Academia e-Network

国立大学独立行政法人化の諸問題: メディアの情報操作


5/18 [AcNet Letter 111] メディアテローーメディアによる瞬間的国民洗脳ーーによるクーデタ未遂事件 2002年ベネズエラメディアの情報操作
5/04 「朝まで生テレビ」番組作成者へ公開質問状メディアの情報操作
4/20 服部孝章氏>私人の思想や行為を「公」あるいは国家の意思が押しつぶしていくサマを、傍観していいはずがない。イラク戦争 , メディアの諸問題 , メディアの情報操作 , 荒廃の諸相 , 中央行政の諸問題
2/06 首相が読まずに批判した、5358名連署の高校生起草請願書全文イラク戦争 , メディアの情報操作
1/16 イラク戦争の「正当性」をわかりやすく説明ーーNHK週刊子供ニュースイラク戦争 , メディアの諸問題 , メディアの情報操作 , 研究者から社会へ
12/29 読売記者の言「それでは記事の趣旨に合わないんですよね」メディアの情報操作
12/29 平気で嘘をいう人々で構成された内閣イラク戦争 , メディアの情報操作 , 荒廃の諸相 , 平気で嘘をつく指導者達
12/21 音楽記事も利用しての情報操作メディアの情報操作
12/21 政府のスポークスマンを演じる記者イラク戦争 , メディアの情報操作
12/20 「朝日のイラク攻撃反対はニセモノ」イラク戦争 , メディアの諸問題 , メディアの情報操作
12/18 国立大学の独法化を煽ったジャーナリズムメディアの情報操作
12/13 放送と人権等権利に関する委員会機構、NHKの放送倫理違反認めるメディアの情報操作
12/12 NHK の情報操作:「ようこそ日本人」が「ようこそ自衛隊」にイラク戦争 , メディアの情報操作
10/27 読売新聞社の不公正報道に強く抗議するメディアの情報操作
10/23 神奈川新聞社への横浜市立大学教員組合書簡メディアの情報操作 , 地方独立行政法人制度 , 任期制の諸問題 , 不当な支配に直面する横浜市立大学
10/18 「ニュースをどこまで信じていますか?」メディアの諸問題 , メディアの情報操作
9/06 自民党行政改革推進本部が廃止を宣告した独法は廃止されるのか?メディアの情報操作 , 国立大学法人制度の欠陥
8/01 「NHKは神か」メディアの情報操作 , 荒廃の諸相
7/30 野村一夫「ジャーナリズムの構成要素は報道と言論である」メディアの情報操作
7/30 島田三喜男「新聞は戦争責任を忘れたのかーーマスメディアの体制化の一考察」メディアの情報操作
7/29 意見広告の会事務局より:新聞記事調査への協力依頼メディアの情報操作
7/29 読売新聞はいつまで情報操作を続けるのか?メディアの情報操作 , 学長の権限 , 大学内行政
7/27 朝日新聞、NHKなどの虚偽報道について[35年前も「東大総長の信任投票」は行われていない]メディアの情報操作 , 学長の権限 , 大学内行政
7/26 イラク特別措置法可決における与野党談合?メディアの情報操作 , 荒廃の諸相 , 国会審議の形骸化
7/25 NHKより巧妙な朝日の粉飾報道:東大総長の「信任」メディアの情報操作
7/24 東大評議会についてNHKが誤報メディアの情報操作
7/24 意見広告の会より:地元紙の3−7月の報道状況のチェック依頼メディアの情報操作
7/24 行政を代弁して憚らない記者達メディアの情報操作 , 荒廃の諸相 , 国立大学法人法
7/23 朝日7/21「自立に向け意識改革を」についての質問書メディアの情報操作
7/23 毎日: <弁護士資格>大学教授への特権廃止 政府メディアの情報操作 , 司法制度の形骸化
7/22 黒田清「批判ができない新聞」メディアの情報操作 , 荒廃の諸相 , 国会審議の形骸化 , 天下り , 本の紹介
7/22 落合恵子(作家)氏他:社民党の辻元さん等の逮捕に対する声明および賛同のお願いその他 , メディアの情報操作 , 司法制度の形骸化
7/22 「法を守る」とは何かが問われているメディアの情報操作 , 国立大学法人法 , 司法制度の形骸化
7/21 宮脇磊介「騙されやすい日本人」よりメディアの情報操作 , 荒廃の諸相 , 本の紹介

2004年05月18日

[AcNet Letter 111] メディアテローーメディアによる瞬間的国民洗脳ーーによるクーデタ未遂事件 2002年ベネズエラ

Academia e-Network Letter No 111 (2004.05.18 Tue)
http://letter.ac-net.org/04/05/18-111.php
ログ趣旨登録と解除

【1】投稿5/17:「ある大学のある学部では、国立大学時代に任期付ポストに同意していた95%の教員のうち20%が法人化時に同意を撤回し4月1日付で任期のつかない辞令を受けた。」

【2】横浜市による大学改革市民アンケート情報操作疑惑
横浜市立大学の未来を考える『カメリア通信』より

 【2-1】第19号 2004年5月14日
「大学改革市民アンケート情報開示請求顛末記」(その1)

http://www5.big.or.jp/~s-yabuki/doc03/came-19.pdf

 【2-2】第20号 2004年5月17日
大学改革市民アンケート情報開示請求顛末記(その2)

http://www5.big.or.jp/~s-yabuki/doc03/came-20.pdf

【3】ベネズエラ「チャベス政権」を襲ったクーデターの裏側
#(2002年にベネズエラでおきた「メディアテロ」ーーメディアによる瞬間的国民洗脳)
http://atfox.hp.infoseek.co.jp/xfile/terro/venezuela.htm
#(メディアによる瞬時的国民洗脳により2002年4月にベネズエラのチャベス政権はあやうく崩壊するところであった【3】。メディアによる瞬時の国民洗脳は「メディアテロ」と呼ばれることがある。

今回の人質バッシング事件はメディアによる瞬時的な大規模国民洗脳の典型であり、日本でもメディアテロが十分可能であることが確認された。「本番」に使われないような対策を講じることが日本社会全体にとっての緊急課題であろう。時間は余りないかも知れない。)

2004年05月04日

「朝まで生テレビ」番組作成者へ公開質問状

http://ac-net.org/honor/ より

(2004.5.3(午後3時)に、Fax, 郵便、番組意見コーナーへの投書、により伝達)

           公開質問状

テレビ朝日
「朝まで生テレビ」番組作成者 殿

         イラクから帰国された5人をサポートする会
                  代表世話人 醍醐 聰
            (東京大学大学院経済学研究科教授)

   私たちの取り組みについては http://ac-net.org/honor/ をご覧下さい。

貴社で5月末日まで行っているウェブアンケート、TV Asahi サイト「朝まで生テレビ」 http://www.tv-asahi.co.jp/asanama/ 「人質とその家族に対するバッシングをどう思いますか?」について、以下の点につき疑問がありますので、5月5日までに、ご回答ください。ご回答は公表いたします。

上記期日までに納得のいくご回答がない場合は、アンケートの実施方法の不当性についての声明を出し、中止を要請する署名運動を開始するほか、法的対抗手段も検討しますのでご承知おきください。

(1)そもそも、 「人質とその家族に対するバッシング」は賛否を問う以前の人権侵害の問題です。とくに、「非難は当然である」という設問を設けること自体、個人の人権を侵害するバッシング行為の機会を提供する、あるまじき行為です。したがって、このような質問は直ちに中止すべきと考えます。これについての貴社の諾否の意思を明確にお答え下さい。

(2)投票者が実在することをどのように確認しておられるのか、お聞かせ下さい。現在、貴番組が採用しておられる実施方法では投票結果に影響を与えようとする組織的関与を排除できないと考えますが、こうした関与を防止するために、どのような方策をとっておられるのか、お聞かせ下さい。

(3)「このページで入力して頂いた個人情報は、テレビ朝日または提携先から、各種サービスに関する情報などをお知らせするためと、本サービスを行うため以外には利用致しません。テレビ朝日 on the web上で取得した個人情報の保護の詳細については、こちらのページをご覧下さい。」と記載されていますが、政治的見解を表明する場で得た個人情報を、貴社以外の者に渡すことは不適切と考えます。こうした方針自体が政府を批判する意見を投票することをためらわせる要因になると考えます。したがって、貴社以外の者に渡すことを直ちに中止すべきと考えますが、いかがですか?

(4)なぜ、Q2 には、Q1 と同様に選択肢を設けて集計できるようにしなかったのでしょうか?

(5)この投票には意見欄がありますが、その内容は公表されるのでしょうか?

回答は前記期日までに、daigo@... #(転載時略)へE・メールでお寄せ下さい。なお、それと併せ、念のため下記へ郵送およびFAXでもお寄せ下さい。

  113−0033
  文京区本郷7−3−1
  東京大学大学院経済学研究科
  醍醐 聰
  FAX:......#(転載時略)
                            以上

2004年04月20日

服部孝章氏>私人の思想や行為を「公」あるいは国家の意思が押しつぶしていくサマを、傍観していいはずがない。

服部孝章氏(立教大学教授)「現場」への意思 否定できぬ
毎日新聞 2004.4.20 メディアを読む/放送   抜粋

「無事」に帰国したイラクでの人質3人を心なき言葉が迎えた。・・・・・批判も自由だ。でも「現場」に行こうとした意思そのものを根本から否定するかのような発言は、1945年以前の 国家総動員法の時代への回帰だ。

政府が繰り返している勧告に従わなれば犯罪者なのか。関西空港や羽田空港での3人の様子は国家機関に保護された「囚われ人」であった。・・・・・3人が政府の保護下になってからの憔悴しきった表情からは、自由意思までもその管理下になったようにさえ見えてしまう。イラクで人質になった5人はこれまで、インターネットのホームページなどに多くの意見や情報を掲載してきた。・・・帰国の際の飛行機での"隔離"などは、それは「解放」と同時に見えざる手によって「幽閉」されたようにも見える。・・・・・私人の思想や行為を「公」あるいは国家の意思が押しつぶしていくサマを、傍観していいはずがない。・・・・・(・・・・・は省略部分)

2004年02月06日

首相が読まずに批判した、5358名連署の高校生起草請願書全文

(2/7 trackback を読み加筆修正)
関連記事:<小泉首相>高校生のイラク復興支援署名で教育に注文 (毎日2004.2.3)
もしも教育現場に注文をつけることがあるとすれば、NHKのように政府見解を子供に教えることではなく、未来の指導者がこのようなことをしないよう、まず人の話を聞いてから物を言う、という最低限のモラルを徹底することではないだろうか。(しかし、これは釈迦に説法です。)

