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国立大学独立行政法人化の諸問題: 大学の自治


3/13 [AcNet Letter 71] 東京都立大学評議会見解2004.3.9AcNet Letter , 意見広告の会ニュース , 荒廃の諸相 , 大学の自治 , 地方独立行政法人制度 , 東京都の大学支配問題
12/27 横浜市立大学長に辞職を勧める手紙noblesse oblige , 大学の使命 , 大学の自治 , 不当な支配に直面する横浜市立大学
12/24 抗議辞職した都立大四教授支持声明意見広告の会ニュース , 学問の意義 , 大学の使命 , 大学の自治 , 東京都の大学支配問題
12/07 横浜市立大学名誉教授・教授等有志声明:「横浜市立大学の新たな大学像」に反対し小川学長の責任を問う研究者から社会へ , 大学の自治 , 大学界の自治 , 任期制の諸問題 , 不当な支配に直面する横浜市立大学
11/30 教授会自治の復活と法人化へ向けての課題(名工大)学長の権限 , 国立大学法人制度の欠陥 , 大学の自治 , 大学内行政 , 法人化準備
10/31 横浜市立大学学長、評議会審議を無視学長の権限 , 大学の自治 , 地方独立行政法人制度 , 不当な支配に直面する横浜市立大学
10/27 横浜市立大学総合理学研究科有志教員『声明』大学の自治 , 不当な支配に直面する横浜市立大学 , 不当な支配に直面する横浜市立大学
10/26 東京都立大学1年生のアピール学生の動き , 大学の自治 , 地方独立行政法人制度 , 東京都の大学支配問題
10/23 明日24日講演会「京大事件の今日的意味」於立命館大学の自治
10/23 学生と戦争−滝川事件:下大学の自治
10/18 都立大学:10/15学生説明会に500名余が参加大学の自治 , 地方独立行政法人制度 , 東京都の大学支配問題 , 不当な介入
10/15 都立大学史学科院生会から東京都への公開質問状10/9大学の自治
10/11 11/1 都立大学祭企画「廃止して良いのか?都立大学!!」大学の自治 , 地方独立行政法人制度 , 東京都の大学支配問題
10/11 北陸大学:授業のない教員の解雇を表明大学に関連する訴訟 , 大学の自治 , 大学の労使関係 , 大学界の自治 , 不当な介入
10/11 横浜市立大学の未来を考えるメールマガジン『カメリア通信』目次紹介大学の自治
10/10 都立三大学学長による「意見表明」の実態大学の自治
10/08 「都立の大学を考える都民の会」への参加呼びかけ大学の自治
10/08 東京都立大学総長声明10月7日大学の自治
10/07 大学改革案における教員任期制の導入に関する横浜市立大学商学部教授会意見大学の自治 , 大学の労使関係 , 地方独立行政法人制度 , 任期制の諸問題 , 不当な介入 , 不当な支配に直面する横浜市立大学
10/03 「全員への任期制導入」案へ横浜市立大学商学部教授会が反対の意志表明へ大学の自治 , 地方独立行政法人制度 , 任期制の諸問題
10/03 都立4大学の統廃合をめぐる危機の現状(2)大学の使命 , 大学の自治 , 地方独立行政法人制度 , 不当な介入
10/01 都立大学総長の「抗議声明」2003.9.29大学の自治 , 大学政策 , 地方独立行政法人制度 , 不当な介入
9/29 シンポジウム「大学界の真の改革を求めて」報道発表研究者から社会へ , 国立大学法人制度の欠陥 , 国立大学法人法 , 大学の自治
9/29 2003年9月28日都立4大学廃止に関する緊急シンポジウムアピール大学の自治
9/28 京大で戦後初の理学部出身学長;尾池和夫氏(地震学)大学の自治
9/25 東京都立大学人文学部文学科5専攻から大学管理本部宛質問状大学の自治 , 地方独立行政法人制度 , 不当な介入
9/25 東京都立大学人文学部抗議声明 2003.9.25研究者から社会へ , 大学の自治 , 地方独立行政法人制度 , 不当な介入
9/21  9/28「都立4大学の廃止に関する緊急シンポジウム」研究者から社会へ , 大学の自治 , 地方独立行政法人制度 , 不当な介入
9/19 横浜市立大学商学部臨時教授会決議 平成15年9月11日大学の自治
9/14 「国家統制の強化で実現する大学改革」という考えについて大学の自治
8/26 在日アメリカ人学者による大学批判の本荒廃の諸相 , 大学の自治 , 不当な介入 , 本の紹介
8/23 「知事であれ、市長であれ、次ぎの選挙で落選させるのがいい」大学の自治
8/20 国立大学法人制度下の使命国立大学法人制度の欠陥 , 国立大学法人法 , 大学の使命 , 大学の自治 , 日本国憲法と教育基本法の改正問題
8/16 総務省が勧告強化 法人化後の国立大学も対象に学長の権限 , 国立大学法人制度の欠陥 , 大学の自治 , 大学政策 , 大学評価
8/09 豊島耕一氏のアピール大学の自治
8/05  [reform:04921] 都立大に吹き荒れるファシズムの嵐荒廃の諸相 , 大学の骨組みの変更 , 大学の自治 , 大学政策 , 地方独立行政法人制度 , 不当な介入
8/05 「都立の新しい大学の構想について」に対して抗議する荒廃の諸相 , 国会審議の形骸化 , 大学の自治 , 地方独立行政法人制度 , 不当な介入
8/03 国公私立大学通信8月3日序荒廃の諸相 , 国公私立大学通信 , 大学の自治 , 大学政策
8/02 藤田正一(北大前副学長)「「総長メッセージ」を読む」学長の権限 , 国立大学法人制度の欠陥 , 国立大学法人法 , 大学の自治 , 大学内行政
8/02 asahi.com : 朝鮮学校卒の入学資格、大学判断で 文科省検討大学の自治 , 大学改革の提案ーー社会から , 大学政策
8/02 asahi.com 8/1:「単位バンク」で柔軟カリキュラム 統合後の都立新大学学長の権限 , 荒廃の諸相 , 人事 , 大学の自治 , 地方独立行政法人制度 , 不当な介入
8/01 文部科学省高等教育局主任大学改革官の視点 学長の権限 , 国立大学法人法 , 大学の自治 , 大学政策 , 大学内行政 , 大学評価
7/26 東京外大教授会が外国人学校受験資格許可要請を決議大学の自治 , 大学内行政
7/26 福岡県立大学が外国人学校からの受験許可方針を断念大学の自治

2004年03月13日

2003年12月27日

横浜市立大学長に辞職を勧める手紙

横浜市立大学理学部 一楽重雄教授 から小川恵一学長への手紙2003.12.22
http://edmath.sci.yokohama-cu.ac.jp/ogawa1222.pdf

小川恵一先生

先日は、総合理学での「対話集会」ご苦労様でした。実質的に先生の辞任を求める声明の署名者は、現時点で、名誉教授等21名、教授等24名となりましたので、ご報告致します。これからも、徐々にではあっても、増えてゆくものと思います。

さて、伝え聞くところによると、先日の大学改革推進本部の動きを小川先生には評議会当日まで知らされていなかったとのこと。市は学長をまったく軽視しているのではないでしょうか。教育の中味までを市が決定するということ、これは「大学の自治の侵害」そのものではないでしょうか。先日の対話集会で、「自治の侵害には、身を挺して守る」とおっしゃたのはどなただったでしょうか。ぜひとも、実行して頂きたいと思います。

今、先生が「身を挺する」とは「辞職」しかありません。

これが恐らく先生のお名前が後世に恥辱にまみれたものとならない最後のチャンスかと思います。もちろん、先生が自分の意志を貫けないのは心残りと思いますが、このままでは市は小川先生の立場もまったく考えず、どんどん、突っ走るだけであることは明白です。

多少の抵抗をしても、貪欲な権力者には意味はありません。「身を挺する」ことが必要なときが来たのです。

どうか、ご家族ともご相談され、賢明な判断をされることをお願い致します。

理学部一楽重雄

「横浜市立大学の新たな大学像」に反対し小川学長の責任を問う声明

平成15 年11 月28 日

去る10 月29 日小川学長は、中田市長に対して「横浜市立大学の新たな大学像」を提出した。この案は大学案の形を取っているものの、その作成は教員7名、事務局員7名というごく少数の委員からなる「横浜市立大学改革推進・プラン策定委員会幹事会」で秘密裏に行われたものであり、大学の総意によるものではない。このことは、改革推進・プラン策定委員会や評議会で多くの反対意見が出され紛糾を重ねたことや、各教授会、あるいは、教員組合や教員有志の度重なる意見表明から明白である。

そもそも大学の将来という重要な事柄が、教授会の関与を排して進められたこと自体学校教育法に抵触しかねないものであり、民主主義の原則に反するものである。

行政と大学との協調と緊張という正しい関係が採れず、管理職職員とごく一部の教員によって非民主的に作成された今回の案は、いずれ大学の解体につながるものであり、この案の作成過程と内容が「学問の自由」、「大学の自治」を否定した悪例として全国に残ることを自覚しなければならない。

この案の内容自身もあまりに問題が多いと言わざるを得ない。そもそも、この案の立脚している「プラクティカルなリベラルアーツ」なる概念が不明確であり、むしろ、形容矛盾である。この案は、単に「あり方懇」の答申を精査し具体化しただけであって、まったく大学の主体性にかけるものである。

しかも、あり方懇答申の出発点となった財政上の問題の解決につながるものとも、とうてい思われない。その理由は、

1. 理学部を理工学府に改組することは、むしろ費用の増加につながる。
2. 教員全員に任期をつけ、年俸制とすることは、人件費の大幅な増加を意味する。

教員は、等価な報酬であれば、任期のない大学、研究費の保証される大学に転職するのは当然であるから、この大学像による大学では通常を大幅に上回る給与を支給しなければならない。また、直接に教員の待遇や年俸を決定するに耐えるような公正な評価を行うためには、広い専門にわたる教員に対して複数の評価委員を委嘱する必要が生じ、その費用は相当な額になる。

その一方で、わずかな出費を押さえることにしかならない、

1. 一部を除いての博士課程の廃止
2. 教職課程などの廃止
3. 個人研究費の廃止
4. 研究所の廃止

などが謳われているが、これらは大学の魅力を大きく殺ぐものであり、市民の要望にも合致しない。大学の教育が研究を基盤としていることを忘れては、魅力ある大学どころか、凡庸な大学にすらなりえない。

3学部を1学部に統合することも、学部間の垣根を低くすることが目的であるとされているが、それは3学部のままでも十分可能なことであり、本来の狙いは別なところにあるのではないかと思われる。すなわち、大幅な縮小である。学生数や教員数の規模について、触れられていないこの案では、この点も明らかにならず憶測を生むばかりである。また、そのカリキュラム・コース案は、理工系を「IT」、「バイオ」、「ナノテク」とするとした点に見られるように、近視眼的な実用主義教育であり、総合的な基礎教育と基礎研究を軽視している。

このように時代の流行のみを考慮したコース設定は、それゆえにすぐに時代遅れとなり社会の要請に応えるものともならない。基礎研究があってこそ応用研究が有り得ることは、「環境ホルモン」の問題において市大自身が身を持って体験したことであった。

長い歴史によって得られて来た「学問の自由」、「大学の自治」は、変化の激しい現在の社会であっても、大学が大学であることの根幹をなすものであることに変わりはない。もちろん、このことは現在の大学の自治に問題がないことを意味するのではなく、問題解決に向けた改革を進めることは当然である。しかし、「あり方懇」座長の特異な考え方に基づいて、教員人事システムを専門家集団である教授会から取り上げ、案の言う人事委員会にゆだねるようなことは、別の大きな弊害を生む恐れが強い。すなわち、権力による大学支配である。理事長と学長を分離することによって、市長が直接理事長を任命し、その理事長が理事を任命し、その理事会で人事委員を決定するということになると、現実の人事が政治的な要因で左右されることさえ懸念される。

また,教員評価制度の項では「「大学から求められた役割をきちんとはたしているか」という視点が重要」とされているが,これは「学問の自由」を否定するものであり,大学が大学であり続けるために必要欠くべからざる「批判的精神」を自ら放棄することを意味する。これらの観点から、私たちは今回学長から市長に提出された「横浜市立大学の新たな大学像」に強く反対する。この案の作成責任者である小川学長は、まず教職員学生に対して、そして市民に対して、この案によって本当に市民の求める「魅力ある大学」が創られることになるのか、納得できる説明をする義務がある。

くしくも、創立75周年を迎えたこの時期に、大学破壊とも言えるような大学改革案を作成した小川学長は、その責任を明確にすべきものと考える。

横浜市立大学名誉教授・教授等有志代表:名誉教授 伊豆利彦, 教授 矢吹晋

呼びかけ人:中川淑郎,田中正司,蟹澤成好,一楽重雄,永岑三千輝,鈴木正夫

賛同者(12 月18 日現在):

名誉教授等(21 名) 石井安憲,吉川智教,平塚久裕,宮崎忠克,相原光,森俊夫, 多賀保志,内山守常,神田文人,佐藤経明,伊東昭雄,岩波洋造,山極晃,秋枝茂夫, 今井清一,中神祥臣,浅野洋,

教授等(24 名) 吉岡直人,笹隈哲夫,佐藤真彦,三谷邦明,松井道昭,川浦康至,市田良輔,石川幸志,山根徹也,桑江一洋,上杉忍,倉持和雄,影山摩子弥,唐澤一友,加固理一郎,本宮一男,古川隆久,平智之,今谷明,藤川芳朗

2003年12月24日

抗議辞職した都立大四教授支持声明

意見広告の会ニュースNo 76(2003.12.24) より転載


すべての大学人は都立大法学部四教授の行動を断固支持し、学問の自由を守る意志表示をしよう!


2003年12月23日

筑波大学 鬼界彰夫


 日本全国の大学で教育・研究にたずさわるすべての皆さん。石原都知事が強引に進めつつある都立大学の再編計画に抗議して四名の法学部教授が辞職されたことはすでにご承知だと思います。私もこの「事件」には強い関心を持って注目していましたが、新聞報道で伝えられる辞職理由が「トップダウンに抗議して」とか「健康上の理由」といった曖昧なものだったため、事態の真の意味を完全には理解しかね静観していました。しかし12月17日都立大で開かれた説明会の模様の報道を通じ、四教授の行動が学問の自由を守るための勇気ある行動であることを知り、彼らの行動を今断固として支持し、いかなる形においても彼らを社会的に孤立させてはならないと考えこのメールを皆さんに書いています。御一読頂き、それぞれの方が、学問の自由を守ることが自分の学者しての命を守ることであり、四教授の行動を支持することがそのために極めて重要であることを認識頂ければ幸いです。

我々はなぜ学問の自由を守らなければならないのか

 大学人に対して学問の自由の必要性を改めて説くのは、文字通り「釈迦に説法」のそしりを免れないことは十分に承知しています。しかしながらかつての「遠山プラン」に象徴される「社会のニーズ」という名のもとに為されてきた「大学批判」に対する大学人の時には迎合的な対応や、国立大学法人法に対する傍観者的態度は、大学は学問の自由を売り渡しても生き延びようとしているのではないかという疑いを起こさせるのに十分なものであり、それが典型的なポピュリストである石原都知事の今回の強引な試みを誘発する遠因となったと考えられるため、学問の自由の意味を再確認したいと思います。

 ある社会が学問の自由を尊ぶとは、その社会が真理(事実)を自体的価値として尊重し、他のいかなる重要な価値にも従属させないということです。他の重要な価値とは、「正義」、「階級」、「民族」、「宗教」、「民主主義」、「国民の福祉」、「社会のニーズ」等様々です。それらは当の社会が「是」として合意している建前であり、看板です。社会が学問の自由を尊ぶとは、ある問題に関する事実が仮に社会的是にとって一時的な後退を意味するものであっても、それを事実として認めようということであり、それを事実として探求し、公開する人々の活動を社会全体で支援しようということです。いかなる問題に関しても、「本当の所はどうなのか」ということを決してないがしろにしないということです。「都合のよい事実」を決して捏造しない、許さないということです。逆に学問の自由を抑圧するとは、様々な大義のために、「都合の悪い事実」の公開や探求を禁じたり、妨害したり、あるいは「都合のよい事実」の捏造を強制したり誘引したりすることです。従って学問の自由は決してファシズムによってのみ踏みにじられるのではなく、「社会のニーズ」や「国民の福祉」に対する自発的
迎合や追従によっても踏みにじられるものです。

学問の自由は知の専門家である学者の集団としての学問共同体の自律的活動と評価によってのみ可能である

 社会があらゆる判断の根底に真理を置き、「本当のところはどうなのか」を可能な限り追求しようとすれば、学者が探求を職業的に行う場としての大学と、ある事柄に関する真理が何なのかを判断する場としての学問共同体(学会)がどうしても必要です。例えば、ある歴史的事件の真相が何であるのかを知るためには、原資料へのアクセス、それを分析する能力、そうした活動を支える時間と資金が必要ですが、そうしたことは大学という探求の場を与えられた専門家としての歴史家にのみ可能であり、その問題に関して対立する様々な見解が存在する場合には、専門家集団の相互討議の場としての学会においてのみ最善の結論に達することが出来ます。そして本質的に発見的な学術活動はあくまでも学者個人の自発性に基づいてのみ可能であるため、大学で研究する学者の活動は当人の学問的関心、学問的価値観、学問的良心に基づいてのみ可能となります。言い換えるなら学者が自分で興味深く価値あると考える研究テーマを誰の評価も気にすることなく選び、自分の能力と良心にのみ基づき自分が最も真理に近いと考える結論をその根拠とともに社会に公表する、ことによってのみ可能です。他方、他の社会的に重要な価値のために学問の自由を破壊する最も典型的な手段とは、その価値を代弁する非専門家が社会を扇動し、学者の活動と判断を自らの支配下に置くことです。戦前の滝川事件、ソヴィエト・ロシアでのルイセンコ事件、そして中国の文化大革命、いずれにおいてもこの同じ手段が用いられています。そして今回の東京都の都立大再編計画も、本質的には社会をバックにしたかのような非専門家が「魅力ある大都市Tokyo」という(おそらく石原都知事以外の人間には)大して重要でも現実性もない価値に学者を従属させることにより学問の自由を破壊しようとする行動です。

石原都知事と東京都大学管理本部はどのようにして学問の自由を 破壊しようとしているのか

 2003年8月1日に発表された東京都大学管理本部の報道資料「都立の新しい大学の構想について」第二項は次のように述べています。

「新しい大学は、大都市における人間社会の理想像を追及することを使命として、特に次の3点をキーワードに、大都市の現場に立脚した教育研究に取り組みます。

1) 都市環境の向上
2) ダイナミックな産業構造を持つ高度な知的社会の構築
3) 活力ある長寿社会の実現」

 すでに様々な人によって指摘されているように、こうした大学像が現行の都立大全体の研究領域とあまりにも無関係で、ほとんどナンセンスなものですが、百歩譲ってこれが新設される大学であると仮定しましょう。その場合大学の設置者である都は大学がカバーする研究領域を自由に設定することは出来ます。例えば、大都市を多角的に研究対象とする、というように。しかしながら上記の文言は大都市の(よりはっきり言えば石原氏が知事を務める東京の)現実を肯定するような研究を暗に要求するものです。例えば大都市の環境が本質的に非人間的であり、都市はは出来るだけ小さくあるべきであり、従って首都機能も東京から移転すべきだ、という結論に研究の結果到達した社会学者がいたとして、その学者は上記の文言に何を感じるでしょうか。大学に残りたかったら研究テーマか結論のいずれかを変えろ、というメッセージでしょう。このメッセージこそが学問の自由の破壊の本体なのです。

