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国立大学独立行政法人化の諸問題: 大学評価


3/13 大学評価学会 設立大会・総会 2004年3月28日大学評価
3/02 3・28講演とシンポジウム「任期制・年俸制導入と評価制度は大学と教育をどう変えるか」大学評価 , 東京都の大学支配問題 , 任期制の諸問題 , 不当な支配に直面する横浜市立大学
1/23 「一〇〇〇校をはるかに超える高等教育機関を七年なり五年なりの期間で評価を終了しなければ法令違反」大学評価
12/20 国立大学法人評価委員会 総会(第1回2003.10.31)議事録大学評価
12/05 学位授与・大学評価機構による都立大学評価結果概要研究者から社会へ , 大学評価 , 地方独立行政法人制度 , 東京都の大学支配問題
11/14 (週刊朝日2003-8-29) 成果主義の「崩壊」 給料と直結やめた1部上場企業も荒廃の諸相 , 人事 , 大学における不当解雇 , 大学の労使関係 , 大学評価 , 任期制の諸問題
10/17 国立大学法人評価委員会のページ大学評価
9/29 国立大学法人評価委員内定大学評価
9/19 事務次官会議 国立大学法人評価委員会令を内定大学評価
9/14 「国立大学法人評価委員会令」に対する意見国立大学法人法 , 大学評価 , 法人化準備
9/06 文科省募集:国立大学法人評価委員会令の制定に関するパブリックコメント国立大学法人法 , 大学政策 , 大学評価
8/26 総合科学技術会議、国立大を独自評価大学政策 , 大学評価 , 不当な介入
8/22 文献紹介:The Decline of Education 2大学評価
8/16 総務省が勧告強化 法人化後の国立大学も対象に学長の権限 , 国立大学法人制度の欠陥 , 大学の自治 , 大学政策 , 大学評価
8/04 8/1 閣議決定「中期目標期間終了時における独立行政法人の組織・国立大学法人制度の欠陥 , 大学政策 , 大学評価
8/01 文部科学省高等教育局主任大学改革官の視点 学長の権限 , 国立大学法人法 , 大学の自治 , 大学政策 , 大学内行政 , 大学評価
7/30 喜多村和之「政官の論理 vs 大学の論理ーー認証評価制度に試行・実験の期間を」大学評価
7/21 岩本 進「多面的な評価制度をーー基礎研究軽視に懸念」大学財政 , 大学評価
7/20 信なくば立たず―認証評価制度は実施できるのか大学評価

2004年03月13日

大学評価学会 設立大会・総会 2004年3月28日

大学評価学会 設立大会・総会 2004年3月28日
http://university.main.jp/blog/seturitutaikai.pdf
大学評価学会情報:http://university.main.jp/blog/hyoukagakkai-main.html

記念シンポジウム:もう一つの「大学評価」宣言! <大会プログラム>

記念講演:「21世紀の教育・研究と大学評価」
京都産業大学 益川敏英氏 (京都大学基礎物理学研究所元所長、素粒子論)

第・部 報告:大学評価の現代的意味
第一報告:「学術と大学評価」 国立天文台 海部宣男氏
第二報告:「学生の発達保障と大学評価」 京都大学名誉教授 田中昌人氏
第三報告:「人権、ジェンダーと大学評価」 日本福祉大学元教授 篠原三郎氏

第・部 討論:もう一つの「大学評価」宣言に向けて
大学評価学会 設立総会(17:10〜18:10)
司会:細川孝氏(龍谷大学)
※総会終了後、18:30より懇親会(於:第3タワーホテル)を行います。

問い合わせ先:大学評価学会設立準備事務局
〒612-8577 京都市伏見区深草塚本町67番地 龍谷大学
重本直利研究室気付 TEL:075-645-8630(ダイヤルイン)
e-mail:a97003as@ryukoku.seikyou.ne.jp [使用時は半角で]
日 時:2004年3月28日(日) 13:30〜18:10
場 所 :キャンパスプラザ京都(4階 第3講義室)
参加費:資料代500円 (懇親会費3000円)

2004年4月1日より、文部科学省によって認証された評価機関による大学評価が法的に義務づけられます。大学評価は、教育・研究のありように直結するものであり、学問の自由、それに基礎づけられた大学の自治の根幹に関わるものです。大学および大学人が、自らの主体性を確立し、学問の自由と大学の自治の現実的・具体的担い手となるには、こうした大学評価に関する議論を行うことが避けて通れない課題となっていると言えるでしょう。本学会では、「大学評価」そのものを相対化して学問的に検討し、多元的で多様な視点から大学を評価することを目指します。もう一つの「大学評価」宣言!です。
Posted by tjst at 03月13日
URL:http://www.ac-net.org/dgh/blog/archives/000565.html
他の分類:大学評価

2004年03月02日

3・28講演とシンポジウム「任期制・年俸制導入と評価制度は大学と教育をどう変えるか」

横浜市大問題を考える大学人の会主催

市大・都立大「改革案」、民間企業・前国公立研究所の経験、国立大学独法化の検討、外国の大学での経験、からの報告と討論日 時:3月28日(日) 13時20分−16時30分 (開場:13時)
場 所:情報文化センターホール (6階、Tel.045-664-3737)
1.開 会(13:20)
2.講 演(13:25−14:25)

(1) 阿部泰隆(神戸大学大学院法学研究科教授)
「大学教員任期制の法的政策的検討」

(2)永井隆雄(AGF行動科学分析研究所所長)
「成果主義賃金と大学」 

3.シンポジウム(14:30−15:30)
 松井道昭(横浜市立大学商学部教授)
 田代伸一(東京都立科学技術大学教授)
 廣渡清吾(東京大学社会科学研究所教授、前副学長、ドイツ法)
 平野信之(独立行政法人研究機関研究室長)
 日下部禧代子(跡見学園女子大学教授、前参議院議員・元文部政務次官)
 福井直樹(上智大学教授、元カリフォルニア大学教授)