請願書全文:Blog:TIAO 2/3: 高校生から自衛隊撤退求める請願書に小泉首相は読まずに反論・・・誠実さの欠如
gk68.pepper.jp 2/3 小泉さん、そりゃあまりにも、、、
敬天愛人格物致知 2/3 イラク戦争と教育
閑話休題Blog 2/3 小泉首相高校生の誓願に…&群隊

(NHK の週刊子供ニュース1/24,31 の記録では、政府見解と距離を置き、反対意見取少し取り上げて子供に自分で考えることを促している:
自衛隊がイラクに行くことについて '04/1/24 放送
自衛隊はイラクで何をして、どんな安全対策をとるの?'04/1/31 放送

2004年01月16日

イラク戦争の「正当性」をわかりやすく説明ーーNHK週刊子供ニュース

ウェブログ「敬天愛人 格物致知」2004.1.7
週刊子供ニュースとイラク戦争

・・・・・見るとはなしにNHKの週刊子供ニュースを見るのですが、そこでお父さん役の解説者が判りやすく?イラク戦争の正当性を説明していました。曰くフセインは悪者であるから、やっつけねばならないと。NHKは事実上の国営放送ですから、日本政府寄りの説明となるのだと思いますが、子供に対してこういうある意味で一方的な報道とはいかがなものか?と思います。おかげでうちの子はイラク戦争は良いことだと単純に納得しているかもしれません。 ・・・・・

(2004.2.7 追加:自衛隊がイラクに行くことについて '04/1/24 放送 では、政府の見解と距離を置いた説明をしている。)

2003年12月29日

読売記者の言「それでは記事の趣旨に合わないんですよね」

blog::TIAO: 「BRAHMAN北京コンサート」マスメディアに歪曲された中国報道-3・・・読売新聞への抗議とそれへの回答

読売新聞記者の取材が「目的が先にある記事」のためであったことが、この取材を受けた2名の証言でかなり克明になった。抗議メールへの反論メールに読売記者が挙げた「反日の認識」への言及があったという点は、言及したXiao_Long氏が次のように証言している。

「反日の認識について、僕は読売新聞の記者に話しました。
実際に、あったことでしたから。

ただしそれは一部のところ(ステージ上から見て右側)から始まったこと、そしてそれが波及したこと(つまり殆どの人がノリでやってしまった感があること)、それとライブの途中から騒ぎが収まり、最後は拍手もあって成功したライブであったことももちろん伝えました。そうしたら「それでは記事の趣旨に合わないんですよね」、と言ってましたけど。・・・・・

cf:Xiao_Long氏によるコンサートの詳しい報告 Brahman in
MIDI 2003 Modern Music Festival (迷笛現代音楽節2003) (2nd Oct '03)- 中国での初ライヴ

平気で嘘をいう人々で構成された内閣

北海道新聞 2003.12.29 首相がサマワ訪問検討 4月にも派遣隊激励で

今なぜ行かないのだろうか。イラクへの自衛隊派遣の中止を求める声が高まる中、世論対策で「行くつもり」など言っても誰が騙されるだろうか。防衛庁長官は7月15日、イラク特別措置法の審議中に、「自衛隊の派遣前に自らがイラクを視察したい」と公言しながら、約束を果たさず自衛隊員をイラクに派遣した。「平気で嘘をつく人々」から構成される現内閣を守っているのは、政府から恩恵を受け政府の嘘を暴くことなく政府を庇う「平気で嘘をつく」大手メディアである。

2003年12月21日

音楽記事も利用しての情報操作

blog::TIAO: マスメディアによるデタラメな中国報道 2003.12.21

読売新聞は最近、政府の御用新聞と揶揄されることも多いのだが、一応は日本を代表する三大新聞の一つのはずである。この記事の捏造ぶりは一体なんなのだろうか?・・・・・悪意を持って、ちょっとしたネタを日中間の問題にでっち上げようとしているのじゃないだろうか。これは情報操作以外のなにものでもない。しかも北京駐在の浜本良一記者の署名記事で書いているのだが、自分自身がロックコンサートの会場に足を運んで目撃したものでもないことは記事から明らか。・・・・・こうしたデタラメナ記事がマスメディアに載って世論形成に影響を与えるということは大問題だ。そんな小さなことでという問題ではない。こんな小さなことでも、そんなことをするのならば、「一事が万事」という俚諺もある。他の記事だって怪しいものだと、ぼくらは思ってしまうだろう。

読売新聞は国立大学について度々虚報を流してきたが、もしかすると理由があって国立大学についてだけ情報操作をしている可能性もあるとも思っていた。しかし、どうやらそうではなさそうである。先日も、読売記者が他社に移ったと言う記事があった。このような情報操作が常態化しているとすれば、ジャーナリストとしての良心のある記者はいたたまれずに外に出てしまうのではなかろうか。あるいは、すでに出てしまった後なのだろうか。かつて読売新聞にいた黒田清氏はこう証言している。

読売新聞の幹部がどういう考えで新聞をつくっているかというのは、社内に発表される社内報で知っていますから。それに私自身が辞める前は編集局次長で首脳会議に何年か出席していたわけですからね。その時に驚いたのは、新聞記者、ジャーナリスト、マスコミの役割は−−あの人たちにはジャーナリストもマスコミもみんな一緒です−−政府が行政を行うのをサポートすることだ、と言われたことです。私は三十年以上政府権力をチェックするという考え方だったんですけれど、最後の数年は、サポートするんだとトップは考えて紙面を作るようになっていた。

黒田清「批判ができない新聞」、日本との対話:不服の諸相 ロナルド・ドーア編 岩波書店 1994年

政府のスポークスマンを演じる記者

12月21日のサンデーモーニングで、毎日新聞の岸井成格 という人が再び「新聞界は自衛隊イラク派遣の支持を決断した、今後の日本の国益には不可欠だと判断したからだ」という趣旨の発言をしていた。世論に抗して「新聞界が内閣の決定を支持する」などという発言自身が驚くべきものだが、そのようなことを事も無げに言い、しかも内閣の主張を鸚鵡返しに伝える以上、ジャーナリストの看板を降ろし政府スポークスマンと名乗るべきではないか。
 半年前の以下の発言とはどう整合するのか?政府を支持する、政府は説明が不足しているから自分が説明してあげよう、という以外に一貫した姿勢があるのか?
矛盾に満ちた日本の国是 2003,年3月11日 毎日新聞より

「日本政府は一貫して国連中心の平和解決を望み、一方でアメリカに自制を求め、他方で国連が一致してイラクに圧力をかけ続ける必要性を説いてきた。この姿勢は間違っていないと思う」
 問題は、なぜ政府はそうした経過を国民に分かりやすく説明しないのか、またアメリカに自制でなく武力行使反対と言えないのか、ということだ。

2003年12月20日

「朝日のイラク攻撃反対はニセモノ」

【月刊あれこれ Mail Magazine】2003年12月20日(土)発行
星徹(ルポライター) 米国のイラク侵略を是認する朝日新聞 より

私は以下の文章を朝日新聞「私の視点」欄あてに投稿したが、予想どおり掲載されなかった。
【朝日のイラク攻撃反対はニセモノ】(2003年4月15日投稿)
・・・・・私が疑問に思うのは、開戦前には「この戦争には理がない」などと述べてい たのが、攻撃が始まるやいなや、攻撃の「部分容認」に転換している点だ。そして、侵略される側にお説教をする一方で、侵略する側には大いに寛大だ。非道なことでも、既成事実を作ってしまえば追認する、ということなのか。
 そして、フセイン政権が事実上崩壊した直後の4月11日の「破壊の跡に何 を築くか」は、まれにみる駄文であった。社説の大部分は、この戦争の非道・ 不法性にはほとんど触れずに、「私たちが求めたように、フセイン氏が開戦前に 退陣・亡命していたら、膨大な人命が失われずにすんだ。残念でならない」「今 回の政権転覆は、米英軍の一方的な侵攻なしには実現しなかった」などと述べ、 現状追認の姿勢を示した。・・・・・「長いものには巻かれろ」。いっそのこと、こんな社説でも書いた方が分かりやすい。(投稿文おわり)

 朝日新聞は、「悪さ」という面において、読売新聞に近づきつつあるようだ。朝日新聞で真のジャーナリズムといえる論説をぜひ読みたいものだが、それは無理なことなのだろうか。・・・・・

無理な理由の一つ:黒田清「批判ができない新聞」

2003年12月18日

国立大学の独法化を煽ったジャーナリズム

早稲田大学広報誌『月刊Campus Now』2003年10月号
Trend Eye 国立大学法人とジャーナリスト

・・・・・・ところが他紙の記者の原稿も似たりよったりの書き方なのである。毎日新聞は「記者ノート」で「国立大教員よ、甘えるな」と叱った。読売新聞の記者は高等教育研究誌「IDE現代の高等教育」で、「国立大学法人の課題-望まれる意識改革」とこれも大学人に強く反省を迫った。

 最初はびっくりした。これでジャーナリズムかと眉につばをつけたくなった。それにしてもいい度胸だとも思った。たとえばノーベル賞受賞者の小柴東大名誉教授も研究への影響を慮って国立大学法人化に反対の意見を述べた。佐和隆光京大経済研究所教授は「かつてのソビエト連邦の経済運営を思い出させるような」文部科学省による大学管理になるのではないかと国会に出て意見陳述をしていた。同じ趣旨のことは、朝日新聞にも寄稿している。法案の国会審議が大詰めに近づいて来たころになって、急に大学人の反対論が高まるのは遅すぎたきらいはあるが、ともかく「社会の公器」と自称する新聞なら、そうした点にも配慮するのが普通だろう。・・・・・・

関連ログ(2003.7.24):行政を代弁して憚らない記者達


国立大学法人とジャーナリスト

最初に熱くなる新聞記者

 劇団四季の創立50周年記念公演で「ミュージカル李香蘭」を見た。浅利慶太氏が演出した、歴史と運命に翻弄された美女の物語が、日本と中国の関係をあそこまでリアルに描き、戦争を起こした事実と責任を問いかけていたとは知らなかった。

 満州の建国や国際連盟の脱退など、侵略の節目になると、軍人が舞台を駆け回る。その前を、かならず新聞記者らしい服装の二人の男が露払いのように現れ、あの時代に流行った、思い上がった言葉を叫ぶのである。その後で「新聞はいつも最初に熱くなる」という趣旨の強烈なナレーションがつく。

 満州建国も国際連盟の脱退も「断固やれやれ」と煽った新聞への強烈な批判である。思わず我が身を振り返った。大げさだよといわれそうだが、似たことがまったくないわけではないような気がしてくる。どの新聞も同じ事を言い出したらどうなるか。それも役所のいうことと同じだとしたら。

 国立大学の独立行政法人化をめぐる報道がそれに近い。研究者がやるような精緻な調査をしたわけではないが、独立行政法人化にはほとんどのマスメディアが早くから賛成していた。