 しかし都立大が直面する現実はもっと深刻です。形式は何であれ、「新生」都立大は新設されるのではなく、すでに自分自身の研究領域とテーマを持った多くの学者を抱える現行都立大の再編でしかありません。大都市と何のかかわりも無い研究をしている学者の感じる当惑と圧力は想像に難くありません。それが学問の自由の破壊なのです。例えば大学管理本部自身がホームページに誇らしげに報告している雑誌「ネイチャー」に掲載された石井助教授と片浦助手らの論文題目は「カーボンナノチューブにおける低温での朝永ーラティンジャー液体状態の直接観察」です。これはいかなる意味においても上記の「新都立大」の理念と何の内容的関係も無いものです。石原都知事と大学管理本部は自らが大学の目玉として広報しているこの優秀な研究者達をどのように処遇しようというのでしょうか。スターリン時代、学術論文の冒頭には論文内容と無関係に、この論文が如何に社会主義にとって有益かということが力説されていたといいます。石原都知事は同様の屈辱を学者に強いることを欲しているのでしょうか。

 このように学問の自由の破壊は常に学者に対する知的屈辱の強制という形をとって現れます。そして今回都によるそうした学問の自由の破壊を象徴するのが予備校への理念委託です。12月12日の東京都文教委員会で明らかになったように、都は再編される都立大の主要部分となる「都市教養学部」の理念設計を予備校の河合塾に3千万円で委託しました。大学で研究にたずさわる学者に対する知的屈辱としてこれより大きなものを想像するのは困難でしょう。明らかに石原都知事は都立大の学者に対して、プライドと学問的良心を捨てて自らの前にひざまづくことを要求しています。そして都立大における学問の自由の破壊を日本の社会と学者が容認するということは、早晩同様の運命が日本の大学全体を襲うことだといってもよいでしょう。

四教授の行動は「敵前逃亡」ではなく、「勇気ある命令拒否」だ

 同じ12日の文教委員会で自民党の山本議員は法学部四教授の辞任を「敵前逃亡」と呼び、彼らの社会的孤立と石原知事の免責を図るような発言をしています。しかしながら軍隊にたとえるなら四教授の行動は敵前逃亡ではなく、無抵抗の非戦闘員を無差別に銃撃しろという上官の不当な命令に対する良心に基づいた勇気ある命令拒否です。彼らが直面したのは学者としての良心を捨て、学問の自由を殺せ、という不当な命令であり、彼らは職を賭してその命令を拒否したのです。我々すべての学者は彼らの行動を支持し、彼らを決して社会的に孤立させず、学問の自由を守る大学の意志を広く社会に示す必要があります。責任を問われるべきは都大学管理本部と石原都知事です。

 これは団体行動の呼びかけではありません。一人一人の学問的良心に対する呼びかけであり、それぞれの身の回りで出来ることをする呼びかけです。彼らに対する応援のメール、東京都に対する抗議のメール、教室での学生への説明と呼びかけ、職を辞する決意をしなくとも我々に出来ることはたくさんあるはずです。ささやかであっても持続的な意思表示が最も大切ではないでしょうか。学問の自由は学者というカナリアにとっての酸素です。学者として命を保とうとするなれら、私たちは酸素を求める当然の声を上げなければなりません。

石原都知事による都立大再編に反対する人々への支援先

『都立の大学を考える市民の会』ホームぺージ
http://www.geocities.co.jp/CollegeLife-Lounge/3113/index.html

東京都への抗議先

都民の声総合窓口 
https://aps.metro.tokyo.jp/tosei/aps/tosei/mail/koe.htm

大学管理本部の連絡先:

 〒163-8001 東京都新宿区西新宿2−8−1
 東京都大学管理本部長 山口 一久 
 03-5388-1615(fax番号)
 メールアドレス:S0000677@section.metro.tokyo.jp

2003年12月07日

横浜市立大学名誉教授・教授等有志声明:「横浜市立大学の新たな大学像」に反対し小川学長の責任を問う

いま横浜市立大学でなにが起こっているかYABUKI's China Watch Room 内)

「横浜市立大学の新たな大学像」に反対し小川学長の責任を問う声明

平成15年11月28日
横浜市立大学名誉教授・教授等有志
代表:名誉教授 伊豆利彦 教授 矢吹 晋

・・・・・そもそも大学の将来という重要な事柄が、教授会の関与を排して進められたこと自体学校教育法に抵触しかねないものであり、民主主義の原則に反するものである。行政と大学との協調と緊張という正しい関係が採れず、管理職職員とごく一部の教員によって非民主的に作成された今回の案は、いずれ大学の解体につながるものであり、この案の作成過程と内容が「学問の自由」、「大学の自治」を否定した悪例として全国に残ることを自覚しなければならない。・・・・・

2003年11月30日

教授会自治の復活と法人化へ向けての課題(名工大)

名古屋工業大学 職組ニュース 号外13 2003年11月28日発行

教授会自治の復活と法人化へ向けての課題

名古屋工業大学職員組合 執行委員会

11月26日開催の教授会において、7月9日付けの学長声明は国立大学法人法成立に際しての附帯決議を踏まえていないので7月14日の教授会決定は取り消す旨の動議が、表決により、賛成122、反対68、保留10、無効0で可決された。この結果、柳田学長は辞意を表明し、議事半ばで教授会を退席した。

 本学が法人化に向けて乗り越えるべき課題の山積みされている時期に、学長の辞任という事態を迎えたことは極めて遺憾である。しかし、7月14日以降の法人化準備過程に照らしてみると、本学は、法人体制への移行という決定的瞬間に、構成員自らが直接に学長を選ぶことのできる最後の機会に遭遇し、その将来を自己決定できる幸運にめぐまれたとも言い得る。・・・・・

 本学が当面する課題は、大きくは二つある。第一は、学長選挙を公明正大に行い、このことを通して名工大の将来像を教職員が共有することである。第二は、学長選挙と並行して、法人化の準備作業を進めることである。この法人化の準備作業は、この間の学長専断体制に対する反省を踏まえれば、学長指名の委員ではなく、教授会において選出された委員から構成される各種委員会によって原案が作成され、教授会で議決する手続きが踏まれるべきであろう。

 国立大学法人体制は、経営組織と教育研究組織の分離を特徴としている。そして、独立行政法人の組織原理の機械的適用は、教育研究組織に対する経営組織の優位に結果する。しかし、正にこの点が国会審議で問われたところであり、大学の特殊性として教育研究組織を優位に置くことが附帯決議によって求められたものと言える。その保障は一重に、法人設計を現在の大学が自主的に行い得るところにある。臨時執行部と教授会には、この自覚の下に、必要なあらゆる手立てを講ずることが期待される。・・・・・

2003年10月31日

横浜市立大学学長、評議会審議を無視

「市立大学の新たな大学像について」に関する横浜市立大学教員組合声明2003.10.30

数年前、国立大学設置法改正で、国立大学では「衆議統裁」的大学運営が許容されるようになったが、学長によるこのような評議会無視は許されていなかった。横浜市立大学条例 には大学の運営組織については事務局以外の規定がないから、学校教育法の規定により教授会(・評議会)が最高意思決定機関となるのではないか。

・・・・・横浜市へ提出された本「大学像」は、10月17日の臨時評議会で初めて公表され、22日の臨時評議会においても検討の対象とした「横浜市立大学の新たな大学像について(案)」(以下、「案」)に対して、この臨時評議会終了後に看過し得ない加筆や修正、削除などが施されたものとなっている(教員組合作成の「『横浜市立大学の大学像について(案)』と『横浜市立大学の大学像について』の異動」を参照のこと)。随所に変更が施されているが、とりわけ、「第5章 地域貢献」はほぼ3ページにわたって大幅なリライトがなされている。また、次の記述は看過しがたい。「案」では「国立大学法人法」と「地方独立行政法人法」の「特徴」として次のように記述している。「各大学が自ら定める中期目標、中期計画に沿ってその達成度が認証評価機関によって評価される」。然るに、市へ提出された「大学像」において、この部分は次のように変更されている。「設立団体が定める中期目標、及び各大学が自ら定める中期計画に沿ってその達成度が認証評価機関によって評価される」。

 国立大学法人法と地方独立行政法人法が、国や自治体が中期目標を定めるとしていることは、大学と教育研究の自立性を大きく侵害するものであり、これは、全国の大学人がこれらの法案を批判してきた本質的な問題点である。然るに、「案」ではこれを「各大学が自ら定める」と記述し、「大学像」では「設立団体が定める」と変更している。法人化の要諦をなすものであるので、「案」におけるこの記述の導入と「大学像」における変更は、意図的であると断じざるをえない。・・・・・

全文

「横浜市立大学の新たな大学像について」に関する声明

2003年10月30日
横浜市立大学教員組合

 10月29日、横浜市立大学の小川学長は、横浜市大学改革推進本部会議において「横浜市立大学の新たな大学像について」(以下、「大学像」)を提出した。

1)「大学像」を検討した10月22日の臨時評議会においては多くの評議員からの反対意見や疑問の表明が行われ、採決を求める提案がなされた。にも関わらず、「慣例にない」として採決がなされなかった。さらに、この評議会において反対・疑問が集中して議論に多くの時間を費やした人事委員会問題と全教員への任期制導入問題に関して、これに反対した者の氏名を議事録に残すべきであるとする評議員からの提案をも小川学長は合理的な理由もなく拒絶した。本学の最高の意思決定機関としての評議会の議長たる小川学長は、評議会運営上の手続民主主義において重大な問題を犯している。評議会の民主主義的な運営と言う点においてきわめて遺憾である。10月28日の国際文化学部臨時教授会においても同趣旨の見解が表明されている。

2)10月22日の臨時評議会のみならず、本学代表、評議会議長、プラン策定委員会委員長としての小川学長のこの間の学内世論形成における非民主主義的な運営手法は看過し難い。大学改革推進・プラン策定委員会の幹事会委員には厳しい緘口令を敷き、教授会での決議を行うことを牽制するなど、その秘密主義、非民主主義、乱暴なトップ・ダウンは目に余るものがある。

 本「大学像」とその伏線となってきた諸案(「あり方懇」答申、「大学改革案の大枠の整理について」、「大枠(追加)」)に関して、それらの本質的な諸論点について学内で厳しい批判が相次いできた。本年のこの6ヶ月においてさえ、各学部の教授会、臨時教授会、付置研究所の教授会、評議会、臨時評議会、プラン策定委員会などにおいてそれらに対する極めて厳しい批判が続出した。事実、学部教授会、大学院研究科委員会においては都合9件の反対決議や教授会見解が表されてきているのである。教授会と多くの教員の意見表明にもかかわらず、小川学長の秘密主義と乱暴なトップダウンによってそれらはほとんど改革案に反映されずに来た。今回の改革案は決して学内の総意を結集したものとは認めがたく、今後さらに検討を要する事項を数多く残していると考える。

3)かつまた、横浜市へ提出された本「大学像」は、10月17日の臨時評議会で初めて公表され、22日の臨時評議会においても検討の対象とした「横浜市立大学の新たな大学像について(案)」(以下、「案」)に対して、この臨時評議会終了後に看過し得ない加筆や修正、削除などが施されたものとなっている(教員組合作成の「『横浜市立大学の大学像について(案)』と『横浜市立大学の大学像について』の異動」を参照のこと)。随所に変更が施されているが、とりわけ、「第5章 地域貢献」はほぼ3ページにわたって大幅なリライトがなされている。また、次の記述は看過しがたい。「案」では「国立大学法人法」と「地方独立行政法人法」の「特徴」として次のように記述している。「各大学が自ら定める中期目標、中期計画に沿ってその達成度が認証評価機関によって評価される」。然るに、市へ提出された「大学像」において、この部分は次のように変更されている。「設立団体が定める中期目標、及び各大学が自ら定める中期計画に沿ってその達成度が認証評価機関によって評価される」。

 国立大学法人法と地方独立行政法人法が、国や自治体が中期目標を定めるとしていることは、大学と教育研究の自立性を大きく侵害するものであり、これは、全国の大学人がこれらの法案を批判してきた本質的な問題点である。然るに、「案」ではこれを「各大学が自ら定める」と記述し、「大学像」では「設立団体が定める」と変更している。法人化の要諦をなすものであるので、「案」におけるこの記述の導入と「大学像」における変更は、意図的であると断じざるをえない。

評議会で確認された字句修正に意図的と言えるさらなる重大な変更が加えられている。任期制に関する事項である。評議会では、「案」の文章を次のように訂正し確認した。「多様な知識や経験を有する教員などの交流の活性化をはかり、教育研究を進展させるため、任期を定めて任用する制度とする。原則として、全教員を対象に今後、関係法令を踏まえて具体的な制度設計をすることとする」。これが評議会で修正し確認された文言である。然るに、「大学像」では、次のように書き換えられている。「多様な知識や経験を有する教員等の交流の活性化を図り、教育研究を進展させるため、原則として全教員を対象に任期を定めて任用する制度とする。今後、関係法令を踏まえ、具体的な制度設計を行うこととする」。「大学像」の記述は明らかに評議会で確認された文言と異なり、「原則として全教員を対象に任期を定めて任用する制度とする」となっており、きわめて断定的である。評議会で確認した文言を一方的に修正することは許されない。

4)地方独立行政法人法は、教員身分の承継を明確にしているのであり、現職全教員への任期制の導入という有期雇用への不利益変更は断じて容認し得ないものである。

「大学の教員等の任期に関する法律」(以下、「任期法」)は、「任期を定めることができる場合」を限定しているのであり、この法律によって任期制を無限定的に導入できるわけではない。現行「任期法」は限定的任期制であり、これを現職の全教員にまで拡大して無限定的任期制を採用することはこの法律に違反することになる。                     
さらに、この法律には、「任期制の導入によって、学問の自由及び大学の自治の尊重を担保している教員の身分保障の神が損なわれることがないよう充分配慮する」との附帯決議が付されており、その運用にあたって「身分保障」に関しての極めて厳しい条件が課されている。このことは、学問研究の特殊性に基づき「教員の身分は尊重され、その待遇の適正が、期せられなければならない」とする教育基本法第6条2項の規定に照らして厳密に履行されねばならない。したがって、現職の全教員への任期制、年俸制の導入は法的に不可能である。

5)「大学像」は、任期制はもとより、労働条件の変更に関わる重大事項を含んでいる。然るに、労働条件に関する事項にかんして独自に事前の労使交渉を行っていない。今後は、これらの諸課題の検討について教員組合との誠意ある協議に当たることを要求する。

以上、22日の臨時評議会の経緯、従来の学内の手続き民主主義の不徹底、「案」から「大学像」へ看過できない修正、法律上根拠を持たない現職全教員への任期制の導入、労使協議の必要性、これらに鑑み「大学像」は教授会、評議会などの全学の討議に付すべきものである。

 

2003年10月27日

横浜市立大学総合理学研究科有志教員『声明』

横浜市立大学総合理学研究科有志教員『声明』2003.10.21

・・・・・このように,今回の案は,少数の教員と事務局員(プロジェクトR幹事会幹事[2])により,一般教員の意向を無視して秘密裏に作成されたものであり,われわれはこの案に対して何の責任もないことは明らかである.一般教員の意向を一貫して無視することによりプロジェクトR幹事会をミスリードしてきた小川恵一学長は,したがって,われわれを代表する者として,もはや,認めることはできない.・・・・・

2003年10月26日

東京都立大学1年生のアピール

2003年10月20日
都立大理学部1年44クラスアピール
東京都立大学理学部1年44クラス(化学・生物・地理)

私たち1年44クラス一同は、現在行われている大学改革に対し、以下の意見を表明します。

以下 アピール本文

(1) 私達は現在行われている大学改革に対し、今後私達に保障される身分・進路等について学生への説明が不十分であり、また大学の具体的な先行きが見えてこないという現状を、非常に不安に感じています。

(2) よって学生への今現在の改革状況の正確な情報の全面的な公開と、それをうけた私達に考え、発言できる環境が用意されることを、東京都及び東京都立大学側に要求します。

(3) そしてこれからの大学改革について、私達学生の側も積極的に情報を取り入れ、考えていくことを、都立4大学のすべての学生を対象に呼びかけます。

アピール文の解説


1.動揺…8月1日以降の大学改革についての動きをほとんど知らないまま夏休みを過ごした多くの学生は、後期開始と同時に断片的に飛び込んでくる情報に戸惑っている。「都立大がなくなる」「卒業までの具体的カリキュラムの保障がない」「学費が上がる」「大学院がなくなる」「学部が変わる」「都立大生として卒業できない」等、深刻な内容の情報に不安を覚えている。将来に多大な影響を及ぼす大学自体の先行きが見えない為、進路選択の指針を見失う学生も多い。

2.要求…上記のような状態の原因は、根拠のある具体的な情報がないことにある。まずは、今現在大学改革が誰によってどのような方向に進められているのかを、学生にはっきりと示して欲しい。また、これまで私達の得た数少ない情報を総合すると、この大学改革にはプロセスについても改革案についても多くの問題が含まれていると見受けられる。よって、情報を公開するだけでなく、学生がそれについて考え、意見を言えるような場が必要であり、それらを踏まえた上での大学改革であるべきである。

3.呼びかけ…以上のように、学生に向けた情報公開も発言の場も提供されていない状況で現在進められている改革の方法は、私達学生の意見を反映したものとは言い得ない。今こそ学生の側からも、積極的に改革に対し意見を言っていくことが必要である。よって私達は、都立4大学の学生を対象に、積極的に情報を取り入れ、考えていくことを広く呼びかける。

2003年10月23日

明日24日講演会「京大事件の今日的意味」於立命館

asahi.com : MYTOWN : 京都 2003.10.23

戦前の「学問の自由」への抑圧を象徴する事件として知られる滝川事件(京大事件)70周年などを記念して24日午後1時から、北区の立命館大創思館で「京大事件の今日的意味」と題した講演会が開かれる。・・・・・

京大法学部出身で元最高裁判事の園部逸夫・立命館大客員教授(74)は「国立大の法人化を前に滝川事件を検証しながら今後、大学がどういう方向に進めばいいのか、もっと声をあげなければならない」と話す。・・・・・

Posted by tjst at 10月23日
URL:http://www.ac-net.org/dgh/blog/archives/000248.html
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学生と戦争−滝川事件:下

asahi.com:MYTOWN:京都 2003.10.23
学生と戦争−滝川事件:下−

・・・・・「大学の自治や学問の自由は、今、目の前にある問題でもある」と西山助教授は話す。

国立大学は来春、法人化される。法人化後は文部科学相から中期計画の認可を受けなくてはならない。文科省の設ける国立大学法人評価委員会からは達成度の評価も受ける。大学に対する統制が強化される、と懸念する関係者も少なくない。

 「だからこそ」と松尾名誉教授は言う。「いまは学問の自由への露骨な干渉こそないが、今後は行き過ぎた業績主義などソフトな形での抑圧が心配だ。常に『自由』の中身を点検し、自ら鍛えていかなければ、滝川事件の教訓を生かせない」。それは研究者はもちろん、学生にも必要なことだ。

Posted by tjst at 10月23日
URL:http://www.ac-net.org/dgh/blog/archives/000247.html
他の分類:大学の自治

2003年10月18日

都立大学:10/15学生説明会に500名余が参加

大学改革学生説明会に500数十人参加、熱気に満ちた質疑  −「大学改革の現況について」学生説明会傍聴記−(写真入り)

工4年―工学部の有志で総長声明を支持する意見書をつくったので、いま提出したい。(拍手の中、総長に提出)

2003年10月15日

都立大学史学科院生会から東京都への公開質問状10/9

http://www5.ocn.ne.jp/~union-mu/shigakuinseishitumonjo10.9.htm

「都立新大学構想」に関する質問状

東京都大学管理本部長 山口一久様 

去る8月1日、「都立の新しい大学の構想について」が発表されましたが、その中に大学院の構想は示されておらず、現在多くの大学院生が非常に不安を感じています。このたび私たち史学専攻の大学院生は、構成員のほぼ全員からなる「東京都立大学史学科院生会」を立ち上げ、将来の不安を解消すべく、情報収集につとめております。私たちとしては現体制での存続を第一に願うものでありますが、新大学が設置された場合に生じる疑問として以下の3点の質問に、ご回答いただきたくお願い申し上げます。

