回を求める会」
         &
  杉並の教育を考えるみんなの会
   sugimina@jcom.home.ne.jp

自由の風ネットワーク http://comcom.jca.apc.org/freedom/

2−2 都教委が指揮する「日の丸・君が代」狂想曲の”第2楽章”
       「サンデー毎日」10・17号 発売中

 ……略……

 教職員の一挙一動を縛るのに躍起の都教委だが、ここにきてその「地金」がむき出しになってきた。都立学校の校長を集め、9月7日に開かれた「校長連絡会」で、都教委はついに、卒業式などの式典で子どもたちが起立して「国歌斉唱」をするよう教職員が指導することを義務付ける職務命令書を出せ−−と各校長に指示したのだ。

 ……略……

 教職員への徹底した締め付けは、最終的に児童・生徒に対する「日の丸・君が代」強制が目的だと本誌は繰り返し指摘してきた。

 ……以下、本誌をご覧下さい……

3 教育基本法改悪阻止・賛同カウントアップ

皆さん、こんにちは。
教育基本法の改悪をとめよう!全国連絡会の八尋・中村です。
(重複して受取られた方、お許し下さい)
(転送大歓迎! できるだけ多くの方に広めたいです)

★☆ 教育基本法改悪反対に、
      ホームページ賛同にご協力ください ☆★

このたび全国連絡会(http://www.kyokiren.net/)では、
ホームページ上で、
「教育基本法改悪阻止・賛同カウントアップ」という
企画をスタートさせました。

ホームページをご覧になって頂ければ一目瞭然。
ホームページ上で、教育基本法改悪に反対する人数を
カウントアップしていくものです。

これだけの人が反対しているんだよ!
ということを日本中、世界中の方々にお伝えでき、
しかも賛同者の皆さんのコメントも読むことができます。

教育基本法改悪阻止にご賛同下さる皆さんの
ワンクリックを心よりお願い致します。

<<賛同方法>>

http://www.kyokiren.net/_protest/vote/vote
より、
ハンドルネーム、メッセージなどを書いていただき、
「賛同する」をクリックして下さい。
これでカウントされました♪

 ※おひとり1回しか賛同いただけません。
   (同じパソコンの同じブラウザからは
    ご家族の方でも賛同いただけないかもしれません)

他の方のメッセージをご覧になりたい方は、
「皆さんのメッセージ」をクリックしてご覧下さい。

☆★★☆ よろしくお願い致します ☆★☆★

2004年10月03日

「意見広告の会」ニュース 198(2004.10.02)

*ニュースの配布申し込み、投稿は、
  qahoujin@magellan.c.u-tokyo.ac.jp まで、お願い致します。
** 目次 **
1 投稿 
  国家公務員への復帰を予定した理事就任は国立大学法人の独立性を脅かす
                      東北大学 川端望
2 投稿
 「排外主義」ニアミスのリスクを冒しても
                      佐賀大学 豊島耕一
3 危機を迎える都立大
   ◇教員側との協力体制の確立説く 「毎日新聞」10/1
***

国家公務員への復帰を予定した理事就任は国立大学法人の独立性を脅かす
    東北大学 川端望
 
この間、「国立大学法人法案に反対する意見広告の会」のニュースにおいて、国立大学
法人の理事に当該大学の元事務局長が就任していることが問題視されています。
 このことについて、私は論文「国立大学法人の管理運営制度と教員の地位」(『全大
教時報』第27巻第6号、2004年2月)で次のように述べています。
「従来の国立大学の制度では、副学長をおくとしても教授でなければならなかった(国
立学校設置法施行規則第2条第2項)。そして従来の教授会・評議会自治の発想からす
れば、この法的制約が外れても、また役員は教員を兼ねることができないとしても、や
はり主として教員から登用すべきということになる。しかし、研究・教育と経営の分離
を正面から受け止めるならば、役員会はいまや教員の代表ではなく、法人の経営者であ
る。人事・労務担当理事は人事・労務に精通し、これを大学経営の立場から合理的に遂
行できる者が就任すべきであり、それが教員でなければならない理由はないことになる
。外部から適切な専門家を招聘するか、それができないのであれば、学内の幹部事務職
員を人事・労務担当理事とすることも十分に考えられる。学内の事務職員から選任する
ことは、実際にその適性がある人物である限りにおいて、いわゆる「天下り」とは異な
るとみなすべきである。教員の側は、教員から理事を登用することに固執するのではな
く、人事・労務の専門家たる理事に経営責任を負わせ、自らは労働組合を通してこの理
事と交渉すればよいのである」
 この論文では、法人制度化での労使関係の重要性を述べるために役員人事の問題を事
例に用いています。つまり、評議会が最高意志決定機関でなくなり、役員会が経営責任
を負う制度になってしまった以上、役員会を教員代表とみなして、教員から選任するこ
とに固執するのは適当ではない、ということが言いたかったのです。この見解はいまも
変わっていません。そして、元事務局長が国立大学法人の理事になること自体は否定さ
れるべきではないと、現在も考えています。
 しかし、「意見広告の会」事務局との情報交換を繰り返すうちに、理事への就任の仕
方によっては、重大な問題が生じることがわかってきました。それは、元事務局長など
が、「役員出向制度」を利用して、理事に就任している場合です。もっとわかりやすく
言うと、元事務局長などが、国家公務員への復帰を予定して、理事に就任している場合
です。
 国立大学法人の理事は公務員ではありません。ですから、国家公務員たる文部官僚な
どが理事に就任しようとすれば、国家公務員を退職しなければなりません。そして、繰
り返しますが、退職した上で国立大学法人の理事に就任して、その職務に専念してくれ
るならば、そのこと自体は問題ないと私は思います。しかし、一時の職として理事とな
り、その後再び国家公務員となるならば、おおいに問題です。国立大学法人の、国から
独立した法人としての立場、大学の自主性が守れなくなるおそれが出てくるからです。
 復帰を予定した退職など、常識的には考えられません。しかし、「意見広告の会」と
の情報交換により、「役員出向制度」がこれを可能にしていることを知りました。
 「役員出向制度」は、2001年12月25日に閣議決定された「公務員制度改革大綱」に盛
り込まれたものです。そして、2003年の国家公務員退職手当法改正によって、制度化さ
れました。「国家公務員が国等への復帰を前提として退職をし、独立行政法人等の役員
に就任した場合には、退職手当を国等への復帰後の退職時にのみ支給することとするた
め、所要の規定を整備」(2003年6月総務省「国家公務員の退職手当制度の一部改正(
概要)」)したものであり、条文では同法の第7条の3がこれに該当します。改正以前
は、国家公務員が退職して独立行政法人等の役員に就任すると、まず国家公務員退職時
点で退職金が支給され、さらに独立行政法人等の役員を退職した時点でまた退職金が支
給されていました。これは、「天下りして退職金を二重取りしている」という批判を受
けていました。そこで、この改正では、国家公務員への復帰を前提に独立行政法人等の
役員に就任することができる制度をつくり、最初に国家公務員を退職した時点や、次に
独立行政法人等の役員を降りた時点では退職員を支給せずに、復帰後、国家公務員を最
終的に退職した時点でのみ退職金を支給することにしたのです。その際、国家公務員、
独立行政法人等役員、国家公務員の前在職期間を通算して退職金の金額を計算するので
す。もちろん、このためには独立行政法人等の就業規則が、これに整合する期間通算の
規定を持っていることが条件です。
 なお、ここでは「出向」の意味が通常とは大きく異なっており、このことがこの制度
のわかりにくさの一つの原因となっています。私もはじめは理解できませんでした。通
常の用語では、「出向」とは、出向元の企業の従業員としての身分を保持しながら、他
企業(出向先)の指揮監督下で就業することです。そうでなく元の企業を退職して別の
企業に移るのは「退職・採用」であり、親会社から子会社への移動などの場合には「転
籍」とも言われます。「役員出向制度」の場合は、役員就任時に国家公務員を退職する
のですから、通常の用語では「出向」ではないのです。趣旨としては、復帰を予定して
いるから「出向」だということなのかもしれませんが、民間企業では復帰を予定しない
「出向」もありますから、やはりおかしな言い方です。
 ともあれ、これで確かに退職金の二重取りはなくなるのでしょうが、別の問題が生じ
ます。独立行政法人等役員を、公然と、国家公務員のローテーションに組み込むことが
可能になってしまうということです。これでは、独立行政法人等の役員職にふさわしく
ない人物が、省庁のローテーションの都合で送り込まれるのではないか、政府からの独
立性が保てないのではないか、といった「天下り」批判で言われる別の問題が、そのま
ま残るか、かえって悪化しかねません。まして、制度の趣旨からいっても政府からの独
立性が強く求められる国立大学法人に「役員出向」するというのはとんでもないことで
す。文部官僚への復帰を予定した役員は、どうしても文科省の意向に反する行動を取り
にくくなります。従来の事務局長がそのような立場にあったことと同じ問題が、法人化
後も継続します。しかも、法人化以前は事務局長は評議会に参加してはいなかったのに
対して、法人化後は、理事が経営の責任と権限を持っていますから、そうした従属的立
場にあることはいっそう問題です。
 したがって、私は拙稿で述べた立場を次のように補充したいと思います。
 「国立大学法人の理事をすべて教員から選出すべきだという立場には合理性がない。
人事・労務担当理事などは、実際にそれを担う経営能力がある人物が就任すべきであり
、それは外部から来ても元事務局長であっても、それ自体は問題ではない。しかし、元
事務局長などの官僚が、国家公務員への復帰を予定して『役員出向』してくることは、
国立大学法人の政府からの独立性を損なう危険があるので、行うべきではない」。
 現在、国立大学法人の理事に元事務局長が就任している大学については、それが「役
員出向」なのか、そうでないのかをはっきりさせる必要があります。そして、「役員出
向」中の理事については、「役員出向」を中止して国家公務員を完全に退職し、国立大
学法人の経営に専念することを要求すべきでしょう。それに応じない理事は、経営者と
しての資格が問われます。また、「役員出向」は今後実施しないことを各大学の方針と
して明確にさせるとともに、文部科学省には「役員出向」の押しつけを決して行わない
ことを求めるべきでしょう。

※「役員出向制度」の理解については、「意見広告の会」事務局との情報交換がたいへ
ん役に立ちました。お礼を申し上げます。ただし、この文章に表現されている意見は私
個人のものです。

※引用文献
川端望「国立大学法人の管理運営制度と教員の地位」
http://www.econ.tohoku.ac.jp/~kawabata/ronbun.htm
公務員制度改革大綱
http://www.gyoukaku.go.jp/jimukyoku/koumuin/taikou/index.html
国家公務員の退職手当制度の一部改正(概要)
http://www.soumu.go.jp/jinji/pdf/teate_t15a.pdf

2 「排外主義」ニアミスのリスクを冒しても
                   佐賀大学 豊島耕一

 ニュース196にありました,「2−1 東京都立高:日の丸・君が代、生徒指
導に職務命令 2校長」のニュースに本当に憂慮しています.

 攻撃はどんどんエスカレートして行きますが,恐いのは,反撃がこれに比例して
盛り上がっているようでもなく,逆にだんだん慣らされていくのではないか,とい
うことです.このような事態がほとんど「野放し」になっているのは,メディアの
責任もさることながら,民衆の多くがこれを異常だと思わないことが背景にあるの
ではないでしょうか.

 そのような多数の人々の気持ちに割り込むには,つまり「バカの壁」に少しでも
ヒビを入れるには,どのような心理装置が,どのような言説が必要なのだろうか,
と考えます.

 一つには,日ごろから「憎し憎し」と刷り込まれている対象,つまり金正日と,
たとえば石原慎太郎とをうまく重ねる言説を,あるいはむしろカリカチュアがより
有用かも知れませんが,開発することではないでしょうか.たとえ,見かけ上に過
ぎないにせよ「排外主義」にニアミスするリスクを冒しても,です.左翼・リベラ
ル派は「排外主義」を警戒する余り,このまたとない材料を無駄にしているように
思います.

 「戦争責任」という言葉に対しては,26日の毎日新聞に紹介されましたが,長崎
大の高橋眞司氏が「若者の戦前責任」というすばらしい言葉を開発しておられます.

 http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/gakugei/news/20040926ddm002070159000c.h
tml
 http://www.edu.nagasaki-u.ac.jp/private/philnaga/sekininn.html

 文系の人の重要な仕事の一つは,このようなパワーを持つ言説や画像を産み出す
ことではないでしょうか.高い「生産性」をお願いしたいと思います.

3 毎日新聞 朝刊 10/1
 ◇教員側との協力体制の確立説く

 都が都立4大学を統廃合して来春の開学を目指している「首都大学東京」について、
文部科学省の大学設置・学校法人審議会が21日に設置を認める答申をした際、公表し
た5項目の「留意事項」に加え、非公表で「その他の意見」3項目を都に伝えていたこ
とが分かった。「都市教養学部」の名称に疑義を呈したり、教員側との協力体制を確立
する必要性を説いていた。

 設置審は「その他の意見」で、「『教養』という普遍的性格を持つ語に、『都市』と
いう限定的な語を冠することに違和感を覚える場合もある」と指摘したうえで、「開学
に先立ち学部・学科の名称を再検討することを妨げるものではない」と付記した。

 また、「教育研究の質を担保するには、教員の意欲・モラルの維持・向上を図ること
が必要」として、都側に「教職員が一致協力して開学準備にあたる機運の醸成」に努め
るよう求めた。さらに、新大学が使命に掲げる「大都市における人間社会の理想像の追
求」についても、「様々(さまざま)な学問的アプローチが必要」との認識を示し、「
均衡のとれた教育研究体制の構築」に向けての努力を求めた。

「意見広告の会」ニュース196 (2004.9.27)

*ニュースの配布申し込み、投稿は、
  qahoujin@magellan.c.u-tokyo.ac.jp まで、お願い致します。
** 目次 **
1 種々の意味で危機を迎える都立大 
  「都立の大学を考える都民の会ニュース」8号 全面掲載
    タイムリーなニュースとなりました。

2 相次ぐ東京都の教育統制
 2−1 東京都立高:日の丸・君が代、生徒指導に職務命令 2校長
     毎日新聞記事
 2−2〈集会報告〉9.23どうなるの?杉並の学校

 2−3 「日の丸・君が代訴訟(1)―事実経過を中心として」

1***都立の大学を考える都民の会ニュース***
**入会など返信はganbare_toritudai@yahoo.co.jpまでお願いします。***
都立の大学を考える都民の会ニュース8号(2004年9月23日)

−−目次−−
1.首都大学東京の設置認可について
2.都民の会11月14日集会のご案内と呼びかけ
3.最近の動向と主な資料(前回ニュース以降)
4.「都民の会」リーフレットの配布お願い(再掲)
5.関係論文・書籍紹介

■1■ 首都大学東京の設置認可について

 9月21日、国の大学設置・学校法人審議会は、都立の4大学を統合し
、来年4月の開設をめざす「首都大学東京」の設置を認めるよう文部科学
大臣あてに答申しました。これにより、「首都大学東京」が9月末に認可
される見通しとなりました。
答申に当たって、審議会が付けた留意事項は以下の5点です。なお、こ
のほかに公表されていない「その他意見」が3点ある模様です。
1.既設大学の教育研究資源を有効に活用し、統合の趣旨・目的等が活か
されるよう、設置者及び各大学間の連携を十分図りつつ、開学に向け、設
置計画(教員組織、教育課程の整備等)を確実かつ円滑に進めること。
2.名称に「都市」を冠する「都市教養学部」の教育理念を一層明確にし
、これにふさわしい特色を持つ体系的な教育課程の編成に一層の配慮をす
ること。特に分野横断型の「都市政策コース」や「都市教養プログラム」
等、要となる科目群の教育内容について独自性が十分発揮されるよう、そ
の充実を図ること。
3.関係組織間の適切な連携の下、単位バンクシステムや学位設計委員会
等の新たな試みが円滑かつ有効に機能するよう努めること。
4.学生の選択の幅を拡大するコース制等を導入するに当たっては、大学
設置基準第19条に掲げる教育課程の体系的な編成に十分留意すること。
また、学生が科目等の選択を円滑に行えるよう、きめ細やかな履修指導体
制の一層の充実を図ること。
5.平成18年度開設に向けて構想されている新たな大学院については、
新大学の趣旨・目的等にふさわしいものとなるよう十分に配慮した上で、
その構想を可及的速やかに検討し、示すこと。

■2■ 都民の会総会ならびに11月14日集会のご案内と呼びかけ

 私たち「都立の大学を考える都民の会」も、昨年11月1日の結成以来
、早いもので一年が経とうとしています。皆さん、本当にお世話になりま
した。つきまして、この間諸状況の様子をみるために、当初予定の3月か
ら延期しておりました総会を、この1年の節目を期に、来る11月14日
(日)に開催することにしました。
 また、同日、総会にあわせて、「このままでいいのか?都立の大学」と
いうテーマの集会も開催します。この集会では、12月都議会での新大学
定款論議を前に、「本当にこんな大学の設置を認めていいのか?」という
点での一致を求めて、学内の各諸団体から発言を求め、あわせて、学外の
都内・都政の各領域で起こっている諸問題についても短い報告をいただき
ながら、学内の取り組みを学外から応援していくことを考えています。そ
れに加えて、この間学内諸団体・個人間で、意見表明や取り組みについて
若干の「不協和」や「齟齬」が生まれているかにみえる状況に対して、都
民の立場から改めて、「立場や意見は異にしていても都立の大学の良質な
蓄積を守り、また学生・院生の権利を守るという点で一致を」との声を届
ける会にもしたいと考えています。
 みなさん、どうぞふるってご参加ください。

総会+「このままでいいのか? 都立の大学」集会
日時
11月14日(日)
 午後1:00〜4:00 集会
 午後5:00〜6:30 総会
場所
三省堂ホール(東京都新宿区西新宿4-15-3 三省堂新宿ビル内)
(新宿駅西口から徒歩15分。都営地下鉄大江戸線都庁前駅から徒歩5分

(新宿駅から見て、都庁を過ぎて新宿中央公園を通り抜けた向こう側です
。)
*追って、チラシも準備します。まとまった部数をご入り用の方は、事務
所までファックスもしくは、会あてにEメイルにてご連絡ください。

■3■ 最近の動向と主な資料(前回ニュース以降)
 9月初旬の世話人会で、会の賛同団体でもある教職員組合の方々から、
この間の動向について少しまとまった報告をいただきました。すでにそれ
以降で、設置認可の答申などの新たな状況も生まれていますが、今号の「
最近の動向」は、その際の報告記録をもとに編集しました。
(なお設置認可に関する教職員組合の見解については以下のリンクを参照
ください)http://www5.ocn.ne.jp/~union-mu/0924.htm

1)7月以降の動向について
 7月13日に文部科学省から「新大学」の早期認可見送りとの内示があ
った。その直後に大学管理本部幹部の人事異動があった(山口一久本部長
、大村参事などが異動)こともあり、「早期認可見送り」という事態への
対応に混乱が生まれた。その中で、本来何の関係もない、昨年の賃金確定
闘争での組合役員への処分軽減を理由にした、研究費の懲罰的「執行停止
」などの問題も起きた。
 文部科学省から提示された認可見送りの正式な理由は、4月提出書類と
7月時点での教員配置計画とのズレが大きく、審査の前提が崩れている(
から審査はしない)ということ。既に学部での教員配置が25名不足してい
たとの情報は公になっているが、「不備」はそれだけではない。公表され
ていないが、大学院担当教員でも数十名、非常勤講師では百数十名の「ズ
レ」があったようだ。そこで文科省としては7月提出書類(実態)に即し
て4月提出書類を書き直せ、という指導になった。
 教職員組合の観測では、「経済財政諮問会議」や経済産業省、総務省な
どからの「規制緩和」圧力のもとで、文科省、設置審は、理念や制度上の
問題点を十分認識はしていたが、「書類上の不備」として処理したのでは
ないか。
 8月26日、27日には「大学説明会」が開催された。26日は南大沢
で開催され参加者は1500名、27日は日野でも行われ参加者は1200名だっ
た。合計で2700名で多く見えるが、例年のオープンキャンパスには都立大
学だけで大体5000名の参加者があるので、事実上例年の半分の参加者とい
うことになる。「新大学」の都市教養学部の文系の説明には前田法学部長
が立った。「人文、法のコースでやることは基本的にはいままでと変わら
ない」「経済はより実践的なことが学べる」というような説明をしていた
。「経済学」が学べなくなってしまったことについてはほおかむり。全国
36万人が受験したベネッセの模擬試験では、「新大学」の経営学コース
を志望とした人は全体の中でたった2人しかいなかったという。これも受
験生からの「新大学」への評価だろう。
 研究費の半分近くをカットした上での、「傾斜配分」の先行的試行の問
題では、結局ほぼ申請通りの執行が認められることとなったので、結果と
しては当初想定されていたよりは「実害」は少なくなった。しかし、これ
を「試行」させてしまったことは重大な問題。来年度以降、より露骨な研
究誘導や懲罰的予算配分が行われるのではないかと懸念している。

 2)9月以降の状況・見通しについて
 「新大学」を運営することになる「公立大学法人」の定款の問題が、9
月以降一つの焦点になる。現在これを総合的に批判する文書を準備してい
るところ。都議会に提案されるのは12月になるだろう。
 現時点の案では「新大学」の法人役員はほとんど新宿にいることになる
。だから実際にそれぞれの大学のキャンパスで見かけることはほとんどな
い、という状況になると思う。
 設置認可については、9月13日からの週に内示があるだろうと言われ
ている。ただ9月に認可が下りなかった場合、理工系の大学院入試は大き
な打撃を受ける。ただ、教員のほうで「首都大学東京」の大学院への進学
を薦めても、学生のほうが「いや、行きたくありません」と答える例も出
てきている。

 3)学内状況について
 今年の春くらいから4大学の教員の中で、「新大学」への対応をめぐっ
て「違い」がはっきりしてきた。転機となったのは2、3月の「意思確認
書」をめぐる攻防。ここで都立大執行部や人文学部では、新大学で人文学
部を専攻としていかにして存続させるか、また、オープンユニバーシティ
所属も含めて全教員をいかにして大学院所属にするか、を中心課題として
追求した。管理本部の側もこの時期「強硬姿勢」を強めるとともに、一方
で「人文の要求を飲むよ」という形で様々な揺さぶりをかけてきた。部分
的譲歩を得た一方で、大学全体の運動が分かりにくくなり、現状評価を巡
る教員たちの認識の「一種のずれ」が生まれてきた。紆余曲折があったが
、経済COEグループの新大学からの「排除」や、法学部での相次ぐ「非
就任」の意思表明などが一つの流れとなり、現在それらの教員が中心とな
って「首大非就任者の会」として活動を活発化させている。あるいは、現
状を管理本部に対する大学側の一方的な妥協ととらえて批判する声もある

 実際は7月には認可されなかった。認可が下りなかったこと自体は大学
内外の批判、運動の反映ではあるが、一方で、そのために学内の教員の意
識のずれ状況がそのまま続いていくことになってしまった。
 現時点で「新大学」への対応をめぐって、教員は大きく3つくらいのグ
ループに分かれている。
 ひとつは先ほど触れた「首大非就任者の会」で、よい「首大」などあり
得ないとする立場。「新大学をよりましなものにする」というスタンス自
身を批判している。
 次に「開かれた大学改革を求める会」の有志グループ。ここは新大学開
設の「1年延期」を明確な方針として掲げている。
 これらのグループは数としては少数ではあるが、その主張は共感する教
員は多いと思う。また、次の「四大学教員声明の会」とも重なっているメ
ンバーが多い。
 これまで一番多くの教員をカバーしてきた「四大学教員声明の会」は、
基本スタンスとしては「新大学」をよりよいものにしていこうというもの
。その中で一つの選択肢として「開設の1年延期」もあり得るとしている
。ただ先に見た状況の中で、四大学教員声明の会は具体的な行動が取りに
くくなっている。特にこの会を中心的に支えてきた理工系の教員の中で、
「嫌だな」「納得できない」と思いつつも、様々な理由で入試も含めた新
大学発足のための準備を進めて行かざるを得ないということがその背景と
してある。
 大多数の教員は、この「四大学教員声明の会」の立場に近いと言えるだ
ろう。大事なことは、主張の違いはあっても、相互に非難や中傷がなされ
るわけではなく、少なくとも現時点では、互いに協力、協同しようという
姿勢を誰もが持っていることだと思う。
 このような状況の中で教授会は非常に機能しづらい状態になっている。
新大学の準備作業は実務段階に入っているので教授会の議論をパスして行
われる状況になっている。現大学に関わること以外の、新大学に関して何
かスタンスや立場・意見を明確にしなければならないような議題は扱いに
くい状況である。

■4■ 「都民の会」リーフレットの配布ご協力お願い(再掲)

 前号でもお知らせしました「都民の会」による都立の大学改革に関する
リーフレットは、まだいくらか残部があります。皆さんの周囲でおおいに
配布拡大してください。カラー刷りで大変綺麗な出来です。ご一報いただ
ければ早急に手配しますので、下記の要領でご連絡下さい。

◇配布拡大方法:
 都民の会事務所・事務局あて、FAXかE-mailにて、「送付あて先」と「
送付枚数」をお知らせ下さい。1週間程度でお送りします。後日、送料分
程度のカンパを振り込んでいただけると幸いです。(毎週木曜日が事務作
業日ですので、その直前に連絡いただけると速やかにご送付できます)

■5■ 関係論文・書籍紹介
・ 大串 隆吉(東京都立大学人文学部教授)「法人と大学との一体化は
、学校教育法の否定ではないのか?」(東京都立大学・短期大学教職員組
合『大学に新しい風を』第3号)
http://www5.ocn.ne.jp/~union-mu/newwave3.doc

・ 人見 剛(東京都立大学法学部教授・図書館長)「地方独立行政法人
法と公立大学法人化──東京都の大学「改革」を中心に──」(『労働法
律旬報』1582号4〜10頁)
http://www.kubidai.com/modules/xfsection/article.php?articleid=14

・ 人見 剛「東京都による大学「改革」の法的問題点」(『法律時報』76
巻3号74頁〜79頁)
http://www.kubidai.com/modules/xfsection/article.php?articleid=13

<以下、再掲>
 東京都立大学・短期大学教職員組合・新首都圏ネットワーク編『都立大
学はどうなる』(発行・花伝社 定価: 税込840円)のご案内
 都民の会賛同者限定のお得な購入方法 → 発行元の「花伝社」に電話
・FAX・Eメイルにて購入希望をご連絡下さい。その際、「都民の会賛同者
」である旨明示されれば、送料無料で発送されます。代金は、書籍に同封
されている振替用紙でお支払い下さい。請求は、振込手数料分があらかじ
め差し引かれた額となっています。これは教職員組合の取り計らいによる
「都民の会」賛同者限定割引です。
花伝社連絡先 → TEL 03-3263-3813 FAX 03-3239-8272
E-mail kadensha@muf.biglobe.ne.jp

