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国立大学独立行政法人化の諸問題: 東京都の大学支配問題


10/31 都立大フランス文学専攻の抗議声明東京都の大学支配問題
9/23 開かれた大学改革を求める会の見解「設置審による「首大」案認可答申に接して」東京都の大学支配問題
9/22 首都大学東京の認可の留意事項東京都の大学支配問題
5/05 JANJAN 5/5: 東京都立大学の危機---許されない設置認可東京都の大学支配問題
4/19 都立大人文学部教授会から都大学管理本部長への公開書簡2004.4.15東京都の大学支配問題
4/13 西澤氏の言動は新大学の名誉と教職員の尊厳を傷つける・・・・都立4大学教員声明呼びかけ人会声明4/13東京都の大学支配問題
4/10 都立大総長から全教員への緊急メッセージ 2004.4.9東京都の大学支配問題
3/14 「都立大学史学科と改革問題」サイト東京都の大学支配問題
3/13 [AcNet Letter 72] 川勝平太氏による首大称賛コラムの背景AcNet Letter , 国立大学附属学校の今後 , 情報公開法の活用 , 大学の使命 , 大学の労使関係 , 東京都の大学支配問題
3/13 [AcNet Letter 71] 東京都立大学評議会見解2004.3.9AcNet Letter , 意見広告の会ニュース , 荒廃の諸相 , 大学の自治 , 地方独立行政法人制度 , 東京都の大学支配問題
3/13 [AcNet Letter 70] 北大過半数代表候補者会議、他AcNet Letter , 大学の労使関係 , 東京都の大学支配問題 , 法人化準備
3/02 3・28講演とシンポジウム「任期制・年俸制導入と評価制度は大学と教育をどう変えるか」大学評価 , 東京都の大学支配問題 , 任期制の諸問題 , 不当な支配に直面する横浜市立大学
2/28 「都民のための大学をめざして」に2000人が参加東京都の大学支配問題
2/23 都議会での「意思確認書」の質疑東京都の大学支配問題
2/20 「開かれた大学改革を求める会」声明:都議会への29,665筆陳情書の不採択について東京都の大学支配問題
2/19 虚言と恫喝を駆使する東京都大学管理本部東京都の大学支配問題
2/16 政策的「大学改革」に疲弊していく大学東京都の大学支配問題
2/15 読売新聞2/15朝刊掲載予定:意見広告「東京から教育・文化を変える?破壊する!!」東京都の大学支配問題
2/14 「意思確認は求めていない 大学とのしっかりした協議を―文科省」東京都の大学支配問題
2/14 「東京都・管理本部のダブル・スタンダード」東京都の大学支配問題
2/13 民間教育臨調会長としての西澤氏の考えかた東京都の大学支配問題
2/13 文科省が都の大学行政を批判「踏み絵を迫るようなことをやれとは言っていない」東京都の大学支配問題
2/11 行き詰る東京都大学管理本部ーー『承諾意思確認書』の背景東京都の大学支配問題
2/11 『「首都大学東京」就任承諾にあたっての意思確認書』東京都の大学支配問題
2/10 東京都大学管理本部が「意思確認書」?東京都の大学支配問題
2/07 一橋大学語学研究室から東京都知事への「首都大学東京」設置に関する要望書東京都の大学支配問題
2/07 シンポジウム2/10ーー誰のための「独立行政法人首都大学東京」東京都の大学支配問題
2/06 都立大学評議会声明2004.1.27東京都の大学支配問題
2/06 新都立大学教員公募へ応募僅少東京都の大学支配問題
2/03 吉川一義氏「外国人とは、理解のむずかしい絶対的な他者である」東京都の大学支配問題
1/24 都大学管理本部が自慢した「Nature」論文著者は「改革」に反対して転出東京都の大学支配問題
1/24 前都立大学総長が新都立大学教学準備委員東京都の大学支配問題
1/24 都立4大学教員432名の声明東京都の大学支配問題
1/23 「ほんとうに優れた「民間企業」の多くは、現在大学に彼らが押しつけようとするようなことはやっていない」東京都の大学支配問題
1/17 都立四大学助手有志134名の共同声明 2004.1.15東京都の大学支配問題
1/15 都立大COE拠点メンバー一同が都の大学政策を批判東京都の大学支配問題
1/14 東京都の密室大学行政の様相東京都の大学支配問題
1/14 東京都が河合塾に委託した業務内容詳細東京都の大学支配問題
1/14 都立の大学を考える都民の会主催2/28シンポジウム「これでいいのか? 都立の大学「改革」」東京都の大学支配問題
1/10 都知事への抗議声明1/7--都立大国語学専攻OB・OGの会有志東京都の大学支配問題
1/03 都立高3年担任の希望「伝統があって、実績があるわけですから、できるだけわかりやすい形で既存のものを残してほしい」東京都の大学支配問題
1/03 追加署名呼掛け:都立の四大学の改革に関する陳情書東京都の大学支配問題
1/02 東京都大学管理本部がついに教員人事まで?東京都の大学支配問題
12/30 平気で嘘をつく人々の記録2:東京都知事荒廃の諸相 , 東京都の大学支配問題 , 不当な介入 , 平気で嘘をつく指導者達
12/26 都立大学・科学技大理工系教員有志110名の声明東京都の大学支配問題
12/24 抗議辞職した都立大四教授支持声明意見広告の会ニュース , 学問の意義 , 大学の使命 , 大学の自治 , 東京都の大学支配問題
12/23 日本文学協会:都立大学「改革」に反対する声明研究者から社会へ , 地方独立行政法人制度 , 東京都の大学支配問題
12/23 日本史研究会声明12/1:都立四大学の統廃合について・・・・・・研究者から社会へ , 地方独立行政法人制度 , 東京都の大学支配問題
12/18 「学問の自由や大学の自治が踏みにじられている」ーー辞職する都立大教授東京都の大学支配問題
12/17 東京都文教委員会12/12:「やめたい奴はやめろ」東京都の大学支配問題
12/13 「意見広告の会」ニュース71(2003.12.13)意見広告の会ニュース , 東京都の大学支配問題
12/12 都立大4教授が抗議辞職し、法科大学院入試延期へ東京都の大学支配問題
12/11 新都立大:語学授業を英会話学校に委託を検討東京都の大学支配問題
12/08 「大学管理本部が保障します。」「管理本部が保障するのでは信用できません。」東京都の大学支配問題
12/08 東京都立河合塾大学東京都の大学支配問題
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12/05 新しい都立大学の11月説明会 質疑集東京都の大学支配問題
12/05 学位授与・大学評価機構による都立大学評価結果概要研究者から社会へ , 大学評価 , 地方独立行政法人制度 , 東京都の大学支配問題
12/04 東京都立大学「廃止」に対する新英米文学会抗議声明東京都の大学支配問題
12/03 「8・1の転換」はなぜ必要になった東京都の大学支配問題
12/03 英文学会・米文学会・英語学会から文科大臣等への共同要望書東京都の大学支配問題
12/03 日本科学者会議声明 2003.11.30東京都の大学支配問題
11/28 山口文江東京都議会議員:都立大改革審議11/13にコメント東京都の大学支配問題
11/28 東京都大学管理本部のメディア操作疑惑等東京都の大学支配問題
11/26 東京都大学管理本部が検討経過をねつ造東京都の大学支配問題
11/18 11月13日都議会文教委員会大学管理本部関係傍聴記東京都の大学支配問題
11/18 アリバイ作りか、新都立大学説明会東京都の大学支配問題
11/16 東京都立新大学の説明会11/17東京都の大学支配問題
11/06 都立新大学開設への「突貫準備」の実相東京都の大学支配問題
11/04 東京新聞11/2「『学生の声、反映してない』」東京都の大学支配問題
11/04 「都立の大学を考える都民の会」設立趣意書東京都の大学支配問題
10/31 弁護士による状況判断:社会は東京都より都立大学を支持東京都の大学支配問題
10/31 高校側も心配する「新都立大学」大学の使命 , 大学入試 , 地方独立行政法人制度 , 東京都の大学支配問題
10/29 都立大史学科OB会有志抗議声明東京都の大学支配問題
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10/25 都立大学改革についての神戸大教職組緊急声明10/21東京都の大学支配問題
10/23 都立科技大:学長名意見表明批判東京都の大学支配問題
10/23 東京都を蝕んでいく秘密主義東京都の大学支配問題
10/22 11/1シンポジウム「廃止して良いのか?都立大学!!」PDF版東京都の大学支配問題
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10/18 朝日・武蔵野版が都立大学院生の公開質問状を報道東京都の大学支配問題
10/18 都立大学学生自治会抗議声明10/10東京都の大学支配問題
10/18 都立大学:10/15学生説明会に500名余が参加大学の自治 , 地方独立行政法人制度 , 東京都の大学支配問題 , 不当な介入
10/18 東京歴史科学研究会委員会声明10/16東京都の大学支配問題 , 不当な介入
10/16 都立大の危機 FAQ 廃校 or 改革?東京都の大学支配問題 , 不当な介入
10/11 11/1 都立大学祭企画「廃止して良いのか?都立大学!!」大学の自治 , 地方独立行政法人制度 , 東京都の大学支配問題

2004年10月31日

都立大フランス文学専攻の抗議声明

石原東京都知事に発言の撤回を求める

                    2004年10月31日

      東京都立大学人文学部フランス文学専攻教員一同

去る10月19日、石原慎太郎東京都知事は、「The Tokyo U-club」設立総会の場で次のような発言を行ったと伝えられる(『毎日新聞』10月20日付ほか)。

「都立大にはドイツ語やフランス語の教員はいっぱいいるのに学生は数人またはゼロ。」
「フランス語は数を勘定できない言葉ですから国際語として失格しているのもむべなるかなという気がします。そういうものにしがみついている手合いが〔東京都立大学の廃止、新大学の設置をめぐって〕反対のための反対をしている。笑止千万だ。」
教員の配置数と、ドイツ語ドイツ文学、フランス語フランス文学を履修する学生数の関係については、すでに幾度となく真実の「数の勘定」にもとづいた正確な評価と公の議論を東京都大学管理本部に申し入れてきたが、その甲斐もなく、知事側からまたもやこの種の発言が繰り返されたことは誠に遺憾である。現・東京都立大学において、フランス語を学ぶ学生は、毎年、数百人の規模で存在しており、また、人文学部フランス文学専攻に在籍する学生の数(昼間部・夜間部の上限定数、各学年それぞれ9名・3名)がゼロであった年度など、いまだかつて一度もなかったことを、ここで再び確認しておかねばならない。

新大学「首都大学東京」の支援組織「The Tokyo-U club」が、このような虚言と、他国の言語、文化に対する価値毀損の暴言を旗印として発足すること自体、東京都教育行政の権威を失墜せしめるばかりか、日本の首都の知的水準を世界の目に疑わしめかねない極めて重大な事態である。東京都は、1982年、フランスの首都パリと姉妹友好都市協定を締結しており、東京都立大学は、「日仏共同博士課程日本コンソーシアム」発足以来、日本側加盟大学29校に名を連ねている。このように相手国の言語と文化をいたずらに貶めて恥じないような人物を、東京都の長の座に、そして大学設置主体の最高責任者の座に戴いてしまったことの不幸を、良識ある東京都民、現・東京都立大学の教職員、学生諸君とともに心より嘆く。

世界1億7千万人のフランス語常用者、数億、十数億人の随時使用者、学習者、ならびに日本国、とりわけ東京都にあって、フランス語、フランス語圏文化となんらかのかたちで関わりながら暮らしているすべての住民を前に、断固、上記発言の撤回を求める。

          石川知広 石野好一 大久保康明

           岡田真知夫 小川定義 菅野賢治

           西川直子 藤原真実 吉川一義

2004年09月23日

開かれた大学改革を求める会の見解「設置審による「首大」案認可答申に接して」

「設置審による「首大」案認可答申に接して」ーー開かれた大学改革を求める会(代表:西川直子)見解 2004年9月22日

【1】文部科学省の大学設置・学校法人審議会は、東京都の進める「首都大学東京」案に対して数々の問題点を把握しながらも、その設置を認める答申を文部科学大臣に提出したことが9月21日に報道されました。新大学計画をめぐる現状を冷静に考量するならば、この判断は拙速と呼ばねばならぬもので、きわめて遺憾です。


【2】しかしこの答申において5点にわたる「留意事項」が付されたことは、東京都の進めている新大学案が設置審によって明らかに「問題あり」と認められた証左であると考えます。(この他さらに3点のより根幹的な指摘が非公開で為されているはずです。)

本来ならば、最低限これらの点が具体的に解決されてはじめて設置認可はくだされるべきです。ともあれ、指摘を受けた「留意事項」に対して東京都側は誠実な対処をするよう、大学設置者である東京都に対してはもちろんのこと、設置認可をくだす文科省にも強く求めます。

ちなみにこの5点に即して、すでにこれまでことあるごとに公表してきた私た
ちの批判的認識を略記すれば以下のようになります。

  1. 東京都大学管理本部は、現行の都立4大学がこれまで築いてきた教育・研究の蓄積を無視し、大学側との開かれた協議体制を築かぬままに新大学を発 足させようとしている。
  2. 「都市教養学部」がいったいどのような教育・学問を目指す学部であるのか不明である。教育・研究に必須の体系性がそこには認められない。
  3. 単位バンク制には難点がきわめて多い。

  4. 新大学は単位枠等の制約の緩やかさをあたかも利点のごとく喧伝しているが、その実は体系的な教育体制の否定に他ならず、責任ある大学教育を放棄するものである。

  5. 学部と大学院の設計は一体に考えられるべきであるにもかかわらず、後者案はいまだに明確に示されていない。

東京都大学管理本部、新大学理事長予定者、学長予定者らは、これまで私たちの声に耳を貸さず強引に進めてきた新大学案のどこに問題があるのか、これを機によく反省し自覚するべきです。


【3】東京都庁側と大学との間での開かれた協議体制、及び、現行大学に在学する学生に対する教育保障、という2点を主軸にこの間活動してきた「開かれた大学改革を求める会」では、これまで掲げてきた目標がまったく達成されていない以上、今後とも粘り強く従来の要求を主張しつづけてゆきます。


1. 新大学開学まで半年を残すばかりとなった現在にいたっても、いまだ解決されていない、それどころか認識すらされていない問題が山積されています。このまま2005年度新大学開学を強行するならば、新大学新入生は言わずもがな、現在在学している学生たちにとっても甚大な被害が及ぶことは誰の目にも明らかです。


かくなる現実を承知しつつ来年度新大学開学の方針に従う東京都立大学総長以下執行部に対して、さらには冷厳なる現実を把握できていない大学管理本部、理事長予定者、学長予定者に対して、8月9日付声明を発した「開かれた大学改革を求める会」有志らは設置認可が最終的におりようとも引き続き、「新大学開学一年延長」を速やかに決断することこそが考えられうる責任ある最善の方策であるとの訴えを続けてゆきます。


2. 大学の独立法人化案が12月の都議会に諮られると伝えられていますが、大学の自治を重んずる現大学構成員の意見がここに充分に組み込まれてゆくよう、東京都に働きかけてゆきます。とりわけ、2010年度で廃止される予定の現行大学は法人化後にあってもこれまでと同等の学則のもとで運営される、という当然の措置がなされるよう強く求めます。


3. 今後現実に起きた被害に対しては訴訟等の手段を講ずることも念頭に置きつつ、事態を見つめてゆきます。


以上。

2004年09月22日

首都大学東京の認可の留意事項

大学設置・学校法人審議会答申資料より

1.既設大学の教育研究資源を有効に活用し,統合の趣旨・目的等が活かされるよう,設置者及び各大学間の連携を十分図りつつ,開学に向け,設置計画(教員組織,教育課程の整備等)を確実かつ円滑に進めること。

2.名称に「都市」を冠する「都市教養学部」の教育理念を一層明確にし,これにふさわしい特色を持つ体系的な教育課程の編成に一層の配慮をすること。特に分野横断型の「都市政策コース」や「都市教養プログラム」等,要となる科目群の教育内容について独自性が十分発揮されるよう,その充実を図ること。

3.関係組織間の適切な連携の下,単位バンクシステムや学位設計委員会等の新たな試みが円滑かつ有効に機能するよう努めること。

4.学生の選択の幅を拡大するコース制等を導入するに当たっては,大学設置基準第19条に掲げる教育課程の体系的な編成に十分留意すること。また,学生が科目等の選択を円滑に行えるよう,きめ細やかな履修指導体制の一層の充実を図ること。

5.平成18年度開設に向けて構想されている新たな大学院については,新大学の趣旨・目的等にふさわしいものとなるよう十分に配慮した上で,その構想を可及的速やかに検討し,示すこと。

口頭で関係者に伝えられた留意事項もあるそうだが、これは公表されない。

2004年05月05日

JANJAN 5/5: 東京都立大学の危機---許されない設置認可

JANJAN 2004.5.5 地域・東京都立大学の危機---許されない設置認可

・・・・・4月28日、大学管理本部は文部科学省に対して都立新大学の設置認可申請を行った。混乱が収拾に向かわないままでの設置認可申請となった。この混乱の責任は誰が取るのだろうか。都知事か、大学管理本部長か、それとも行政へのチェック機能を果たさない都議会議員だろうか。しかし、彼らは退任すればそれで終わりである。一度破壊された学問の場を復旧することは極めて困難だ。全ての「付け」は都民に帰ってくることを忘れてはならない。

2004年04月19日

都立大人文学部教授会から都大学管理本部長への公開書簡2004.4.15

4月8日付大学管理本部長文書に関する見解

東京都大学管理本部長
山口一久殿

              2004年4月15日 東京都立大学人文学部教授会

 大学管理本部長名による4月8日付文書が多くの重大な問題点を含むことは、都立大学総長による9日付学内向け緊急通知でその概略が示されたとおりである。しかし、上記本部長文書は、ようやく緒に着いた協議の過程を著しく歪曲して伝え、3月23日の理事長予定者も交えた4大学学長・総長会談から3月29日の第7回教学準備委員会に至る大学側の努力を無に帰せしめるものと評さざるを得ない。しかも、4月2日に総長名で送られた管理本部長宛意見書に対して何の回答もないままに、逆に教職員に対しこのような文書を一方的に送りつけるやり方は、大学との協議を拒否し続けてきたこれまでの姿勢と実質的に何ら変わるところがなく、到底受け入れられるものではない。それどころか、うわべで協議の形を装いながら、結果においては巧妙に大学の意見を排除する点においてさらに悪質であり、総長の呼びかけを受け現計画への疑念や異論にもかかわらず前向きの検討を行うことに同意した教職員に対する重大な信義違反と言うべきである。総長をはじめ都立大学委員は、些少なりとも大学問題に識見を有する者として、新大学を真に大学の名に値するものとするために意見を申し述べているのであり、たとえ管理本部案を批判することがあったとしても、虚心に耳を傾け改善を図ることこそ設置者に望まれる態度であろう。

 以下、やや詳細にわたり疑義および反論を申し述べる。

 1.4大学学長・総長懇談会(2004年3月23日)の内容について

 まず第一に、都立大学総長の呼びかけで開催された4大学学長・総長懇談会には、高橋理事長予定者も出席し都と大学の十分な協議が必要である旨の発言を積極的に行ったと伝えられるにもかかわらず、管理本部長のまとめにはこのことがまったく触れられていない点を指摘すべきである。3月30日の総長メモにあるように、この懇談会の主眼は、「2005年4月、新大学を開設すべく、大学の代表たる総長・学長、大学管理本部長、学長予定者、理事長予定者による十分な協議を行いつつ準備を進めること」の確認であった。本部長による概要は、当日の発言のうち都合のよい部分を列挙したに過ぎず、席上総長から出されたと伝えられる反論は故意に無視しながら、ありもしない「意見の一致」を捏造するに等しい。とりわけ、・の第3項に、「新大学への参加意思を示した人たちは、新大学の基本的な枠組みを了解したうえで建設的に新大学の実現に取り組むことを表明したのであり、文部科学省への申請段階で反対運動を展開するということは許されない」とあるのは、意思確認書の許すべからざる趣旨逸脱にほかならない。協議体制の設置に向け「重要な前進があった」旨の総長の呼びかけに答え、最終的に意思確認書を提出した教員は、認可申請そのものを故意に妨害する意思のないことを示したに過ぎず、新大学計画をよりよいものにするために必要な批判を行う権利を放棄したわけではないことは、ぜひ強調しておく必要があろう。

 2.第7回教学準備委員会(2004年3月29日)関係事項

 第7回委員会の議事及びその後の経過については、すでに4月2日付都立大学総長意見書においても疑義が呈されているが、全体として改めて指摘すべきは、相も変わらぬ恣意的な議事運営法である。大学を代表する形で総長も参加して行われる「協議」なるものが、このような形式だけの見せ掛けであり、実質を欠く空虚なものにとどまるのならば、人文学部としてこれ以上いっさいの協力は差し控えるべきと判断せざるを得ない。東京都は、これにより設置認可審査上いかなる障害や混乱が生じようとも、その責任はひとえに自らの不法な準備体制にあることを知るべきである。

 (1)の単位バンクに関しては、総長以下出席した委員の報告による限り、部会長報告に対し異論が続出し、設置申請に向けて大幅な手直しの必要なこと、拙速な導入を避け慎重に継続審議とすべきことなどが合意されたのみであり、単位バンク推進のための「学長直轄の独立組織」などという組織案を委員会として了承するどころか、その審議さえ行われなかったとされる。それにもかかわらず、あたかも合意を見たかのような記述を行うことは、およそ協議というもののあり方を無視した非民主的手続きであり、直ちに撤回を求めるものである。なお、本部長文書には触れられていないが、単位バンク検討部会報告の問題点を指摘するなら、単位バンクなる制度自体、その概念からして大学としての責任ある教育体制と矛盾し、現行案のような形で導入を急げば無用の混乱を招くことは必至であろう。とりわけ、審査のうえ全科目を例外なく単位バンクへの登録科目とし、審査に通らない科目は開講を許可しないとされる点は、学問の自由と大学の自治の根幹を揺るがす大きな問題を含んでいると判断せざるを得ない。改めてこの新奇な制度の再考を強く求める所以である。

 (3)の学部等名称は、都市教養学部について強い異論が出され、むしろ代案として選択肢に含まれていた総合教養学部を推す声が多かったにもかかわらず、座長一任の結果、当初案通り都市教養学部に決定とされたことが伝えられている(4月2日付総長意見書)。当日議論に参加した総長は、これに強い違和感を覚える旨表明し、このような決定に至った合理的理由の説明を行うよう求めているが、この要求はあまりに当然と言うべきである。すでに繰り返し指摘されて来たように、新大学が「大都市における人間社会の理想像の追求」を使命とするとしても、普遍性・基礎性を旨とすべき「教養」の概念に安易に「都市」を冠することはあまりに偏頗な特殊性の接合であり、理念的整合性に基づくべき学部の名称としてはいかにも異様なものであろう。

 (5)の経済学コースの取り扱いに関しては、何よりもまず、定数問題の未解決を原因とする調整の不調を以って直ちに経済学コースの非設置を決定するごとき審議過程に深い疑念を呈さざるを得ない。このようなこじれは、もっぱら昨年8月1日以降の東京都の上意下達の強引さに由来するものであり、東京都は、予め現大学と公に十分な協議を行い各構成員の納得を得ることなく設置準備を進めようとした点を深刻に反省すべである。無理な日程と頑なな強硬姿勢のせいで十分な教員の同意を取りつけることが危ぶまれるや、就任承諾書以前に法的根拠のない意思確認書を強要し、配置先、雇用・勤務条件等不透明な状況のなかで不可能ともいえる決断を迫り、当然の権利として保留を貫く者を切り捨てるというのは、まことにもって横暴としか表現しようがない。

 (6)の今後の進め方に関連し、現大学の構成員の意見をまったく聴取することもなく学部長等予定者が一方的に指名され、これらの予定者を柱として今後の検討体制を敷く旨が通告されたが、このような進め方には大学設置準備手続きとして著しい瑕疵があると言わなければならない。2003年10月7日付都立大学総長声明、2004年1月27日付の同評議会見解などに示されているとおり、都立新大学の設置はいわゆる改組転換の方式に準ずると解すべきであるところから、関連諸法規などにより、現大学との十分な協議を要請するものであることは言を待たない。したがって、今後は、現大学の部局を代表する者の意見が今まで以上に尊重されることが肝要であるとともに、新大学の学部長等予定者も現大学構成員の意見を聴いたうえで初めて決定されるべきである。新公立大学法人の定款がどのようなものになるにせよ、新大学においても大学の自治は絶対に譲れない根幹の要件だからである。

 3.法人化及び人事制度に関する事項

 この項目は、経営準備室運営会議においてもまだ未検討の事項であり、これがどのような位置づけのもとに4月8日付本部長文書に掲載されたかを改めて問いただす必要があろう。こうした重要な論点について、あたかも既定事項であるかのように通達を行うことは、明らかに現大学との協議をないがしろにするものである。また、そこで提示されている考え方には多くの錯誤や無理解があり、それが実現すれば新大学の正常な発展が阻害されることも疑いを入れない。いずれにせよ、上意下達の命令系統、教育研究等に関わる一方的業績評価、採用・昇進等人事管理体制の類を見ない強化、大学を発展させるべき本来の経営的視点とはまったく異質の、後ろ向きの予算配分・人件費運用(任期制・年俸制等)など、このまま大学の自治を圧し殺す制度的基盤が整えられるならば、新大学にいかなる未来もないことはいくら強調してもし過ぎるということはない。大学管理本部は、行政組織や営利企業とは根本的に異なる大学の特質に特段の配慮を払い、経営準備室運営会議において、真摯に大学の意見に耳を傾けつつ至急これらの問題を具体的に議論すべきである。