1.「新大学」の大学院において、「史学専攻」は維持されるのでしょうか。

 現在示されている計画では、新大学における大学院の構想は含まれておらず、そもそも設置自体が不明確となっています。このような状況では、私たちとしては「新大学」の大学院において史学専攻が存続するのかという深刻な危惧の念を抱かざるを得ません。もし専攻が廃止されることになれば、現在の大学院生の研究・指導体制は完全に損なわれ、多くの院生が将来の見とおしを失うだけではなく、その研究生活自体が大きな打撃を被ることになるのです。この点いかがお考えでしょうか。

2.大学院生の現在の研究環境(教員・設備など)維持については、どのような構想をおもちでしょうか。

仮に「新大学」大学院に史学専攻が設置されるとしても、研究環境が実質的に損なわれるならば、それは私たちにとってすなわち専攻が存続されないことを意味します。そもそも都立大学大学院の史学専攻は、世界史的な立場から総合的歴史像の構築を目的とし(大学院案内による)、そのため様々な時代・地域を専門とするスタッフが揃えられております。私たちが都立大を研究の場として選択したのも、そうした環境こそがグローバル化の進む現代社会に対応しうる、歴史認識の獲得を可能にするものと考えたからこそであります。にもかかわらず、「新大学」の大学院において、教員数が大幅に削減されたり、その専門分野に著しい偏りが生じた場合には、上記のような歴史像の構築は不可能となります。また、研究室等の設備や書籍の保存・充実が保証されない場合も同様です。もし現在の研究環境が将来的に維持されないのであれば、それを求めてこの都立大の大学院に進学し、これまで授業料を納めてきた大学院生にとって、いわば契約違反のようなものではないでしょうか。

3.現大学に在籍する大学院生は入学時の規定にのっとった形で、修士課程最大6年間(休学期間を含む)、博士課程最大9年間(休学期間を含む)の在籍が保証されるのでしょうか。

歴史学における研究論文作成においては、新史料の発掘及びその分析などに多くの時間を費やす必要があります。とりわけ外国史の場合、国外にて数年間研究を行うことは今や常識となりつつあり、したがって最低修学年限内に論文を提出することは、特に博士論文の場合非常に困難であります。そのため、私たち大学院生には現在、修士課程は最大6年間(休学期間含む)、博士課程は最大9年間(休学期間含む)の在籍が入学時の規定によって定められております。このような長期の研究期間が保証されていることは、決して院生側の怠惰を助長するものではなく、歴史学を含めた人文科学という学問の性格そのものに起因するものであります。このような私たちの研究事情についてご配慮いただき、上記の質問に具体的にお答えいただきたく思います。

以上の三つの質問は、いずれも私たちの一生を左右する、いわば死活問題であります。この点を十分ご理解いただいた上で、すべての質問についてできる限り具体的な回答をしていただき、私たちの不安・危惧を解消してくださいますよう、お願い申し上げます。

なお、2003年10月17日までに、文書にてお返事いただきたくお願い申し上げます。

2003年10月9日

                         東京都立大学史学科院生会

〒192-0397 東京都八王子市南大沢1−1
東京都立大学大学院 人文科学研究科 
史学専攻 学生院生室

Posted by tjst at 10月15日
URL:http://www.ac-net.org/dgh/blog/archives/000211.html
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2003年10月11日

11/1 都立大学祭企画「廃止して良いのか?都立大学!!」

日時:11月1日(土)4時30分〜8時
場所:都立大教養部120番教室
  アクセス方法:京王相模原線「南大沢駅」下車、徒歩5分。
  http://www.metro-u.ac.jp/access.htm
 会場地図:下記サイト地図の8番
  http://www.metro-u.ac.jp/campusmap/campusmap-j2.htm
共催:都立大・短期大学教職員組合、A類・B類自治会、体育会、サークル連合(予定)
後援:「都民の会(準)」
参加費:無料

○集会終了後に「都立の大学を考える都民の会」(仮称;都民
以外の方々にもご参加をお願いいたします)設立大会を9時まで
開く予定ですので、併せてご参加くださるようお願いいたします。

スケジュール(予定):

1)改革の現状(山下)・・15分
2)短大からの報告(石川)・・15分
3)大学管理本部からの報告・・15分
4)OB弁護士からの報告・・15分
5)A類自治会からの報告・・10分
6)B類自治会からの報告・・10分
7)体育会からの報告・・5分
8)サークルからの報告・・5分
9)院生からの報告・・・5分
10)寮からの報告・・・5分
11)横浜市大からの連帯の挨拶・・5分
12)大日岳裁判支援の訴え・・・5分
13)自由討論・・・90分

連絡先:山下正廣(教職員組合委員長・理学研究科化学専攻)
電話:0426−77−2550
E-mail: yamashit@comp.metro-u.ac.jp

北陸大学:授業のない教員の解雇を表明

北陸大学教職員組合ニュース198号(2003.10.7発行)
http://www2.neweb.ne.jp/wc/hussu/031007_198.htm

「平成15年10月6日に組合執行委員会が行われました。すでにご存知のように、法人理事会は、今回の「未来創造学部」の設置に伴い、あらたに「総合教育センター」を設けます。そして、現外国語学部、現法学部の学生の卒業とともに、総合教育センターの教員で薬学部、新学部に授業のない教員は解雇すると団交で明言しています。これはいわゆる整理解雇にあたり、大学の財政状況に問題のない現在、法的には認められない不当解雇です。

しかし、法人理事会はそのような違法行為を強行する姿勢をまったく変えていません。執行委員会ではこの問題により有効に取り組むため、「雇用対策専門委員会」を立ち上げることを決定しました。専門委員会は、上部団体や全国の大学の組合組織と連絡を取り合って情報を収集し、さらに組合の顧問弁護士との綿密な連携のもと、法人の不当解雇に対抗していくことになります。・・・・・」

北陸大学教職員組合ニュース197号(2003.9.2発行)より団体交渉の記録
http://www2.neweb.ne.jp/wc/hussu/030902_197.htm

組合:「未来創造学部」という学部名称の文科省への提出はしているのか。また、いつごろ認可が確定するのか。
法人:提出はまだ行っていない。ただ、了解はもらえるという感触がある。9月半ばごろまでにはっきりするはずだ。
組合:カリキュラムは、密室で作られ、今回初めて一般の教員に公開された。そして、今、種々の欠陥を多くの教員に指摘されている。変更する気はないのか。また、今、示しているカリキュラムはすでに文科省に提出してあるのか。
法人:カリキュラムを変更する気はない。カリキュラムはまだ文科省に正式なものとしては出してはいない。しかし、今、示しているものでOKという内諾は得ている。それを変えることはしない。だいたい、変えたら失礼になる。
組合:法学部での説明会では、カリキュラムを作ったのは、河島学長、三浦学長補佐、園山外国語学部長、萩原法学部長という説明があったが、そのとおりか。
法人:そうだ。
組合:カリキュラムに明らかな欠陥があり、それを教員にも組合にも指摘され修正を求められても、カリキュラムを変える気はないのか。
法人:ない。新学部は、新しい方針でやるのだから、今の学部でこうだからと言ってもらっても困る。頭を切り替えてほしい。今日、団交の場に来たのは、理解をしてもらうために来たので意見を聞いて修正するために来たのではない。
組合:教職課程を作らない理由をはっきりさせてほしい。
法人:新学部が発展していくためには、まず社会に認知してもらわなくてはならない。成果を上げ、社会に受け入れてもらうためには、今は教職課程はいらない。
組合:教職課程があったら、なぜ新学部の教育の成果が上らないのか?
法人:新学部では新学部の成果を上げることに専念しなければならない。
組合:3年後に授業がなくなる教員が出てくるという説明だが、それは解雇ということか。
法人:雇用の終了ということだ。
組合:解雇ということか。
法人:そういうことになる。
組合:就業規則のどの項目が適用されるのか。
法人:第21条第7号(規模の縮小などの事由により勤務を必要としなくなったとき)を適用する。同条第8号(天災・事変その他やむを得ない事由のため、事業の継続が不可能となったとき)、同条第9号(その他前各号に準じるやむを得ない事情があるとき)も可能性としてはある。
組合:整理解雇と考えていいか。
法人:実質的にはそうなる。
組合:解雇という場合、その解雇の正当な理由がなければ解雇はできない。現在、財政状態は問題ないか。
法人:今は問題ない。
組合:新学部のカリキュラムでは、たとえば第2外国語が朝鮮語のみなので、このまま事が進めば、ドイツ語やスペイン語の教員が解雇されることになる。英語を専攻とする学生を置いた学科において、ドイツ語やスペイン語も学びたいという学生は当然いるし、高校生の目から見た学部の魅力という点でも、ドイツ語やスペイン語は残すべきだ。それでも、スペイン語、ドイツ語をカリキュラムに入れず、専任の担当教員を解雇する、というのはまったく正当性がない。さらに、財政的に問題がないと言っておきながらの解雇だから明らかな不当労働行為である。しかも、複数の教員の問題となるだろうから集団訴訟という可能性もある。今回のカリキュラムを変更なしで強行すれば、我々はそういう行為に追い込まれざるを得なくなる。それでもカリキュラムの変更はしないのか。
法人:しない。



解雇は合理的理由がなければ無効:労働基準法改正
 法人側は新学部の設立により、「やめてもらうことになる教員」が出てくると公言しています。5月に設立された「薬学部刷新準備委員会」、「新学部設置準備委員会」の規程においては、委員会では「(教員の)身分の得喪」に関する事項も扱う、として、まったく一方的に委員会の一存で教員の解雇が可能であるかのようになっていますが、解雇というのは、そのような簡単なものではありませんし、理事会の都合でいつでも自由にやれるというものでもありません。労働基準法を遵守しなければなりません。

 解雇については、これまでも正当な理由がなければ無効でしたが、それが、今年度の労働基準法の改正により、明文化され、次のような条項が労働基準法に加わりました。

第18条の2 解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする。

 ここにきわめて明快に規定されているように、経営者は、「客観的に合理的な理由」を提示し、「社会通念上相当である」と認められなければ、解雇を行うことは違法行為となるのです。

 特に、今回の新学部の設立に関する解雇は団交でも法人側が認めているとおり「整理解雇」にあたり、この整理解雇については、さらに厳しい要件を満たさなければ経営者は解雇を行うことができません。それは、一般に「整理解雇の4要件」として社会的に広く定着したものです。

整理解雇にあたっては、以下の四つの要件のいずれが欠けても、経営者の解雇権の濫用となり、解雇が無効となります。つまり、すべての要件を満たさなければなりません。

整理解雇の4要件

1.人員整理の必要性

余剰人員の整理解雇を行うには、相当の経営上の必要性が認められなければならない。

2.解雇回避努力義務の履行

期間の定めのない雇用契約においては、解雇は最後の選択手段であることを要求される。役員報酬の削減、新規採用の抑制、希望退職者の募集、配置転換、出向等によって、整理解雇を回避するための相当の経営努力がなされ、整理解雇に着手することがやむを得ないと判断される必要がある。

3.手続の妥当性

整理解雇に当たって、手続の妥当性が非常に重視されている。労働組合と十分協議を行ったかどうかも重視される。関係する情報を開示しているかどうかも重要である。必要な説明・協議、納得を得るための手順を踏んでいない整理解雇は、他の要件を満たす場合であっても無効とされる。

4.被解雇者選定の合理性

まず人選基準が合理的であり、あわせて、具体的人選も合理的かつ公平でなければならない。

 以上の要件がすべて整ってはじめて整理解雇は認められます。この整理解雇の4要件に照らせば、現在法人理事会が新学部設置に伴って行おうとしている解雇はまったく無効となることは自明です。もし、それでも法人理事会があえて違法を承知で確信犯として行うとなれば、組合も全面的に戦うことになります。 

横浜市立大学の未来を考えるメールマガジン『カメリア通信』目次紹介

Camellia News , by the Committee for Concerned YCU Scholars
編集発行人: 矢吹晋(商学部) 連絡先: yabuki@ca2.so-net.ne.jp
Backnumber :YABUKI's China Watch Room
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第1号 2003年10月3日
http://www5.big.or.jp/~s-yabuki/doc03/came-1.pdf
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○市会への陳情顛末記 2003.09.29 理学部 一楽 重雄
陳情書 平成15年9月8日

○創刊にあたって

横浜市立大学の未来はいよいよ風雲急を告げています。これは憂慮
するみなさまに学内の状況をお伝えする通信です。当面、編集は商
学部矢吹が担当します。ご投稿を歓迎します。メールアドレスは次
の通りです。yabuki@ca2.so-net.ne.jp 関心のある方にどんどん転
送してくださるようお願いします。転送大歓迎!!

第2号 2003年10月5日
http://www5.big.or.jp/~s-yabuki/doc03/came-2.pdf
第3号 2003年10月9日
http://www5.big.or.jp/~s-yabuki/doc03/came-3.pdf

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第2号 2003年10月5日
http://www5.big.or.jp/~s-yabuki/doc03/came-2.pdf
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○横浜市立大学教員組合執行委員長から全組合員へのアピール
横浜市立大学教員組合執行委員長 藤山嘉夫(2003年10月3日)

○現職全教員に任期制を導入することに反対する声明2003年10月3日
横浜市立大学教員組合

○学長会見の申し入れ 2003年10月3日 横浜市立大学教員組合

○[参考資料]9月22日大学管理本部における意見聴取に当たって
東京都立大学総長 茂木俊彦 2003年9月22日

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第3号 2003年10月9日
http://www5.big.or.jp/~s-yabuki/doc03/came-3.pdf

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○10月3日に行われた、学生説明会についての学生による報告

○公開質問状への質問を募集しています

10月3日に行なわれた大学改革の学生説明会で、小川学長は「学生の意見は
もっと聴きたいし、大いに取り入れたい」とおっしゃってくださいました。た
だ、学生一人一人の意見や疑問を伝える方法は、今のところ大学のホームペー
ジへのEメールしかありません。それでは返事の有無、意見の反映のされ方が
はっきりしません。そこで、学生の疑問や意見をまとめて、公開質問状という
形で、改革推進・プラン策定委員会に提出したいと考えています。皆さんの疑
問や意見をEメールで以下のアドレスまでお寄せください。もしくは、10月21
日に、がけっぷち主催で行う説明会(表面参照)で直接お渡し下さい。委員会
側から返答を頂いた際には、お知らせのプリントを作成しまして、配布・公表
をします。(質問例:学費は上がるのか? 文系の博士課程はなくなるのか?)

質問・意見はこちらまで:gake_ptit@yahoo.co.jp
募集の締め切り:10月21日火曜日

改革推進・プランの策定委員会の大学改革案は、横浜市
立大学のホームページでみることができます。 以下が
URLです。
http://www.yokohama-cu.ac.jp/daigakukaikaku/daigaku/daigaku_kaikaku/dk00.html

○10月21日(火曜日)学生から学生への 大学改革についての説明会

○都立大総長、石原知事の新大学構想に抗議声明

Posted by tjst at 10月11日
URL:http://www.ac-net.org/dgh/blog/archives/000193.html
他の分類:大学の自治

2003年10月10日

都立三大学学長による「意見表明」の実態

三大学学長による「意見表明」を批判し,あらためて4大学連携した検討体制の構築を求める
2003年10月10日
 東京都立大学・短期大学教職員組合 中央執行委員会
(抜粋)
「昨10月9日付で、科学技術大学、保健科学大学、短期大学の三学長連名による 新大学開学準備に向けて積極的な取り組みを行う旨の意見表明」という文書が出されました。

 不思議なことに、三大学学長の連名であるにもかかわらず、いち早く大学HPに掲載されたのは科学技術大学だけで、他の二大学では当日には発表されておらず、しかも「学長」名であるにもかかわらず、三大学の教授会にその内容や発表の可否についての審議依頼は行われた形跡がない、という文書です(注)。

・・・・・三学長が直ちに教授会に対し真意を説明し、その意思を体した責任ある代表者として行動をとるよう強く要望するものです。そして、すでに新大学設計に強い意欲を表明している都立大総長と連携して、問題点が未解決の新大学計画を公正で開かれた検討体制で進める努力を期待するものです。

(注)科学技術大学では9日、教員懇談会が開かれ、その席上で学長から「意見表明」の公表が未来形で報告され、学長名はおかしい、という意見も出されたのですが、懇談会終了時にはすでにHPに掲載されていた,とのことです。」



新大学開学準備に向けて積極的な取り組みを行う旨の意見表明
http://www.tmit.ac.jp/sandaigaku.pdf

                 平成15 年10 月9 日
                 東京都立科学技術大学学長 石島辰太郎
                 東京都立保健科学大学学長 米本恭三
                 東京都立短期大学学長   石渡徳彌

私たちは、本年8 月1 日に公表された「都立の新しい大学の構想」の主旨に賛同し、こ
の構想を具体化していくため積極的な取り組みを行う旨、以下の意見表明を行う。
新しい大学改革の方向性で示された、「都市における人間社会の理想像の追及」を使
命とするという大学の理念とその枠組みについては、背景の合理性と多くの評価できる
斬新な試みを見出すとともに、その実現が将来の学生、都民にとってより良い学習環境
の提供に繋がるものと信じており、構想の実現に参画していく。

これまでの「東京都大学改革基本方針(平成13 年2 月)」では、現在の学部学科の構成
や、従来の学問領域・区分にとらわれず、あり方を根本的に見直し再編成を行うものと
されてきていたが、「東京都大学改革大綱(平成13 年11 月)」策定以降の検討過程にお
いては、新大学設立の意義や、社会的貢献への意欲が十分感じ取れるものになってこな
かったのではないかという思いを禁じえなかった。

「新大学構想」は、これまで生じた問題点を整理し、大学改革の本来の姿である「基本
方針」の精神に立ち戻ったものと理解しており、評価している。

今回の「新大学構想」の検討が、これまで具体化が進められてきたものを軌道修正し、
新たな視点から見直すために、暫定的に情報を限定し作業を進めてきたことは、時間的
制約やプライバシー保護の観点からは理解できるものであり、止むを得ないものと考え
ている。

今後は、各大学の教職員が総力を挙げて詳細設計に向けて、新大学構想を真に充実し
た内容として具体化していく取り組みが必要であり、今回提出を求められている「同意
書」も、そのための作業の一環であると理解している。

「同意書」の提出を求めるにあたっては、教員に対して「新大学構想」の主旨と今回
の「同意書」提出の意義を十分説明した。各自の新所属を明示するとともに、詳細設計
に参加していく意思確認を行ったことで、現段階で三大学においては、全ての教員から
「同意書」が提出されている。

平成17 年4 月の新大学開学に向けて、新大学が、学生にとっても、都民にとっても
より魅力的な大学となるよう、全教員挙げて今後の具体的な教育システム設計の作業に
積極的に参画していくことが必要である。このため、検討を速やかに進めることを可能
にする環境整備こそが、大学管理本部及び大学組織の長である私たちの喫緊の課題であ
ると考える。

Posted by tjst at 10月10日
URL:http://www.ac-net.org/dgh/blog/archives/000192.html
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2003年10月08日

「都立の大学を考える都民の会」への参加呼びかけ

「都立4大学廃止に関する緊急シンポジウム」実行委員会
(「考える会」準備委員会事務局)
──────────────────────────────
          ご協力のお願い
──────────────────────────────
1.この「呼びかけ」を、周囲の方々に広げてください。

2.「都民の会」の設立にご賛同いただける方は、お名前と所属・
肩書き(公表を希望されない場合はその旨をご明記ください)
を実行委員会(ganbare_toritudai@yahoo.co.jp)までご連絡
ください。会の設立集会のご案内・ご参加呼びかけなどの際
に、設立時賛同者としてお名前を連ねさせていただく予定で
す。都民であるないに限りません。

3.可能でしたら、10月13日の準備会にお誘い合わせの上、ご参
加下さい。

4.13日当日は参加できないが、今後、会の運営を何らかの形で
担い、あるいは多少手伝ってもよいという方は、是非その旨
を実行委員会までご連絡ください。
──────────────────────────────