 足並み揃った「大学人の責任」

 国立大学法人法が国会で成立したのは7月9日だが、その後で朝日新聞は「自立へ向けて意識改革を-法人化される国立大学」という文部科学省担当記者が書いた解説記事を載せた。法人として国立大学を生かせるか否か。すべては国立大学自身にかかっているという指摘である。この記事はきわめて明快で、その通りだと私も思うが、同時に指摘しなければバランスを欠くと思われる文部科学省の責任についての言及は何もなかった。文部科学省の主張と同じである。同じころ国立大学法人法の立法化に携ってきた杉野剛専門教育課長(現)が専門誌に寄稿した「国立大学法人法の成立の意義と課題」で国立大学のマネジメントの改革こそ最重要なのだと明快に文科省の主張を展開している。

 杉野論文に大枠では賛成だったとしても、ジャーナリストが書く以上、役人とは別の視線や視点が必要なのではないか。

 ところが他紙の記者の原稿も似たりよったりの書き方なのである。毎日新聞は「記者ノート」で「国立大教員よ、甘えるな」と叱った。読売新聞の記者は高等教育研究誌「IDE現代の高等教育」で、「国立大学法人の課題-望まれる意識改革」とこれも大学人に強く反省を迫った。

 最初はびっくりした。これでジャーナリズムかと眉につばをつけたくなった。それにしてもいい度胸だとも思った。たとえばノーベル賞受賞者の小柴東大名誉教授も研究への影響を慮って国立大学法人化に反対の意見を述べた。佐和隆光京大経済研究所教授は「かつてのソビエト連邦の経済運営を思い出させるような」文部科学省による大学管理になるのではないかと国会に出て意見陳述をしていた。同じ趣旨のことは、朝日新聞にも寄稿している。法案の国会審議が大詰めに近づいて来たころになって、急に大学人の反対論が高まるのは遅すぎたきらいはあるが、ともかく「社会の公器」と自称する新聞なら、そうした点にも配慮するのが普通だろう。

 独法化賛成社説の軽率さ

 それが何で文部科学省と同じことを、しかも大新聞といわれる記者たちがそろって同じことを書くのか。しかしよく考えてみると、彼らの書いたことの方が、新聞編集上の論理でいえば理にかなっているのかもしれないと気がついた。

 それは社説である。新聞は国立大学の独立行政法人化に前から賛成なのである。社説で「独法化を国立大学の変身の好機と考えよ」などと、国立大学法人法案ができるずっと以前から書いてきたのだから、法案が成立したときに一線記者が文部科学省の役人の論文まがいのことを書いても不思議ではない。他に書きようがなかったかもしれない。

 新聞がいろんな問題に主張を持つことがいけないとは思わない。しかし国立大学の独法化のようなむずかしい問題について、論議も煮詰まらない前から、大学について知識の浅い論説委員がさっさと「賛成」してしまうとは、軽率としかいいようがない。その結果は、独法化が持っている問題点を抉り出し、追及するという編集局全体の姿勢を鈍らせてしまったのではないか。独法化についてのニュース量が異常なほど少なく、報道機関としての新聞の責任が問われるような状況がなぜ生まれたのかは調べる必要があるが、社説の影響は小さくはないはずだ。

 ただ法案の国会審議中に出た朝日新聞の社説は、文科省の過去の行政責任と法案の欠陥をきちんと指摘し、これからの問題の曖昧さを突き、国立大学に「文科省支配を絶て」と呼びかけていた。独法化に賛成の社説を書いた論説委員と違う記者が書いた社説なのだろう。「賛成」ではない論説委員が示した精一杯の抵抗の文章だと私は読んだ。事なかれ主義の記者なら法案の成立を待って、「大学人の努力を示せ」といった社説を書いておけばすんだものを、狭いスペースの中で法人法の持つ問題点を目一杯並べたてて批判していた。

 「一億一心」の汽車に乗らない、すぐ熱くもならない記者がここに一人いたということか。ただ、それを喜んでいいのか、悲しむべきか。(駿)

2003年12月13日

放送と人権等権利に関する委員会機構、NHKの放送倫理違反認める

BRO放送と人権等権利に関する委員会機構第20号 女性国際戦犯法廷・番組出演者の申立て NHK の審理結果の「見解」 2003.3.31
(メディアの辺境地帯 より)

・・・・・
4. 結論と措置
本件シリーズ「戦争をどう裁くか」は、戦争を歴史的、多角的に検証し将来へ繋げようとする意図のもとにNHKが企画・放映したものと認められるが、以下の点で問題があったと考える。
申立人がNHKから出演依頼を受けてコメンテーターとして出演した第2回「問われる戦時性暴力」は、「女性法廷」を中心に据えた「裁きと和解」を主題とする番組であった。申立人は「裁き」による責任の明確化の上で「和解」が初めて可能性を持つという立場から論評したが、NHKは申立人に断りなく、「女性法廷」の意義について申立人が重要とした「裁き」による責任の明確化の発言部分を全て削除した。このような編集を行う場合には、コメンテーターである申立人に対して、その旨を説明し、了解を得る努力をすべきであった。
また、NHKは編集過程で、「女性法廷」に対し本質的な批判を述べている秦氏のインタビューVTRを挿入したことを、申立人に伝えなかったが、コメンテーターである申立人へ事前に説明して、意見を求めるべきであった。
なお、NHKは当番組の制作責任者であるから、申立人への説明を制作委託会社のプロデューサーに任せたとしても、結局は説明をしなかったのであるから、そのことについて責任を免れるものではない。
本件は、NHKが申立人への説明や了解を経ないまま編集を行ったため、前記のとおりコメンテーターとしての申立人の人格権に対する配慮を欠き、放送倫理に違反する結果を招くことになった。
本委員会は、放送局が編集を行う場合には、コメンテーターの発言の重要かつ本質的な部分は十分尊重すべきであると考える。NHKは、本決定の趣旨を少数意見を含め放送するとともに、出演者の権利と放送倫理に一層配慮するよう要望する。・・・・・

2003年12月12日

NHK の情報操作:「ようこそ日本人」が「ようこそ自衛隊」に

HIROPRESS.net - 「イラク、サマワの誤訳」11/12/2003

・・・・・この日 、森住卓さんは自衛隊派遣予定地サマワで劣化ウラン弾の 痕跡発見の写真を発表し、綿井健陽さん はイラクのサマワで掲げられている横断幕「ようこそ自衛隊」 が実は誤訳であったことを報告しました。

 アラビア語で「ようこそ日本人」となっているのを、頼まれた日本人ジャ ーナリストが「ようこそ自衛隊」と書いたと言うのです。  この映像は恐れていたとおり、自衛隊を送る側の宣伝にさかんに使われて います。・・・・・

関連情報:共同通信12/12 北海道新聞12/12|[aml 36993](12/12) 画期的!ワイドショーがサマワの劣化ウラン報道

(12/13 追加)イラクの人たちの態度についての日本社会の認識を大きく左右することが確実な写真を、ジャーナリズムに要求される慎重な吟味を経ずして大規模に放映したことは明確な情報操作である。その写真に映った歓迎の旗の内容が日本人ジャーナリストによって修正されたものであるという事実が明かになった今、先の放映によって形成された日本社会の誤認識を修正するに必要なだけの放映、すなわち、主な時間帯のニュースで明確に何度も伝えないとすれば、NHKは情報操作を意図的に行ったことを自ら証明するものとなる。

NHK 報道局
 ディスク御中

 昨日朝 7 時のニュースほか数回サマワの「ようこそ自衛隊」の横断幕が放映されています。
 あれはアラビア語が「ようこそ日本人」、日本語が「ようこそ自衛隊」になっています。
現地で翻訳を頼まれたジャーナリストが、なぜかこのような訳をして書いたようです。
 サマワの人々が自衛隊を待っているというような画面になり、問題がおおきいので、今後この横断幕の映像を流す前に必ず翻訳をチェックするようにお願いするとともに、すでに放映したわけですから、これまでの映像が与えた、間違った影響に対して、きちんと訂正をニュース上で行ってくださるようにお願いします。
 これが間違っているというニュースは、すでに 6 日の日本ビジュアルジャーナリスト協会の集まりで発表され、さらに 1 昨日、綿井さんがニュースステーションで、豊田さんが昨日、日本テレビで報告しています。

広河隆一
フォトジャーナリスト

2003年10月27日

読売新聞社の不公正報道に強く抗議する

読売新聞社の不公正報道に強く抗議する

2003年10月27日
横浜市立大学教員組合


読売新聞編集局長殿

10月24日貴紙朝刊一面に、「横浜市立大学は23日までに、2005年度の独立行政法人化にあわせ、641人の教授、助教授など全教員に任期制、年俸制を導入することを柱とする大学改革案をまとめ、学内の評議会で決定した」と報じた。しかし、本件に関する他紙の報道が大学改革案を「まとめた」との記事であるのに対し、「学内の評議会で決定した」とする貴紙の報じ方は異例のものといわなければならない。「学内の評議会で決定した」と報じるならば、その決定のプロセスも報じなければ、本改革案が学内の総意を結集したものとの印象を対外的に与えることになる。

 本改革案とその伏線となってきた諸案(「あり方懇」答申、「大学改革案の大枠の整理について」、「大枠(追加)」)に関して、それらの本質的な諸論点について学内外で厳しい批判が相次いできた。本年、この6ヶ月においてさえ、幾度か開催された各学部の教授会、臨時教授会、付置研究所の教授会、評議会、臨時評議会、プラン策定委員会において極めて厳しい批判が続出し、事実、学部教授会においては都合8件の反対決議や教授会見解が表されてきているのである。今回の改革案は決して学内の総意を結集したものとは認めがたく、今後さらに検討を要する細部を数多く残している性格のものである。

 読売新聞社の新聞報道に関しては、横浜市立大学教員組合は以前にもその報道姿勢を批判し公平な記事とすべきことを主張した。今回の報道も初歩的な取材義務を回避したものであり、社会の公器としての責任を問われるものである。ここに、貴社の不公正報道に強く抗議するものである。

2003年10月27日
横浜市立大学教員組合

2003年10月23日

神奈川新聞社への横浜市立大学教員組合書簡

http://www5.big.or.jp/~s-yabuki/doc03/kana1011.pdf

神奈川新聞社
社長 水木初彦殿
報道部長殿
報道部 牧野昌智殿

10 月11 日朝刊記事に関して

10 月11 日貴社の朝刊が、その前日に開催された「横浜市会決算特別委員会」について、「横浜市大教員 受け持ち授業『週2日』」というセンセーショナルな見出しを付けて報道されました。この報道について横浜市立大学教員組合は、貴社に対して以下のような意思表明をいたします。

この報道は、学部での受け持ち授業数のみを強調していて、大学教員の職務の特殊性を反映しておらず、市民に対して誤解を与えかねないものです。大学教員は、卒業論文や修士論文、博士論文の指導、講義の準備、会議、各種委員会などの職務に加え、研究・論文執筆などの職務を行っているということに触れていない報道は不適切であるといわざるを得ません。横浜市民に対して多大な影響力を持つマスメディアである貴社が、このような不適切な報道を行ったことを大変遺憾に思います。

なお、この意思表明に対する何らかの回答を文書で頂けますようお願いいたします。

2003 年10 月17 日
横浜市立大学教員組合

2003年10月18日

「ニュースをどこまで信じていますか?」

月刊あれこれ2003年7月号特集「ニュースをどこまで信じていますか?」

日経を解雇された記者によるサイト「まだ旧体制下の新聞社と月極契約している人たちへ」より
「ニュースをどこまで信じていますか」 2003.10.7

何を今さらという感じだが、7月号に掲載された記事を収録しておいた。この原稿を書いたのも一晩だったが、仕事をしながらでは、どうしても本来やろうとしていることが、どんどん後回しになってしまう。こんなことではダメだと思いつつ、生活もしていかなければならないし。嗚呼、自分のキャリアをつくづく考え悩む秋空よ。。。

2003年09月06日

自民党行政改革推進本部が廃止を宣告した独法は廃止されるのか?