 4.教学に関して質問の多かった事項

 前項同様、この項目も、質問の主体が誰なのか、示された回答は誰の責任において行われているのか、これはそもそも単なる叩き台なのか、あるいはどこかでオーソライズされた既定方針なのか等、きわめて曖昧であり、本来であればまともに議論の俎上に上せるには及ばないとさえ判断される。しかしながら、本部長文書に取り上げられている以上これらは拘束力を持つ可能性があり、ここでは、うち一点につき疑念を述べる。

第1点の「オープンユニバーシティ等センター教員」に関し、「所属の別により大学院における研究指導等を区別するものではない」との方針は評価できるが、大学院担当のために「新たに定数を設けることは考えていない」とあるのは、現計画における学部・センターの定数配置を固定するものであり、研究重視の大学院構想とはまったく相容れない。とりわけ、現人文学部のように、大幅な定数減により高度な基礎研究の拠点として機能して来た実績の保持が危うくなっている部局の場合、大学院の構想において相応の定数上の配慮が払われなければ、研究・教育に壊滅的打撃を蒙る恐れが大きいことは強調されるべきであろう。第7回教学準備委員会において学術研究の重視が承認されたと伝えられているが、基礎研究に十分な資源を配分することなくして研究重視の大学ができる道理はない。2003年度大学評価・学位授与機構による評価を見ても分かるとおり、人文学部大学院におけるこれまでの研究・教育の成果は、他の有力大学に比して勝りこそすれ決して劣るものではないとすれば、この文化的蓄積をあたら散逸せしめるのは、およそ首都東京の名を汚す恥ずべき行いと断ずるほかはない。

以上

2004年04月13日

西澤氏の言動は新大学の名誉と教職員の尊厳を傷つける・・・・都立4大学教員声明呼びかけ人会声明4/13

Subject: 都立新大学問題に関する声明
Date: Tue, 13 Apr 2004 10:19:29 +0800

・・・・・・特に、西澤潤一氏自身は、公立大学協会の会長として2003年10月2日に、「公立大学法人化に関する公立大学協会見解」を発表しているが、その見解において、設置自治体が法人化を選択する場合、「公立大学と十分な協議を行い新たな協力関係を築いていくことを要請し」、また「教育研究の特性及びこの特性の最も重要な要素である自主性に常に配慮しつつ大学側と十分に協議しながら」進めることが必要との方針を明らかにしている。西澤氏は、会長としてこの方針を堅持する立場にあるにもかかわらず、これを放棄する態度を文書で表明したことは、公立大学協会の会長としての責任放棄の言動として許されないばかりか、新大学の学長としての不適格さを自ら示すものであり、社会から批判を受けざるをえない。さらに新しい大学の初代学長予定者として、在籍学生をはじめ受験生やその保護者に対して、信頼を損ねる言動であり、同時に、新大学の名誉と、そこで教育と研究に取り組む教職員の尊厳を傷つけるものである。・・・・・・

声明全文

声  明

私たちは、2004年1月21日に、都立4大学の教員432名(1月21日現在、2月3日の2次集約で451名)の賛同署名を添えて、東京都に対して「都立新大学設立のための開かれた協議体制の速やかな確立」を要求した。しかし大学管理本部は何ら協議を行わないままに、2月には4大学の教員に対し新大学への就任意思を問う「意思確認書」の提出を強要し、協議を行おうとする大学側の必死の働きかけにもかかわらず、事態は何ら進展を見せなかった。

それどころか、3月8日にようやく実現した茂木俊彦東京都立大学総長と山口一久大学管理本部長との会談の際、山口大学管理本部長が茂木総長に通告した内容は、「新大学の構想について、現大学との対話、協議はありえない」と明言する驚くべき内容であった。さらに翌3月9日には、西澤潤一新大学学長予定者・山口一久大学管理本部長の連名で、あらためてその内容が文書として都立大学に示され、都立大学評議会は即日「3月8日の総長と大学管理本部長の会見に係る評議会見解」を公表し、抗議の意思を表明したが、同文書はいまだに撤回されていない。

その後、3月23日に都立4大学の総長・学長と山口大学管理本部長・高橋新大学理事長予定者との会談が開催され、それを受けた3月29日の第7回教学準備委員会では、新大学の設立準備にあたって、今後は現大学の代表者と十分な協議を行いつつ進めることが確認されたと伝えられている(茂木総長3月29日付文書「全学の教員の皆さんへ2004年3月29日拡大教学準備委員会とその評価について」、茂木総長4月2日西澤潤一学長予定者・山口一久大学管理本部長宛て意見書「第7回教学準備委員会(2004年3月29日)の審議等に関連した意見と要望」)。

このことが事実だとすれば、私たちが求めてきた協議体制が構築される第一歩として、これを評価するに吝かではない。しかし、正常な開かれた協議体制が現実に機能するかどうかは、実はすべてこれからの問題であるし、3月29日以降の動きも含め、この間の大学管理本部の主張と姿勢を客観的に見るならば、私たちはなお多くの危惧を抱かざるをえない。私たちは、協議体制の確立によって、新大学の設計が現大学構成員の多くの知恵とエネルギーを結集して進められることを切に願う立場から、大学管理本部に対して以下の点を強く要求する。

1 3月9日付け文書の撤回について

すでに述べたように、3月9日に都立大学に送られた西澤潤一新大学学長予定者・山口一久大学管理本部長の連名の文書は、「現大学との対話、協議はありえない」ことを明言した重大な文書であり、ただちに撤回されなければならない。

現在進行中の新大学法人の設立が、都立の4大学の50年に及ぶ教育と研究資産をもとに、現職教員の移行措置によって準備されている事実がある。それにもかかわらず、この文書は、憲法、教育基本法、さらには法人化の根拠法である地方独立行政法人法の趣旨にも反する形で、新大学法人の設立を行うことを公言するに等しい。

特に、西澤潤一氏自身は、公立大学協会の会長として2003年10月2日に、「公立大学法人化に関する公立大学協会見解」を発表しているが、その見解において、設置自治体が法人化を選択する場合、「公立大学と十分な協議を行い新たな協力関係を築いていくことを要請し」、また「教育研究の特性及びこの特性の最も重要な要素である自主性に常に配慮しつつ大学側と十分に協議しながら」進めることが必要との方針を明らかにしている。西澤氏は、会長としてこの方針を堅持する立場にあるにもかかわらず、これを放棄する態度を文書で表明したことは、公立大学協会の会長としての責任放棄の言動として許されないばかりか、新大学の学長としての不適格さを自ら示すものであり、社会から批判を受けざるをえない。さらに新しい大学の初代学長予定者として、在籍学生をはじめ受験生やその保護者に対して、信頼を損ねる言動であり、同時に、新大学の名誉と、そこで教育と研究に取り組む教職員の尊厳を傷つけるものである。

またこの文書では、正常な協議体制を求めて公に発言を行ってきた多くの教員に対して、「何らかの担保がないかぎり新大学に参加すべきではない」とし、あろうことか都立大学総長をはじめ大学執行部に対して、「混乱を招いた社会的、道義的責任を自覚すべき」とまで述べている。私たちは、こうした4大学教員の努力と誠意を踏みにじる恫喝的な対応に対して断固抗議するとともに、このような都にとっても歴史に汚点を残す文書がいまも撤回されないままに放置されていることに、強い警戒心をもたざるをえない。現大学と協議体制を構築しようとするのであれば、真っ先にこの文書の撤回がなされるべきである。

2 開かれた協議体制の実現に向けて

3月29日の第7回教学準備委員会において、大学管理本部より教学準備委員会は第7回をもって区切りをつけ、今後は新たな教学関係の委員会を作ることが示され、その委員は、当日いきなり西澤座長より公表された新大学の4人の学部長予定者と、座長とが相談して決めるという。

この教学準備委員会では、一方では現大学の代表たる総長・学長、大学管理本部長、学長予定者、理事長予定者の十分な協議のなかで、新大学の設立準備が進められていくことが確認されたと伝えられているが、このような新しい委員会の作り方、新学部長の突然の公表の仕方を見ても、私たちは強い不信感をもたざるをえない。4人の学部長予定者は、現大学の教員との公式の協議もなく、どこでどのような経緯や評価基準によって決められたのか、大学管理本部は4大学の構成員に明らかにするべきである。

今後新たに作られる教学関係の委員会においては、開かれた協議体制を実現するために、現大学の総長・学長を委員とし、各学部・研究科を代表する委員を加えることはあまりにも当然のことである。委員構成も開かれたものにすることによって、はじめて現大学の意見が反映される協議体制が実現されるのである。

4月8日、山口一久大学管理本部長が4大学の教職員に対して配布した「各大学教職員の皆様へ」では、「今後の進め方」について「現大学の意見は、総長・学長を通じて必要に応じて反映する」と記している。ここに、「必要に応じて」のみ現大学の意見を反映させようとする大学管理本部の姿勢が明確に示されており、こうした立場をとる限り開かれた協議体制は実現しない。私たちは、現段階に至ってなお、このような意見表明を行う大学管理本部の姿勢を厳しく批判するとともに、同文書において「新大学への参加意思を示した人たちは、新大学の基本的な枠組みを了解したうえで建設的に新大学の実現に取り組むことを表明したのであり、文部科学省への申請段階で反対運動を展開するということは許されない」と記載した点についても、根本的な理念・設計に関する批判を受け付けない強権的な姿勢を示すものとして、断じて受け入れることはできない。

3月29日の教学準備委員会では、「都市教養学部」の名称について意見交換がなされ、「総合教養学部」を是とする意見が多数だったにもかかわらず、西澤座長一任となったうえで、少数意見であった「都市教養学部」が採用された。この経緯について、茂木総長の意見書「第7回教学準備委員会(2004年3月29日)の審議等に関連した意見と要望」は「強い違和感」を覚えると述べているが、これは4大学構成員全員に共通する思いであろう。大学管理本部は、「都市教養学部」を結果的に採用した合理的説明を4大学に対して行うと同時に、3月29日の教学準備委員会の議事録を作成して大学構成員に対して公開するべきである。

なお4月7日、経済学部の経済政策専攻(COEグループ)が意思確認書を提出していないという理由で、新大学に「経済学コース」が設置されないこととなった。これは文部科学省から「21世紀COEプログラム」に採択されながら、それを新大学が引き継ぐ意思がないと宣言したと考えざるをえない。世界的水準にある都立大学のCOEグループの教員が、このような選択をしたのは、大学管理本部が「開かれた協議体制」をこれまで作ろうとしなかったこと、都立4大学が50年の歴史のなかで積み上げてきた教育・研究水準を軽視したこと、3月9日の西澤新大学学長予定者と山口大学管理本部長の連名の恫喝文書を撤回しなかったこと等にあり、まさに大学管理本部側の責任である。

大学管理本部は、今後の協議体制実現のなかで、COEグループをはじめ現状で新大学への不参加を表明する教員が新大学に参加できるような環境・条件を整えるべきである。石原慎太郎都知事は、2月20日の記者会見で、新大学設立後も旧大学への残留教員が新大学への移籍を希望する場合には、柔軟に対処すると述べている。今後の開かれた協議のなかで、魅力的な新大学・新大学院が設計し直され、知事の発言が現実のものとなるよう強く求める。都立4大学で世界水準の教育・研究を育ててきたのは他ならぬ都民であり、大学管理本部は都民に対して責任を取るべきである。

私たち4大学教員声明呼びかけ人会は、かかる現状分析のうえに立って、開かれた協議体制の実現をあらためて要求し、新大学の設計が、在学する学生・大学院生、都民・国民に支持されて進められることを強く望むものである。

2004年4月13日
            
4大学教員声明呼びかけ人会 

東京都立大学人文学部:飯田勇、*川合康、西川直子、初見基
東京都立大学法学部:米津孝司
東京都立大学経済学部:戸田裕之、浅野皙
東京都立大学理学研究科:甲斐荘正恒、神木正史、*小柴共一、三宅克哉、浜津良輔
東京都立大学工学研究科:*渡辺恒雄
東京都立科学技術大学:山田雅弘、湯浅三郎
東京都立短期大学:前田庸介

    *連絡先  川合康 kawa@bcomp.metro-u.ac.jp
         渡辺恒雄tsuneo@eei.metro-u.ac.jp
         小柴共一koshiba−tomokazu@c.metro-u.ac.jp

2004年04月10日

都立大総長から全教員への緊急メッセージ 2004.4.9

http://www.shutoken-net.jp/web040409_3toritsudai.pdf より
#(詐欺的としか言いようがない管理本部の対応は、実社会では誰も相手にしないような類のものである。こういう存在が大学を支配することが許される独立行政法人制度を甘受しなければならぬ無念さは察して余りある。)

全学教員のみなさんへ(緊急)
2004年4月9日

総長

4月8日付の大学管理本部長山口一久氏による文書を受け取られたことと思います。 この一連の文書には、総長として了解できない部分が多く含まれていますが、配布、配信だけは認めました。しかし、その内容には詳細なコメントを付すべき部分がたくさん含まれています。とりあえず簡単に3点のみ記しておきます。

(1) 3月23日の4 大学総長・学長懇談については、3月30日付けの総長メモ(全学教員に向けて送信)の通りであることを改めてお知らせします。

(2) 8日付け本部長文書の同懇談に係る「まとめ」は、当日に出た意見を一部採録したものであり、「一致」と表現できるような確認を、いちいち行ったわけではありません。なお、総長が発言した内容については、その多くが掲載されていないことも付け加えておきます。

(3) 第7回教学準備委員会の「まとめ」に関しても、不正確・不適正な部分を多く含んでいます。

なお、法人化及び人事制度に関する事項に関する記載は、3 月29 日の第2回経営準備室運営会議で扱われた内容ではありません。

今後、可及的速やかに事実の検証を行い、改めて報告します。

2004年03月14日

「都立大学史学科と改革問題」サイト


都立大学史学科と改革問題
サイト

2004年3月27日 岩波書店『科学』4月号
「都立4大学改革について 石原都政のファッショ的手法による都立4大学の『廃止』をめぐる危機

2004年2月28日 日比谷公会堂 集会でのスピーチより

4大学声明呼びかけ人会 小柴共一氏発言 より
・・・・・知事は、「大学の先生は保守的で反対ばかりする」、「対案があるなら持って来い」と言っているようですが、このような視点から見ると、現在の都の「新大学構想」は案にもなっていません。小さくすること、産業に奉仕することだけが、見えてくる中身です。“単位バンク”にあっては、他の大学や英会話教室に教育を手伝ってもらおうというもので、全く発想が逆転しています。これでは、大学教員の多くが、「是非頑張って良い大学を作ろう」という気持ちにならないばかりか、そんな大学になるのなら残りたくないという先生が出てくるのも当然です。さらには、高校生や受験生にも魅力のない大学になってしまうという悪循環に入っていくことでしょう。・・・・・私は、一日も早く、新大学の総長予定者、理事長予定者と、大学の現場の教員がきちんと加わって、また、都の大学管理本部も行政の立場から参画し、みんなで智恵を出し合い、日本の首都である東京にふさわしい立派な大学を作って行って欲しいと思っています。そして、希望に目を輝かして門をくぐって入ってくる新大学の入学生を、心から喜んで迎えたいと思ってやみません。

人文科学研究科博士課程大学院生 高松百香氏発言

・・・・・平成22年(2010)度まで、現大学は存続させる、と大学管理本部は通告してきましたが、現時点ですでに、我々大学院生にとっての悪影響が確実に生じてきています。それは、大学を離れる教員が続出してきているということです。私たち大学院生は、自分の研究分野に理解がある教員がいるかどうかで大学院を選び、入学しています。その教員に指導を受けるということが、今後の研究人生に非常に重要だからです。しかし、この混乱した大学に見切りをつけてやむなく大学を去る教員がいます。普通の大学であれば、後任教員が来るのですが、現状ではそんなことは望めません。また今後は、人文学部の教員が半数以下になるという事態になりますので、指導教員を失う院生が続出します。また理系の研究室においては、大学院生の指導において助手が大きな役割を果たしていますが、その雇用や役割も未定とされており、研究室の機能に支障がでる可能性が高いとされています。
 新大学における教員の任期制・年俸制というプランを含め、このような都の構想における教員の位置付けは、学生に対する継続的な指導を不可能にします。つまり、表面的には教員の雇用の問題ですが、それによる影響を蒙るのは学生なのです。・・・・・

2004年2月26日 「開かれた大学改革を求める会」都庁記者クラブで記者会見
記者会見資料「現在在籍する学生・大学院生に対する教育保障についての問題点」

2004年03月13日

[AcNet Letter 72] 川勝平太氏による首大称賛コラムの背景


Academia e-Network Letter No 72
(2004.03.12 Fri)

【1】「毎日新聞3/7コラムの問題 川勝平太氏の素性 
   都からの月報は35万1千円」
(一都民である事務局員より)
「意見広告の会」ニュース112[4] 2004.3.10 より

【2】「2.28日比谷集会のご報告ならびに御礼」
「都立の大学を考える都民の会」事務局より

【3】**本日** NHK札幌3月12日午後7時半より
「流氷レーダ廃止の波紋−大学改革と地域貢献ー」

【4】近畿附属交流集会 3/7 の概要

 【4-1】近畿内の全労働各支部書記長連絡先

【5】豊島耕一氏「学則の「目的」条項」
[he-forum 6785] Date: Wed, 10 Mar 2004

[AcNet Letter 70] 北大過半数代表候補者会議、他


Academia e-Network Letter No 70
(2004.03.10 Wed)

【1】 北海道大学 第一回過半数代表候補者会議(3/5)の記録

【2】「首大構想」を称える新都立大教学準備委員の川勝平太氏の考え方

 都立大学の危機-やさしいFAQ O-12
  「2004年3月7日の毎日新聞に「首大構想」を称える 記事が出て
  いたというのは本当ですか? 」

【3】 dgh/blog No 68 へのコメント(2004.3.9) 紹介

2004年03月02日

3・28講演とシンポジウム「任期制・年俸制導入と評価制度は大学と教育をどう変えるか」

横浜市大問題を考える大学人の会主催

市大・都立大「改革案」、民間企業・前国公立研究所の経験、国立大学独法化の検討、外国の大学での経験、からの報告と討論日 時:3月28日(日) 13時20分−16時30分 (開場:13時)
場 所:情報文化センターホール (6階、Tel.045-664-3737)
1.開 会(13:20)
2.講 演(13:25−14:25)

(1) 阿部泰隆(神戸大学大学院法学研究科教授)
「大学教員任期制の法的政策的検討」

(2)永井隆雄(AGF行動科学分析研究所所長)
「成果主義賃金と大学」 

3.シンポジウム(14:30−15:30)
 松井道昭(横浜市立大学商学部教授)
 田代伸一(東京都立科学技術大学教授)
 廣渡清吾(東京大学社会科学研究所教授、前副学長、ドイツ法)
 平野信之(独立行政法人研究機関研究室長)
 日下部禧代子(跡見学園女子大学教授、前参議院議員・元文部政務次官)
 福井直樹(上智大学教授、元カリフォルニア大学教授)

4.討 論(15:40−16:20)
5.閉 会(16:30)

主催:「横浜市立大学問題を考える大学人の会」
連絡先:関東学院大学経済学部久保研究室、
 Tel:045-786-7071, e-mail: UGN14301@nifty.com
共催:横浜市立大学を考える市民の会、都立の大学を考える都民の会、横浜市立大学教員組合、東京都立大学・短期大学教職員組合

横浜市立大学と東京都立大学の「改革案」で示された、新しい大学の人事制度(任期制、年俸制、学外者が入った人事委員会、教員の評価制度、理事長職の新設等)は全国の大学や教育に影響を及ぼすように思われます。これらの人事のあり方について、知の生産のあり方や研究・教育の自由との関連で検討する講演とシンポジウムの会を開催します。

民間企業の実情や前国公立研究所の経験、国立大学独立法人化に際しての検討、 外国の大学の経験等の話題も提供し総合的に議論します。市大学長、都立大総 長他当事者もお招きする予定です。大学と研究・教育の将来にとってまだ議論 が尽くされていない重要な問題です。是非ご出席の上討論にご参加下さい。

2004年02月28日

「都民のための大学をめざして」に2000人が参加

都立大の危機 FAQ 廃校 or 改革? サイトより

◎ 2004年2月28日(土)15:30〜18:06 日比谷公会堂にて
「都立の大学「改革」 〜都民による都民のための大学をめざして〜」が開かれました。 およそ2000人の人が参集し,155万円強のカンパも 集まりました。ご参集下さったみなさま,ありがとうございました。

2004年02月23日

都議会での「意思確認書」の質疑

都立大の危機 FAQ 廃校 or 改革? より

2004年2月19日の文教委員会で管理本部の大村参事は,次のような答弁をしている。
臼井委員(自民党)
 都立の大学は移行型独立法人だから教員の身分は保障されるとか,意思確認書に法的拘束力はないとか,いろいろ言われているが,意思確認書は出さなくても良いのか。
大村参事(管理本部)
 首都大学の教員になるには、今回の意思確認書の提出が必要。提出しない場合には,法人には行くことになるが、これは平成22年までの大学であり、新大学には行くことは出来ない。意思確認書は、設置者として出したもの。これには法的拘束力はないというのはその通り。

つまり,管理本部の主張するのは,意思確認書に法的拘束力はないけれど,出さなかったら首都大学には行けないようにするぞという脅しと, 意思確認書を出さなくても法人には所属し,平成22年度までの間は現存の大学所属として残れるという解釈じゃ。特に,この後半の解釈は,2003年11月に学生が管理本部から話を聞いた時とは,完全に逆転している(I-7)。もしも本当に平成22年度まで都立大の教員でいられるのなら,わしもそれを選択したいような気がする。
 文部科学省も求めていない「意思確認書」,法的拘束力もない「意思確認書」になぜ管理本部はそんなにこだわらなくてはならないのか?それはな,時間がないからじゃ。ようするに,4月30日の本申請で,必ず通るような案を出さねばならないところに追い詰められている。だからこそ,「これらの教員は絶対に首都大学に来ます,ほら,(法的拘束力はないけれど,設置者権限で出した)意思確認書がここにちゃんとありますよ。法科大学院の時みたいに,逃げられることがないように,数だけでなくて名前がものをいうんですよ。」と言いたいわけじゃ。
そして,今,管理本部と都立の4大学の間に,理事長予定者の高橋氏が仲介に乗り出している。 2月17日には,高橋氏が大学管理本部の人間を連れて都立大にやってきて,茂木総長,および評議会のメンバーと話をした。すでに新聞にも出ておるが,意思確認書の件に関しても,高橋氏がコメントしたようだ。管理本部の人間は反発したようだが,今後,どのようになっていくのか,まだ先が読めない。

2004年02月20日

「開かれた大学改革を求める会」声明:都議会への29,665筆陳情書の不採択について

都議会への陳情書不採択について「開かれた大学改革を求める会」の声明 2004.2.20 より

・・・・・
3.陳情 15第89号 12月12日提出 開かれた大学改革を求める会(代表:西川直子)
賛同署名として、第1回集計21,278筆、第2回集計8,387筆、計29,665筆を添付

願意

 次のことを実現していただきたい。
1 新大学に関して、大学管理本部が平成15年8月1日以降に発表した構想を見直し、その非民主的な準備態勢を改めた上で、都立4大学のすべての構成員と開かれた協議を行うこと。
2 新大学への移行に先立ち、新大学設立以前に都立4大学に在籍する全学生の学習権を十全に保障することを確約し、その具体的な方策を提示すること。
結果 不採択
 採択に賛成:曽根はじめ(日本共産党)、福士敬子(自治市民'93)、山口文江(生活者ネットワーク)
 採択に賛成しない:石川芳昭(公明党)、臼井孝(自由民主党)、遠藤衛(自由民主党)、大塚隆朗(民主党)、野上じゅん子(公明党)、松原忠義(自由民主党)、村上英子(自由民主党)、山下太郎(民主党)、山本賢太郎(自由民主党)、樺山たかし(自由民主党)

上記結果について、「開かれた大学改革を求める会」より意見を申し上げます。

【1】多くの方にご賛同いただける当然の内容と考えて提出した請願・陳情がこのように意外にも採択保留及び不採択となった結果はきわめて遺憾です。採択を選ばれなかった議員の方々には、行政をチェックするという議員としての基本的な任務を自覚していただき、大学管理本部からの情報を鵜呑みにするのではなく多くの声に耳を傾け、都民の代表としての見識を示していただきたかったと存じます。
(中略)
【3】私たちが進めてまいりました運動に対しては、ご署名をいただいた約3万名に達する方々をはじめとして、これまで多くのご支援・お励ましの声をいただいております。ここに改めてお礼申し上げます。
 文教委員会でのこのたびの請願・陳情の扱いは断じて得心できないものです。しかし陳情不採択という事実をもって大学管理本部による「大学破壊」が認められたとは考えません。また、本年1月21日付「都立4大学教員声明」、1月27日付東京都立大学評議会見解「新大学の教育課程編成等に係る責任と権限について」をはじめとして、大学管理本部の横暴な遣り口に対して大学内から抗議の声が顕在化しつつあることに、私たち「開かれた大学改革を求める会」の活動も一助をなしえたのではないかと密かに自負しております。
 私たちは今後とも、都民、都庁、都議会、文科省等への働きかけを続けてゆきます。どうかご支援をよろしくお願い申し上げます。

2004年02月19日

虚言と恫喝を駆使する東京都大学管理本部

都立大の危機 FAQ 廃校 or 改革? より

L-9 2004年2月18日には,4つの都立の大学で56%の教員が「意思確認書」を出したって本当ですか?