シンポジウム参加者・賛同者のみなさん

 先月28日に東京都立大学で開催した「都立4大学廃止に関する緊
急シンポジウム」では多大なお力添えをいただきありがとうござい
ました。おかげさまで、シンポジウムは300人近い参加者を得るこ
とができました。私たちが共通にもった「公論の場」づくりの第一
歩は、予想を越えた広がりを持つことができたのではないかと実行
委員会では受け止めています。ご多忙な折りにもかかわらずシンポ
ジウムにかけつけてくださったみなさん、また趣旨に賛同くださり、
シンポジウムの呼びかけ人・賛同人としてお名前を連ねてくださっ
たみなさん、そしてシンポジウムへの参加を回りに呼びかけてくだ
さったみなさんに、改めてお礼申し上げます。

 29日には、シンポジウム参加者からの公開質問状を、配達証明で
大学管理本部長宛、そして、正午すぎに都議会各会派(11会派)に
郵送致しました。文教委員にも連絡先が判明している限りで送付し
ました。都立4大学廃止・新大学設立問題の質疑が行われた同じ日
の文教委員会でも、都議会各会派から「手順があまりにも不透明で
強引」「計画を白紙撤回して、大学関係者の意見を聞き、都民参加
で再検討すべきだ」などの批判・要望が相次ぎ、この間の都の強引
な「改革」手続きの問題性が浮き彫りになっています。 また私た
ちの取り組みに呼応するように、大学内部からの動きも活発になっ
ています。「新大学」設立への「協力」を一方的に教職員に要請す
る「同意書」についても、都立大学としては教職員に記入を求めな
いということが確認されるなど、全学で一致した取り組みが始まっ
ているようです。

 ●「都立の大学を考える都民の会」(仮称)準備会のご案内と会
への参加の呼びかけ

 私たちは東京都による強引で一方的な都立4大学の廃止・「新大
学」設置の手続きに異議を呈し再考を促すとともに、今回のシンポ
ジウムの成功を、都立の大学のあり方について関心を寄せる都民の
ための「開かれた公論の場」をつくる取り組みとして引き継いでい
きたいと考えています。そのために、シンポジウムで呼びかけを行っ
た「都立大学を考える都民の会」(仮称)の設立の準備を進めてい
ます。

 シンポジウムでは、今回の事態に対する怒りの声とともに、「B
類廃止」の再考を求める学生・OBの声や、「都民に対して充分開
かれた議論をしてこなかったのではないか」という、これまでの都
立大学のあり方に対する率直な批判も出されました。この間大学に
関わる様々な人たちの声が大学に充分には届かなかったこと、また
そのような声に対して大学が真摯に応えること、少なくともそのよ
うな姿勢が目に見える形では都民には充分に示されてこなかったこ
とは残念ながら事実です。「都民の会」はそのような現状を改め、
都立の大学が本当の意味で「都民のための大学」となるための開か
れた公論の場をつくることを重要な目標としていきたいと思います。
 当面、10月13日に「都民の会」設立に向けた準備会を開催します。
会の趣旨にご賛同いただける方でご都合のつきます方は、是非ご参
加ください。詳細については以下の案内を参照いただければ幸いで
す。

──────────────────────────────
「都立の大学を考える都民の会」(仮称)準備会のご案内
──────────────────────────────
■ 内容 ■

 (1) シンポジウム後の状況報告
  ●「都立大学問題」に関する都議会での質疑の概要の報告
  ●公開質問状に対する「大学管理本部」の回答の報告

 (2) 「都民の会」の性格・目標および今後の活動についての意見交流

■ 日時と場所 ■
 ○ 2003年10月13日(月曜日) 午後1時−3時
 ○ 場所 東京都立大学人文学部棟 121番教室 
 ○ 京王線南大沢駅徒歩5分 

──────────────────────────────
          ご協力のお願い
──────────────────────────────

1.この「呼びかけ」を、周囲の方々に広げてください。

2.「都民の会」の設立にご賛同いただける方は、お名前と所属・
肩書き(公表を希望されない場合はその旨をご明記ください)
を実行委員会(ganbare_toritudai@yahoo.co.jp)までご連絡
ください。会の設立集会のご案内・ご参加呼びかけなどの際
に、設立時賛同者としてお名前を連ねさせていただく予定で
す。都民であるないに限りません。

3.可能でしたら、10月13日の準備会にお誘い合わせの上、ご参
加下さい。

4.13日当日は参加できないが、今後、会の運営を何らかの形で
担い、あるいは多少手伝ってもよいという方は、是非その旨
を実行委員会までご連絡ください。

以上、どうぞよろしくお願いいたします。

なお「都立の大学を考える都民の会」の設立は
  11月1日(土)
を予定しています。詳細については、改めてお知らせいたします。

 ※「都民の会」に関するお問い合わせについては、以下までお願いします。

 「都立4大学廃止に関する緊急シンポジウム」実行委員会
(「考える会」準備委員会事務局)
  問い合わせ先=ganbare_toritudai@yahoo.co.jp
  また会の詳細などにつきましては、以下の実行委員会HPもご参照下さい。
  → http://www.geocities.co.jp/CollegeLife-Lounge/3113/index.html

──────────────────────────────
追記

 ●「大学管理本部」へみなさんの声を届けてください!

 この間私たちの元にも「何か出来ることはないだろうか」との問
い合わせが多く寄せられています。会の活動が本格的に始まるまで
の間は、当面「私たちの声をもっと聞いてほしい」「広く都民に開
かれた議論の場をつくるべきだ」「現在の一方的な新大学設置構想
は白紙に戻すべきだ」などの声を、一人ひとりから東京都大学管理
本部宛に届けていく取り組みを提案します。この取り組みを広げて
いただくことは、都立大学の問題がOBをはじめとした少なくない都
民の関心を集めていることを都に知らせていく上でも大変重要です。
よろしくお願いします。

大学管理本部の連絡先:〒163-8001 東京都新宿区西新宿2−8−1
     電話:03-5320-7075(広報・広聴・情報公開請求担当)
        03-5388-1615(fax番号)
03-5320-7082(大学改革大綱等担当)
メールアドレス:S0000677@section.metro.tokyo.jp

 また、現在東京都では「都立の新しい大学」の名称を公募してい
ます。この公募に「新しい大学」の名称として「東京都立大学」を
希望する声を沢山寄せていただくことも、現在のあまりに強引な
「新大学」設置に対する間接的な批判として有効だと思います(締
め切りは10月15日です)。

  応募先:大学管理本部管理部総務課 名称公募担当
  〒163-8001 東京都新宿区西新宿2−8−1
  TEL 03-5320-7075

  またはhttp://www.daigaku.metro.tokyo.jp/meishoboshu.htm

Posted by tjst at 10月08日
URL:http://www.ac-net.org/dgh/blog/archives/000187.html
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東京都立大学総長声明10月7日

声明
 新大学設立準備体制の速やかな再構築を求める
                       2003年10月7日
                       東京都立大学総長 茂木俊彦

 私は、東京都大学管理本部長に対し、新大学の設立準備の進め方をめぐって、
現都立大学を代表し、かつその全構成員に責任を負う立場から、これまで2回
にわたって意見を表明してきた(9月22日および29日)。

 それらは、去る8月1日、大学管理本部が唐突にもそれまでの設立準備体制
を廃止し、新しい準備体制に入ったと宣言したこと、またすでにまとめられて
いた「大学改革大綱」とその具体化の努力の成果を破棄し、現大学には何の相
談もなしに「新しい大学の構想」なるものを一方的に公にしたうえで、今後は
トップダウンでその具体化をはかるとしたこと、そしてそれを実際に強行して
いることに対応したものであった。

 しかるに、その後の推移を見るに、大学管理本部はこうした検討・準備体制
を改めることなく事を進めていると判断せざるを得ない。これはきわめて遺憾
である。

 私を含む都立大学の構成員は、大学改革の全国的な動きの中で、改革を自ら
の課題として真摯に受け止め、これまで相当の精力を注いできたし、今後もそ
れを継続させる意志がある。

 新大学を清新の気風あふれるものとし、学生や都民、時代と社会の要請に応
える素晴らしい大学として発足させたいという赤心の願いを込めて、ここに改
めて総長としての見解を表明することとする。


 いま設立の準備過程にある新大学は、現存する都立の3大学1短大の教員組
織、施設・設備を資源として設立されるものであり、全く新しく大学を設置す
るのではない。これは、大学設置手続きという面からみれば、現大学から新大
学への移行であるに他ならない。「既存大学廃止・新大学設置」という言い方
が許容されるとしても、それは既存大学の有形無形の資源が実質的に新大学に
継承されるという条件が満たされる場合であり、これを移行というのである。

 しかも、ここでいう教員組織は、単に抽象化された員数の集合にすぎないの
ではない。それは、憲法・教育基本法をはじめとする関係法規に従い、学生な
いし都民に対して直接に責任を負って大学教育サービスを提供することを責務
とする主体の集団であり、また長年にわたって研究を推進し、今後それをさら
に発展させようとする主体の集団である。それゆえ既存大学からの移行、新大
学設置を実りあるものにするには、教員がその基本構想の策定から詳細設計に
いたるまで、その知識と経験を生かし、自らの責任を自覚しつつ、自由に意見
を述べる機会が保障されなければならない。

 ところが東京都大学管理本部は、都が本年8月1日に公表した「新しい大学
の構想」にあらかじめ「積極的に賛同する」という条件を設定し、これを認め
なければ設立準備過程に加えないという方針を、いまだに維持している。これ
は設置手続き上、また市民常識的にも、正当なものだとは到底言えない。

 私は、言うまでもなく新大学の設立に反対なのではない。重要なことは、大
学およびその構成員と都・管理本部の間で自由闊達に議論が行われ、合意形成
へのていねいな努力が重ねられることであると考える。そうしてこそ豊かな英
知を結集することが可能となり、学生・都民さらに広くは時代と社会の要請に
応えうる新大学ができるのだと思う。総長としての私は、このような認識は本
学の部局長をはじめ、すべての教員・職員にいたるまで基本的に共有されてい
るものと確信している。

 また、このような合意形成過程が推進されていくならば、本学で学んでいる
学生、院生の間にすでに生じている不安・動揺を除去し、安心して学べる環境
を作り出し、本学を志望する受験生によい影響を与えることもできるであろう。
新大学を東京都が設置するに値する優れた大学とするために、大学管理本部
が上記のような準備体制を刷新し、大学との開かれた協議を行う新たな体制を
急ぎ設定し直すことが、喫緊の課題となっている。私は、大学管理本部がかか
る課題に誠実に対応し、可及的速やかに設立準備の推進体制を再構築すること
を強く求めたい。

 大学管理本部は最近、「新しい大学の基本構想を実現していくための教員配
置案」を示し、教員1人ひとりに、・この配置案、・それを前提にした新大学
に関する今後の詳細設計への参加、・詳細設計の内容を口外しないことの3点
に同意する旨を記した書類(同意書)に署名して提出することを求めてきた。
大学教員の中には、この構想に基本的に賛同する者、一部賛成・一部反対の者、
さらに全体として反対の者もいて不思議ではない。問題は、いかなる立場の者
も自由に意見を述べ、それを戦わせ、そのことを通じて大学づくりに参加でき
るかどうかにある。9月29日付で管理本部長宛に提出した総長意見ですでに
指摘したことであるが、このようなことを無視し、あらかじめ新しい構想に包
括的に賛成することを条件として、詳細設計への参加を求めるのは、大学管理
本部の言うトップダウン方式に含まれる問題点の象徴的な一例である。管理本
部は早急に「同意書」提出要求の白紙撤回をすべきである。

 ここに重ねて強調しておきたい。われわれはよい大学をつくるための努力を
いささかも惜しまない。特に、現都立大学を代表しかつ全構成員に責任を負う
立場にある者として、私は、都立大学のすべての教職員の一致した協力を得つ
つ、かつその先頭に立って、都立の新大学をすべての都民及び設置者の負託に
応え、活力と魅力にあふれる充実した教育・研究・社会貢献の場とするための
あらゆる提案を真摯に吟味し、その実現のために最大限の努力をする所存であ
る。この立場からここではあえて3点についてのみ言及しておくこととしたい。
 
 第1は、独立大学院を含む大学院問題である。新大学の大学院は、学部と同
時発足させることが重要であり、大学院の構成等についても学部と同時に検討
を進めるべきであると主張してきた。それは前者を考えずして後者を適切に構
想することは難しいという認識に立ってのことであった。それは同時に現大学
の院生、来年度入学の院生の身分と学習権の保障のための方策を明確化する上
でも有効である。大学院としてどのような研究科を設置すべきかについて、わ
れわれは、すでに提示しているものも含んで、新たな提案を行う用意がある。

 第2は、基礎教育、教養教育の充実の問題であり、それに向けても積極的提
案が可能であることを明言しておきたい。とくに語学教育および情報教育、基
礎ゼミ、課題プログラムなどに関して、われわれには何回もの審議を経て検討
を深めてきた実績がある。これらを生かし、さらにインテンシブに吟味すれば、
短期間しか与えられなくても、ゼロから出発するよりもはるかに豊かな内容を
提示できるという確信がある。念のために付言しておけば、これらの問題の正
しい解決は、専門教育、さらに前項に述べた大学院における教育のあり方の検
討にもプラスの効果を与えることは明らかである。

 第3は、教員免許や資格取得の問題である。都立大では現在多くの教科の教
員免許状を取得できるだけのカリキュラム編成と教員配置を行っている。しか
るに、現段階で管理本部が提示しているコースの設置案と教員定数配置では、
文科省による教職課程の認定も難しい状況が生まれ、少なくともいくつかの教
科の免許状の取得が困難な大学となる危険性がある。また工学系においては主
要な大学が採用しつつある技術者資格(JABEE)に必要な科目編成が困難
になることが予想される。これらの問題が学生や受験生、ひいては新大学の将
来に与える影響がきわめて大きいことは、大学を知る者の常識である。

 最後に、新大学における人事の問題について一、二の言及をしておきたい。
これまで教育研究に重要な役割をはたしてきた助手の問題について突っ込んだ
検討が行われていないのは遺憾である。加えて教員の任期制・年俸制の導入に
関する問題についても指摘しておきたい。管理本部はこれについて積極的であ
ることが伺えるが、仮に新大学ではすべての教員について任期制・年俸制を適
用する方向をとろうとするのであれば、これを看過することは難しい。任期制・
年俸制の問題は、軽々に結論を出す性質の事柄ではない。国際・国内動向に目
を向け、また合法性の検討を行い、現大学で仕事をしている教員の意見を聞く
等々のことをせずに、安易に結論を得るようなことは断じて避けるべきである。
東京都立大学も加盟する公立大学協会は設置団体と国に向けて「公立大学法
人化に関する公立大学協会見解」(平成15年10月2日付)を提示したが、
そこでは「法人化に際しては、大学の教育研究の特性に配慮すること」「法人
化は大学と十分に協議し、双方の協働作業として進めていくこと」等が強調さ
れている。私は、これらについて賛意を表しつつ、今後の準備作業がよい形で
進むことを切に願うものである。

                                以上

Posted by tjst at 10月08日
URL:http://www.ac-net.org/dgh/blog/archives/000186.html
他の分類:大学の自治

2003年10月07日

大学改革案における教員任期制の導入に関する横浜市立大学商学部教授会意見

大学改革案における教員任期制の導入に関する商学部教授会意見
PDF:http://www5.big.or.jp/~s-yabuki/doc03/sho1002.pdf
           2003年10月2日

商学部教授会

 プロジェクトR委員会は、9月26日に提出した『大学改革案の大枠整理(追加)について』と題する文書において、全教員を対象とする任期制の導入を提案しているが、任期制を導入することのメリットおよびデメリットに関する議論はともかくとして、そもそも教員全員について任期制を導入することは、現行法上ほとんど不可能であり、大学改革案においてかかる提案を行うことは、現行法における公立大学教員の任用に関する規制に抵触すると考えられる。その理由は、次の通りである。

1.現行法上、大学(学校教育法第1条に規定する大学をいう)の教員(大学の教授、助教授、講師および助手をいう)について任期制を導入することに関して法的規制を設けているのは、「大学の教員等の任期に関する法律」(以下、大学教員任期法と称する)である。この大学教員任期法は、平成9年に制定されたもので、その趣旨は、大学において多様な知識または経験を有する教員相互の学問的交流が不断に行われる状況を創出することが大学における教育研究の活性化にとって重要であることから、任期を定めることができる場合その他教員の任期について必要な事項を定めることにより、大学への多様な人材の受入れを図り、もって大学における教育研究の進展に寄与することにある、とされている(同法1条)。このような立法趣旨に鑑みれば、同法は、大学の教員について任期を定めない任用を行っている現行制度を前提としたうえで、以下に述べるような個別具体的な場合(大学教員任期法第4条1項1号〜3号)に限り、例外的に任期を定めた任用を行うことができることを明らかにしたものである(2003年5月16日衆議院における政府答弁)。

 2.大学教員任期法第3条によれば、公立の大学の学長は、教育公務員特例法第2条4項に規定する評議会の議に基づき、当該大学の教員(常時勤務の者に限る)について、次に述べる第4条の規定による任期を定めた任用を行う必要があると認めるときは、教員の任期に関する規則を定めなければならない。すなわち、任期制を導入しようとする場合には、まず、評議会の議に基づいて任期に関する規則を定めることが必要となるわけである。

そして、このような教員の任期に関する規則が定められた場合でも、任命権者が、教育公務員特例法第10条の規定に基づきその教員を任用するときは、次の3つの事由のいずれかに該当しない限り、任期を定めることができないのである。これは、すなわち、\菽偲、学際的または総合的な教育研究であることその他の当該教育研究組織で行われる教育研究の分野または方法の特性にかんがみ、多様な人材の確保が特に求められる教育研究組織の職に就けるとき、⊇手の職で自ら研究目標を定めて研究を行うことをその職務の主たる内容とするものに就けるとき、B膤悗定め又は参画する特定の計画に基づき期間を定めて教育研究を行う職に就けるとき、である(大学教員任期法第4条1項)。また、任命権者は、このうちのいずれかの事由に該当するとして、任期を定めて教員を任用する場合には、当該任用される者の同意を得なければならない、とされている(同法4条2項)。

 以上の各規定から明らかなように、任命権者が公立の大学の教員について任期を定めるためには、前述のように評議会の議に基づき任期に関する規則を定めなければならないほか、さらに前記 銑の事由のいずれかに該当すること、および任用される者の個別的同意が必要であり、いずれの要件を欠いても、公立の大学の教員について任期を定めることができないことになっている。そして、前記 銑の各事由の内容の解釈からも明らかなように、大学の教員全員について任期を導入することは、ほとんど不可能であり、教員全員について任期を定めた任用を行うことは、任期を定めない任用を原則としつつ、例外的に任期を定めた任用を許容するという大学教員任期法における公立大学教員の任用に関する規制に反する。

3.大学の教員全員が前記 銑の事由のいずれかに該当し、かつ任期を定めることについて全員の同意が得られた場合には、大学全体について任期制を導入することは、理論的にはあり得る。しかし、現在ある学部または研究組織の全ての職を、例えば,了由に該当するとして、教員全員について任期制を導入するとすれば、それは、,了由の拡大解釈であり、このような拡大解釈は、「多様な人材の確保が特に求められる」という法文の趣旨に反するのみならず、任期を定めない任用を原則としつつ、例外的に任期を定めた任用を許容するという大学教員任期法の立法趣旨にも反することになる。また、,了由の拡大解釈は、任期制の導入によって教員の身分保障の精神が損なわれることがないよう充分配慮するとする衆参両院の付帯決議にも違反する。

 4.来年度以降、公立大学法人(地方独立行政法人法(平成15年法律第118号)第68条1項に規定する公立大学法人をいう)は、その設置する大学の教員についても、労働契約において任期を定めることができることになるが、その場合も、当該大学に係る教員の任期に関する規則を定める必要があるほか(大学教員任期法第5条2項)、前記第4条1項所定の 銑の各事由のいずれかに該当することが必要とされている(大学教員任期法第5条1項)。また、前述したのと同様の理由から、公立大学法人の設置する大学の教員の全員について任期を定めることは、ほとんど不可能であると解される。