4.討 論(15:40−16:20)
5.閉 会(16:30)

主催:「横浜市立大学問題を考える大学人の会」
連絡先:関東学院大学経済学部久保研究室、
 Tel:045-786-7071, e-mail: UGN14301@nifty.com
共催:横浜市立大学を考える市民の会、都立の大学を考える都民の会、横浜市立大学教員組合、東京都立大学・短期大学教職員組合

横浜市立大学と東京都立大学の「改革案」で示された、新しい大学の人事制度(任期制、年俸制、学外者が入った人事委員会、教員の評価制度、理事長職の新設等)は全国の大学や教育に影響を及ぼすように思われます。これらの人事のあり方について、知の生産のあり方や研究・教育の自由との関連で検討する講演とシンポジウムの会を開催します。

民間企業の実情や前国公立研究所の経験、国立大学独立法人化に際しての検討、 外国の大学の経験等の話題も提供し総合的に議論します。市大学長、都立大総 長他当事者もお招きする予定です。大学と研究・教育の将来にとってまだ議論 が尽くされていない重要な問題です。是非ご出席の上討論にご参加下さい。

2004年01月23日

「一〇〇〇校をはるかに超える高等教育機関を七年なり五年なりの期間で評価を終了しなければ法令違反」

アルカディア学報 141 2003.11.26
省令―なぜ遅れているか 文科省の認証のための省令
私学高等教育研究所主幹 喜多村 和之

すでに本欄でも繰り返しとりあげてきたところだが、周知のとおり、二〇〇二年十一月、政府提案の学校教育法および私立学校法の改正により、日本の大学、短期大学、高等専門学校の高等教育機関は、国公私立にかかわらず、すべて政令で定める期間内に一度、自己点検・評価を行い、その結果を公表するとともに、政府が認証した評価機関(認証評価機関という)から第三者評価を受けることを義務づけられることとなった。この新しい認証評価制度の施行時期は二〇〇四年度からであり、あと数ヶ月の間近にせまっている。ところが、このような時期になっても、第三者評価を実際に担当すべき予定の評価機関においても、これを受けることになっている個々の高等教育機関の側でも、さらには新制度の実現に責任を有する文科省の側においても、かならずしも実施に臨んで充分な準備ができているとはいえないように思われる。こうした事態は法律に定める新制度の施行日(二〇〇四年四月一日)直前に迫った時点としては異例なことである。・・・・・
巷では一〇〇〇校をはるかに超える高等教育機関を七年なり五年なりの期間で評価を終了しなければ法令違反として処分の対象にするといった強権的な措置を実行することが果たして可能なのかという疑問がすでに抱かれているし、筆者も二〇〇三年七月七日の私学高等教育研究所主催の公開研究会においてこの疑問を指摘し、そもそも文科省も中教審もこれだけ多くの高等教育機関を五年なり七年で評価を終えられるというシミュレーションをしたうえで政策を推進したのかという問題提起をしたところである。・・・・・ところで奇怪なのは、報道によれば(本紙十一月十二日付参照)、中教審内部ですら同じような疑問が表明されていることである。たとえば去る十月十五日に開かれた大学分科会(分科会長:佐々木毅東京大学長)では、「今後七年間で全ての大学を評価するのは可能なのかどうか」、「これから評価基準等を定め、評価員を養成・研修しなければならない。日程的に厳しいのではないか」といった評価制度の実施可能性についての懸念が示されたという。
  こうした懸念や危惧は筆者がすでに指摘してきたところと共通するが、しかし、この政策を勧告した当の中教審がいまさらそんな懸念をもち出したとすれば、それは政府の政策形成機関としては問題である。なぜなら審議会は結果的には実現が疑問視されるような政策を国民に勧告したことになってしまうからだ。・・・・・

審議会は官僚の隠れ蓑でしかない以上、中教審に期待することは難しい。教育基本法改正がなぜ必要かわからない、という議論が中教審で最後まで続いていたが、答申では教育基本法の改正が必要であるとなっている。"

Posted by tjst at 01月23日
URL:http://www.ac-net.org/dgh/blog/archives/000479.html
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2003年12月20日

国立大学法人評価委員会 総会(第1回2003.10.31)議事録

国立大学法人評価委員会 総会(第1回 2003年10月31日)議事録

・・・・・
○野依委員長 ありがとうございました。
ほかにご意見、ございませんか。よろしゅうございますか。いろいろなご意見をいただきましたけれども、この委員会といたしましては、本日お手元に置かれております中期目標・中期計画の「素案」に文部科学省としての修正を加えた文部科学省案に対して意見を取りまとめるということでございますね。
 今後、この委員会といたしましては2点大事な点がございまして、どのような考えで具体的に修正を行っていくのか、それから第2点目は、中期目標・中期計画の項目の具体性などについて審議する必要があろうかと思います。また、各事業年度の業務実績に関する評価の方法についても検討していく必要があろうかと思っております。
 なお、中期目標・中期計画の素案に対する文部科学省の修正についてでございますけれども、先ほどから何度もお話が出ておりますけれども、まずは大学の原案を尊重するという考え方を徹底させるということでございます。それからもう一点は、具体的な目標設定でありますけれども、中期目標の項目は、可能な限り具体的であることが望ましい。先ほど木村委員から少しご指摘がございましたけれども、できるだけ具体的であることが望ましい。しかし、大学の教育研究の特性はそこで十分に踏まえた検討が必要であるということでございまして、この2点をぜひご確認いただきたいと思っております。よろしくお願いいたします。
 これらにつきまして、まずは2つの分科会で意見を集約していただきまして、その上でこの本委員会においてご審議いただくことにさせていただきたいと思いますが、いかがでございましょうか。