ポーカス博士

管理本部発表の数字らしいから,定かなことではないが,いずれ4大学の調査結果も分かると思う。今回の報道は,共同通信配信のニュースに基づいているようじゃ。内容をポイント別で整理してみると:


(1) 2004年2月18日時点で,都立大教員の61%は意思確認書未提出。
(2) 他の3大学はほぼ全員が提出。
(3) 4大学全体の提出率は,約56%。
(4) 新大学には約430人の教員が必要だが,今の希望者数では不足する。
(5) 管理本部は,
  (a) 今後提出者が増える可能性がある,
  (b) 最終的に数が不足したら公募と非常勤で補充する,と発表。

数字の出し方がまず不明瞭だ。後で簡単な検証をしてみるが,明らかに実態に合わない数字を使っているように思える。 決定的に問題なのは,(5) (b) だ。 「最終的に数が不足したら公募と非常勤で補充する。」 というのは,今回の「意思確認書」が最終的に有効だと今でも主張していることにつながる「イカク」だ。文部科学省が,そのような書面を要していないことが明らかになった今になっても, あいかわらず強行突破をしようとしている。「意思確認書をださなかったら雇わないよ!」と宣言しているようなもので,その効果を期待しているのだろう(「これくらい強く言えば,もっと多くの教員が意思確認書を出してくるだろう,なあ越後屋!」と思っている)。
 それから「他の3大学はほぼ全員が提出」という部分も疑わしい。 科学技術大学では,雲隠れした学部長をさしおいて,教授会を開いて,この問題を議論しようという流れができていた。前回の同意書の時とは違って,明確に反対する教員もある程度まとまった数になっていると聞いている。 きっと都合の悪い数字を隠したいのだろう。 さて,管理本部の数字のマジック(情報操作)の裏側をちょっと見てみよう。 ・・・・・


東京都大学管理本部は、虚言と恫喝で問題を打開しようとする点では、精神構造としては某業界と同じである。教育行政を担当する最低限の品格とモラルに欠ける。都立大の方々はどれだけ精神的に苦しめられていることであろうか。

2004年02月16日

政策的「大学改革」に疲弊していく大学

都立大の危機 FAQ 廃校 or 改革?

O-10 今回の「8・1の大改悪」の影響で,もう現実に都立の4大学は研究・教育環境にかなりの影響を受けていますよね?

ポーカス博士

確かにそうじゃ。整理してみると:
(1) 教員流出問題
(2) 時間どろぼう問題
(3) 学生数減少問題
・・・・・

世間では「生きる知恵」でもあろう「政策に対策あり」という反応は大学社会でも例外ではない。国立大学の独立行政法人化政策にも、それを選択すべきかどうかと言う問題は脇において、国立大学社会全体が文科省と国大協のタクトの下で法人化対策に奔走してきたし、これからも奔走し続けなければならない。お上の政策的「大学改革」は、どのようなものでも、大学の現場に本来の業務とは無関係の努力を強いて疲弊させてしまう。東京都や横浜市で現在進行しているような、「対策」に全身全霊を必要とするような大学政策は、大学を破壊していまう危険性は高い。破壊が着実に進行していることが、この記事からわかる。

2004年02月15日

読売新聞2/15朝刊掲載予定:意見広告「東京から教育・文化を変える?破壊する!!」

掲載エリア:茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉、東京、神奈川、山梨、静岡
メッセージ:山口二郎氏(北大教授),高橋哲哉氏(東大教授)、鮫島有美子氏(ソプラノ歌手)
広告主:都立大組合・ユニオン都響・都庁職員組合教育庁支部組合(都の美術館・博物館等)

2004年02月14日

「意思確認は求めていない 大学とのしっかりした協議を―文科省」

都立大・短大教職員組合発行「手から手へ」2261号(2004.2.13 発行) より
http://www5.ocn.ne.jp/~union-mu/0213-1.pdf

・・・・・すでに朝日新聞2月12 日付報道にもあるように、早期の意思確認ということは東京都に対して申し上げていない。法科大学院の例があったので、統合による新たな大学の申請にあたってはしっかりとやってほしいということは申し上げたが、このような新たな書類をというようなことは申し上げていない。しっかりというのは、大学としっかりと協議をし信頼関係を持って行ってほしいということである。・・・・・
・・・最後に組合より、東京都の新大学設置申請にあたっては、日本国憲法・教育基本法・学校教育法をはじめとする各種法令の規定およびその主旨に沿い大学の自治と学問・教育の自由を十分に尊重すること、およびそのため大学との十分な協議を行うよう指導されたいと要望しました。この要望に対して文科省は、東京都にはすでに再三にわたってそのように申し上げている、何よりも学生の学習が十分に保証され、安心して勉学に励めるようにすることが重要で、そのような観点からしっかりと東京都と大学とが協議して進めるよう期待していると述べました。

全文

「意思確認書」問題で文科省から説明

教職員組合は2月12日、大学管理本部が「文部科学省の強い意見」に基づき「意思確認書」の提出を求めていることに関し、文部科学省に説明を求めました。全大教森田書記長同席のもと乾副委員長が文科省を訪れ、高等教育局高等教育企画課宮田課長補佐・下大田係長から、以下のような説明を受けました。

<この間の経過>

文科省は東京都の意向をふまえ相談に応じてきた。今回の意思確認書に関しては、一昨日 都大学管理本部の幹部がきて2月10 日付で都大学管理本部長名で「『首都大学東京』就任承諾にあたっての意思確認書の提出について」の文書を全教員に送付したと説明したので、この文書は誤解を招く表現があるということで訂正を求めた。背景としては、来年4月新大学開学のため、今年4月末にその申請手続きを行うが、手続き上、教員審査を省略する可能性がある場合があるので、申請者がそのための事前相談を大学設置・学校法人審議会に対して行いたいとの希望で、事前相談の際に必要な書類のなかで、新旧の学部学科・教員数が求められている。それを固めるためと聞いている。しかし、新規学部等の教員数については完成時の人数であるから、今の段階での正確な予想が難しいことは当然である。また現大学から移る教員数については、都としての見込み数でもよいので、対応できる数を記入することが必要である。

<意思確認書のようなものを求めたのか>

すでに朝日新聞2月12 日付報道にもあるように、早期の意思確認ということは東京都に対して申し上げていない。法科大学院の例があったので、統合による新たな大学の申請にあたってはしっかりとやってほしいということは申し上げたが、このような新たな書類をというようなことは申し上げていない。しっかりというのは、大学としっかりと協議をし信頼関係を持って行ってほしいということである。

<「意思確認書の提出について」の扱いについて>
文科省として「設置認可の申請にあたっては専任教員予定者から早期に確実な意思確認をとり・・対応されたいとの強い意見がありました」とする文書の下りについては、こちらはそのように言明しておらず事実に反し、誤解を招くものなので訂正を求めた。都大学管理本部は、すでに教員に送ってしまったので訂正は難しいといい、HP で説明するとした。HP に掲載された説明は明確な文書の訂正となっていないが、学生のことをきちんと考え、都が新たにつくる大学をよりよいものにしてほしいと申し上げた。

最後に組合より、東京都の新大学設置申請にあたっては、日本国憲法・教育基本法・学校教育法をはじめとする各種法令の規定およびその主旨に沿い大学の自治と学問・教育の自由を十分に尊重すること、およびそのため大学との十分な協議を行うよう指導されたいと要望しました。この要望に対して文科省は、東京都にはすでに再三にわたってそのように申し上げている、何よりも学生の学習が十分に保証され、安心して勉学に励めるようにすることが重要で、そのような観点からしっかりと東京都と大学とが協議して進めるよう期待していると述べました。

「東京都・管理本部のダブル・スタンダード」

「意見広告の会」ニュース96 2004.2.13 より
●4 東京都・管理本部のダブル・スタンダード 背景解説とあり得べき姿
意見広告の会事務局

・・・・・・学校というものは私立であれ公立であれ、設置者が簡単に廃止できるものではありません。教育は5年・10年の継続性が要求され、なおかつ学校教育法に基づけば、廃止のような重大事項は、大学では「教授会」の審議事項であることは明白です。

また、新大学の設置などということは、施設、構成、教員のすべてに渡って、相当に厳格な文科省・大学設置審議会等の審査を受けなければならないのです。解説者はひそかに「東京都はそんなことをやってのけることが可能なのだろうか」と東京都のために心配していました。・・・・・・

そこで、東京都は今になってやっと大変なことに気づいたか、それともはじめから計画的であったのかは分かりませんが、「新大学設置」ではなく「改組(統合)・(法人への)移行」という形で、設置審との事前協議を行っているわけです。・・・・・・

もし東京都が「新大学設置」(新設)を行わないのなら、そして現在は実際に行っていないのですが、「強調しておきたい点は、あくまで「大学の統合」や「新大学への移行」ではなく、4大学の廃止と新大学の設置を行うということである。」などという公約を公式に撤回し、更に実質的には「新大学設置」を放棄していながら、未だに都民・4大学・都議会などには一言の釈明も行っていない点、謝罪すべきであります。

全文


●4 東京都・管理本部のダブル・スタンダード 背景解説とあり得べき姿
意見広告の会事務局

 マスコミ報道でも指摘されているように、都はこれまで「新大学の設置」であることを繰り返し述べてきました。(本部長発言再録)

「強調しておきたい点は、あくまで「大学の統合」や「新大学への移行」ではなく、4大学の廃止と新大学の設置を行うということである。」
「4大学の廃止と新大学設置は、設置者権限であり、これから設置者責任の下で新大学の設計を行っていく。したがって、基本的に旧4大学は新大学を設計するうえでのひとつの資源として受け止めている。」

(1) なぜ都は「新大学設置」と述べてきたか。

もちろん自由な「新大学の設計」を行うためであり、「教員資源」はどのように取り扱おうと設置者権限であることを強調しています。

しかし、より根本的な政治判断として、石原慎太郎が自らを「改革者」として人々にアピールする目的があったあったと思われます。そのためには、大学は「新大学」でなければならず、新大学の名称は「東京都立大学」などはもってのほかで、バブル時代の「ジュリアナ東京」ばりの「首都大学東京」が選ばれ、そして何より「改組・移行」ではイメージが革命的ではありません。

(2) なぜ都は「新大学設置」を「設置審」に申請しないか。

しかし、学校というものは私立であれ公立であれ、設置者が簡単に廃止できるものではありません。教育は5年・10年の継続性が要求され、なおかつ学校教育法に基づけば、廃止のような重大事項は、大学では「教授会」の審議事項であることは明白です。

また、新大学の設置などということは、施設、構成、教員のすべてに渡って、相当に厳格な文科省・大学設置審議会等の審査を受けなければならないのです。解説者はひそかに「東京都はそんなことをやってのけることが可能なのだろうか」と東京都のために心配していました。

明らかな事柄は、平成17年度に「新大学設置」は絶対不可能なこと、それどころか石原知事の任期中に設置できるかどうかさえあやしいものと思われます。

都より甲斐の国へは道遠しお急ぎあれや日はたけた(武田)どの

そこで、東京都は今になってやっと大変なことに気づいたか、それともはじめから計画的であったのかは分かりませんが、「新大学設置」ではなく「改組(統合)・(法人への)移行」という形で、設置審との事前協議を行っているわけです。

(3) 未だに東京都の態度は「新大学設置」である。

しかし東京都は未だに公式に、「新大学設置」の撤回を都民・都立4大学・都議会に対して明らかにしたわけではありません。

自らが強調しているように「新大学の設置」を行うと言明してきたのですから、「新大学の設置」を放棄するのは、サムライの道に反しています。新撰組なら「士道不覚悟」により切腹ものであります。都だけではありません。「教育の再建」を眼目に「首都大学東京」の学長就任を承諾し、教学準備委員会の座長でもあった西澤某氏は、予定通り「新大学の設置」に向かって邁進すべきであります。という覚悟のもとに、かどうかは分かりませんが、東京都は「新大学設置」を放棄したとは一言も言っておりません。

しかしながら、どうしても「改組・移行」の道を歩みたいと言うことであれば、潔く前言を撤回すべきであります。

現在は、東京都民、都立4大学、都議会に対して、いささかも撤回の表明を行っていないのですから、「新大学設置」路線を歩んでいるものと思われます。

ならば、文科省へ「設置」を申請すべきです。また、文科省はその点について東京都に問いただすべきであります。

(4) 「意思確認書」は無効である。(次号も参照) 

既に前号でも述べましたが、東京都が自ら不備を認めている「意思確認書」などは無効であります。

東京都はこれを文科省のサジェスチョンに基づいて行っているように述べました。ところが文科省は、「踏み絵を迫るようなことをやれとは言っていない」と述べています。文科省の態度は立派です。東京都はでたらめな発言によって(しかも公式の文書によって)文科省の名誉を傷つけたわけですから、文科省に公式に謝罪すべきであります。

また、うそ偽りによって、都民、4大学、都議会に迷惑をかけたわけですから、公式に発言を撤回し、謝罪すべきであります。もちろん、「意思確認書」は撤回すべきであります。

(5) 石原知事・大学管理本部は発言の撤回と謝罪を行うべきである。

もし東京都が「新大学設置」(新設)を行わないのなら、そして現在は実際に行っていないのですが、「強調しておきたい点は、あくまで「大学の統合」や「新大学への移行」ではなく、4大学の廃止と新大学の設置を行うということである。」などという公約を公式に撤回し、更に実質的には「新大学設置」を放棄していながら、未だに都民・4大学・都議会などには一言の釈明も行っていない点、謝罪すべきであります。

(6) 教学準備委員会は解散すべきである。

 先の「管理本部長発言」は、教学準備委員会の発足に際する発言です。

 もし都が「新大学設置」を行わないのなら、そして現在は実際にはそれを放棄しているわけですが、「新大学設置」という前提のもとに発足した教学準備委員会は解散すべきであります。

(7) まだ「統合・移行」を前提とするのは早すぎるのではないか。

 ただ、都立4大学の人々をはじめ、私たちは、まだ都の態度を「統合・改組・移行」と認めてはいけないと思われます。

 都は公式に「新設」を撤回したわけでも、「統合」を言明したわけでもありません。ただ「新設」ではなく「改組・統合」の形で文科省と事前協議を行っているだけであります。

 ですから「統合・移行」を前提として今後の運動などを進めると、文科省には「統合」、大学には「新設」という都のダブル・スタンダード路線をそのまま認めてしまうことになります。

 急がねばならないことは、「新設」発言を公式に撤回させ、二枚舌を使い続けていることについて公式に謝罪させることでしょう。文科省に設置申請していこうとするこの時機だけが、そのチャンスと思われます。

 今それを行わないと、いつまでもダブル・スタンダードの呪縛の下に4大学は置かれたままになってしまいます。

2004年02月13日

民間教育臨調会長としての西澤氏の考えかた

東京都が種々の点で違法を承知の上で「設立」を進めていると推測される「独立行政法人首都大学東京」がこのまま大学設置審で承認されるかどうかは疑わしくなってきている。しかし承認された場合には、独立行政法人制度ゆえに都知事が自由に指名できる学長には西澤潤一氏が内定した。西澤氏は教育基本法改正のために結成された民間教育臨調(「日本の教育改革」有識者懇談会)の会長である。会は中教審答申を中途半端なものとして批判する文書を昨年4月24日に文科省に提出。2003.6.25 に開催された
「今こそ教育基本法の改正を!」緊急集会の記録によれば、主催者代表として西澤氏は「今を逸しては日本の将来はない」と題して

・・・・・これから教育基本法改正を求める署名運動などを始めますが、この時期を逸しては、日本という国も日本民族の将来もなくなってしまうのではないかという懸念を申し上げて、私の開会のご挨拶とさせていただきます。

と述べている。
 民間教育臨調は基本法第10条を問題視し

教育行政の最終的な責任が国にあることを明記し、国と地方公共団体の役割分担を具体的に明示した上で、法に基づかない「不当な支配」を禁止すべきである。

という立場をとっている。今回の東京都による一方的「大学改革」は、教育行政の権限を強化することが日本のために不可欠であると主張する民間教育臨調とその代表者である西澤氏の強い支持と賛意が背景にあって進められてきたと推測される。昨年8月からの都立大学問題について最初から責任ある位置にいる西澤氏が学長内定まで公的沈黙を守ってきたことには打算性と大学界に対する冷酷さとを感じるが誤解であろうか。そのような人が大学を、あるいは日本という国を、活かせるのであろうか。

 

文科省が都の大学行政を批判「踏み絵を迫るようなことをやれとは言っていない」

『毎日新聞』2004年2月12日付

首都大学東京:設置審が審議先送り 「案件ほかに多数」と

東京都が来春開設する新大学「首都大学東京」の設置計画について、文部科学省が今月5日開いた大学設置審議会運営委員会で、審議を3月に先送りしていたことが分かった。

関係者によると、都は設置審の運営委に、教員配置計画の概要を提出する予定だった。しかし、この段階では何人の教員が新大学に残るのか未確定で、「先に審議すべき他大学の案件がたくさんある」と判断された。大学を新設するには、教員一人ひとりの審査が必要だが、現4大学の「統合」なら、教員が丸ごと移行すると見なし、個別審査を省略できる。都は現大学側には「新設」と説明してきたが、同省との事前協議では「統合」を前提に準備を進めているという。

統合の場合、大学側の同意が必要となるが、都立大の評議会は1月27日、都に計画の見直しを求めており、このままでは今年4月末の設置認可申請に間に合わない可能性も指摘されている。

また、新大学で働くかの「意思確認書」を教員らに送った際、都は「文部科学省から意思確認をとるよう強い意見があった」と記述していたが、同省は「踏み絵を迫るようなことをやれとは言っていない」と、修正を要求した。都大学管理本部は「都の責任で文書を作成した。都民に向けてホームページで説明する」と話している。【奥村隆】

全国国公私立大学事件情報:「首都大学東京」、都「意思確認書送付」は文科省の強い意見、文科省「事実誤認」と訂正求める

2004年02月11日

行き詰る東京都大学管理本部ーー『承諾意思確認書』の背景

「意見広告の会」ニュース95 2004.2.11 より
『「首都大学東京」就任承諾にあたっての意思確認書』の背景解説(「意見広告の会」・事務局)

●2 背景説明 追いつめられる都・大学管理本部

未確認情報ではありますが、東京都はこれまで1/5、2/5の二回に渡って、文科省・大学設置審議会に「本申請」に向けた資料提出を行い、その不備を指摘されてきました。

その不備の一つとして、新大学の教員確保の問題があります。

この時期に唐突にこのような「意思確認書」の提出を求めて来た理由として、このままでは「本申請」ができない、という都の事情があるようです。2月20日までに書類を作らなければならないので、16日までに提出せよ、というわけです。

しかし、その不備は、「勤務条件の詳細がわからなければ、就任するか否か判断できないというご意見もあるでしょうが」と、東京都・大学管理本部が認めているところです。

「「基本的に現状の給与水準を維持する」「通常の教員としての能力を有し、着実に実績をあげていれば特に問題を起こさない限り再任が認められる」という骨格の案を前提に」

などと言うことは、全員に任期制を強要し(任期制法に違反)、今後の教育・研究・勤務条件も分からないままに「就任の意思」を確約させるわけですから、「就任するか否か判断できない」のは当然です。

また、「経営準備室」は2月13日に初めての会合を持つというどろなわ式です。

 これまで、東京都(石原知事)・大学管理本部は意思確認を頭ごなしに強要してきました(「同意書」の提出強要など)。それが「ご意見もある」ことを認めざるを得なくなったということは、まず4月の「本申請」に間に合わなくなる、という所にまで都(石原知事)・大学管理本部が追いつめられたきた証左でしょう。

そもそも大学管理本部自体、基本設計も河合塾任せといった港湾・土建関係の素人集団ですから、今後とも各所でボロを出すことは確実です。

さらに、「専任教員予定者から早期に確実な意思確認をとり、法科大学院のような事態を二度と招くようなことのないよう対応されたい」と、文科省が意見を述べるでしょうか。

文科省は「法科大学院のような事態を二度と招くことのないよう」とのみ述べたのではないでしょうか。なぜなら、法科大学院のケースでは、「就任承諾書を提出していたにもかかわらず、設置認可後に、退職届を提出してきたため、学生募集と入学試験を延期するという、まことに残念な事態が生じ」たのです。

文科省はただ、「法科大学院のような事態を二度と招くようなことのないよう対応されたい」とのみ指導したのではないかとも思われます。これなら文科省は、暗に「教員組織ともよく話し合いを行って」とも意見を述べたこととなり、東京都の失態の責任を取らなくて済むからです。

この点は国会などでの早急な確認が必要です。

 加えて極めて重要な論点に、この「設置申請」が「新設」か「改組・移行」かという事柄があります。

都は、これまで一貫して4大学に対しては「新大学の設置」である。だから設置者が何をどのように設計しても構わない、という論法で臨んできました。しかし「新設」となれば、大学は設置基準に基づいて高いハードルを一つ一つクリアしなければなりません。ですから都は「新設」の申請は行っていません(教員の審査書を作っていないことから分かります)。

とすれば、「改組・移行」のはずですが、ならば「改組・移行」には現行大学教授会・評議会の決定を経なければなりません。東京都は多分当初はその辺の理屈も分からないままに、安易な気分で種々の「設計」を思いついたのだと思われます。

これは、銀行税・カジノ・後楽園競輪場・原宿新監獄・新都銀と次々に破綻する石原改革路線そのままです。

しかし、文科省や大学設置審はプロ集団のはずですから、このようなダブル・スタンダードの「新大学」は許されないことを知っているはずです。ところが、文科省などには今のところその点で都の申請を問題視している様子は認められません。

この点を国会・また都議会で早急に追及してゆく必要性があると思われます。

                     「意見広告の会」・事務局

『「首都大学東京」就任承諾にあたっての意思確認書』

「意見広告の会」ニュース95 2004.2.11 より
「意見広告の会」ニュース配信登録、投稿等の連絡先:qahoujin@magellan.c.u-tokyo.ac.jp
「1 一部マスコミで既報のように、以下の文書が都立4大学教員の自宅に送られてい
ます。」

                     平成16年2月10日
教員各位
                     大学管理本部長 山口一久

 「首都大学東京」就任承諾にあたっての意思確認書の提出について
 
 皆様方におかれましては、日頃から新大学設立に向けてご協力感謝しております。

 昨年の8月に新大学の理念や基本的なフレームをお示しして以来、教学準備会委員会及びその下に設置された作業チームにおいて教学的な内容の実施計画に取り組んでいただき、授業科目等の詳細が固まりつつあります。

 また、過日の第5回教学準備委員会においては、入試、単位バンク、新分野など、目的別の部会(部会長:学内委員)の中間報告が行われ、新大学の教育課程の枠組み及び基本方針の方向性を決定するに至りました。今後、各位の積極的なご意見を汲み上げつつ、早急に肉付けを行ってまいります。

さらに2月6日、知事の記者会見の席上で、「首都大学東京」という新大学の名称が決定・公表されました。

 皆様方のご努力に対して感謝するとともに、本年4月の本申請に向けて引き続き、ご協力方お願い申し上げます。

 さて、都立大学法科大学院につきましては、専任教員として予定していた一部の教員が、昨年6月1日付けで就任承諾書を提出していたにもかかわらず、設置認可後に、退職届を提出してきたため、学生募集と入学試験を延期するという、まことに残念な事態が生じました。関係者の努力と迅速な対応により、なんとか平成16年度開設が可能となりましたが、受験を予定していた皆さんに多大なる迷惑をかけることになりました。

 このため文部科学省からは、設置認可の申請にあたっては、専任教員予定者から早期に確実な意思確認をとり、法科大学院のような事態を二度と招くようなことのないよう対応されたいとの強い意見がありました。そこで、本申請に必要な就任承諾書提出に先立って、今回、首都大学東京の就任の意思確認を緊急に行わざるを得なくなりました。時間的にも本調査は最終の意思確認とご理解いただき、提出いただいた意志確認書は4月30日の本申請に向けての3月の運営委員会(大学設置審議会)に必要な資料として集約し、文部科学省に報告する予定(2月20頃)です。

 勤務条件の詳細がわからなければ、就任するか否か判断できないというご意見もあるでしょうが、既にご提示している、「基本的に現状の給与水準を維持する」「通常の教員としての能力を有し、着実に実績をあげていれば特に問題を起こさない限り再任が認められる」という骨格の案を前提に、これから理事長予定者、教学準備委員会座長、各大学の総長・学長で構成する経営準備室において、勤務条件等の詳細を決定していく考えです。

 今後開学に向けて準備を進める上で、東京都といたしましては、都民をはじめとする将来の受験生の皆様の期待を裏切らない万全の措置を採らざるを得ませんので、事情をご賢察の上、ご協力賜りますようお願い致します。
首都大学東京就任承諾にあたっての意思確認書

東京都知事
 石原慎太郎殿

私は、首都大学設置認可の上は、
 所属: エクステンションセンター

の専任教員(現職相当)として平成17年4月1日からの就任を承諾する意思を表明し
ます。

   年 月 日

              住所
              氏名(署名)        印

1 提出様式:別添「首都大学東京就任にあたっての意思確認書」

2 郵送先 :大学管理本部(新宿区西新宿2−8−1 都庁第二庁舎11階南側

3 提出期限:平成16年2月16日(月)厳守

   *出張その他やむを得ない事情により、期限内の提出ができない場合には、その
旨申し出て下さい。

4 問い合わせ先:大学管理本部 大村・斎田(TEL 5320-7083・7092)

2004年02月10日

東京都大学管理本部が「意思確認書」?

