2004年01月23日

「一〇〇〇校をはるかに超える高等教育機関を七年なり五年なりの期間で評価を終了しなければ法令違反」

アルカディア学報 141 2003.11.26
省令―なぜ遅れているか 文科省の認証のための省令
私学高等教育研究所主幹 喜多村 和之

すでに本欄でも繰り返しとりあげてきたところだが、周知のとおり、二〇〇二年十一月、政府提案の学校教育法および私立学校法の改正により、日本の大学、短期大学、高等専門学校の高等教育機関は、国公私立にかかわらず、すべて政令で定める期間内に一度、自己点検・評価を行い、その結果を公表するとともに、政府が認証した評価機関(認証評価機関という)から第三者評価を受けることを義務づけられることとなった。この新しい認証評価制度の施行時期は二〇〇四年度からであり、あと数ヶ月の間近にせまっている。ところが、このような時期になっても、第三者評価を実際に担当すべき予定の評価機関においても、これを受けることになっている個々の高等教育機関の側でも、さらには新制度の実現に責任を有する文科省の側においても、かならずしも実施に臨んで充分な準備ができているとはいえないように思われる。こうした事態は法律に定める新制度の施行日(二〇〇四年四月一日)直前に迫った時点としては異例なことである。・・・・・
巷では一〇〇〇校をはるかに超える高等教育機関を七年なり五年なりの期間で評価を終了しなければ法令違反として処分の対象にするといった強権的な措置を実行することが果たして可能なのかという疑問がすでに抱かれているし、筆者も二〇〇三年七月七日の私学高等教育研究所主催の公開研究会においてこの疑問を指摘し、そもそも文科省も中教審もこれだけ多くの高等教育機関を五年なり七年で評価を終えられるというシミュレーションをしたうえで政策を推進したのかという問題提起をしたところである。・・・・・ところで奇怪なのは、報道によれば(本紙十一月十二日付参照)、中教審内部ですら同じような疑問が表明されていることである。たとえば去る十月十五日に開かれた大学分科会(分科会長:佐々木毅東京大学長)では、「今後七年間で全ての大学を評価するのは可能なのかどうか」、「これから評価基準等を定め、評価員を養成・研修しなければならない。日程的に厳しいのではないか」といった評価制度の実施可能性についての懸念が示されたという。
  こうした懸念や危惧は筆者がすでに指摘してきたところと共通するが、しかし、この政策を勧告した当の中教審がいまさらそんな懸念をもち出したとすれば、それは政府の政策形成機関としては問題である。なぜなら審議会は結果的には実現が疑問視されるような政策を国民に勧告したことになってしまうからだ。・・・・・

審議会は官僚の隠れ蓑でしかない以上、中教審に期待することは難しい。教育基本法改正がなぜ必要かわからない、という議論が中教審で最後まで続いていたが、答申では教育基本法の改正が必要であるとなっている。"

tjst |1月23日 |URL:http://www.ac-net.org/dgh/blog/archives/000479.html |大学評価
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