読売新聞ニュース速報2003.12.19: 国立大評価委、大学側の法人化後計画に“赤点”

・・・・・国立大学法人評価委員会(野依良治委員長)は18日、具体的な数値目標を入れるなど、各校に再検討を求める方針を固めた。各校の「公約」に落第点が付いた形で、国立大関係者にショックを与えそうだ。・・・・・

国立大評価委員に読売新聞記者が居るので、国立大評価委員の記事は読売が一番早い。しかし、いつも国立大学の窮状を嬉しそうに報道するのはなぜだろうか?
cf:2003年07月29日 読売新聞はいつまで情報操作を続けるのか?

Posted by tjst at 12月20日
URL:http://www.ac-net.org/dgh/blog/archives/000378.html
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2003年12月05日

学位授与・大学評価機構による都立大学評価結果概要

東京都大学管理本部が本年8月1日以降に発表した東京都新大学構想に関する請願
都立大学教員10名が11月26日に内田茂都議会議長提出した請願書。学位授与・大学評価機構による都立大学の評価結果概要(10ー11月)が紹介されている。
cf:都立大の危機ーやさしいFAQ M14

・・・・・日本では、公的な大学評価の第三者機関はまだ二、三にとどまりますが、そのひとつ、文部科学省の外郭団体である大学評価・学位授与機構では、試行的な大学評価を2001(平成13)年度から3年間行ってきました。その試行評価の最終年度である今年度、初めて公立大学にも評価の対象が広げられたのを機に、東京都立大学の人文学部及び大学院人文学系では、その「分野別教育評価(人文学系)」及び「分野別研究評価(人文学系)」の評価を受けることとしました。自己評価書をもとに専門委員による評価が行われ、この10月、11月には、その評価案概要がもたらされました。それによると、教育・研究ともに、幸い、高い評価を受けているようです。・・・・・

2003年11月14日

(週刊朝日2003-8-29) 成果主義の「崩壊」 給料と直結やめた1部上場企業も

週刊朝日2003.8.29 号成果主義の「崩壊」 給料と直結やめた1部上場企業も

運用の難しさが指摘され続けている成果主義賃金制度。サラリーマンの不満は高まるばかりだが、とうとう社内の反発を抑えるため、業績評価を給料に反映させないように制度変更した企業まで現れた。運用の形骸化も指摘され、専門家から「結果評価オンリー」の成果主義は「崩壊」しつつあるとの声が出始めている――。・・・・・

 「成果主義の見直し」といえば、すぐ思い出されるのが2001年に問題が表面化した富士通のケース だ。目標管理による成果主義を進めた結果、「社員がチャレンジングな目標に取り組まなくなった」「短期的な目標ばかりが重視され、長期的な目標が軽んじられている」などの弊害が明らかになり、結果だけでなく「プロセス」も評価の対象に加える見直しがなされた。

 人事関係者の間で「富士通ショック」と呼ばれているものだが、冒頭の1部上場企業は見直しどころか制度の根幹を変えてしまったケースである。「まれな事例」というが、成果主義に詳しい国際人事研究所の太田隆次氏は、こう言い切る。

 「今後、こういう企業は増えていくでしょう。目標管理のみで個人成果を評価する成果主義は、『崩壊』に向かっているからです」 ・・・・・

人事関係者が言う。

 「経済が成長しないのに、賃金だけが年功序列で右肩上がりというわけにはいかなくなったのです。個々の企業で見ると、売り上げが伸びないなか、増え続ける人件費を減らす必要に迫られた。結局、そのツールとして使われたのが成果主義だったわけです」

 人件費削減という不純な動機で導入されたのだから、社員の側からすればたまったものではない。その欠陥ぶりはさまざまな形で語られてきたが、それは今もまったく同じだ。・・・・・

 先の国際人事研究所の太田氏が言う。

 「目標管理による成果主義を導入した企業の人事マンは、『失敗した』と総ざんげ状態のはずです。結果のみで判断するノルマ主義に似た運用に陥り、従業員のやる気が失われてしまっているからです。『個人を殺す』だけの成果主義なら即、やめたほうがいい」 ・・・・・

2003年10月17日

国立大学法人評価委員会のページ

国立大学法人評価委員会:まだ第1期 国立大学法人評価委員会 委員名簿だけ。

Posted by tjst at 10月17日
URL:http://www.ac-net.org/dgh/blog/archives/000216.html
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2003年09月29日

国立大学法人評価委員内定

読売新聞ニュース速報(9/26)によると国立大法人評価委の委員16人が決まったようだ。「第三者」評価機関に現職の国立大学教員一名を含む国立大学関係者が6名。また政令案では「委員は、大学又は大学共同利用機関に関し学識経験のある者のうちから、文部科学大臣が任命すること等とする」とあったが全員それに該当するとは思えない。なお、他のメディアはまだ報じていないので、委員に内定した勝方信一氏を通しての情報ということであろうか。

URL は、委員に関連するサイトの例(他にご存知の方はお教えください)