 以上のように、プロジェクトR委員会が提案した横浜市立大学の全教員を対象とする任期制の導入は、現行法の解釈論としては認められないものである。もちろん、大学教員任期法第4条所定の3つの事由のいずれかに該当するときは、任期を定めることが可能であるが、これはいうまでもなく、当該3つの事由のいずれかに該当する教員について任期を定めることができるに過ぎず、プロジェクトR委員会の提案した教員全員を対象とする任期制の導入ではない。プロジェクトR委員会の提案は、公立の大学または公立大学法人の設置する大学の教員について任期を定めない任用を原則としつつ、例外的な場合にのみ任期を定めた任用を許容するという現行法上の規制に反するものと考えられる。よって、商学部教授会は、プロジェクトR委員会に対し、教員の任期制の導入に関して、関係する各法令をよく調査したうえで、慎重に検討するよう要望する。

2003年10月03日

「全員への任期制導入」案へ横浜市立大学商学部教授会が反対の意志表明へ

永岑氏大学改革日誌 より:

2003年10月2日 今日の定例教授会では、プロジェクトR(幹事会)案の「全員への任期制導入」の部分が一番の問題となった。・・・・・任期制の導入に反対する決議案(たたき台)が提出された。それを素材にしながら、各種の議論が行われた。学部長・評議員は、「反対」決議という点は避けたい、ということで、結局、決議案も参考にしつつ、教授会で出た意見を踏まえた教授会意見を取りまとめて学長に提出することになった。また、その意見を他学部にも提示して、共通の意志として表明しておこうということになった。・・・・・

5つほどの論点のうち、任期制を全ての職に適用することは、「大学の教員等の任期に関する法律」(以下、任期法と略)において限定されている三つの職(「先端的、学際的又は総合的な教育研究」、「助手」、「特定の計画に基づき期間を定めて教育研究」[3])の規定を大幅に逸脱することになるという点については、異論が出なかった。

また、独立行政法人化にあたって任期制が全員に適用されるとなると、任期法第四条で必要とされているような「本人の同意」を無視することになりかねない論点も強調された。

実は、平成15年03月19日の衆議院文部科学委員会 において、次のような驚くべき質疑があり、「全員への任期制導入」は「大学の教員等の任期に関する法律」に反しないという見解を文科省は公式に表明している。

○石井(郁)委員 ですから、今省略して、流動型、研究助手型、プロジェクト型というこの三つに該当する場合についてという、これが例えば一つの大学の全学部、全学科に適用になるということは考えられますか。

○遠藤政府参考人 全部まとめてそうだと言うとそれは問題だと思いますけれども、一つ一つ子細にチェックをして、これはこういうことだから該当するんだと全部やった結果、結果として全部になるということはあると思います。
・・・・・
○河村副大臣 ・・・・・任期制を導入するかどうかというのは一義的には各大学が自主的に判断をされておやりになることでございまして、それから、任期制を導入する場合には法律上の一定の手続を課す、こうなっておりますし、本人の同意もいただくということになっておりますので、教員の身分保障というものは十分制度的な配慮がなされておるというふうに考えております。これで、全学的に任期制が導入されたということになった場合に、直ちにこれによって教員の身分が不安定になるというものでもないと私は思いますし、それによって法律違反になるという考え方には立っていないのでありますが。

以下、任期制についての質疑全文:

○石井(郁)委員 日本共産党の石井郁子です。
 私、今回は、大学教員等の任期制の問題で質問をいたします。
 任期制の問題をめぐっては、一九九七年の法案審議がありましたし、その審議の過程や、また法成立があるわけですけれども、その法そのものを無視して行われているような状況が出てきておりますので、きょうはお聞きしたいわけでございます。
 大学の教員の任期に関する法律第三条は、こうあるわけですね。学長は、「当該大学の教員について、次条の規定による任期を定めた任用を行う必要があると認めるときは、教員の任期に関する規則を定めなければならない。」とあります。「これを公表しなければならない。」ともしているわけであります。
 そこで伺いますけれども、口頭による申し合わせで任期制を導入するとか、そしてそのもとで失職するということなどはできないはずだと思いますが、いかがでございますか。

○遠藤政府参考人 御指摘のように、この法律におきましては、任期つきの任用を行うという場合には、あらかじめ学長が評議会または教授会の議に基づいて任期に関する規則を定めて公表する、こういう手続が必要だ、こうなっておるわけでございます。
 ただ、そういう法律に基づいた任期つきの任用というのもございますが、任期法に基づかない、大学と教員との合意に基づいて、一定期間経過した後に他大学への異動等を求めるという、いわゆる事実上の任期制というものもございます。これはあくまでもその当事者間のいわば紳士協定によって行われている、こういうふうに理解しておるわけでございまして、これについての法的な拘束力はない、あくまでも紳士協定だ、こう理解しておるわけでございます。したがいまして、その紳士協定で決めた期間の経過をもって当然にその教員の身分を失職するということはないというふうに理解しております。

○石井(郁)委員 やはり国家公務員としての教員でございますから、私は、その身分の保障というのは、本当に軽々しく行うことはできないというふうに思うんですね。
 もう一点、重ねて確認ですけれども、この任期制法律、任期法と呼んでおきますけれども、第三条第一項等の規定に基づく任期に関する規則で記載すべき事項及び同規則の公表に関する省令もつけられましたよね。この二条で、任期に関する規則の公表は、刊行物への掲載その他広く周知することができる方法によって行うものとしているということで、今の御答弁では失職はできないということは確認されましたが、一方で、紳士協定はいいんだ、申し合わせによる任期制ということもあっていいんだというふうにも聞こえるんですが、しかし、申し合わせでできるのかどうかという点で言うと、やはり任期制法律があるんですから、これはできないということをきっぱり言うべきじゃありませんか。

○遠藤政府参考人 もちろん、御指摘のように、こういう法律ができたわけでございますから、その趣旨にのっとって、法律に基づいた任期制をきちんとやっていただきたい、これはそういうことでございます。
 ただ、いろいろな事情から、その任期制によらない、いわば一種の慣行といいますか紳士協定といいますか、そういうことでの任期制をやったとしても、あくまでそれは紳士協定ということでございますから、それを一概に全部禁止するというところまではしなくてもいいのではないか、こう理解しておるわけでございます。

○石井(郁)委員 やはり文科省としては大変あいまいな態度だ、あいまいな答弁だというふうに私は思うんですね。
 先ほどの失職という問題でございますけれども、これは実は大阪大学なんです。ことし助手の任期が切れたということで失職になった方が生まれたんですね。確かに、ここの大学では今、紳士協定的な、口頭による申し合わせ的な任期制を助手に入れているということがあるようです。
 それは、大学院生、これほどたくさんあって、そして院生、就職もないという中で、例えばその口頭の約束というのはこんなようですね。任期が来たら自主的に退職するとか、これが了解されなければ採用しないということを言われて採用に応じているというふうに聞いているんですけれども、それで任期が切れましたということなんです。だから、こんなことがやはり起きてくるわけですよ、口頭による申し合わせでやっていくと。重大な問題でしょう。
 私は、やはり紳士協定的にある問題をどうするかというのは一つこれとして考えてほしいんですけれども、こういう形での任期制というのはやはり無効だ、そして任期が切れたからといって失職させるなどということがあってはならないというようなことで、大学はその助手の身分を保障しなければならないと思いますが、もう一度御見解を聞かせてください。

○遠藤政府参考人 紳士協定に基づく失職の問題につきましては、私が先ほど申し上げましたように、そのことだけをもって、期間が来たということだけをもって失職ということにはならない、こう思います。
 ただ、今の大阪大学の件でございますけれども、具体の事実関係については私どもも今まだ承知していませんので言えませんけれども、考え方としてはそういうことだと思います。

○石井(郁)委員 そこで、大臣にも御答弁いただきたいと思いますけれども、今回のケースは、具体がどうかというのも少しいろいろあるかと思いますが、私どもの聞いたところでは、要するに教員の流動化ということで任期制を入れるという話でしたから、どうもそれでもないんですね。それで、いわばリストラの対象として助手のポストを減らしていくということから出ているというふうにも聞いているんですよ。そうなりますと、なお問題になるわけですね。
 当時の雨宮高等教育局長ですけれども、こういう答弁がございました。「教員を解雇するために任期制が乱用されるというようなことはあってはならない」とありましたよね。だから、今回のケースというのは、明確な法律違反でもあるけれども、また乱用でもあるわけですよ。
 だから、このような口頭申し合わせによって任期制をどんどん広げていったり、あるいは解雇するなどということはあってはならない、これは無効だということをやはり文科省としてははっきりと言うべきだというふうに思いますが、ここは、今お聞きになっての大臣の御答弁をいただきたいと思います。

○遠山国務大臣 御質問が個別のケースを前提とした御質問でございますので、ちょっとそのケースの中身を私承知いたしておりませんので、そのことについて直接お答えいたしますよりは、任期制はそもそもということで申し上げれば、おっしゃいますように、教員の流動性を高めて教育研究の活性化を図るという方策でございまして、任期制を導入するかどうかは各大学の判断でやるわけでございますが、その導入については、法律上、一定の手続が必要でございますし、御存じのようないろいろな制度的配慮もされているわけでございます。そういったことを前提として今後はやっていただかないといけないと思っております。
 各大学は、一方では定削とかさまざまな課題を抱えていることは確かでございまして、そういう中でもできるだけ、制度の趣旨といいますか、あれはきちっと守りながら運営をしてもらいたいものだと思います。

○石井(郁)委員 今回提出の国立大学の統合の場合につきましても問題があるわけです。それからまた、法人化に向けて、今またこの任期制問題が、いろいろ各大学が動き出している、どういう動きかといいますと、やはり無限定に任期制が導入されたり、また導入されようとしているということがあるようなんですね。
 今回提出の統合問題についていいますと、九州のある医大でございますけれども、昨年三月に任期制を導入した。新規採用教員については原則として任期制をとる。現職については、同意書を配布して、同意の得られた教員から任期制に切りかえるということをやっている。ここまではそういう手続かなと思うんですが、ところが今度、ことしの四月一日から全教員を対象に任期制にするという切りかえ、そういう通知が出されているんですね。さらに、任期制にしたら研究費を上げる、アップするということまで言われている。
 それでお聞きしたいわけですが、今、現職の教員に対して、研究費を上げるから任期制にしてくれ、する、こういう財政誘導で全教員を対象にした任期制というのは導入できるのかどうかという問題でございます。御答弁をお願いします。

○遠藤政府参考人 話を二つに分けますと、一つは全教員ということでございますが、これについては、任期法で要件がいろいろ書いてございます。要件に合致し、そして本人の同意が得られれば、これは任期制の対象になるということでございます。
 もう一方、今先生がおっしゃるのは、研究費をつけるから、こういう話でございますけれども、これは、任期制というのは、やはり研究の活性化、そしていい研究をしてもらおうということでございますので、それに伴っていろいろな研究計画がある、それに対して、学内の問題として研究費を若干手厚く配分する、若干じゃなくてもいいんですけれども、そういうことは、大学の行き方、あり方として当然ある話だろうと思います。

○石井(郁)委員 この問題は、しかし任期制の審議のときを振り返ってみても、今ちょっと二つ問題がありますから、二つのことの最初の、財政の問題でいいますけれども、小杉文部大臣、こう言っていたんですよ、決して意図的に財政誘導を行おうとするつもりはないと。やはり、財政誘導でそういう任期つきポストをつくっていくということがいかに大学のあるべき姿をゆがめるかということがありますから、そういうことが大変審議になりましたよ。そして、参議院では、「任期制の導入を当該大学の教育研究支援の条件とする等の誘導や干渉は一切行わないこと。」と附帯決議もされたでしょう。
 ですから、私は今最初に申し上げた、ある大学のやり方の一つ、任期制にしたら研究費は上げるんだ、こういうことというのは、この国会審議と附帯決議からしても反していませんか。やはり好ましくないということはきちんと言うべきじゃありませんか。

○遠藤政府参考人 衆参の委員会で附帯決議をいただいておるわけでございますが、その附帯決議では、「いやしくも大学に対して、任期制の導入を当該大学の教育研究支援の条件とする等の誘導や干渉は一切行わないこと。」ということでございますから、平たく言えば、国が、その大学が任期制をとったら要するに予算措置を少し増額するよ、だから任期制をとりなさい、その大学、こういうことをしてはいけないという附帯決議だと思います。
 それは、あくまでも大学がそれをとるかとらないかの問題でございまして、今ここで問題になっているのは、大学の中で研究費についてどう配分を、大学の方針としてどうするかという問題でございますから、附帯決議とは若干違う問題じゃないかな、こう思います。

○石井(郁)委員 今はこの点ではこれ以上深入りをしないことにしておきますが、もう一点の問題の、全教員を対象にする、しかも現職の教員を対象にする、この問題は私はさらに重要な内容を含んでいるというふうに考えておりますので、伺います。
 これも九州の大学の例でございますが、一律に研究院の全教員を対象にして任期制を実施しようとしているということなんですね。先ほどの法律に戻りますけれども、この任期に関する法律第四条一項は、おっしゃったように要件をつけていますよね。「教員を任用する場合において、次の各号のいずれかに該当するときは、任期を定めることができる。」一号から三号までということで、任期制の範囲を限定している。しかも、「職に就けるとき」と書いていますよね。だから、任用のときだと思うんですよ。なぜそれが現職教員に対して途中から任期制の導入ということが可能なのかということは、私はちょっと理解できませんが、いかがですか。

○遠藤政府参考人 御指摘のように、任期法の第四条では、こういう場合には、こういう教育研究職につけるときにはいいですよ、こう書いていまして、一つは、簡単に言いますといわば流動型といいますか、長ったらしいんで言いませんけれども流動型、それから研究の助手型、プロジェクト対応型、この三号に決まっているわけですね。
 したがいまして、任期制を導入しようとする職が、職といいますか、それに期待されるものがそのいずれかに該当するということであれば、当然任期法に言う任期制に切りかえていく。ただし、その場合にも、そこに具体にその職についている人がいれば、その人の同意が必要だ、こういうことだと思います。

○石井(郁)委員 ですから、今省略して、流動型、研究助手型、プロジェクト型というこの三つに該当する場合についてという、これが例えば一つの大学の全学部、全学科に適用になるということは考えられますか。

○遠藤政府参考人 全部まとめてそうだと言うとそれは問題だと思いますけれども、一つ一つ子細にチェックをして、これはこういうことだから該当するんだと全部やった結果、結果として全部になるということはあると思います。

○石井(郁)委員 それは全然、おかしいですよね。だって、何のためにこの要件を決めたんですか。この要件の範囲で任期制だということで、厳しくこれは審議したじゃないですか。そんなこと、出てきませんよ。
 これはそれこそ今後の法人化の議論の中にもっと出てきますけれども、今、法人化に向けての議論の中でも、全教員に任期制を導入するというのが始まっているんですよ。だから私も問題にしているわけで、私は、国会審議の中身からしても、そしてこの法律そのものからしても、こういうことは法律違反だというふうに考えますが、これは大臣、御答弁いただけますか。河村副大臣、いかがでございますか。

○河村副大臣 これから国立大学も法人化してまいりますし、各大学ともその活性化にいろいろ知恵を絞っておられる段階でございまして、そうした中で、任期制の導入ということは、一つのこれからの活性化の大きな課題になっておるわけでございます。
 ただ、任期制を導入するかどうかというのは一義的には各大学が自主的に判断をされておやりになることでございまして、それから、任期制を導入する場合には法律上の一定の手続を課す、こうなっておりますし、本人の同意もいただくということになっておりますので、教員の身分保障というものは十分制度的な配慮がなされておるというふうに考えております。これで、全学的に任期制が導入されたということになった場合に、直ちにこれによって教員の身分が不安定になるというものでもないと私は思いますし、それによって法律違反になるという考え方には立っていないのでありますが。

○石井(郁)委員 私は、そういう御答弁じゃ到底納得できないんですが、これは九七年の国会審議のときにも、先ほども御紹介しましたけれども、当時雨宮高等教育局長、この問題でこういうふうに言っているんですよ。この要件をつけた、読み方の問題でですけれども、その第一号、「先端的、学際的又は総合的な教育研究であること」ということで、これはこれ自身が広がるんじゃないかということの懸念が当時ありましたからそういう審議をしたわけですけれども、こういうふうにおっしゃっていますよね。これをわざわざ例示して、「要するに多様な人材の確保が特に求められるような、そういう教育研究組織の職につけるときなんです」と。だから、特に求められる、そういう職が必要だというときになんですということで議論したし、私たちはそれが政府答弁だということで確認しているわけです。
 それで、今の問題もこれ以上立ち入ったらもっともっといろいろやりとりしなきゃいけないんですけれども、とにかく重大なのは、労働契約で行うのだから、法人化では学部、大学に一律に導入してもいい、そういう発想で事を進めようということが出ています。ある大学、これは人事制度に関する検討専門委員会、ここでは、大学の教員人事制度において任期制度を導入することはそれほど違和感はないように思われるというふうに書かれまして、全学に任期制を導入しようとしているわけですね。
 この法律に戻っても、例えば私学、そういう法人の場合でも、「前条第一項各号のいずれかに該当するとき」と。法人になっても、いずれかに該当するときに労働契約において任期を定めると、これはなっているでしょう、第五条にも。だから、法人になって労働契約でできるんだから全部できるんだ、こういう理解だって、私は、法を逸脱しているというか、非常におかしいと思います。
 要するに、この任期制の法律というのは、選択的任期制だったんですよ。選択的なんですよね、こういうところには任期制ですよという。決して、大学が丸ごと任期制だ、こういう想定はどこもしなかったんじゃないですか。それが政府の見解でもあったわけでしょう。だから、この法律どおり、選択的任期制だということについてはきちんとした見解でするべきですよ。全学的に導入、一律に全部やるんだと、しかも今言われたように現職の教員にやるんだなどという無謀なことは、到底考えられない。このことをはっきりしてください。

○遠藤政府参考人 その選択的の意味でございますけれども、一律に助手だとか教授だとか何学部だとか、こういうことじゃなくて、大学が大学の判断で、広狭いろいろな幅があると思いますけれども、いろいろなパターンで任期制を導入できる、そういう意味での、大学の自主性に任せ、大学がどういう形で任期制をやるかというのを選択するという意味での選択というふうに理解しております。

○石井(郁)委員 だから、もちろん政府として、文科省として、それを強要することもできないし、各大学だってそれを上から一律に導入することはできない、そういう意味での両方にとっての選択的な任期制であることは言うまでもないんじゃありませんか。私は、今、文科省がこの法人化を前にしてそういう態度をとっているというのは、やはり非常に問題だと思うんですよ。法律の趣旨をゆがめていますし、法律違反のことをやっていますよ。
 これは、昨年の国立大学等の独立行政法人化に関する調査検討会議、例の調査検討会議ですね、そこで非公務員化がすっと出てきたわけですけれども、そこに文科省が提出した文書がございますよね。「国立大学の職員の身分―「非公務員型」の場合に考えられる対応例」というのをあなた方が出していらっしゃる。それを見ますと、「任期制の導入 大学教員任期法による三類型を離れた任期制の導入が可能」だと。
 これは驚きましたよ。今まで三類型で該当する任期制ということを決めて、範囲が、枠があったわけですけれども、三類型を離れた任期制の導入が可能だと。どういうことですか、これは。あなた方、みずから出したでしょう。私は、この文書というのは本当に法律の趣旨に違反すると思いますよ。そう考えませんか。