Yomiuri on Line の記事(2003/9/4/03:11 *1) によると、自民党行政改革推進
本部(太田誠一本部長)が、文部科学省所管の「独立行政法人教員研修セン
ター」を廃止を含め見直す方向で検討を始めたという。独立行政法人を評価し
主要な事業の廃止等を勧告する法的権限があるのは、独立行政法人通則法によ
り、主務省である文部科学省の独立行政法人評価委員会と総務省の独立行政法
人評価委員会だけである。なぜ、一政党内の一組織が改廃を判断できる権限が
あるかのような報道がなされたのであろうか。もしも、事情を知る記者が、自
民党行政改革推進本部に、それだけの権限が実質的にあると判断したのであれ
ば、それは、独立行政法人制度が最初から形骸化していることを知っていなが
ら、それを当然と考えるように伝えることにならないのか。いずれにせよ、こ
の記事は、背景と共に出来事を伝えて人々の適切な判断の材料を与えるという
「報道」とは言いがたく、むしろ、独立行政法人のどれかを廃止してみせて独
立行政法人制度の導入意義を知らしめんとする、独立行政法人制度の生の親で
ある太田氏の意地を1千万人に伝えた「広報」に過ぎないのではなかろうか。

[*1 http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20030904ia02.htm]

2003年08月01日

「NHKは神か」

養老孟司著「バカの壁」 新潮新書 ISBN4-10-610003-7

p21
「私自身は、「客観的事実が存在する」と言うのはやはり最終的には信仰の領域だと思
っています。・・・・・今の日本で一番怖いのは、それが信仰だと知らぬままに、そん
なものが存在すると信じている人が非常に多いことなのです。
 ちなみに、その代表がNHKである、というのが私の持論です。NHKの報道は「公平・
客観・中立」がモットーである、と堂々と唱えています。
 「ありえない。どうしてそんなことが言えるんだ、お前は神か」と言いたくもなって
しまう。・・・・・こうした「正しさ」を安易に信じる姿勢があるというのは、実は非
常に怖いことなのです。現実はそう簡単にわかるものではない、という前提を真剣に考
えることなく、ただ自分は「客観的である」と信じている。」

2003年07月30日

野村一夫「ジャーナリズムの構成要素は報道と言論である」

ソキウス という野村一夫氏のサイトに「社会学感覚」がオンラインで読めるようになっている。その中にジャーナリズム、マスメディア等についての諸研究をふまえた総合的な視座が提供されていて、素人として目が開かれる思いがする。

ソシオリウム "コミュニケーション論――送り手ではなく受け手の第一次性" / 12:ジャーナリズム論

「ジャーナリズムの構成要素は報道と言論である。本書があえて(古めかしいニュアンスのある)「ジャーナリズム」概念を使用するのは、「報道」だけをとりだして議論することができないと考えるからだ。報道と言論はいつも寄り添っている。というのは、あるテーマを報道しないのは、そのテーマが「問題」ではないと主張していることであり、別のテーマを報道するのは、そのテーマが「問題」であると主張していることだからである。

このことが一般的に理解されていないように思う。マス・メディアの問題を「報道」として問題にするとキャスターのコメントは「よけいなもの」として問題化されるが、「ジャーナリズム」として考えると、コメント行為自体は当然視され、内容吟味に焦点が向けられる。その意味で今なお「ジャーナリズム」は誤解されているように思う。

この誤解の源は日本の新聞界が長年標榜してきた「客観報道主義」を人びとが信じていることにある。この素朴な幻想が現実に破綻していることを知りながらも、いざマスコミ批判を口にするとき人びとはこの幻想に無自覚に乗ってしまうようである。浅野健一『客観報道――隠されるニュースソース』(筑摩書房一九九三年)は、改訂ののち、浅野健一『マスコミ報道の犯罪』(講談社文庫一九九六年)として文庫化されたが、「客観報道主義」の虚構性を批判した本である。」

「そもそもジャーナリズムは三つの社会的な力から自立して自律的に報道言論活動をおこなわなければその存在意義を失う。三つの社会的な力とは(1)政治権力(2)資本(3)暴力。TBSは、オウムという暴力に屈して自らの自律的な判断を放棄したことが非難されたわけだが、その非難のプロセスで政治権力が介入したり恫喝することに屈してもジャーナリズムとしては自滅である。たとえば国会でTBSが追及されること自体がジャーナリズムの危機なのだ。」

島田三喜男「新聞は戦争責任を忘れたのかーーマスメディアの体制化の一考察」

日本の科学者Vol 38 p408-413

「朝日」は敗戦直後の1945年8月23日,社説「自らを罪するの辯」
を掲げた.<言論機関の責任は極めて重いものがあるといはねばな
るまい><いはゆる「己れを罪する」の覚悟は充分に決めてゐるの
である><特に吾人言論人の罪たるや容易ならぬものがある>
と自
らを断罪した.さらに11月7日,宣言「国民と共に立たん」を発表.
社長をはじめ全重役,論説主幹など最高幹部の総辞職を明らかにし,
<国民をして事態の進展に無知なるまま今日の窮境に陥らしめた罪
を天下に謝せんがためである><今後の朝日新聞は,・・・常に国
民とともに立ち,その声を声とするであろう>
と宣言した.この原
点に立ち返ることを望みたい.

「読売」はどうか.『読売新聞百年史』をひもといても,戦争犯罪
を読者に謝罪する項目がないことに驚かされる.正力松太郎社長の
<戦争中,軍は新聞を作戦に隷属するものとしていた.これに従わ
なければ廃刊にされたのだ>
という言葉が記録されているだけだ.
1945年10月25日の社説<新聞への断罪><罪は万死に値する>
書いているが、これは争議中の労組が「生産管理」中に書いた社説
だったとして,社史には掲載されていない.同紙としての読者への
謝罪はない.これは同紙の開き直りではないか.

歴史に学ぼうとしないこの無責任性が,同紙の「右傾化」を支え,
権力への擦り寄りを許している.

個人情報保護法案に対する新聞界の一致した反対も、「読売」がた
ちまち政府に加担して崩れた.日本の新聞は権力の圧力によってよ
りも,このままでは自らの「肥満体質」によって自滅する.

新聞の発行部数を調査・公表するABC協会の調べによると,大手
紙の発行部数(朝刊)は「読売」1020万部,「朝日」832万部,
「毎日」396万部,「日経」307万部,「産経」202万部(02 年上半
期).これらの大部数を維持するための販売,広告の「商業性」が,
過当競争を招き,政財界の圧力を呼んでいる.読者を信頼して民主
的言論の責任を全うしようとするか,体制に寄り添って「商業性」
に傾斜するか.正念場を迎えている.」

2003年07月29日

意見広告の会事務局より:新聞記事調査への協力依頼

Date: Mon, 28 Jul 2003 01:37:20 +0900
Subject: iken koukoku --- news042

マスコミモニターの重要性にかんがみ、繰り返しお願い申しあげております以下の新聞
の記事調査をよろしくお願い申しあげます。
参考までに、発行部数を示します。

「国立大学法人法案」に反対する意見広告の会 事務局

対象紙

***は、調査協力者確定。
数字は、公称発行部数(朝刊)。

北海道新聞   ***  123万部
東奥日報           26万部
秋田魁新報   ***    26万部
岩手日報    ***    23万部
河北新報    ***    50万部
山形新聞    ***    21万部
福島民報           30万部
福島民友           19万部
下野新聞           31万部
上毛新聞           30万部
茨城新聞           12万部
埼玉新聞           16万部
神奈川新聞   ***    23万部
千葉日報           19万部
新潟日報           50万部
北日本新聞          23万部
富山新聞           北国と同一
北国新聞           33万部
北陸中日新聞         11万部
福井新聞    ***    21万部
山梨日日新聞         21万部
信濃毎日新聞  ***    48万部
静岡新聞           74万部
中日新聞          273万部
岐阜新聞           18万部
京都新聞    ***    50万部
神戸新聞           56万部
日本海新聞   ***    17万部
中国新聞           75万部
山陰中央新報  ***    18万部
愛媛新聞           32万部
徳島新聞           26万部
四国新聞    ***    21万部
高知新聞           23万部
西日本新聞   ***    85万部
長崎新聞    ***    20万部
佐賀新聞    ***    14万部
大分合同新聞         25万部
熊本日日新聞  ***    39万部
宮崎日日新聞         24万部
鹿児島新報           3万部
南日本新聞          40万部
沖縄タイムズ  ***    20万部
琉球新報    ***    20万部

以上の各紙の3−7月の「法人化」関係の記事をすべて拾って(投稿、広告を含む)、
その日付、朝夕刊の別、ページ・段の一覧を連絡して下さる方は、下記へご連絡下さい

はじめは、紙名・御氏名のみご連絡下さり、以降に記事一覧(見出し付き)をお送り下
さい。
記事のコピーはこちらで取りますから、一覧だけで結構です。
ただし、見出しだけは付けて下さると有り難いです。

連絡先
CXH02476@nifty.ne.jp

読売新聞はいつまで情報操作を続けるのか?