以上

「都立の大学を考える都民の会」
ganbare_toritudai@yahoo.co.jp
http://www.geocities.co.jp/CollegeLife-Lounge/3113/index.html

2−1 東京都立高:日の丸・君が代、生徒指導に職務命令 2校長

 卒業式や入学式での「日の丸・君が代」問題で、東京都立の2高校の校長が教職員に
対し、生徒が「日の丸」に向かって起立し「君が代」を斉唱するよう指導を義務付ける
職務命令を出していたことが、分かった。都教委は昨年10月、教職員本人に起立と斉
唱を義務付ける通達を出し、従わない教職員を懲戒処分の対象にしているが、生徒の行
動で担任教員らを処分する職務命令は全国で初めて。

 職務命令を出したのは、10月2日に創立80周年記念式典を迎える深川高(江東区
)と、同じ日に開校式を予定している新設の千早高(豊島区)の校長。今月下旬、教職
員全員に「学習指導要領に基づき、適正に生徒を指導すること」とする職務命令書を手
渡した。これにより、生徒が大量に起立しなかった場合、担任らが地方公務員法違反と
して懲戒処分の対象となる。都教委は今月、都立学校の校長らに対し、「生徒指導」を
盛り込んだ職務命令を出すよう口頭で指示した。

 これに対し、都高等学校教職員組合は「処分を前提に生徒の内心の自由に踏み込み、
来春の卒業式に向け、強制しようとしている」と批判している。

 都教委は今春、卒業式や入学式での不起立などを理由に、教職員約230人を減給や
戒告処分にし、嘱託教員ら9人の雇用を取り消したほか、生徒への指導不足などを理由
に校長ら67人を「厳重注意」などとしていた。【奥村隆】

毎日新聞 2004年9月27日

2−2〈集会報告〉9.23どうなるの?杉並の学校 
文責:山本

9月23日の集会は、事前に呼びかけた区議会文教委員会の区議〈10名全員に呼びか
けました。〉から出席いただけた2名。
教育委員会・文教委員会を退職後継続して傍聴し続けている元教員。
杉並区中学校教員1名。小学校教員1名。品川区教員からの報告1名。
中学校保護者1名。
の7名から現状の報告をしていただき、その後参加者〈教員・区議<他区含む>・保護
者〉49名による話し合いを行いました。

−−−−−−
1.「自由」という名のもとでの強制

「学校希望制」という形であたかも保護者や子どもが学校を「選べる」という選択制
を導入し、杉並区は3年たった。この破綻の結果がまず、今回の「学校規模適正配置」
だ。つまり、「希望制」の結果、生徒が増えすぎた学校の現場は混乱する。今回、中学
2校・小学校2校の学区割りを狭くして、これに対応しようという。

大規模校の中学教員は、「現在、40人学級で1年5・2年4・3年5クラス編成。
しかし、本来この学校は4・4・4学級の3学年編成の施設。プレハブでの対応になっ
ている。これについて今回の学区変更によって解決されるのか?という問いに対しても
、行政側は、『一連の流れが収まらないとわからない』という。そもそも、学区を狭め
るといっても、学校希望制はそのまま(抽選にて30名⇒10名限定に変更)で解決でき
るのか?」破綻している学区の自由化を断固認めないところにまず行政に無理がでる。

 突然プレス公表された「ゆびとま」(正式名称「杉並区学校ゆびとま情報収集手続き
」)は、教員に願書を配布し、志願者はこれに異動希望をその理由を沿えて提出、受け
入れ校の校長がこれを承認したら、異動希望が承認されるというもののようだが、いか
にも人事権を握りたがっている杉並区長らしい。果たしてこれが、実際にできるのかど
うかも疑問だが、これも教員に「自由に選べますよ」といいながら「校長の言うとおり
やります。」と宣言させる強制力になる。
 都立高でも2年前から学区が自由化されたが、その際、受検希望者は志望校に「自己
PRカード」を書かせるようになった。これも子どもが「学校の特色」にあわせて自分
を描きだすことを強制されるものだ。

 さらに、小中一貫校の構想も出てきている。
すでに、この構想が具体化している品川区では、「平成18年・19年に2校づつ開校
」という計画
だそうだが、そこでははっきり2校は進学重視のエリート校、1校が「特色ある学校」
1校が「基本の学校」と差別化を打ち出す。都立高校の改革路線と同じだ。
また、すべての科目で学年の前倒し授業カリキュラムを組むそうだ。公立校でいわゆる
受験はできない。ならばどうやって選別するのか?結局「選ぶのはあなたですよ。」と
いいながら選別の枠組みに「自ら」組み込むことを強制される。
ちなみに、品川区の学校説明会で、区教委の指導主事は「この学校は生活指導上問題あ
る子どもがいるとは想定されていません。」と言明したという。幼稚園児のうちからそ
んなことわかるのか?

杉並区の小中一貫校の候補と噂される学校に通う保護者は言う。
「『小中一貫校になるというが、本当か?』と問えば『まだそれはわからない。』と、
情報は閉ざされる。噂だけが先行することで返って保護者は不安になり、戸惑い、入学
を控えようという者も多くなる。品川のようなエリート校を作るのなら、普通の地元の
子どもはどうなるのか?保護者としては地元の子どもの入れる学校をまず望みたい。」
「上の子が中学にいたのは6年前、土曜日も授業があり時間ものびのびしていた。けれ
ど、今回様子ががらりと変わった。“自由”というが、本当に子どもは解放されている
のか?」

2.子ども不在の効率主義

 今回「学校規模適正配置」とされる学校規模に満たない学校は順次統廃合の対象とな
る。「適正規模に満たない」とは、40人学級は変えず、小学校6学年12学級、中学
校9学級に満たない学校をいう。この数字を機械的に当てはめれば、杉並区では小学校
は1/4、中学校は1/3の学校が姿を消すことになる。今回「統合」(行政は統廃合とは
絶対いわない。)対象校は小学校で若杉小を杉5小へ「統合」。しかも敷地面積が広く
駅に近い若杉がなくなり、わざわざ狭い敷地の杉5小への「統合」である。そこには、
「土地が高く売れる」というご都合主義が読み取れそうだ。若杉小は現在1クラス24
名〜30名の成員で非常に学級運営はうまくいっているが、「統合」すれば、40人ぎ
りぎりのクラス成員になってしまうという。

 中学校は神明中を廃止し、隣接校の3校に振り分けるという。しかし、この件を調べ
始めているという保護者の指摘によると、5年後の児童数は神明中はかえって増える推
定数字が出ているということ。この保護者は、上の子どもで都立荻窪高校の統廃合問題
に直面している。そこで見えてくることは、校舎老朽化などの根拠の提示方法が、都立
高校の統廃合の提示とまったく逆だそうだ。(具体的には、ちょっと手元に資料がなく
いえません。すみません。)いずれも、統廃合は「始めに金勘定ありき」の発想で、子
ども不在は明らか。少子化の今だからこそ、まず30人学級を実施してほしいものだ。

この統廃合は、学校にとっては、学区自由化のもと、学校の努力・特色化で生徒の確保
をし、何とか統廃合対象校にならないよう努力することが強制される。中学の教頭は小
学校へ「営業」に奔走することがさらに促進される。教員は学校のアピールになること
ばかりを考えることになる。子どもが見えない。

3.企業論理に「学んだ」競争原理

 基本的に、学区自由化も「ゆびとま」方式も教員や学校間に持ち込まれた競争原理と
いえる。さらに子ども間にもこの競争原理は持ち込まれる。小学校の早い時期から(な
んと1年から導入という学校もあるという!)習熟度別クラス編成、少人数指導の導入
である。基本クラスとしての少人数学級は認めないまま、教員に子どもに松・竹・梅の
ランクをつけていく。

品川区ではこの習熟度別編成について、行政は「一番の成果は、教師に振り分ける“い
たみ”がなくなったことだ。」と発言したという。教員は、「少人数指導の振り分けに
追われ、成果が上がらなければ生徒に宿題を増やし、子どもはゆとりを奪われ、教員も
子どもと接する時間が奪われる」という。

 杉並区も、小学生の中学年からの一斉学力テストとスポーツテストの実施が導入され
、こどもは「たくましい」ことも求められ、データー管理される。そしてクラスで学力
テストの成果が出なければ教員の責任、学校の平均が悪ければ学校の責任とされ、「自
己責任」とされる。

小学校の教員は言う。「今、公教育が変えられようとしている。教師間、学校間、そし
て子ども。教育基本法の規定する教育の機会均等が壊されている。教員は公務員として
憲法・教育基本法を守ることを誓約しているが、それを破るようなことをさせられてい
る。」

4.民主主義の形骸化

 9月21日朝日新聞夕刊におどった先に述べた「ゆびとま」方式だが、この手続きは
ほとんど区民無視したものだった。すでに、組合ではこの問題が危惧され、9月14日
に、教育委員会とも話し合いを持ったという。そのときは、「まだ決まっていません。
」とし、もし何かあれば、教員組合とも話し合いの場を持つことを約束していた。しか
し、突然の発表。21日に教育委員会でこの問題がはじめて出され、その日のうちにプ
レス発表。区議会文教委員会は22日であった。つまり、区議会議員の討議を待たずに
決定、発表されたのでる。あまりにも区民(その代表の区議も含む)を無視したものだ
ったといえる。〈※ただし、この教員公募制は、共同通信26日付け記事によるとやは
り人事権を握る東京都と確執があるようだ。〉

 杉並区は3年前に決定(その後何点か改定)した「アクションプラン」という教育改
革方針を公表し、これにもとずく改革を行うとしている。その「プラン」にはでていな
い「地域運営学校」(学校運営協議会により学校運営を進める)という計画も、9月に
入り発表された。

これについて、区議会文教委員が問いただしたところ「『すぎなみ5つ星プラン』にで
ている。」ということ。しかし、この「プラン」は今年の8月に公表されたばかりのも
のである。計画自体が場当たり的に出されたものといわざるを得ない。

また、「教育立区」の実現をめざすとして、基本条例推進をめざす推進本部を設けると
した。そこでは本部長に区長部局(助役)を置き、副本部長を教育長とする。つまり、
教育委員会の独立性を奪い、著しく区長権限を拡大するにつながるのである。このよう
な動きは、教育基本法の改悪の方向に一致する。

6月にでた「与党教育基本法改正案 中間報告要旨」によれば、教育基本法第10条「教
育は、不当な支配に服することなく、国民全体に対し直接に責任を負って行われるべき
ものである。2 教育行政は、この自覚のもとに、教育の目的を遂行するに必要な諸条
件の整備確立を目標として行われなければならない。」という現行の条文を、「教育行
政は不当な支配に服することなく国・地方公共団体の相互の役割分担と連携協力の下に
行われる。国は教育の機会均等と水準の維持向上のための施策の策定と実施の責務を有
する」と変えようとしている。「教育は」という主語は「教育行政」に変えられ、「国
民全体に…」の文言は失われ、行政の「役割分担と連携協力」を強調する。まさに、こ
の先取りではないか?

ところで、学区の変更、学校の適正配置についての区の「たたき台」について、現在意
見募集がでている。これについて、区議会本会議での答弁のヒトコマが紹介された。
意見募集をしてどう反映させるのか?の質問に対して、「区民の意見については、区の
方針に沿うものについては反映させる」と答えたとのこと。
最近、東京都にしても、国にしても同様の手法が用いられるが、「アンケートに基づく
」「区民の声による」といわば<世間>の声であるかの様なポーズをとるという手法は、
無言の強制力となって市民を取り込んでいく。そして、反対意見は多数となっても圧殺
するという姿勢は、まさに民主主義の死滅であると思う。

今の杉並区の教育行政を見ていると、まさに民主主義の死滅の縮図である。
「自由」というのなら、なぜ、「君が代」を歌わない自由を認めないのか?学校の特色
化をいうのなら、なぜ、日の丸を掲げない学校、君が代を歌わない学校を認めないのか

競争と、「心のノート」や道徳の強化による子どもの心の抑制、教員の統制強化、この
徹底の向こうには何があるのだろうか?
「長崎の事件を杉並で起こしてはいけない。長崎は、心のノートを使った道徳教育を徹
底し、早くから競争原理の教育の導入をしている。その結果があの事件だったのではな
いか?」という発言が強く残った。

5.私たちになにができるか

・まず、杉並区に、いま公開されている「学校規模の適正化・適正配置」の「たたき台
」へのパブリックコメントに意見を出そう。
http://www2.city.suginami.tokyo.jp/news/news.asp?news=2525
(区民・区内在学・在勤者が意見を出せます。)

・品川・杉並・練馬の意見交換があったが、これは杉並特有の問題ではない。文科省の
中教審を踏まえ、都の方針を踏まえてのことである。(自治体もやっぱり「ゆびとま」
方式!?〉今後、広く他の市区とも意見交換をしていこう。

・少子化の今だからこそ、30人学級の実現を求めよう。

・保護者・教員・市民の垣根を取り払い、今後もつながりあおう。
 時間はかかるけど、まだこんな状況を知らない保護者たちがほとんど。井戸端会議的
な話し合いでぜひ広げていこう。

  杉並の教育を考えるみんなの会
  sugimina@jcom.home.ne.jp

2−3 「日の丸・君が代訴訟(1)―事実経過を中心として」
      自由の風ネットワークから

法学館憲法研究所HPからの紹介です。
http://www.jicl.jp/now/saiban/backnumber/hinomaru.html

なお、この法学館憲法研究所のリンクは「学校に自由の風を」HPに貼ってあります。
こちらのHP紹介もしてくださっています。
(山本)

ーーーーーーーーーーー

「日の丸・君が代訴訟(1)―事実経過を中心として」
弁護士 川口 彩子さん(横浜弁護士会)
 昨年10月,東京都教育委員会は,全ての都立高等学校及び都立盲・ろう・養護学校
の卒業式・入学式・創立記念式典等の学校行事において,「国歌斉唱はピアノ伴奏等に
より行う」「教職員は国旗に向かって起立し国歌を斉唱する」などとする通達を発令し
た。そして同時に,職務命令に従わないで不起立ないし不斉唱,ピアノ伴奏を拒否した
教職員は処分することを宣言した。

 今年3月4月の卒業式・入学式には,数名の都教委職員が,不起立の教職員を監視す
るために派遣された。これまであたたかく感動的な雰囲気のもとに行われてきた卒業式
・入学式は,教職員にとっての「踏み絵」の場と変容させられたのである。

 君が代斉唱時に不起立だった教職員には「戒告」という極めて重い懲戒処分に処せら
れた。卒業式・入学式ともに不起立だった者に対しては「減給」である。この先にある
のは「免職」か。今の都教委はそれすらも辞さない構えにみえる。

 定年退職後,嘱託員として4月からの再雇用が決まっていた教員は,3月30日,新
年度のわずか2日前になって突如として解雇された。新年度の時間割も決まっていたの
に。

 今年8月には,戒告処分・減給処分を受けた教職員に対し「再発防止研修」なるもの
が課せられた。この研修では,自分の「非行」について「反省文」を書けというのであ
るが,自分の信念に基づいて行動した教職員に「反省文」など書けるわけがない。しか
しこれに先立つ6月の都議会では,自民党のある議員が教育長に「反省をしていない者
を教員として教壇に戻すことがあってはならないと考えますがいかがでしょうか」と質
問し,教育長は「研修の成果が不十分な場合には研修は終了とならず,再度研修を命じ
ることになります」と答弁する場面があった。「生徒の前に立たせない」という圧倒的
な威力をもって教職員らに「転向」をせまり,屈服させようとしていたのである。

 これに対し,研修対象者らは,都教委のやり方はあまりにも内心の自由を害すものだ
として,研修に先立ち,東京地裁にその研修命令処分の取消しとその執行停止を求める
裁判と申立てを行った。東京地裁は「現段階では研修の内容が具体的に明らかではない
」として執行停止の申立て自体は却下したが,「何度も繰り返し同一内容の研修を受け
させ、自己の非を認めさせようとするなど,公務員個人の内心の自由に踏み込み,著し
い精神的苦痛を与える程度に至るものであれば…違憲違法の問題を生ずる可能性がある
」と都教委に対し決定的な警告を与える決定を下したのである。果たして研修当日は,
裁判所の警告が効を奏し,都教委は内心の問題には一切触れることができず,研修対象
者らも「反省文」を書くことなく研修を終えることができた。

 日の丸・君が代問題は,都教委にとっても教師たちにとっても最後にして最大の攻防
戦である。都教委はここを突破すればもはや教師たちに抵抗する力は残らないと考えて
いる。つまり全て思うがままに学校を支配できる。学校教育は普遍的に行われる。そこ
で広く子どもたちに対し一方的な価値観を注入することも可能となる。例えば「つくる
会」の教科書には「『南京大虐殺』とか『従軍慰安婦』といった嘘は一切書かれていま
せん。」とのことであるが,今年8月,東京都の教育委員7名のうち6名が,来年新設
される中高一貫校の教科書には「つくる会」の教科書がふさわしいとしてこれを採択し
た。今,教師たちが闘っている相手はまさにこの都教委である。

 2004年1月31日,都立高校の教職員228人が原告となって,都教委に対して
は,国歌斉唱時の起立義務・斉唱義務がないこと,音楽教員にピアノ伴奏の義務がない
ことの確認と,これらの拒否を理由とする処分不作為を請求し,東京都に対しては,通
達発令以来の精神的苦痛に対する慰謝料を請求する訴訟を提起した。これを私たちは「
予防訴訟」と呼んでいる。5月31日には2次訴訟が提訴され,現在原告は450名と
なっている。東京都の人事委員会においては,処分を受けた教職員が,懲戒処分の取消
しを求める審査請求を行っている。また,6月17日には,解雇された9人全員が一丸
となって解雇無効裁判を提起した。裁判には毎回,傍聴席の数を超える傍聴希望者がか
けつけ,傍聴券の抽選が行われている。入れなかった傍聴希望者のため,裁判後には必
ず報告集会を行
い,裁判の進行についての説明や原告が傍聴に来てくれた方に直に訴える機会をとって
いる。もしこの問題に興味のある方はぜひ1度裁判に来てみていただきたい。東京都の
教育で何が行われているのか,ぜひ見てもらいたい。

次回の裁判は「予防訴訟」が12月20日(月)13:30〜,「日の丸解雇裁判」が
10月14日(木)16:30〜である。

ーーーーーーーーー転載終わり
自由の風ネットワーク http://comcom.jca.apc.org/freedom/

2004年09月25日

「意見広告の会」ニュース195 2004.9.25

Date: Sat, 25 Sep 2004 02:03:52 +0900

*ニュースの配布申し込み、投稿は、
  qahoujin@magellan.c.u-tokyo.ac.jp まで、お願い致します。
目次
1 調査報告 国立大学法人学長の報酬
2 種々の意味で危機を迎える都立大
  「手から手へ」2299  設置審の「その他意見」も明らかになる
3 都高教都民集会のご案内 10月16日(土) 社会文化会館ホール
   「卒業式・入学式に関する都教委通達の撤回を求める会」

1 調査報告
 学長(役員)報酬に見る大学格付けの旧態依然

国立大学法人の役員報酬は、現在、各大学の学長・役員会・経営協議会などに決定権がありますが、その実態と言えば、昨年度までの「国立大学」時代の「大学序列」をそのまま踏襲しているということが、明確になりました。

「学長報酬」を2003年度と同額とし、そのことによって2003年度の旧「大学序列」をそのまま引き継いでいるわけです。

「評価委員会」はそのことをどう「評価」しているでしょうか。

*細目
1−1 前提資料 
 文部科学省による大学序列表 

1−2 前提資料
 学長の指定職の号俸にみる大学序列表 

1−3 前提資料
 人事院 「指定職俸給表について」より

1−4 調査報告 国立大学法人学長の報酬
 
1−5 資料(再録)
 国立大学法人評価委員会 (役員報酬についての説明・議論部分)



1−1 前提資料 
・文部科学省による大学序列表 
   2001.9.3独行法反対首都圏ネット事務局 

<参考資料として、「 学長の指定職の号俸にみる大学序列表」を最後に追加しました。(2001.9.20)>

文科省は全国99大学を主として大学設置順によって、旧帝大、旧官立大学、新7大学、部制大、その他大の5グループに厳格に序列化している。旧文部省によって作成され、文科省に引き継がれた表がその序列を示している。

旧帝大=第2次大戦終了(1845.5.15)以前にその前身が帝国大学として設立されたものである。ただし、筑波大学(1973.10.1設立)のみは例外として、旧帝大グループに属している。

旧官立大=第2次大戦終了以前にその前身が大学として設立されたものである。例えば、一橋大学は、1920.4.1に東京商科大学として設立された。

新7大=第2次大戦終了後、新制大学成立(1949.5.31)より前にその前身が設立されたものである。例えば、鳥取大学は、1948.2.10に、米子医科大学として設立された。

部制大=新制大学成立後に設立された大学のうち、事務組織に “部制”がとられている大学である。例えば、北海道教育大学には、事務局長の下に総務部長が配置されている。

その他大=新制大学成立後に設立された大学のうち、事務組織に“部制”がとられていない大学である。例えば、室蘭工業大学には、事務局長の下に総務部長はおらず、直接総務課長が配置されている。

病院格付とは、旧官立大学と新7大学を医科大学(付属病院)の設立年次で区分けしたものである。旧6官立大とは、旧官立大から附属病院を有しない東京工業、一橋をはずし、さらに第2次大戦終了以前に医科大学(付属病院)設立のなかった神戸と広島を除いた6大学を指す。新8大とは、新7大に、第2次大戦終了後、新制大学成立(1949.5 .31)より前の1948.3.10に設立された広島県立医科大学を前身母体の一つとする広島を加えた8大学をさす。

この間の「大学改革」は殆ど例外なく、この序列に従って実行された。課長以上の本省人事もこの序列の中で進められている。こうして大学の序列化が長期亘って推進されたのである。文科省『中間報告(案)』では、この序列化推進によって形成された厳然たる格差を、「置かれている状況や条件」だと人ごとのように言い、それを踏まえて、“「多様化」「個性化」せよ”と命じている。それは、明治時代以来の大学ヒエラルキーをさらに制度的に固定しようとするものである。

【旧帝大】北海道、東北、東京、名古屋、京都、大阪、九州、筑波
【旧官立大】千葉、東京工業、一橋、新潟、金沢、神戸、岡山、広島、長崎、熊本
【新7大】弘前、群馬、東京医科歯科、信州、鳥取、徳島、鹿児島
【部制大】北海道教育、旭川医科、岩手、秋田、山形、茨城、宇都宮、埼玉、東京学芸、東京農工、横浜国立、長岡技術科学、上越教育、富山、富山医科薬科、福井医科、山梨医科、岐阜、静岡、浜松医科、愛知教育、名古屋工業、豊橋技術科学、三重、滋賀医科、大阪教育、兵庫教育、島根医科、山口、鳴門教育、香川、香川医科、愛媛、高知医科、佐賀、佐賀医科、大分医科、宮崎、宮崎医科、琉球、北陸先端科学技術大学院、奈良先端科学技術大学院
【その他大】室蘭工業、小樽商科、帯広畜産、北見工業、宮城教育、福島、図書館情報、東京外国語、東京芸術、東京商船、東京水産、お茶の水女子、電気通信、福井、山梨、滋賀、京都教育、京都工芸繊維、大阪外国語、神戸商船、奈良教育、奈良女子、和歌山、島根、高知、福岡教育、九州芸術工科、九州工業、大分、鹿屋体育、総合研究大学院

《病院格付》
【旧6官立大】千葉、新潟、金沢、岡山、長崎、熊本
【新8大】弘前、群馬、東京医科歯科、信州、鳥取、徳島、鹿児島、広島



1−2 前提資料
・学長の指定職の号俸にみる大学序列表 
2001.9.19  [he-forum 2551] 学長の指定職の号俸にみる大学序列表

独行法反対首都圏ネット事務局です。
次のような投稿がありましたので、紹介します。



「文部科学省による大学序列表」に、参考として学長の指定職号俸も入れておくとよろしいかと思いましてメールいたしました。

人事院規則9−42別表をみると

指定職12号俸 東京大学長、京都大学長

   11号俸 北海道大学長、東北大学長、筑波大学長、名古屋大学長、大阪大学長、九州大学長

   10号俸 千葉大学長、東京工業大学長、一橋大学長、新潟大学長、金沢大学長、神戸大学長、岡山大学長、広島大学長、長崎大学長、熊本大学長

    9号俸 弘前大学長、秋田大学長、山形大学長、群馬大学長、東京医科歯科大学長、信州大学長、岐阜大学長、三重大学長、鳥取大学長、山口大学長、徳島大学長、愛媛大学長、鹿児島大学長、琉球大学長

    8号俸 その他の大学長

となっています。

「文部科学省による大学序列表」の分類でいきますと、旧帝大が11と12号俸、旧 官立大が10号俸、新7大と部制の一部が9号俸ということになります。



1−3 前提資料

・人事院 「指定職俸給表について」より(説明は2003年版、俸給月額は現行)(*俸給月額は、いわば毎月の基本給です)

号俸 俸 給 月 額
1 573,000円
2 636,000円
3 704,000円
4 783,000円
5 843,000円
6 906,000円   1−6  本省の局次長、審議官、外局の次長
7 991,000円   
8 1,069,000円   7−8  本省の局長
9 1,146,000円   外局の長官
10 1,227,000円 内閣府審議官等
11 1,301,000円  事務次官
12 1,328,000円  東京大学長 京都大学長



1−4 調査報告 国立大学法人学長の報酬分類
【旧帝大】
北海道      総長       1301000円
東北       総長       1301000円
東京       総長       1328000円
名古屋      総長       1301000円
京都       総長       1328000円
大阪       総長       1301000円
九州    総長   1301000円
筑波   学長       1301000円

【旧官立大】
千葉、      学長       1227000円
東京工業    学長       1227000円
一橋       学長       1227000円
新潟    学長       1220000円
金沢    学長       1227000円
神戸       学長       1227000円
岡山    学長       1227000円
広島       学長       1227000円
長崎    学長       1146000円
熊本   学長    1227000円

【新7大】
弘前       学長       1146000円
群馬       学長        1146000円
東京医科歯科   学長       1146000円
信州       学長       1146000円
鳥取       学長       1146000円
徳島     学長       1146000円
鹿児島   学長       1146000円