○遠藤政府参考人 法制的に御説明いたしますと、今、国会にお願いしております国立大学法人法におきましてはいわゆる非公務員型であるということでございますので、任期法の適用についてはいわば私立大学と同じになる、こういうことでございます。
 私立大学教員と任期法との関係でございますが、これによって初めて教員に任期制がつけられるということではございませんで、現行の労働法制の枠内でも任期制はとれますが、任期制で任期をつけられるということを確認的に規定したというふうに理解してございます。
 任期をつけたということについての合理性をどう判断するかという法制、何かややこしい話で恐縮でございますが、そこで、任期法に基づいた任期制でございますと、これは任期制なんだからということですべて片がつくけれども、任期法に基づかない任期制の場合については、仮に争いがありましたら、一つ一つのケースについて労働法制上どうかということが問われる。そういう違いはありますけれども、基本的には、私立大学の教員の場合につきましては任期法がなくても任期制がとれる、こういう趣旨でございますので、そういったような趣旨から、法制的にいえばどうかというと、そういうことだという趣旨だと思います。

○石井(郁)委員 時間もありませんので私もこのぐらいにしますけれども、今のは全然おかしいですよ。だって、任期法には私立の大学の教員の任期ということで、第五条にちゃんと書いているじゃないですか、これも。そしてそれは、国立大学でさっき三つの要件をつけたことと同じようにしなきゃいけないと。その場合でも、例えば規則を定めておかなければいけないとかいろいろありますけれども、その要件は一緒だと書いているんですよ。
 だから、法律のいいかげんな解釈をしてもらったら、あなた方は専門なんですから。それはきちっとやはり法律の趣旨にのっとってこの問題を見ていただきたいということを、私はきょうはそこまでで、強調しておきたいというふうに思います。
 最後、ちょっと一つだけ、時間がありますから時間の範囲でですけれども、重ねて、私たち、我が党としては、この任期制法案、本当に反対しました。しかし、やはり法律があるわけですから、法律に沿って、その範囲で行うべきだということで今質問したわけで、おきますけれども、またちょっと繰り返しの点でもありますが、予算の配分と任期制の導入というのは別問題だというのは、当時の小杉文部大臣も雨宮局長も繰り返し述べられていたんですよ、それは。ところが今、あなた方は、それもどんどん何かあいまいにしていくというようなことになっている。
 そして、法人化の中では、中期目標・中期計画の項目の中にも、教職員の適正人事ということで任期制のことが入っていく。そして、どうも、これで数値目標達成の対象にすべきだということになっていくと、結局予算とリンクしていくじゃありませんかということで言っているわけで、非常になし崩し的にこの法律の解釈がどんどんゆがめられていくという点では、私は、今きちんとすべきだということで考えているわけでございます。
 最後に、大臣の、その点でのきちんとした文科省の姿勢を少し示していただければ大変ありがたいかなと思いますが、いかがですか。

○遠山国務大臣 先ほどもお話がありましたように、やはり教員の任期制というのは、大学の活性化を図るために教員を流動化していく、流動性を高めることによって教育研究等の諸活動を活性化するというためでございます。ですから、任期制を考える際にも、そのことの理念というのをしっかり考えてそれぞれの大学で判断をしてもらうということだと思います。
 予算につきましては、これからは法人化が達成されますと運営交付金ということになってまいると思いますが、その場合には、任期制あるなしといいますよりは、その大学において教育の質がきちっと担保されているかどうかというのは、もちろんその評価においてあらわれてくることだと思っております。そのようなことで、制度の趣旨というものはしっかり体しながら、新しい法人化の際には、予算の配分等についても、それは透明性を持って運用していくべき問題だと考えます。

○石井(郁)委員 終わります。

都立4大学の統廃合をめぐる危機の現状(2)

都立4大学の統廃合をめぐる危機の現状
2003.10.2 東京都立大学・短期大学教職員組合中央執行委員会


「・・・9月25日、大学管理本部は、各大学総長・学長・学部長に対し、4大学の助手を除く全教員の仮配置計画を示すとともに、各部局長が全教員に対して仮配置先を提示した上で新大学設立本部長宛の「同意書」を提出させるよう求めました([資料d])。同意書の内容は提示された配置案と新大学の詳細設計への参加、そして詳細設計内容を口外しないことへの同意です。大学管理本部はこの同意書を9月30日までに提出するように求めました。・・・都立大学総長は9月29日、大学管理本部長にあてて、こうした進め方には深刻な疑義を抱かざるを得ない」とする意見書を提出しました([資料e])。同意書については疑問・批判・怒りが広がっており、都立大では各学部とも、少なくとも次の教学準備委員会の開かれる10月2日までは同意書の提出を差し控えることになっています。」

下記にあてて、要請文等の送付をお願いいたします。

東京都議会文教委員会委員 連絡先(任期:2003.10.14まで)
(掲載順序は議会局広報課発行の「都議会のはなし 2003」による。)

委員長
渡辺 康信(わたなべ やすのぶ)(日本共産党東京都議会都議団)FAX (03)3882-4184 

副委員長
服部 ゆくお(はっとり ゆくお)(東京都議会自由民主党) h-yukuo@tctv.ne.jp

副委員長
河西 のぶみ(かさい のぶみ)(都議会民主党)kasai@net.email.ne.jp

理 事
執印 真智子(しゅういん まちこ)(都議会生活者ネットワーク) FAX (042)593-9433
中嶋 義雄(なかじま よしお)(都議会公明党) info@nakajimanet.com
遠藤  衛(えんどう まもる)(東京都議会自由民主党) FAX (0424)81-1139
福士 敬子(ふくし よしこ)(自治市民‘93) fukushiy@tokyo.email.ne.jp

委 員
小美濃 安弘(おみの やすひろ)(東京都議会自由民主党)y-omino@hat.hi-ho.ne.jp
野島 善司(のじま ぜんじ)(東京都議会自由民主党) FAX (03)5388-1781  
石川 芳昭(いしかわ よしあき)(都議会公明党) hotmail@ishikawa-yoshiaki.com
相川 博(あいかわ ひろし)(都議会民主党)hiroshi@aikawa.ne.jp
大西 英男(おおにし ひでお)(東京都議会自由民主党) FAX (03)3674-7770  
曽根 はじめ(そね はじめ)(日本共産党東京都議会都議団) sone@kitanet.ne.jp
山本賢太郎事務所 kentaroh@dl.dion.ne.jp  

抗議先
〒163-8001 新宿区西新宿2−8−1
東京都大学管理本部長 山口 一久 殿 FAX (03) 5388-1615

2003年10月01日

都立大学総長の「抗議声明」2003.9.29

http://members.jcom.home.ne.jp/frsect_metro-u/doishonituite.htm

「このように、大学に事前に一切の相談もなく、教育責任を負うべき教員に十分に意見を述べる機会も与えず、いきなり新構想に対して、包括的な同意を求めるというやり方は、およそ大学行政にあるまじき異常・異例なものであって、到底、健全な市民的常識とは相容れず、設置者としてあるまじき行為である。」

2003年09月29日

シンポジウム「大学界の真の改革を求めて」報道発表

独法化阻止全国ネット報道発表.2003年9月29日

           多分野連携シンポジウム
       「大学界の真の改革を求めて」について

             主催者代表
             国立大学独法化阻止全国ネット事務局長  豊島耕一

われわれ国立大学独法化に反対する4団体(全国ネット,新首都圏ネット,意見広告の会,アピールの会)は,実施が迫る国立大学の「法人化」について,その問題点,これまでの反対運動の意味,そして大学界の真に意味のある改革とは何かを考える標記のシンポジウムを,9月27日,東大構内で開いた.
http://www003.upp.so-net.ne.jp/znet/znet/news/multisympo927.html

これは,次のような目的を持ったものである.
(イ)近年にない規模と多様性をもって展開されたこの運動を,幅広い立場から,総合的,多面的,論争的に吟味・総括し,記録すること.
(ロ) 制度の実施という状況のなかで独法化にどう立ち向かい,学問の自由と大学の自治を守り,あるいはどう築いていくかを討論すること.また,この制度は公立大学をも飲み込もうとし,さらに私大も,政府が認める評価機関による評価が義務付けられた.このような政府・官僚主導の激変のなかで,大学関係者と市民による高等教育の自律的な改善の可能性について考えること.

52名*の参加者の過半数は国立大学の教職員,学生であるが,国会議員2名,議員秘書1名,韓国教授労働組合2名,国立大学長,元学長各1名,私大・公立大から8名など,多様な人々が集まった.また,日本の大学問題についての本を書いたアメリカ人研究者,山内恵子衆議院議員,それに全大教からメッセージが寄せられた.

午前,午後,合計6時間にわたって多様な報告と熱心な討論がなされた.

まず,主催者団体などによる運動の総括が5人から述べられた.冒頭,全国ネットの豊島は,法案阻止運動がなぜ敗北したかについて,この問題が憲法と教育基本法に反するものであるとの認識が大学関係者にほとんどなかったことなど,5点にわたって分析した.

首都圏ネットの小沢は,「論点集」を作って議員に質問の材料を提供するなど,終盤での国会ロビー活動について説明した.また,かなりの程度まで成功した,メディアにこの問題を取り上げさせるための努力について述べた.

次いで「アピールの会」の池内は,大学内に限られている運動を,多くの著名人の賛同意見などを使って一般に広げていったことを,「意見広告の会」の野村は,最終版での世論形成に重要な効果を上げた意見広告運動について説明した.

千葉大学の独法化問題情報センターの安田氏は,ネット上で飛び交う情報があまりにも大量なため,教職員がむしろ情報不足に陥っている状況を改善するために,重要な情報を選び出して提供する活動について説明した.これは同大学でいくつか出された教授会などの意見表明のベースを与えたのだと思われた.

共産党参議院議員の林紀子氏は,参院審議において,「労働安全衛生法」の問題での追及などを説明した.さらに,教育基本法改悪問題が今度の国会で重大な局面を迎えるだろうと述べた.

社民党の山内恵子衆議院議員秘書の広瀬氏は,国会議員と大学関係者の間の認識の壁の問題について意見を述べ,また議員のメッセージを紹介した.

鹿児島大学大学の前学長,田中弘允氏は,2000年頃の国大協内部の状況や,そこでの独立行政法人化に対する自らの批判活動について述べた.関連して現職学長である宇都宮大学の田原博人氏が発言したが,国大協の会議の雰囲気がどのようなものかを十分想像させるものであった.

続いて,「改革」と称する行政による強権的介入と,それによるリストラが目論まれている横浜市大,東京都立大の深刻な状況が,両大学の同僚から説明された.教授会無視や秘密主義は両者に共通する特徴のように思われる.

韓国教授労働組合副委員長の朴巨用 (パク・コヨン) 氏は,「軍事政権の山を越えたら新自由主義の川が待っていた」との表現で,政府が導入を目論む「国立大学運営に関する特別法」について批判的に紹介した.これは大学の民主主義と自治を無視し,授業料の値上げを招くなど重大な問題を含むとのことである.

アレゼール日本の岡山茂氏は,フランスの大学改革について説明した.予算の費目自由化や「中期目標」など,日本の「法人化」と見かけ上似たところもあるが,しかしフランスでは政府と大学との「対等な契約」とされており,「目標」も日本のように政府が定めるものではない.

教育法が専門の成嶋隆氏は,「法人法」が教育基本法10条(教育への不当な支配の排除)に違反するものであることを,限られた時間ながら詳細に論じた.10条のみならず,6条2項(教員の身分保障),3条1項(機会均等)にも反する疑いがある.

フロアからは,工学院大学の蔵原氏が,国立大学法人制度における「法人」と「大学」の事実上の一体化は,従来の学校法人制度と全く異質であると指摘した.異常に強力な学長権限と相俟って,大学制度全体に重大な悪影響を及ぼす恐れがあると述べた.

時間の都合で最後のセッションで発言した民主党参議院議員の櫻井充氏は,この問題で国民世論を喚起できなかったから敗北したのであり,それは大学側からのわかりやすい説明が不十分であったためだと述べた.また,今後,制度運用における対応のありかたなどについて述べた.

討論の時間は不足し,これからの運動の展開についての具体的方針が打ち出されるまでには至らなかったが,参加者一同,この制度の重大な問題性を再認識し,また国際的な視野でこの問題をとらえることができた.教育基本法改悪反対運動との連携の重要性も認識され,教育の自由,大学の自由を回復し発展させる運動のためのより総合的な認識が共有されたと思われる.

今回のシンポジウムで得られた知識と理解,そして人々の新しいネットワークが,大学という文化の創造において,大いに力を発揮すること期待したい.

なお,いくつかのレジュメ,メッセージは全国ネットホームページで公開している.また,シンポジウムの全内容は,近日中に出来るだけ詳細に公表する予定である.

*受付の名簿による.

840-8502 佐賀市本庄町1
佐賀大学理工学部  豊島耕一
toyo@cc.saga-u.ac.jp
http://pegasus.phys.saga-u.ac.jp

2003年9月28日都立4大学廃止に関する緊急シンポジウムアピール

 八月一日、石原慎太郎東京都知事は、東京都立四大学(都立大学・科学技術大学・短期大学・保健科学大学)の改革についてこれまで準備されてきた構想を一方的に破棄し、それとは全く異なる内容の「都立の新しい大学の構想について」を発表しました。それ以降、東京都大学管理本部は、これは設置者権限による現存する四大学の「廃止」と新大学の「設立」であるとして、四大学を排除したまま「トップダウン」による改革・準備を一方的に進めています。

 しかしこれまで都議会や都民に公表され、再三にわたってその準備を着々と進めていると説明されてきたものが、このように唐突に破棄・変更されたことに都立の大学に深く関心を持つ私たちはとまどいを隠せません。発表された「新構想」の内容についても、果たしてそれがよりよい大学に結びつくのか多くの疑問がありますが、私たちが何よりも疑問に感じるのは、その進められ方です。これまでの構想がなぜ破棄されなければならないのか、少なくともいままでに都知事や大学管理本部が示している理由は、きわめて根拠薄弱です。また、そこに至るまでの経過についても、都民にも、また大学関係者にも公開されていません。

 都民の貴重な財産である都立の大学が、このような唐突で恣意的な進め方によって大きく変えられ、その有形無形の知的財産が危うくされることに、私たちは強い疑問と怒りを感じます。

 以上から私たちは、東京都大学管理本部に対し、別紙のような公開質問をおこなうとともに、一方的で恣意的な「大学改革」準備ではなく、当事者と都民に開かれた進め方に改めることを強く求めます。

二〇〇三年九月二八日

都立四大学廃止に関する緊急シンポジウム
参加者・賛同者一同

http://www.geocities.co.jp/CollegeLife-Lounge/3113/siryousyu_030928sinpo_ap-ru.htm
pdf:http://www.geocities.co.jp/CollegeLife-Lounge/3113/images/030928appeal.pdf
シンポジウム報告:http://www.geocities.co.jp/CollegeLife-Lounge/3113/030928shinpo_houkoku.htm

Posted by tjst at 09月29日
URL:http://www.ac-net.org/dgh/blog/archives/000167.html
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2003年09月28日

京大で戦後初の理学部出身学長;尾池和夫氏(地震学)

京都新聞 9/28 「京大次期総長に尾池副学長 理学部から70年ぶり」

「・・・・・選挙は26日に助手以上の教官による第1次投票で16人の候補者を選出し、評議会での第2次投票で5人に絞った。27日昼の講師以上による第3次投票で過半数を獲得した候補がなかったため、尾池副学長と本庶佑・医学研究科長の上位2人による決選投票となった。尾池副学長が有効投票927票のうち590票を獲得、253票差で次期総長に決まった。・・・・・」

朝日新聞 9/27「京大新学長に尾池和夫副学長 来春法人化で権限拡大」

「・・・・・選挙後、記者会見した尾池氏は、法人化について「(国が)金を出すが口を出さないという制度ではない。自由度が減っていく」と批判的な考えを表明し、大学の自治を尊重する姿勢を示した。法人化後の学長は経営と教育・研究の両面で予算や人事上、大きな裁量権を握るが、「京大はだれかのリーダーシップで動く大学ではない」と述べた。 (09/27 23:35)」

毎日新聞 9/28 「京大新学長:尾池和夫副学長を選出」

読売新聞 9/27「京都大の新学長に尾池和夫・副学長」

Posted by tjst at 09月28日
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2003年09月25日

東京都立大学人文学部文学科5専攻から大学管理本部宛質問状

東京都大学管理本部長 殿

東京都立大学人文学部文学科 
   国文学専攻 
   中国文学専攻
   英文学専攻 
   独文学専攻 
   仏文学専攻 
            
2003年9月24日

 8月1日「都立の新しい大学の構想について」発表以降、東京都大
学管理本部の進めている新大学構想には不明な点があまりにも多く、
学生たちの間でおおきな混乱と将来への懸念を招いています。

 そこで、以下の質問事項にお答えいただくようお願いする次第で
す。回答は、学生への説明の必要上、後期授業が開始される前日、
2003年9月30日までに、文書によって文学科上記各専攻までご送付
ください。

 なお、情報は学生、都民に対して閉ざされたものであるべきでな
い、との考えから、送付時点で本質問状を一般に公開するとともに、
回答もいただき次第公開することを申し添えておきます。

1.本年7月31日まで、東京都大学管理本部と都立4大学の間では、
「都立新大学設立準備委員会」のもとで都立の新大学に向けた構想
を検討してきました。しかし、これまで相互信頼関係に基づき築き
上げてきた構想は、8月1日の「都立の新しい大学の構想について」
の発表によって、都側から一方的に破棄されました。

 管理本部側、大学側ともに膨大な勤務時間を費やし形づくった案
をこのように唐突に破棄された根拠を、納税者に対して説明する義
務があるかと存じます。具体的にご説明お願いします。

2.「都立の新しい大学の構想について」では、現在の都立大学に
かぎっても学部学科構成がおおきく変動することになるにもかかわ
らず、現行体制から新大学への移行がどのようになされるのか触れ
られていません。

 現在在学している学生たちの間では、自分たちの学習権がはたし
て保障されるのか、というおおきな不安がわき起こっています。ま
た人文学部一年生は、進級にあたっての専攻選択という問題を眼前
に控えとまどっています。

 この案を強行すると仮定して、現在在学している学生に対して、
入学時に示されていた教育態勢が縮減されることなく卒業時まで保
持されることを確約してください。またそれがどのように保証され
るのか、具体的にお答えください。

3.新しい大学における大学院の構想は、いまだに発表されていません。

 現在ある大学院人文科学研究科・社会科学研究科が、新しい大学
ではどのような扱いとなるのか、お答えください。

 またその際、現在在学する大学院生の処遇はどのようになるので
しょうか。現在修士課程在学中の大学院生が、課程博士号取得にい
たるまで、入学時の態勢が十全に保たれることを確約してください。

4.現在人文学部には文学科5専攻(国文学、中国文学、英文学、
独文学、仏文学)があります。その、新しい大学における位置づけ
を示してください。

5.新大学における言語教育(日本語および外国語)について、7
月31日までに検討・準備されてきた案も破棄されたのでしょうか。
もしその場合、どのような対案が用意されているのか、具体的にご
呈示ください。

以上。

東京都立大学人文学部抗議声明 2003.9.25

抗 議 声 明

 本年8月1日、東京都はそれまでの新大学計画を突然覆し、新た
な基本構想を一方的に発表した。それ以降の新大学設立準備過程に
おいても、大学側の公式の関与をいっさい排除し、2005年4月
の開設を目途に強引に検討を進めている。新大学設置をめぐるこの
ような都の手続は、設置者権限を大きく逸脱し、憲法、教育関連法
規およびその他の諸法規に抵触する恐れが大きいと判断される。我々
はこれを深く懸念し、以下の6点について東京都に抗議するととも
に、広く社会に訴える。

1.東京都が、東京都大学改革大綱に基づき都立の4大学との緊密
な協議を経てほぼ完成を迎えていた前計画を、事前に何の説明もな
く、また日程上の無理を承知で一方的に破棄したこと。

2.これに代わって発表された基本構想の策定が、非公表の外部委
員会に委ねられ、大学はいうまでもなく都民、都議会にもまったく
知らされぬまま、秘密裏に行われたこと。また、上記計画破棄の理
由とこの新構想の必要性について合理的な説明を行わず、大学側の
質問にも答えていないこと。

3.教学面での計画実現に向けた準備委員会から、都立大学総長を
排除し、個人として委員を委嘱された大学教員も、予め基本構想に
積極的に賛同するという前提のもと、しかも厳重な守秘義務を課し
たうえで初めて参加を認めるという異常な体制を敷いたこと。

4.人文学部の教員定数に関しては、すでに前計画においてもかな
りの削減が予定されていたが、新構想においては、さらに大きな定
数削減が迫られていると聞く。このような極端な定数減は、現行の
多くの学科・専攻の維持を危うくするのみならず、過員教員の大学
院担当の有無も不明であり、在学生、特に院生に対する教育・指導
体制の長期継続が不可能になる恐れが大きいこと。また、すでに学
生・院生の間には、学習権が十全に保障されないのではないかとい
う不安と動揺が広がり始めているが、これに対し都が十分な説明責
任を果たしていないこと。

5.人文学部専攻の多くが全学の基礎教育に果たす大きな役割から
見て、提示された条件では新大学の基礎教育は極めて貧弱なものと
ならざるを得ないが、この疑念に対しあえて明らかな回答を示そう
としないこと。また、外国語を必修化しない今回の構想は、大学教
育本来のあり方からして容認できないとともに、基本理念としてう
たわれた国際化、教養重視などとも大きく矛盾すること。

6.我々は、学部・大学院を通じ、教育・研究組織としての現人文
学部の社会的評価は十分に高いと自負している。しかるに、今回の
計画に従う限り、各専攻において積み上げられてきた教育・研究の
蓄積の多くが途絶し、日本の人文系学術研究拠点のひとつが失われ
る恐れが大きいこと。

      2003年9月25日    東京都立大学人文学部

2003年09月21日

9/28「都立4大学の廃止に関する緊急シンポジウム」

「都立4大学廃止に関する緊急公開シンポジウム」実行委員会 主催

2003年9月28日(日曜日) 午後2時−5時
場所 東京都立大学教養棟 120番教室京王線南大沢駅徒歩5分

宣伝用チラシ(pdf)

都立大学は東京都にとってもう必要がないのか?