7月28日付読売新聞社説 [東大学長信任]「国立大に必要なトップの指導力

「大学紛争期以来の、事実上の学長信任投票である。」と始まる社説で、意図的としか思えない不正確な表現を使っている。「事実上の信任投票」という見出しは、「信任投票そのものが行われなかった」という事実を伝えるには余りに誤解されやすいバイアスがかかった表現であり、報道の正確さへの無関心を如実に示す社説である。NHKの報道、朝日の報道についての「誤報性」がすでに指摘された後で、同じ趣旨の誤報を流すのは意図的としか言いようがない。
- 朝日新聞、NHKなどの虚偽報道について[35年前も「東大総長の信任投票」は行われていない]
- NHKより巧妙な朝日の粉飾報道:東大総長の「信任」
- 東大評議会についてNHKが誤報

読売新聞は, 少なくとも大学問題については意図的な虚報を事あるごとに流し、国大協から正式に文書で抗議された前科 もあり、国立大学社会ではすでに全く信用を失っている。またやっている、としか評価されない社説であるが、一千万の人たちが読むのであるから、その罪は重い。実際には、読売新聞の「社内世論」とも齟齬のある社説であろう。少数の経営者が「読売新聞」というメディアを私物化しているのが現状であろう。

2003年07月27日

朝日新聞、NHKなどの虚偽報道について[35年前も「東大総長の信任投票」は行われていない]

[iken koukoku --- news041 ] 「意見広告」事務局
Date: Sun, 27 Jul 2003 09:47:18 +0900

24日に開かれた東大評議会について、事実に反する報道がなされています。
取材力・分析力の欠如によるものか、悪意によるものか分かりませんが、東大
の評議会について、簡単に次の2点を指摘いたします。

1 「国公立大通信」より

 その内容は、たとえば「NHKオンライン」によれば、
「東京大学は、35年ぶりに学長の信任投票を行い、佐々
木学長が信任されました。来年4月から国立大学が国立
大学法人に移行することを受けて学長の権限が強まるこ
とから、今後ほかの大学でもこうした動きが出てきそう
です。」とするものです。

これは、多くの人が騙されている点ですが、東大ではかつて一度も学長の信任
投票などということは行われたことはありません。
総長は教授会構成員の直接選挙で選ばれており、これを評議会が信任すること
などという事は本来の評議会の議事に全くなじまない性格を持っています。

ところが、だれがこの様な虚偽を流し始めたのか分かりませんが、佐々木総長が「信任
」を求めた時点で、「1968年以来異例の」という表現が出現しています。
1968年は、ご存知の通り東大紛争の大渦中でした。
10月に当時の大河内総長が学内混乱の責任を取って辞任し、急遽加藤一郎氏が8学部
長会議で「総長事務取り扱い」として選出されました。
選挙をしていないのですから、加藤氏が総長職に就くことなどできるはずもないことで
す。
これを評議会が取りあえず「信任」し、以後加藤氏は総長職を「代行」として勤めるよ
うになったのです。
すなわち、加藤氏は選挙で選ばれていなかったから、しかも当時の混乱した状況でただ
ちに総長選挙を行うことがまず不可能だったため、「代行」として評議会が認めたに過
ぎなかったわけです。
当時の報道に接していた方々は、テレビ・新聞などに「加藤総長代行」が盛んに登場し
ていたことを覚えていらっしゃるはずです。
ありもしない「35年ぶり」の信任投票などと述べることは、マスコミの取材力、調査
能力の乏しさを暴露しているだけの話です。


第二点についてはまた改めて、詳しいニュースを流しますが、東大職組の声明を次ぎに
掲載しておきます。

「評議会は信任投票を拒否!

評議会は「大学構成員の意見を十分聞きながら、最高意
志決定機関としての権能を有効・的確に発揮する。」こ
とを宣言!

 7月24日に開催された臨時評議会は、総長の要請した
信任投票を拒否し、所信表明にいう本学の状況を共通理
解としつつも、法人化に向けて、審議決定機関としての
自らの責任を全うする決意を表明した。

 東京大学職員組合は、評議会の見識を讃える。

 東京大学職員組合は、総長の所信における「包括的な
授権」の求めに対し「国立大学は、こうした状況におい
てこそ決然として民主的な大学の自治を守り通すべきで
はないのか」という訴えを各部局教授会と評議会に対し
行ってきたが、臨時評議会は「法人化に向けて、審議決
定機関としての自らの責任を全うする決意を表明する。」
と決議したのである。

 東京大学職員組合は、法人化に向けて審議決定機関と
しての自らの責任を全うする決意を表明した評議会決議
を高く評価し、東京大学評議会が、法人化に係る諸問題
を「大学構成員の意見を十分聞きながら、最高意志決定
機関としての権能を有効・的確に発揮する。」ことを期
待してやまない。」

========================================================= 「国立大学法人法案」に反対する意見広告の会 e-mail ---qahoujin@magellan.c.u-tokyo.ac.jp Web --- http://www.geocities.jp/houjinka/index.html =========================================================

2003年07月26日

イラク特別措置法可決における与野党談合?

旧態依然の与野党談合でイラク特措法が可決された、という以下
の記事が正しければ、自由・民主が合流などしても国民からの支
持などありえず、政権交代などあろうはずはない。「野党攻撃」
の世論操作の可能性はある。記事が正しくないのであれば、民主
党は、正式に抗議すべきであろう。


北海道新聞2003年7月26日付け
週末の採決 暗黙の了解 ーー野党 抵抗姿勢のアピール

「イラク復興支援特別措置法をめぐる与野党攻防の決着が26日
未明にもつれ込んだのは、秋の衆院解散・総選挙が現実味を帯び
る中、週末は選挙区に戻りたい与野党の思惑が一致した結果だっ
た。野党側は二日連続の未明の審議で抵抗姿勢をアピール。一方、
与党側は会期末の28日まで同法案を持ち越すと不測の事態もあ
り得ると計画、解散風が与野党の「談合」を成立させた。」

「やろうと思えばいくらでも長引かせられるが、日付
けが変わればいいんじゃないか。土曜、日曜(に審議する)なんて
なったら、みんなに一生恨まれる」。民主党の国対幹部は25日
午前、国会内で記者団にこう漏らした。・・・・「あまり与党を
刺激しすぎて本当の解散となっても困る」(民主党国対幹部)か
らで、同日朝の野党参院国対委員長会談でも「25日中の成立は
阻止する」と確認するにとどまり、26日未明の成立を容認、「
徹底抗戦」の旗は早々に降ろしていた。・・・・」

2003年07月25日

NHKより巧妙な朝日の粉飾報道:東大総長の「信任」

asahi.com 2003年7月24日付け
「東大評議会、全員一致で佐々木学長「信任」 法人化前に」

 東大学長が要求した信任投票を東大評議会が拒否した事実をこの記事
から認識できる人がどれだけいるのだろうか?68年に行った学長の信
任投票と同じことが行われ信任されたと大半の読者は思うのではないか?

ここまで明白な情報操作も平然と行うのは、当該新聞社「デスク」では
情報粉飾が日常茶飯事となっているからであろう。(tjst)

「東京大の評議会は24日、来春の国立大学法人化を控えて佐々木毅学長のリーダーシップを認めるかどうかなどについて投票を行い、出席した41人全員が賛成した。佐々木学長は、強力な中枢機能の確立などを求める所信を15日に表明し、自身への信任投票を求めていた。

 佐々木学長は「実質的に信任されたと思っている。法人の立ちあげは財務など難しいことが出て来るが、みなさんと協力してやっていきたい」と話した。

 評議会は東大紛争時の68年に学長の信任投票をしたことがある。」

事実関係だけを述べる報道は以下のようになるであろう:

「佐々木学長は、強力な中枢機能の確立などを求める所信を15日に表明し、自身への信任投票を求めていたが、全学での検討の結果、24日の東大評議会は信任投票は行わず、学長の権限に制約を置くことを出席した41人全員の賛成で決議した。」

2003年07月24日

東大評議会についてNHKが誤報

                         東職書記長

本日(7/24)東京大学で行なわれた臨時評議会の結果について、NHKが下記【1】の
報道を行なっています。(放映されたニュースは下記URLから「VIDEO」をご覧下
さい。)
 これは全くの誤報であり、東京大学はNHKに対し早急に抗議を行なうべきです。
 しかも「今後ほかの大学でもこうした動きが出てきそうです。」などと全国的な波及を
促すような表現を用いていることには、全国の大学からも抗議の声を集中すべきであると
言えます。
 東職はNHKに対し、正式に抗議文を送付する準備を行なっています。

 実際には所信表明の信任投票は行なわれず、「決議」が行なわれ、内容については、下
記【2】のとおりであると、学部の学部長から教職員に報告されています。

 なお、東職は7.24臨時評議会の結果を受けた東職声明をホームページに掲載しています。
こちらもごらんください。東職HP=http://www.ne.jp/asahi/tousyoku/hp/


【1】NHKのウェブサイト------------------------------------------------------

http://www3.nhk.or.jp/news/2003/07/24/k20030724000081.html

07/24 15:14
 東京大学は、35年ぶりに学長の信任投票を行い、佐々木学長が信任されました。来年
4月から国立大学が国立大学法人に移行することを受けて学長の権限が強まることから、
今後ほかの大学でもこうした動きが出てきそうです。

--------------------------------------------------------------------------------

【2】学部長から教職員に配信された7.24臨時評議会の決議内容(所信表明の信任投
票は行なわれませんでした)-----------------------------------------------------

7月15日の総長の所信表明を受けて、これに応える意味で東京大学評議会は次のとおり
決議する。

1 所信表明で述べられている諸点、具体的には、下記の点について、評議会は同じ理解
にたつ。

1)国立大学法人化にともない、法人への移行作業は、従来の連続線上で取り組むことが
  できない多くの課題を抱えている。
2)法人化後も、東大憲章に則り、学問研究と教育において国際的に名誉ある地位を占め
  るという基本目標を堅持する。短期的視野に立って行動しない。
3)法人化後は、大学が資源の管理に直接責任を負うことになるので、法人の自立性を可
  能にする組織体を創り出す必要がある。
4)そのためには、総長のリーダーシップを確立することが不可欠である。
5)その中には、短期間に法人への移行を可能にするために必要な組織運営、人事制度、
  財務会計等に関する検討を深め、迅速で有効な意思決定を進めることを含む。
6)総長がリーダーシップを発揮するためには、一定の裁量可能な資源が必要である。

2 評議会は以上の認識を共有しつつ、法人化に向けて、審議決定機関としての自らの責
任を全うする決意を表明する。総長のリーダーシップのもと、必要な事項については、大
学構成員の意見を十分聞きながら、迅速、的確な決定を下していく。評議会は最高意志決
定機関としての権能を有効・的確に発揮する。

意見広告の会より:地元紙の3−7月の報道状況のチェック依頼

「・・・全国の方々に地元紙の3−7月の報道状況のチェックをお願いできたら、と存じます。具体的には、以下の各紙の3−7月の「法人化」関係の記事をすべて拾って、その日付とページを当方に連絡していただくというプランです。・・・」


全国の皆様に、是非以下のことをお願い申しあげます。

「意見広告の会」ではその性質上、この間マスコミ情報
に関して敏感にならざるをえませんでした。特に、4月・
5月の段階では、マスコミの作為・不作為の「法案」不
報道状況に改めて驚いていました。これは、多くの皆様
の感じられたところかと思います。