阿部博之(元東北大学長)[総合科学技術会議常任議員]
http://www.kantei.go.jp/jp/m-magazine/backnumber/2003/abe.html
荒川正昭(元新潟大学長)
http://hyena.human.niigata-u.ac.jp/jinbun/kokki02.html
椎貝博美(元山梨大学長)
http://www.ne.jp/asahi/tousyoku/hp/web030523syutkenseimei.html
丹羽雅子(元奈良女子大学長):
http://www.keinet.ne.jp/keinet/doc/keinet/kaikaku/part6/inter_31.html
野依良治(名古屋大教授)
http://www.nagoya-u.ac.jp/noyori/keireki.html
木村孟(大学評価・学位授与機構長)(元東工大学長)
http://ac-net.org/dgh/00409-kimura.html
中村桂子(JT生命誌研究館長)
http://www.ntts.co.jp/SO/so3/fut/
後藤祥子(日本女子大学長):
http://www.kanjuku.co.jp/times/200305/int00.htm
鳥居泰彦(元慶応義塾長)
http://www.nda.ac.jp/ad/boudaitimes/btms200203/torii.htm
飯吉厚夫(中部大学長)
http://chubu.yomiuri.co.jp/kyo/sangaku_2.html
ウィリアム・カリー(上智大学長)
http://ac-net.org/doc/01/113-currie.shtml
奥山章雄(日本公認会計士協会長)
http://www.mainichi.co.jp/life/money/feature/kabuka-line/0305/21/002.html
勝方信一(読売新聞論説委員)
http://www.sophiakai.gr.jp/sophiansnow/forum/tv-symposium020625.html
寺島実郎(三井物産戦略研究所長)
http://mitsui.mgssi.com/terashima/terashima-list.html
御手洗冨士夫(キヤノン社長)
http://emf.nikkeibp.co.jp/emf/interview/canon/
南雲光男(連合副会長)
http://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/syugiin/132/0570/13205180570006c.html

Posted by tjst at 09月29日
URL:http://www.ac-net.org/dgh/blog/archives/000166.html
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2003年09月19日

事務次官会議 国立大学法人評価委員会令を内定

共同通信(9/18付)によれば、9月18日の事務次官会議で国立大学法人評価委員会令が内定したという。記事を見ると、パブリックコメント募集時に掲示された概要 と何も違いはない。9月17日のパブリックコメント締切直後の内定は、パブリックコメントは体裁だけのものであることを露骨に示している。

なお、少なくとも5通のパブリックコメントが提出されている:
小田中直樹氏
藤田正一氏
サイト管理者
全大教
新首都圏ネットワーク

Posted by tjst at 09月19日
URL:http://www.ac-net.org/dgh/blog/archives/000147.html
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2003年09月14日

「国立大学法人評価委員会令」に対する意見

文科省募集:国立大学法人評価委員会令の制定に関するパブリックコメント
へ2003.9.14 に送付したサイト管理者の意見

独立行政法人制度における政府の強い諸権限が、国立大学法人制度にも残さ
れた。それが国立大学の発展を阻害することがないようにするためには、国立
大学評価委員会において、政府から十分に独立した審議と判断が行われことが
不可欠である。そのため、以下のような規定が必要と思われる。

■ 委員構成・選出法・任期・再任について

(1)各界(初等・中等教育,学術研究者,学生・院生・父兄、産業界、市民、
ジャーナリスト、法曹界等)を代表する委員数を政令で指定し、各界からの選
出・推薦等に基づいて文部科学大臣が委員を任命する。

(2)委員の任期を中期目標期間より長くして、目標策定と評価の双方に関わ
れるようにするか、あるいは、目標策定と評価のいずれかに関われるように、
任期を3年〜5年とする。

(3)委員の再任は不可とする。分科会の委員も同様である。理由は、少数の
者が長期間委員に留任する場合に、国立大学法人評価委員会と政府との距離が
近くなり、判断の独立性が損われていく懸念が大きいからである。

(4)分科会等の委員は評価委員会が人選する。

■ 委員会運営について

(5)重要事項の決定は、無記名の多数決により決定する。分科会も同様にす
る。

(6)委員会運営についての提案等は、委員長だけでなく委員も可能とする。

(7)審議は公開とし、議事録はテープリライトに基づく詳細なもの数週間以
内に公開する。

■ 委員の調査検討活動のサポート体制について

(8)各委員が、それぞれに知見に基づいて独自の調査をし情報を収集・整理
できるよう、秘書を常勤雇用できるようにすると共に、調査等の経費が十分支
給されるようにする。経費使途と委員報酬等を公開する。

補足:委員数が20名とすれば数億円程度で可能と思われるので是非実現して
ほしい。この程度の規模の経費を節約することは、評価委員による独自の調査
活動を不要とする方針であるとの誤解を受けるであろう。

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

結語

第三者による大学評価は大学の向上に一定の効果はあるが、評価結果を資源配
分・改廃判断等に直結させた場合には、大学における諸活動が評価を強く意識
したものに組織化されることとなり、真の学術的活動が弱体化することが、評
価と資源配分の連動を20年余り続けてきたイギリスの大学関係者によりしば
しば証言されている。こういったことが周知されていたためであろうか、主務
省が評価と資源配分・改廃判断とを共に行う独立行政法人制度を国立大学に適
用することは適切ではないことが広く認識されていた。

こういった状況下で、やや強引に導入が決った国立大学法人制度では、独立行
政法人制度とは異なり、国立大学法人評価委員会が第三者評価機関として設置
され、大学評価・学位授与機構による教育研究の評価を尊重して評価を行うこ
とになった。

ここで「第三者」という修飾語は「大学からの独立性」だけではなく「政府か
らの独立性」という意味をも強く担っていると了解されていることは経緯から
明らかであり、もしも、独立行政法人評価委員会と同様に、政府に従属したも
のとなるならば、独立行政法人制度を大学に直かに適用した場合と同様の欠陥
を国立大学法人制度は持つこととなる。