都立大の危機 FAQ 廃校 or 改革?:L. 「同意書」,「意思確認書」に関する質問 より
読売新聞報道2004.2.10によれば、都立大学管理本部が「意思確認書」の提出を再び教員に求めるそうである。このような強圧的手段で事態を解決できると考えるところは、都心再開発や臨海開発などの公共土木事業を担当してきた役人集団の発想の限界であろう。

・・・・・ロースクールの時のようなドジは踏みたくない大学管理本部が,再び就任承諾書の前段階のような確認書を求めるのは,法的根拠がないもので,返答する必要はないものだ。

 文部科学省がもとめている再発防止とは,意思確認書を出すことで教員を縛ることではない。管理本部と大学との間で,良好な意思疎通のできる場を回復して欲しいということなのだ。 そんなことも分からずに,ふたたび焦ってこのような意思確認書の提出を迫るというのは,南雲人文学部長が読売の記事の中で言っているように「いたずらに教員側との溝を深めるだけ」だ。

すでに,「4大学声明呼びかけ人会」から, しっかりと考えて行動を決めることが大切との呼びかけ(2004年2月9日)が回ってきているし,「学生・院生連絡会」(2004年2月9日)からも,先日出された評議会声明「開かれた協議を行う新たな体制の再構築」を実現すべく,尽力して下さいという要望書が来ている。いずれも,単純に「意思確認書」を出すなと要請しているわけではないが,今,「意思確認書」を出してしまったら,どんな労働条件を後からつけられるかも分からないし,どこに配置されるかも未確定なままハンコを押してしまう状態になることは明らかだ。わしは,当然のことながら4大学で一致した行動が取れることを強く希望している。

なお、前回の「承認書」は2割の80名しか提出しなかったという:

・・・・・11月3日の総長の説明会の席上で教養部長が明らかにした数字によると, 10月23日の時点で同意書を提出した教員は,人文学部0名,法学部3名,経済学部13名,理学部0名,工学部68名,都市研0名だそうだ。大学管理本部では都立大の先生も非常に多くの先生達が同意書をすでに提出しているとか言っているらしいが,420名の内の84人じゃ。20%の教員が提出したということだ。その中には,工学部のように部分的に内容を書き換えて提出した者もいる。管理本部の言っていることは,いちいち確認するまでは信用できないという1つの例じゃ。

2004年02月07日

一橋大学語学研究室から東京都知事への「首都大学東京」設置に関する要望書

都立の大学を考える都民の会ニュース No 15, 2004.2.5 より転載

東京都による「新」都立大学設置に関する要望書

東京都知事 石原慎太郎 殿
東京都大学管理本部 殿

・・・・・・以上の理由から、私たちは、東京都が、
・現在の「新」大学案を白紙撤回し
・在籍中の学生・院生の学ぶ権利を完全に保証し
・東京都立大学人文学部の縮小・廃止計画を見直し
・経営的視点のみにもとづく改革構想を改めて普遍的な大学の理念に立ち帰ることを要望いたします。

2004年2月5日
一橋大学語学研究室(室長・鵜飼哲)

全文:


東京都知事 石原慎太郎 殿
東京都大学管理本部 殿

 私たち、一橋大学で学生・院生に語学および人文科学の教育を行っている教員の研究組織である一橋大学語学研究室は、以下のような理由から、現在、東京都が都立四大学に提示している一方的な改革計画に対し、深い憂慮を表明しその撤回を求めます。

(1) 2003年8月1日に東京都が発表した「新」大学案は、それまでの都と都立四大学の話し合いをまったく無視した上意下達的な決定であり、学校教育法59条ならびに東京都立大学条例第九条第四項の明白な侵犯であることは明白です。私たちは民主主義と大学の理念に反するこのような強権の発動を認めることはできません。

(2) 東京都の「新」大学案の骨子をなす「都市教養学部」「都市環境学部」などの新設計画は、「都市教養学部」のカリキュラムの受験産業への外注や、「単位バンク制」など、およそ高等教育の場としての大学の理念に反する内容を含み、現行の大学設置基準を満たすものとは考えられません。私たちはこのような質の教育を大学教育として認めることはできません。

(3) 東京都の「新」大学案には大学院体制に関する構想が完全に欠落しており、将来の大学構想ばかりでなく、現在大学院に在籍する院生たちに「新」大学への安定した移行条件を示しうる内容のものではありません。私たちはこのような改革案を大学としての社会的責任を担いうるものと認めることはできません。

(4) 私たちがとりわけ憂慮していることは、東京都の「新」大学案に、東京都立大学人文学部に属する語学・文学系の学科・専攻が含まれていないことです。哲学・史学・教育学についても大幅な縮小が計画されています。私たちは人文科学研究の一拠点として内外から高い評価を受けてきた人文学部が、これまで挙げてきた学問的成果、その独自の伝統がこのような形で無視され破壊されていくことを認めることはできません。

(5) 東京都の「新」大学案は、従来の教育・研究の質を保証してきた現行制度を否定し、在任中の全教員に対し、任期制・年俸制を受け入れるか、今後の昇進・昇給を断念するかの二者択一を迫っています。私たちは教員から安定した教育・研究環境を奪う雇用・労働条件のこのような劣悪化を認めることはできません。

 以上の理由から、私たちは、東京都が、
・現在の「新」大学案を白紙撤回し
・在籍中の学生・院生の学ぶ権利を完全に保証し
・東京都立大学人文学部の縮小・廃止計画を見直し
・経営的視点のみにもとづく改革構想を改めて普遍的な大学の理念に立ち帰ることを要望いたします。

2004年2月5日
一橋大学語学研究室
(室長・鵜飼哲)

シンポジウム2/10ーー誰のための「独立行政法人首都大学東京」

シンポジウム「独立行政法人化は都立の大学と都政に何をもたらすか─誰のための、何のための法人化か─」
主催:都立大学・短期大学教職員組合 協賛:都労連

2004年2月10日午後6時より
場所:新宿・角筈ホール
内容:
都立新大学の独立行政法人化をめぐる動向と私たちの取り組み(田代伸一・副委員長)
地方独立行政法人法と独法化(都大職組弁護団)
都政構造改革と民営化(氏家祥夫・前都庁職委員長・都立大OB)
「新しい行政経営」と独立行政法人化(進藤兵・名古屋大助教授)
フロアー発言(予定)(都庁職衛生局支部・同住宅局支部・都響・全大教または首都圏ネットほか)

主旨:

昨年(2003年)11月発表された「第二次都庁改革アクションプラン」は、これまでの第一次プランにもまして大胆な「都政の構造改革」を掲げ、独立行政法人化・民間委託拡大・民営化などを大きく進めることを打ち出しています。これらの「構造改革」は、教育・研究・医療・保健・福祉・公営企業など様ざまな分野で、都民に対して重大な影響を与えるとともに、そこに働く私たち教職員らの雇用・労働条件にも深刻な影響を与えるおそれがあります。

 都は地方独立行政法人化の皮切りとして2005年度からの都立新大学の法人化を計画しています。都立4大学を「廃止」し新大学を「設立」するという、現在の大学改革は改革主体から大学を排除し、学問の自由と大学自治を踏みにじる形で行われていますが、法人化についても、地方独立行政法人法の主旨さえも踏まえない内容で準備が行われようとしています。例えば新大学教員の雇用条件として、現在いる教員に対しては任期制(最長五年)・年俸制の制度か、一切の昇給・昇任なしの制度かのいずれかを選ぶという内容が提案されようとしています。法人化に伴って教員の雇用条件を大幅に切り下げることに他なりません。これは現在の公営業務を引き継ぐ移行型法人では雇用条件も基本的にそのまま引き継がれることを想定した、地独法の主旨からも逸脱したものです。また大学の自主性・自律性を確保するため学長が理事長を兼務する国立大学法人とは異なり、学長とは別に知事が選任・任命する理事長が大きな権限を持つ体制も計画されています。

 大学の独立法人化は、現在、都政構造改革の中で進められている民営化・PFIなどと並んで、今後他分野にも広がる可能性をもっています。地独法では大学以外にも対象業務として「公営企業相当事業の経営」「社会福祉事業の経営」「制令で定める一定の公共的な施設の設置・管理」があげられています。したがって、今進行中の大学の法人化は、その手続きにおいても内容においても石原都政における独立行政法人化のモデルケースとして今後の都政全体にとっても重要な意味を持つといえます。

 本シンポジウムでは、大学にいまかけられている独立行政法人化をめぐる攻撃と私たちの闘いについて、市民と都に働く多くの仲間たちに広く知って頂くとともに、民営化・公社化・財団化などの「都政構造改革」にさらされている都政各分野とも取り組みを交流し、共同の課題を探っていきたいと思います。

2004年02月06日

都立大学評議会声明2004.1.27

Date: Fri, 6 Feb 2004 17:16:29 +0900 (JST)
Subject: [tdk_tominnokai:0016] 都立の大学を考える都民の会ニュースより<東京都立大学評議会の見解と要請>

新大学の教育課程編成等に係る責任と権限について
―新大学計画に関する問題点と要望―

2004年1月27日 都立大学評議会

 現在準備されつつある新大学とその教育課程は、大学教育のあり方に関連して重大な問題をはらんでいる。大学は「学術の中心として、広く知識を授けるとともに、深く専門の学芸を教授研究」する(学校教育法第52条)ことを目的としており、その教育は研究と一体のものとして「学問の自由」(憲法第23条)のもと大学自治にゆだねられている。大学でおこなわれる教育は、関係諸法令と各大学の教育理念にもとづき、それぞれの大学教員組織がその責任において教育課程を編成し、学生を教育し、学修の結果を評価し、その課程を修了したと認められる者に学位を授与するものとされている(学校教育法・同施行規則・大学設置基準等)。

 しかるに、都大学管理本部が現在進めている準備手続においては、2003年10月7日の都立大学総長声明にも見えるように、新大学は実質的には現大学のいわゆる改組・転換であるにもかかわらず、教育課程の編成等の作業が、現大学の意思決定機関である評議会・教授会の議を経ずに進められている。さらに教員組織がその教育責任を全うする上で障害となる様々な制度が、相変わらず現大学の意見も求められないまま具体化されようとしている。これらが大学教員組織の権限を侵していることは明らかであり、また新大学が大学としての教育責任を十分に果たし得ないことにつながるものとして強く憂慮される。

 先の総長声明ですでに求められたことであるが、あらためて大学との開かれた協議を行う新たな体制を再構築することを要請しつつ、以下、重要と考えるいくつかの問題点を指摘することとする。管理本部の責任ある対応を強く望むものである。

項目:
1.「単位バンク」の見直し、必修科目の設置が必要である
2.新大学の教育内容・教育課程設計は現大学教員組織の責任と権限で行うことが不可欠であり、改めて検討体制の再構築を求める。
3.新大学の学部と大学院は一体のものとして設計・設置するべきである
4.大学管理本部がいま提案している任期制・年俸制の導入は行うべきではない

本文:

1.「単位バンク」の見直し、必修科目の設置が必要である

 第一は、これまでに伝えられている概要から判断すれば、「単位バンク」は不要であり、教育責任を曖昧にするものである。現在、他大学等での修得は60単位が認められており(「大学設置基準」第28条)、新大学の教育課程では学生の要望に対応できない授業科目があったとしても、この制度を活用すれば十分に対応できると考えられる。

新大学において実施予定とされている「単位バンク」は「『選択』と『評価』による新しい教育システム」であるとされている。これは他大学や海外の大学の科目、学外における経験・学修等について卒業所要単位として認めるものとされ、60単位を越える認定を可能とすることが想定されている。さらに単位認定は学外有識者が加わる「カリキュラム評価委員会」が、卒業判定は学外有識者・企業経営者等が加わった「学位認定委員会」が、行うとされている。また大学管理本部は、単位バンク実施のため新大学の教育課程の中に「必修科目」は設定しない(10月23日教学準備委員会資料)としている。

 大学教育においては、幅広い教養と知的判断力を育てるために、学生が選択可能な多様な科目が用意されるだけではなく、その要となる語学や基礎ゼミなどを必修に指定することで教養教育の核を確保しなければならない。また深い専門性を養うためには、系統的な学修とそのための必修科目を設置することが必要である。これらは大学改革を進める多くの大学が認めるところである。

そもそも教育課程は、各大学と学部・学科が、その教育理念・目的・目標にしたがい、また時代的・社会的要請を考慮しつつ、それぞれの教員組織の責任において編成するものである。また、各科目の単位認定の権限はその科目の教育に直接的責任を持つ担当教員にあり、教授会でさえ通常これを侵すことは許されない。海外の大学への留学などで修得した単位は、その科目の内容・水準を教授会において個々に吟味して判断し認定する。国内の他大学の科目は、大学間の相互信頼に基づき大学間協定を結んで一定の範囲で単位互換を行っている。このように現行では、学生の科目履修と修得単位の認定は、学生が所属する大学・学部の教員組織の責任において慎重に行っており、これらは大学が教育責任を全うする上で不可欠の手続である。あわせて重要なことは、大学が求める教育課程を履修したと認められる学生の卒業は、教授会がこれを判定し、決定することである(学校教育法施行規則第67条)。これらは、教育の本質が学生と教員との直接的関係のもとで行われることの中にあることからも、当然と言うべきである。

 以上の観点からみると、「単位バンク」は、教育課程編成上不可欠である必修科目の設定を排除すること、さらに学外者が直接単位認定・卒業判定に関与することで教授会の判定権限すら制限することにつながるものと考えざるをえない。「単位バンク」が、新大学が大学の学生に対する教育責任をはたす上でおおきな障害となることは明白である。

2.新大学の教育内容・教育課程設計は現大学教員組織の責任と権限で行うことが不可欠であり、改めて検討体制の再構築を求める。

 第二は、新大学「都市教養学部」の設計を、いわゆる受験業界に属する河合塾に委託している点である。

大学教育の改革において大学の外部に各種の有効な情報を求めることは、必ずしも常に全面的に否定されるべきではない。しかし、基本的に重要なのは、教育課程・教育内容は大学教育にとって最も重要な部分であり、その編成等は学生の教育に直接に責任を負う教員組織の責任と権限に属する事柄だという認識をもつことである。仮に外部からの情報を得ようとする場合も、その結果はこの見地に立ち取捨選択して活用されるべきである。今回の新大学の設立は、現大学のいわゆる改組・転換であり、その教育を担当する教員のほとんどがすでに現大学に所属しており、実質的な母体となる教員組織も存在している。にもかかわらず、東京都は、現大学教員組織の何らの了解もなしに、「都市教養学部人文・社会系各コースの教育課程設計」、「都市教養学部全体の教育課程設計」、「都市教養教育の教育内容設計」などを河合塾に委託した。

もし河合塾からの「報告」のすべてを現大学教育組織に報告せず、検討の機会も与えないままに、これが管理本部においてのみ検討の素材とされ、教育課程、教育内容の設計が行われるということになれば、事態は正常範囲をこえているというほかはない。それは教員組織の責任と権限に対する重大な侵害であり、これは由々しきことである。

教育に対する責任を直接に負う教員組織の十分な参画なくして適正な教育課程の編成はできない。早急に検討体制の再検討・再組織を行うべきである。

3.新大学の学部と大学院は一体のものとして設計・設置するべきである

 第三は、新大学大学院の発足を遅らせ、学部と切り離している点である。今日の大学教育には、広い教養とともに深い専門性を養成することが要求されている。この観点に立つなら、学部教育における十分に系統的な専門教育とともに、これと緊密なつながりをもって大学院における教育が実施されることが不可欠である。これは、今日の大学教育における正道であり、新大学の学部と大学院が一体のものとして構想されなければならないことは、すでにいくつかの機会に指摘されてきた。それにもかかわらず、大学管理本部は、平成17年度発足の大学院を現在の構成のままの「暫定大学院」として設置申請を進め、ついで翌18年にそれを再編して新大学院を開設しようとしている。これは1学年のみ存在する大学院ができることになる。現在の都の方針によれば院生はそうした大学院で平成22年度まで学ぶことになる。他方で18年度出発の新大学院は暫定大学院と同じ構成になるとは限らない。特に暫定大学院に入学する者にとっては、新大学院にみずからの専攻が存置されるか、指導教員はひき続き在籍するか等々、現段階では不分明な部分が多く、確かな見通しのもとに安心して学習と研究に邁進するための制度的基礎条件が極めて不安定なものとなる。これでは院生の学習権の保障の意味でも、研究者としての将来設計の面でも重大な問題を含むことは明白である。

現在の大学の世界標準に従うなら、新大学を有意義な教育研究組織とするためには、大学院を核として大学全体を構想することが必須の条件である。ますます高度化する科学技術と複雑化の様相著しいグローバル社会のなかで、情報の洪水に流されることなく高度な教養と主体的な判断力とを涵養するためには、常に最先端の学術研究に裏打ちされた教育体制の整備が不可欠だからである。一方、現在の社会において長期的視点から自由に知の最先端を追求できる場は、大学院を措いては存在しない。したがって、世界に冠たる大都市自治体の事業計画として、予め大学院の構想も前提とせずにまず学部を単独で設置するという方針は、新大学設置の意義を著しく損なうものと判断せざるを得ない。

4.大学管理本部がいま提案している任期制・年俸制の導入は行うべきではない

 第四は、新大学教員に対して任期制・年俸制による人事給与制度を導入するとしていることである。われわれは、法に定める任期制の導入をいかなる場合にも拒否するという、かたくなな態度をとるものではない。任期制等については慎重に吟味すべき多面的な問題があるが、ここでは教育責任との関連に重点をおき、最小限の指摘のみを行う。

 管理本部が今回導入しようとしている任期制・年俸制は、学部・センターを問わず、すべての職階の教員を対象としている。これは適用対象を限定している大学教員任期法または労働基準法の精神に抵触する可能性が高いばかりか、新大学がその学生に対する教育責任をはたすという点でも深刻な影響を与えるであろう。大学教育は系統的で組織的なものでなければならない。一人の学生の入学から卒業までの学修指導に責任を負うだけでも、学部なら4年間、大学院なら5年間の期間が最低必要であり、任期制、それも1期3〜5年という短期間で区切る制度ではとうてい責任をはたすことはできないであろう。主として文系においては一般にかなりの長期にわたる課程博士論文までの一貫した指導体制が失われる恐れが大きく、その損失は計り知れないものがある。また、主として理系においては若手の研究者がハード面でも研究条件を整備するには5年程度は必要であり、この期間を含めてさらに何年か落ち着いて研究する条件がなければ、こと半ばにして大学を去らざるを得ない事態に遭遇する可能性が高い。

 次に、さまざまな背景や個性を持つ学生の教育に関しては、何よりも教員の自律的判断力と自由な精神が必要であり、そのためには、個々の教員が自立した教育主体であることが不可欠である。しかし、現在の提案では、研究員から、準教授、教授、主任教授という階層構造の中で、とりわけ任期ごとの業績評価に絡んで、管理本部の言葉とは裏腹に、いわゆる「たこつぼ」的上下関係がむしろ強化される恐れなしとしない。上位にあるものの評価に常に怯え、大学内で一個の独立した人格として振舞うことのできない者とは、学術的真理のみを奉じ対等の人格として学生を導くことを本務とする大学教員の体をなさない不幸な存在と言うほかない。

 任期付き採用制度の成否が専ら評価制度の公正性と柔軟性に依存することは最近認められて来ているが、管理本部は、この面での制度と運用に関する必要な吟味も、教員に対する詳細な説明もきわめて不十分なままに、強引に任期制・年俸制を導入しようとしている。このような状態で任期制・年俸制の導入を推し進めるならば、多くの混乱を招くばかりか教育と研究の活性化は到底望むべくもない。

 さらに、任期制・年俸制による教員の勤務時間管理について「担当の授業、会議等」を除き「原則自由に社会での活動ができる」とされ、また「こうした活動で発生する収入についても原則的には制約はない」としていることに言及しておきたい。大学教員は実際に授業以外の時間帯においても様々な形態と方法で学修指導等を行っているのであり、提案されている人事給与制度は、大学教員の実態からあまりにかけ離れている。もとより大学にいま求められている社会貢献や、大学間交流にも資する非常勤講師の依頼への対応など、本務外の仕事に積極的に参加するのはよいことであろう。しかし、大学管理本部が明記しているような「原則自由」「原則制約なし」は、学生の教育と研究という任務に第一義的重要性を見出すべき大学とその教員が、自らの責任をきわめて不十分にしか自覚しないことを内外に表明するに等しいであろう。任期制・年俸制の全般にわたる慎重な検討とあわせて再考を求めたい。

以上。

新都立大学教員公募へ応募僅少

新都立大学教学準備委員会2004.2.3 報告より
(都立大学教職員組合発行手から手へ第2258号 2004.2.4 (PDF))

・・・・・昨年12 月に公募を開始し、1月末に締め切られた9つの新大学教員公募については、委員会に出された報告によれば、応募数は各ポストとも一桁、中には一名というところもあります。都内大学での専任教員人事としては異例な少なさといえます。・・・・・

2004年02月03日

吉川一義氏「外国人とは、理解のむずかしい絶対的な他者である」

吉川一義 東京都立大教授(フランス文学)「閉ざされる文化への窓  文学専攻を廃止する都立大改革構想」
『朝日新聞』2004年2月2日付夕刊 文化欄 Y字路との出あい

・・・・・・外国人とは、理解のむずかしい絶対的な他者である。隣近所に住む日本人同士でも容易ではない共存を、私たちはバベルの塔のようなことばの溝をのり越えて地球規模でやるほかない。・・・・・・

2004年01月24日

都大学管理本部が自慢した「Nature」論文著者は「改革」に反対して転出

都立大の危機 FAQ 廃校 or 改革?

・・・・・知事は年頭あいさつで「反対しているのは本当にどうしようもない学者ばっかりだ」と言ったそうだが,そのような放言は,いい加減にやめて4大学の教員に陳謝すべきだ。科学雑誌「Nature」に論文が掲載された教員は,管理本部が自分達のホームページで自分の手柄のように書いて紹介しておったが,当の本人は,今回の大学改革に反対して都立大を去っていったのを忘れたのだろうか?いまや,過半数の教員が反対し,学生の反対運動もここまで高まってきている現実を直視してもらいたい。

前都立大学総長が新都立大学教学準備委員

都立新大学教学準備委員会名簿
8月1日に都が破棄した都立大学改革案を作成した前都立大学学長の荻上紘一氏が外部専門委員となっている。不可解。

教学準備委員会名簿  
【座 長】
氏  名 職  名
西 澤  潤 一 岩手県立大学学長
【外 部 専 門 委 員】
氏  名 職  名
川 勝  平 太 国際日本文化研究センター教授
冨 田   勝  慶應義塾大学先端生命科学研究所所長
荻 上  紘 一 大学評価・学位授与機構教授
原 島  文 雄 東京電機大学教授
【学 内 委 員】
氏  名 職  名
石 島  辰太郎 都立科学技術大学学長
米 本  恭 三 都立保健科学大学学長
南 雲   智  都立大学人文学部長
前 田  雅 英 都立大学法学部長
中 塚  利 直 都立大学経済学部長
佐 藤  英 行 都立大学理学研究科長
鈴 木  浩 平 都立大学工学研究科長

都立4大学教員432名の声明

都立四大学教員432名の声明

都立新大学設立のための開かれた協議体制の速やかな確立を求める

・・・・・私たちは、昨年10月7日の都立大学総長の声明で指摘されている内容を支持するとともに、現在進められている一方的で独断的な「新大学設立」準備を直ちに見直し、教授会、評議会に立脚し、開かれた協議体制のもとでしっかりとした改革の方向を検討し、新しい大学を作っていくための取り組みを進めることを強く求める。・・・・・

全文:

  東京都立の4大学は、50年を超える歴史と伝統を培ってきた都立大学をはじめとして、都立科学技術大学、都立保健科学大学、都立短期大学のいずれも、公立大学として、首都の教育と研究を支える貴重な貢献をしてきた。しかしながら、3年前、東京都は改革によりめざす大学像として、「知の創造拠点、都市の活力生成拠点、学術・教育・文化等の交流拠点」を挙げて、都立の4大学の統合・改革を提起した。これに対して、4大学は多くの問題を抱えながらも当時の管理本部と共同して、新たな枠組みによる大学の設置作業に取り組んできた。特に、教育を受ける現在と未来の学生達に不利益が生じないことを常に念頭に置き、教育・研究に携わる機関として社会的責務を今まで以上に間断なく果たすことを目標として、平成17年度の新たな枠組みによる大学の発足に向けて長時間にわたる検討を進めてきた。ところが、昨年8月1日に現大学管理本部が唐突に提出してきた「新大学構想案」は、これまでの検討内容を一方的に破棄したものであった。以来、大学の「現場の声」を無視して進められる「新大学構想」に対し、昨年10月7日の都立大学総長声明(「新大学設立準備体制の速やかな再構築を求める」)をはじめ、教職員・学生・大学院生などからの多くの声明や抗議が出されているにもかかわらず、大学管理本部は全くこれらを無視し、その後も河合塾へ都市教養学部の教育課程の設計作業を外注したり、教員の任期制や年俸制を一方的に公表したりするなど、大学運営の基本に関わる事項を大学との協議の姿勢を示すことなく押し進めている。
大学の改革は時の行政が一方的に進めるべきではなく、「大学側と十分に協議しながら双方の協働作業として進めていくという姿勢が何よりも必要」という公立大学協会(西澤潤一会長)の昨年10月2日の見解に沿って、大学を運営する大学の正規の代表者と行政とが手を携えて進めるべきものである。この基本が守られないやり方で「大学改革」を進めることは、現大学で学ぶ学生・大学院生のみならず、大学の新たな出発を期待する高校生、受験生をはじめとする東京都民、国民に対する責務を大学自身が放棄することになりかねない。したがって、現在都立の大学で教育・研究に従事し、大学の運営に責任を持つ大学人として、これを黙って見過ごすことは出来ない。
私たちは、昨年10月7日の都立大学総長の声明で指摘されている内容を支持するとともに、現在進められている一方的で独断的な「新大学設立」準備を直ちに見直し、教授会、評議会に立脚し、開かれた協議体制のもとでしっかりとした改革の方向を検討し、新しい大学を作っていくための取り組みを進めることを強く求める。

2004年1月21日

  東京都立大学、東京都立科学技術大学、東京都立保健科学大学、東京都立短期大学 賛同教員名432名
(2004年1月21日10時現在)                                   
    
呼びかけ人(五十音順)
東京都立大学人文学部:飯田勇、大塚和夫、川合康、小林良二、西川直子
東京都立大学法学部:米津孝司
東京都立大学経済学部:戸田裕之、浅野皙
東京都立大学理学研究科:甲斐荘正恒、神木正史、*小柴共一、三宅克哉
東京都立大学工学研究科:生田茂、渡辺恒雄
東京都立科学技術大学:山田雅弘,湯浅三郎
東京都立短期大学:前田庸介
                       *代表: 小柴共一 (koshiba-tomokazu@c.metro-u.ac.jp)