【部制大】
北海道教育    学長       1069000円
旭川医科     学長       1069000円
岩手       学長       1069000円
秋田  調査中
山形       学長       1146000円
茨城    学長       1069000円
宇都宮      学長      1069000円
埼玉    学長       1069000円
東京学芸    学長       1069000円
東京農工    学長       1069000円
横浜国立     学長       1069000円
長岡技術科学   学長       1069000円
上越教育     学長       1069000円
富山       学長       1069000円
富山医科薬科   学長       1069000円
福井医科      福井大と統合
山梨医科  山梨大と統合
岐阜       学長       1210000円
静岡   調査中
浜松医科     学長       1069000円
愛知教育     学長       1069000円
名古屋工業   調査中
豊橋技術科学   学長       1069000円
三重   調査中
滋賀医科     学長       1069000円
大阪教育     学長       1069000円
兵庫教育     学長       1069000円
島根医科      島根大と統合
山口       学長       1146000円
鳴門教育     学長       1069000円
香川       学長       1069000円
香川医科   香川大と統合
愛媛       学長       1069000円
高知医科      高知大と統合
佐賀    学長       1146000円
佐賀医科      佐賀大と統合
大分医科      大分大と統合
宮崎       学長       1069000円
宮崎医科      宮崎大と統合
琉球       学長       1146000円
北陸先端科学技術大学院、学長   1069000円
奈良先端科学技術大学院 学長    1069000円

【その他大】
室蘭工業     学長       1060000円
小樽商科     学長       1069000円
帯広畜産     学長       1069000円
北見工業     学長       1069000円
宮城教育  学長       1069000円
福島       学長       1069000円
図書館情報     筑波大と統合
東京外国語    学長       1069000円
東京芸術     学長       1069000円以上1146000まで
東京海洋     学長       1069000円
お茶の水女子   学長       1015000円
電気通信     学長        991000円
福井       学長       1146000円  福井医大と統合
山梨       学長       1146000円  山梨医大と統合
滋賀       学長       1069000円
京都教育  学長       1069000円
京都工芸繊維   学長       1069000円
大阪外国語    学長       1069000円
神戸商船      神戸大と統合
奈良教育  学長       1069000円
奈良女子     学長       1069000円
和歌山      学長       1069000円
島根       学長       1146000円  島根医科大と統合
高知       学長       1069000円
福岡教育   調査中
九州芸術工科    九州大学と統合
九州工業     学長        991000円
大分       学長 8     1069000円−1146000
鹿屋体育     学長       1069000円



1−5 資料(再録)
・国立大学法人評価委員会 (役員報酬についての説明・議論部分)
  2004年5月11日議事録 国立大学法人評価委員会 総会 第5回 配付資料
  *文科省HP9L  http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/kokuritu/



1 日時
平成16年5月11日(火曜日) 13時30分〜16時30分

2 場所
グランドアーク半蔵門 3階「光」

3 議題 (1) 国立大学法人及び大学共同利用機関法人の中期目標・中期計画案に
ついて
(2) 国立大学法人及び大学共同利用機関法人の業務方法書案について
(3) 国立大学法人の長期借入・償還計画案について
(4) 国立大学法人及び大学共同利用機関法人の役員給与規程案等について
(5) 年度評価の検討の方向性について
(6) その他

 前略
● 事務局
 資料4−1から4−5及び参考資料についてご説明申し上げたいと思います。

 まずは参考資料をご覧頂きたいと思います。国立大学法人法35条の規定により独立行政法人通則法の規定の準用がなされておりますが、役員の報酬及び退職手当に関しましては、独立行政法人通則法の52条、53条が準用されており、各法人が支給基準を定め、これを大臣に届け出るとともに公表しなければならないとされております。この支給基準につきましては、52条3項にありますように、国家公務員の給与その他の事情を考慮して定められなければならないとされ、また、52条1項では役員に対する報酬及び退職手当はその役員の業績が考慮されるものでなければならないと規定されております。

評価委員会との関係ですが、53条にありますように、ここで評価委員会とあるのは国立大学法人法により国立大学法人評価委員会と読み替えられておりますが、前条による届出がありましたときには大臣は評価委員会にそれを通知し、評価委員会におきましてはこの支給基準が社会一般の情勢に適合したものであるかどうかについて大臣に意見を申し出ることができるとされております。今日お諮りをさせて頂いておりますのは、役員の報酬及び退職手当の支給基準について各法人から届け出がありましたので、その内容につきましてご意見を頂ければということです。

中身についてご説明させて頂きます。

資料4−1をご覧頂きたいと思います。1ページ目で、学長と機構長の報酬についてまとめております。報酬額の定め方については、1の(1)にありますように、月額を固定して定めているものが大多数ですが、15法人につきましては国家公務員の指定職俸給表に則ったような基本給表を定めまして、その範囲内で決定することとしております。この中には、1号俸から12号俸まである国家公務員の指定職俸給表をそのまま載せ、実際には適応を予定していない高い号俸まで設定している法人もあります。

参考の括弧の中ですが、現在最高と致しましては指定職12号俸相当です。これは従来指定職12号俸を支給されていた2大学がそのまま移行しているということです。最低につきましては2つの大学が指定職6号俸相当としております。

また、法人化前の学長給与と同額とした法人が多数で76法人ですが、報酬額を1号俸程度高くしている法人が6法人あり、1号俸下げているとか、端数を切り下げることにより報酬額を低くした法人が8法人あります。

1の(3)ですが、役員の業績及び法人の業務の実績を考慮しなければならないということが法律上定められているわけですが、役員報酬規程に勤務実績等を勘案して報酬額を変更できる旨明記している法人があり、その中には、国立大学法人評価委員会の評価結果を勘案したり、参考にすることを規定している法人が7法人あります。

2のボーナス(賞与)については、年間支給割合を国家公務員と同様に3.3ヶ月分としているところが89法人、その都度定めることとしているところが4法人あります。

ボーナスへの業績評価の反映につきましては、国立大学法人評価委員会の評価を勘案するなど、93法人中87法人で何らかの形での業績評価の反映を規定しておりますが、これを規定していない法人が6大学あります。独立行政法人通則法上の独立行政法人につきましては、通常、少なくともボーナスについては業績評価の反映を行なっているということがありますので、独立行政法人通則法が役員の業績や法人の業務の実績を考慮することとしていることも踏まえますと、業績評価を反映することとしていない法人につきまして、少なくともボーナスについてはそういった規定を設ける必要があるのではないかと思います。

次に2ページ目をご覧頂きたいと思います。

常勤理事の報酬の定め方につきましては、(1)にありますように全理事同額として月額を定めている法人が16法人、(2)の役員基本給表を定め、この範囲内で決定する法人が77法人あります。理事には色々な方がおられ、その職責も様々であるということもあり、役員基本給表の範囲内で決定するという定め方をするところが多いわけです。その中でも、個々の理事ごとに学長が別に定めるという場合と、職務内容・職責により月額を定めているという場合とがあります。

参考にありますように、最高額としては指定職7号俸相当ということで、これは26法人68名おります。最低としては、職員給与規程を適用しているケースがあリ、これは事務局長兼理事で国家公務員の行政職11級相当の金額です。

それから(3)にありますように、勤務実績等の勘案につきまして役員報酬規程に明記している法人は24法人です。

ボーナスの関係につきましては、学長の場合と同様です。業績評価の反映等についても同様ですので、業績評価の反映に関する規定を設けていないところについては、そういった規定を設ける必要があるのではないかと思います。

それから、その他といたしまして、職務内容、職責により別に手当を支給する法人が1法人あります。これは副学長を兼ねている常勤役員に副学長手当を支給するというものです。

次のページですが、常勤監事につきましては、更に月額を固定して定めている法人が増えております。それから役員基本給表を定め、この範囲内で決定する法人は43法人です。最高が指定職6号俸相当ということで、これは1法人だけです。また、最低も35万円ということで、これも1法人です。

それから(3)にあります勤務実績を勘案して報酬額を変更できる旨を明記しているところは20法人です。

常勤監事の報酬額の定めのない法人は19法人ありますが、これは小規模な大学などで、当面常勤監事を置かないという法人が報酬額の定めを置いていないということです。

ボーナスについては先程からご説明していることと同様です。

次のページをお開き頂きまして、今度は非常勤役員の報酬です。非常勤役員につきましては、理事・監事共に色々な勤務実態があるわけですので、報酬額の定め方についてもかなりバラエティに富んでいるわけです。規定のない法人は当面非常勤理事がいないというケースですが、月額や日額を固定して定めている法人や、学長が勤務実態等を考慮して個別に定めることとしている法人があります。

月額で定めている場合には、8万円から50万円の幅がありますが、この50万円のケースは、1大学ですが、これは常勤理事の勤務時間の6割の週3日相当の勤務を行っているというケースですので、常勤理事の報酬に6割を掛けたという形の金額設定になっております。日額で定めている場合には、2万円から5万2千8百円ということで定められております。

それから非常勤の監事については、月額等を固定して定めている法人は更に数が増えております。月額については、低いものについては2万7千4百円というケースがありますが、これは勤務の回数を考慮してということになるわけです。高い方の42万1千5百円というのも週に3日程度は勤務しているというケースです。それから日額については1万8千円から5万円という幅があります。

以上が報酬関係になりますが、詳しい大学毎の中身につきましては、資料4−2に基本給の額などについての概要を整理させて頂いております。

それから資料4−3については、諸手当としてどのような手当が出されているかということを整理させて頂いたものです。

次に資料4−4をご覧頂きたいと思います。退職手当につきましては、すべての法人で退職日における月額に100分の12.5を乗じて得た額としておりますが、これは、独立行政法人の場合と同様です。

業績評価につきましても、全ての法人で役員としての在職期間における業績を考慮することを規定しているわけですが、その考慮の仕方、率等についてはこの括弧の中にありますように、色々あります。

この中で、例えば国立大学法人評価委員会が業績勘案率を定めるというような規定を設けている大学が18大学あります。これは、他の独立行政法人について、独立行政法人評価委員会が業績勘案率を定め、それを退職手当額に乗じるということについて昨年の12月に閣議決定がなされましたので、それにならった規定を設けたものではないかと思いますが、この閣議決定は独立行政法人や特殊法人を対象にするものでして、国立大学法人はその対象にならないことから、これにならう必要はないということと、また、国立大学法人評価委員会で業績勘案率をご議論頂くということは、国立大学法人の趣旨からみても、また量的に非常にたくさんの数に上るということからも困難であるということがありますので、国立大学法人評価委員会が定める業績評価率を乗じると規定している大学につきましては、別途業績評価の反映方法を検討する必要があるのではないかと考えているところです。

以上、こちらの方で気づきましたことを改めて繰り返させて頂きますと、まず報酬規程に関しましては、第1に、93法人中87法人につきましてはボーナスの支給に当たり業績評価の反映についての規定を設けておりますが、残り6法人についてはそのような規定を設けていないということ。

第2に、国の指定職俸給表をそのまま規定している大学において、実際には適用を予定していない高い号俸まで設定しているところがあるということ。

第3に、国立大学法人評価委員会が定める業績勘案率により退職手当の額を決めることとしているところがあるということ。

その他色々ご意見を頂ければと思いますので、よろしくお願い致します。

○ 委員長

大変詳しく説明して頂きましたけど、まずご意見たくさんあると思いますので、専門委員の先生方からご意見を賜りたいと思います。

○ 山本委員

専門的なことだけ先に申し上げたいと思いますが、独立行政法人評価委員会が行う業績評価の結果を勘案して役員の期末特別手当の額を増減することとしている法人がありますが、国立大学法人につきましては、国立大学法人評価委員会の管轄ですから、これは訂正して頂く必要があるだろうと思います。

それから、評価委員会の項目別の業績評価を勘案して役員の賞与の額を増減することとしている法人がありますが、年度評価をどのくらい細かくやるかという議論とも関わるのですが、ここまで書くと事務局がおっしゃられたことと同じような問題が生じかねないのではないかということの2点だけ、少し技術的なことで気になっております。

後はまた皆さんの議論を頂きたいと思います。

○ 委員長

ほかに専門委員の方からございませんでしたら、どなたでも結構ですけれどもご意見を賜りたいと思います。

ちょっとお伺いしたいのですが、俸給というのは運営費交付金から支払われる金額ということですね。このほかに特に業績のあった、特に功績があった、能力のある役員を特に高く処遇をしたいという場合の資金源ですが、これはやはり外部資金などを導入して充てるということになるのですか。俸給というものの定義なのですが、少し教えて頂きたいと思います。

● 事務局

運営費交付金につきましては、人件費が幾らという仕切りがあるわけではありませんので、全体の中でどういう金額を設定するかということは各法人が決めることで、外部資金などをうまく活用していくというようなことも可能です。ただし、人件費全体が大きくなるということにつきましては、その他の色々な経費を圧迫していくという要因になりますので、経費構造の中で人件費をどのような割合で考えていくのかという中では、大きな問題になってくると思います。

○ 委員長

俸給は俸給として決めておいて、さらに特別に功績のあった役員については、その俸給以外に加えることも可能なのですね。

● 事務局

役員には限らないと思いますが、例えば特定の方に何らかの報奨金のようなものを出すというようなことは可能ではないかと思います。

○ 委員長

私が伺っているのは国立大学が法人化されたわけですから、今までよりももう少しメリハリを利かしたといいますか、能力業績に応じた処遇があるべきだろうと。一方で運営費交付金というものを財源として俸給が支払われるわけですから、あまり極端なことも難しいことだろうと思うわけです。

● 事務局

報酬については業績を考慮して、或いはボーナスについてもその業績を反映させてということがありますので、報酬や退職手当自体に業績の反映がなされるということにはなるわけです。

運営費交付金については、例えば運営費交付金の積算上は監事の俸給額がどのくらいかとか、そういう積算は一応あったとしても、その額に必ずしも縛られるものではないということを先程申し上げました。

○ 委員長

先程事務局から、中小規模の大学の学長に、最高号俸の給与を出しうることとしていることはいかがなものかというようなご意見があったように思います。確かに一般的には業務の多さなど様々なことを考えればおっしゃる通りだと思いますが、ある大学が、学長の努力ですばらしい大学に生まれ変わったとすれば、高い俸給が支払われても問題はないのではないかと思うのです。

● 事務局

私が先程ご説明しましたのは、大学として高額の俸給を支給する予定がないにもかかわらず、国家公務員の指定職俸給表をそのまま持ってきていることは、誤解を生むもとではないだろうか。現在の給料から見ても、上限を比べますと、何号俸も非常にアップしているということになりますので、そのことが現時点において妥当かどうかということです。

後略



2  「手から手へ」2299

多数の問題点をそのままにした設置認可は遺憾

 ―管理本部・学長予定者らは設置審の問題点指摘に誠実に応えよ―

2004年9月24日 東京都立大学・短期大学教職員組合中央執行委員会


大学設置・学校法人審議会は9月21日、首都大学東京の設置を認可する答申を、留意事項及び付帯意見とともに文部科学大臣に答申しました。留意事項は以下の5点です。

1.既設大学の教育研究資源を有効に活用し,、統合の趣旨・目的等が活かされるよう,、設置者及び各大学間の連携を十分図りつつ,、開学に向け,、設置計画(教員組織,、教育課程の整備等)を確実かつ円滑に進めること。

2.名称に「都市」を冠する「都市教養学部」の教育理念を一層明確にし,、これにふさわしい特色を持つ体系的な教育課程の編成に一層の配慮をすること。特に分野横断型の「都市政策コース」や「都市教養プログラム」等,、要となる科目群の教育内容について独自性が十分発揮されるよう,、その充実を図ること。

3.関係組織間の適切な連携の下,、単位バンクシステムや学位設計委員会等の新たな試みが円滑かつ有効に機能するよう努めること。

4.学生の選択の幅を拡大するコース制等を導入するに当たっては,、大学設置基準第19条に掲げる教育課程の体系的な編成に十分留意すること。また,、学生が科目等の選択を円滑に行えるよう,、きめ細やかな履修指導体制の一層の充実を図ること。

5.平成18年度開設に向けて構想されている新たな大学院については,、新大学の趣旨・目的等にふさわしいものとなるよう十分に配慮した上で,、その構想を可及的速やかに検討し,、示すこと。

またこれらに加え、「その他意見」として以下のようなものが付されたと伝えられます。


第一に、都市教養学部の学部名称について、普遍的性格を持つ「教養」と限定的な「都市」とを組み合わせた名称には違和感を感じる向きもあるとして、学部名称の今後の変更を示唆しています。


第二に、教育研究の質を確保するためには教員の意欲・モラルが重要で、そのために設置者からの正確な情報提供等、設置者と教職員が一致協力して開学準備にあたるなどの体制を確立すべきことを指摘しています。

第三に、新大学の掲げる使命にとっては様ざまな学問的アプローチが必要で、学問分野間の均衡のとれた教育研究体制を求めています。

認可にあたりこれだけ多くの留意事項と意見が付せられたのは、国公立大学としてはきわめて異例のことで、このこと自体が、新大学の設立準備が、内容面・手続面の双方にわたって、きわめて重大な問題を含んでいることを示しています。

設置審が指摘している問題点の第一は、設置準備の手続についてです。都立大学総長・評議会、四大学教員声明、開かれた大学改革を求める会など、四大学の圧倒的多数の教職員が、現大学の機関及び教職員との「開かれた協議」を強く求めてきましたが、いまだ明確な形では実現していません。「設置者及び各大学間の連携」や設置者と教職員が一致協力した体制の確立などは、まさにその問題を指摘しています。ちなみに留意事項第一項目は、既設大学の統合などにより設置される他の大学にも共通に付せられたものですが、昨年までは動揺の同様のケースでもこのような留意事項は付いておらず、今回の東京都の進め方が念頭におかれていることは明らかです。


第二は、教育課程編成等をめぐる問題です。「教育課程の体系的な編成」という留意事項4の指摘は、学生の選択のみを一方的に重視して教員組織の教育課程編成に関わる責任と権限を直接間接に大きく制約しようとしている現在の構想への厳しい批判といえます。さらにこの項目と「単位バンク」に触れた項目3を併せて理解すれば、その「円滑かつ有効」な機能とは、現在示されている構想のそのままの実施を求めているのではないことも明らかです。

第三は、都市教養学部の名称です。これが歪んだものであり学部名称としてふさわしくないことは再三にわたって指摘されており、以前の教学準備委員会でも都立大から参加している委員らからがその変更を強く求める意見が表明されていました。「その他意見」のなかではその名称変更についても示唆されていますが、当然の指摘です。

第四は、教育研究領域のバランスの問題です。新大学の「使命」をはじめ行政や「都市」への貢献だけが一方的に強調され、学部・研究科構成や研究費配分などで総合大学として本来備えるべき基礎的な教育研究領域がおろそかにされている状況に対しては、やはり強い批判が学内外からおこっていました。学問分野間の均衡のとれた教育研究体制の構築とい「その他意見」の指摘は、まさにこの問題を指しています。

教職員組合は、これまで設置審及び文科省への数回にわたる会見や設置審各委員への要請書送付などを行い、に対して昨年8月以来の新大学構想に関わる数々のな問題点を指摘した上で、、慎重な審査を求め安易な認可を行わないよう要請してきました。異例な量のこのような留意事項・意見が付せられたことは、設置審も私たちの指摘した問題点の多くについて、同様の認識を示したといえます。設置審が問題点の多くについて深い認識に立ったことに敬意を表します。


しかしながらこれらの問題点を認識しながらも、それらがいまだ解決しないままの現時点で設置認可を認める判断を下したことについて、私たち教職員組合は強い遺憾の意を表します。これらの重大な問題点を孕んだままの認可は、私たち都立4大学教職員にとって、来年度以降も在籍する4大学の学生院生にとって、また日本の大学全体の将来にとって重大な禍根を残すものです。


教職員組合は以下のことを各方面に対してあらためて強く求めます。


大学管理本部及び新学長予定者・新理事長予定者らには以下のことを強く求めます。


第一に、文科省・設置審から指摘された留意事項等について、文科省が公開しない「その他意見」や面接審査の際に口頭で指摘された内容等を含め、四大学と教職員に対して性格に正確に包み隠さず公開することを求めます。


第二に、設置審が指摘する問題点、とりわけ単位バンクを含む教育課程編成、学部名称、・教育研究体制の基礎領域を含む均衡のとれた構成などについて、4大学教員組織等との十分な協議に基づいて抜本的に修正することを求めます。


第三に、とりわけ4大学との開かれた十分な協議体制の確立は、上記のことや、現在深刻に滞っている新大学及び現大学のカリキュラム・時間割編成、入試、事務組織等の準備のためにも決定的に重要なことで、その実現を強く求めます。


文科省及び設置審には以下のことを強く求めます。


第一に、文科省には設置審が認可答申をしたとはいえ、様ざまな問題点が指摘されており、安易な認可を与えることなく、引き続き必要な指導を加えることを強く求めます。


第二に、設置審に対しては、留意事項をはじめとする諸意見が確実に実施されるか否かについて、必要な監視と必要な指導を今後とも十分に行うことを求めます。



3 都高教都民集会のご案内

みなさんへ都高教からの集会案内をお送りします。

日の丸・君が代強制は生徒への強制を職務命令で出そうという全く新たな段階を迎えています。生徒の「内心の自由」を押しつぶしてはなりません。都高教は10月16日に以下の都民集会を開催します。ふるって参加願います。

◆命令と強制を許さない! 教育にゆとりを!

 都立高校の教育を守る10.16都民集会

◇講演 小田実 (作家、「九条の会」呼びかけ人)

◆都立高校の現場から 「日の丸・君が代」強制日誌から

◇メッセージ

 アムネスティ・インターナショナル日本

 都教委通達の撤回を求める会    他 

日時:10月16日(土)13:00〜

会場:社会文化会館ホール(永田町下車) 

入場無料

*************************************************
「卒業式・入学式に関する都教委通達の撤回を求める会」
        &
 杉並の教育を考えるみんなの会

sugimina@jcom.home.ne.jp 自由の風ネットワーク 
http://comcom.jca.apc.org/freedom/

2004年09月24日

「意見広告の会」ニュース194

Date: Thu, 23 Sep 2004 23:15:22 +0900
*ニュースの配布申し込み、投稿は、
  qahoujin@magellan.c.u-tokyo.ac.jp まで、お願い致します。
** 目次 **

1 種々の意味で危機を迎える国立大学法人
1−1 「運営費交付金の減少」を前提とする東京大学役員会
「法人化後の部局編成について(案)」
1−2 思い起こす2003年度
      誰が何を言っていたか。
1−2−1 「学内の反対意見を抑えてきたのに、こんなことなら法人化反対
      と言いたいぐらいだ」
1−2−2 「重大な決意をもって事態の推移を注視したい。」
1−2−3 「研究も教育も質が低下し、科学技術立国などおぼつかない」
1−2−4 学長辞任も 予算削減で国立大学協会が文科省に抗議
1−2−5 「学長返上」総会でも採択 予算削減案に国大協
1−2−6 初志貫徹、辞任して世に問うてはどうか。
1−2−7 法人化に賛成した学長、及び了解を与えた学長は、行動するべき
      です。

2 大学財政危機打開をめざす国会内ポスターセッション
    3 rd Circular   国立大学法人法反対首都圏ネットワーク事務局

3 種々の意味で危機を迎える都立大
3−1 開かれた大学改革を求める会(代表:西川直子)の声明
「首大」案認可答申に接して
3−2 教学体制の保全に関する要望書
     東京都立大学 学生・院生連絡会議 (2004.9.15)

1−1 「運営費交付金の減少」を前提とする東京大学役員会
「法人化後の部局編成について(案)」
      首都圏ネット公開の資料より
【資料】
東京大学役員会の下にある『財務分析室』(室長:石堂正信副理事)は去る9月7日、「法人化後の部局編成について(案)」という文書を作成し、各部局に示した。この文書は(案)とされているが、役員会の方向性を示すものとして注目される。全国的にも影響が大きいと思われるので電子版として公表する。なお、同文書では上付添字番号で指示された7つの注が文書中に挿入されているが、本電子版では最末尾に一括して掲載した。

2004年9月22日 国立大学法人法反対首都圏ネットワーク事務局

法人化後の部局編成について(案)
                          2004.9.7財務分析室
1.はじめに


国立大学法人の財政状況は、一方では17年度以降、運営費交付金(注1)に強制的に削減率(「狭義の効率化係数」)がかかる可能性が高いため、極めて厳しくなると予想される。他方で、法人化後は研究・教育環境に法人間に大きな差がつくことが許容され、資金面で他の国立大学法人や私立大学との厳しい競争にさらされることになる。したがって、研究・教育環境を充実させるための十分な外部資金確保と効率的な運営に、大学経営の成否がかかることになる。


さて、平成15年12月9日の法人化委員会で承認された「法人化後の学内予算配分に関する報告書」(「物件費報告書」)では、総長が教育研究事業の方向性を示し、競争的専門家査定を経て、そのイニシアティブによって特定の教育研究事業への重点的配分を行うとしている。こうした方向性を持った教育研究事業への配分は、国立大学法人としての東京大学の先端的教育研究への取り組みの姿勢を示すものであり、また広告塔の役割をも果たすことになる。これに対し部局の運営費交付金配分額は、新規事業関連を除けば基本的に以下のようになっている。すなわち、前年度の運営費交付金決算額に、国によって強制的に課せられる削減率である「狭義の効率化係数」と、全学的な恒久的新規事業資金捻出のための係数である「全学協力係数」を乗じて(注2)前年度の運営費交付金決算額より差し引き、当該年度の運営費交付金配分額を算出する。これは安定性に配慮した方法であるが、厳しい運営費交付金の削減率(「狭義の効率化係数」)が予想される現在、運営費交付金だけでは部局運営は次第に困難さを増すことが予想される。


そこで「物件費報告書」では、法人化後の部局をrevenue centerと規定し、部局運営に関して部局の自助努力を促している。法人化後の厳しい環境の中で大学を経営するためには、当然のことながら運営費交付金以外に、十分な外部資金の確保が重要になる。このためには、多くの部局が新規事業によって新しい予算を獲得すると同時に、十分な外部資金を獲得する経営の自己責任単位(revenue center)となることが重要になる。言い換えれば、新規事業により文部科学省から獲得する資金のみならず、外部資金の導入によって運営費交付金の減少を十分に補うことができる部局が大半でなければ、大学の経営は成り立たない。