6・7月には報道量が増えたのですが(と言っても基本
的には不足)、その際「法案」に対する姿勢が、全国三
大紙と地方紙に大きく分かれたように感じられます。三
大紙は無視による法案化推進、地方紙の「法案」危惧・
批判の傾向です。例えば「朝日」は、4月に意見広告を
出したときに「記事依頼」をしたのですが、6月に「法
人化とその波紋」という特集を用意する、と答えていま
した。その時も、あたかも国大協のように「法人法案」
の成立を前提としていると感じましたが、じっさい6月
になっても特集はあらわれず、結局最近になって「大学
激動」などと言っています。「法案成立」を待っていた
わけです。

そこで事務局としては、新聞を中心に「法案」提出後の
各紙の報道を、特に地方紙を中心にまとめてみたいと考
えています。ただこれはとても大変な作業で、試みに新
聞を見てみたのですが、1紙の3−7月を見るだけで、
半日掛かってしまいます。

そこで、全国の方々に地元紙の3−7月の報道状況の
チェックをお願いできたら、と存じます。具体的には、
以下の各紙の3−7月の「法人化」関係の記事をすべて
拾って、その日付とページを当方に連絡していただくと
いうプランです。その記事のまとめと分析は、やはり事
務局だけでは時間的になかなか困難と思われるのですが、
可能な限りこちらで行うとともに、一方ではメディア論
関係の大学院生に行ってもらうと双方に非常に有益なの
ではないか、と考えています。

ですから、どうか以下の地元紙の記事チェックに名乗り
を挙げて下されば、大変有り難く存じます。特にそれら
の地元紙を購入されていらっしゃって、多少保存をされ
ておられる方には、ひどく面倒な「事業」では無いよう
に感じられます。以下以外にも地方紙はあるでしょうが、
実際に国会図書館で紙面を見ることができるのは、以下
のものです(紙名に誤りがあればそれもお知らせ下さ
い)。なお、「中日・東京新聞」はサンケイより発行部
数が多いのですが、地元紙として挙げておきます。


***は既に調査者決定

*対象紙

北海道新聞   ***
東奥日報
秋田魁新報   ***
岩手日報
河北新報    ***
山形新聞    ***
福島民報
福島民友
下野新聞
上毛新聞
茨城新聞
埼玉新聞
神奈川新聞   ***
千葉日報
新潟日報
北日本新聞
富山新聞
北国新聞
北陸中日新聞
福井新聞
山梨日日新聞
信濃毎日新聞  ***
静岡新聞
中日新聞
岐阜新聞
京都新聞
神戸新聞
日本海新聞   ***
中国新聞    
山陰中央新報  ***
愛媛新聞
徳島新聞
四国新聞    ***
高知新聞
西日本新聞   ***
長崎新聞    ***
佐賀新聞    ***
大分合同新聞  ***
熊本日日新聞  ***
宮崎日日新聞
鹿児島新報
南日本新聞 ***
沖縄タイムズ  ***
琉球新報    ***

以上の各紙の3−7月の「法人化」関係の記事をすべて
拾って(投稿、広告を含む)、その日付、朝夕刊の別、
ページ・段の一覧を連絡して下さる方は、下記へご連絡
下さい。はじめは、紙名・御氏名のみご連絡下さり、以
降に記事一覧(見出し付き)をお送り下さい。記事のコ
ピーはこちらで取りますから、一覧だけで結構です。た
だし、見出しだけは付けて下さると有り難いです。

連絡先
CXH02476@nifty.ne.jp
              「意見広告の会」事務局

行政を代弁して憚らない記者達

朝日新聞2003年7月21日 社会部 長谷川 玲 記者
「自立に向け意識改革をーー法人化される国立大学」
報道機関から政府広報紙への大手紙の退化を証明する歴史的記事といえるだろう。大学関 係に長く携わっていて文科省とも知己の多い「族記者」の一人なのであろうか、 毎日新聞2003年6月23日付の横井信洋記者のエセー「国立大学教員よ甘えるな」と同じ趣旨の内容であることにも驚きを覚える。どこまで政府の肩を持てば気が済むのであろうか。大手紙(読売・朝日・毎日)のみが示す余りに偏った記事は、安く土地を譲ってもらった政府への負い目 を証明してしまっていると言えるのではないか。なお、都立大学の長谷川宏氏が長文の公開質問状を長谷川玲記者に送っている。)

2003年07月23日

朝日7/21「自立に向け意識改革を」についての質問書

朝日新聞社会部 長谷川 玲殿

私は某公立大学に籍を置き、研究教育に携わっている者
です。私は先に国会で可決された国立大学法人法案に反
対する運動に対し、(たいしたことはできませんでした
が)ごくささやかな支援をしてきました。この問題に関
してそれほど時間とエネルギーをかけてきたとは言えな
い私から見ても、2003年7月21日付けの、「自立に向
け意識改革を」という記事は、偏見、事実誤認等が著し
く、看過し難いので私見を述べます。

まず、「文部科学省による護送船団方式を改め、それぞ
れの大学に権限と責任を与え、個性的で競争力のある存
在にさせることが狙いだ」と、のっけから断定されてい
ます。「文科省は口先では大学の自主性とか自立性とか
美辞麗句を並べるが、実際に出てきた法案の条文を見、
法人化の準備と称して文科省が大学に対して強制してき
たことを見れば、自主性・自立性など嘘八百だ」という
ことに気付いた大学の内外の人々たちが反対の声を挙げ
てきたのというのに、文科官僚の作文の引き写しのよう
なこの断定は、朝日新聞の記者としての貴殿の見識を示
すものなのでしょうか?

さらに、「国の直轄下にある現状を脇に置いて『統制
が強まる』というのは素直には理解できない。これまで
国立大の関係者は、はしの上げ下ろしにまで口を出す文
科省に嫌気を感じ、改革を求めてきたはずだ。なのにい
ざその機会に直面すると抵抗する。これでは、はた目に
は『要は今までどおり国に守られているほうが楽だと甘
えているのだろう』と映る。説得力に欠けてはいない
か。」という記述があります。

この記述に見られる偏見・誤謬を具体的に指摘する前に、
ひとこと注意しておきたいことがあります。「はた目に
は…映る」という主体をはっきりさせない無責任な書き
方をしておられますが、いったい誰の目に映るのですか?
もしかしたら一般の国民にはそう映っているのかも知れ
ません。もしそうだとしたら、人々の目には、国立大学
法人法案に反対している人々の意見・姿が、正しく映っ
ていないということです。(これは少しでもこの問題に
真剣に関わった者なら断言できます。そもそもこの法案
に反対している大学人の多くは、「法人化」そのものに
反対しているのではなく、「法人化」の名の下に大学に
対する文科省の権益・支配を確保・拡大しようとするこ
の「法案」の内容に反対しているのです。)ではそのよ
うな事実と異なるイメージを人々が持つようになった責
任は誰にあるのでしょうか?

大学関係者なら、大学改革・法人化の問題に関して多か
れ少なかれ直接・間接の情報源をもっており、少しでも
この問題に関して真剣な関心があれば、上のような記述
がまったく的外れな、皮相的な見方であることはすぐに
わかります。(しかし大学関係者のすべてがこの問題に
真剣な関心を持ち、自分なりの情報収集をしているわけ
ではなく、中には上のような的外れな主張に付和雷同す
るような大学人も残念ながら存在するでしょう。)

しかし大学関係者でない場合、最大の、そしておそらく
唯一の情報源はマスコミでしょう。そしてこの悪法に反
対する良識ある大学人の姿が、「既得権益にしがみつい
て抵抗しているだけの守旧派」と人々の目に映っている
としたら、そのような誤ったイメージを流布した(ある
いは正さない)マスコミにこそ、最大の責任があります。

事実朝日新聞は、この法案が国会で審議され、その内容
をめぐって審議が紛糾し、大学関係者のみならず(たと
えば櫻井よしこさんのような)多くの方々から反対の声
が上がっているときは、その事実(そしてなぜこの法案
が問題になっているのかという理由)についてほとんど
報道しませんでした。そして法案が通ってしまってから、
「大学が法人化されると、その経営部門に関連して民間
にもビジネスチャンスが拡がる」といった類の、大学法
人化の問題の本質とは関係のない愚にもつかない記事の
連載を始めました。このような報道姿勢の中に、「大学
法人化は『世の中の流れ』で、成立前からもはや『既成
事実』だからその問題点には目をつぶり(「国立大学に
はこうした『空中戦』をいつまでも繰り広げている余裕
はないはずだ」という書き方にそれが現れています)、
むしろその流れに乗っかって『ちょうちん持ち』(ある
いはもっと悪質な、『やれやれやっちまえ』)記事を書
いていた方が『商売』になる」、という醜悪な計算を私
は感じ取ります。

それでは記事に見られる偏見、誤謬等について具体的に
述べます。まず「中期目標」を文科大臣が定めることに
ついて。(そもそも研究というものが、6年という一律
の期限を切って目標を立て、それを確実に実現しうるよ
うなものなのか、という重大な問題について、たとえば
ノーベル賞を受賞された小柴さんあたりに貴殿自らイン
タビューでもされるとよいと思いますが、この点につい
てはここでは深入りしません。)

大学の研究目標を「文科大臣が定める」という、世界に
も類例がなく、文科大臣の能力・資質から考えても虚構
としか言いようがない条文はどのような発想から出てき
たのか、貴殿はまともに考えたことがありますか?実際
には文科大臣にはそのような能力がないことが誰の目に
も明らかなのに、法律の条文にそう書いておこうという
のは、文科省と大学との間に中期目標をめぐって対立が
生じたとき、「定める権限は文科大臣にある」と言って
文科省が押し切るための切り札、という以外にどんな説
明が考えられるでしょうか?これに対し多くの大学人が
不信感を持ったことに関して、「『統制が強まる』と言
うのは素直には理解できない」と貴殿は記事にお書きに
なっています。それでは、文科省が「大学の原案を最大
限に尊重」と口では言いながら、実際には法案の原案で
は「尊重する」とあった条文の文言を途中から「配慮す
る」に弱め、野党委員から「元に戻せ」と要求されても
頑として応じなかった(もちろんこの辺のいきさつはご
存知の上で記事を書いておられるのでしょうね?)のは
なぜか、文科省の大学に対する統制を強めようという意
図以外に、いかなる合理的な「理解」が可能なのか、教
えてもらいたいものです。

また、「これまで国立大の関係者は、はしの上げ下ろし
にまで口を出す文科省に嫌気を感じ、改革を求めてきた
はずだ。なのにいざその機会に直面すると抵抗する。こ
れでは、はた目には『要は今までどおり国に守られてい
るほうが楽だと甘えているのだろう』と映る。」という
記述に関して。