2004年01月23日

「ほんとうに優れた「民間企業」の多くは、現在大学に彼らが押しつけようとするようなことはやっていない」

都立大に関する文科大臣への要望書 への連署者メッセージより

私はサービス業の経営学である「サービス・マネジメント論」を講義しています。その中で、ほんとうに優れたサービスというのは、表面的に顧客に媚びるものではなく、顧客自身も意識していないような真のニーズを掘り起こし、それに応えるものだと話しています。大学にとっての顧客は直接には学生ですが、公的資金を得ていることや、人材育成が期待されていることからすれば広く社会全体も顧客と捉えてよいでしょう。とすると、社会にとってすぐには役に立たないようにみえることや、社会のあり方に対する批判は、社会の表面的な意識からすればなかなかうけいれられないかもしれません。しかし、そうしたことの積み重ねが知的財産として社会に蓄積し、発酵し、あらなたものを生み出す原動力になっていることは、歴史をふりかえれば明らかです。それこそが大学の提供するいちばん大切なサービスの中身だと私は思っています。
 いま都立大学の現状を非難し解体しようとしているような人たちは、「民間の発想」とか、「競争」といったいかにも「経営」を重視するような言葉を使います。しかし、私は経営学を研究するもののはしくれとして、そうしたものの言い方は皮相であり、なにもわかっていないと思うのです。ほんとうに優れた「民間企業」の多くは、現在大学に彼らが押しつけようとするようなことはやっていないのですから。(近藤 宏一・立命館大学・経営学部)

2004年01月17日

都立四大学助手有志134名の共同声明 2004.1.15

都立四大学助手134名共同声明 2004.1.15

・・・・・大学管理本部は、大学改革に関する大学側の真摯な呼びかけや、学生、都民からの質問・抗議を無視し、独断的に改革を押し進めています。私たち、東京都立大学工学研究科助手会・理学研究科助手会・文系助手会、東京都立科学技術大学助手有志、東京都立保健科学大学助手有志、東京都立短期大学助手有志は、大学教員の一員としてこのような大学管理本部の姿勢に抗議すると同時に、これまでの改革を巡る議論の中で殆ど検討されていない、新大学に於ける助手のあり方について、ここに意見を表明する次第です。・・・・・

2004年01月15日

都立大COE拠点メンバー一同が都の大学政策を批判

東京都立大学経済学部「近代経済学」グループ(21世紀COEプログラム「金融市場のミクロ構造と制度設計」メンバー)緊急声明 2004.1.14
東京都大学管理本部による「新大学」構想と設立準備体制/スケジュールの抜本的見直しを

・・・・・「新大学」は全く白紙の状態から設立されるものではない。どのような言葉で糊塗されようとも,その実質は,既に多くの教員(および,学部学生,大学院生等)を有する現大学を改組することによって形成されるものである。様々な学問分野の専門家集団から構成される大学の設計に際し,必要な知識と経験を有する現大学構成員の参加を拒み,改革への意欲を著しく低下させる現行体制から得られるものは何もない。東京都大学管理本部は,「同意書」を白紙撤回し,新大学設立準備体制を早急に再構築すべきである。

・・・・・新大学の設計において努力を傾注すべきことは,見かけの学部構成を弄ぶことでも,新奇なカリキュラムに腐心することでも,聞こえいい大学名を捻出することでもない。望ましい新大学とは,国内のみならず世界中から多くの人材を集め,優れた研究業績を挙げ,それを基盤として真の意味で良質な高等教育を行い,そしてその成果を以って地域・社会に貢献する大学である。私たちは,新大学設立準備体制および移行スケジュールの抜本的な見直しを強く要求する。

2004年01月14日

東京都の密室大学行政の様相

To: tjst@ac-net.org
Subject: 情報開示請求結果
Date: Tue, 13 Jan 2004 08:50:58 EST

「都立の大学を考える都民の会」のHPに、「都民の会」の情報開示請求の結果がアップされました。そこにある通り、「8.1新大学構想」が出てきた背景は、以下のように説明されてきました。
この「新大学構想」を発表した背景には、都知事の指示で2003年5月に急遽設置したとされる「新大学の教育研究に関する検討会」での議論を通して、専門委員から大綱の問題点が指摘されたこと、都議会自民党との日常的な折衝の中できびしい意見があったことなどがあり、企業経営者などの各界のヒアリングを通して基本構想が作られた

とされています。しかし、これらの背景についての情報開示を求めると、以下のような回答です。

審議、検討又は協議に関する情報に該当委員は現在進行中の「教学準備委員会」においても委員を務めており、資料を提出した委員の氏名が公になると、今後の教学準備委員会における率直な意見の交換若しくは意思決定の中立性が不当に損なわれる恐れがある。

議員との日常の口頭でのやりとりであり、文書が存在しない

個人に関する情報で特定の個人を識別できるものに該当する

8月以降設置された教学準備委員会に関しても同様です。

第1回〜第4回教学準備委員会配布資料(会議次第、委員名簿含む)一部開示
17年4月に開学する新しい大学の教育研究の具現化に向けて検討を重ねており、大学改革に関して賛否両論渦巻き、憶測による情報がまことしやかに語られる現状において、未確定情報が一旦公にされると、都民、とりわけ都立の大学の在学生及び受験生の間に混乱を生じさせるおそれがある

第1回〜第5回教学準備委員会の議事録等の発言記録不存在
大学改革については、賛否含めてさまざまな意見や、個別の委員への働きかけがあることから、教学準備委員会において、各委員が現在の立場にとらわれずに自由闊達な議論を交わしていただく場を保障するため、あえて議事録は作成しておらず、文書が存在しない

要するに、

「口頭のやりとりだから文書が存在しない」

「自由闊達な議論のため、議事録を作成していない」

「氏名等を公表すると色々と差し障りがある」

「未確定の情報を公開すると混乱を招く」

などの口実さえつければ、あらゆる議論・決定はすべて「密室」で行うことができる、という態度です。これではいくら情報公開の制度があっても意味をなしません。

東京都が河合塾に委託した業務内容詳細

都民の会の情報開示請求により開示された、東京都から河合塾への業務委託の内容河合塾への委託内容

委託内容
1 概要

新大学における都市教養教育の構築に関して、以下の各項目につき、調査分析及び基礎資料作成を行うこと。

また、(1)、(3)について作成する基礎資料には、文部科学省への設置認可申請様式に準拠した資料を含むこと。

(1) 都市教養学部人文・社会系各コースの教育課程設計
(2) 都市教養学部全体の教育課程設計
(3) 都市教養コースの教育課程設計
(4) 都市教養教育の教育内容設計
(5) エクステンションセンターの実施体制に関する調査研究

#(以下、かなりの分量の委託内容が続く。目次のみ)
2. 項目別
(1)都市教養学部人文・社会系各コースの教育課程設計
(2)都市教養学部全体の教育課程設計
(3)都市教養コースの教育課程設計
(4)都市教養教育の教育内容設計
(5)エクステンションセンターの実施体制に関する調査

都立の大学を考える都民の会主催2/28シンポジウム「これでいいのか? 都立の大学「改革」」

「都立の大学を考える都民の会」サイトより 2004.1.13

「都立の大学を考える都民の会」では、2004年2月28日(土)に日比谷公会堂にて都立の大学のあり方を考えるシンポジウムを企画しております。 2月の下旬から3月にかけて、都議会で都立4大学問題が議題にあがることは必至の状況です。多数の市民の参加で良識ある「声」・「世論」を示すことは、議会や都知事に対して大きな意味をもつものと私たちは考えます。

 「都民の会」の趣旨、ならびにこの集会の趣旨にぜひご賛同いただき、このシンポジウムの成功にむけ、ご参加・ご協力ください。ぜひともみなさまのお力をお貸しください。心よりお願いを申し上げます。

 詳しくは、都民の会シンポジウム企画書へのリンクをご覧ください。

都民の会2月集会・企画書 より

これでいいのか? 都立の大学「改革」
〜都民による都民のための大学をめざして〜

●日時  2月28日(土)午後から夕方にかけて
●会場  日比谷公会堂

「都立の大学を考える都民の会」呼びかけ人
池上洋通(自治体問題研究所主任研究員)、金子ハルオ(東京都立大学名誉教授)、
清水誠(東京都立大学名誉教授)、中馬清福(元朝日新聞論説主幹)、
暉峻淑子(埼玉大学名誉教授)、山口昭男(岩波書店代表取締役社長)

2004年01月10日

都知事への抗議声明1/7--都立大国語学専攻OB・OGの会有志

東京都知事・石原慎太郎殿
大学管理本部長・山口一久殿

東京都立大学大学院国語学専攻OB・OGの会有志
平成16年1月7日

「東京都立大学廃止と新大学設立案」に関する声明

 2003年8月1日以降の新大学設立案は、あまりにも大きな問題点を抱えていると考えます。我々は、それに対して以下のような意見を表明したいと思います。

1.東京都立大学大学院国語学分野は、国文学専攻の一部として、開学以来50年に渡る伝統と歴史を有し、全国諸方言の研究、現代日本語の理論的・実証的研究、日本語史の研究など幅広い分野で今まで多数の人材を育て上げ、その多くは、国内外の大学や研究機関で研究者として活躍しています。今回の計画は、このような研究と教育の成果を踏みにじるものであると考えます。

2.新大学設立にともない、東京都立大学は廃止される計画です。しかし、新大学には、学部に文学科、そして国文学専攻がなく、大学院の構想は何も発表されていません。このままでは、大学院も国文学専攻は完全になくなるのではないか、それによって、新大学では国語学を学ぶ機会がなくなるのではないかと考えられます。

3.現在在籍している大学院生にとって、今考えられているような「東京都立大学の廃止」は、非常に大きなダメージになります。現在のスタッフがいて、各種施設がそのまま使えることを前提に現在の大学院に入ってきた人たちは、その前提が崩れてしまうことになりかねません。現在在籍している大学院生は、大学院修了・学位取得まで、きちんと継続した研究ができ、指導教官からの指導が受けられるのでしょうか。

4.大学院入試において、国語学分野は、毎年多数の応募者があります。そのようなきびしい入試に合格して入学した大学院生達は、大学院の課程のなかで、一層の教育・研究者としての知識・経験を積むよう勉学と研究に励んでいます。我々としても、全面的に後輩たちを支援したいと考えておりますし、また実際そのようにしてきました。東京都立大学の廃止にともない、国文学専攻がなくなってしまえば、このような我々の活動も期待もまったく無意味になります。

5.国語学をはじめとする言語研究は、言語そのものの研究とともに、言語を介した人々のコミュニケーションも視野に入っており、現代社会の諸問題に密接に結びつく研究分野です。このような社会的に有用な研究が、今回の計画により途絶することは、東京都立大学だけの問題ではなく、東京都、さらには日本全体にとって大きなマイナスになります。

6.国語学(日本語学)を学ぶ大学院生の中には、多数の留学生がいます。国語学分野の留学生は、日本、日本語、日本文化を学ぶために、はるばる東京都立大学までやってきた人たちです。これからの国際化社会を考えれば、留学生をもっと大事にするべきです。東京都立大学の留学生の多数は、国語学を学んでいます。(次に多いのは国文学です。)新大学で、国語学・国文学が学べないことは、留学生にとっては大きな打撃です。

7.新大学の構想に関して、トップダウン設計は、まったく新たに大学を設計するときには有効な面がありますが、今回の計画は、東京都立大学など4大学を廃止するとともに、その土地・建物・教員を活用して新大学を設計するものですから、完全に新しい大学を設計するわけにはいかず、今までの大学にも配慮した計画が求められます。今の大学管理本部のやり方は、大学側の意見を聞かず、密室の中で大学外の人間が中心になって計画を策定するというもので、これでは、あまりに一方的です。是非、東京都立大学など4大学の意見を聞き、十分な協議を積み重ねていただきたいと思います。

8.国語学を学ぶことができない新大学ですが、では、なぜそのような大学が考えられたのでしょうか。十分な実績があり、現在も学ぶ人が継続的におり、外部からの評価も高いセクションが、大学管理本部のいう「設置者権限」で廃止されることはとうてい納得できません。

2004年01月03日

都立高3年担任の希望「伝統があって、実績があるわけですから、できるだけわかりやすい形で既存のものを残してほしい」

都立の大学を考える都民の会HP > 都民の向けた大学『改革』説明会・質疑応答より

<都立B類卒業生、都立高校勤務>

 一連の改革において、そのコンセプトがはっきりしないという印象を持っている。もう一つ、今、高校3 年の担任という立場で、進路の方の問題を言いたい。(中略)

 もう一つは、大学のあり方について、進路指導の立場から見ると、今、私立大学を中心に学部・学科改変がされているが、高校の教員から見て新しい所には、正直言うとよくわからない。何がどうなっているのかわかりません。パンフレットをみても、一般的なことしか書いていない。こういうところに生徒を送るのは、非常に不安です。成績優秀な子については、伝統的で健全なところへ、新しく改変されるところは、倍率は低いだろうからランク的には低い生徒を送る傾向が私たちにはある。それを考えると、今のままでは都立大のレベルダウンは避けられないと思う。やはり基本的な部分は、大学としておさえて頂きたい。例えば、第一外国語ですが、会話だけなら民間へいけばいいと思うが、カルチャーとしての外国語であるならきちっとした先生がいて研究・教育されるべきだと思う。どうも、大学の枠組みが大学管理本部によって壊されているように思う。

 お願いとしては、やはり伝統があって、実績があるわけですから、できるだけわかりやすい形で既存のものを残してほしい。また、今後も統廃合の後、別の学校に移って、担任を持つことになるかと思うが、今、都立大や科学技術大へは自信をもって生徒を送り込めない状況です。大げさに言うと、この「改革」は、都立四大学を消滅に導くものになる危険を感じる。

都民の向けた大学『改革』説明会・感想、要望へのリンクよりい

今回の石原提案は、日本全体の公立大学の「モデル」とされる可能性がきわめて大きいと思います。また、私立大学などでも、石原型をまねるものが急速に増えるように感じられます。「大学本来」の理念と役割を確保し、民主的に運営される新しい大学を作ってくださることを、強く念願しております。

追加署名呼掛け:都立の四大学の改革に関する陳情書

「都立の四大学の改革に関する陳情」追加署名のおねがい
2003年12月31日

私たち「都民の会」では、都立の四大学改革に関する下記の陳情を都議会に提出いたしました。
都立の四大学の改革に関する陳情

2003年12月16日都議会受理(15第93号)

都立の大学を考える都民の会

よびかけ人  暉峻淑子(埼玉大学名誉教授)、山口昭男(岩波書店代表取締役)、池上洋通(自治体問題研究所)、清水 誠(都立大学名誉教授)、金子ハルオ(都立大学名誉教授)

願意

1. 四大学の改革にあたっては、都民の税金によって支えられてきた歴史的財産である四大学の研究と教育の蓄積が生かされるようにすること。

2. 四大学の改革にあたっては、在籍する学生・大学院生の学習・研究条件が損なわれないようにすること。

3. 新大学の発足にあたっては、都民や入学者の期待に応えられるよう、十分な準備体制を整えること。

4. 四大学の改革にあたっては、「地方独立行政法人法」の衆議院・参議院総務委員会附帯決議にある「憲法が保障する学問の自由と大学の自治を侵すことがないよう、大学の自主性・自律性を最大限発揮しうるための必要な仕組みと措置」を講ずること。

理由

 私たち「都立の大学を考える都民の会」は、これまで四大学と様々な関わりを持ってきた市民の集まりです。この会には、四大学の卒業生をはじめ、研究・文化交流で四大学の教職員と関わりを持ってきたもの、大学の施設や蔵書、文化資産の利用者、四大学に在籍する子どもの保護者、新大学入学を希望する子どもの保護者、また、地域の高等教育機関に関心を持つ者など、様々な人々が参加しています。

 私たちは、東京都による四大学の改革の動きが伝えられて以来、大きな関心をもって一連の動向を見守ってきました。私たちはこれまで都民として四大学を財政的に支え、その成果である人的・物的・文化的諸資源を様々な形で享受し、将来的にも、四大学の歴史と蓄積を踏まえた新大学でいっそう豊かな成果を享受したいと願うものです。 しかし、改革の進行状況をいろいろな機会に見聞きするにつけ、そうした期待がかなえられるのか大変不安を感じています。そのため、これまで四大学と関わりの深かった都民としてぜひとも大学改革への発言をするべきと思い、都民の代表である都議会に対し陳情を行う次第です。

 伝え聞くところによれば、四大学の改革は決してスムーズに進んでいないようです。なぜそうした事態になっているのか、新大学構想をめぐって大学管理本部と大学との間でどのような議論が行われているのか、都民として知る必要があると思います。11月に開催された大学管理本部主催「新しい大学の説明会」においても、当事者である大学教員が説明者として参加しておらず、受験生や保護者に対する回答に未確定のものがあったり、学問の専門家の立場からの適切な回答が得られないということもありました。こうした事態を見るにつけ、新大学が意欲と責任感に満ちた教育と研究の場になりうるのか、大変心配でなりません。

 日本国憲法に「学問の自由」が謳われているように、大学の使命とは、社会の様々な権力から自律的に研究を行い社会にその成果を問うことを通して、また、人々の教育活動を自律的に行い、批判的精神に満ちた教養ある諸個人を社会に送り出すことを通して、社会全体の文化水準の向上に貢献することだと考えます。

 そのため大学改革にあたっては、設置者として、特別な配慮をはらう必要があると考えます。都立の大学が都民の負担によって維持されている以上、都民の付託に応え、都民に開かれた大学を目指すことは重要だと考えますが、その目的のよりよき実現のためにも、行政と大学と都民の三者による、開かれた場での慎重な合意形成のプロセスが不可欠ではないでしょうか。私たちはそうしたプロセスが大事にされることではじめて、都民の財産である四大学の歴史的蓄積が継承され、新大学が真の意味で都民に開かれた魅力ある大学に生まれ変わるものだと思います。

 都議会におかれましてはこの趣旨にご理解をいただき、上記項目をご承認くださることをお願いしたく、ここに陳情をいたします。

 陳情には署名を追加することが可能ですので、ご協力くださいますようよろしくお願いいたします。


署名の方法==>


以下、印刷用のpdfファイルへのリンクになります。

 「追加署名用紙」はプリントアウトしてご利用できます。用紙のサイズ・形式はご自由に選ぶことは可能ですが、「陳情名、願意(4項目)」と 「署名欄」がセットでないと無効になりますのでご注意ください。

 氏名・住所は必ず自署でお願いいたします。印字で記入される場合は、押印が必要となりますのでご注意ください。

 未成年の方でも、住所が東京都外の方でも署名は可能です。また、署名簿の記入がお一人の場合でもかまいませんので、期限までにご返送いただければ幸いです。

 署名の集約期限は1月22日(木)となります(第一次集約)。議会で正式な署名数としてカウントされない場合もありますが2月15日(日)までは署名を集めますのでご協力お願いいたします(第二次集約)。

 送付先は、以下の通りとなります。

〒194-0298 東京都町田市相原町4342 法政大学社会学部荒井容子研究室気付
都立の大学を考える都民の会
ganbare_toritudai@yahoo.co.jp

2004年01月02日

東京都大学管理本部がついに教員人事まで?

「意見広告の会」ニュース78 Date: Tue, 30 Dec 2003 10:37:34

1 都立大学理工系教員の声明
2 都立大学人文学部長の抗議声明 
関連 都庁記者クラブ内マスコミ各社に対する声明
3 東京都大学管理本部の教員「公募」
*3について
一体誰がどこで教員人事の「審査」をするのでしょうか。
都立大の方から「これらについては、年明け早々に改めて、違法性を追求する予定です」との連絡をいただいています。
また、特に法科系の方からのご意見をお待ちしております。・・・・・

2003年12月30日

平気で嘘をつく人々の記録2:東京都知事

不正な情報操作を即刻中止するよう強く要望する南雲人文学部長・声明 2003.12.25
都立の大学を考える都民の会サイト より

東京都による基礎データの歪曲に抗議する


 東京都大学管理本部はこれまで再三にわたり、プレス発表や都議会本会議・各種委員会において、都立大学、なかんずく人文学部に係るいくつかの基礎データを歪曲して発表して来た。これは、現在設置準備が進められている新大学の構想において、都立大学を半ば解体し、とりわけ現人文学部については実績ある専攻の多くを廃止する、という都の方針を正当化するために行われていると考えざるを得ない。すでに指摘されて来たように、大学管理本部の挙げる数字は真正のデータとはまったくかけ離れたものだからである。東京都のこのような姿勢は、およそ公正を旨とすべき地方公共団体にはあるまじきものであり、そのことは、すでに文教委員会(11月13日)において行われた質疑等を見ても十分に明らかである。

 しかるに、去る12月24日の記者会見の席上、今度は知事までが、同様の歪曲されたデータをもとに、現都立大学および人文学部の存在理由そのものを否定するごとき発言を行ったことは、まことに遺憾と言わざるをえない。特に、教員一人当たりの学生担当数、学部卒業後の学生進路など、人文学部に直接に係る諸データは、驚くべきことにこれまで大学管理本部が繰り返し発表して来たものと同一であった。しかし、このデータについては、すでに再三抗議を受け、大学管理本部自身が行き過ぎを認めていたはずである。

 以上の理由により、私は、大学と学部の名誉を不当に毀損するこのような行いに対し、断固抗議せざるを得ない。また、ここに改めて、民主的手続きを無視し秘密裏に策定された新大学構想とその準備過程を批判するとともに、それを正当化するために行われるいっさいの不正な情報操作を即刻中止するよう強く要望するものである。

以上

      2003年12月25日    都立大学人文学部長  南雲智

2003年12月26日

都立大学・科学技大理工系教員有志110名の声明

12月24日の記者会見で都知事が、人文系教員だけ東京都大学管理本部を批判している、と言い逃れをしていたが、それがきっかけであろう、都立4大学全体に浸透していた批判が、理工系教員110名の強い声明として結晶した。大学の全構成員を屈服させようと躍起になっているのは、権力に恍惚となるタイプのつまらない政治家であることを自ら証明しているようなものである。しかし、良識であれ法律であれ道徳であれ憲法であれ、軍隊以外の何ものにも「屈しない」強い権力者に感動する人も少なくない現状では、日本の将来にとって要注意の権力者ではなかろうか。

声明

東京都大学管理本部主導による一方的な「新大学設立」準備の早急な見直しと開かれ た大学改革準備組織の再構築を求める

 東京都立大学は50年を超える歴史と伝統を培っており,教育と研究の両面で,公立 大学として多くの社会的責務を果たしてきた.また,都立科学技術大学をはじめ他の 都立の大学も首都の教育と研究を支える貴重な貢献をしてきた.しかしながら,2年 前,東京都は専らその財政的な理由に基づき都立の4大学の統合・改革を提起した. これに対して,4大学は多くの問題を抱えながらも当時の管理本部と共同して,新た な枠組みによる大学の設置の作業に取り組んできた.特に,教育を受ける現在と未来 の学生達に不利益が生じないことを常に念頭に置き,教育・研究に携わる機関として の社会的責務を今まで以上に間断なく果たすことを目標として,平成17年度の新た な枠組みによる大学の発足に向けて長時間にわたる検討を進めてきた.ところが,本 年8月1日に現大学管理本部が唐突に提出してきた「新大学構想案」は,これまでの 検討結果を一方的に破棄したものであった.以来,大学の「現場の声」を無視して進 められる「新大学構想」に対し,10月7日の都立大学総長声明(「新大学設立準備 体制の速やかな再構築を求める」)をはじめ,教職員,学生,大学院生などからの多 くの声明や抗議が出されてきているにもかかわらず,大学管理本部は全くこれらを無 視し,その後も河合塾への作業の外注や教員の任期制度や年俸制の一方的公表など, 大学運営の基本に関わる事項を大学との協議の姿勢を示すことなく押し進めている.

 大学の改革は時の行政が一方的に進めるべきではなく,大学を運営する大学の執行 部,あるいは,法人化後であればその責任を専らに担うものが中心となり,行政と手 を携えて進めるべきものである.この基本すら守られない状況において,これ以上管 理本部がいうところの「大学改革」を認めることは,現大学で学ぶ学生・大学院生の みならず,大学の新たな出発を期待する高校生,受験生をはじめとする東京都民,国 民に対する責務を大学自身が放棄することになりかねない.したがって,現在都立の 大学で教育・研究に従事し,大学の運営に一半の責任を持つ大学人として,これを黙 って見過ごすことは出来ない.

 私たちは,10月7日の都立大学総長声明で指摘されている内容を支持するととも に,現在進められている一方的で独断的な「新大学設立」準備を直ちに見直し,開か れた準備組織のもとでしっかりとした改革の方向を検討し,新しい大学を作っていく ための取り組みを進めることを強く求める.

2003年12月26日

東京都立大学理学研究科・工学研究科,東京都立科学技術大学工学研究科教員110名

連絡先:東京都立大学理学研究科 小柴共一(生物科学専攻), 神木正史(物理学専攻), 三宅克哉(数学専攻) 工学研究科 渡辺恒雄(電気工学専攻)東京都立科学技術大学工学研究科 山田雅弘(インテリジェントシステム専攻)

2003年12月24日

抗議辞職した都立大四教授支持声明

意見広告の会ニュースNo 76(2003.12.24) より転載


すべての大学人は都立大法学部四教授の行動を断固支持し、学問の自由を守る意志表示をしよう!