 今年の8月以降、都立の大学「改革」をめぐる動きが変わってきました。2005年4月から、都立の4大学が統廃合されることはすでにマスコミ報道されてきましたが、ここにきて、都庁にある大学管理本部の本部長が入れかえられ、これまで準備してきた新大学構想がご破算にされました。そして、まったく異なったプランが突如8月に発表され、新大学概要が10月には発表されるとのことです。

 いったい、8月以降、都庁の大学管理本部では、どんな議論がなされているのか。これまでの都立の大学は、都民にとってほんとうに必要のなくなった大学なのか。「新しいタイプの大学」とは、何がどのように新しくて、それが都民にとって、どのように望ましい大学なのか。当事者である都立大学関係者は、この事態をどう受けとめ、どのように「あらたな大学づくり」を進めていこうとしているのか。

 都立の4大学のあり方について、関心をもつ多くの方々とともに、閉ざされたものではない開かれた公論の場で、都立の大学のあり方について議論していく場が求められています。

 都立の大学、そして、東京都の教育に関心を持つ、多くの方に、緊急公開シンポジウムへの参加をお待ちしています。 

● 都立4大学改革の予想される今後のスケジュール

2003年8月 新大学の構想発表
     新大学設立本部の設置
     学長予定者決定、理事長予定者決定
     名称公募・決定
    10月 新大学説明会で概要公表
     教員採用・公募、授業科目決定
    11月 学部長予定者決定
     文部科学省との事前折衝
2004年4月 設置認可申請
     開学準備、法人設立準備
    7月 設置認可

(東京都立大学・短期大学教職員組合『手から手へ』第2203号に掲載)※ より詳しい現状については、2003年
9月9日都立大学の統廃合をめぐる危機の現状
http://www.geocities.co.jp/CollegeLife-Lounge/3113/siryousyu_030909kikinogenjyou.htm
がわかりやすい。PDF版は
http://www.geocities.co.jp/CollegeLife-Lounge/3113/images/siryou_toritu4daigakunokiki.pdf

■ 報告内容 ■
(1) 都立の大学「改革」で、今何が起こっているのか 
  大串隆吉氏(公立大学教職員組合協議会副委員長) 
  乾 彰夫氏(都立大学・短期大学教職員組合副委員長)
(2) 都立大の教員から  高山宏氏(英文学)ほか
※ 指定討論には、都内各層からの発言を予定しています。

■ 日時と場所 ■
○ 2003年9月28日(日曜日) 午後2時−5時
○ 場所 東京都立大学教養棟 120番教室 >> 詳しくは以下をご参照ください。
http://www.metro-u.ac.jp/campusmap/campusmap-1.htm
○ 京王線南大沢駅徒歩5分 >> 詳しくは以下をご覧ください。
http://www.metro-u.ac.jp/access.htm

■ 資料代 1000円 (学生・院生については500円)

■ 主 催 ■「都立4大学廃止に関する緊急公開シンポジウム」実行委員会
■ 呼びかけ人 ■池上洋通(自治体問題研究所)、上原公子(国立市長)
坂元忠芳(東京都立大学名誉教授)、林量俶(埼玉大学)
【賛 同 者】
新井秀明(横浜国立大学)、荒井文昭(東京都立大学)、大石美夏(東京都立大学人文学部卒業生)、小澤浩明(中京大学)、小澤正和(東京都立大学人文学部卒業生)、加藤道子、小島喜孝(東京農工大学)、児美川 孝一郎(法政大学)、佐藤隆(都留文科大学)、佐藤広美(東京家政学院大学)、佐貫浩 (法政大学)、関口昌秀(神奈川大学)、富田充保(札幌学院大学)、長谷川裕(琉球大学)、平塚眞樹(法政大学)、廣田健(民主教育研究所)、増田正人(法政大学)、吉田傑俊(法政大学)

一人でも多くの方々に、このシンポジウムのことを、お知らせくださって、ご一緒にご参加をお願いします。

2003年09月19日

横浜市立大学商学部臨時教授会決議 平成15年9月11日

プロジェクトR幹事会「改革案」に対する商学部教授会見解

Posted by tjst at 09月19日
URL:http://www.ac-net.org/dgh/blog/archives/000150.html
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2003年09月14日

「国家統制の強化で実現する大学改革」という考えについて

15分間大学改革研究: 国家統制を緩めれば日本の大学は良くなるか? の中で田中氏が、独立行政法人化による「国家統制」の強化を一概に悪いものと考えるべきではない、という趣旨のコメントをされている。フランスにおける高等教育行政の地方分権化が(グランド・デコールを除く)国立大学にもたらしている深刻な諸問題は、そういう主張をサポートするものかも知れない 。

しかし、日本における、従来の国立大学への行政指導と財政誘導の影響はかなり深いものであり、McVeigh 氏が例示する改革(大規模な社会人入学の実現と18才からの選挙権、キャンパスの開放、入試の軽減と厳格な成績評価、日本の高等教育の国際化等)に「文科省の外圧があって初めて重い腰を上げ始めたのではないか」という指摘は妥当であろうか。

また「できるがしようとしなかった」という主張は妥当だろうか。日本の現在の高等教育財政の規模で、そのようなことを大規模に行なうことが、研究と教育に与える影響は十分認識されていたのではないか。

この点に関連して、次の渡邊勇一氏の論説は、文部科学省が思つく様々な改革の意匠が、大学の現場に与えている影響の普遍的様相を捉えていると思われる。

渡邊勇一(新潟大学)「大学の使命を果たすのに必要な時間が「社会貢献」と
いう名目で 減らされる傾向の拡大への危惧」
http://www.ac-net.org/home/watanabe-y/03124-chieki.htm

Posted by tjst at 09月14日
URL:http://www.ac-net.org/dgh/blog/archives/000145.html
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2003年08月26日

在日アメリカ人学者による大学批判の本

http://www.geocities.jp/chikushijiro2002/UniversityIssues/bookofBMcV.html
より:

「佐賀大学の豊島です.

在日アメリカ人の学者Brian McVeighという人の, "Japanese Higher Education as Myth"という本を紹介します.昨年出版されたもので,私もまだ一部分しか読んでいませんが,日本の大学について大変厳しい分析をしています.でもその内容は,行法化反対運動にコミットして来た人々の考え方と非常に共通しているように思われます.少しですが行法化にも触れています.「制度化された虚偽」(institutional mendacity)という言葉など, ウオルフレンの高等教育版といった感じがします.最後の章の一つの節のタイトルは,「改革のありかたの改革」となっていますが,これはまさに私が12年前から言い続けたことです(「日本の科学者」1991年5月号掲載の拙文参照).

 Brian McVeigh, "Japanese Higher Education as Myth"
 Armonk, New York: M.E. Sharpe, 2002. ISBN 0-7656-0925-8

・・・・・」

2003年08月23日

「知事であれ、市長であれ、次ぎの選挙で落選させるのがいい」

平成15年6月7日井上ひさし氏講演会「都市の中の大学」より

「・・・・・今、横浜市では大学に金がかかるからといって、
大学を廃校にしようとか、縮小しようとする動きがあるという。
そんなことをいっているのはだれか。
そういっているのはだれかを追及する必要があるだろう。
知事であれ、市長であれ、次ぎの選挙で落選させるのがいい。
なにも恐れたり、立ちすくんだりする必要はない。・・・・・」

Posted by tjst at 08月23日
URL:http://www.ac-net.org/dgh/blog/archives/000103.html
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2003年08月20日

国立大学法人制度下の使命

国立大学関係者 各位

国立大学法人化関連法が成立し国立大学制度が廃止され国立大学法
人制度に移行しますが、大学に適用する場合の独立行政法人制度の
欠陥が実質的には除去されませんでしたので、余程の「奇跡」がな
い限り、国立大学制度が実現していた諸機能は徐々に失なわれてい
くでしょう。この点について幻想を持たず、また国立大学法人制度
の官制サバイバルゲームの迷路に自失せず、学問と教育の規範を今
迄以上に鮮明にし、社会貢献においてもその規範を墨守し、大学の
使命について社会と大学が認識を共有する時が来ることを辛抱強く
待つことーーこれが国立大学法人制度下におかれる者が担う使命の
重要な部分を成すものと思います。

「学問と教育の規範」の根幹には、知識の体系性・一貫性・全体性
を重視すること、しかしどの理論にも懐疑の余地があり、そのこと
が学問の発展の源泉である、という姿勢を堅持し、理論・価値観・
世界観の多様性を尊重し先入観・非寛容を憎むこと、があると思い
ますが、1998年に全世界の高等教育関係者が確認した規範は、
ユネスコ高等教育世界宣言「21世紀の高等教育に向けての世界宣言:
展望と行動」
に詳細に記載されています。

その中で、「高等教育の使命と機能」の第二条「倫理的役割、自律
性、責任、および先見的機能」に、「倫理的・文化的・社会的問題
に関し、責任を自覚した上で、完全に独立した発言ができなければ
ならない。それは社会が自ら問題を考慮・理解し、その解決のため
に行動するのに必要な一種の知的権威を行使することである。」
「社会・経済・文化・政治の絶え間ない潮流分析に基づき、予測・
警告・阻止のための焦点を提示することによって、批判的および先
見的機能を増進させなければならない。」「その知的能力と道徳的
威信を行使し、ユネスコ憲章にうたわれた平和・正義・自由・平等・
連帯を含む普遍的価値を守り、積極的に広めなければならない。」
等が記されています。

間も無く国会で審議されると予想される教育基本法の改変は、もし
も決まれば初等中等教育の性格を根底から変質させるものです。国
立大学の法人化は余りに身近な問題であったために発言を控えた方
も多かったようですが、教育基本法改変問題については一定の距離
があって発言しやすいのではないでしょうか。大学界全体が、この
問題に責任があることを認識し、種々の立場と角度から自由に議論
し「知的権威を行使する」ことは、大学界の存在理由の一端を社会
に明示する良い機会になると思います。

辻下 徹

追伸.

国立大学法人法案の廃案を求める意見広告、特に、3次・4次の
「有料報道」は、国立大学法人制度の問題点を広く日本社会に伝
える効果がありマスメディアにも一定の影響力を持ち続けることが
期待できます。(数日前にNHKが朝のニュースで国立大学の法人
化について取り上げましたが、地域貢献と産学連携の取りくみを詳
しく紹介した後で、国立大学法人化により基礎研究が衰退する可能
性もあるという趣旨のコメントで締め括っていました。なお、地域
貢献や産学連携を過度に追求することが地方移管や民営化の勧告を
招きかねない、という独立行政法人制度の本性には触れていません
でした。)

なお、この「有料報道」は、呼び掛け人の一部の方が高額の負担を
決意されて実現したものですが、意見広告の会の会計報告(8月8
日)では、かなりの赤字が記載されていました。「有料報道」が、
今後の国立大学法人法に関連する政令・省令等の内容や施行状況に、
一定の影響力を持ち続けると評価されるかたはぜひカンパをお願し
ます。

・郵便振替口座『「法人法案」事務局』
00190−9−702697

・銀行口座 東京三菱銀行 渋谷支店
口座番号 3348763 口座名 法人法案事務局

・連絡先:houjinka@magellan.c.u-tokyo.ac.jp
------
* http://ac-net.org/dgh/03/610-ikenkoukoku.html
http://ac-net.org/dgh/03/701-ikenkoukoku.html

2003年08月16日

総務省が勧告強化 法人化後の国立大学も対象に

『科学新聞』2003年7月11日付

 独立行政法人については、所轄官庁が評価し事業の縮小や拡大等をすること
になっているが、総務省の政策評価・独立行政法人評価委員会は、各府省が必
要だと主張しても独自の判断基準で不必要とした場合には、主務大臣に廃止勧
告をする方向で検討していることが明らかになった。個別事業の改廃のみなら
ず、法人そのものについても廃止勧告する。現在、独立行政法人は9府省62法
人あり、10には30法人が新たに発足する。これだけの法人を公正に評価できる
のか疑念が残る。また、法制度論上、来年4月に発足する国立大学法人も対象
となるため、業務の効率性のみで教育や研究を評価し、大学が廃止される可能
性もある。

 独立行政法人通則法では、主務大臣が、各法人の中期目標期間終了時に、そ
の組織および業務の全般について検討し、その結果に基づいて所用の措置を講
ずることとなっている。具体的には、社会経済情勢等の変化に応じて、法人が
担う必要性が乏しくなった事務および事業の廃止、民営化等を行うとともに、
組織形態や業務の改善を行う。

 一方、総務省の政策評価・独立行政法人評価委員会は、各法人の主要な業務
および事業の改廃に関して必要な勧告を行うこととされている。今回明らかに
なったのは、その勧告にあたっての基本方針。

 同委員会は、各府省の独立行政法人評価委員会による第一次的な判断を前提
に二次的判断をするのではなく、各法人の年度評価と中期目標期間終了時の評
価を独自に行い、自ら直接判断する。また、勧告を行う際は、局所的な改廃を
求めるのではなく、法人の主要な事務・事業を把握し、その具体的改廃措置の
検討を集中的・重点的に行い、法人ごと改廃を求める。中期目標期間の終了時、
通常であれば5年目に勧告を行い、2年以内には勧告の内容を具体化するよう
求める。

 評価にあたっては、共通の視点と個別の法人の特性を踏まえ、各法人の業務
について大づかみの評価を行った上で、改善の必要な法人について細かく調査
する。具体的な資料やデータをもとに、同様の業務を行っている法人同士を比
較し、競争力のない方に廃止勧告する。

 共通の視点としては、(1)政策上のそもそもの目的は何ですでに達成されて
いるのではないか、(2)その事業にどのような効果があるか、(3)その事業が行
われない場合、国民生活や社会経済の安定等にどのような問題が生じるか、
(4)国が関与しない場合にどのような問題が生じるか、(5)制度上独占的な業務
の場合は、独占によりどのような効果があるか、(6)法人の設立目的と事業の
目的はどのように対応しているか、(7)行政サービスの実施コストは適切か、
(8)地方や民間に移管したらどのような問題が生じるか、(9)公務員型の場合、
なぜ公務員が担わなければならないか、(10)トップマネージメントが発揮され
ているか、(11)アウトソーシングは可能ではないのか―など。

 こうした視点で評価を行った上で、廃止、民間または地方への移管、予算の
圧縮、他の法人との統合、整理縮小なども主務大臣に勧告する。勧告された内
容はすぐに公表しなければならない。

 今回明らかになった勧告の方針は、研究開発型法人の競争力を大幅に低下さ
せる可能性がある。コストや短期的な効果ばかりを求めているため、国が担う
べき基礎的な研究開発ではなく、民間研究所のような開発研究を進めた方が評
価されやすい。しかし、民間型へ開発目標をシフトしていくと「民営化すべき」
との結論に至るという袋小路に入り込んでしまう。また、委員会が法人を評価
する際、各法人にデータの提出や説明を求めるため、トップマネージメントを
発揮して運営していく前に、評価疲れを起こしてしまう可能性も高い。

 現在の法律では、来年4月に発足する国立大学法人も同委員会の評価対象と
なる。同委員会の視点で評価した場合、20年後には国立大学法人自体が存在し
得なくなる可能性もある。

 効率の良い評価を行わないと、本来の仕事ができないばかりか、社会的なコ
ストを増大させ、日本全体の国際競争力を低下させることになりかねない。

2003年08月09日

2003年08月05日

[reform:04921] 都立大に吹き荒れるファシズムの嵐

Date: Mon, 4 Aug 2003 09:01:50 EDT

「・・・今年の6月末になって、大学管理本部長が任期途中で解任され、
新しい本部長が送り込まれてきました。前本部長が解任されたのは彼が
大学側の意向に一定の理解を示して、結果として「生ぬるい」改革案を
作ったからである、と噂されました。選挙で300万票を得て気をよく
した知事が、「まったく新しい大学をつくる」と意気込んで投入したの
が現本部長で、「今まで『やる』と言って実現しなかったことはひとつ
もない」と豪語している、とかいう人物でした。・・・・」



皆様、

このメーリングリストで流れた8月3日付「国公私立大学
通信抄」でも、都立の新大学に関する情報が紹介されました。

受信日時:2003/08/03 17:51:50 東京 (標準時)

tujisita@math.sci.hokudai.ac.jpからの引用:

> [3] 「単位バンク」で柔軟カリキュラム 統合後の都立新大学

この「都立の新しい大学の構想について」
が出された経緯は異様なものです。

これまで都立大学では、2〜3年以上の年月をかけて、都当局
と大学側が交渉し、(都当局主導で大学側の意向が必ずしも
十分に反映されたとは言えないものではありましたが)とにかく
都当局と大学側の共同作業の結果ほぼ改革案がまとまりつつあり
ました。

それが今年の6月末になって、大学管理本部長(私たちの大学は、
キャンパスではなく新宿都庁内にあるこの「大学管理本部」と
いういやな名前の部署の下に属する「二級事業所」(!)という
扱いです)が任期途中で解任され、新しい本部長が送り込まれて
きました。前本部長が解任されたのは彼が大学側の意向に一定の
理解を示して、結果として「生ぬるい」改革案を作ったからで
ある、と噂されました。選挙で300万票を得て気をよくした
知事が、「まったく新しい大学をつくる」と意気込んで投入した
のが現本部長で、「今まで『やる』と言って実現しなかったこと
はひとつもない」と豪語している、とかいう人物でした。

そして新本部長が着任して1ヶ月程度で、突然出てきたのが
この「都立の新しい大学の構想について」です。これが突然
プレス発表(知事の記者会見は以下をご覧ください)

http://www.metro.tokyo.jp/GOVERNOR/KAIKEN/index.htm

されるまで、大学側は学長以下まったく何の情報もなく、
大学管理本部のお役人でさえ下の方は何が起こっているの
かわからない、というような密室の中で作られた案が、
大学側にひとことの相談もなく突然プレス発表された
わけです。しかも(上記の記者会見を見ていただければ
わかりますが)、「いやならおやめになったらいい」と
いう知事のやくざまがいの恫喝のおまけまでついています。
これがファシズムでなくていったい何でしょうか?