「はしの上げ下ろしにまで口を出す」今までの文科省の
「統制」は、(たとえば備品はどうだ、消耗品はこうだ、
人件費はああだ、と言うような)予算の使い方等の「実
務的」な面が主でした。もちろんそれも改めるべき点で
はあるでしょうが、この法案の問題点はそんなところに
あるのではありません。また先にも述べた通り、そもそ
もこの「法案」に反対した大学人の多くは、「法人化」
そのものに反対していたわけではありません。

この法案の目指す「統制」が今までの「統制」と本質的
に異なるのは、「文科大臣が中期目標を定める」という
条文等により、大学の具体的な研究内容を文科省が「統
制」する道を開いたことです。(中期目標・計画に研究
内容をどこまで具体的に書かせるかについて、文科省が
法案の成立前から大学に事細かに指示を出していたこと
が国会で問題になったことはもちろんご存知ですよね?)
たとえば大学が提示した中期目標に、政府に対して批判
的な、あるいは政府にとって都合の悪い研究が含まれて
いたとします。文科大臣は大学に対して「この目標は書
き直しなさい。(でないと運営交付金も今までのように
は出せませんよ。)」と言うことが可能です(カッコ内
はおおっぴらには言わないでしょうが)。その場合、も
ちろん文科省は、「政府を批判する(政府に都合の悪い)
研究だから」とは表立っては言わず、何か他の(「昨今
の財政状況にかんがみ、より緊急性、確実性の高い研究
にシフトすべきである」というような)もっともらしい
理由をつけてくるでしょう。その意味で「どのような研
究に力を入れるかも大学自身の判断だ」という貴殿の記
述は、(「文科省のご意向に反しない範囲内であれば」
という条件を付けない限り)おめでた過ぎる、と言わざ
るを得ません。

このような懸念を国会でも(与党を含め)多くの議員が
持ったからこそ、参議院文教科学委員会での法案採決に
あたって、「五、…文部科学大臣は個々の教員の教育研
究活動には言及しないこと…」という付帯決議が全会一
致で採択されたわけです。(そしてこの「付帯決議」と
いうものが年月が経てば大した効力を持たないことは歴
史が教えています。ところでもちろんこのような法案の
成立事情もご承知の上で記事をお書きになったのでしょ
うね?)つまり、与党の議員でさえ理解を示した(文科
省の大学統制に対する)大学人の懸念を、貴殿は「素直
には理解できない」というわけです。これはよほどの
(「法人法案に反対する大学人は既得権益にしがみつこ
うとする守旧派ばかりだ」という)「偏見のフィルター」
を通して事態を見ているとしか私には考えられません。

「中期目標の原案や文科省による修正は公表される。国
が不当な介入をしてきたと思えば、大学としてその是非
を問い、自らの正当性を訴える。その地力を養うことに
こそ心を砕くべきだ。」「そこで『武器』になるのが情
報の公開・発信である。中期目標にしても人事にしても…
外部にはっきり意思表示をすることが大学の自治を実現
する道になる。」と記事にあります。情報が公表される
という点に関して言えば、たとえば「国立大学法人法案」
ももちろん公表されています。しかしその問題点につい
て正確に理解している人は少ないと思います。そして人々
の「理解」の度合い、正確さに関してもっとも大きな力
をもつのが、マスコミの報道です。(「(大学は)その
地力を養うことにこそ心を砕くべきだ」などとお書きで
すが、大学自体の情報発信力など、マスメディアの圧倒
的な力に比べればどうあがいてもたかが知れていること
ぐらいは、日本最大級の新聞の記者である貴殿がもし認
めないとしたらそれは欺瞞以外の何ものでもないでしょ
う。)

マスコミの報道にもとづく人々の大学に対する理解がど
の程度のものになるかは、貴殿の記事に代表されるよう
な、朝日新聞を含む大多数のマスメディアの報道を見て
いればだいたい予測がつきます。「大学の学問の自由が、
文科省の介入により危機にさらされている」というよう
な情報が、正しく国民に伝えられ、正当な関心と憂慮の
念を喚起することが期待できないことは、朝日新聞とい
う日本でもトップクラスの新聞に、貴殿がこのような偏
見と誤謬に満ちた「(国立)大学バッシング」記事を堂々
と書いていることだけからも十分わかるでしょう。しか
も私たちは情報提供をまったくしてこなかったわけでは
ありません。法人法案に反対する大学人がその問題点を
報道するよう朝日新聞に対して働きかけたが、法案成立
まで朝日新聞はほとんど対応しなかったと聞いています。
法案成立までは反対の声を意図的に黙殺し、成立したら
早速「法人化のメリットは」というような特集を組むそ
の報道姿勢に、かなり露骨な政治的意図を私は感じ取り
ます。

また、「学長の選考は大学の手で行われる」といった記
述も、ほとんど事実誤認といってもいい過剰な単純化で
す。この法案で文科大臣に学長の解任権が与えられてい
ることはもちろんご存知でしょうね。(「業績の悪化」
など、理由はどうにでもつけられます。)とすれば、文
科省と大学の意向が対立した場合、大学の意向を反映し
て文科省と真っ向から戦ってくれる人物を学長に選ぶこ
とができたとしても、その学長を解任する権限が戦う相
手である文科省にあったのでは最初から勝負になりませ
ん。「いずれも制度の問題と言うより、大学人の良識と
大学経営にかける心構えで解決すべきものだ」に至って
はもう何をかいわんやです。学長に権限が集中し、その
学長の生殺与奪の権限を文科省が握っているような法案
の問題点をまともに指摘することもなく、一般の大学人
の「良識」や「心構え」で解決せよとは、問題のすり替
えでなくていったい何でしょうか?

貴殿の記事を読んでいると、「自立」ということばをど
のような意味で使っているのかに関して貴殿が十分に自
覚的であるとは到底思えません。この法案による法人化
によって、外部資金の導入など、大学の「経済的」自立
は部分的には促されるのかも知れません。(その「経済
的自立」が大学の学問・研究・教育にとって何を意味す
るのかの十分な検証の裏付けが貴殿の記事にあるとはまっ
たく考えられませんが、この問題はここでは深入りしま
せん。)しかし学問・研究の場としての大学の「自立性」
は経済的「自立」とはまったく別物です。(それともも
しかしたら、何らかの意図をもって確信犯的に混同して
使っているのかも知れませんが。)

この法人法案により自由な学問・研究の場としての大学
の「自立性」が損なわれるのではないか、という大学人
の正当な懸念がもし貴殿に理解できないとすればそれは、
この法案の条文とそのもつ意味、この法案の提出・審議・
成立のいきさつとそれに対する大学の内外からのさまざ
まな意見・反対、などに対する貴殿の理解が十分ではな
いからだとしか私には思えません。また、「自立」とか
「自主性」とかいう言葉をその意味・内容を吟味するこ
となく無反省に使う、貴殿に限らずマスメディア全般に
見られる姿勢が、人々の誤解の元になるだけではなく、
「『経済的』競争原理」万能主義に毒された現在の風潮
の中では大学のみならず日本の将来をも誤った方向に誘
導する重大な危険をもたらしうることを十分に自覚して
報道に携わっていただきたいと願わずにはいられません。

平成15年7月21日

東京都立大学助教授                
     長谷川 宏

追伸:もし何か反論等があるようでしたら
hasehirosi@aol.comへお願いします。

毎日: <弁護士資格>大学教授への特権廃止 政府

政府の司法制度改革推進本部は22日、大学の法律学の教授などを5年以上務
めれば無条件で弁護士資格を得られる制度を廃止する方針を決めた。来年度中
にも弁護士法を改正する。

弁護士法は、司法試験に合格して司法修習を終えずに弁護士資格を与える特例
として、大学教授や内閣法制局の参事官などを規定している。しかし、司法改
革で法律家の実務能力が重視される中で、研究だけに従事していた大学教授へ
の特例について見直しの声が出ていた。日本弁護士連合会によると、65年か
ら02年までにこの特例を利用して弁護士登録したのは332人。今後は、司
法試験に合格後、一定期間の研修を終えなければ弁護士になれない。【伊藤正
志】

弁護士法


(弁護士の資格の特例)
第五条 左に掲げる者は、前条の規定にかかわらず、弁護士となる資格を有する。
 一 最高裁判所の裁判官の職に在つた者。
 二 司法修習生となる資格を得た後、五年以上簡易裁判所判事、検察官、裁判所調査官、裁判所事務官、法務事務官、司法研修所、裁判所書記官研修所若しくは法務省設置法(平成十一年法律第九十三号)第四条第三十六号又は第三十八号の事務をつかさどる機関で政令で定めるものの教官、衆議院若しくは参議院の法制局参事又は内閣法制局参事官の職に在つた者。
 三 五年以上別に法律で定める大学の学部、専攻科又は大学院において法律学の教授又は助教授の職に在つた者。
 四 前二号に掲げる職の二以上に在つて、その年数を通算して五年以上となる者。但し、第二号に掲げる職については、司法修習生となる資格を得た後の在職年数に限る。

2003年07月22日

黒田清「批判ができない新聞」

日本との対話:不服の諸相 ロナルド・ドーア編 岩波書店 94年


黒田清
「(p.298〜 批判ができない新聞)日本のメディアは(中略)本来は現実
批判がもとにあったと思うんですが、気がついたら、批判できないよう
になっている。非常に大きいのは、政治についての批判がぎりぎりのと
ころでできなくなったことです。不幸なことに高度成長で日本の新聞社
は読者も増える、ページ数も増えるなど、いろいろなことで社屋を大き
くしなければならなくなって、特に東京で社屋の土地が無かったから、
自民党に頼んで国有地を安く売ってもらった。読売、朝日、毎日、産
経、みんなそうです。とても大きな借りを作ってしまった。だから新聞
記者が一生懸命何かを書こうと思っても、中枢のところで握手をしてい
ますから、突破できない。もう一つは、日本の新聞社の経営は、自己資
金が少ない。たとえば朝日や読売にしても、資本金は一億か一億五千
万、いま増資して三億とか五億とか、せいぜいその程度でしょう。そし
て銀行は、新聞社と手を結んでおいたらいいということで、ずっと貸し
ていた。この10年ほどで、その借入金が一桁か二桁、また増えたわけで
す。これはご存知のようにコンピュータシステムをとりいれたからで
す。そうなると金融機関に対するチェックは非常に甘くなりますね。だ
から、そのあと、土地問題、不動産問題、銀行の不正融資と、表に出て
いるのは知れたもので、さらにひどいことが金融機関をめぐってはやら
れていますよ。けれども、新聞はさわっていませんね」