2003年12月23日

筑波大学 鬼界彰夫


 日本全国の大学で教育・研究にたずさわるすべての皆さん。石原都知事が強引に進めつつある都立大学の再編計画に抗議して四名の法学部教授が辞職されたことはすでにご承知だと思います。私もこの「事件」には強い関心を持って注目していましたが、新聞報道で伝えられる辞職理由が「トップダウンに抗議して」とか「健康上の理由」といった曖昧なものだったため、事態の真の意味を完全には理解しかね静観していました。しかし12月17日都立大で開かれた説明会の模様の報道を通じ、四教授の行動が学問の自由を守るための勇気ある行動であることを知り、彼らの行動を今断固として支持し、いかなる形においても彼らを社会的に孤立させてはならないと考えこのメールを皆さんに書いています。御一読頂き、それぞれの方が、学問の自由を守ることが自分の学者しての命を守ることであり、四教授の行動を支持することがそのために極めて重要であることを認識頂ければ幸いです。

我々はなぜ学問の自由を守らなければならないのか

 大学人に対して学問の自由の必要性を改めて説くのは、文字通り「釈迦に説法」のそしりを免れないことは十分に承知しています。しかしながらかつての「遠山プラン」に象徴される「社会のニーズ」という名のもとに為されてきた「大学批判」に対する大学人の時には迎合的な対応や、国立大学法人法に対する傍観者的態度は、大学は学問の自由を売り渡しても生き延びようとしているのではないかという疑いを起こさせるのに十分なものであり、それが典型的なポピュリストである石原都知事の今回の強引な試みを誘発する遠因となったと考えられるため、学問の自由の意味を再確認したいと思います。

 ある社会が学問の自由を尊ぶとは、その社会が真理(事実)を自体的価値として尊重し、他のいかなる重要な価値にも従属させないということです。他の重要な価値とは、「正義」、「階級」、「民族」、「宗教」、「民主主義」、「国民の福祉」、「社会のニーズ」等様々です。それらは当の社会が「是」として合意している建前であり、看板です。社会が学問の自由を尊ぶとは、ある問題に関する事実が仮に社会的是にとって一時的な後退を意味するものであっても、それを事実として認めようということであり、それを事実として探求し、公開する人々の活動を社会全体で支援しようということです。いかなる問題に関しても、「本当の所はどうなのか」ということを決してないがしろにしないということです。「都合のよい事実」を決して捏造しない、許さないということです。逆に学問の自由を抑圧するとは、様々な大義のために、「都合の悪い事実」の公開や探求を禁じたり、妨害したり、あるいは「都合のよい事実」の捏造を強制したり誘引したりすることです。従って学問の自由は決してファシズムによってのみ踏みにじられるのではなく、「社会のニーズ」や「国民の福祉」に対する自発的
迎合や追従によっても踏みにじられるものです。

学問の自由は知の専門家である学者の集団としての学問共同体の自律的活動と評価によってのみ可能である

 社会があらゆる判断の根底に真理を置き、「本当のところはどうなのか」を可能な限り追求しようとすれば、学者が探求を職業的に行う場としての大学と、ある事柄に関する真理が何なのかを判断する場としての学問共同体(学会)がどうしても必要です。例えば、ある歴史的事件の真相が何であるのかを知るためには、原資料へのアクセス、それを分析する能力、そうした活動を支える時間と資金が必要ですが、そうしたことは大学という探求の場を与えられた専門家としての歴史家にのみ可能であり、その問題に関して対立する様々な見解が存在する場合には、専門家集団の相互討議の場としての学会においてのみ最善の結論に達することが出来ます。そして本質的に発見的な学術活動はあくまでも学者個人の自発性に基づいてのみ可能であるため、大学で研究する学者の活動は当人の学問的関心、学問的価値観、学問的良心に基づいてのみ可能となります。言い換えるなら学者が自分で興味深く価値あると考える研究テーマを誰の評価も気にすることなく選び、自分の能力と良心にのみ基づき自分が最も真理に近いと考える結論をその根拠とともに社会に公表する、ことによってのみ可能です。他方、他の社会的に重要な価値のために学問の自由を破壊する最も典型的な手段とは、その価値を代弁する非専門家が社会を扇動し、学者の活動と判断を自らの支配下に置くことです。戦前の滝川事件、ソヴィエト・ロシアでのルイセンコ事件、そして中国の文化大革命、いずれにおいてもこの同じ手段が用いられています。そして今回の東京都の都立大再編計画も、本質的には社会をバックにしたかのような非専門家が「魅力ある大都市Tokyo」という(おそらく石原都知事以外の人間には)大して重要でも現実性もない価値に学者を従属させることにより学問の自由を破壊しようとする行動です。

石原都知事と東京都大学管理本部はどのようにして学問の自由を 破壊しようとしているのか

 2003年8月1日に発表された東京都大学管理本部の報道資料「都立の新しい大学の構想について」第二項は次のように述べています。

「新しい大学は、大都市における人間社会の理想像を追及することを使命として、特に次の3点をキーワードに、大都市の現場に立脚した教育研究に取り組みます。

1) 都市環境の向上
2) ダイナミックな産業構造を持つ高度な知的社会の構築
3) 活力ある長寿社会の実現」

 すでに様々な人によって指摘されているように、こうした大学像が現行の都立大全体の研究領域とあまりにも無関係で、ほとんどナンセンスなものですが、百歩譲ってこれが新設される大学であると仮定しましょう。その場合大学の設置者である都は大学がカバーする研究領域を自由に設定することは出来ます。例えば、大都市を多角的に研究対象とする、というように。しかしながら上記の文言は大都市の(よりはっきり言えば石原氏が知事を務める東京の)現実を肯定するような研究を暗に要求するものです。例えば大都市の環境が本質的に非人間的であり、都市はは出来るだけ小さくあるべきであり、従って首都機能も東京から移転すべきだ、という結論に研究の結果到達した社会学者がいたとして、その学者は上記の文言に何を感じるでしょうか。大学に残りたかったら研究テーマか結論のいずれかを変えろ、というメッセージでしょう。このメッセージこそが学問の自由の破壊の本体なのです。

 しかし都立大が直面する現実はもっと深刻です。形式は何であれ、「新生」都立大は新設されるのではなく、すでに自分自身の研究領域とテーマを持った多くの学者を抱える現行都立大の再編でしかありません。大都市と何のかかわりも無い研究をしている学者の感じる当惑と圧力は想像に難くありません。それが学問の自由の破壊なのです。例えば大学管理本部自身がホームページに誇らしげに報告している雑誌「ネイチャー」に掲載された石井助教授と片浦助手らの論文題目は「カーボンナノチューブにおける低温での朝永ーラティンジャー液体状態の直接観察」です。これはいかなる意味においても上記の「新都立大」の理念と何の内容的関係も無いものです。石原都知事と大学管理本部は自らが大学の目玉として広報しているこの優秀な研究者達をどのように処遇しようというのでしょうか。スターリン時代、学術論文の冒頭には論文内容と無関係に、この論文が如何に社会主義にとって有益かということが力説されていたといいます。石原都知事は同様の屈辱を学者に強いることを欲しているのでしょうか。

 このように学問の自由の破壊は常に学者に対する知的屈辱の強制という形をとって現れます。そして今回都によるそうした学問の自由の破壊を象徴するのが予備校への理念委託です。12月12日の東京都文教委員会で明らかになったように、都は再編される都立大の主要部分となる「都市教養学部」の理念設計を予備校の河合塾に3千万円で委託しました。大学で研究にたずさわる学者に対する知的屈辱としてこれより大きなものを想像するのは困難でしょう。明らかに石原都知事は都立大の学者に対して、プライドと学問的良心を捨てて自らの前にひざまづくことを要求しています。そして都立大における学問の自由の破壊を日本の社会と学者が容認するということは、早晩同様の運命が日本の大学全体を襲うことだといってもよいでしょう。

四教授の行動は「敵前逃亡」ではなく、「勇気ある命令拒否」だ

 同じ12日の文教委員会で自民党の山本議員は法学部四教授の辞任を「敵前逃亡」と呼び、彼らの社会的孤立と石原知事の免責を図るような発言をしています。しかしながら軍隊にたとえるなら四教授の行動は敵前逃亡ではなく、無抵抗の非戦闘員を無差別に銃撃しろという上官の不当な命令に対する良心に基づいた勇気ある命令拒否です。彼らが直面したのは学者としての良心を捨て、学問の自由を殺せ、という不当な命令であり、彼らは職を賭してその命令を拒否したのです。我々すべての学者は彼らの行動を支持し、彼らを決して社会的に孤立させず、学問の自由を守る大学の意志を広く社会に示す必要があります。責任を問われるべきは都大学管理本部と石原都知事です。

 これは団体行動の呼びかけではありません。一人一人の学問的良心に対する呼びかけであり、それぞれの身の回りで出来ることをする呼びかけです。彼らに対する応援のメール、東京都に対する抗議のメール、教室での学生への説明と呼びかけ、職を辞する決意をしなくとも我々に出来ることはたくさんあるはずです。ささやかであっても持続的な意思表示が最も大切ではないでしょうか。学問の自由は学者というカナリアにとっての酸素です。学者として命を保とうとするなれら、私たちは酸素を求める当然の声を上げなければなりません。

石原都知事による都立大再編に反対する人々への支援先

『都立の大学を考える市民の会』ホームぺージ
http://www.geocities.co.jp/CollegeLife-Lounge/3113/index.html

東京都への抗議先

都民の声総合窓口 
https://aps.metro.tokyo.jp/tosei/aps/tosei/mail/koe.htm

大学管理本部の連絡先:

 〒163-8001 東京都新宿区西新宿2−8−1
 東京都大学管理本部長 山口 一久 
 03-5388-1615(fax番号)
 メールアドレス:S0000677@section.metro.tokyo.jp

2003年12月23日

日本文学協会:都立大学「改革」に反対する声明

日本文学協会声明(「日本文学」12月号)
  文学研究、文学教育の場を守るために、東京都立大学の「改革」に反対する

 現在、東京都はいっさいの議論と情報公開を否定した非民主的な手法により、東京都立大学の「改革」を実施しようとしています。二〇〇三年八月に、現都立大学の廃止と非公開の場で作られた「新」大学案が突然提起され、その経緯や詳細は当事者である大学関係者、学生はもちろん、東京都民に対してもまったく知らされていません。しかもそのような不透明で唐突な「新」大学を二〇〇五年四月に開校するとしています。

 このような状態で提起されている「新」大学案では、現在ある人文学部・法学部・経済学部・理学部・工学部が「都市教養学部」という学問的教育的理念不明の一学部に集められ、人文学部の教育内容が大幅に削られています。とりわけ人文学部において専攻として設置されている国文学をはじめ、中国文学、英文学、独文学、仏文学、そしてそこに併置されてきた各語学の研究・教育の場が、「新」大学にはまったく存在しないのです。

 「文学」がわが国の文化や教養の基盤を形成してきたものであることは言うまでもありません。国際化・情報化が進む今日においても、他国の文学・言語、そして何よりも日本文学・日本語の研究・教育の重要性は一段と増しています。そうした状況の中で、研究と教育の場である大学から、文学・語学の分野を抹消するということは、わが国の将来のために決して看過できない問題です。この領域で多くの実績をあげ、研究の拠点となってきた東京都立大学の文学専攻が失われるということは、経済効果でははかることができない致命的な損失となります。また、現在学部や大学院で学んでいる学生(留学生も多く含まれる)の権利という観点からも、突然の、一方的な廃止は許されることではありません。

 大学の存在意義、文化・教養の意味を少しでも真剣に吟味すれば、このような「新」大学構想の持つ欠陥は明らかです。しかしこれは一大学における教育の崩壊にとどまらず、経済効率を優先させた国公立大学の独立行政法人化などの指し示す方向を象徴的に示していると思われます。もしも、このような文学・語学の研究と教育とを排除した大学「改革」が東京都において一方的に強行されれば、それはたちまち全国へ波及してゆくことも予想されます。そうなれば、わが国の文学・語学の研究・教育、また大学における民主的な学問・教育への取り組みそのものが崩壊してゆくことになりかねません。

 以上の観点から、私たちは文学研究、文学教育の場を守るために、現在行われようとしている東京都立大学の「改革」に反対し、東京都がただちに「新」大学の構想を中止し、現都立大学との協議による大学改革という本来の手順に立ち戻るよう、強く求めます。

     二〇〇三年一一月   日本文学協会

日本史研究会声明12/1:都立四大学の統廃合について・・・・・・

「日本史研究の分野では国内最大の学会である京都の日本史研究会が、12月1日に、「都立四大学の統廃合について民主的改革と教育環境の保障を要望する声明」を出し、『日本史研究』496号(2003年12月号)に声明が掲載されました。・・・・・・」

都立四大学の統廃合について民主的改革と教育環境の保障を要望する声明

 現在、東京都立四大学を廃止し新大学を設立するという「改革」が行政当局によって強権的に行われようとしている。その手法は憲法や教育関連諸法規の認める学問の自由、大学の自治を否定するきわめて非民主的なものである。

 東京都は都立四大学と大学管理本部の協議で検討・準備を進めてきた「大学改革大綱」を突然覆し、大学管理本部が秘密裡に作成した新大学構想を押しつけようとしている。この構想は、人文学部や理学部のいくつかの学科・専攻を消滅または大幅に縮小し、教員定数を極端に圧縮するなど、これまでに築きあげられてきた都立大学の研究や教育を無に帰しかねないものである。また、現在の院生や学生の研究・学習条件が大きく悪化することも懸念される。さらに、新大学の設立準備作業においては、教職員、院生、学生は協議過程から排除され、情報も正確に伝えられず、意見を述べ交換する自由も制約されている。

 七月一日に地方独立行政法人法案の可決に際して採択された付帯決議は、「公立大学法人の設立に関しては、地方公共団体による定款の作成、総務大臣及び文部科学省の認可に際し、憲法が保障する学問の自由と大学の自治を侵すことがないよう、大学の自主性、自律性を最大限発揮しうるための必要な措置を講ずること」と規定している。現在の東京都の手続きはこの付帯決議を全く無視しており、設置者権限を濫用するものである。行政による強権的な大学再編がこのまま見過ごされるならば、他の公立大学はいうまでもなく日本の大学のあり方そのものに甚大な悪影響を与え、学術研究の非民主的な抑圧をもたらすことになる。本会は強圧的・強権的な大学の破壊に強く抗議し、以下のことを東京都に要望する。

一、 都立四大学の構成員と開かれた協議を行い、合意形成をはかりつつ民主的な改革を進めること

一、 都立四大学に在籍する院生・学生の研究・学習権を十全に保障すること

一、 学問の自由と大学の自治を侵すことがないよう、都立四大学の教職員の地位を保全すること

   二〇〇三年一二月一日
                                日本史研究会

2003年12月18日

「学問の自由や大学の自治が踏みにじられている」ーー辞職する都立大教授

共同通信配信記事 2003年12月17日付
「辞表は新大学への抗議」 都立大教授らが表明

・・・・・教員や学生有志が17日、八王子市の都立大構内で開催した集会に[辞表を提出した]4人のうち3人が出席。・・・・・
4人のうち民法の石井美智子教授は「(現在の)大学の意見も聞かないで新しい大学が押しつけられ、学問の自由や大学の自治が踏みにじられている」と述べた。
 行政法の磯部力教授は「都立大が自主的に進めてきた改革とは全然違う改革が進行していることを(辞表提出で)身をもって示すことに意味がある」と説明した。・・・・・

[] 内は編集者。

2003年12月17日

東京都文教委員会12/12:「やめたい奴はやめろ」

都立の大学を考える都民の会 12月12日、東京都文教委員会報告

・・・・・
曽根)青島知事の時に臨海開発に協力し、大学改革も積極的に推進した人が、河合塾問題で絶望したと言っている。まさに墓穴を掘ったとしか言いようのない事態。石原知事は記者会見で「やめたい奴はやめろ」と言っていたのだから、辞めるのにとやかく言うことはできない。

(宮下)就任承諾書の約束をきちんと果たすのが社会人としての常識。

曽根)やめたい奴はやめていいと知事は言った。知事のような上位の人の発言の方がよっぽど社会的責任がある。

(宮下)知事は新大学について言っている。

曽根)ロースクールと新大学はセットだ。

2003年12月13日

「意見広告の会」ニュース71(2003.12.13)

From: 意見広告の会
Subject: 「意見広告の会」ニュース71(2003.12.13)
配信申し込み先:qahoujin@magellan.c.u-tokyo.ac.jp

都立大学に関連して次々に新しい事態が生じています。
1 4教員辞任 東京新聞12/12
2 「読売」社説
3 都議会文教委員会速報
4 都民の会シンポジウム

1 4教員辞任 都立法科大学院の危機
 4教員 相次ぎ辞任
 都立大・法科大学院

 新しい法曹養成機関として、来年四月に開学する東京都立大学法科大学院(ロースクール、中央区)について、都は十一日、出願受け付けと試験を当面延期すると発表した。大学院の専任教員に予定していた四人の教員が相次いで辞職を申し出たため。一人は都の大学改革への強い不信感を辞職の理由にしている。都は都立大など都立四大学を廃止し、二〇〇五年春に新大学を開設する大学改革を進めているが、大学側の反発の強さが異例の形で浮き彫りになった。

■出願、試験 延期決める

 全国で開学する法科大学院で、試験日程が変更されるのは初めて。

 都大学管理本部は、法科大学院の出願期間は十二月二十四日から一月七日までで、書類審査の合格者を対象に実施する試験は一月二十四、二十五両日に実施すると発表していた。
 ところが、都立大学から法科大学院の専任教員に予定していた法学部の教授と助教授の二人が十一月に退職届を提出。今月九日には法学部の別の教授二人も退職届を提出した。三人が民法、一人が行政法を担当することになっていた。
 このため都は、教員補充のために文部科学省との再手続きが必要だとして、試験などの延期を決定。十日に教員人事の差し替えについて、同省に補正申請した。
 都大学管理本部は、新しく選ぶ教員について、大学設置・学校法人審議会の審査を受け、承認後に試験日程をあらためて公表するという。開学への影響については「間に合うよう文科省と相談しながら努力している」としている。

 辞職した教授の一人は本紙の取材に対し、「都は新大学についての議論を全部ひっくり返した。その後の都の改革のやり方も、新大学の内容も、われわれの考え方と全く違う。気力がうせた。辞職は私なりのけじめのつけ方だ」と理由を述べ、都の新大学構想を強く批判した。
 また、辞職する別の教授は「辞めるのはあくまでも健康の問題で、大学改革とは関係ない」としながらも「現在の改革のあり方は、望ましくないと思っている」と話している。
 都の新大学構想は、都と四大学の学長らが昨年から検討を進めていたが、八月に石原慎太郎知事がそれまでの検討内容を大幅に変更した新構想を発表。直前まで変更を各大学に知らせない「トップダウン」の手法や教員任期制導入、大手予備校への調査委託などに対し、都立大の教員や学生らから批判の声が高まっていた。

*都の新大学、英語・PC卒業要件に 12/12別面

 二〇〇五年春に開学予定の東京都の新大学構想で、都は十一日までに、英語などの外国語のコミュニケーション能力とパソコンなどの情報処理能力について一定の基準を設け、卒業要件とする方針を固めた。実社会で役に立つ能力の養成が目的で、都大学管理本部は「全国でも珍しい取り組みでは」としている。

 同本部によると、英語を中心とした語学は、読み書きだけでなく日本人が苦手とされる会話力の向上も重視。英語の国際的な能力テストであるTOEFLやTOEICの活用も視野に入れて一定の語学力の基準を設け、卒業までにクリアすることを学生に要求する。

 パソコンなどの情報処理能力についても、能力テストなどの基準を設ける予定。

 語学授業の質の向上のために、英会話学校から講師を招くなど大学外部の力の活用も検討している。一方で、語学を含めて必修科目は設けない方針で、入学時に一定基準の語学力を身につけている学生は、語学の授業を受けなくてもよい制度とする。

2 「読売」社説 12/12

『都立大 混乱  新大学構想に教員反発 一方的な改革 再考を』
-東京都がトップダウンで進める都立の新大学構想が、大学に混乱をもたらしている?

解説部 中西茂

 新大学は、五学部の都立大、単科の科学技術大と保健科学大、短大の四つを統合・再編、法人化して二〇〇五年度の開設を目指している。公立大は、国立大の後を追って、横浜市立大や大阪府立大などでも法人化の準備が進む。少子化や財政難もあって、存在意義が問われるのは、どの自治体も同じだが、大学がひしめく東京ではなおさらだ。

 都は今年八月、「新しい大学の構想」を発表、四大学を都市教養学部、都市間強学部など四学部に再編する方針を示した。「大都市の課題に対応した学部再編」という。

 この構想に、都立大の教員や学生が反発した。都自身が二年前異に大学改革大綱を策定しており、これをもとに進行中だった教員中心の検討を無視したからだ。都が進めた学識経験者の検討は非公開で、学長らに内容が伝えられたのは、発表の一時間前だった。

 都はさらに、教員配置案や今後の協議内容を口外しないことへの同意書の提出を教員に要求。現在も、同意書を提出しない教員を多数抱えながら、カリキュラムづくりをする奇妙な状態が続いている。

 都の方針変更には、「これまでの日本にはない新しい大学を作る」と公約して、この春再選された石原知事の意向がある。石原氏は、教員の反発を、「学者というのは古い人が多い」と切り捨てる。

 都大学管理本部の大村雅一参事は、「先生方中心の議論が現状温存に流れた」とするが、検討メンバーの一人で、社会的注目度の高い研究を手がける理学部の教授は、「二年間、どうすればいい先生を呼べるか、どうすれば外部資金を得られるか、考えに考えてきたのに」と反発する。

 大学側が問題にするのは、都の一方的な手法だけではない。学問が高度化する中、大学院の設計を後回しにした点も、不信を招いた。学生が高く評価する伝統的な少人数教育も弱める。都が比較するのは主に私大だ。語学教育の外注も否定しない。教員の全学的な任期制も、都は経営上の観点からの導入を強調する。

 一定の自立した経営が求められる法人化には、効率的な運営も必要だが、都の新構想には安上がりの大学作りが透けて見える。

 都が示した「都市教養学」とは何か、といった根源的な問いかけもある。「自治体が大学を持つ必要があるのか」という声も聞かれる時代だ。限られた財源の中、教育・研究の内容を絞り込み、「役に立つ大学」を印象づけたいと都が考えるのは、大学側がこれまで、実績をアピールしきれなかった裏返しでもある。

 とはいえ、大学の評価は一朝一夕でできるものではない。現在の教員の実績を的確に評価し、現在の学生の意思を尊重してこそ、新大学もスタートできる。学制は新大学を担う立場にもなる。

 自治体には高等教育行政の専門家は少ない。人材流出を招かないためにも、都は、現場の納得を得ながら改革を進めるべきだろう。学生や研究者の疑問や不安にも「説明は大学の責任」と突き放さず、真摯な姿勢を示してほしい。

3 12/12文教委員会  傍聴者より

今日の文教委員会では自民党の4人の議員が4教授批判をぶち上げ、大学管理本部は責任追及については検討中としつつ、当面は16年度法科大学院開設に全力を尽くすと答弁しました。

これに対して共産党、生活ネット、自治市民の3会派は、法科大学院への就任承諾書は6月に提出されたものであり、直接の責任は8月1日に大学や都民・学生に対する約束を反故にした大学管理本部にあると主張。公明、民主は立場を明確にはしませんでした。

また4教授のなかには、これまで各種審議会等で東京都に多大の貢献をしてきた教授もおり、知事・管理本部の手法はこうした都にとっての功労者さえをも排除する強引なものであるとの批判が出されました。

大学管理本部が4教授への責任追及に言及したのに対して、ある会派の議員から4教授には退職の自由があるはずだとの指摘がなされましたが、大学管理本部はこれにはまともに答えませんでした。4 教授に対する懲戒処分等は法的に不可能なことは明らかですが、無理を承知で政治的な目的をもった「責任追及」をしてくる可能性もあり、予断を許しません。

この日の委員会では、そのほか都市教養学部構想の河合塾への委託問題、都立大学の在籍年限の打ち切り問題、任期制・年俸制問題についてやり取りがありましたが、議員側の突っ込み不足と大学管理本部の形式的な答弁がめだち、十分にかみ合った議論とはなりませんでした。

また東京都産業科学技術振興指針と新大学との連動について自民党の議員による質疑が行われ、東京都の新大学構想が産業界および自民党の強力なバックアップにより推進されていることをうかがわせるものでした。

4 都民の会12月シンポ開催のお知らせ

「都立の大学を考える都民の会」賛同者のみなさまへ

 下記の日程で、シンポジウムを開催いたします。まわりの方々にもお知らせくださるようお願いいたします。大学管理本部案とは別に、大学独自に作成した改革構想について、茂木総長から説明をしていただく内容となっております。

都民の会事務局

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都民にむけた大学『改革』説明会
−新大学の改革構想を東京都立大学が独自に作成−
−私たちの求める都立の大学とは?−

 東京都立大学は、東京都の大学管理本部案とは別に、独自の改革構想を作成しています。
 「都立の大学を考える都民の会」では、東京都立大学の茂木俊彦総長に独自の構想について報告をお願いしました。
 あなたの意見、私たち都民の思いを出し合い、話し合いませんか。茂木俊彦・東京都立大学総長が報告みんなの思いがいきる都立の大学づくりを

とき● 12 月21 日(日) 14:00 〜 16:00
   (13:30 受付開始)
会場●東京都立大学教養部棟110 番教室
主催●都立の大学を考える都民の会

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●都立の大学を考える都民の会設立趣意書

 2003年8月以降、都立の大学をめぐる動きは大きく変わってきました。東京都の大学管理本部は、これまで都立大学と大学管理本部との間で積み重ねてきた議論や合意を一方的に破棄し、「新しいタイプの大学づくり」を強行に進めようとしています。

 私たちは、現在のような「大学改革」の進め方に、都民として強い憤りを感じています。このように強引で非民主的な「改革」の進め方に、私たちは反対します。

 もちろん私たちは、都立の大学が、現状のままでよいと考えているわけではありません。改革のプロセスがもっと都民に開かれること、その中で都民の声に大学は誠実に耳を傾けて欲しいという思いを持っています。