しかし、提案された政令案では、「委員は、大学又は大学共同利用機関に関し
学識経験のある者のうちから、文部科学大臣が任命する」となっていて選定法
が明確に規定されていないために、任命者である文部科学大臣が実際の選定者
にもなる可能性が大きい。「学識経験のある者のうちから」という制約はつい
ているが、このような選定法では他の独立行政法人評価委員会との違いはなく、
また、種々の審議会の委員の選定法との違いがあるようには思えない。したがっ
て、委員の指名を文部科学省以外の者が行うような委員会設計が不可欠と思わ
れる。

以上

2003年09月06日

文科省募集:国立大学法人評価委員会令の制定に関するパブリックコメント

高等教育局高等教育企画課 平成15年9月5日  
提出期限 :平成15年9月17日(水)
http://www.mext.go.jp/b_menu/public/2003/03090501.htm

2003年08月26日

総合科学技術会議、国立大を独自評価

『日本経済新聞』2003年8月18日付

「国の総合科学技術会議(議長・小泉純一郎首相)は、来年4月に法人化する国立大学の運営方法について、科学技術振興の観点から独自評価を開始する。若手研究者の活用や任期制導入など研究開発の進め方などを評価し、公表する。国の研究費の3分の1が国立大に流れており、科学技術政策を企画立案する立場からチェックする。

 国立大の評価は、総合科技会議の評価専門調査会を中心に実施する見通し。詳細は今後詰める。

 全大学を一律の尺度に照らして評価するのではなく、「ユニークな手法を取り入れる大学をプラス評価していきたい」(総合科技会議の有識者議員)という意見が出ており、人材の流動化につながる任期制導入や産学連携などが評価項目になりそうだ。」

国立大学法人法が可決されてから2ヶ月もたたない間に、国立大学法人を直接に評価する国家機関が2つも増加し、合計5つとなった。

独立行政法人 大学評価学位授与機構
文科省 国立大学法人評価委員会
総務省 政策評価独立行政法人評価委員会
内閣府 行政改革推進本部(8/1)
内閣府 総合科学技術会議

しかも、総務省の政策評価独立行政法人評価委員会は、国会審議での発言を反故にし、独自の基準で、大学の廃止勧告もする、と方針を変更している。しかし、独立行政法人が行政改革のための制度である以上、こういったことは予想できたことであり、騙されたなどということは国大協だけでなく大学人にも許されまい。それにしても、この国は、いったいどこまで大学を弄んだら気が済むのであろうか。

2003年08月22日

文献紹介:The Decline of Education 2

by Donald E. Simanek, 1995
北村正直氏 の紹介文献
http://www.lhup.edu/~dsimanek/decline2.htm

"We lost control of the situation when (back in the 60s or thereabouts) we accepted (or at least went along with) the notion that students were 'customers' and we were dispensing a 'product'. Schools tried to tailor the curriculum to student's perceptions of their needs (and desires). The curriculum became a smorgasbord, from which students could pick and choose the tastiest morsels, and it included a lot of 'junk food' with no intellectual nutrition. At some schools students prepared course and faculty rating guides that were circulated or sold. Courses were created to pander to special interest groups...."

"During these decades of decline we saw a proliferation of administrators when the real need was more faculty. All these overpaid clerks did was make more work for faculty, asking for progress reports, answers to questionnaires, forms in quintuplicate for even the smallest things. They created more levels of bureaucracy as an obstacle course for any upward-flowing ideas, and as an effective insulator to shield top people from the gruesome reality of life in the classroom trenches. Administrators' primary mandate seemed to be "Proliferate thine own kind." We also saw the spawning of studies, conferences, clinics, task forces, mission plans, and outcome assesments. None of these had any positive impact...."

Posted by tjst at 08月22日
URL:http://www.ac-net.org/dgh/blog/archives/000101.html
他の分類:大学評価

2003年08月16日

総務省が勧告強化 法人化後の国立大学も対象に

『科学新聞』2003年7月11日付

 独立行政法人については、所轄官庁が評価し事業の縮小や拡大等をすること
になっているが、総務省の政策評価・独立行政法人評価委員会は、各府省が必
要だと主張しても独自の判断基準で不必要とした場合には、主務大臣に廃止勧
告をする方向で検討していることが明らかになった。個別事業の改廃のみなら
ず、法人そのものについても廃止勧告する。現在、独立行政法人は9府省62法
人あり、10には30法人が新たに発足する。これだけの法人を公正に評価できる
のか疑念が残る。また、法制度論上、来年4月に発足する国立大学法人も対象
となるため、業務の効率性のみで教育や研究を評価し、大学が廃止される可能
性もある。

 独立行政法人通則法では、主務大臣が、各法人の中期目標期間終了時に、そ
の組織および業務の全般について検討し、その結果に基づいて所用の措置を講
ずることとなっている。具体的には、社会経済情勢等の変化に応じて、法人が
担う必要性が乏しくなった事務および事業の廃止、民営化等を行うとともに、
組織形態や業務の改善を行う。

 一方、総務省の政策評価・独立行政法人評価委員会は、各法人の主要な業務
および事業の改廃に関して必要な勧告を行うこととされている。今回明らかに
なったのは、その勧告にあたっての基本方針。

 同委員会は、各府省の独立行政法人評価委員会による第一次的な判断を前提
に二次的判断をするのではなく、各法人の年度評価と中期目標期間終了時の評
価を独自に行い、自ら直接判断する。また、勧告を行う際は、局所的な改廃を
求めるのではなく、法人の主要な事務・事業を把握し、その具体的改廃措置の
検討を集中的・重点的に行い、法人ごと改廃を求める。中期目標期間の終了時、
通常であれば5年目に勧告を行い、2年以内には勧告の内容を具体化するよう
求める。