しかしここで、学内には外部資金獲得能力のあまり高くない部局もあることに注意したい。このような部局でも、現在のシステムではある程度の外部資金を獲得すれば運営可能なように、前年度の決算額に係数をかけて当骸年度の予算を決定するという安定性に配慮した予算配分方法をとっている。しかし、それでもなお運営が困難になる部局があるかもしれない。そのような場合には、総長=役員会が調整を行うことになる。その際、総長=役員会は単に外部資金獲得能力などだけではなく社会的必要性などを考慮に入れて総合的に判断し、発展的な意味での調整を行う。その際に学問の多様性の維持が重要な課題となるのは言うまでもない。これと総長イニシアティブによる先端的教育研究への重点的予算配分とがあいまって、東京大学に対する多様で、高度な社会的な要請に責任をもって答えることになるのである。


これに対し、revenue center とは異なる機能を持つ部局があることに注意したい。例えば、本部は、学部・研究所等の部局・教員・学生にサービスを提供する部局であり、revenue center とはあきらかに異なる機能を持つ。(以下では、このような部局を「教育研究支援部局」、revenue center を「教育研究事業部局」と呼ぶ。)しかし、その維持は大学にとって必要不可欠であり、学部・研究所等の部局と同じ扱いではなく、それに対する現行のシステムの下での運営費交付金割当額削減を、全学的見地からある程度圧縮する必要が生じるかもしれない。こうした観点からみれば、部局を機能別に分類して、大学を運営するのが適切と考えられる。言い換えれば、運営費交付金削減の程度を圧縮すべき部局と、圧縮する必要のない部局に分類して、運営がなされるべきであると考えられる。


これに関しては、役員会が各部局の機能を勘案してトップダウンで分類を行うのも一案であるが、総長室・本部が分頬のための十分な情報を必ずしも持っていないため、適切な分類が行われるとは限らない。そこで、十分な情報を持つ各部局が、自らの機能や財政状況を勘案して主体的に選択するのが適切と考えられる。これは、法人化後には総長イニシアティブが高まるとはいえ、依然として重要な部局の自治の観点からも望ましいと思われる。


したがって、法人化2年日からの部局編成は以下の方法で行うのが適当と考えられる。


1.まず、教育研究事業部局と教育研究支援部局の2種を考える。物件費報告書の理念より、ほとんどの部局は教育研究事業部局を選択することになるが、例外的に全学(または全国)への広範なサービス提供を主な機能とする部局は、このいずれかを自主的に選択することができる。(教育研究支援部局を選択する場合は、総長=役員会の許可を必要とする。)それ以外の部局は、教育・研究を主な機能とする部局であり、教育研究事業部局となることを自動的に選択する。


2.教育研究事業部局を選択した場合は、運営費交付金と外部資金などにより、中期計画中の部局運営が可能か否かを検討する。運営可能ではないと判断される場合は、総長q =役員会に調整を依頼する。


なお病院については、その特殊性を考慮して別途検討する。


次項以下、部局編成の具体的方法を述べる。


2.部局の分類


 まず、部局を以下の2種に分類する。


 A.教育研究事業部局(事業部局):教育研究事業経営の自己責任単位である
 B.教育研究支援部局(支援部局):全学または日本全国のためにサービスを提供する部局で、総長=役員会が経営の権限と責任を負う


各部局は、以下で述べる事業部局と支援部局の機能と責任の内容を十分に理解した上で、自ら選択を行う。


A.教育研究事業部局


教育研究事業部局(事業部局)とは、「法人化後の学内予算配分に関する報告書」で規定されているrevenue centerであり、以下の機能と責任を持つ。


A-1.機能と責任


1)今まで同様、学部研究科・研究所自治は人事等で保たれるが、同時にそれぞれが経営の自己責任単位となることを明確にする。


2)部局には、主として三種類の「収入」が入る。
 
(i)政府から交付され大学本部を通じ配分される「運営費交付金」
    これは更に、
   「既存事業計画に対する運営費交付金」
    と、総長のリーダーシップの元に配分される
   「恒久的新規事業計画に対する運営費交付金」
    に分けられる。


(ii)「運営費交付金の中で従来の教育研究基盤校費大学分に対応する部分(見合い額)」や「外部研究資金等の間接経費」等から全学的に拠出された「全学教育研究基金」より、機動的且つ戦略的に、総長のリーダーシップの元に時限的新規事業計画に対して配分される資金


(iii)「外部研究資金(その他の自己収入(特許収入等)を含む)」


3)事業部局は、(i)の「運営費交付金」、(ii)の「全学教育研究基金」に対して、それぞれの事業計画を立て、本部に要求し、査定を受け、最終的な配分を受ける。


4)事業部局は、(iii)「外部研究資金(その他の自己収入を含む)」を確保する責任を負う。(注3) その際、「外部研究資金」の確保や、経営の実務面(特に会計)について本部の支援を得ることができるようにするのは当然である。事業部局は、(iii)の「外部研究資金」に対応する独立研究事業計画を自律して行う。


5)事業部局は、一過性の特殊な要因による場合を除いて、運営費交付金を追加要求できない。


6)事業部局予算の査定ベース(「前年度既存事業実績」+「前年度恒久的新規事業」−「前 年度特殊要因」)にかかる「物件費報告書」に言う「効率化係数」は、既に述べたよう に、政府による強制的削減率である「狭義の効率化係数」に恒久的新規事業のための「全学協力係数」を加えたものである。


7)事業部局の運営は、単に短期的な視点だけでなく長期的な視点からなされなければならない。たとえば、事業部局が施設を新設する場合は、それにかかる費用を客観的に見積もり、長期的な方針もとに施設運営を行うことが求められる。(第5.2項参照。)


B.教育研究支援部局


教育研究支援部局とは全学または日本全国のためにサービスを提供する部局であり、かつ上述の事業部局の機能と責任を果たすことが困難な部局である。具体的には、以下の機能と責任を持つ。


B-1.機能と責任


1)今まで同様、自治は人事等で保たれるが、経営に関わる事項について総長=役員会の指 示に従う。支援部局は、全学の多くの事業部局または全国に十分なサービスを提供する責務を負う。


2)支援部局には、主として三種類の「収入」が入る。


 (i)政府から交付され大学本部を通じ配分される「運営費交付金」。
   これは、「既存事業計画に対する運営費交付金」のみからなる。


(ii)「運営費交付金の中で従来の教育研究基盤校費大学分に対応する部分(見合い額)」や「外部研究資金等の間接経費」等から全学的に拠出された「全学教育研究基金」  より、機動的且つ戦略的に、総長のリーダーシップの元に時限的新規事業計画に対して配分される資金・


(iii)「外部研究資金(その他の自己収入を含む)」


3)支援部局は、(i)の「運営費交付金」、(ii)の「全学教育研究基金」に対して、総長=役員 会の指示に従ってそれぞれの事業計画を立てる。


4)支援部局は、(iii)「外部研究資金(その他の自己収入を含む)」獲得のためにできるだけの努力をする。しかし確保は義務づけられていない。また、支援部局は、(iii)の「外部研究資金」に対応する研究事業計画を行う。


5)支援部局は、一過性の特殊な要因による場合以外でも、運営費交付金の追加要求ができる。


6)支援部局の査定ベースにかかる効率化係数(「狭義の効率化係数」と「全学協力係数」の和)は、支援部局の性格を反映して、教育研究事業部局のものより低く設定される。(注4)また、この支援部局効率化係数は、総長=役員会により決定される。(ある程度査定ベースが小さくなった場合は、効率化係数を0にすることもありうる。)


7)支援部局は、担っているサービス提供のあり方について常に受益者の意見を求め、中長期的な経営方針を総長=役員会に提起する。


3.役員会と部局による選択


1)総長=役員会及び部局は、中期計画初年度中に以下の決定をする。


   (i) 総長=役員会


「物件費報告書」で詳述したように、部局の「教育研究基盤校費大学分見合い」のX%、「科学研究費補助金・出資金および科学技術振興調整費に付随して支給される間接経費」のY%、「奨学寄附金(委任経理金)」のZ%を「全学教育研究基金」拠出金とすることが、(X、Y、Zの具体的数字を除いて)既に全学の合意を得ている。同様にまた、査定べース(「前年度既存事業実績」+「前年度恒久的新規事業」−「前年度特殊要因」)に「狭義の効率化係数」+「全学協力係数」であるα、および物価調整係数βをかけることも(α,βの具体的数字を除いて)決定している。そこで総長=役員会は、中期計画初年度に中期計画中のX、Y、Z、α ,βの目安を示す。


また、総長=役員会は「支援部局効率化係数」の目安も示す。(なお、従来間接経費が措置されていなかった受託研究・民間との共同研究等の外部資金にも、研究支援経費を課す(注5)ことを現在検討中である。総長=役員会はこの研究支援経費の具体的率についても目安を示す。)


(ii) 各部局
 (a)上述の支援部局の機能と責任と、事業部局の機能と賛任について十分な理解をしたうえで、各部局はどちらになるかを退択する。


 (b)この際、支援部局となるためには、全学の多くの部局、教員、学生に十分なサービスを提供していることを総長=役員会に示し、承終を得なければならない。あるいは、日本全国に十分なサービスを提供していることを示してもよい。6(少数の図書や資料の貸し出し程度では不十分である。)教育研究事業部局となるばあいには、中期計画中にA・1,2)に記された部局収入で運営できるか、を検討する必要がある。


(c)もし、事業部局を選択するものの、今中期計画中にA・1,2)に記された部局収入で運営できない場合は、その旨を総長=役員会に報告する。これを受けて、総長=役員会は学内調整を行う。(学内調整の方法については後述。)


2)部局は、中期計画中に上述の事業部局、支援部局となる決定を変更することができる。 たとえば、全学あるいは全国にサービスを供給している部局で、中期計画初年度に事業部局を選択した部局は、総長=役員会の承認があれば支援部局になることができる。もちろんその際、支援部局の条件を満たす必要がある。また、事業部局を選択した部局が、中期計画中に部局収入での.運営が困難になったときは、総長=役員会に関連部局間調整を申請できる。


3)事業部局を選択した関連の深い複数の部局は、連結経営という形で一つの事業部局となることもできる。ただし、連結経営を行う場合は、総長=役員会の許可を必要とする。


4.学内調整


教育研究事業部局を選択した部局が、中期計画初年度または中期計画中に3.A−1,2 )に記された部局収入で運営できないと判断した場合は、総長=役員会に学内調整を申請する。総長=役員会は、社会的な必要性などの総合的な判断により学内の調整を行う。これは総合的判断によるわけだから、具体的な方法は定めない。以下に調整方法の一例を示すが、これはあくまで一例にすぎないことを断っておく。


(i)総長=役員会が、申請部局が明示した関連教育研究事業部局と話し合いを行い、これらの部局からの支援を要請する。関連部局の支援が得られた場合には、総長=役員会からも事業支援金を支出し、申請部局は、3.A-1,2)に記された部局収入に以上の支援金を加えた予算で、教育研究事業部局として運営される。


(ii)ただし、支援はあくまでも短期間である。たとえば2年間、総長=役員会からの事業支援金を保証する。


(iii)当該期間後、それでもなお3.A−1,2)に記された部局収入で運営できない場合、総長=役員会は、部局存続を含めて検討し、必要な措置をおこなう。たとえば、その部局を基礎とする新規事業をおこす。


5.部局運営時の二つのガイドライン


5.1.財サービス生産部門の効率運営:財サービスの対価と財サービス部門改廃の基準


 部局が財サービスを生産している場合は、効率的経営の視点から運営されなければならない。つまり、財サービスの対価とその生産部門の改廃の基準を、以下の方法で定める。まず、本部が標準的な原価計算の手法により、財サービスの製造原価を計算する。この際、原材料費だけでなく、人件費および設備の減価償却費も原価に算入する。(注7)次に、原価と財サービスの外部調達額を比較する。


ケース1:原価が外部調達額を上回る場合


この財サービスの生産は非効率であり、本部は超過負担をしていることになる。したがって、この財サービス生産部門の改廃を基本とする。(改廃の方法については別に定める。また、改廃後は、財サービスを購入または使用している部局は、外部調達額とこれまで払っていた対価の差額分を運営費交付金として受け取ることができる。(すなわち、財サービスを購入または使用している部局は、費用負担なく現状を維持できる。)ただし、財サービスの生産が教育や技術の継承・研究に役立っていると考えられる場合、総長=役員会はその点を十分勘案の上、改廃の決定をおこなう。また、総長=役員会が改廃を決定した場合でも、この財サービスを購入または使用している部局が教育研究の観点から希望するなら、原価マイナス外部調達額を本部に支払うことにより、この部門を存続させることができる。(つまり、これらの部局が本部の超過負担分を支払うことにより、当該部門を存続させることもできる。)この際、対価については、部局間で取り決める事とする。[そもそも、非効率な生産をおこなっているわけだから、正当な対価を決めるのは不可能。対価は、関連部局からの補助金と考えられる。]


ケース2:原価が外部調達額を下回る場合


この財サービスの生産は効率的であり、存続を基本とする。財サービスを生産している部局が、効率化係数や全学協力係数により財サービス生産のための予算を削減された場合は、削減分の範囲内で財サービスの対価に上乗せすることができる。[削減分の補填は、財サービスを廉価に購入している部局の受益者負担とする。]


5.2長期的運営と新施設


事業部局の運営は、長期的な視点からなされなければならない。特に、事業部局が施設を新設・使用する場合は、それに起因する様々な負担を認識した上で長期的かつ客観的な視点から運営可能であることを総長=役員会に示さなければならない。つまり、施設の新設は総長=役員会によって決定されるキャンパス計画に基づいておこなわれるわけだが、その際、新施設を使用する予定の事業部局は、新施設における経常的費用(光熱水費など)の専門家による客観的な見積もりを付して、計画を総長=役員会に提出しなければならない。計画に妥当性がない場合は、概算要求の段階で、新施設の建設を決定しない場合がある。


(注)


1授業料などは『運営絆交付金対象収入』であり、入ってくると自動的に『大学全体に対する』運営費交付金になる。したがって、「運営費交付金」は授薬科収入などを含む。


2「物件費報告書」では、「効率化係数」という言葉を用いているが、それはここで言う「全学協力係数」(全学的な恒久的新規事業資金捻出のための係数)のことであるので、注意されたい。この「報告書」が作成された時点では、国によって強制的に「狭義の効率化係数」が課せられ、運営費交付金のベースが年ごとに減少していくことはまだわからなかったのである。その後の予算編成の段階で、運営費交付金に強制削減率(「狭義の効率化係数」)が平成17年度以降課せられることがほぼ間違いないことが判明した。そこでここでは両者を含む形で表現している。なお、予算確定後の平成16年3月2日の法人化委員会で承認された「法人化後の人件費管理に関する報告書」では、この両者を最初から併記している。


3. 雑収入については運営費交付金の一部であり、この雑収入を見込んで部局への交付金が減額されている。実際の雑収入が見込み額を上回る場合も、下回る場合も部局収入とする。したがって、部局には雑収入を増やすインセンチイブがある。


4 柏事務所が支援部局を選択した場合、低い効率化係数がかかることによる負担は、柏地区の事業部局が負うものとする。各事業部局の負担割合については、別に定める。


5 正確には「委託元にこうした研究支援経費に対応する部分を追加することを申請する」ことになる。


6 なお、教育研究支援部局が他部局からサービスの対価を受けとる場合は、総長=役員会の許可を必要とする。


7 施設面積については、その所有者が総長=役員会であることを明確にし、さらにレント等の概念を導入して、これを原価へ算入することも検討課題である。 


以下「対照表」を略



1−2 思い起こす2003年度
      誰が何を言っていたか。


1−2−1 共同通信ニュース速報
 「学内の反対意見を抑えてきたのに、こんなことなら法人化反対
  と言いたいぐらいだ」


 来年四月から法人化する国立大への予算配分をめぐり、財務省が文部科学省に対し、大学予算の減額につながる方式に改めるよう打診していることが十二日、東京都内で開かれた国立大学協会(会長・佐々木毅東大学長)の総会で報告された。


 法人化法成立の際「十分な予算を確保する」との国会の付帯決議も受け、学内の反対意見を抑えてきた各地の国立大学長は「話が違う」と強く反発。国大協は「誠に憂慮すべき状況」と訴える異例の声明を出し、首相官邸や国会などへの働き掛けを強める。


 関係者によると、財務省は、法人化した国立大に配分する人件費などの運営費交付金について、使途を限定せずに各省庁の政策に充てる「裁量的経費」にするよう文科省に打診。裁量的経費は来年度の政府予算で2%削減が決まっている。


 文科省所管のほかの独立行政法人は運営費交付金が裁量的経費となっているが、国立大側は法人化の検討過程で対象から外すよう要求。衆院や参院も法人化法成立に際し「法人化前の公費投入額を十分確保するよう努める」と付帯決議をした。


 総会では、東京外国語大の池端雪浦学長が「学内の反対意見を抑えてきたのに、こんなことなら法人化反対と言いたいぐらいだ」と訴えた。


 ほかにも「予算が減るとは考えていなかった」(岩手大)、「ほかの独立法人とは違う前提だったはず」(名古屋大)、「学術が軽視されている」(横浜国立大)と反発が続いた。


 これを受け河村建夫文部科学相は「最大限の努力をする」と強調し、記者会見で佐々木会長は「事態は深刻。各学長の危機感が表れていた」と述べた。
(了)
[2003-11-12-20:03]



1−2−2 『朝日新聞』2003年12月2日付
 私の視点  東京大学学長 佐々木 毅
    「重大な決意をもって事態の推移を注視したい。」


◆国立大法人化 予算削減では失速する


 国立大学法人の発足まで4ヶ月に迫っているが、ここに来て予算編成との関係でその将来を揺るがす問題が浮上している。


 法案審議の過程で何度も政府側が答弁していたように、6年間の中期計画の達成度と改革の実績を評価し、それに応じて資源配分を変えていくというのが共通の了解だった。国立大学法人法が作られ、「教育研究の特性への配慮義務」が定められているのもこうした精神に基づいている。


 ところが、この複雑な制度改革を背負わされた法人が動くかどうかも見極めがつかないうちに、すでに運営費交付金の一律削減計画が文部科学省と財務省との間で練られ、05年度から実行に移されようとしている。これでは話があべこべだ。政府支出減らしの口実を作るためだけに国立大学法人法を作ったと自白するようなものである。


 当然、学長たちの間からは「話が違う」と不信感が高まっている。法人化の過程にかかわってきた一人として、重い責任を感じるとともに強い怒りを禁じえない。


 仮に現在、国立大学に投入されている国費が毎年1%、5年間にわたって削減された場合、その額は規模の小さな大学が20以上消滅する額に達する。この額は全国立大学の工学部全体の半分に達する額であり、医学部の3分の1が消滅する額に相当する。授業料などへの波及については即断できないが、やがてそれを押し上げる圧力がかかることは確実である。


 また、文科省が計画中の案が実施された場合、先端医療、地域の高度医療を担ってきた付属病院の将来がおぼつかなくなる。


 わが国の将来の発展が知識基盤社会に負うとすれば、理工系の大学院ほど重要なものはない。そこで圧倒的な割合の学生たちが学び研究しているのは国立大学である。自然科学系の研究業績において世界的に高いランキングを得ているのも一部の国立大学である。


 産学連携を含め、こうした知的資源の積極的活用が政府の施策であり、法人化もそれを後押しする手段であるというのが我々の見解だったが、現に政府が国立大学法人に行おうとしていることは長年にわたって蓄積した知的資源を自ら破壊することのように見える。


 人材の育成を怠るような政策と科学技術創造立国の建設とがつながるわけはない。


 それはまた、高等教育政策の不在を実証することになる。国立大学の運営資金の多くは国民からの貴重な税金であり、これを大切に使わなければならないことは当然である。


 しかし、ここで問いたいのは、その貴重な資金を使って運営するにたるだけの大学にするために、何を優先するべきなのか、そのグランドデザインなしに、目先の官僚的技術論が支配しようとしている点である。


 国立大学法人法案を審議し、決定した「政治」は、こうした事態の認識を踏まえ、識見を持って、政治主導でこの問題の解決に当たってもらいたい。役人たちは04年度の説明だけして削減計画を隠蔽するかも知れないが、「そんなことは知らなかった」では政治の責任を果たしたことにならない。


 とにかく削減するというのでは改革を主導してきた人々が基盤を失い、法人化は発足前に失速しかねない。我々は重大な決意をもって事態の推移を注視したい。



1−2−3 読売新聞ニュース速報


     「研究も教育も質が低下し、科学技術立国などおぼつかない」


来春に法人化される国立大への運営費交付金について、財務省が「2005年度から毎年約2%ずつ減らす」との方針を文部科学省に提示したことが、5日わかった。


既存の独立行政法人は交付金が年々削減されているが、大学については今年7月に成立した国立大学法人法で「教育研究の特性に配慮する」と定め、国会が「法人化前の額を確保」と決議していた。


このため、大学側は「約束が違う」と猛反発。大学の経費は大半が人件費で、削減が難しく、交付金の削減で多くの大学が破たんするとの声も出ている。財務省の方針では、大学の根幹をなす教育や研究など事業部門について、交付金算定の基準となる総事業費を毎年1%ずつ削減する。予算の半分を占める入学金などの自己収入がほぼ固定されているため、残り半分にあたる国からの運営費交付金(約1兆円)が事実上、毎年約2%減る。


国の財政の悪化で歳出が抑制される中、国立大の予算は従来、「義務的経費」として一律削減の対象外だった。既存の独立行政法人は毎年予算を削減されており、「大学も経営努力を求められた」(文科省)という。しかし、同省や各大学は「学生数を自由化すれば民業圧迫。授業料を上げ過ぎると国立大の存在意義がなくなる。経営がより自由な他の独立法人と同列に考えるのはおかしい」と反発。末松安晴・元東工大学長は「研究も教育も質が低下し、科学技術立国などおぼつかない」と話している。


[2003-12-06-03:11]



1−2−4 Yomiuri On-Line 2003年12月8日付
   学長辞任も 予算削減で国立大学協会が文科省に抗議


 来年4月に法人化される国立大の予算を巡り、財務省が2005年度以降の削減を文部科学省に提案したことについて、国立大学協会の佐々木毅会長(東京大学長)と石弘光副会長(一橋大学長)は8日、御手洗康文科次官に対し、「学長らが4月以降の学長指名を返上することも考える」として、慎重な対処を申し入れた。


 記者会見した佐々木会長は「我々は法人化について、財務的な(削減という)ことを約束した覚えは全くなく、話が違うという不満が高まっている」と述べた。


1−2−5 共同通信ニュース速報
  「学長返上」総会でも採択 予算削減案に国大協


 来春、法人化する国立大に国から交付する予算を二○○五年度以降、毎年削減する方向で検討が進んでいる問題で、国立大学協会(会長・佐々木毅東大学長)は十一日、東京都内で臨時総会を開催。河村建夫文部科学相あてに国大協の理事会が九日に提出した「学長の指名返上も念頭に置く」との要望書を総会としても全会一致で採択、方針の見直しを求めた。


 各学長からは「○五年度以降のことを法人化前の今、決める必要はない」などと反発が相次いだ。


 国大協執行部は、財務省から減収分を補う策として、授業料や入学金などの「学生納付金」が増加することを見込んだ案が示されたと説明。しかし、この案では学費の値上げになることから「地方大が値上げすれば学生が集まらなくなる」(佐賀大)と批判の声が上がった。
(了)
[2003-12-11-19:10]


1−2−6 辞任のススメ(窓・論説委員室から)
    2004.02.14 東京夕刊 2頁 2総 (全607字) 
      初志貫徹、辞任して世に問うてはどうか。


 国立大学の学長は、今年4月の法人化に抗議(こうぎ)して辞任する――。


 東大学長の佐々木毅(たけし)・国立大学協会長が昨年末、文部科学省に出した要望書には、そんな決意が盛られていた。


 自立性を高めるという法人化の理念は、予算の裏付けがなければ実現できない。だから発足(ほっそく)後しばらくはこれまでと同水準の予算を配分する。あとは各大学の実績でメリハリをつける。


 そんなはず、と思っていたのに、文科省と財務省が「一律削減(さくげん)」の方針を打ち出したのだから、学長さんたちがまなじりを決したのもうなずける。


 勢いに押されたのか、文科省は、部分的には大学の努力結果によって予算が増える仕組みを入れるなど、歩み寄った。削減幅も当初案より小さくなるようだ。



 佐々木会長は「それなりに改善されているが、問題は残る」と語る。国の05年度予算の概算(がいさん)要求で文科省予算にも枠がかかれば「一律削減」につながる可能性がある、というのだ。


 しかし問題の本質は、予算額の多い少ないではないはずだ。官僚が予算を通じて大学の首根っこを押さえる構造そのものにある。


 官からの「自立」のためには、そこをどう変えていくかという提案が大学側からもっとあってもいい。


 当初の「辞任」の決意はしぼみかけているようにも映るが、このままお茶を濁(にご)していいのか。初志貫徹(しょしかんてつ)、辞任して世に問うてはどうか。最初が肝心(かんじん)だ。〈山上浩二郎〉



1−2−7 意見広告の会ニュース77
【1-1】法人化に賛成した学長殿 
                山口大学事務職員50代掛長


 数千人の意見広告の会や全大教や法人化反対の政党のいろいろの行動が国会での法人化法案に付帯決議を生みました。


 微力ですが、私も意見の会に賛成しも数万円の広告費をカンパしました。全国の同志結集で全国紙に数回にわたり、数千万円の経費を掛けて意見を述べました。


 付帯決議で、悪化の歯止めがつけられたかに見えましたが、財政面で政府与党・財務省の恒常的な予算削減計画は、財政の停滞状況に導き、大学が財源を集中したほんの一部の分野しか陽が当たらないこととなります。


 今までの国立大学では毎年の定員削減計画により大変苦しんだ計画に匹敵する最悪の恒常的な予算削減計画です。


 数大学の学長は、国大協で反対の意見を述べられ、危険であることの警鐘を鳴らし続けられたと報道されています。 


 法人化に賛成した学長又は、意見を述べなかった学長は、直ちに行動を起こすべきです。現在要望書を提出したとしていますが、この計画が決定されたら、長期にわたり各大学に数億円以上のの減額が予定されていると報道されています。


 民間会社なら社長の判断ミスで、組織に多大な損害を与えた場合は、辞職する例もあります。


 これは、恒常的な予算削減計画を乗り切るために収入減を授業料等の大幅値あげでカバーするするしか方法がなく、国民に対して国立大学の良さを捨てたに責任もその学長にはあると思います。


 この1月に恒常的な予算削減率計画が決定がされたら、学内外の反対を押し切り、賛成した学長として組織に対して謝罪と損害賠償を考えるべきです。


 各大学は、恒常的な予算削減計画が決定されると、血のにじむような計画をこの4月から検討しなければなりません。


 教職員は、定員削減計画で教職員が減り恒常的な長時間勤務となり体調を崩す教職員も増大しています。この悪夢を恒常的な予算削減計画が更に増幅させることは、間違いありません。


 法人化に賛成した学長、及び了解を与えた学長は、行動するべきです。



2 大学財政危機打開をめざす国会内ポスターセッション
     3 rd Circular
     http://www.shutoken-net.jp/040922_1poster-format.html


ポスターの規格、参加費、およびポスターセッションの日程について
  2004年9月20日
国立大学法人法反対首都圏ネットワーク事務局


国会内ポスターセッションでの一ポスターの規格が決まりました(詳細は、別添のPDF ファイルを参照してください)。


 ポスターは一つ当たり縦1500mmm×横900mm以内の大きさで作成してください。別添PDFファイルに「ポスターの形式」の詳細を示しておきましたので、ご参照ください。


 このポスターをパネル(縦1500mmm×横900mm)に張っていただき、それを机の上に載せて展示することにしました。展示されたポスターの前にある机のスペースを使ってPCなどを置くことも可能です。ポスターを掲示するためのパネルは首都圏ネットが業者にレンタルおよび搬入・搬出を依頼します。ポスターセッションに参加される組織または個人は、パネルに張るポスターをご用意ください。


国会内ポスターセッション参加費について


 パネルのレンタル料、搬出・搬入料が必要となります。参加ポスター数によっても経費総額は異なってきますが、それでもなお、ポスター一つ当たり1万円をお願いすることになると思います。ご準備の方よろしくお願いいたします。


国会内ポスターセッションの日程について
:衆議院議員会館は10月27日(水)に決定!