 しかし現在進められている「改革」は、「都民の声」を口実に進められながら、その実都民の声を全く無視して進められています。都立の大学に対する本当の「都民の声」はどのようなものなのか、そのことを私たちは、様々な立場の都民と共に丁寧に考えていきたいと思います。そのためにも、現在の東京都による一方的な「改革」を押しとどめる必要があります。

 私たちは、都立の大学に、将来に対する様々な不安を抱えながらも学問研究への取り組みを通じて社会に貢献しようとしている教員や院生、あるいは大学での学びを通じて自分自身の生き方を模索しようとしている学生、毎日の事務作業を通じて大学を支えている職員がいることも知っています。彼らはそれぞれの立場から、都立の大学を守るために様々な取り組みをしています。私たちはこのような取り組みを大学の外から応援していくとともに、都民として率直に現在の大学に対する意見・要望を伝え、都立の大学を真に「都民のための大学」とするための取り組みを進めていきたいと考えています。

■ 賛同費(会費) ■
(1) 個人参加はカンパ(1口千円、学生1口500円何口でも可)
(2) 組織参加は入会費(1口1万円何口でも可)

●賛同カンパ振込先
郵便局口座名義 都立の大学を考える都民の会
口座番号 00190−5−481324
本会の設立趣旨に賛同し、「都立の大学を考える都民の会」への
入会を希望される方は、下記の事項をお知らせください。

● お名前  ● ご所属(肩書き)
● お名前・ご所属等についての公開
(いずれかに○をつけてください)
  可  不可 一部可(公開して良い部分は      )
● 連絡先ご住所  ● メールアドレス
● その他、お手伝いいただけること、メッセージなど
「都立の大学を考える都民の会」

■ 連絡先 ■
● 〒184-8501 東京都小金井市貫井北町4-4-1
東京学芸大学障害児教育講座 高橋智研究室気付
● 〒194-0298 東京都町田市相原町4342
  法政大学社会学部 荒井容子研究室気付
              (いずれでもかまいません)
● Email ganbare_toritudai@yahoo.co.jp
● URL http://www.geocities.co.jp/CollegeLife-Lounge/3113/
    index.html
●呼びかけ人 金子ハルオ(都立大学名誉教授)、清水誠(同)、
        暉峻淑子(埼玉大学名誉教授)、山口昭男(岩波書
        店社長)、池上洋通(自治体問題研究所研究員)
(順不同)

2003年12月12日

都立大4教授が抗議辞職し、法科大学院入試延期へ


都立大法科大学院、4教授の抗議辞職で入試延期

 東京都は11日、04年春に開学予定の都立大法科大学院について、1月に予定していた入試を延期する、と発表した。専任教員に就任する予定だった都立大(八王子市)の教授ら4人が急きょ辞意を表明したため。都は既存の都立4大学を廃止して05年に新大学をつくる計画だが、トップダウンの手法に反発が強く、教授らは抗議の意を込めて辞職するという。・・・・・このため民法の専任教員が1人もいなくなり、文科省が学生募集と入試の実施を保留するよう指導したという。・・・・・他の法科大学院に後れをとることは必至で、都立大の教授には「運営体制を根本的に見直すべきだ」という声が出ている。

2003年12月11日

新都立大:語学授業を英会話学校に委託を検討

新都立大:語学授業を英会話学校に委託検討 05年開校

[毎日新聞12月11日] ( 2003-12-11-15:00 )

・・・・・英会話学校に学生を行かせて単位を取らせることも検討中で、「授業外注」が実現すれば全国初の試みになる。・・・・・文部科学省は「講師を招くのはいいが、授業の内容や成績評価まで丸ごと外部に委託すれば、大学の授業とはみなせない」(高等教育局大学課)と懸念しており、教授らからは「語学教育の軽視」と批判の声も出ている。・・・・・

2003年12月08日

「大学管理本部が保障します。」「管理本部が保障するのでは信用できません。」

都立大の危機 FAQ 廃校 or 改革?
2003.12.2 都立大学院生と東京都大学管理本部の対話

院生:「22年度までは都立大学生・院生の身分を保障してくれるというのはいったい誰が保障してくれるのか?」
管理本部:「大学管理本部が保障します。」
院生:「管理本部が保障するのでは信用できません。」
管理本部:「なぜか?」
院生:「8月1日にそれまでとまったく違った案を出してきて,話を引っくり返したではないか。」
管理本部:...絶句...
院生:「二度と今言っていることを引っくり返さないと確約して下さい。」
管理本部:「私個人では何もできない。大学管理本部としてもそれはできない。」

東京都立河合塾大学

都立大の危機 FAQ 廃校 or 改革? 2003.12.8 より

P-3 12月5日の朝日新聞に載った管理本部が河合塾に「都市教養学部」の理念を外注するという話ですが,本当に理念だけの外注なんですか?

・・・・・すでに N-4で言ったように前々から管理本部は新大学構想に関して教員が反対したり参加を拒否したら外部に委託するぞ,と言っておった。ある種の脅しじゃ。都立大側で対案を作って持ち込んでも,自分達の構想に合わないような部分は,文句をつけて拒否する。そして最終手段として外注を常に匂わせてきた。これは「気に入らない提案を作ってきたら外注するぞ」という抑止力(deterrent power)として機能していたのだ。

・・・・・授業の名称を外部組織が決めるなんてことがあっていいのか?授業の名称が授業の内容にまでかかわってくるとしたら,教育に対しての外部干渉にまで発展する。 そして何よりもまず教育理念をたとえ一部にせよ外部にまかせるという事は,教育の責任放棄だ。 もうすでに「東京河合塾大学」という名称が一部で使われだしているが,冗談として笑えない気もする。

2003年12月05日

受験産業に大学設計を外注するような「大学管理本部」など要らない

朝日新聞2003.12.5
・・・・・ 都の大学管理本部は委託した理由について、「大学の先生方は法学、経済学などの既存の学問分野での縦割りの検討は得意だが、学際的に横断するのは苦手。河合塾は大学評価手法の調査を経済産業省から委託された実績もあり、お願いすることにした」と説明する。

 一方、準備委員会の一員でもある都立大の南雲智・人文学部長は「横割りだから十分な案が書けないのではない。構想自体、都が勝手につくったもので、特に新しい都市教養コースは内容さえわからない。大学の理念を予備校に外注する発想は信じがたい」と言っている。・・・・・

都立大の危機 FAQ 廃校 or 改革? より

C-8 11月5日の朝日新聞ではついに「新都立大の目玉─ 都市教養の理念」を外注するってでていましたが,どう思いますか?
(1)東京都の誰かが「都市教養学部」という名前を思いついた。(知事?副知事?学長候補?管理本部の誰か?)

(2)「都市教養学部」という名前のもと都立大の学部を廃止して,その下に都市という冠のついたコースをいっぱい大学管理本部は作った。

(3)管理本部は,教員に「都市教養」を意識させた授業科目の概要を都立大教員に書かせた。

(4)管理本部は,やはり理念が分からないので,教員に聞いてみたけど分からなかった。

(5)河合塾に外注することにした。ついでに「大学の教員は発想が古い」と文句をつけた(約3000万円のお金がかかるが,もちろん都民の税金から出す)。

・・・・・「提案した人は、それを証明する義務がある」(burden of proof)と言うのは国際的な議論をする時の常識じゃ。「都市教養学部」を提案した人に説明責任があり,その必要性を証明する義務がある。それを怠っている東京都と大学管理本部は,職務怠慢であり,税金泥棒である。

新しい都立大学の11月説明会 質疑集

「珍回答・迷回答続出!」新しい大学の説明会報告

都立の大学を考える都民の会による、4会場での説明会報告での質疑記録をテーマ別に整理したもの。
cf:都立大の危機ーやさしいFAQ M13  

大学管理本部が新大学説明会を行うことは、11月14日に初めて公表され、11月17日、23日、24日に、3つの会場で計4回行われました。
 当初、大学管理本部は都立大キャンパス内でも行う説明会を行う予定で、一般の教室としてはもっとも大きな120番教室を予約していたが、急遽予約をキャンセルして、都立大学の外に会場を設定したとのことです。第五回の新大学説明会は1月18日(日)に都庁で行われる予定ですが、当日は、大学入試センター試験2日目になります。・・・・・

Q)ただでさえ忙しい大学の先生方が、本当に二つのカリキュラムを同時並行で行えるのか?もしそのようなことなら、「あなた方がそのことを説明するのではなくて、大学の教授陣がそのような用意がある、と説明するべきではないか?」
A)やる気があっても、ここにずらりと教授陣が来るわけにはいかない。「単位の読み替えなどするなどして、えーっと、現行の大学のものも残す」。

Q)大学の説明会なのに、大学の先生がいない。「我々はこのようにカリキュラムをくむ」などと先ほどから発言されているが、説明されるときの、「我々」とはだれなのか?
A)設置者の責任でやっている。大学の先生も賛成しているが、こちらに来るわけにはいかないのでいないだけ。

学位授与・大学評価機構による都立大学評価結果概要

東京都大学管理本部が本年8月1日以降に発表した東京都新大学構想に関する請願
都立大学教員10名が11月26日に内田茂都議会議長提出した請願書。学位授与・大学評価機構による都立大学の評価結果概要(10ー11月)が紹介されている。
cf:都立大の危機ーやさしいFAQ M14

・・・・・日本では、公的な大学評価の第三者機関はまだ二、三にとどまりますが、そのひとつ、文部科学省の外郭団体である大学評価・学位授与機構では、試行的な大学評価を2001(平成13)年度から3年間行ってきました。その試行評価の最終年度である今年度、初めて公立大学にも評価の対象が広げられたのを機に、東京都立大学の人文学部及び大学院人文学系では、その「分野別教育評価(人文学系)」及び「分野別研究評価(人文学系)」の評価を受けることとしました。自己評価書をもとに専門委員による評価が行われ、この10月、11月には、その評価案概要がもたらされました。それによると、教育・研究ともに、幸い、高い評価を受けているようです。・・・・・

2003年12月04日

東京都立大学「廃止」に対する新英米文学会抗議声明

・・・・・ 大学を突然「廃止」するなどという措置は、何よりも時の為政者による大学運営への直接的介入を禁じた、憲法・教育関連諸法規上の学問の自由、大学の自治にかかわる条項を踏みにじる行為であり、違法の疑いが濃い。にもかかわらず都はあえて欺瞞的かつ恫喝的言辞を弄し、とりわけ、在学中の学生、院生にはかりしれぬ不安を与えている。この明らかな権利侵害の脅威に対して、在学生や保護者から憤激の声が出てきても当然である。・・・・・
東京都立大学「廃止」に対する抗議声明

                 2003年11月  新英米文学会

石原慎太郎東京都知事殿
山口一久東京都大学管理本部長殿

 報道によれば、東京都は去る8月1日、「都立の新しい大学の構想について」(以下、「新構想」)を発表した。これにより、石原慎太郎氏が都知事に就任して以来追求してきた都立4大学(東京都立大学、科学技術大学、保健科学大学、都立短期大学)統合計画は、最終段階に入ったと受けとめられる。都はそれまで、「東京都大学改革大綱」にもとづく検討を進めていたが、曲がりなりにも大学関係者を加えて具体化してきたこの「大綱」すら突然廃棄して、8月1日以後は密室で構想を練りながら、都立4大学の全教員に、教員配置や詳細設計の内容について一切口外しないことを約束させる「同意書」の提出を要求したと聞く。このようなやり方からは、都知事や大学管理本部が「設置者」と称して専断的に大学の存廃を決定し、大学構成員に対してだけでなく都民にも都議会にも十分な説明もせずに、「新構想」を強権的に進めようとしていると判断せざるをえない。

 大学を突然「廃止」するなどという措置は、何よりも時の為政者による大学運営への直接的介入を禁じた、憲法・教育関連諸法規上の学問の自由、大学の自治にかかわる条項を踏みにじる行為であり、違法の疑いが濃い。にもかかわらず都はあえて欺瞞的かつ恫喝的言辞を弄し、とりわけ、在学中の学生、院生にはかりしれぬ不安を与えている。この明らかな権利侵害の脅威に対して、在学生や保護者から憤激の声が出てきても当然である。

 上記のような手続き上の問題に加え、現在示されている「新構想」にしたがえば、教員定数が大幅に削減され、人文学部とりわけ英文学専攻ほか文学・語学系学科が廃止される。このことに本会は、同じ分野の学会として重大な関心を寄せるものである。文学・言語の専門的な研究教育は、学問や文化の枢軸であり、大学の名にあたいする機関になくてはならぬ営みである。たしかに、今日、文学や言語の研究教育、とりわけ英語教育は、さまざまな批判にさらされ、多くの大学改革でこの分野の改組が焦点になっているし、改革は必要である。だが、現在都が進めようとしているような、実用性や速効性に偏重した「社会貢献」や大学経営の経済効率を最優先させて、言語・文学の研究教育切り捨てとリストラを柱とする「改革」では、この必要に応えることはできないと言わなければならない。それどころか、都立大学の文学・語学系諸専攻が創設以来果たしてきた教育・研究上の社会貢献が無に帰され、文化や学問への敬意欠如も甚だしい破壊と混乱がもたらされるのみである。

 東京都による今回の強圧的な大学の改革が断行され、それがこのまま見過ごされた場合、独立法人化を目前にした他の国公立大学をはじめ、日本全国の大学改革に悪影響を及ぼすのではないかと懸念される。それは、都立4大学だけの問題にはとどまらず、各学界に大きな打撃を与えるとともに、この国の「知」を根底から揺るがしかねない。都知事と大学管理本部が強行しようとしているこの乱暴な都立大学「廃止」の企てに対して、本会は、これをただちに中止するよう要求するとともに、ここに強く抗議する。 

以上
     新英米文学会
              会長    瀧澤正彦
              事務局長  村山淳彦

2003年12月03日

「8・1の転換」はなぜ必要になった

自由法曹団東京支部第二次見解2003.11.27:都立大学問題と石原都政ー「慎太郎流トップダウン」はなにをもたらすか

3 「8・1の転換」はなぜ必要になった
・・・・・
「8・1転換」とは、大学人抜きで大学改革を準備する力を持たない石原都政が、準備に協力させた大学人の関与を完成段階で断ち切るために強行した「だまし討ち」であるとともに、市場原理本位の「都市改造のための大学改造の総仕上げ」にほかならならない。
 この「だまし討ち」に、都立大学総長をはじめとして多くの教授会や大学人が抗議の声をあげたことは、おそらく石原都知事が予想しなかった「良識の反乱」だっただろう。だが、いかに都知事や東京都が権力を振るおうと、その良識なしに意味のある大学など形成できようはずはない。都立大学をめぐる攻防は、明日の大学のあり方にかかわる問題なのである。・・・・・

英文学会・米文学会・英語学会から文科大臣等への共同要望書

都立4大学の統廃問題に関する要望書

東京都知事     石原慎太郎 殿
文部科学大臣 河村 建夫 殿
日本学術会議会長  黒川  清 殿
                            2003年12月1日
           都立四大学の統廃合問題について

 このたび、都立の新大学構想が発表されましたが、英語文学、英語学の研究者が集うわたくしども3学会は、これに対して大きな懸念を禁じえません。それが人文学の教育・研究を軽視する日本社会の昨今の趨勢を助長すると思われるからです。具体的に申し上げれば、その構想に示された東京都立大学人文学部の改編は、当学部が人文学の分野において果たしてきた学問的、社会的な役割を考えますと、日本の人文学の未来に深刻な打撃を与えるものであるという大きな不安を覚えます。・・・・・

 このように推移している新大学の準備体制について、わたくしどもは次のように考えます。

1. 都立大学総長の、「『同意書』についての都立大学総長意見」(9月29日 付)および「声明 新大学設立準備体制の速やかな再構築を求める」(10月7 日付)にもあるように、都による「新構想」は、設置者権限を逸脱したもので ある。専門的学問研究と教育が、重要な社会的機能を担っていることは言うま でもなく、わたしたち専門的研究者集団は、この機能を果たすべく社会から信 託を受け、したがってまたこの信託に応える責務を社会に対して負っている。 そのために専門的研究者集団は、自らを律する自由を与えられ、また自らを律 する責務を担うものであると言うべきである。大学の自治、学問の自由という 観念は、大学が有する社会からの相対的な自由とその社会的責務が表裏一体の 関係にあることを表現したものに他ならず、専門的研究者集団がやがてその成 果を社会に還元するために必須のものであると考えられる。この点で、当事者 である大学構成員が準備した詳細な改革案を破棄したまま、大学の組織が改編 されることは、学会として首肯しがたい。これによって、一大学の伝統と蓄積 のみならず、教育・研究を根幹とする大学の社会的な責務と機能が脅かされて いると考えられるからである。 ・・・・・

 わたくしども3学会は、以上の点について遺憾の意と深い危惧の念を表明し、広く開かれた協議の場で都立四大学の改革案が再検討されるよう強く要請するとともに、関係各位の速やかな対応を心から望む次第です。

(財)日本英文学会 会長 高橋 和久
日本アメリカ文学会 会長 平石 貴樹
日本英語学会 会長 中島 平三  

日本科学者会議声明 2003.11.30

日本科学者会議声明 2003年11月30日:石原都政の「大学改革」を厳しく批判し、強く抗議する

・・・・・重大なのは、このような行政当局の意のままに大学を支配しようとする動きは、東京だけではなく、横浜市立大学など各地の公立大学にも現れていることである。このような手法は、来年4月より法人化する国立大学、特に地方国立大学に、また全国の私立大学にも形を変えて及ぶ危険性がある(現に、私立大学については、「私立学校法改正法案」を国会に提出する動きが報じられている)。・・・・・

2003年11月28日

山口文江東京都議会議員:都立大改革審議11/13にコメント

東京都議会議員山口文江活動報告バックナンバーより:都立大学の新構想についての質疑・・・・・こんなことって???(2003.11.17)

・・・・・14日、知事は新大学理事長予定者(H17年4月1日付で知事が任命)を発表しました。前日の委員会では、学長も理事もまだ決まっていないという答弁でしたのに・・・・。噂によれば学長もお願いしたい人はいるが同意が得られないとか。
都民300百万人の信任を得たからといって、こんな横暴がまかり通る都庁でいいのでしょうか。しっかり考えて選挙権を使ってください。

東京都大学管理本部のメディア操作疑惑等

東京都立大学・短期大学教員組合声明  「現行を下回るいかなる人事・給与制度は許さない──「新大学の教員の人事・給与制度(任期制・年俸制)の概要について」の説明をうけて──」

組合は、11月19日に、大学管理本部から、「新大学の教員の人事・給与制度(任期制・年俸制)の概要について」(別掲)の説明をうけました。11月21日には、読売、毎日の2紙が、新たな人事・給与制度を東京都が決定したかのごとく取り上げています。しかし、組合は「当局の考え方の概要」がまとまったので、その説明を受けたのであって、この内容で協議したいとの提案を受けたわけではありませんし、組合との協議を尽くさないで、新大学の教員の人事・給与制度を東京都や大学管理本部が一方的に決定できるものでもありません。組合は、新聞報道の情報がどこからリークされたのか、大学管理本部に調査を求めています。
 大学管理本部が、具体的な提案を行えば、協議を始めることになりますが、今回出された「新大学の教員の人事・給与制度(任期制・年俸制)の概要について」は、教員の給与モデルも示されていませんし、人件費の総額や人件費率を算定するための大学の総収入の見積もりやそこに占める東京都からの運営費交付金の割合や教職員定数など、協議に必要な資料も示されていません。協議は、これから始まるのであって、すでに任期制や年俸制の導入が決定されたわけではないのです。組合は、組合員の皆さんに、こうした協議の過程で、必要な情報は公開してゆきます。どうか、協議の過程について、注視いただいて、ご意見があれば、組合に寄せて頂きたいと思います。

・・・・・今回示された「新大学の教員の人事・給与制度(任期制・年俸制)の概要について」は、大幅な賃金・労働条件の改悪であり、地方独立行政法人への円滑な移行という、法の主旨や制度設計に反するものです。国立大学法人の場合は、大幅な勤務条件の変更は行われていません。また、地方公務員である現在の教員の給与について、昇任の際に厳格な審査が行われていますが、旧制度を選択した場合、どんなに業績をあげても昇給や昇任がないというのは、「一般地方独立行政法人の職員の給与は、その職員の勤務成績が考慮されるものでなければならない。」という、地方独立行政法人57条第1項にさえ、明らかに違反するものです。

当局は、教授―助教授―助手という「主従関係」をなくすとしていますが、新たに設ける「主任教授」が昇任や業績評価に深く関与することから、主任教授によるボス支配を生む恐れがあることも指摘しておかなければなりません。管理本部が「設置者権限」を振りかざす現在の検討体制のもとで、新制度発足時に設置者や理事長への忠誠度をひとつの基準として、主任教授の選考が行われるようなことがあるとすれは、その恐れは現実のものとなるでしょう。・・・・・

2003年11月26日

東京都大学管理本部が検討経過をねつ造

都立大学・短大教職員組合声明: 開かれてもいない教授会が「賛意を表明」―大学管理本部の「経過」ねつ造を批判する
11月18日に東京都大学管理本部ホームページに開設された「新大学の開学に向けて」というページにある経過報告が事実と異なることが指摘されている。これほどまで信用できない組織に東京都民は大学改革を委ねてしまうのだろうか。都知事は自分のアイディアを実現するためには権力だけでなく明白な虚偽による情報操作の利用も厭わないのであろうか。

・・・・・
新構想発表以降の経過―開かれてもいない教授会をねつ造
 もっとも悪質なのは「新構想発表以降の検討経過」図の中で、都立大学を除く3大学の教授会が「新構想」に賛意を表したとする記述です。その時期は図からは8月〜9月上旬とされています。しかし8月1日からこの時期までの間に、少なくとも科技大・短大では教授会すら開かれていません。したがって「教授会が賛意を表明」などあり得ないことです。各大学の教授会の開催の有無を大学管理本部が把握していない筈は無く、したがってこれは意図的な虚偽であるとしかいいようがありません。(なお、これらの大学の教授会においては現在に至るまで賛意など表明していません。)
 また8月29日には「学長意見聴取」と、あたかも4大学の総長・学長からの意見聴取がおこなわれたかのような記載があります。しかし8月29日は、都立大5学部長と科技大・保科大学長が、「個人」として大学管理本部に呼ばれ、「新構想」への賛意と教学準備委員会への参加が求められたもので、大学からの意見聴取の場ではありませんでした。大学からの意見聴取は8月1日以降、正式には1度も行われていません。・・・・・

2003年11月18日

11月13日都議会文教委員会大学管理本部関係傍聴記

http://www5.ocn.ne.jp/~union-mu/togikaibochoki11.13.htm
より転載

“学生が不安に感じるのは都立大学の総長、教員が学生に十分説明していないから”
“「移行型独立行政法人」で大学設置申請は教員審査を省略”−大学管理本部答弁   
     ―11月13日都議会文教委員会大学管理本部関係傍聴記―

1.日時 11月13日(木)14:28〜17:38(途中休憩2回15分間)
2.場所 都議会第3委員会室
3.議題(質疑)
(1)事務事業について
4.質疑の状況
(1)質問者
  5会派7人(自民2、公明2、共産1、生活者ネット1、自治市民1)
(2)答弁者
  大学管理本部飯塚管理部長、大村改革推進担当参事、宮下調整担当参事


(3)状 況
管理部長 (あらかじめ要求のあった事項についてまとめた配付資料について説明。資料は、「検討の経緯(新構想前、新構想以降)」、「意見等(企業経営者ヒアリング、都立の大学の学生の意見)」、「教員授業コマ数」、「助手の人数(大学別・在職年数別)」、「社会貢献の事例(社会との連携、研究成果の活用、教育的サービス)」、「司法制度改革)法科大学院、全国の状況)」、「科学技術大学費の推移」、「各大学施設開放の状況」)

遠藤委員(自民) 平成12年度外部監査で少人数教育を見直すべきとされているが、新しい大学では教員一人あたりどの程度の学生数にするのか?

改革推進担当参事 外部監査時点では都立の大学全体で教員一人あたりの学生数は、10.9人で、私立大の平均35人に比べ著しく少ない状況であった。新しい大学では、15人程度にしたい。

遠藤委員(自民) 前回の委員会で人文は教員一人あたり学生数が4.6人と管理本部から説明があったが、人文学部長は、マスコミ等で人文は全学の語学や教養科目を担当しているので、学部の学生数だけで比較するのはおかしい、と反論しているがどう考えるか?

改革推進担当参事 4.6人は単純に学生数を教員数で割った数であるが、教養科目を考慮して試算しても5.7人であり、いずれにしても少ない人数にかわりはない。

遠藤委員(自民) 外部監査は収支構造の改善をするようにとしているが、これはどうするのか。

調整担当参事 地方独立行政法人では発生主義会計をとる。外部評価、アウトソーシングによる改善をはかる。また知事は経営にすぐれた理事長をすえるとしている。

遠藤委員(自民) 理事長、学長は誰が決めるのか?

調整担当参事 地独法では理事長は知事が任命し、学長は学長選考機関の選考に基づき理事長が任命するとなっている。ただし、法人設立後最初の学長は定款の定めるところにより、理事長が任命することになっている。定款には、知事の指名に基づき、理事長が任命する旨規定する予定である。

遠藤委員(自民) 学長、理事長予定者が新大学設立前から新大学の検討に加わるべきだと思うがどうか?

調整担当参事 設立前から参加してもらうつもり。8月1日以後、経営準備室、教学準備委員会を設けた。予定者に入ってもらう。できるだけ早く決定したい。

遠藤委員(自民) いつ決まるのか?