 評価にあたっては、共通の視点と個別の法人の特性を踏まえ、各法人の業務
について大づかみの評価を行った上で、改善の必要な法人について細かく調査
する。具体的な資料やデータをもとに、同様の業務を行っている法人同士を比
較し、競争力のない方に廃止勧告する。

 共通の視点としては、(1)政策上のそもそもの目的は何ですでに達成されて
いるのではないか、(2)その事業にどのような効果があるか、(3)その事業が行
われない場合、国民生活や社会経済の安定等にどのような問題が生じるか、
(4)国が関与しない場合にどのような問題が生じるか、(5)制度上独占的な業務
の場合は、独占によりどのような効果があるか、(6)法人の設立目的と事業の
目的はどのように対応しているか、(7)行政サービスの実施コストは適切か、
(8)地方や民間に移管したらどのような問題が生じるか、(9)公務員型の場合、
なぜ公務員が担わなければならないか、(10)トップマネージメントが発揮され
ているか、(11)アウトソーシングは可能ではないのか―など。

 こうした視点で評価を行った上で、廃止、民間または地方への移管、予算の
圧縮、他の法人との統合、整理縮小なども主務大臣に勧告する。勧告された内
容はすぐに公表しなければならない。

 今回明らかになった勧告の方針は、研究開発型法人の競争力を大幅に低下さ
せる可能性がある。コストや短期的な効果ばかりを求めているため、国が担う
べき基礎的な研究開発ではなく、民間研究所のような開発研究を進めた方が評
価されやすい。しかし、民間型へ開発目標をシフトしていくと「民営化すべき」
との結論に至るという袋小路に入り込んでしまう。また、委員会が法人を評価
する際、各法人にデータの提出や説明を求めるため、トップマネージメントを
発揮して運営していく前に、評価疲れを起こしてしまう可能性も高い。

 現在の法律では、来年4月に発足する国立大学法人も同委員会の評価対象と
なる。同委員会の視点で評価した場合、20年後には国立大学法人自体が存在し
得なくなる可能性もある。

 効率の良い評価を行わないと、本来の仕事ができないばかりか、社会的なコ
ストを増大させ、日本全体の国際競争力を低下させることになりかねない。

2003年08月04日

8/1 閣議決定「中期目標期間終了時における独立行政法人の組織・

国公私立大学通信8月3日号[1]

「一昨日の閣議で、主務省と総務省の2つの評価委員会に
よる独立行政法人の評価でも不十分である、という考え
から、内閣府にある行革推進本部自身が最終的な評価を
下すように独立行政法人制度を修正する方針が決まりま
した[1]。

国家機関の民営化か廃止かを判断するための過渡形態と
して設計された独立行政法人制度の趣旨を忠実に活そう
という方針です。したがって、独立行政法人という法人
の大半は、数年後にはなくなってしまう可能性が高くなっ
た、ということができます。

この方針が国会で承認されれば、国立大学法人にも当然
適用されますので、国立大学関係の「評価」は学内評価
と大学評価学位授与機構による評価も含めれば5段階と
いうことになります。しかも6年後に,行革推進本部か
ら民営化が適当と宣告されるのは、独立採算でもやって
いける可能性のある「大手」の大学なのかもしれません。」

----------------------------------------------------------------------
[1] 8/1 閣議決定「中期目標期間終了時における独立行政法人の組織・
業務全般の見直しについて」
本文 http://www.kantei.go.jp/jp/singi/gyokaku/kettei/030801minaosi.pdf
概要 http://www.kantei.go.jp/jp/singi/gyokaku/kettei/030801minaosi_s.pdf
----------------------------------------------------------------------
「2.対応

閣議決定の内容は以下のとおり。

(1) 独立行政法人の業務全般にわたる見直しの視点、事
務及び事業の改廃に係る具体的措置、組織形態に関する
見直しに関する具体的措置を定めるとともに、総務省の
政策評価・独立行政法人評価委員会は、業務全般にわた
る見直しの視点について、具体的な検討に資するチェッ
ク事項を勧告方針として概算要求前に作成。

(2) 見直し結果を次の中期目標期間の開始年度に係る国
の予算に反映させるため、以下の手続を実施。� 主務
大臣は、勧告方針を踏まえて見直し案を検討して予算を
要求。� 総務省の政策評価・独立行政法人委員会は、
予算に反映できるよう早期に勧告の方向性等を指摘。�
主務大臣は、国の予算編成の過程において見直し内容を
検討。� 主務大臣は予算概算決定の時までに行政改革
推進本部に見直し内容を説明し、その議を経て決定。

(3) (2)で決定した見直し内容を踏まえ、主務大臣及び
独立行政法人は中期目標・中期計画等を策定。必要があ
れば国会に法律案を提出。」
----------------------------------------
本文より抜粋

「3 独立行政法人の組織形態に関する見直しに係る具体的措置

(1) 業務の大部分又は主たる業務が廃止され、又は民間
その他の運営主体に移管された独立行政法人について、
当該法人を廃止した場合にどのような問題が生じるのか
を具体的かつ明確に説明できない場合には、当該法人を
廃止する。法人を廃止しない場合であっても、業務の大
部分又は主たる業務の廃止又は他の運営主体への移管に
伴い、当該法人の組織を大幅にスリム化する。

(2) 業務の採算性が高く、かつ国の関与の必要性が乏し
い法人、企業的経営による方が業務をより効率的に継続
実施できる法人又は民間でも同種の業務の実施が可能な
独立行政法人について、当該法人を民営化した場合にど
のような具体的問題が生じるのかを具体的かつ明確に説
明できない場合には、当該法人を民営化する。法人を民
営化しない場合であっても、業務の大部分について民営
化することに伴い、当該法人の組織を大幅にスリム化す
る。