 10月の第4週とお知らせしておりましたが、衆議院については、第2衆議院議員会館で27日(水)に行なうことが決定しました。参議院議員会館の日程はまだ決定していませんが、26日(火)または28日(木)のいずれかの日に設定したいと思います。ポスターセッションへの説明要員の派遣およびスケジュール調整をよろしくお願いします。


ポスターセッションに結集して、開会中の臨時国会に対して国立大学の財政的危機の実態を訴えよう!


 早くも2つの職組から参加の連絡をいただいています。また、首都圏非常勤講師組合も参加を決定しました。


 それぞれの大学からの「完璧な」報告と分析が求められている訳ではありません。部局、学科、研究室などにおいてこれまで蓄積してきたデータに基づき、財政危機の実態を具体的に提示することが重要なのです。さらに、超過勤務手当支給状況、非常勤職員給与・待遇・労働条件の実態、非常勤講師給与・旅費支給状況、雇用保険等による給与実質減の現状、事務作業の肥大化・煩雑化に伴う経費増など、職場からの生々しい報告を是非ともお願いします。国会内ポスターセッションによる現場データの集積と開示は、大学財政危機の深刻さを折から開会中の臨時国会にはっきりと示すことになるでしょう。そのことは、法人法成立時の附帯決議と明瞭に背反する事態が法人化された大学に出現していることを国会に知らせしめ、立法府としての責任ある措置を迫る第一歩となるものです。



3 種々の意味で危機を迎える都立大


3−1 開かれた大学改革を求める会(代表:西川直子)の声明
「首大」案認可答申に接して


見解
―設置審による「首大」案認可答申に接して―


2004年9月22日
開かれた大学改革を求める会(代表:西川直子)


【1】文部科学省の大学設置・学校法人審議会は、東京都の進める「首都大学東京」案に対して数々の問題点を把握しながらも、その設置を認める答申を文部科学大臣に提出したことが9月21日に報道されました。新大学計画をめぐる現状を冷静に考量するならば、この判断は拙速と呼ばねばならぬもので、きわめて遺憾です。


【2】しかしこの答申において5点にわたる「留意事項」が付されたことは、東京都の進めている新大学案が設置審によって明らかに「問題あり」と認められた証左であると考えます。(この他さらに3点のより根幹的な指摘が非公開で為されているはずです。)


 本来ならば、最低限これらの点が具体的に解決されてはじめて設置認可はくだされるべきです。ともあれ、指摘を受けた「留意事項」に対して東京都側は誠実な対処をするよう、大学設置者である東京都に対してはもちろんのこと、設置認可をくだす文科省にも強く求めます。


 ちなみにこの5点に即して、すでにこれまでことあるごとに公表してきた私たちの批判的認識を略記すれば以下のようになります。


1. 東京都大学管理本部は、現行の都立4大学がこれまで築いてきた教育・研究の蓄積を無視し、大学側との開かれた協議体制を築かぬままに新大学を発足させようとしている。


2. 「都市教養学部」がいったいどのような教育・学問を目指す学部であるのか不明である。教育・研究に必須の体系性がそこには認められない。


3. 単位バンク制には難点がきわめて多い。


4. 新大学は単位枠等の制約の緩やかさをあたかも利点のごとく喧伝しているが、その実は体系的な教育体制の否定に他ならず、責任ある大学教育を放棄するものである。


5. 学部と大学院の設計は一体に考えられるべきであるにもかかわらず、後者案はいまだに明確に示されていない。


 東京都大学管理本部、新大学理事長予定者、学長予定者らは、これまで私たちの声に耳を貸さず強引に進めてきた新大学案のどこに問題があるのか、これを機によく反省し自覚するべきです。


【3】東京都庁側と大学との間での開かれた協議体制、及び、現行大学に在学する学生に対する教育保障、という2点を主軸にこの間活動してきた「開かれた大学改革を求める会」では、これまで掲げてきた目標がまったく達成されていない以上、今後とも粘り強く従来の要求を主張しつづけてゆきます。


1. 新大学開学まで半年を残すばかりとなった現在にいたっても、いまだ解決されていない、それどころか認識すらされていない問題が山積されています。このまま2005年度新大学開学を強行するならば、新大学新入生は言わずもがな、現在在学している学生たちにとっても甚大な被害が及ぶことは誰の目にも明らかです。


 かくなる現実を承知しつつ来年度新大学開学の方針に従う東京都立大学総長以下執行部に対して、さらには冷厳なる現実を把握できていない大学管理本部、理事長予定者、学長予定者に対して、8月9日付声明を発した「開かれた大学改革を求める会」有志らは設置認可が最終的におりようとも引き続き、「新大学開学一年延長」を速やかに決断することこそが考えられうる責任ある最善の方策であるとの訴えを続けてゆきます。


2. 大学の独立法人化案が12月の都議会に諮られると伝えられていますが、大学の自治を重んずる現大学構成員の意見がここに充分に組み込まれてゆくよう、東京都に働きかけてゆきます。とりわけ、2010年度で廃止される予定の現行大学は法人化後にあってもこれまでと同等の学則のもとで運営される、という当然の措置がなされるよう強く求めます。


3. 今後現実に起きた被害に対しては訴訟等の手段を講ずることも念頭に置きつつ、事態を見つめてゆきます。


 以上。



3−2 教学体制の保全に関する要望書
      東京都立大学 学生・院生連絡会議 (2004.9.15)
                平成16年9月15日


東京都立大学人文学部長 南雲 智様
東京都立大学人文学部教授会 御中


教学体制の保全に関する要望書


私たちは、東京都立大学に在籍する学生・院生として、今後いかなる事態があろうとも、ゆらぐことのない私たちの地位と権利をここに確認するとともに、私たちの学習研究環境の保障に直接責任を負う教学体制の保全を求めて下記の要望を提出いたします。


いかなる外部の高圧的な管理も私たちの学習研究環境とは相容れない性質のものであること、私たち学生・院生すべては、都立大本来の教育と研究環境を当然に享受すべきであること、並びに、その自由な学生生活は脅かすことのできない価値であることをご理解いただきたくお願い申し上げます。




私たち東京都立大学の学生・院生は、これまで一貫して私たちの学習研究環境の保障を求めてきました。しかし、現在まで具体的な回答は何一つ示されていません。このような中で、公立大学法人首都大学東京定款(たたき台)が示され、その附則第11項は、「第19条第1項に規定するもののほか、法人に旧大学ごとに当該大学の教育研究に関する重要事項を審議する機関として、教育研究審議会を置く」としており、さらに同12項は、現大学の教育関連事項を決定するにあたって、首都大学東京の規定を準用するとしています。


 現在、東京都立大学においては、カリキュラムの編成、論文審査に関する事項、学位の授与などは、東京都立大学学則と学部規則、あるいは大学院学則、学位規程等にもとづいて教授会の権限とされています。すなわち、私たちの教育研究に関する責任主体ならびに学習研究環境の保障主体は、各学部あるいは各研究科の教授会となります。東京都は、私たちが東京都立大学に入学したことをもって、入学時の学則等によって定められた高等教育を提供する契約を締結しました。当該契約内容は、契約当事者が東京都から公立大学法人首都大学東京へ変更されたとしても、信義則上、影響を受けるものではありません。私たちは東京都立大学において、教授会等の現体制の責任のもと学習研究環境が保障されることで、初めて契約の履行を得られたことになるのです。


ところが、定款附則11項は「法人に旧大学ごとに当該大学の教育研究に関する重要事項を審議する機関として、教育研究審議会を置く」としているのみで、「教育研究審議会」と現大学の教授会との関係が明らかでなく、教授会が本来の機能を果たすことができるかについて危惧を招くものです。私たちの学習研究環境の保障主体である現大学の教授会が、今後十分にその機能を発揮できない状態におかれるならば、公立大学法人首都大学東京が私たちに対して契約を履行するのは不可能となります。また附則12項は、現大学の教育関連事項を決定するにあたって、首都大学東京に適用されるべき規定を準用するとしていますが、新大学である首都大学東京の体制がいかなるものであろうと、そのようなものは現大学に在籍する学生・院生にいささかも関係のないことです。公立大学法人が発足するにともない、現東京都立大学の学則が不可避的に改変されるとしても、新大学である首都大学東京の体制を東京都立大学に適用することは、当初私たちが入学時に締結した契約に明らかに違反するものです。まして学則の改変が正規の手続きを経て行われなければ、とうてい私たちの受け入れられるものではありま
せん。



人文学部教授会におかれましては、教育研究事項についてその責任を全うしていただくとともに、私たちの学習研究環境の保障に万全を期していただきたく、ここに要望いたします。


東京都立大学 学生・院生連絡会議
学生自治会執行委員会
人文科学研究科院生会
史学科院生会
社会科学研究科院生有志
連絡先:renrakukaigi@yahoo.co.jp

2004年03月13日

2004年02月04日

フランスにおける科学者・研究者たちの闘い――「研究を救おう!」をめぐる三週間の動き

「意見広告の会」ニュース93:1 フランス便り
Date: Wed, 04 Feb 2004 02:08:08 +0900
ニュースの配布申し込み,投稿:qahoujin@magellan.c.u-tokyo.ac.jp

1 フランスにおける科学者・研究者たちの闘い
    ――「研究を救おう!」をめぐる三週間の動き
西山 雄二(一橋大学博士課程:パリ第10大学博士課程)

「研究のための別の政策を!」「街頭に出よう、もう我慢できない!」、「研究がなければ、世界は止まる!」、「破壊者シラク、共犯者エニュレ〔研究担当相〕!公的研究の解体に否!」、「銭〔ペペット〕がないからピペット管がない!」、「セールに出された研究活動、ただ今値下げ処分中、何かもなくなってしまうよ!」「マクドナルドの国への頭脳流出!」――フランスで前代未聞の出来事、数千人もの科学者・研究者が街頭に降りたのである。

「研究を救おう!」の署名運動が始まって3週間後の1月29日、研究者と彼らに賛同する市
民たちがついに街路をデモ行進した。20ほどの研究者や高等教育教職員の組合、学生組合組織、若手研究者グループなどがパリ第7大学(ジュシュー)から首相官邸(マティニョン館)まで行進した。参加人数は約1万人(主催者発表。警察発表5000人)で、科学者・研究者のデモ行進としては最大規模となった。また、リヨン、マルセイユ、トゥールーズ、モンペリエ、ボルドーなどデモは全国各地でおこなわれた。

デモ隊列の最後尾には「喪に服した研究活動」の象徴として黒いバルーンが飛ばされた。社会党はデモ行進支持を表明し、党のナンバー2・ローラン・ファビウスも隊列の先頭を歩いた。彼は「私たちは科学者の職に関して、1000の研究ポストの創出を見込んだ暫定的な運営計画を実施したのに、現政府はこれを破棄しただけでなく、研究ポストをさらに削減したのです」と主張した。夕方、首相官邸に到着したデモ隊は、2002年度予算の即自払い込みなどを求める要望書を提出し解散したのだった。

「研究を救おう!」の抗議運動は2003年12月に遡る。2004年度研究予算の削減が決定されたとき、コーチン研究所のアラン・トロットマンは「研究所の悲惨な状況を前にして、パストゥール研究所の同僚とともに、研究者はもはや黙ってはいられない、屠殺場に連れて行かれようとしているのに私たちは背中を丸めている場合じゃない」と憤慨した。この68年世代の生物学者は、時を移さずして仲間とともに最初の文書「羊たちの沈黙」を起草した。17日、40人ほどの生物学者たちがコーチンに集まり、議論の末に研究者の集団辞職という手段が承認され、23日には、請願書の決定稿が研究部局あるいは研究チームの責任者たちに配布された。年が明けて1月6日までに、トロットマンは60名の部局長、90名のチーム・リーダーの集団辞職の誓約を確認していたという。こうして公開書簡「研究を救おう!」は7日に公表され、抗議声明の衝撃は生物学界だけでなく、あらゆる学術分野に伝わったのだった。

公開書簡「研究を救え!」はとりわけ、政府による基礎研究の放棄に対する苛立ちを直截に表明している。実用的で収益性のある応用研究は確かに重要ではあるが、それを支えているのはあくまでも地道な基礎研究に他ならない。経済発展、技術革新、学識の蓄積といった国際競争力にこれから国家が生き残ろうとするならば、国家による基礎研究は必要不可欠である。しかし、フランス政府は基礎研究予算を削減するばかりか、場合によっては過去の予算さえ凍結しているのだ。そして、さらに悪いことに、事態を改善しようとする政府の態度は極めて科学官僚主義的なものでしかない。政府が先導して、特別プログラムを組み、期限付きの委員会を即席で設置したところで、研究機関の混乱は悪化するばかりである。公開書簡は、科学行政に関して各研究機関の現場の声を優先させることをはっきりと主張している。

署名者たちがが政府に要求しているのは主に次の三点である。まず、凍結あるいは取り消されている過去の予算を研究機関に即刻支払うこと。信じ難いことに、財政難のため2002年度から大学・研究機関の一部への予算未払いが続いているのである。次に、2004 年度の550の研究ポスト削減案を撤回し、大学に教員および研究員ポストを相当数増やすことである。これは研究所で働く若手研究者の将来の就職を保証するため、また、アメリカやイギリス、ドイツなどへの頭脳流出を回避するためである。そして書簡は、フランスにおける新しい研究のあり方を特徴づける全国規模の討論会の開催を要望している。

第三点目の討論会の開催は興味深い重要な要求である。というのも、研究者たちは予算配分をめぐる駆け引きに終始するだけでなく、建設的かつ民主的な議論の場所を設けようとしているからである。彼らが前例として挙げているのは1956年にノルマンディー地方の都市カーンで開かれた討論会だ。生物学者ジャック・モノーらが参加したこの討論会は、科学研究を国民的威信の基礎であると同時に経済発展のための最優先条件とみなしていたマンデス=フランスが実現させたものである。そこでは、科学者や政治家、実業家、ジャーナリスト、一般市民が数日間にわたって意見を取り交わすことで、研究活動に関する政策方針が民主的に規定された。カーンの討論会は科学に立脚した近代化と学術における民主主義の関係を深く問い直し、60年代の科学研究の方向性を確定したのだった。この成功例に倣って、「研究を救おう!」の署名者たちは科学行政の舵取りを民主的に決定する討論の機会を切実に求めているわけである。

15日の時点で、既に12000人の科学者・研究者・大学院生が賛同の署名をしていた。理系の研究者に限らず、文系の研究者・院生の賛同署名も行なわれていることは言うまでもない。また、16日、ネット上で一般署名が開始され、数日間で署名した市民の数は30 00人を突破した。食料品店主、看護婦、法律家、不動産業者、船員、年金生活者、主婦、失業者……。23日までに、「研究者たちの行動を支持する市民リスト」には実に20000人の名前が集まったのだった。科学者の問題が研究所を枠組みを越えて市民社会に知られるところとなり、市民と研究者のかつてない連帯の輪が急速に広がった。「研究を救おう!」の文面にあるように、基礎研究の危機的現状を世論に理解してもらうという発起人たちの目的は短期間で達成されたわけである。それは、科学・学術研究の問題がもはや研究者の単なる予算配分の問題ではなく、自分たちの国の未来像をどう描くのかという社会的選択の問題として広く認知される過程だった。

研究者の怒りがメディアで頻繁に報道される中、クローディ・エニュレ研究担当相はラファラン首相と話し合い、執行凍結の解除を了承させた。そのほか政府は、「評価ミッション」による監査を実施し2週間後に予算「不足」問題に結論を出すと発表した。仏政府の統計によると、仏全体の研究開発支出はGDP比(以下同)2.2%と、日本(3%)、米国(2.7%)、独(2.5%)を大幅に下回る。ただし、日本や米国はほぼGDP比2%を民間企業に依存しているが、仏は1.4%にとどまる。一方で、公的研究部門の支出は仏が0.9%で前記三国を上回っている。仏政府としては今後、民間企業の研究支出を増やし、2010年までにGDP比2~3%の予算を確保する方針だとしている。

抗議行動に回答するため、エニュレ研究担当相は22日、研究者への書簡を研究省のHP上で公開した。彼女は、「2004年度の研究予算は3%増えている。首相が指摘したように、2004年度は研究施設予算は凍結も取り消しもしない。研究を支援する努力は2005年度も2006年度も継続される」、と政府の方針を支持した。また、「研究所の就職に適応性と順応性をもたらすために契約研究員という新方式を実施しているが、この方策は継続されるだろう」としただけで、結局、署名者が要求している科学研究をめぐる討論会開催の問題には一言も触れなかった。今回の大学問題はテレビやラジオ、新聞を通じて頻繁に報道されたが、ラファラン首相やエニュレが頑なな態度で、研究者のこのような集団辞職宣言は正当化されえないとメディアで発言する度に、科学者に賛同する署名者数はますます増えていった。

ところで、視点を広げて、EUレベルでの高等教育政策にも触れておきたい。通貨統合に成功し、現在は政治統合の調整に難航しているEUだが、教育に関する議論も着々と進められている。2003年2月、EU各国における高等教育の充実した協調関係を構想した資料「知識に関するヨーロッパの大学の役割」が発表された(2005年に正式に文書化される予定)。資料は「研究、教育、技術革新の交差点である大学は、多くの点で経済と社会の鍵を握っている」としながら、EU各国の高等教育の「根本的な変化」を要請している。資料では変化に向けた三つの改革条件が挙げられている。まず最初に、大学の資金問題である。アメリカが国民総生産の2,3%を高等研究費に注ぎ込んでいるのに対して、E U諸国平均は1,1%でしかない。民間の融資を拡充させてEU各国が研究資金を獲得することが必要となる。次に、卓越性(excellence)の条件を創出することである。各研究機関の自治を承認し、研究の効率性を称揚することで、研究者同士の専門性を高めることができる。最後に大学外への研究の公開で、これはとりわけ大学と企業の共同関係を想定している。この改革案を見ただけでも、EU各国が独走するアメリカの研究状況をライバル視しながらも、実は、効率性と自由競争にもとづくその産学共同体制を模倣しながら、アメリカに追従しようとしていることがうかがえる。フランスはこれまで独自の学術免状制度をとってきたのだが、EU各国と足並みを合わせようと、来年度から世界的に見て標準的な学士―修士―博士制度へと高等教育制度を改編しようとしている。つまり、巨視的に見れば、フランスさらにはEU各国の高等教育・研究政策は、アメリカがその強大な牽引力である学術研究の国際競争の渦中にあるわけである。

最後に、フランスの大学の全般的状況にも触れておきたい。来年度からの大学改革案として、2003年11月末、学士―修士―博士制度への改編が議会で議論された。全フランス学生連合(UNEF)は抗議行動に動員をかけ、実際に約30ほどの大学で示威行動が行なわれたが、全体的に見て反対の声はさほど盛り上がらなかった。というのも、既に15ほどの大学でこの世界標準の制度への移行が完了しおり、彼らは概ね、「大学人が主役の改革」と今回の制度編成に満足しているからだ。この制度改編の議論の後、今度は、「研究を救おう!」グループが明らかにしたように、大学の予算問題が表面化してくる。フランスの大学は深刻な財政難に見舞われており、いくつかの大学(ナント、ルーアン、ラ・ロシェル、ポワティエ)は2004年度予算の承認を拒否する意向を示している。教員や学生の団体も緊急策を打ち出すよう政府に訴えている。教員・研究者ポストの増設がないだけでなく、驚くべきことに、暖房費節約のために冬休み(2月末)を延期する大学(パリ第11大学)も出ているのだ。来年度からフランスの約半分の大学は学士―修士―博士制度へと切り替わるが、その準備予算も先行き不透明なままだ。さらに、上海大学が作成した世界の高等研究機関ランキングで、フランスの大学ではパリ第6大学がかろうじて65位にランクされたことも大学関係者にショックを与えている。その原因として指摘されるのが、エリート養成の高等教育機関グランドゼコールと一般の大学とのあいだの著しい格差だ。予算配分だけを見ても、一年間学生一人あたりの両者の予算格差は約二倍となっており、この教育制度の不平等性こそが先進国のなかでもっとも非効率的で不条理な高等教育の現状をもたらしている一因だろう。それゆえ、学士―修士―博士制度への移行によって大学間の自由で平等な競争が促進され、現在は無料同然の入学料をある程度増額し、これを大学運営資金として活用するべきだと主張する論者も出てきている。

デモが開催された29日の時点で、公的研究部門に携わる研究者10万4000人のほぼ3分の1 にあたる3万1000人の署名が集まっている。しかし、発起人の科学者たちにとっては剣が峰に立つ状況は相変わらず続いている。政府側からの納得いく回答が得られない場合、「研究を救おう!」の宣言通り、3月9日、国立保健医学研究機構(INSERM)の半数、国立科学研究センター(CNRS)の3分の1の科学者が集団辞職を実行することになっているからだ。学術的大混乱を回避するために、研究者の団体は引き続き何らかの行動を起こしていく予定で、早速、科学研究中央委員会の委員長たちとINSERMの同職者たちは30 日、行政任務に関してストライキを打つことを決定した。

産学協同体制に依存することのない国家による基礎研究の保護――「研究を救おう!」が明瞭に主張しているこの大原則は、自由主義的経済理念が牽引する現下のグローバリゼーションの時代においては、ますます純粋な響きを帯びて聞こえる。効率性と卓越性にもとづく経済競争が優先されるこの時代において、これは時代遅れの主張だろうか?