その内容も、(「ちゃぶ台をひっくり返す」という噂通り)
今までの数年間の積み重ねを完全に反故にした滅茶苦茶な
ものです。はっきりしているのは管理強化、人件費削減、
労働条件悪化の意図だけで、あとは、(1ヶ月で「まったく
新しい大学」の構想をゼロから作る、などという荒唐無稽
な話ですから必然ではありますが)実にお粗末きわまりない
出まかせアイデアのオンパレードです。

これから何とかこの滅茶苦茶な案を、全学で一致団結して
押し返していかなければなりません。このような案がこの
まま通ってしまえば、それが全国の国公立大学の改革・
法人化に与える悪影響は甚大だと思います。教職員組合
中央執行委員会としての抗議声明 を以下に貼り付けます。
どうか皆様のご支援のほどどうぞよろしくお願い申し上げ
ます。

東京都立大学  長谷川 宏

「都立の新しい大学の構想について」に対して抗議する

1)「都立の新しい大学の構想について」の内容について

「まったく新しい大学」を標榜しながら、その内容は、「都市」、
「教養」等、さんざん取りざたされてきたキーワードのつぎはぎと、
「観光・ツーリズム」、「メディア・アート」、「産業系デザイン」
等、各種専門学校等でなされてきた教育の「剽窃」に過ぎない。結
局、予算削減、大学教職員の労働条件の悪化をねらいとする「改悪
案」そのものであり、本質的な「改革」の名に値するものは、どこ
にも見当たらない。

2)「都立の新しい大学の構想について」が出された経緯について

組合は大学管理本部主導で策定された「大学改革大綱」に反対して
きた。それはそれとして、今までの大学「改革」案は、きわめて不
十分ながらも、大学側が意向を表明する場が設けられ、そこでの意
見を多少なりとも踏まえて作成が進められてきた。しかし今回出さ
れた「構想について」は、執行部を含め当事者である大学を完全に
閉め出した「密室」で作成され、大学側に何の相談もなくいきなり
出されたものである。もし今までの「改革」案に問題があるという
のなら、問題があると考えた側が大学側とひざを突き合わせてどこ
に問題があるのかを話し合った上でその解決をはかるべきである。
これまで検討されてきた大学「改革」は、都立4大学の統合・改組
であった。今回発表された「都立の新しい大学の構想について」は、
当事者である大学にひとことの相談もなく出され、手続き的にも正
当性があるとは到底認められない。大学管理本部は、このような乱
暴なトップダウン方式で、大学改革が本当にうまくいくと考えてい
るのであろうか。

3)一方的な賃金・労働条件の変更は認められない

 「都立の新しい大学の構想について」では、教員の任期制や年棒
制の導入と業績主義の徹底が盛り込まれている。また、「大学改革
大綱」とは、全くことなる学部構成とそれに伴うキャンパス配置も
発表された。教員の任期制や年棒制の導入、新たなキャンパス配置
に伴う勤務地の変更などは、賃金・労働条件の著しい変更であり、
労働組合との協議すら開始しない段階で、一方的に発表することは
許されない暴挙である。大学管理本部に対して、厳重に抗議する。

4)政治的、社会的、法的問題について

7月1日参議院総務委員会における「地方独立行政法人法案」の採
決にあたり、以下のような付帯決議がなされた。

 二、地方独立行政法人への移行等に際しては、雇用問題、労働条
件について配慮し、関係職員団体又は関係労働組合と十分な意思疎
通が行われるよう、必要な助言等を行うこと。

. 六、公立大学法人の設立に関しては、地方公共団体による定款の
作成、総務大臣及び文部科学大臣等の認可等に際し、憲法が保障す
る学問の自由と大学の自治を侵すことがないよう、大学の自主性・
自律性を最大限発揮しうるための必要な措置を講ずること。

新構想は新大学の根幹をなす学部構成や、教職員の労働条件等につ
いて、当事者である大学側の意向を形式的に聞くことさえせずに出
されたもので、以上の付帯決議の趣旨に違反することは明白である。
「地方独立行政法人法案」や「国立大学法人法案」の国会審議で指
摘された問題点を、全く顧みないものであり、大学関係者のみなら
ず、良識ある多くの国民・都民の批判は免れることができない。以
上の点から、私たち都立の大学に働く教職員は、「都立の新しい大
学の構想について」の撤回と、都立4大学教職員との協議と合意に
基づく、新大学設立準備を、強く求めるものである。

2003年08月03日

国公私立大学通信8月3日序

全文
大学関係者 各位

4月に西日本のある国立大学から私立大学に転勤した方
から「通信」の配信停止を求める連絡を頂きましたが、
私立大学の教育や雑用の責務の重さは国立大学の比では
ないが、様々な意味で国立大学にはない自由が有り、元
に戻りたいとはおもわない、と書いておられました。

これまでの国立大学に「自由」がなかったのか、なかっ
たとしても、どういう「自由」がなかったのか、それに
ついての認識は人によって様々のようです。法人化が、
国立大学に不足している自由をもたらす、と期待してい
た人、あるいは今なお期待している人、もおられるよう
ですが、少くとも、この方が、国立大学に不足している、
と考えている自由が「国立大学法人」化によって増すも
のでないことは、この方の身の振り方自身が示している
ように思いました。

一昨日の閣議で、主務省と総務省の2つの評価委員会に
よる独立行政法人の評価でも不十分である、という考え
から、内閣府にある行革推進本部自身が最終的な評価を
下すように独立行政法人制度を修正する方針が決まりま
した[1]

国家機関の民営化か廃止かを判断するための過渡形態と
して設計された独立行政法人制度の趣旨を忠実に活そう
という方針です。したがって、独立行政法人という法人
の大半は、数年後にはなくなってしまう可能性が高くな
った、ということができます。

この方針が国会で承認されれば、国立大学法人にも当然
適用されますので、国立大学関係の「評価」は学内評価
と大学評価学位授与機構による評価も含めれば5段階と
なります。しかも6年後に,行革推進本部から民営化が
適当と宣告されるのは、独立採算でもやっていけると判
断される「大手」の大学かもしれません。

国立大学から私立大学への転勤者は独立行政法人化政策
が表面化した1999年以降増えているようですが、それを
更に増やしかねない新政策が間断なく繰りだされます。

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国立大学法人法が成立した直後の、文科省の杉野氏の文
章に、「学内資源の再配分の決定は、厳しい反発を招く
決断であっても、大学自身の手で決着をつける自主・自
律の体制を確立しなければならない。」[6]とありまし
たが、ずいぶん寒々しく貧相な「自主・自律」になった
ものです。大学への説教に終始するのではなく、法人化
後の急速な大学予算削減が不可避な状況下[1]にあって
「教育行政は、この自覚のもとに、教育の目的を遂行す
るに必要な諸条件の整備確立を目標として行われなけれ
ばならない。」と教育基本法が命じている困難な責務の
遂行への文科省の並々ならぬ決意を示していただきたかっ
たと思います[6-1]

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最近、「日本は深刻な危機にある」という主張が、正反
対の視点からされることが多いようです。個人より国家
が優先される体制の整備が加速度的に進んでいることに
危機感を持つ人たちと、「内憂外患」に対処できる国家
体制の整備が遅れていることに強い危機感を持つ人たち
とが居ます。両者は、政治、行政、司法、メディア等の
問題点について認識を共有する部分はありますが、各々
相手側の危機感自身を危機の主因と考えている点で、根
本的に相容れない、と言うことができるかも知れません。

たとえば、先日http://ac-net.org/kd/03/722.html#[6]
で紹介した「騙されやすい日本人」は後者の危機感の典
型です。この危機感には世論に浸透しやすい平明さがあ
りますが、それが津々浦々に浸透したときに日本に何が
起きたかーーその記憶は日本ではまだ完全には風化して
いないはずです。しかし、米国の人たちの大半が、この
種の危機感に過度に感染し、正常な判断が出来なくなっ
ている状況で、日本でも、それが急速に広がっています。
「有事法」が圧倒的多数で可決されたことはその広がり
を如実に示しています。

社会の「危機」と大学との関係は複雑です。後者の危機
に対し、大学は専門的な協力が期待され、財政誘導・行
政指導・行政命令等、制度が許す種々の強制力を持って
協力が求められていく可能性は消えることはありません
[1]

一方、前時代的に聞こえるかも知れませんが、「精神的
自由」は大学のアイデンティティと不可分ですので、大
学関係者は前者の危機感を自然に持ちます。しかし、こ
の危機感に基いて具体的にできることは限られています。
特に、国立大学が会社と同じように「組織の利害」を最
優先して運営される国立大学法人となるため、大口の
「出資者」である政府の政策を吟味する研究は、以前に
も増して困難になるでしょう。

しかし、大学のアイデンティティと不可分の「精神的自
由」をグランドデザインに掲げ[7]、日本社会からの直
接的な支援を得るに到る「国立大学」が登場する可能性
は、大学内外の状況と国立大学法人制度の構造を考えれ
ば皆無に近いように思いますが、そういう大学が出現し
て、日本社会が、安全で強固だが個は全体の一部でしか
ない蟻の社会のようになっていくことに歯止めがかかる
ことが望まれます。(編集人)

2003年08月02日

藤田正一(北大前副学長)「「総長メッセージ」を読む」

(国公私立大学通信 2003.8.1)

中村総長にはまず、国大協臨時総会直後に「総長メッセージ」をホームペー
ジ に掲載されたことに敬意を表したい。本メッセージは大枠に於いて「国立大
学法人化についての国立大学協会見解」の視点を基本に、文科大臣の挨拶を解
説し、最後に本学の取るべき姿勢について述べたものであるが、総長自身の考
え方が見えなくも無い。法人化に向けて、大学の利益代表ともなる総長として、
発言できることはかなりの制約を受けると考えられる。自大学の不利になるよ
うな発言は控えたいと言うのが多くの大学長の思いであろう。が、言わざるを
得ないこともある。「国大協見解」に於いても、そのような思いが集約されて
いるような気がする。このような理解の下で「総長メッセージ」は読まれるべ
きであろう。私の独断と偏見による本メッセージの読みは以下のようなもので
ある。

まず、国立大学法人法を『国が設立し、責任をもって財政措置を行うことを前
提としている独立行政法人制度を活用しながらも、大学の教育研究の特性を踏
まえた基本的な枠組みを明確に位置付けた独自の法人制度であり、学問の自由
を守り、大学の自主性、自律性が尊重される制度である』と位置づけた文科大
臣の挨拶を額面通りに評価していることについて批判する人もあるが、これは
ここで大学としては額面通り取るべきで、特に後段「学問の自由を守り...」
については、このような「言質」を取ったことを記述しておくことは重要であ
る。 ただし、中村総長が何の疑問も主張もなく大臣挨拶を額面通り評価した
わけで無いことはメッセージ後段で、「学問の自由に基づく大学の自主性・自
律性が尊重される法人制度になるかどうかは、その運用の実際にかかわること
であり、...」と、最初の部分は文科大臣の挨拶文とほぼ同じ言い回しを用
いて、その実現にはこの法律の運用が重要であることを主張していることで分
かる。裏返して言えば、法律家である総長がこの法律は運用次第ではとんでも
ないことになるということを指摘していることになる。その危機感から国大協
も運用に付いての要請文を出さなければならなかったのであろう。国大協の構
成員が諸手をあげて大学法人法に賛成したのでは無いことは、「国立大学法人
化についての国立大学協会見解」に付帯されている40以上の小項目からなる
「国立大学法人制度の適切な運用について(要請)」にうかがえる。

 この法律の運用の重要性に次いで総長は「大学側がなすべきことは、自主的・
自律的に自らの改革を行っていくことであります。 」としている。法的制約
の中でも、学問の自由、大学の自治の幅を自ら狭めることなく、大学は主張し、
行動し、既成事実を積み上げ、この法律の「緩やかな運用」を定着させようと
いう主張と私は解釈する。法律の運用は多くの場合、前例が重要であり、でき
たばかりの法律では、これからの運用が前例となって行くのであるから、悪し
き前例を作らぬ様、細心の注意と、大学の主張を認めさせる努力が必要である。
大学法人法の問題点を指摘しつつも当面の現実的対応策としてはそのような手
に出るより他あるまい。

 驚くべきことに行政改革に端を発した今回の大学法人化論議には「大学にお
ける教育研究の質的向上」と言う大学改革に最も重要な視点が欠落していた。
経済窮乏の時とは言え、国立大学の統制強化や経営効率化、経済界への貢献を
主眼とするあまり、教育研究の質をおろそかにすることは、国家100年の向
後に憂いを残す。学問の自由を守ることの重要性とともに、このことについて
は私もインターネットや学内の会議等で3年前から何回か指摘してきた。大学
法人化の審議にあたった国会議員に対して送ったファックスでも主張してきた
が遂に法案には考慮されなかった。論議の終盤になって国大協も本学もようや
くこのことに意を砕くことができるようになったと見える。総長メッセージに
は、「法人移行の準備とともに、本学が従来から取り組んできている改革に
「新たな視点」を加えて、推進する必要があります。新たな視点のキーワード
になるのが、「真に学生のための教育」および「世界水準の研究」でありま
す。」と書かれている。国大協見解にもこれらのことが書かれている。この両
者の追求は、経営効率化を目指す今回の法人化の精神とは相容れないところが
あり、遅きに失した感があるが、大学の基本に戻って検討し、主張することが
必要である。そして、その(特に教育の)検討の中に、大学の最大の構成員で
ある学生の代表を加える必要があると私は思う。

 最後に、「部局の都合や関係教員の都合で、北海道大学として必要とされる
教育改革を 阻止しないことが肝心と考えています。」という文言は「部局の
自治」に基づいた大学運営に親しんだ我々にはかなり厳しい響きを持って受け
取れるが、また、「部局のエゴ」が本当に北海道大学として必要な改革を実行
する上で障害になってきた事実も見逃せない。また、これまでの大学運営の様々
な局面で、総長のリーダーシップが必要とされた場面は少なく無い。従来のよ
うな本学の意志決定システムでは総長のリーダーシップは極めて取りにくく、
即断即決の必要な時に機を逃してしまうことがすくなかったとは言えない。総
長が大学の総意を代表すると言うシステムでは、本学の総意集約のために相当
の準備がいる。行政の不意打ち的な手法には対処できない。また、本学として
戦略的に取り組むべき課題についても超部局で大所高所に立った企画が必要で
ある。部局の自治に基づくボトムアップのシステムはもちろん温存しつつ、トッ
プには責任の所在と、責任の取り方(リコール制等)を明確にして、必要な権
限を委譲することも必要では無かろうか。

以上、私の解釈が的を得たものかどうかは明らかでは無いが、総長のメッセー
ジを深読みしてみた。これから国立大学は猛スピードで法人化対応に走るであ
ろう。目先の利益に惑わされず、大学としてのあるべき姿をきちんと踏まえた
フィロソフィーのある制度設計としていただきたいものである。大学が法人化
の流れに抗しきれなかった主因は、このフィロソフィーの(主張の)欠如にあっ
たと私は思う。」
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#(関連記事:渡邊信久氏サイト日記風雑記7/22「総長メッセージ」

asahi.com : 朝鮮学校卒の入学資格、大学判断で 文科省検討

asahi.com 08/02 06:09


「国内の外国人学校の卒業生が大学入学資格(受験資格)を得られない問題で、文部科学省が、欧米系インターナショナルスクールの卒業生だけでなく、朝鮮学校などアジア系民族学校の卒業生でも資格を得られるようにする方向で検討していることがわかった。朝鮮学校卒業生の場合には、各大学の判断で資格が与えられる仕組みを構想している。


 文科省は現在、案の可否を政府や与党の関係者に打診中。実現の見通しが立てば、来年度の入学者から対応するため、すぐに関係する省令や告示を改正するなどの具体的な作業に入るとみられる。・・・」

asahi.com 8/1:「単位バンク」で柔軟カリキュラム 統合後の都立新大学

2003.8.2

「・・・大学の管理は強化する。経営のプロを理事長に招いて事務当局の発言力を確立する。教授らには業績主義を徹底して年俸制、任期制を導入。旧来の「教授―助教授―助手」といったピラミッド型の「徒弟制」は廃する。従来の大学運営から様変わりすることになり、一部では「学問の自治を侵す」と批判も起きそうだ。」

2003年08月01日

文部科学省高等教育局主任大学改革官の視点 

『文部科学教育通信』2003年7月28日号 No.80 特別寄稿 
「国立大学法人法の成立の意義と今後の課題」
文部科学省高等教育局 主任大学改革官 杉野 剛

抜粋
大学界全体の運営革命も射程においていること
「法人化の意義の第四は、この改革が、国立大学にとどまらず、公立大学、私
立大学のマネジメントにも影響を与え、我が国の大学制度全体の活性化に繋が
る可能性を持つ、という点である。日本の大学のマネジメントは、設置形態の
違いを越えて意外なほど共通の課題が多い。過度のボトムアップ・システムに
よる硬直的・分散型の大学運営、社会に対する情報公開の意識の低さ、外部か
らの業績評価に対する異常なまでの臆病さ、大学のトップ人事や教員人事の閉
鎖性、教員以外のスタッフの能力を活かしきれない運営体制、等々。こうした
点で、国立大学の法人化が、大学マネジメント改革の大きなうねりとなること
を期待している。」

今後のリストラの責任は大学に
「法人化後は、学内での難しい意見調整や厳しい意思決定を文部科学省の査定
に委ねるという形で外部に責任転嫁することができなくなるので、組織の新設・
拡大、経費の抑制、不要ポストの削減といった学内資源の再配分の決定は、厳
しい反発を招く決断であっても、大学自身の手で決着をつける自主・自律の体
制を確立しなければならない。」

2003年07月26日

東京外大教授会が外国人学校受験資格許可要請を決議

(共同通信07月25日) 外国人にも受験資格を 東京外大教授会が決議(7/26)

朝鮮学校などの外国人学校卒業生が大学受験資格を無条件で得られない問題で、
東京外国語大の外国語学部教授会は25日、文部科学省と池端雪浦学長に門戸開
放を要請する決議をした。

この問題では京大の部局長会議も今月、門戸開放が適当と決めたばかり。今回の
決議は大学独自の受験資格認定も促し、さらに踏み込んだ内容。東京外大は外国
語学部だけの大学で、教授会の決議によって学長も何らかの対応を迫られるとみ
られる。ほかの大学にも影響を与えそうだ。決議文は文科省の方針に沿ってすべ
ての国立大が受験資格を認めていない現状を「教育の機会均等に反し差別的」と
指摘。文科省に認定を求めたほか、文科省が応じない場合は「本学独自の判断で
受け入れるべきだ」と学長に要請している。

Posted by tjst at 07月26日
URL:http://www.ac-net.org/dgh/blog/archives/000036.html
他の分類:大学の自治 , 大学内行政

福岡県立大学が外国人学校からの受験許可方針を断念

(共同通信7月25日) 外国人学校に受験認めず 県の指摘受け、決定変更(7/26)
福岡県立大(同県田川市)が、2004年度以降の推薦入試で朝鮮高級学校など
外国人学校からの受験を認めることをいったん決めながら、福岡県からの指摘を
受けた後で断念していたことが25日までに分かった。

同大は、国の法令で大学入学資格が認められていない外国人学校の卒業生に、一般入試の受験を認めているが、新たに推薦入試でもこれらの学校を対象に含めることを5月の評議員会で決定。

ところが、6月下旬に福岡県学事課から「(改定は)法令によく注意してやるように」と指摘され、学内で再検討した結果、当初の決定を覆すことを決めた。

同大によると、一般入試は個人を対象としているのに対し、推薦入試は学校単位のため、法令で認められていない学校を対象とするのは難しいと判断したという。橋口捷久学長は「このような結論に達したのは仕方がない。県が大学の自治に介入したとかいうことではない」と話している。

Posted by tjst at 07月26日
URL:http://www.ac-net.org/dgh/blog/archives/000035.html
他の分類:大学の自治