(p.303)「はずかしいけれど、そう言われてもしかたないと思いますよ。
特に私は読売新聞にいましたから。読売新聞の幹部がどういう考えで新
聞をつくっているかというのは、社内に発表される社内報で知っていま
すから。それに私自身が辞める前は編集局次長で首脳会議に何年か出席
していたわけですからね。その時に驚いたのは、新聞記者、ジャーナリ
スト、マスコミの役割は−−あの人たちにはジャーナリストもマスコミ
もみんな一緒です−−政府が行政を行うのをサポートすることだ、と言
われたことです。私は三十年以上政府権力をチェックするという考え方
だったんですけれど、最後の数年は、サポートするんだとトップは考え
て紙面を作るようになっていた」

落合恵子(作家)氏他:社民党の辻元さん等の逮捕に対する声明および賛同のお願い

[JCJふらっしゅ]2003/07/22 153号より

(==>声明文

 7月18日、社民党・前代議士、辻元清美氏ほか3人が秘書給与詐取事件で逮捕さ
れました。「秘書給与」の流用に関する辻元氏の行為は、本人も認めるとおり違法な
ものであります。しかしながら、私たちはこの逮捕に大きな疑問を抱かざるを得ませ
ん。すでに疑惑発覚から1年数ヶ月が過ぎており、また、辻元氏自身に逃亡の恐れや
証拠隠滅の動きがない現在、逮捕しなければならない理由は、ほとんど見当たりませ
ん。考えられるのは、衆議院の解散・総選挙が具体的日程にのぼり、辻元氏の地元大
阪での市長選挙、知事選挙が間近に迫っているということです。
 つまり、彼女の手足を縛ることが目的であったということでしょう。
 権力側が市民運動出身の代議士であった辻元氏を、政治的思惑によって逮捕したこ
とについて、私たちは、国民の政治参加や行政監視を抑え込む「暗く危険な体制」の
到来を予感します。この際、口をつぐむことなく国民に向かって警鐘を鳴らし、当局
への批判を促したいと考えます。次ページの「声明」にぜひ御賛同ください。
お断りしておきますが、私たちは、社民党あるいは土井たか子さんの応援団ではあり
ません。ふだん、社民党に対して批判的な方々にこそ賛同人に加わっていただきたい
と考えています。
 社民党への攻撃の後、狙われるのは私たちです。

  落合恵子(作家)
  喜福 武(元日本経済新聞社編集局次長)
  斎藤 駿(カタログハウス社長)
  佐高 信(評論家)
  知花昌一(読谷村議・反戦地主)
  吉武輝子(評論家)
  今井 一(ジャーナリスト)

*「声明」は記者会見において発表します。
会見は、7月23日(水) 午後4時より 参議院議員会館にて行ないます。
都合がつく方はぜひ足を運んでください。

*賛同される方は以下にお願いいたします。
●電話:090−3036−0450
●FAX:03−5570−5504
●Eメール:meiyaku@athena.ocn.ne.jp
お名前と肩書きか、居住地をお書き下さい。


                声 明 文

〈要 旨〉
[1]五島昌子元秘書の関与などについての社民党の調査とその報告は実におざなり。
主権者・国民の信頼を失うのは当然だ。私たちはその姿勢を厳しく批判する。

[2]辻元清美氏は違法行為を犯した。だが、今回の逮捕は必要性を欠くものであり、
総選挙を前にした権力側の政治的な思惑によるもの。とても納得できない。

[3]法の下の平等を確保し、国民が真実を知るためにも、この際、国費によって弁
護士や税理士から成る調査隊を形成し、衆参の全議員に対して「秘書給与の実態調査」
を厳格に行なうべきだ。


[1]辻元清美氏が議員を辞職した直後の昨年4月、社民党は「党ぐるみの流用」は
なかったとする党内調査報告をまとめ、与野党やマスコミの疑惑追及に終止符を打と
うとしました。その際、五島昌子元秘書の関与は認めましたが、彼女が流用の指南役
だったとの疑惑は「不明」としていました。
土井たか子党首を守りたい一心でのずさんな調査とその報告。主権者国民をなめては
いけません。
こんな報告で納得するほど国民は馬鹿ではありません。社民党は、自ら進んで真実を
明らかにすべきでした。私たちはそのことを厳しく批判します。

[2]「秘書給与」の流用に関する辻元氏の行為は、本人も認めるとおり違法なもの
でありました。しかしながら、7月18日に執行された辻元氏ほか3人の逮捕に対し
て、私たちは大きな疑問を抱かざるを得ません。
すでに疑惑発覚から1年数ヶ月が過ぎており、また、辻元氏自身に逃亡の恐れや証拠
隠滅の動きがない現在、逮捕しなければならない理由は見当たりません。考えられる
のは、衆議院の解散・総選挙が具体的日程にのぼり、辻元氏の地元大阪での市長選挙、
知事選挙が間近に迫っているということです。
この時期の突然の逮捕に、何の政治的意図がないと言われても、それを額面どおりに
受け取る国民はほとんどいないでしょう。こうした権力側の政治的思惑による市民運
動出身代議士の逮捕に対して、私たちは、国民の政治参加や行政監視を抑え込む「暗
く危険な体制の到来」を予感します。この声明は国民に向けての警鐘でもあります。
当局への批判を促したいと考えます。

[3]家族・親族、両親・妻子を秘書として登録し、ほとんど勤務実体がないにもか
かわらず、秘書給与を国から得ている国会議員が多数存在することはもう誰もが知っ
ている「事実」です。
そして、より大きな疑惑が報道された議員や前・元議員は一人や二人にとどまりませ
ん。そのような人々を放置しておきながら、責任を取って議員を辞職し、流用した秘
書給与分を返済した辻元氏らを敢えて逮捕することが法の下の平等に適っているのか
どうかしっかりと考えなければなりません。
全ての議員に対する厳格な調査を行なうことなく、ある特定の議員を特定の時期に狙
い撃ちする今回の逮捕に、私たちは強く抗議します。
そして、法の下の平等を確保し、国民が真実を知るためにも、この際、国費によって
弁護士や税理士から成る調査隊を形成し、衆参の全議員に対して「秘書給与の実態調
査」を厳格に行なうべきだと考えます。
衆参両院は、速やかにかつ進んでこれを行なうべきです。私たちはこのことを強く要
請します。


2003年7月28日


 *皆さんのお名前
 □□□□( ) □□□□( ) □□□□( )
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
*なお賛同される方は以下にお願いいたします。
●電話:090−3036−0450
●FAX:03−5570−5504
●Eメール:meiyaku@athena.ocn.ne.jp
お名前と肩書きか、居住地をお書き下さい。

「法を守る」とは何かが問われている

--「法人法」国会通過に際しての声明 --
http://pegasus.phys.saga-u.ac.jp/znet/statement722.html

国立大学独法化阻止全国ネットワーク世話人会
(事務局長 佐賀大学理工学部教授 豊島耕一)

2003年07月21日

宮脇磊介「騙されやすい日本人」より

新潮文庫, 2003.3.1 発行、ISBN 4-10-116421-5
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/tg/detail/-/books/4101164215

#(主張の全体的方向性には、ある種の危惧を感じたが、政府の中枢近くにいた著者による、現代日本の構造的問題の全貌についての貴重な証言になっている。以下、国会運営とマスメディアに関する部分だけ紹介。)

p23 「国民の目を永田町の実態から隔離してきたカベは、いわゆる
55年体制下において限りなく有効に機能してきた。それは、与党
自民党の中での密室政治にとどまらず、与野党間の密室談合によっ
て作られたシナリオに沿った国会運営をもたらすことで、その真骨
頂を発揮する。これがいわゆる国対型国会運営、「国対政治」とい
われるものである。そして、政治記者はシナリオーー国会対策委員
会のいわゆるウラ国対で、党利党略の調整の結果まとめたシナリ
オーーを尊重して、そのシナリオにあった記事作り、紙面構成をし
てきた。・・・自民党は国会対策上、重要法案を最終的に会期内に
可決するために、いかにも野党の立場を尊重して五分五分の与野党
対決をしているかのようなシナリオを、野党と談合の上で作る。国
対委員長が、そのシナリオライターであった。政治記者は、そのシ
ナリオを作成する経緯がわかっていても、紙面で暴露するようなこ
とはしない。むしろ、時にはシナリオ作りに加担することさえあっ
たといわれる。このシナリオには、必ず、「審議拒否」が重要な意
味を有する。つまり、白熱シナリオのクライマックスである。・・・
野党は審議に復帰し、法案成立のタイムリミットにぎりぎりで間に
合う。・・・与野党談合、政治記者黙認の共同作業が生んだお決り
の展開が繰り返されていく。」
#(国立大学法人法案の審議では、与野党間は談合はなかったと信
じたいが、参議院文教科学委員会の最後2回の審議では、民主党議
員の質疑内容と態度に、その疑念を抱かせるものがあった。)

p186「 行政とジャーナリズムのとの癒着の最大の場は、つとにそ
の弊害が指摘されている記者クラブ制であろう。記者クラブは、政・
官・業いずれとの間にも存在するが、政治家と番記者との関係に次
いで癒着度が高いのは、官庁記者クラブであるといわれる。長年の
記者クラブと行政官庁との間の歴史の中で、次第に記者の独自取材
や調査報道の力が削がれ、行政官庁のいわゆる「発表もの」に依存
するようになってしまった。「新聞の官報化」は、かねてから指摘
されているところである。」

p192 「癒着によりジャーナリズムが書かないこと、ジャーナリズ
ムの腐敗である。マスメディア自身も国民も「癒着は腐敗である」
との厳しい見方で臨まないと、マスメディアのモラルハザードが進
行する。日本のマスメディアの場合には、ニュースソースとの関係
において、意識的・理性的に選択されたポリシーとしてのオープン
な協力関係と、こうした癒着とがはっきり区別して意識されていな
いために、緊張感が欠けて腐敗を生んでいるのであろう。」

p194 「私が内閣広報官の仕事をしている間に自分自身で感得した
言葉に、"毒をまわす"という語がある。・・・「魂を奪う」とか
「肝を抜く」という言葉は承知していた。「毒をまわす」とは、丁
寧に言えば「ご理解いただき、ご協力を賜る」ということであ
る。・・・毒をまわす手法は、・・・システムとしても形成されて
いる。・・・その最も有効なシステムが「叙勲」をエサに魂を奪い
虜にすることである。そのシステムの典型は、政・官が特に役所を
窓口として、政・官においてこれから実現しようとする政策に対し
て批判勢力になりかねないマスメディアの関係者・評論家・学者や
財界人などを懐柔するための段階的システムである。・・・新聞関
係では、特定の新聞社の社長が新聞協会の会長を順に務めるとになっ
ているが、会長経験者には、勲章、それも勲一等瑞宝章が授与され
るとが慣行として定着しつつある。新聞人にあっては、叙勲を辞退
した人がどれだけいるであろうか。・・・」