いや、少なくとも私はそうは思わない。集団辞職という絶対的手段に訴える科学者たち、これをメディアが大々的に報道し、世論が応答するというフランスの政治的共感の流れ――今回の運動を通じて確認されることだが、新しい社会的異議申し立てが到来するとすれば、それはつねに時代遅れの、だがしかし確かな歩調を伴なっているのだ。

<参考記事>
ル・モンド紙(2003年11月25日、2004年1月9、16、23、24、30、31日付)
リベラシオン紙(2004年1月31日付)
* 転載は自由です。

2004年01月19日

「意見広告の会」ニュース87

Date: Sun, 18 Jan 2004 02:27:42 +0900
「意見広告の会」ニュース87

*「ニュース」の配布申し込み、投稿は
  qahoujin@magellan.c.u-tokyo.ac.jp に、お願い致します。

***
目次
1 首都圏ネットの声明  (重要な声明です)
2 非常勤講師が削減されているーー各大学の状況
3 東大佐々木総長の寄稿 「日経」1/10

 *2について、各大学の状況をお知らせ下さい。

***

1 国立大学法人4月移行の凍結を求めて、国会要請
2004年1月17日 国立大学法人法反対首都圏ネットワーク事務局

○国立大学法人法案は、与党の強行採決によって昨年の通常国会会期末ぎりぎりに成立し、昨年10月1日施行された。しかし、施行後、国会審議の過程で鋭く指摘された問題点が次々と現実化し、運営費交付金等の問題で国立大学法人法成立の前提さえ崩壊する状況となっている。こうした事態は、政府、文科省、財務省等行政府が国会における審議経過、政府側答弁、衆参両院における附帯決議等をことごとく無視したために生じたものであり、国権の最高機関である国会としては、絶対に容認できるものではないはずである。

○国立大学協会が昨年12月11日臨時総会を開催し、このまま事態が推移するならば各学長は初代学長の指名を返上せざるを得ないとの決意を表明するという異例の事態になっている。そして、1月10日の日本経済新聞が報道したように、国大協会長である佐々木東大総長が「四月を期してスムーズに法人化が行えるという見通しを持つ学長たちがどの程度いるのか、心もとない限りである。」と認めざるを得ない状況なのである。私達は、法成立の前提が崩壊し、さらに準備が出来ない以上、国立大学法人法制を構成する「整備法」附則第1条を当面凍結し、4月1日の国立大学法人移行を延期することが必要であると考える。その上で、国立大学法人法制全体について国会で徹底的に再検討を行うことが事態打開の最善の道である。

○国立大学法人法反対首都圏ネットワークは、16日、国会各会派の文部科学関係委員に対して、来る19日からの通常国会において国立大学法人移行凍結のために尽力するよう申し入れ活動を行った。以下に、要請活動に際して持参したメモランダム(一部修正)を示す。各方面での議論の参考になれば幸いである。

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国立大学法人移行凍結についてのメモランダム

2004年1月16日 国立大学法人法反対首都圏ネットワーク事務局

1.凍結の根拠

 法案成立の前提となっていた下記の3条件が崩壊しようとしている現在、立法府としては、行政府が法成立の前提となっていた事項を実現するまで法を凍結すべきである。

(1)運営費交付金
【法成立時】
運営費交付金は国の義務的経費とされ、通常の交付金と同様の収支差額補填方式で算出することとなっていた。
【現在】
運営費交付金は総額決定方式に変更され、効率化・経営係数等導入によって逓減される算定ルールに切り替えられようとしている。また、裁量的経費への移行が企図されている。

【解説】
運営費交付金が国の義務的経費であることを示す根拠として、以下のような主張がなされていた。
・「国立大学法人法等の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律」(整備法)第3条によって学校教育法第2条第1項が改正され、国立大学法人を国と同義のものと位置づけている。従って、国立大学の設置者は国とみなされる。
・学校教育法第5条は経費の設置者義務を明記しており、国立大学に必要な経費の準備は国の義務というこれまでの仕組みはかわらない。

これは、遠山文部科学大臣(当時)の答弁「法人化後も国として必要な財源措置を行うことといたしておりまして、国を設置者とすると提言することによって法人化後も国立大学に対する国の責任を明示しようとした検討会議の最終報告の趣旨は実現されているものと考えております。」(2003年6月26日参議院文教科学委員会)によって確認されています。また、松田総務省行政管理局長の答弁「国が設立する法人、かつ財源措置が国によって義務づけられている、そういう法人でございます」(同前)でも国の義務が明示されている。

【資料】
◎国立大学法人法等の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律(整備法)
第3条 学校教育法(昭和二十二年法律第二十六号)の一部を次のように改正する。
第2条第1項中「国」の下に「(国立大学法人法第2条第1項に規定する国立大学法人及び独立行政法人国立高等専門学校機構を含む。以下同じ。)」を加える。

◎学校教育法
第5条 学校の設置者は、その設置する学校を管理し、法令に特別の定のある場合を除いては、その学校の経費を負担する。

(2)中期目標・中期計画
【法成立時】
中期目標・中期計画の作成主体が大学であることが確認されており(衆議院附帯決議第4項、同参議院第5項)、大学の自主性確保については、国会審議においてくりかえし政府側がそれを保証する旨答弁したところである。

【現在】
2003年12月18日開催の国立大学法人評価委員会第2回総会
(www.mext.go.jp/b_menu/shingi/kokuritu/gijiroku/001/03121901/002.htm)
によって「達成状況を示すための指標(数値指標を含む)」の設定が部局ごとにも求められる事態になっている。このような修正要求を文部科学大臣が認め、各大学に指示する事態となれば、国会答弁ならびに附帯決議に明瞭に反する。

(3)適法的移行
【法成立時】
文部科学省は04年4月1日までにはすべて準備が整い、適法的に移行できると答弁している。
【現在】
労働基準法に基づく就業規則(関連規程を含む)と労使協定、労働安全衛生法に基づく労働環境整備など法人移行に必要な法定事項について3月31日までに準備が完了する目途はほとんど全ての大学で立っていない。また、法人化後における管理運営・財務会計の設計など、法人の基本的骨格に関することがらについて、ほとんどすべての大学で学内議論がようやく始まったに過ぎない。このような現状は、「万事にわたって膨大な史上最大の仕組みの見直し作業を大学に求める一方で、制度の確定に必要なルールの実質的な決定が遅れ、時間面でのリソースが絶望的にひっ迫していることにある。(中略)総じて、学生を含めると数十万人に上る関係者がいるこの膨大な改革を行うにしては移行過程全体の責任体制は非常にぜい弱であり、それこそ薄氷を踏む思いであると言わざるを得ない。四月を期してスムーズに法人化が行えるという見通しを持つ学長たちがどの程度いるのか、心もとない限りである。」(日本経済新聞1月10日)という佐々木東大総長の言葉に端的にあらわれている。

2.凍結の必要性
(1)上記の前提条件1が崩壊したまま、国立大学法人へ移行し、かつ国立学校特別会計システムが廃止されるならば、国立大学の財政は破綻する。
(2)前提条件2が無視されたまま、中期目標・中期計画の策定がなされるならば、大学の自主性が無視され、法人法精神ならびに附帯決議に背反する事態が生じる。
(3)現状では、労働基準法、労働安全衛生法等に規定される諸条件が04年4月1日までに整備される状況ではない。

3.凍結すべき条項
 上記のことから、本年4月1日に国立大学が国立大学法人へ移行することを当面凍結することが最も適切な措置であると考えられる。4月1日移行は国立大学法人法には規定されておらず、「国立大学法人法等の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律」附則第1条によっている。従って、同条を国会による議決があるまで凍結するという最小限の措置によって、最悪の事態を回避することが可能となる。

【資料】
◎国立大学法人法
第3条
別表第1に規定する国立大学法人及び別表第2に規定する大学共同利用機関法人は、準用通則法第17条の規定にかかわらず、整備法第2条の規定の施行の時に成立する。
2  前項の規定により成立した国立大学法人等は、準用通則法第十六条の規定にかかわらず、国立大学法人等の成立後遅滞なく、政令で定めるところにより、その設立の登記をしなければならない。

◎国立大学法人法等の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律(整備法)
第2条 次に掲げる法律は、廃止する。
1 国立学校設置法(昭和二十四年法律第百五十号)
2 国立学校特別会計法(昭和三十九年法律第五十五号)
附則
第1条:この法律は、平成十六年四月一日から施行する。

4.凍結解除条件
凍結解除は法成立の前提条件確保が確認される時とする。具体的には、
(1)運営費交付金が国の義務的経費と位置づけられ、かつその算出にあたっては収支差額補填方式が採用されること
(2)中期目標・中期計画策定にあたって大学の自主性確保が確認されること
(3)労働基準法、労働安全衛生法等、国立大学法人に適用されるべき法律に照らして準備が可能であると判断されること

なお、国立学校特別会計は年度単位で執行されているので、凍結期間は最低1年となろう。


2 非常勤講師の削減 (各大学の情報をお知らせ下さい−−事務局)

(1)佐賀大学
 佐賀大学では再来年度(05年度)から3割削減ということになっています.来年度はなんとか現状維持でやりくりするとはいいながら,それでも少し削減になりそうです.3割削減に向けて,学科から提出する書類に3段階の必要度ランクを付けさせられました.

教授会での学部長の説明では,「空き定員がなくなったので,その分非常勤の必要度も減ったはずだから」というものです.ではなぜこの時期全国一斉に空き定員解消が起こったのか,と質問しましたら,法人化移行の時点での現員数が(その後のいろんな予算の)基礎になるので,各大学とも急いでそうしたのだ,という説明でした.これは調べればすぐに分かるとは思いますが,それほど埋められたとも思えないのですが・・・

(2)岐阜大学
 当大学では以下のように成りつつあり,学部内で非常勤講師担当科目を担当する教員を捜しています。また,学内他学部から派遣される非常勤講師の手当はなくなることになります。
 なお、来年度以降、非常勤講師の予算が50%削減となるとの情報が入りました。
 これを受けて
 (1)来年度以降の新カリキュラムの非常勤講師担当科目については、廃止も含め、早急に再検討する。
 (2)来年度(平成16年度)の旧カリキュラム(来年度2年生以上)は、例年通りの非常勤講師採用予定で行うものとする。なお、必要な経費は、農学部(あるいは全学)にお願いする。
 (3)さ来年(平成17年度)以降の旧カリキュラムについては、隔年開講や担当者変更について今年の6月までを目途に見直し作業に入る。


3 佐々木東大総長の寄稿
秒読み国立大学法人化の課題(1) 
“新人事制度作り難題”(日本経済新聞、1月10日号、「教育」欄)

遅すぎるルール決定
時間不足で不安募る現場

四月からの国立大学法人化は秒読み段階。準備状況や法人化後の課題を現職の大学学長に寄稿してもらった。初回は国立大学協会会長も務める佐々木毅東京大学総長。

ある所で国立大学の学長たちが、「四月に果たして給料が本当に職員の手元に届くのだろうか。そうしたことを考えると、眠れなくなることがある」と話をしていたのを耳にしたことがある。国立大学の法人化についての世間の抽象論とは別に、現場はこうした極めて具体的で現実的な不安に悩まされている。

 問題の所在は極めてはっきりしている。すなわち、人事制度を非公務員型に変えることを含め、万事にわたって膨大な史上最大の仕組みの見直し作業を大学に求める一方で、制度の確定に必要なルールの実質的な決定が遅れ、時間面でのリソースが絶望的にひっ迫していることにある。

 年末に報道された運営費交付金算定ルールをめぐる国立大学協会と文部科学省とのやりとりは、財務面でのリソース問題を浮き彫りにし、事態をさらに厄介なものにした。

 総じて、学生を含めると数十万人に上る関係者がいるこの膨大な改革を行うにしては移行過程全体の責任体制は非常にぜい弱であり、それこそ薄氷を踏む思いであると言わざるを得ない。四月を期してスムーズに法人化が行えるという見通しを持つ学長たちがどの程度いるのか、心もとない限りである。

 残された三カ月において処理しなければならない課題は山積している。
理事や監事、それに経営協識会の学外メンバーの選出はかなり進んでいるようである。しかし、中期計画についてどのような修正が求められることになるのか、年次計画がどのようなものになるのかなど、なお十分に明らかでない。

包括できぬほど多種多様な活動

 大学側の準備にそくしていえば、どこの大学においても残された最大の課題は人事制度の新しい仕組みの創出である。

 周知のように大学では実に多種多様な研究教育活動が行われ、大きな病院を抱えている大学も少なくない。こうした中で非公務員型の採用を踏まえ、複雑な活動実態を包括できるような就業規則を新たに定め、併せて人事管理や給与体系の今後のあり方を構想するというのは難事中の難事である。

 その際、退職金制度という重要な要素は外部的与件として存在している。しかも、四月の法人発足に当たっては関係者の必要な同意を得られるようにしなければならないのである。大学においてはこれまで教官と事務官との二元的な人事体制をとってきたが、この作業は人事制度全体を管理する体制も人材もないところでの作業であるから一層難しいことになる。

 例えば、法人化以後においてはこれまでの定員という概念はなくなることになっているが、これを自由化として専ら受け止め勝手気ままな人事政策をとるならば、やがて、人事管理体制そのものが崩壊し、学内の人事は無秩序化を免れないであろう。しかしながら、他方で旧態依然とした態度で万事対応しようとするならば法人化が与えてくれた貴重な新たな挑戦の機会を自ら放棄することになろう。

 およそ管理がリソースの確定とその有効な活用を念頭に置くものである以上、明確な共通の学内原則を確定しつつ学長や部局長の裁量の余地を拡大するのが当面の取り得る処方せんである。

 いずれにせよ、この肝心な人事制度についての見通しが立たなければ、四月からの法人の長としての任を果たせないということで、その役目を返上することを考えなければなるまい。

事務官の職務意識改革必要

法人化に伴う国立大学の研究教育面での変化についてはここでは立ち入ることを控えたい。なぜならば、研究と教育に従事する教官団の活動が法人化によって一変するといったことはあり得ないからである。

 むしろ、法人化によって大きな影響を受け、その帰趨(きすう)を決めるのは事務官集団である。これまで国立大学は研究教育の担い手たちと、それを支えつつも同時にコントロールする事務官集団との複合的組織であった。後者は最終的には中央の官僚制と結びついていた。

 法人化は制度的に大学全体を研究教育活動中心に組織化し直すことを趣旨としている。つまり、事務官集団を中央官僚制の末端として位置付けるのでなく、研究教育のサポーティング・スタッフとして可能な限り位置付けること、それとともに日常的な管理事務を可能な限り学内で規制緩和し、見直すことがそこに含まれている。

 したがって、事務官にはどの領域で研究教育をサポートする役目を果たすかについての明確な目標と意識改革が求められることになる。そして日本の大学に決定的に欠けているのが良質なサポーティング・スタッフの存在であることは周知の事実であり、この改革は研究教育の改善にとっても決定的に重要である。

求められる立法者機能

 しかしながら、官僚制的体質からの解放は大学法人が研究教育の今後のあり方について自ら識見と洞察力を備えなければならないことを同時に含意している。大学の執行部がこうした能力を備えるためには、それに必要な精査・助言機関を学外者の参加をも含む形で自ら作り上げるといった準備が当然求められる。

 学長のリーダーシップなるものが学術的精査なしに、突然思いつき的に登場するというような事態は、法人化の姿として到底望ましいとは考えられない。

 こうした根本問題の処理を含め、日常的案件の処理とは違ったいわゆる立法者機能をどこまで実現できるか、残された時間は極めて少ない。 

2004年01月14日

意見広告の会ニュース83号

From: 意見広告の会 <qahoujin@magellan.c.u-tokyo.ac.jp>
Date: Wed, 14 Jan 2004 06:16:43 +0900

「意見広告の会」ニュース83

* 「ニュース」の配布申し込み、投稿は
  <qahoujin@magellan.c.u-tokyo.ac.jp>に、お願い致します。

*簡単なお知らせ

1 「サンデー毎日」が、先週号より石原都政批判のキャンペーンを行っています。
 良いものには身銭を切る、というのが「意見広告」の趣旨でした。
 どうぞお買い求め下さい。

2 都立七生養護学校についての人権救済申立人は3000名を突破しました。
  申立人にはどなたでもなることができます。前号、前々号をご覧下さい。

3 「イラク自衛隊派遣反対」の意見広告が15日付朝日新聞に掲載予定です。
 ご覧下さい。

4 国立大学運営費交付金問題についての「新首都圏ネット」からの提案がまもなく発表 されます。当ニュースで掲載予定。

目次
***
1 運営費交付金問題 年末・年始新聞論調
2 都立大学大学院国語学専攻OB・OGの会有志声明
3 都立4大学 「読売新聞記事」
4 次号予告 横浜市大からの投稿

2003年12月27日

法人化に賛成した国立大学長への謝罪と損害賠償の要求

意見広告の会ニュース77より 山口大学事務職員50代係長 から法人化に賛成した国立大学長へのメッセージ

・・・・・学内外の反対を押し切り、賛成した学長として組織に対して謝罪と損害賠償を考えるべきです。

法人化に賛成した学長殿 
                                       
                   山口大学事務職員50代係長
 
数千人の意見広告の会や全大教や法人化反対の政党のいろいろの行動が国会での法人化法案に付帯決議を生みました。

微力ですが、私も意見の会に賛成しも数万円の広告費をカンパしました。全国の同志結集で全国紙に数回にわたり、数千万円の経費を掛けて意見を述べました。

付帯決議で、悪化の歯止めがつけられたかに見えましたが、財政面で政府与党・財務省の恒常的な予算削減計画は、財政の停滞状況に導き、大学が財源を集中したほんの一部の分野しか陽が当たらないこととなります。

今までの国立大学では毎年の定員削減計画により大変苦しんだ計画に匹敵する最悪の恒常的な予算削減計画です。

数大学の学長は、国大協で反対の意見を述べられ、危険であることの警鐘を鳴らし続けられたと報道されています。 

法人化に賛成した学長又は、意見を述べなかった学長は、直ちに行動を起こすべきです。現在要望書を提出したとしていますが、この計画が決定されたら、長期にわたり各大学に数億円以上のの減額が予定されていると報道されています。

民間会社なら社長の判断ミスで、組織に多大な損害を与えた場合は、辞職する例もあります。

これは、恒常的な予算削減計画を乗り切るために収入減を授業料等の大幅値あげでカバーするするしか方法がなく、国民に対して国立大学の良さを捨てたに責任もその学長にはあると思います。

この1月に恒常的な予算削減率計画が決定がされたら、学内外の反対を押し切り、賛成した学長として組織に対して謝罪と損害賠償を考えるべきです。

各大学は、恒常的な予算削減計画が決定されると、血のにじむような計画をこの4月から検討しなければなりません。

教職員は、定員削減計画で教職員が減り恒常的な長時間勤務となり体調を崩す教職員も増大しています。この悪夢を恒常的な予算削減計画が更に増幅させることは、間違いありません。

法人化に賛成した学長、及び了解を与えた学長は、行動するべきです。

「意見広告の会」ニュース77

「意見広告の会」ニュース77
Date: Sat, 27 Dec 2003 02:04:23 +0900
From: 「会」事務局CXH02476@nifty.ne.jp
1 法人化に賛成した学長に行動と謝罪と損害賠償を 読者からの手紙
2 自衛隊のイラク派遣に反対する署名
3 「東京都 基本指針」に対する都立大理学部教員のコメント
4 石原知事記者会見
5 都立法科大学院に関する「東京新聞」特集記事

* 事務局より
投稿に際しましては、氏名・所属などの掲載可否を明瞭にお示し下さい。不明の場合は、原則として「所属」掲載・匿名とさせていただきます。

Date: Sat, 27 Dec 2003 02:04:23 +0900

From: 「会」事務局CXH02476@nifty.ne.jp

Subject: 「意見広告の会」ニュース77

「意見広告の会」ニュース77


2 自衛隊のイラク派遣に反対する署名

4 石原知事記者会見


1 法人化に賛成した学長殿 
                                       
                   山口大学事務職員50代係長
 
数千人の意見広告の会や全大教や法人化反対の政党のいろいろの行動が国会での法人化法案に付帯決議を生みました。

微力ですが、私も意見の会に賛成しも数万円の広告費をカンパしました。全国の同志結集で全国紙に数回にわたり、数千万円の経費を掛けて意見を述べました。

付帯決議で、悪化の歯止めがつけられたかに見えましたが、財政面で政府与党・財務省の恒常的な予算削減計画は、財政の停滞状況に導き、大学が財源を集中したほんの一部の分野しか陽が当たらないこととなります。

今までの国立大学では毎年の定員削減計画により大変苦しんだ計画に匹敵する最悪の恒常的な予算削減計画です。

数大学の学長は、国大協で反対の意見を述べられ、危険であることの警鐘を鳴らし続けられたと報道されています。 

法人化に賛成した学長又は、意見を述べなかった学長は、直ちに行動を起こすべきです。現在要望書を提出したとしていますが、この計画が決定されたら、長期にわたり各大学に数億円以上のの減額が予定されていると報道されています。

民間会社なら社長の判断ミスで、組織に多大な損害を与えた場合は、辞職する例もあります。

これは、恒常的な予算削減計画を乗り切るために収入減を授業料等の大幅値あげでカバーするするしか方法がなく、国民に対して国立大学の良さを捨てたに責任もその学長にはあると思います。

この1月に恒常的な予算削減率計画が決定がされたら、学内外の反対を押し切り、賛成した学長として組織に対して謝罪と損害賠償を考えるべきです。

各大学は、恒常的な予算削減計画が決定されると、血のにじむような計画をこの4月から検討しなければなりません。

教職員は、定員削減計画で教職員が減り恒常的な長時間勤務となり体調を崩す教職員も増大しています。この悪夢を恒常的な予算削減計画が更に増幅させることは、間違いありません。

法人化に賛成した学長、及び了解を与えた学長は、行動するべきです。


2 イラクへの自衛隊派遣反対署名

2003年12月26日(金)
大学関係者の皆様

イラク問題に関連して、日本が大きな岐路に立っています。大学界でも主に人文社会科学分野の研究者の方が少なからず市民運動の中心となって活動されておられますが、大学界からの声としてはイラク派遣への危惧は日本社会に十分には届いていないように思います。

そこで、東京都議会と横浜市議会への要請書(*1) 、京都地裁への要望書(*2) と同様の形式でネット署名を行い、問題分析や提案等を含め、メッセージをいただいて、大学界の思いをさらに少しでも日本社会に伝えられれば、と思います。

場所は、http://poll.ac-net.org/3/ です。署名受付窓口はこのページのみです。インターネットによる省力化を活用する短期集中型署名運動ですので、ご理解ください。

(*1) http://poll.ac-net.org/1a/
(*2) http://poll.ac-net.org/2/

辻下 徹

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自衛隊のイラク派遣に反対する研究者の声明への署名の呼びかけ

 現在、小泉政権は自衛隊をイラクに派遣しつつあります。たとえ一国平和主義といわれようとも、第2次世界大戦以後、国家の行為として他国民を殺傷したことがなかったことは、我々日本人の誇りだったはずです。日本はいつから、為政者の思いつきで憲法を無視できる無法国家になったのでしょうか。自衛隊のイラクへの派遣を即刻中止することを政府に要求する呼びかけに賛同してくださるよう、全国の研究者の皆様に訴えます。なお、この署名は1月11日東京で開かれる派兵反対集会において紹介いたします。

呼びかけ人代表 山口二郎 北海道大学

赤井 純治(新潟大学),在田 一則(北海道大学),五十嵐 尤二(新潟大学),池内 了(名古屋大学),伊豆 利彦(元横浜市立大学),出水 薫(九州大学),一楽 重雄(横浜市立大学),一條 眞古人(北海道大学),岩永 定(鳴門教育大学),宇野 忠義(弘前大学),浦辺 徹郎(東京大学),大谷 尚子(茨城大学),大野 裕(名古屋大学),神沼 公三郎(北海道大学),河合 崇欣(名古屋大学) ,北川 勝弘(名古屋大学),栗山 次郎(九州工業大学),小島 純一(茨城大学),小林 邦彦(名古屋大学),小林邦彦(名古屋大学),駒田 聡(京都教育大学),近藤 義臣(群馬大学),後藤仁敏(鶴見大学短期大学部),斎藤 周(群馬大学),佐久間 正(長崎大学),笹沼 弘志(静岡大学),志賀 徳造(東京工業大学),清水 肇(東北大学),庄司 惠雄(お茶の水女子大学),白井 浩子(岡山大学),白井 深雪(東京大学),鈴木恒雄(金沢大学),竹浪 聰(富山大学),田澤 紘一郎(信州大学),谷本盛光(新潟大学),多羅尾 光徳(東京農工大学),塚本 次郎(高知大学),辻下 徹(北海道大学),豊島 耕一(佐賀大学),中川 弘毅(千葉大学),中村 郁(北海道大学),
仲尾 善勝(琉球大学),永井 實(琉球大学),永岑 三千輝(横浜市立大学),根森 健(新潟大学),能條 歩(北海道教育大学),野田隆三郎(元岡山大学),橋本 満(電気通信大学),長谷川 浩司(東北大学),服部 昭仁(北海道大学),浜本 伸治(富山大学),濱田 武士(東京海洋大学),早川 洋行(滋賀大学),福島 和夫(信州大学),藤田詠司(高知大学),藤本 光一郎(東京学芸大学),保谷 徹(東京大学),本田 勝也(信州大学),前田 靖男(東北大学),増子 捷二(北海道大学),間嶋 隆一(横浜国立大学),松田 彊(北海道大学),松尾 孝美(大分大学),松方 冬子(東京大学),三島 徳三(北海道大学),宮本 孝甫(琉球大学),森 英樹(名古屋大学),森本 淳生(京都大学),山形 定(北海道大学),山口 和秀(岡山大学),山根 正気(鹿児島大学),吉岡 直人(横浜市立大学),吉田 正章(九州大学),渡辺 信二(立教大学),渡辺 明日香(北海道大学),渡辺勇一(新潟大学),渡邉 信久(北海道大学)

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自衛隊のイラク派遣に反対する研究者の声明

 現在、小泉政権はアメリカの求めに従って自衛隊をイラクに派遣しようとしている。現地には、イラク特措法でいう安全な場所は存在しないことは明らかであり、また自衛隊はイラク国民の切望する平和や復興のためよりも、アメリカ軍によるイラク支配を支援しに行くことも明白である。このまま自衛隊が派遣されれば、それはアメリカ軍と一体の軍事組織とみなされることは不可避である。そして、自衛隊はアメリカ軍支配に反発するさまざまな勢力による武力攻撃の標的となる危険性はきわめて高い。また、それに対する自衛手段とはいえ、自衛隊が現地の人々を殺傷する可能性も大きい。

日本国憲法制定以来、憲法第9条のもと、国家の行為として他国民を殺傷したことがなかったことこそ、日本人の誇りだったはずである。この誇りがいまや打ち捨てられようとしている。小泉政権は、国民の反対を無視し、国民に対する十分な説明もなしに、憲法を踏みにじろうとしているのである。

 イラクの復興のために日本が協力することは当然であるにしても、それはあくまでイラク人の願いに沿った協力であるべきである。また、イラクの復興は国連を中心とする国際社会の協力によって達成すべきものである。イラクの地に軍靴の足跡をつけるためだけの自衛隊派遣は、真の平和と復興をもたらすことにもつながらない。

 我々は政府の暴挙を座視することはできない。小泉政権による憲法9条の実質的な廃棄を許すことはできない。また、権力保持に汲々とする為政者の都合で自衛隊員を危険にさらすことも看過できない。我々は政府に対し、自衛隊のイラク派遣決定を撤回するよう要求する。

2004年1月

イラク派兵に反対する研究者の会


3 「東京都 産業科学技術振興・基本指針」への都立大理学部教員のコメント

1)「ナノテク」といって、すぐにでも実現しそうな明るい雰囲気がありますが、実はものごとはそう単純ではありません。たしかに我々も公的資金を申請するときは、いかにも実現性がありそうに作文はしますが、それは単に可能性であって、実現性が極めて難しいものが多いことは現場の研究者が一番よく知っています。たとえば、話題性のあるーボン・ナノチューブですが100近い応用例が提案されてきましたが、市場原理を前提としてビジネスとして成立しそうなのは(専門的になりますが)非線形光学素子としての応用くらいではないかと考えています。全国紙に掲載された我々の研究も基礎物性物理以外のなにものでもないのです。

2)そう簡単に実現性がないことは企業がよく知っています。リスクの大きいテーマには思い切って投資していません。政府もこれをよく知っていて、科学技術基本計画(5年間で20兆円を越える公的資金の投入)の予算の約30%はナノテク関係かと思いますが、要するに大学とか公的研究機関のようにリスクを負担できるところに投資できる枠組みを作っているのです。これはもちろん、リスクを負いたくない財界の強い要請が背景にあります。

3)ましてや、リスクを負う余裕のない中小企業の再生のためにナノテクが役立つはずはありません。100の可能性のうち、数項目しかビジネスとして成立しないという現状では、中小企業は乗れる訳がありません。もし東京都が本気にナノテクを推進する気ならば、まずは市場原理を度外視して、基礎研究に投資する(対象は大学や公的研究機関でしょう)姿勢が必要でしょう。

4)これと対照的なのは半導体の計画です。これは国際的にロードマップ(ITRS: International Roadmap for semiconductor)ができていて、2020年頃までには、シリコンを用いたクロック周波数の理論限界15GHzを実現するための、緻密な計画ができています。これはインテルも東芝も富士通もほとんど同じ戦略で、莫大な投資がなされています。どこに困難があり、それを克服するにはどうするか、どれだけの時間がかかるかを見積もったかなり説得力のあるものです。当然といえば当然で各社が数百億単位で投資するからには実現性が問題なのです。

5)バイオテクノロジーは中間的な位置にあります。実現性の見えている場合もありますが、遺伝子が2カ所以上からんで発現する病気や異常などは、組み合わせの数が多すぎて、天文学的数字の実験が必要になってしまいます。製薬メーカなどが一定の投資をおこなっていますが、アメリカの政府の投資、アメリカ製薬会社の投資と比べれば微々たるものです。