(3) 特定独立行政法人について、その業務を国家公務員
の身分を有しない者が担う場合にどのような問題が生じ
るのかを具体的かつ明確に説明できない場合、当該法人
を特定独立行政法人以外の独立行政法人とする。」

2003年08月01日

文部科学省高等教育局主任大学改革官の視点 

『文部科学教育通信』2003年7月28日号 No.80 特別寄稿 
「国立大学法人法の成立の意義と今後の課題」
文部科学省高等教育局 主任大学改革官 杉野 剛

抜粋
大学界全体の運営革命も射程においていること
「法人化の意義の第四は、この改革が、国立大学にとどまらず、公立大学、私
立大学のマネジメントにも影響を与え、我が国の大学制度全体の活性化に繋が
る可能性を持つ、という点である。日本の大学のマネジメントは、設置形態の
違いを越えて意外なほど共通の課題が多い。過度のボトムアップ・システムに
よる硬直的・分散型の大学運営、社会に対する情報公開の意識の低さ、外部か
らの業績評価に対する異常なまでの臆病さ、大学のトップ人事や教員人事の閉
鎖性、教員以外のスタッフの能力を活かしきれない運営体制、等々。こうした
点で、国立大学の法人化が、大学マネジメント改革の大きなうねりとなること
を期待している。」

今後のリストラの責任は大学に
「法人化後は、学内での難しい意見調整や厳しい意思決定を文部科学省の査定
に委ねるという形で外部に責任転嫁することができなくなるので、組織の新設・
拡大、経費の抑制、不要ポストの削減といった学内資源の再配分の決定は、厳
しい反発を招く決断であっても、大学自身の手で決着をつける自主・自律の体
制を確立しなければならない。」

2003年07月30日

喜多村和之「政官の論理 vs 大学の論理ーー認証評価制度に試行・実験の期間を」

教育学術新聞 2003/07/23  私学高等教育研究所 より アルカディア学報 128
cf: 「信なくば立たず―認証評価制度は実施できるのか」

政官の論理 vs 大学の論理
−認証評価制度に試行・実験の期間を

喜多村和之 高等教育研究所主幹

国立大学法人法がこの七月に国会を通過したと思ったら、もう半年
後の平成十六年四月には国立大学法人が設立されることとなり、国
立大学関係者は、新制度移行への時間がないと大騒ぎになっている
との報道があった。明治以来の設置形態を一気に変えるのだから、
それは戦後の学制改革にも比すべき大変革である。変革には既存の
制度・慣行を守るという慣性と抵抗力が働くとともに、新しい事態
に慣れ、新しい意識にきりかえるために、それなりの時間や意識の
転換への余裕が必要である。一片の法律が出れば、それで一気に変
われるというものではない。

それにしても政治や行政の論理は、そんなまどろっこしいことは待っ
てはいられないとばかりに、次々と法案を成立させていく。慎重な
議論などといった意見は、こうした激動期には問答無用で、影が薄
く、ただちに守旧派や抵抗勢力のレッテルを貼られてしまう。異論
など聞いていたら成立の時機を逸してしまうということなのだろう。
だが、それはあくまでも政官の都合であって、民や大学にもそれな
りの論理や都合というものがある。

国立大学の法人化にはようやく報道の紙面を割いたマスコミだが、
法人化に目をとられている前に、設置認可制度の大転換や、認証評
価制度の創設、専門職大学院の創設、法令違反の大学の是正措置等
を決めた学校教育法の一部改正が去る二○○二年十一月に成立して
いる。

この法改正は、単に国立だけでなく、国公私の大学、短大、高専に
も適用される大変革で、その高等教育界全体に及ぼす影響力の大き
さは国立大学法人法の比ではない。

それにもかかわらず、マスコミがほとんど報道しなかったのは、自
ら公共の役割を放棄するものではないか。法人化や二十一世紀CO
Eプログラムの報道にはあれほど大きな紙面を割く全国紙が肝心な
情報を報道しないのは、物事の軽重の判断もつかないのか、それと
も意図があってのことなのか。尤もどんな法案を政府が出してきて
も知りもせず、関心も持たず、意見も表明せず、後になって文句を
言う大学側も同罪であるが…。

去る七月七日の私学高等教育研究所の第一九回公開研究会で「新し
い認証評価制度の問題点と展望」と題して筆者は報告を行った。二
五○人余の参加者を得たが、それはいかに多くの関係者が切実な関
心を抱いているかの証左であろう。筆者は半年後に施行が迫った認
証評価制度には、これを実施する現場の大学や第三者評価機関にとっ
て克服しなければならない幾多の問題点があることを率直に指摘し
た。

それは評価を行うこと自体がいかに困難な仕事であるかということ
のうえに、ヒト、カネ、モノ、情報という資源が絶対的に不足して
おり、しかも、最大の問題点は五〜七年のうちに日本の1200校
を超える高等教育機関の全部を、いかにして自己点検・評価と第三
者評価を終えることができるかという時間の制約がある。この期間
内に評価を受けなければ、その機関は法令違反になってしまうから
である。

この報告に対して、参加者の中からは、あまりに悲観的な見通しで
落胆したとの批判が寄せられた。筆者は過度に危機感を煽りたてた
つもりはない。単純計算をしても決められた期間に評価を終えるこ
とは大変なことであり、それには多くのヒトと多額な費用と多大な
手間がかかるという現実を指摘したまでである。参加者の中からは、
評価には大した手間がかからないので、問題点を過大に誇張してい
るとの指摘もあった。