6)H2ロケットが失敗するのは、大企業がいわゆる経験ある人間の熟練性にたよるローテクを軽視したからです。たとえば三菱重工業は、20年前にはあった精密な溶接技術をもはやもちあわせていません。ローテクは中小企業の得意分野でしたが、どんどん倒産し大田区などでは悲惨な状態です。

7)以上のような現状を無視した東京都の計画は、中小企業を活性化するどころか、単に箱物をつくる建設業者をうるおすだけになるでしょう。臨海地区にさすがにいまさら箱物を建設できなくなった業者を救うために、ほかの地区で建設をすすめるねらいが見え見えです。南大沢の新しい建物の建設もこのような流れの一環かと見えます。


4 石原都知事記者会見 12/24

新しい大学を東京で、日本に先駆けて作りたいと思っているが、大学関係者にはいろんな人がいて、大体学者さんというのは、理科系の人はそんなこともないだろうけどが、文科系の人は古い発想力のない非常に保守的な人が多くて、そういう人たちが主になって反対している。メディアの大方の諸君も、そっちに加担して石原の足を引っ張れば、なかなか痛快なのかもしれないが、やっぱり、よく物をみて、総体的に判断してもらいたい。

第一段階としては、随分いろいろ批判があるようなので、それに対する今日はその反論に止めまして、年が明けたらもう少し具体的な提案を示し、主にこれからそれをそこで学ぶ学生がどう評価するか、世間がどう評価するかをその批判に待ちたいと思いますけど。

新大学構想に反対し批判的な人たちは、自分たちの言い分をよしとしているが、その人たちの主張を一言にして言えば、現状温存でしかない。保守ですな。悪く言えば保身。現在ある4大学の単なる統合以外の何ものでもない。

たとえば、私がトップダウンで急にこんなことを言い出したという非難もあるが、全然これは筋違いであり、就任以来、ずっと外部監査を入れてきた。それで、都立の大学もその対象で、その監査を受けて、いろいろな不都合な点が指摘されましたが、個々のトリビアルなディテールの問題についての指摘もあったが、それを総じて、外部監査の総合批評の中には、都立の大学は従来の学問縦割りの学部構成では特徴がなくて、その存在意義が問われている。教員にもっとインセンティブを与えるべきと、そういう多くの指摘がされてもきました。それは、とっくに学校当局に取次いで、個々の改善も要求してきました。

また、都立大学の人文学部では、驚くべきことに都立大学を卒業した学生諸君の就職率が、20%にも達していない。この責任は教授にもあるし、学校の事務局にもあり、学校全体にある。卒業生の三分の二は、卒業後の進路すら把握できておらず、社会に貢献する姿勢が見られない。

しかし、彼等の、反対派の案では、外部監査の指摘やこうした点を改善しようという意向は全く感じられない。案もない。さらに、徒弟制度の中で、自由な教育・研究を阻害してきた講座制についても、一向に見直そうとする姿勢もありません。旧弊のある仕組みを守るだけでは、世界のレベルからどんどん取り残されてしまう。国立の大学やその他の大学も、世界の流れを眺めながら、自らの改修改善を図っているんだけど、肝心の都立大学の中で、特に人文系の先生の中には、こうした意向が全くない。

こういう大学の現状に、学生諸君や父兄は果たして満足しているのかどうか。さらに、これをこのまま大温存しようとする、すべてとは言いませんけど、学校側の動きに都民が納得するかどうか、やはり象牙の塔をふみだして、世間の風に身をさらしながら、先生方に考えてもらいたい。

これから作ろうとする新しい大学は、都市問題などの大都市の大学としての現実に立脚した研究を行い、大都市に求められる有能な人材を都立大学こそ育成することで、都民にもわかる形でその成果を還元して行こうと狙いとしているわけです。従って、学部構成も学問体系も学際的で、現代社会に必要な幅広い教養と能力をきっちりと学生に身につけさせた上で社会に送り出そうというつもりでいる。さらに講座制についても、新大学では廃止して、任期制・年棒制を導入する中で、若い先生も自立してのびのびと授業や研究をしてもらうつもりである。

我々はすでに示した構想に基づいて、現在、具体的な肉付けを行っており、来年早々には学生諸君も、楽しくて有意義な大学生活を送ることができるようなメニューや具体的な教育内容を発表して、新大学設立に向けた動きを加速させて行くつもりである。

ちなみに、わかりやすい数字のデータがあるが、都立大学の他の大学、特に私立大学を比べてみると、支出の合計とうちの人件費の比率が、都立大学は59.4%、私立大学では51.6%。教員の数は限られているわけですけど、教員一人あたりの学生の数が都立大学の場合は、これは良いと言う人もいるかもしれないが10.9人、私立大学では35 人。収入に占める補助金の率、主要財源は都民の税金だが、都立大学では72%、私立大学の場合には平均12%。教員一人あたりの学生の数は、これは極端に少ない、都立大学の場合は、4.6人。上智大学は25.4人、ICU人文科学科は15.0人、千葉大学文学部は12人、東北大学文学部は17人。比べて、都立大学は4.6人。これは学生にとって深刻な問題だが、極端に就職率が低くて17.6%。しかもその他に未把握の部分が67.9%。全国の人文系の就職率は大体53%が平均。未把握の部分はわずか6%。それからもっと具体的な小さな例をあげると、ほとんど希望者のない専攻科がある。独文は2人。仏文は0人。ところが独文の教員が18人。仏文の教員が12人。こういった、非常にいびつな数字が示すように、やっぱりこういう大学は経営の視点から合理化されなくてはならない
し、合理化されることで、学生たちが都立の大学で学んで良かったということになると思う。

一部、人文科学系の先生方の反対というのは、自分たちの責任を棚上げにした、本当にただの保守、悪く言えば保身、退嬰的なものでしかないと私は思う。近いうちに、我々が何を具体的に用意しているかということは、年を明けてから具体的に、先生方も含めて、今いる学生諸君、これから受験をする学生諸君、その父兄の方々に、わかりやすく、たぶん強い共感をもっていただけると思う。年を明けてから、具体的に説明をする。

東京新聞

この間の知事の会見で対案を出せば良いという話があったが、実際に対案を作る動きが、都立大学の中であるようだが、それについてはどうか。

知事

だから、具体的な対案を出してくれれば、それは、私たちの方に勉強をさせてもらう。具体的な案がなくて、今言っているように、ただただ保守、現状維持ということでは、これは対案にもならない。

それほど本気で今ある大学を憂いを抱き、行き先を案じているんだったら、ただただこんな形の反対では済まないはず。


5 『東京新聞』2003年12月24日付

特報
『新大学構想』 対立の構図

 石原慎太郎都知事が8月に突然表明した「都立新大学構想」で火が付いた都と都立大の対立は混迷度を増している。強引なトップダウン手法への反発で、法学部の4教員が退職届を出し、来年4月開校する法科大学院の試験日程も延期された。構想内容にも「こんな大学に生徒を進学させられない」と高校側からクレームが続出する始末だ。2005年春に開校予定の新大学の前途は―。(藤原正樹)

 「新しい大学をつくろうと思っている。今の大学で満足しているのは、そこで偉いことをしている人だけ」。こう都立大を批判した石原知事が打ち上げた新構想では、「大都市における人間社会の理想像の追求」を使命に掲げる。都庁や企業の現場で実学教育を実施し、都市学を基本教養として学ばせるという。

 都が一昨年十一月に制定した「大学改革大綱」では、新都立大を人文、法、経済、理、工、保健科学などの七学部にする方針などを定めたが、新構想はいきなり白紙にした格好だ。

 「大学に何の相談もなく新構想を公にした。都と四大学関係者が、大綱を受けた準備委で二年間検討した改革案を具体化する直前だったのに、努力を無駄にされた。トップダウン手法に怒りを感じる」

 十月七日、都に抗議声明を出した同大の茂木俊彦総長の憤りは増す一方だ。

 茂木総長の抗議声明に対し、都大学管理本部は他の都立の三大学学長の「生き残りには痛みを伴う。新構想に賛同して積極的に取り組む」という共同声明を発表した。都立大は孤立する形になったが、茂木総長は「廃止される短大を除いた二大学はほとんどそのままの内容で存続でき、痛みがないから賛同しているだけ」と切って捨てる。

■『準備委案は時代に逆行』 

 新構想を突如表明した理由について都は「準備委案は都立大の温存策で、時代に逆行している。『まったく新しい大学』を目指す大綱の理念からも外れる。新構想は、五月から開いている外部識者検討会で出てきた内容だ」と説明する。

 これに対し茂木総長は「検討会の九割は雑談で新構想の中身はなかった。これは知事周辺で決定した」と反論する。実際、石原知事は今年四月の会見で「大綱は上っ面で、改革のコンセプトはつかめない。理事長候補と直接話を進めている」と明言している。

 茂木総長は、新構想の中身も問題視する。都立大、科学技術大、短期大、保健科学大が統合される新大学では、総長とは別に、知事が理事長を任命して教学と経営を分離した運営を行う。人文、法、経済、理、工の各学部を一つの「都市教養学部」に押し込め、ほかは「都市環境」「システムデザイン」「保健福祉」の四学部に再編される。都市教養学部コースの理念づくりの補強を大手予備校の河合塾に委託するが、「他者に『理念を考えてくれ』と頼む大学が大学と呼べるのか。『授業科目も考えてくれ』と委託している。理解しがたい」と茂木総長は話す。

 現行の教授、助教授、講師という序列は、主従関係を生み出すとして廃止され、教授、准教授、研究員に変更される。任期制が導入され、准教授の任期は五年で任期中に教授試験に合格できないと退職させられる。同大の文系教授(48)は「院生は最短で卒業に五年かかる。指導を受けていた准教授が退職すると、人生設計が狂うほどの打撃がある。長年の指導で学生の得意分野を把握した進路指導が必要なのに」と批判する。

 学生にも混乱を招いている。西洋中世史を学ぶ女子大学院生は「新構想で大学院の構成も、まだ決まっていない。専攻課程が消滅する可能性もあるので、退学しようと思う」という。

 新構想に特に危機感を募らすのは、人文学部だ。一九四九年に都内唯一の公立総合大として発足した当初から設置され、現在は同大の看板学部になっている。

■人文学部教員 半分以下に・・・

 同学部長の南雲智教授は「新構想は人文学部つぶしだ」と憤慨する。事実、新構想では都立大全体で三割の教員が削減されるが、人文学部の教員は百三十九人から六十四人と半分以下になる。都大学管理本部は「教員一人当たり十五人程度の学生が妥当な数字だが、人文学部は四・五人しか教えていない。同大平均の十人に比べても突出している。人文学部の削減幅が大きくなるのは当然だ」と説明する。

 石原知事は「民間のコスト感覚で運営して赤字を減らし、学生が満足する理想の大学にする」という。茂木総長も「国公立大で赤字でないところはない」と経営事情の厳しさは認める。だが、同大の入試最難関学部で、競争倍率十二、三倍の人気を誇る同学部をつぶすような構想でその目標達成にも疑問の声が上がる。

 前出の文系教授は「人文学部がなくなる影響は計り知れない。少子化で経営環境がより厳しくなるのに、金看板を外す信じ難い構想」と批判する。

■「赤字どころか存続も難しい」

 「人文学部教員が半減すると、語学など教養課程がだめになる。都は新大学を『都のシンクタンク』に位置づけているが、基礎教養もなく専門的な学問をやらされる学生が使いものになるわけがない。高校進路指導教諭の会合でも『新大学には生徒をやれない』という批判が続出している。赤字を減らすどころか、大学存続も難しい」

 茂木総長は「新構想では教員のアルバイトも原則自由になる。授業に支障が出るのを防ぐため制約を設けるのが常識で、教育の質が低下するのは避けられない」と嘆く。さらに「コスト至上主義では大学がすさんで、よい研究成果が生まれない。経営側から一方的に研究費を削られる恐れもあり、学問の自治が侵される」と危ぐする。

 石原知事が新構想を強引に進める背景について、これに反発し退職届を出した法学部の山口成樹助教授は、十七日の学生説明会で「新構想は都立大の解体宣言で、地方自治史上類をみない野蛮行為だ。過去の継承が必須の学問を完全に断絶することを『新しい』と称する。文科省の大学政策を腰抜けと批判してきた知事の同省への面当てでしかない」と批判した。

 「てっぺん野郎―本人も知らなかった石原慎太郎」の著者、作家の佐野真一氏は「大学側の意向を踏みにじる裏には、石原知事の"エスタブリッシュメント嫌い"がある」と分析する。

 「今回の騒動は、抜き打ち的に発表して、激しい住民反対運動にあった原宿留置場構想と同じパターン。鬼面人を威(おど)す施策を次々に出す背景には、最近思い通りにいかないことが多く、石原ブランドの賞味期限切れへの恐れがある。小泉首相が総裁選で再選され、石原総理待望論も消えた。銀行税でも一敗地にまみれ、横田基地返還のアドバルーンを上げたもののうまくいかない。絶えず日の当たる場所ばかり歩いてきた人間の寂しさを感じる」

2003年12月24日

抗議辞職した都立大四教授支持声明

意見広告の会ニュースNo 76(2003.12.24) より転載


すべての大学人は都立大法学部四教授の行動を断固支持し、学問の自由を守る意志表示をしよう!


2003年12月23日

筑波大学 鬼界彰夫


 日本全国の大学で教育・研究にたずさわるすべての皆さん。石原都知事が強引に進めつつある都立大学の再編計画に抗議して四名の法学部教授が辞職されたことはすでにご承知だと思います。私もこの「事件」には強い関心を持って注目していましたが、新聞報道で伝えられる辞職理由が「トップダウンに抗議して」とか「健康上の理由」といった曖昧なものだったため、事態の真の意味を完全には理解しかね静観していました。しかし12月17日都立大で開かれた説明会の模様の報道を通じ、四教授の行動が学問の自由を守るための勇気ある行動であることを知り、彼らの行動を今断固として支持し、いかなる形においても彼らを社会的に孤立させてはならないと考えこのメールを皆さんに書いています。御一読頂き、それぞれの方が、学問の自由を守ることが自分の学者しての命を守ることであり、四教授の行動を支持することがそのために極めて重要であることを認識頂ければ幸いです。

我々はなぜ学問の自由を守らなければならないのか

 大学人に対して学問の自由の必要性を改めて説くのは、文字通り「釈迦に説法」のそしりを免れないことは十分に承知しています。しかしながらかつての「遠山プラン」に象徴される「社会のニーズ」という名のもとに為されてきた「大学批判」に対する大学人の時には迎合的な対応や、国立大学法人法に対する傍観者的態度は、大学は学問の自由を売り渡しても生き延びようとしているのではないかという疑いを起こさせるのに十分なものであり、それが典型的なポピュリストである石原都知事の今回の強引な試みを誘発する遠因となったと考えられるため、学問の自由の意味を再確認したいと思います。

 ある社会が学問の自由を尊ぶとは、その社会が真理(事実)を自体的価値として尊重し、他のいかなる重要な価値にも従属させないということです。他の重要な価値とは、「正義」、「階級」、「民族」、「宗教」、「民主主義」、「国民の福祉」、「社会のニーズ」等様々です。それらは当の社会が「是」として合意している建前であり、看板です。社会が学問の自由を尊ぶとは、ある問題に関する事実が仮に社会的是にとって一時的な後退を意味するものであっても、それを事実として認めようということであり、それを事実として探求し、公開する人々の活動を社会全体で支援しようということです。いかなる問題に関しても、「本当の所はどうなのか」ということを決してないがしろにしないということです。「都合のよい事実」を決して捏造しない、許さないということです。逆に学問の自由を抑圧するとは、様々な大義のために、「都合の悪い事実」の公開や探求を禁じたり、妨害したり、あるいは「都合のよい事実」の捏造を強制したり誘引したりすることです。従って学問の自由は決してファシズムによってのみ踏みにじられるのではなく、「社会のニーズ」や「国民の福祉」に対する自発的
迎合や追従によっても踏みにじられるものです。

学問の自由は知の専門家である学者の集団としての学問共同体の自律的活動と評価によってのみ可能である

 社会があらゆる判断の根底に真理を置き、「本当のところはどうなのか」を可能な限り追求しようとすれば、学者が探求を職業的に行う場としての大学と、ある事柄に関する真理が何なのかを判断する場としての学問共同体(学会)がどうしても必要です。例えば、ある歴史的事件の真相が何であるのかを知るためには、原資料へのアクセス、それを分析する能力、そうした活動を支える時間と資金が必要ですが、そうしたことは大学という探求の場を与えられた専門家としての歴史家にのみ可能であり、その問題に関して対立する様々な見解が存在する場合には、専門家集団の相互討議の場としての学会においてのみ最善の結論に達することが出来ます。そして本質的に発見的な学術活動はあくまでも学者個人の自発性に基づいてのみ可能であるため、大学で研究する学者の活動は当人の学問的関心、学問的価値観、学問的良心に基づいてのみ可能となります。言い換えるなら学者が自分で興味深く価値あると考える研究テーマを誰の評価も気にすることなく選び、自分の能力と良心にのみ基づき自分が最も真理に近いと考える結論をその根拠とともに社会に公表する、ことによってのみ可能です。他方、他の社会的に重要な価値のために学問の自由を破壊する最も典型的な手段とは、その価値を代弁する非専門家が社会を扇動し、学者の活動と判断を自らの支配下に置くことです。戦前の滝川事件、ソヴィエト・ロシアでのルイセンコ事件、そして中国の文化大革命、いずれにおいてもこの同じ手段が用いられています。そして今回の東京都の都立大再編計画も、本質的には社会をバックにしたかのような非専門家が「魅力ある大都市Tokyo」という(おそらく石原都知事以外の人間には)大して重要でも現実性もない価値に学者を従属させることにより学問の自由を破壊しようとする行動です。

石原都知事と東京都大学管理本部はどのようにして学問の自由を 破壊しようとしているのか

 2003年8月1日に発表された東京都大学管理本部の報道資料「都立の新しい大学の構想について」第二項は次のように述べています。

「新しい大学は、大都市における人間社会の理想像を追及することを使命として、特に次の3点をキーワードに、大都市の現場に立脚した教育研究に取り組みます。

1) 都市環境の向上
2) ダイナミックな産業構造を持つ高度な知的社会の構築
3) 活力ある長寿社会の実現」

 すでに様々な人によって指摘されているように、こうした大学像が現行の都立大全体の研究領域とあまりにも無関係で、ほとんどナンセンスなものですが、百歩譲ってこれが新設される大学であると仮定しましょう。その場合大学の設置者である都は大学がカバーする研究領域を自由に設定することは出来ます。例えば、大都市を多角的に研究対象とする、というように。しかしながら上記の文言は大都市の(よりはっきり言えば石原氏が知事を務める東京の)現実を肯定するような研究を暗に要求するものです。例えば大都市の環境が本質的に非人間的であり、都市はは出来るだけ小さくあるべきであり、従って首都機能も東京から移転すべきだ、という結論に研究の結果到達した社会学者がいたとして、その学者は上記の文言に何を感じるでしょうか。大学に残りたかったら研究テーマか結論のいずれかを変えろ、というメッセージでしょう。このメッセージこそが学問の自由の破壊の本体なのです。

 しかし都立大が直面する現実はもっと深刻です。形式は何であれ、「新生」都立大は新設されるのではなく、すでに自分自身の研究領域とテーマを持った多くの学者を抱える現行都立大の再編でしかありません。大都市と何のかかわりも無い研究をしている学者の感じる当惑と圧力は想像に難くありません。それが学問の自由の破壊なのです。例えば大学管理本部自身がホームページに誇らしげに報告している雑誌「ネイチャー」に掲載された石井助教授と片浦助手らの論文題目は「カーボンナノチューブにおける低温での朝永ーラティンジャー液体状態の直接観察」です。これはいかなる意味においても上記の「新都立大」の理念と何の内容的関係も無いものです。石原都知事と大学管理本部は自らが大学の目玉として広報しているこの優秀な研究者達をどのように処遇しようというのでしょうか。スターリン時代、学術論文の冒頭には論文内容と無関係に、この論文が如何に社会主義にとって有益かということが力説されていたといいます。石原都知事は同様の屈辱を学者に強いることを欲しているのでしょうか。

 このように学問の自由の破壊は常に学者に対する知的屈辱の強制という形をとって現れます。そして今回都によるそうした学問の自由の破壊を象徴するのが予備校への理念委託です。12月12日の東京都文教委員会で明らかになったように、都は再編される都立大の主要部分となる「都市教養学部」の理念設計を予備校の河合塾に3千万円で委託しました。大学で研究にたずさわる学者に対する知的屈辱としてこれより大きなものを想像するのは困難でしょう。明らかに石原都知事は都立大の学者に対して、プライドと学問的良心を捨てて自らの前にひざまづくことを要求しています。そして都立大における学問の自由の破壊を日本の社会と学者が容認するということは、早晩同様の運命が日本の大学全体を襲うことだといってもよいでしょう。

四教授の行動は「敵前逃亡」ではなく、「勇気ある命令拒否」だ

 同じ12日の文教委員会で自民党の山本議員は法学部四教授の辞任を「敵前逃亡」と呼び、彼らの社会的孤立と石原知事の免責を図るような発言をしています。しかしながら軍隊にたとえるなら四教授の行動は敵前逃亡ではなく、無抵抗の非戦闘員を無差別に銃撃しろという上官の不当な命令に対する良心に基づいた勇気ある命令拒否です。彼らが直面したのは学者としての良心を捨て、学問の自由を殺せ、という不当な命令であり、彼らは職を賭してその命令を拒否したのです。我々すべての学者は彼らの行動を支持し、彼らを決して社会的に孤立させず、学問の自由を守る大学の意志を広く社会に示す必要があります。責任を問われるべきは都大学管理本部と石原都知事です。

 これは団体行動の呼びかけではありません。一人一人の学問的良心に対する呼びかけであり、それぞれの身の回りで出来ることをする呼びかけです。彼らに対する応援のメール、東京都に対する抗議のメール、教室での学生への説明と呼びかけ、職を辞する決意をしなくとも我々に出来ることはたくさんあるはずです。ささやかであっても持続的な意思表示が最も大切ではないでしょうか。学問の自由は学者というカナリアにとっての酸素です。学者として命を保とうとするなれら、私たちは酸素を求める当然の声を上げなければなりません。

石原都知事による都立大再編に反対する人々への支援先

『都立の大学を考える市民の会』ホームぺージ
http://www.geocities.co.jp/CollegeLife-Lounge/3113/index.html

東京都への抗議先

都民の声総合窓口 
https://aps.metro.tokyo.jp/tosei/aps/tosei/mail/koe.htm

大学管理本部の連絡先:

 〒163-8001 東京都新宿区西新宿2−8−1
 東京都大学管理本部長 山口 一久 
 03-5388-1615(fax番号)
 メールアドレス:S0000677@section.metro.tokyo.jp

2003年12月13日

「意見広告の会」ニュース71(2003.12.13)

From: 意見広告の会
Subject: 「意見広告の会」ニュース71(2003.12.13)
配信申し込み先:qahoujin@magellan.c.u-tokyo.ac.jp

都立大学に関連して次々に新しい事態が生じています。
1 4教員辞任 東京新聞12/12
2 「読売」社説
3 都議会文教委員会速報
4 都民の会シンポジウム

1 4教員辞任 都立法科大学院の危機
 4教員 相次ぎ辞任
 都立大・法科大学院

 新しい法曹養成機関として、来年四月に開学する東京都立大学法科大学院(ロースクール、中央区)について、都は十一日、出願受け付けと試験を当面延期すると発表した。大学院の専任教員に予定していた四人の教員が相次いで辞職を申し出たため。一人は都の大学改革への強い不信感を辞職の理由にしている。都は都立大など都立四大学を廃止し、二〇〇五年春に新大学を開設する大学改革を進めているが、大学側の反発の強さが異例の形で浮き彫りになった。

■出願、試験 延期決める

 全国で開学する法科大学院で、試験日程が変更されるのは初めて。

 都大学管理本部は、法科大学院の出願期間は十二月二十四日から一月七日までで、書類審査の合格者を対象に実施する試験は一月二十四、二十五両日に実施すると発表していた。
 ところが、都立大学から法科大学院の専任教員に予定していた法学部の教授と助教授の二人が十一月に退職届を提出。今月九日には法学部の別の教授二人も退職届を提出した。三人が民法、一人が行政法を担当することになっていた。
 このため都は、教員補充のために文部科学省との再手続きが必要だとして、試験などの延期を決定。十日に教員人事の差し替えについて、同省に補正申請した。
 都大学管理本部は、新しく選ぶ教員について、大学設置・学校法人審議会の審査を受け、承認後に試験日程をあらためて公表するという。開学への影響については「間に合うよう文科省と相談しながら努力している」としている。

 辞職した教授の一人は本紙の取材に対し、「都は新大学についての議論を全部ひっくり返した。その後の都の改革のやり方も、新大学の内容も、われわれの考え方と全く違う。気力がうせた。辞職は私なりのけじめのつけ方だ」と理由を述べ、都の新大学構想を強く批判した。
 また、辞職する別の教授は「辞めるのはあくまでも健康の問題で、大学改革とは関係ない」としながらも「現在の改革のあり方は、望ましくないと思っている」と話している。
 都の新大学構想は、都と四大学の学長らが昨年から検討を進めていたが、八月に石原慎太郎知事がそれまでの検討内容を大幅に変更した新構想を発表。直前まで変更を各大学に知らせない「トップダウン」の手法や教員任期制導入、大手予備校への調査委託などに対し、都立大の教員や学生らから批判の声が高まっていた。

*都の新大学、英語・PC卒業要件に 12/12別面

 二〇〇五年春に開学予定の東京都の新大学構想で、都は十一日までに、英語などの外国語のコミュニケーション能力とパソコンなどの情報処理能力について一定の基準を設け、卒業要件とする方針を固めた。実社会で役に立つ能力の養成が目的で、都大学管理本部は「全国でも珍しい取り組みでは」としている。

 同本部によると、英語を中心とした語学は、読み書きだけでなく日本人が苦手とされる会話力の向上も重視。英語の国際的な能力テストであるTOEFLやTOEICの活用も視野に入れて一定の語学力の基準を設け、卒業までにクリアすることを学生に要求する。

 パソコンなどの情報処理能力についても、能力テストなどの基準を設ける予定。

 語学授業の質の向上のために、英会話学校から講師を招くなど大学外部の力の活用も検討している。一方で、語学を含めて必修科目は設けない方針で、入学時に一定基準の語学力を身につけている学生は、語学の授業を受けなくてもよい制度とする。

2 「読売」社説 12/12

『都立大 混乱  新大学構想に教員反発 一方的な改革 再考を』
-東京都がトップダウンで進める都立の新大学構想が、大学に混乱をもたらしている?