評価という営みがいかに微妙で困難な問題を含むかを日頃痛感して
いる筆者としては、このような根拠のない楽観論にはとても組する
ことはできない。繰り返し述べておきたい。筆者は理想論やあるべ
き論を述べたのではない。一片の法律で決められたことが現場にい
かなる問題をもたらすかという現実論を主張したまでである。

政治や行政には自分たちの論理や都合があって早々と、さして審議
もせずに法案成立を急ぐのであろうが、その実施を行い、直接被害
に遭うのは当事者たる大学や第三者評価機関のほうである。こちら
にはこちらの論理もあり都合もあり準備や態勢も入用なのだ。万一、
この制度の強行によって、日本の高等教育全体に多大な混乱を生じ
させ、あるいは評価の実行が不可能という事態になったとすれば、
この政策を形成し、法律化し、決定した関係者と結果的に傍観した
ことになった大学関係者は、重大な責任を負わなければなるまい。

筆者は何も大学評価そのものを無用としたり、実施に反対したりし
ているのではない。ただ、新しい事業を開始する場合は、なぜそれ
を行うべきかを徹底的に検討し、当事者間の理解を十分得たうえで、
それを実施できるだけの資源(ヒト、カネ、モノ、時間)が用意で
きるか否かを検討し、少なくともある程度の期間の試行や実験を経
てから実施に移すのが普通の段取りであろう。ところが全般的には、
もう法律になってしまったのだから、なにがなんでもやるべきだ、
やらなければならないという脅迫観念が支配的なように思えてなら
ない。いくら法律で定められても、現実に実行できないような法令
ならば、それは立法者に問題があるのであり、然るべき改善措置を
とるよう政府に抗議するべきではないか。仮に、当初の方針を変更
せざるを得なくなったときでも、いきがかりを改めることに躊躇す
べきではない。走り出してから止まるよりは、過つ前に止まること
の方がはるかに被害は少ないからである。もう決まったことだから
なにがなんでも突っ走るというのは、兵の訓練も石油も武器もない
のに、強大な相手を敵にまわして戦争を始めるというのに近いので
はないか。

少なくとも来年四月からの認証評価制度の発足にあたっては、以下
の点を強く主張したい。

機関評価は七年以内、専門職大学院は五年ごとに、自己評価と第三
者評価を受けることが義務づけられている。しかし施行は二○○四
年四月からであり、あと半年を残すばかりである。しかもその細目
を規定する省令はいまだに発令されていない。新しく発足する、し
たがって十分な情報や経験もない当事者が、いきなり本番にあたる
のは、仮免許なしに本番の自動車の遅転を始めるのに近い。アメリ
カのアクレディテーション・システムは100年の実績と経験の中
でたえず改訂を重ねているし、韓国の大学評価は実施前に14年に
わたる研究と試行を重ねたという。少なくとも数年の試行・実験と
評価の基準や方法の改善を重ねたうえでの認証評価制度の発足を強
く要望する。そのことが認証評価制度を成功させる最低限度の条件
であり、しかもこの制度は当事者である大学の納得と理解がなけれ
ば絶対に所期の目的を果たすことは不可能だからである。

Posted by tjst at 07月30日
URL:http://www.ac-net.org/dgh/blog/archives/000048.html
他の分類:大学評価

2003年07月21日

岩本 進「多面的な評価制度をーー基礎研究軽視に懸念」

北海道新聞2003年7月21日付け 記者の視点 報道本部 岩本 進
「国立大学の法人化 多面的な評価制度をーー基礎研究軽視に懸念」(抜粋)

「法人化は合理化や効率性に重きを置くが、成果が出る
まで長い年月を要する研究もある。過去三十数年間の流
氷観測を今後、だれがどうフォローするのか」。2004年
度にも廃止される北大流氷研究施設(紋別)の白沢邦男
助教授は嘆く。

流氷研は北大低温学科学研究所(札幌)の附属施設。紋
別など三ヶ所のレーダー観測で、流氷の分布や動きの長
期的変動などを研究し、地元にも流氷情報を提供してき
た。

廃止については北大側は「法人化と関係ない」という。
しかし、白沢助教授は「直接のきっかけはレーダー更新
だが、大学側は当然、(コストを含め)法人化後の大学
運営を考えて決めたはずだ」

流氷研究は低温研内に解説される環オホーツク研究セン
ターが引き継ぐが、「札幌で継続的な研究ができるのか」
と白沢助教授は言う。・・・」

関連リンク

Posted by tjst at 07月21日
URL:http://www.ac-net.org/dgh/blog/archives/000014.html
他の分類:大学財政 , 大学評価

2003年07月20日

信なくば立たず―認証評価制度は実施できるのか

喜多村 和之(私学高等教育研究所主幹)
アルカディア学報(教育学術新聞2107号(2003.06.25)掲載コラム)
http://www3.ocn.ne.jp/~riihe/arcadia/arcadia124.html

#(昨年、学校教育法が改正され、文部科学省の認証を受けた評価機関による評価を受けることが、すべての高等教育機関に法的に義務付けられた。それが「認証評価制度」である。
大学評価研究の権威である喜多村氏が、その実行可能性への疑念を表明したもの。)

こうみてくると、そもそもこの「認証評価制度」なるものは、実行可能なのか、という疑問が出てくるのを禁じがたい。たんにヒト、カネ、モノという資源の不足もさることながら、評価のシステムというソフトの未成熟や限られた時間(五〜七年)という制約があるのである。
Posted by tjst at 07月20日
URL:http://www.ac-net.org/dgh/blog/archives/000010.html
他の分類:大学評価