解説部 中西茂

 新大学は、五学部の都立大、単科の科学技術大と保健科学大、短大の四つを統合・再編、法人化して二〇〇五年度の開設を目指している。公立大は、国立大の後を追って、横浜市立大や大阪府立大などでも法人化の準備が進む。少子化や財政難もあって、存在意義が問われるのは、どの自治体も同じだが、大学がひしめく東京ではなおさらだ。

 都は今年八月、「新しい大学の構想」を発表、四大学を都市教養学部、都市間強学部など四学部に再編する方針を示した。「大都市の課題に対応した学部再編」という。

 この構想に、都立大の教員や学生が反発した。都自身が二年前異に大学改革大綱を策定しており、これをもとに進行中だった教員中心の検討を無視したからだ。都が進めた学識経験者の検討は非公開で、学長らに内容が伝えられたのは、発表の一時間前だった。

 都はさらに、教員配置案や今後の協議内容を口外しないことへの同意書の提出を教員に要求。現在も、同意書を提出しない教員を多数抱えながら、カリキュラムづくりをする奇妙な状態が続いている。

 都の方針変更には、「これまでの日本にはない新しい大学を作る」と公約して、この春再選された石原知事の意向がある。石原氏は、教員の反発を、「学者というのは古い人が多い」と切り捨てる。

 都大学管理本部の大村雅一参事は、「先生方中心の議論が現状温存に流れた」とするが、検討メンバーの一人で、社会的注目度の高い研究を手がける理学部の教授は、「二年間、どうすればいい先生を呼べるか、どうすれば外部資金を得られるか、考えに考えてきたのに」と反発する。

 大学側が問題にするのは、都の一方的な手法だけではない。学問が高度化する中、大学院の設計を後回しにした点も、不信を招いた。学生が高く評価する伝統的な少人数教育も弱める。都が比較するのは主に私大だ。語学教育の外注も否定しない。教員の全学的な任期制も、都は経営上の観点からの導入を強調する。

 一定の自立した経営が求められる法人化には、効率的な運営も必要だが、都の新構想には安上がりの大学作りが透けて見える。

 都が示した「都市教養学」とは何か、といった根源的な問いかけもある。「自治体が大学を持つ必要があるのか」という声も聞かれる時代だ。限られた財源の中、教育・研究の内容を絞り込み、「役に立つ大学」を印象づけたいと都が考えるのは、大学側がこれまで、実績をアピールしきれなかった裏返しでもある。

 とはいえ、大学の評価は一朝一夕でできるものではない。現在の教員の実績を的確に評価し、現在の学生の意思を尊重してこそ、新大学もスタートできる。学制は新大学を担う立場にもなる。

 自治体には高等教育行政の専門家は少ない。人材流出を招かないためにも、都は、現場の納得を得ながら改革を進めるべきだろう。学生や研究者の疑問や不安にも「説明は大学の責任」と突き放さず、真摯な姿勢を示してほしい。

3 12/12文教委員会  傍聴者より

今日の文教委員会では自民党の4人の議員が4教授批判をぶち上げ、大学管理本部は責任追及については検討中としつつ、当面は16年度法科大学院開設に全力を尽くすと答弁しました。

これに対して共産党、生活ネット、自治市民の3会派は、法科大学院への就任承諾書は6月に提出されたものであり、直接の責任は8月1日に大学や都民・学生に対する約束を反故にした大学管理本部にあると主張。公明、民主は立場を明確にはしませんでした。

また4教授のなかには、これまで各種審議会等で東京都に多大の貢献をしてきた教授もおり、知事・管理本部の手法はこうした都にとっての功労者さえをも排除する強引なものであるとの批判が出されました。

大学管理本部が4教授への責任追及に言及したのに対して、ある会派の議員から4教授には退職の自由があるはずだとの指摘がなされましたが、大学管理本部はこれにはまともに答えませんでした。4 教授に対する懲戒処分等は法的に不可能なことは明らかですが、無理を承知で政治的な目的をもった「責任追及」をしてくる可能性もあり、予断を許しません。

この日の委員会では、そのほか都市教養学部構想の河合塾への委託問題、都立大学の在籍年限の打ち切り問題、任期制・年俸制問題についてやり取りがありましたが、議員側の突っ込み不足と大学管理本部の形式的な答弁がめだち、十分にかみ合った議論とはなりませんでした。

また東京都産業科学技術振興指針と新大学との連動について自民党の議員による質疑が行われ、東京都の新大学構想が産業界および自民党の強力なバックアップにより推進されていることをうかがわせるものでした。

4 都民の会12月シンポ開催のお知らせ

「都立の大学を考える都民の会」賛同者のみなさまへ

 下記の日程で、シンポジウムを開催いたします。まわりの方々にもお知らせくださるようお願いいたします。大学管理本部案とは別に、大学独自に作成した改革構想について、茂木総長から説明をしていただく内容となっております。

都民の会事務局

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都民にむけた大学『改革』説明会
−新大学の改革構想を東京都立大学が独自に作成−
−私たちの求める都立の大学とは?−

 東京都立大学は、東京都の大学管理本部案とは別に、独自の改革構想を作成しています。
 「都立の大学を考える都民の会」では、東京都立大学の茂木俊彦総長に独自の構想について報告をお願いしました。
 あなたの意見、私たち都民の思いを出し合い、話し合いませんか。茂木俊彦・東京都立大学総長が報告みんなの思いがいきる都立の大学づくりを

とき● 12 月21 日(日) 14:00 〜 16:00
   (13:30 受付開始)
会場●東京都立大学教養部棟110 番教室
主催●都立の大学を考える都民の会

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●都立の大学を考える都民の会設立趣意書

 2003年8月以降、都立の大学をめぐる動きは大きく変わってきました。東京都の大学管理本部は、これまで都立大学と大学管理本部との間で積み重ねてきた議論や合意を一方的に破棄し、「新しいタイプの大学づくり」を強行に進めようとしています。

 私たちは、現在のような「大学改革」の進め方に、都民として強い憤りを感じています。このように強引で非民主的な「改革」の進め方に、私たちは反対します。

 もちろん私たちは、都立の大学が、現状のままでよいと考えているわけではありません。改革のプロセスがもっと都民に開かれること、その中で都民の声に大学は誠実に耳を傾けて欲しいという思いを持っています。

 しかし現在進められている「改革」は、「都民の声」を口実に進められながら、その実都民の声を全く無視して進められています。都立の大学に対する本当の「都民の声」はどのようなものなのか、そのことを私たちは、様々な立場の都民と共に丁寧に考えていきたいと思います。そのためにも、現在の東京都による一方的な「改革」を押しとどめる必要があります。

 私たちは、都立の大学に、将来に対する様々な不安を抱えながらも学問研究への取り組みを通じて社会に貢献しようとしている教員や院生、あるいは大学での学びを通じて自分自身の生き方を模索しようとしている学生、毎日の事務作業を通じて大学を支えている職員がいることも知っています。彼らはそれぞれの立場から、都立の大学を守るために様々な取り組みをしています。私たちはこのような取り組みを大学の外から応援していくとともに、都民として率直に現在の大学に対する意見・要望を伝え、都立の大学を真に「都民のための大学」とするための取り組みを進めていきたいと考えています。

■ 賛同費(会費) ■
(1) 個人参加はカンパ(1口千円、学生1口500円何口でも可)
(2) 組織参加は入会費(1口1万円何口でも可)

●賛同カンパ振込先
郵便局口座名義 都立の大学を考える都民の会
口座番号 00190−5−481324
本会の設立趣旨に賛同し、「都立の大学を考える都民の会」への
入会を希望される方は、下記の事項をお知らせください。

● お名前  ● ご所属(肩書き)
● お名前・ご所属等についての公開
(いずれかに○をつけてください)
  可  不可 一部可(公開して良い部分は      )
● 連絡先ご住所  ● メールアドレス
● その他、お手伝いいただけること、メッセージなど
「都立の大学を考える都民の会」

■ 連絡先 ■
● 〒184-8501 東京都小金井市貫井北町4-4-1
東京学芸大学障害児教育講座 高橋智研究室気付
● 〒194-0298 東京都町田市相原町4342
  法政大学社会学部 荒井容子研究室気付
              (いずれでもかまいません)
● Email ganbare_toritudai@yahoo.co.jp
● URL http://www.geocities.co.jp/CollegeLife-Lounge/3113/
    index.html
●呼びかけ人 金子ハルオ(都立大学名誉教授)、清水誠(同)、
        暉峻淑子(埼玉大学名誉教授)、山口昭男(岩波書
        店社長)、池上洋通(自治体問題研究所研究員)
(順不同)

「意見広告の会」ニュース 70 (2003.12.12)

ニュース配信申込先:意見広告の会 qahoujin@magellan.c.u-tokyo.ac.jp

「意見広告の会」ニュース 70[2003.12.12]

1 都立大学関連ーー都議会報告
 1−1 都知事定例会見(12月5日)
 1−2 都の新大学構想に注文 (東京新聞)
 1−3 12/9 都議会本会議 民主党代表質問

2 国立大学法人の財政的危機ーー東大声明、東職声明
 2−1 東大部局長声明
 2−2 国立大学法人法の凍結を求める

皆様。

種々の事柄が重なりましたので、長めのニュースになりました。

1 都立大学関連ーー都議会報告

2 国立大学法人の財政的危機ーー東大声明、東職声明

1−1 都知事定例会見(12月5日)

東京FMの記者―――新大学の発足にあたって学部のカリキュラムづくりなどに民間の河合塾の意見を取り入れられているということなのですけれども、知事は大学教育の分野に民間の知恵を取り入れることについてどう思われているか、あらためてお聞かせください。

都知事―――全然賛成ですね。やっぱり民間の知恵というのはずっと幅広いものがありますから、象牙の塔にこもっている先生方が学者としてどれだけ絶対値が高いか低いかわからないけれど、世才という点では劣る人はたくさんいますからね。これはいずれにしろ誤報されているのは、大学自身の理念といいましょうか、基本的な問題については、河合塾なんかに頼んでいませんよ。ただやっぱり象牙の塔にこもっている人は、科をまたいだ発想力がないから、現代社会ではすべてのものが複合的に動いているわけで、法律を教えている人が、法律を習っている人が、法律だけにかまけて済む問題じゃないし、経済の問題もやっぱりするわけでしょ。そこで初めて法律なら法律の知恵なり知識が生きてくるわけだけど。そういう学際、学部をまたいだ、インターメジャーの発想力は率直に言って学者にはありませんよ。だからどんどんこもってまた日本の学問というのはダイナミズムを失ってきているんでね。いろんな人が、紙爆弾投げたりなんかやったらしいけどね。やっぱり古いね、みんな。自分の古さを露呈しているみたいなものだ。じゃ代案を出してもらいたい、代案を、この時代にね。要するに反対だけじゃなしに代案を出せばいいんだ、代案を。

1−2 都の新大学構想に注文 (東京新聞)都立大側、独自案提示へ  東京都立大学など都立四大学を廃止し二〇〇五年春に開学予定の都の新大学構想で、都立大の茂木俊彦学長は七日までに、都の構想に対し学内で検討した対案を提示していく考えを示した。

 都の新大学をめぐっては、都幹部と四大学の学長らが昨年からカリキュラムなどの検討を進めていたが、ことし八月に石原慎太郎都知事がそれまでの検討内容を大幅に変更し、「都市教養学部」など四学部を新設し、他大学の単位を認める「単位バンク」を導入するなどの新構想を発表。茂木学長がトップダウンの手法を批判する声明を発表するなど、都立大側が反発している。

 都立大では、都の構想にある都市教養教育のプログラムや大学院などについて九月ごろから独自のワーキンググループ(WG)を学内に設置し、検討を進めている。都市教養教育については既に提案をまとめた。

 都の構想では必修科目を設けないが、大学案では英語(第一外国語)を必修とし、コミュニケーション能力養成に力を入れる。また、米国の大学で広く採用されている成績評価システム(GPA)を導入するなどとしている。茂木学長は「WG案を基にさらに学生や教職員の意見を聞き、大学改革に反映させたい」と話している。

 一方、都は新大学の「都市教養学部」の教育課程などを設計するための基礎資料作成を、大手予備校の河合塾(名古屋市)に外注することを決めたが、都立大内部からは反発の声も出ている。

 石原知事は先週末の定例会見で、予備校との協力について問われ「象牙の塔にこもっている人は学部をまたいだ発想力はない。反対だけでなく代案を出せばいい」と述べていた。

1−3 12/9 都議会本会議 民主党代表質問
 次に、都立大学改革について伺います。

 八月一日に新構想が発表され、新しい都立の大学の使命や教育の特徴などが明らかになりましたが、都立大学総長がこの構想に疑問を投げかける声明を出すなど、他の三大学とは異なり都立大学の関係者からは反対の声があがっています。特に人文学部の学生・院生からの抗議の声があることはご承知の通りです。

 私達の所へもメール、ファックスなど様々な手段で要望が寄せられています。こうした特定の思想に基づき改革に反対している教職員に利用された一部の学生による抗議行動で繰り返される「反対のための反対」のような不毛な議論とは別に、これまで都立大学で行われてきた研究成果の散逸を危ぶむ声があるのも事実です。

 先日私たちは大学院の院生から話しを聞く機会がありました。このとき学生達からは、自分たちの学問の重要性やこれまでの業績、他の大学では行われていない分野に取り組んでいることなどを中心とした話があり、淡々とした口調のなかからも自らの研究に対する熱意や自負心が感じられ、私たちは認識を新たに致しました。

 近年、乱れた日本語が氾濫し、文学者である石原知事も私たちの母国語、日本語の将来に対して強い危惧を感じていることと存じます。英語の話せない英語教師どころか、日本語の使えない国語教師までが存在しかねない危機的状況になっています。日本語の教育方法を学ぶことが、外国人ばかりではなく、日本人にとっても現在非常に重要なものとなっていることは理解いただけることと思います。

 都立大学の国文学専攻では、その名にふさわしく江戸文学の研究でも知られています。また、日本語学、日本語教育学が他の大学にはない特色のある科目であり、アジア留学生の多くが、日本語自身を学ぶ日本語学や日本語の教え方を研究する日本語教育学を専攻しているとのことです。新しい大学においては、アジア留学生との交流による異文化理解ということが謳われておりますが、仮に、大学院にこの科目がなくなってしまったとしたら、多くのアジア人留学生の目指す専攻科目がなく、交流どころではなくなってしまうかもしれません。

 また、この国文学専攻では東京の方言の研究でも業績を上げているようです。ご承知の通り、東京都内にも地域独自の方言がかつては存在していました。都市化が進む中で人口が流入し続け、東京旧来の言葉というものが失われつつあります。江戸開府四〇〇年にあたる本年、改めて東京の文化の源である言葉の研究に着目する意義は大きなものがあると感じます。

 小笠原のことばの調査や檜原村の方言、根津・西片の敬語調査の報告書など、東京の歴史や文化を考える上で、非常に貴重な研究が続けられており、石原知事も楽しめる論文だと思います。ここに研究論文の現物がございますので、進呈致します。

 これは、研究のごく一例であろうと思いますが、私たちは、今回知り得たこの研究は大変意義深い、貴重なものだと思っています。

 私たちは、人文学部をどうしても残さなくてはならないとか、この研究を残さなくてはならないという観点で申し上げているのではありません。伝統ある都立大学がこれまでつちかってきた業績や研究成果をしっかりと認識した上で改革を進めるべきとの思いで一例をご紹介致しました。

 都立大学大学院の研究科について、実際にどのような研究がされ、いかなる業績があり、他の大学院と比較してどのようなレベルにあるのか、本当の意味で理解した上で、新しい大学院の構想を具体化していくべきではないかと思います。また、大学院については、平成一七年度は、現在の三大学の大学院と同じ研究科構成で新しい大学の大学院として募集し、平成一八年度については、大学の使命を踏まえ、再編成した研究科で募集する予定と聞いていますが、現在の学生・大学学生、さらに、これから新しい大学を受験しようとしている高校生のためにも、一日も早く新しい大学院の構想を提示すべきと考えます。

 今回の構想の中に、『社会が求める人材の輩出』、『研究成果の社会還元』と言うことが謳われております。これは産業界にとっての人材、産業界への還元ということだけを目指すのではなく、様々な分野で大都市東京にとって有用で必要な人材、重要で稀少な研究成果も含むべきです。公立大学として行うべきことは、私立大学を含め、多くの大学その他の研究機関で取り組まれている分野以外に、大都市東京の課題を研究するなど他では行なっていない分野を専門科目に取り入れ、人材の育成に努めるべきと考えます。

 公立大学として行うべき研究内容について、様々な大学の状況等も踏まえて、慎重に吟味して検討を進めるべきと考えますが、知事のご所見を伺います。

*この質問に対して具体的な答弁は何もなく、次のような既になされていた事前回答にそった答弁が繰り返されていただけだそうです。

 Q 公立大学として行なうべき研究内容について
 A○ 今、大学改革に求められているのは、学問分野をまたいだ学際的研究。 
  ○ 社会からの要請に応えられる発想力や複合的研究が求められている。
  ○ 大都市の使命を踏まえた研究成果を出せるような大学をつくっていく。

*関連して、当事務局に都立大院生から次のようなメールが寄せられています。

 恐らく知事が従来の主張を繰り返す答弁をし、大学管理本部が補足説明をできなかったのは、国文を始め学生や教員から意見聴取・業績調査をこれまで行なってこなかったためと考えられます。
 人文の業績や国文の研究内容について全く知らなかったことを裏付けるようなことが答弁の前日にありました。人文事務室の事務の人から研究室に突然資料をよこせといわれました。
 実は大学管理本部が人文事務室に資料収集を丸投げし、さらに人文事務室が大学管理本部の丸投げであることを隠して国文研究室に丸投げしてきたようです。
 民主党への働きかけと資料の提供はあくまでも学生のやったことで、教員はノータッチだったため、教員はその由を伝えて、資料提出を断りました。同日夕方、一人の教員のところにわざわざ大学管理本部から人がきて資料提出を求めましたが、上記の理由からその教員は提出を断りました。結局、学生に対して大学管理本部からは全くアクセスがありませんでした。

2−1 東大声明

平成15年12月9日

国立大学協会の緊急要望に関する意見表明

今回の国大協理事会の緊急要望の内容は、私たちの抱いている危機感と軌を一にしている。

東京大学は、世界最高水準の教育・研究を維持・発展させることを目標とし、日本国民と人類の未来に貢献したいと願い、各分野の指導的人材を養成しようとしている。私たちは、今回の国大協理事会の姿勢を支持するとともに、政府に対して、日本の未来を創る高等教育と学術・研究の条件整備に取り組むよう改めて訴えるものである。

大学制度の改革は、国の将来に甚大な影響を及ぼす大問題である。「教育立国」、「人材立国」あるいは「科学技術立国」という国の根幹に関わる問題である。

周知のように、国立大学は来春4月より国立大学法人というまったく新しい運営組織のもとで、再スタートを切る。国立大学法人法の成立は本年7月。わずか8ヶ月という短期間の中で、明治以来の大変革を成し遂げなければならない。東京大学は、「学問の自由に基づき、真理の探究と知の創造を求め、世界最高水準の教育・研究を維持・発展させること」を基本目標として本学憲章に掲げている。この基本精神を、法人化という高等教育制度の重大な変革を最大限に生かし実現するために、東京大学は周到な準備を行ってきた。

しかしながら、いま来年度予算案の作成が急ピッチで進むなか、そもそも「国立大学法人」とは、単に支出減らしの安易な便法とした発想ではなかったか、と疑わざるをえない事態が生じている。

この法人化の目標は大学運営に対する省庁の瑣末な関与を極力排除して、大学の自律性を高め、我が国の大学を国際競争に耐える一層質の高いものにするという点にあったはずである。そして、国立大学法人の予算については、六年間の中期計画の達成度と改革の実績を評価し、それに応じて資源配分を変えていくというのが共通の了解であり、そのために、既に、法律に基づいて国立大学法人評価委員会が発足している。

独立行政法人通則法と切り離し、国立大学法人法という独立の法律を作り、「教育研究の特性への配慮義務」が定められたのもこうした精神に基づいていた。然るに、この法人の出発さえ見極めがつかないうちに、将来の運営費交付金の一律削減計画が文部科学省と財務省との間で練られている。予算案作成の技術的課題として、調整係数を毎年設定できること、附属病院はほぼ独立採算制のもとにおかれること、など極めて大きな影響を将来に潜めた案が作成され、平成17年度から実行に移されようとしているのである。

これは明白な約束違反であることはいうまでもない。その上、計画中の案が実施された場合、日本の高等教育、学術・科学技術研究の基盤の強化を図るという、国立大学法人化の当初の目的とは全く異なる結果をもたらすことは確実である。むしろ、単に政府の支出減らしのために国立大学法人法を作ったのではないかという当初からあった批判が実証されることになるであろう。

日本経済・社会の将来設計の根幹にあるべき、学術の発展について、国家戦略も無く、単なる予算の数あわせに堕し、学術の中身とは無関係に機械的に削減率を決め予算配分を決めようとしている志の低さが問題なのである。

国民の税金をどのように有効に用いるかについては慎重かつ責任ある議論が必要なことはいうまでもない。グランドデザインなしに、目先の官僚的技術論によって事柄を処理するのは最悪の事態である。国立大学の費用の最終的負担者であり、またその活動の受益者である国民が明確に理解できる形で国立大学予算のあり方を公開の場で議論するべきである。時間的余裕がない中、そうした議論を行う余裕がないということなら、少なくとも、国立大学法人の発足後、17年度以降の予算のあり方については、17年度予算編成との関連で十分時間をかけて検討するべきである。

東京大学は、世界最高水準の教育・研究を維持・発展させることを目標とし、日本国民と人類の未来に貢献したいと願い、各分野の指導的人材を養成しようとしている。

国は本学をはじめとする国立大学が、この使命を達成しようとしている努力を無にするのではなく、逆に日本の未来を創る高等教育と学術・研究の条件整備に取り組むべきである。

東京大学 大学院法学政治学研究科長   菅 野  和 夫
大学院医学系研究科長     廣 川  信 隆
大学院工学系研究科長     大 垣  眞一郎
大学院人文社会系研究科長   稲 上    毅
大学院理学系研究科長     岡 村  定 矩
大学院農学生命科学研究科長  會 田  勝 美
大学院経済学研究科長     神 野  直 彦
大学院総合文化研究科長    浅 島    誠
大学院教育学研究科長     渡 部    洋
大学院薬学系研究科長     桐 野    豊
大学院数理科学研究科長    薩 摩  順 吉
大学院新領域創成科学研究科長 河 野  通 方
大学院情報学環長       原 島    博
大学院情報理工学系研究科長  田 中  英 彦
医科学研究所長        山 本    雅
地震研究所長         山 下  輝 夫
東洋文化研究所長       田 中  明 彦
社会科学研究所長       仁 田  道 夫
社会情報研究所長       花 田  達 朗
生産技術研究所長       西 尾  茂 文
史料編さん所長        石 上  英 一
分子細胞生物学研究所長    宮 島    篤
宇宙線研究所長        吉 村  太 彦
物性研究所長         上 田  和 夫
海洋研究所長         小 池  勲 夫
先端科学技術研究センター長  南 谷    崇
大学総合教育研究センター長  岡 本  和 夫

2−2 国立大学法人法の凍結を求める
---法人化の前提が崩れた以上、学長諸氏は責任ある徹底した対応を

2003年12月10日   東京大学職員組合

1.東大の佐々木総長らは8日、国立大学の法人化に際して国からの予算が削減される可能性が出ている問題で、国立大学協会理事会として文部科学大臣に対して、「(学長としての)業務の遂行に責任を負いかねる、(学長)指名の返上をも念頭に置きつつ、重大な決意を持ってこの文書を提出する」とした要望書を提出し、方針の見直しを求めた。(共同通信配信記事12月8日、など)私たちは、国立大学法人法が国会で審議中に、またその以前から、今回の法人化は行財政改革の一環として推進されてきたのであり、いずれこうした事態に直面することを、再三警告してきた。今回の事態は、その懸念が法人化を前にして早くも表面化したものと言えよう。

2.文科省が示した平成17年度以降の運営費交付金の算定ルールとは、(1)人件費・物件費の区分廃止(教職員人件費の保証を放棄)、(2)運営費交付金における収支差補填機能の放棄、(3)大学附属病院に対する独立採算性の導入、(4)附属病院に係る長期借入金償還金の交付金による財源保証の放棄、などである。つまり、国会審議などで文科省が繰り返し明言していたことにも、また衆参両院での附帯決議にも明確に反する算定ルールが検討されているのである。これは、法人化の「前提」とされてきた条件が崩れたことを意味し、この間、文科省と共同歩調をとってきた国大協理事会でさえ反発するのも当然である。

3.削減される運営費交付金のしわ寄せは、雇用の不安定な非常勤職員の首切りにつながり、法人化後の労働時間の延長をはじめとする労働条件の不利益変更にも直結する。これは明白な労働基準法(第1条2項)違反であり、職員組合として断固反対である。さらに、こうした状況のままでは、組合や組合の推薦する過半数代表者が労使協定を締結することさえ、労働条件の向上や労働者の健康維持を目的とする組合として留保せざるを得ない。また、マスコミでも、「「効率化係数は」は授業料の値上げに飛び火することにならないか。」といった懸念が表明されている。(朝日新聞12月9日、ポリティカにっぽん)

4.私たちは、国立大学法人法案の国会審議において、大学教職員のみならず、学生や院生、市民の方々など広範な人々と共に、法人法案の阻止に向けて全力で闘った。一方、参議院文教科学委員会に参考人として出席した佐々木総長が、法人法案を基本的に支持する意見陳述を行ったことは、私たちにはいまだ記憶に新しく、改めて怒りを禁じ得ない。

しかし、運営費交付金が削減されようとしている現状において、上記のように、学長職をかけて毅然とした対応を文科大臣に行ったことを、私たちは当然のこととしつつも歓迎したい。

5.私たちは、法人化の前提条件が崩れた以上、国立学校設置法の廃止を中止して国立大学法人法をいったん凍結し、国会の附帯決議にもあるような安定的な財政措置を保証するよう、運営費交付金の算定ルールを含めた抜本的な再検討が行われるべきだと考える。

佐々木総長をはじめ各国立大学の学長におかれては、高等教育と学問研究の健全な発展・充実をはかる立場から、文科省や政府に対し、法人法の凍結にまで踏み込んだ要請・抗議を行い、学長としての責任をまっとうすることを求めたい。また、私たちは、学長諸氏と共同で行動する用意があることを表明し、事態の打開に向けて共にたたかうことを呼びかけるものである。