調整担当参事 知事には腹案もあるようだが、相手の都合もある。できるだけ早く決めたい。

遠藤委員(自民) 時間がないので、理事長予定者、学長予定者を加えた検討体制を早く整えてほしい。3つの校舎増設の状況はどうなっているのか。

改革推進担当参事 文系は着工している。理工は年明けに契約し、年度内に着工予定である。

遠藤委員(自民) 新構想ではキャンパス配置を見直しているが、施設整備に影響はないのか。

改革推進担当参事 教養教育は南大沢で行うので、2つの校舎建設は変更ないが、先端科学についてはシステムデザイン学部が日野で行うことや都心展開などから先端科学の校舎建設は必要なくなった。

遠藤委員(自民) 先端科学の校舎建設はしないということだが、新大学の施設整備はそれで大丈夫なのか。 

改革推進担当参事 先端科学系校舎の建設は取りやめて、計上されている予算の扱いについては、財務当局と相談したい。ただ、日野キャンパスについては、従来、学生がいない構想だったが、システムデザイン学部がおかれることになったので、耐震補強を含めて検討していく。

遠藤委員(自民) 依然として学生から不安を訴える文書が届いている。学生に不安を与えないためにどのような措置を講じているか?

改革推進担当参事 学生への説明は本来、各大学の教員が責任を持って行うべき。ところが、都立大学の一部に職責を果たしていない教員がいるために、学生が動揺しているのではないかと思っている。今月からはより具体的な内容について学長名の掲示をしている。なお、今回、科技大、保科大ではわかりやすい掲示を考えて掲示したり、教員から学生に説明が行われているのに対して、都立大学では大学管理本部からの通知を総長名の伝聞(?)による掲示をしただけで十分な対応がない。

遠藤委員(自民) 都立大の理解を得られていないというが、努力をして不安をなくすようにしてほしい。

野上委員(公明) 私のところにも大学院生や教員からからファックスやメール、手紙などが厚さにして10センチくらい来ている。学生は情報が少ないので不安を持っている。8月1日に新しい方向が示された。新大学が目指すもの、都が設置する意義、都民への還元、人材育成についてどう考えるか?

改革推進担当参事 新しい大学は使命を「大都市における人間社会の理想像の追求」とし、「都市環境の向上」、「ダイナミックな産業構造を持つ高度な知的社会の構築」、「活力ある長寿社会の実現」の3つをキーワードにして大都市に密着した教育研究を目指していきたい。

野上委員(公明) 次の時代を切り開くものであってほしい。入試偏差値偏重ではない目的意識をもったものを求める。以前、東村議員が聞いたが、新大学の入試は?

改革推進担当参事 一般選考だけではない、ゼミナール入試、AO入試などをいれる。

野上委員(公明) 各学部の構成、教育内容は?

改革推進担当参事 コース制をとり柔軟に学べるようにしたい。単位バンク制をいれる。

コース等の設計については都立の大学の教職員に入ってもらってやっている。

野上委員(公明) 教員定数はどういう考えで決めていくのか。 

改革推進担当参事 各学部の教育研究に必要な教員を配置していくという考えのもとに経営的視点も含めて教員一人あたりの学生数の適正化をもはかっていく。文学系は全学の基礎・教養教育をおこなっているという事情はあるが、教員一人あたりの学生数が他大学などに比べて極端に少ない。そのため、新大学においては経営の観点から見直していく。新大学は国際文化コースに文学系専門科目を置く。

野上委員(公明)  国際文化コースに歴史、哲学、5つの語学を置くのか?

改革推進担当参事 文化・文学その他を置く。アジアの文化を中心としたい。文化を総合的に学ぶものとする。語学の教員はセンターに配置する。

野上委員(公明) 学部に学生が学びたい語学の先生がいるのか? ニーズにこたえられるか?

改革推進担当参事 語学は全学的に措置する。国際文化には文化、文学、哲学などを置く。全部の語学を置くというというわけではない。

野上委員(公明) 大学院との一体性について、検討状況は?

改革推進担当参事 新しい大学院は平成17年に今の構成で設置し、18年に新しい大学院に再編成(ママ)する。そのため、外部の専門家、都立の大学の先生に検討してもらっている。

野上委員(公明) 学生の学習環境はどうなる? 蔵書が処分されるのではないか、教育のための経費がなくなるのではないかなどの不安があるようだ。また院生が勉強するスペースは設けるのか?

改革推進担当参事 教育研究に必要なものは措置する。法人化後の予算措置となる。学習スペースは、新校舎に学生の自由に使えOA機器をいれたスペースを作る。

野上委員(公明) インターネットを使えるようにしてほしい。「大綱」に比べ、新大学構想は理念が明確になっている。今の在学生の教育はどのように保障されるのか? 具体的措置は?

改革推進担当参事 学部や大学院の課程修了まで責任をもつ。平成22年までいられる。来年度入学者も7年(中期計画の期間)いられる。できるだけ早く人材を社会に出す。都立大学だけ、規定年限を超過した学生がいる。学業不振にならないように指導していく。それでもだめなら新大学へ転入させるなど次善の措置を検討し、責任を持っていく。

野上委員(公明) 卒業させることが重要。セーフティネット(新大学への転入など)を準備してほしい。

曽根委員(共産) 人文の教員一人あたりの数字は5.7人というが、授業時間数を基に計算すると人文は9.9人である。法学は11.7人、経済13.9人、理学8.7人、工学9.5人、平均9.5人だ。授業をもつ数などを基準に割り出すべきだ。

改革推進担当参事 設置基準上の必要数などからすると5.7人となる。上智大学は19.1人。全国的にみて少ない。

曽根委員(共産) この点は次回確認する。前の議会で本部長は「誰が反対しているのかわからない」と述べた。最近、声明、院生の要請、学生の声などがたくさん寄せられている。11月1日に「都民の会」も立ち上がった。自治会のアンケート(新大学時に在学するであろう現在の1・2年次生2315人中1218人回答)によれば、新大学構想には学生の意見が反映されていないという声が86.9%である。学生の声を聞いているというが、何か対処を考えているのか?

改革推進担当参事 それは新聞で見た。都立大においては、大学から学生に情報が十分伝わっていないので当然不安がでるだろうと思った。

曽根委員(共産) 大学の先生は信用できないという。それでは、大学管理本部自身の情報提供はどうなのか?

改革推進担当参事 教学準備委員会の方針を伝えている。大きな方針をこちらで出している。都立大の掲示はそっけないし、一部を切り取って貼っている。

曽根委員(共産) やはり管理本部自身は学生に説明する気はないようだ。管理本部の調査では、都立大入学の動機について、学費が安い、志望する学部・学科があるなどの声が多いが、議員に配布された資料は、「学生の面倒見がよくない」などの意見がのせられ恣意的だ。アンケートでは専門を学びたいという声が多いのに、都市教養では広く浅くなってしまうではないか。

改革推進担当参事 一般的に、新しい大学を作るという観点で意見を集約した。現在の大学は残すのである。必ずしも声の大小では判断していない。

曽根委員(共産) 数の問題ではないという。結局都合のいいところを切り取っている。都民の声、受験産業の意見は?

改革推進担当参事 受験産業も、現在は「複雑怪奇」(ママ)な時代なので学際的に学びたい、柔軟に学びたいという声が多いという。

曽根委員(共産) 10月28日の進路指導協議会の大学見学会で、現場の教師から「なぜ全て『都市』という冠がつくのか、これでは大都市に関することしかやらないと思われ、都立大で積み上げられてきた学問の蓄積が曲解されてしまうではないか」などの不安や批判の声が出たことを知っているか?

改革推進担当参事 これには部下が行っているが、不安や不満ではなく、ニュアンスが違う。

曽根委員(共産) このことについては、次回またやるので資料があれば出してもらいたい。新大学構想は学生の声だというが、単に知事の理想ではないか?都立大の社会的評価はどうなっているか?

改革推進担当参事 先ほどの件(10月28日の大学見学会)についてであるが、説明は16年度入試についてであり、私どもの職員は先ほど委員が言ったようなことは聞いていないということである。社会的評価については、受験は難関だが、社会的認知度は低い、また出口では問題があり、卒業後がはっきりしないといわれている。

曽根委員(共産) 『ダイヤモンド』誌では、科研費の伸びがこの5年で200%と第1位であり、少人数教育の方が高く評価されている。また資格取得などの総計も全国で15位だ。『ネーチャー』に掲載された都立大出身者がアメリカに行ってしまった。彼は少人数教育を高く評価しているが、改革で研究時間を割かれてしまうので出て行った。今の都立大のいいところを守るべきだ。

改革推進担当参事 研究者は都立大を評価しているかもしれない。しかし就職が不安という声がある。大学の使命は研究者養成だけではない。社会に出る人材(学部、修士)が重要だ。

曽根委員(共産) 都立大は研究者を目指すよい環境がある。研究者をめざすのも、大学としてのひとつのあり方だ。ビジネス向けもよいが、実学重視では、知的リーダーを失う。最近問題となった中国での留学生の件があるではないか。学生の条件の保障について、平成22年で打ち切りというのは問題で、17年に入ったら7年しかない。留学していたら帰る場所がない。荻上前総長は学生、院生の身分は保障するといっていたというが、それと食い違うではないか。

改革推進担当参事 22年度で打ち切るのは今の大学である。17年度新大学入学生はそのまま22年より先いられる。院生で7年以上いるのは7名。その間指導してもらって、それでもだめなら新大学で受け入れる。荻上総長はB類のことをいっていたはずだ。

曽根委員(共産) 指導教員がいなくなっていくのは、学生、院生にとって決定的。改革のために教員がいなくなっていくのは問題だ。留学生からも、自分の研究を全うできず帰国ということになるのでは、と不安が寄せられている。

改革推進担当参事 新大学のコンセプトに賛同できる教員は全員移行する。指導はできるはず。途中で退職する人はいるだろうが、これはどこでもあり、まわりでフォローするべきだ。

曽根委員(共産) 都立大は半世紀かかってここまでになった。これが知事とそのまわりの数人の人により壊される。新大学が今の知的財産にふさわしいものとなるのか?レールを敷き直して、総長をはじめとして参加させた論議が必要。この前、科技大を見学した。大変立派であり本当に統合が必要なのか疑問をもった。

山口委員(生活者ネット) こうした大きな転換が非民主的になされている。学生などの声明、質問に回答しているのか?

改革推進担当参事 所属の大学を通じて周知してほしいといっている。大学が周知していないのだ。

山口委員(生活者ネット) 管理本部が答えるべきだ。書面回答はしていないのか?

改革推進担当参事 個別に回答はしていない。大学に通知しているものもある。

山口委員(生活者ネット) 「同意書」をとった意図は?

改革推進担当参事 教学準備委員については構想への賛同を求めた。教員全員に対してカリキュラム設計への参加をつのった。新大学構想すべてに賛成を求めたのではない。口外禁止は、自由闊達な議論を保障するためで、社会人として当然のマナーである。

山口委員(生活者ネット) 設置者としての説明責任を果たすべき。

改革推進担当参事 教学準備委員会では教員に情報の共有化をはかっている。説明責任は果たしている。

山口委員(生活者ネット) 教学準備委員会の議事録は公開するのか?経営準備室の位置は?

改革推進担当参事 自由闊達な議論を保障するため議事録はとっていない。経営準備室は法人について検討している。

山口委員(生活者ネット) 今後も議事録は作らないのか?

改革推進担当参事 決まったら教員にフィードバックしていく。

山口委員(生活者ネット) 新大学設置のスケジュールはどうなっているのか?

改革推進担当参事 入試概要を含む大学概要を11月中に公表する。4月に設置申請をする。16年中に4大学の廃止条例を議会に提出する。

山口委員(生活者ネット) 在学生への周知は?

改革推進担当参事 平成22年度まで責任を持って保障する。受験生には近々概要を説明する。

山口委員(生活者ネット) 文科省事前相談の状況は?

改革推進担当参事 現在準備を進めている。

山口委員(生活者ネット) 経済効果を第一としないでほしい。ジェンダーバランスに配慮する必要。そのため託児所などが必要だと思うが?

改革推進担当参事 カリキュラム内容は教員全員が参加している。身体の不自由な人も可能な人は受け入れる。単位バンク制でさまざまなライフスタイルに対応していく。

山口委員(生活者ネット) 子育て中の者は大学に来なくて良いというニュアンスを感じる。大学改革のプロセスの透明性、情報公開を求める。非民主的なやり方を改め民主的な検討を要望する。

福士委員(自治市民) 平成22年までで旧大学を廃止することは学則で決めることだ。管理本部がなぜ決めるのか?

調整担当参事 設置者の意図として決めた。この方針に従って学則の変更を依頼した。在学年限も都立大、保科大は8年だが、科技大は6年。

福士委員(自治市民) ルールをはっきりすべきだ。大学の責任でやることだ。先の件は、確定したから発表したのか?

改革推進担当参事 設置者としての方針を示したのだ。

福士委員(自治市民) 確定したのか?

改革推進担当参事 確定していない。しかしスケジュールは決まっている。

福士委員(自治市民) 新大学では人文の教員が減少する。既存の学生への学習権の保障は?

改革推進担当参事 現在の教員のうち、新大学の構想に賛同する教員は移行する。しばらく定数より多く存在する。旧大学の教育も兼務することとなる。

福士委員(自治市民) 学生アンケートの取り方について。

改革推進担当参事 都立大ではアンケートをとった。他大学では学生に集まってもらったりした。

福士委員(自治市民) その解析と反映の仕方は?

改革推進担当参事 楽しく学ぶ、就職面での不満、研究中心ではなく教育もという声がある。

福士委員(自治市民) 新大学は「廃止・新設」なのか、「移行」なのか? 国に対しては「移行」だといっているとのことだが。

改革推進担当参事 国に対しても「移行」とはいっていない。「廃止・新設」だといっている。法人法では「移行型独立行政法人」だ。文科省への事前相談の準備をしている。

福士委員(自治市民) 3ヶ月で認可を受けるというのは、「移行」ではないか?

改革推進担当参事 設置申請において「移行」という用語はない。申請上使っていない。すでに設備・教員があるので、教員審査は省く形になるということだ。

福士委員(自治市民) 受験科目は?

改革推進担当参事 教学準備委員会で検討中だ。AO入試などもやる。

福士委員(自治市民) 入試科目は早く決めてほしい。情報開示をしてほしい。都心へのキャンパス展開について。臨海などを考えているのか?

改革推進担当参事 ビジネススクール、ロースクールなど都心への展開を考えている。

福士委員(自治市民) 臨海カジノなどと抱き合わせで行うのはやめてほしい。8月1日の転換については突然であり非民主的であるがどうか?

改革推進担当参事 突然の変更ではない。「基本方針」をふまえたものであり、「大綱」をベースに西澤先生、専門家で協議した。6月の定例議会でもいっている。趣旨に賛同している人とは協議している。都立大総長は賛意を示していない。検討の中身は自由闊達にやった。内容を途中で発表はしていない。迷惑メール、電話が専門委員のところに寄せられている。

福士委員(自治市民) おおかたの者が妥当と思うものにすべき。賛同する人だけがかたまってやるのは問題だ。 

改革推進担当参事 教学準備委員会では自由闊達にやっている。自分の大学の陣取りは避けるべきだと思う。

福士委員(自治市民) 華やかではないが、人文は高い評価を得ている。否定するだけではないようにしてほしい。10月7日都立大総長声明のあとの9日の3大学声明は、なぜ管理本部発表なのか?

改革推進担当参事 3大学長が作って窓口は管理本部がなった。これは当然である。都立大総長の声明は直接文科省記者クラブに流れた。ノーマルなのは管理本部だ。

福士委員(自治市民) 3大学名声明も自分たちで発表すべきだった。「やらせ」にみえる。世間の誤解を招くようなことを管理本部はやるべきでない。知の活用、自立して自己責任を果たすという精神が3大学長に必要(?)。

改革推進担当参事 窓口はあくまで管理本部になる。新大学では福士議員のいうとおりの教育をやるつもり。

松原委員(自民)法科大学院について。現在の法学部をめぐる状況はどう変わるか?

調整担当参事 法科大学院を持たない法学部は法学教養のみを教えることになって人気が下がる。

松原委員(自民) 司法試験合格者は法科大学院卒業者の5割という。

調整担当参事 合格者の少ない法科大学院は淘汰される。

松原委員(自民) 第三者評価について。

調整担当参事 定期的に適格認定を受ける。最悪の場合、設置認可取り消しもありうる。

松原委員(自民) 金融関係や知的財産の保護、高齢者の財産をめぐる法律問題等が今の重要課題。都立大の法科大学院の特徴は?

調整担当参事 「大都市における様々な分野での法律的課題に対応できる高度な能力を備え、国際的な企業活動などでも活躍できる首都東京にふさわしいもの」としたい。幸い法科大学院には前田雅英教授もいる。

松原委員(自民) 前田教授のような目玉が必要だ。教員を充実してほしい。授業料の設定は?

調整担当参事 国立は78万の−10%〜+5%で、私立は108万。都立は国を参考に、−10%を考慮して決める。

松原委員(自民) 育英会、ローンなど学生への経済的救済措置がほしい。大学と企業との連携をもっとやるべき。

調整担当参事 連携センターをつくり、かつ非公務員化のメリットを生かしたい。

松原委員(自民) 知的財産の管理は?

調整担当参事 検討を始めた。

松原委員(自民) 科目等履修生について、社会が求める人材育成を。

調整担当参事 産業大学院。ITセンター(秋葉原)との連携を考えている。

松原委員(自民) 魅力ある法科大学院を作って優秀な学生を出して実績をあげてほしい。先に都立大のランキングは15位という話があったが、10位以内をめざしてほしい。

石川委員(公明) 都立大総長が理解していないというが、管理本部が学生を安心させてほしい。在学生の学ぶ機会を保障してほしい。新大学の概要、学長、入試情報の発表時期と内容は?

改革推進担当参事 高2生の進路のこともあり、近日中に学科コース名、定員、入試科目、大学院のコンセプトについて発表したい。

石川委員(公明) 都民の入学機会を保障することからも、入学定員は今を下ることはできない。どの程度か?

改革推進担当参事 平成17年で1500名である。18年度は新分野ができるので、学生定員も増える。

石川委員(公明) 新大学概要のPR方法は?

改革推進担当参事 11月中に説明会を行う。

石川委員(公明) 大学名はいつ決まるのか?

管理部長 都民の提案を公募した。応募のあった名称を参考に専門委員の意見を踏まえながら最終的には知事が決定する。3302通・4047件の応募があった。そこには「東京」「首都」「都市」というキーワードを使った名称が多く含まれていた。これについては、専門員の意見を添えて知事にあげており、決定次第できるだけ早く発表したい。

5.コメント

*傍聴希望者は、学部学生、大学院生、教職員、記者等50名を超え、40名の定員のため中に入れず、廊下で待っている人も出ました。

*委員の質疑では、管理本部の非民主的な進め方を批判し、民主的な検討により、都立の大学という都民・国民の知的財産を継承・発展させてほしいという立場からのものが目立ちました。

*これに対して管理本部の答弁は、“都立大学の総長、教員が学生に十分説明していないから学生が不安になっている”に象徴される、「事態をあべこべに描く手法」や「4大学の分断を図る手法」が目立ちました。

*管理本部の答弁で、法人の形態は「移行型独立行政法人」であることが改めて確認されました。また、文科省への新大学の設置申請では、教員審査は省略されることが確認されました。このことから、大学管理本部がことさらに「廃止・新設」を叫び立て、「設置者権限」を振りかざす論拠はなくなりました。

*この傍聴記において、各委員・大学管理本部の発言は、組合の責任においてまとめさせていただきました。

アリバイ作りか、新都立大学説明会

昨日、中止と書いた説明会が実は開催されていました。申し訳ありません。当日より前に東京都のHPから削除されていれば中止となった考えるのが普通だと思いますが、どうやら、参加者が増えることを恐れて掲示から外したようです。アリバイ作りの説明会ということが証明されたような事件です。以下は参加者のコメント:

立川での大学説明会に行ってまいりました。高校の先生たちが14,5人。高校生が7、8人、都立の院生が4、5人。「都民の会」から院生など5,6人。管理本部からは10名ほど。

くわしい報告は明日にしますが、何のための説明会なのか、いまでもよく分かりません。既成事実をつくるためかとも思うのですが、でもそれは誰に対して?(・・・・・)気の毒なことに、ちょっとした質問にも立ち往 生するありさまでした。・・・・・

(・・・・・は省略部分)

2003年11月16日

東京都立新大学の説明会11/17

都立大の危機 FAQ 廃校 or 改革?より

11月13日の東京都議会文教委員会で了承されたということだろうか。

M-11 11月に新大学の説明会があるって聞いたんですが,いつどこで開かれるんですか?

ポーカス博士
14日(金)に大学管理本部は新大学の入試概要や学部構成などを ホームページ で発表したんだ。そこに新大学の説明会についても載っている。
(11月17日予定の東京都多摩社会教育会館鑑賞室の分が11/7に消えました!)
中止!11月17日(月)19:00〜20:00
東京都多摩社会教育会館鑑賞室 立川市錦町6−3−1 
【交通】JR中央線立川駅南口より徒歩20分

11月23日(日)11:00〜12:00および14:30〜15:30
東京都庁第2本庁舎1階ホール
11月24日(月・祝)14:00〜15:00
都立短期大学新館大教室 昭島市東町3−6−33
【交通】JR青梅線西立川駅より徒歩6分
・・・・・

2003年11月06日

都立新大学開設への「突貫準備」の実相

第4回(東京都立新大学)教学準備委員会(10/23)の状況東京都立大学・短期大学教職員組合サイト 資料)より

・・・・・同日午後4時半から始められた教学準備委員会では、冒頭、西澤座長より、文部科学省に提出する入試科目および設置申請事前相談のための時間がきわめて切迫しているとの発言があった後、管理本部より、以下のような資料が提出・説明されました。・・・・・

 そうした中で管理本部は、都立大学では総長や学部長を無視して事務局長・事務長を通じて直接、個々の教員に提出を迫り、科技大など3大学学長には教授会等に諮ることもないままに意見表明を求めるなどをおこなってきました。こうした行為は、大学内に大きな混乱を生みだし、学長と教授会、事務局と教員などとの間の信頼関係を大きく損なうものとなりました。大学改革をめぐるこの重要な時期に、このような混乱と不信を生じさせた大学管理本部の責任は重大です。にもかかわらず、管理本部は混乱の責任を「同意書」に反対する「総長をはじめとする一部の教員」に帰そうとする宣伝をマスコミに流していますが、事態の経過はそれがまったく虚偽であることをますます明らかにしています。管理本部は「同意書」強要が正常で迅速な検討を遅らせたこと認め、四大学の全教員に直ちに謝罪するべきです。・・・・・

2003年11月04日

東京新聞11/2「『学生の声、反映してない』」

東京新聞2003.11.2 『学生の声、反映してない』都立大統合構想のシンポで批判相次ぐ

都立の四大学(都立大、科学技術大、保健科学大、都立短大)を統合して発足させる新都立大構想について話し合うシンポジウムが一日、八王子市の都立大学で開かれた。同大の教職員や学生からは都の構想に対し、批判的な意見が相次いだ。

シンポは、教職員組合や学生自治会などが企画し、約百八十人が集まった。冒頭、教職員組合が新大学構想策定の経緯について説明。八月に発表された都の新構想を「都と四大学の教員が作った改革案を突然白紙にして作成したもの」などと強く批判した。自治会の学生は「学生の声が反映されていない」と反発、体育会の学生も「施設利用がどうなるのかが分からず不安」と不満をぶつけた。・・・・・・

集会の報告

「都立の大学を考える都民の会」設立趣意書

2003年11月1日「都立の大学を考える都民の会」設立趣意書より

・・・・・ 私たちは、都立の大学に、将来に対する様々な不安を抱えながらも、学問研究への取り組みを通じて社会に貢献しようとしている教員や院生、あるいは大学での学びを通じて自分自身の生き方を模索しようとしている学生、毎日の事務作業を通じて大学を支えている職員がいることも知っています。彼らはそれぞれの立場から、都立の大学を守るために様々な取り組みをしています。私たちはこのような取り組みを大学の外から応援していくとともに、都民として率直に現在の大学に対する意見・要望を伝え、都立の大学を真に「都民のための大学」とするための取り組みを進めていきたいと考えています。・・・・・

2003年10月31日

弁護士による状況判断:社会は東京都より都立大学を支持

東京都立大学・短期大学教職員組合10月25日(土)臨時大会後の顧問弁護士による講演要旨より

・・・・・銀行への外形標準課税導入などを見てもわかるように、石原知事の手法というのは、トップダウンで決めたことをいきなり記者会見で発表して、世論を味方につける、というやり方です。それが今回の都立新大学構想に関しては、うまくいっていない、というのが実情だと思います。たとえばマスコミの報道を見ても、都立大総長声明の記事が6段抜きの扱いだったのに対し、それに対する石原知事のコメントはいわゆる「ベタ記事」の扱いでした。権力の座にある知事の発言より、都立大総長の声明の方がこれだけ扱いが大きいというのは画期的なことで、皆さんがマスコミの報道における「空中戦」で優位に立っている、ということが言えると思います。
 都立大総長声明に対しては、都立3大学学長の意見表明が出されましたが扱いは小さく、その後も学生自治会の抗議声明や院生の公開質問状などについて報道がありました。学生の動きがこれだけマスコミに取り上げられるというのも画期的なことです。「週刊朝日」の記事などを見ても、皆さんが都・管理本部と「がっぷり四つ」に組んで、押し返さんばかりの勢いで頑張っているのは、賞賛に値すると思います。・・・・・

高校側も心配する「新都立大学」

「大学見学会」で高校の進路指導教員からも「新大学構想」に批判が続出


10月28日、都立大学において、東京都高等学校進路指導協議会と関東地区高等学校進路指導協議会との共催による、「大学見学会」が開かれました。当日は、高校の進路指導教員が40名近く参加したということです。

 会では、大学側から16年度入試や学生生活の説明の後、大学管理本部から新大学の説明があり、それぞれの説明の後に、質疑応答が行われたということです。16年度入試や学生生活については、質問が出されませんでしたが、新大学については、時間切れで質問できない人もでるくらい次から次へと質問が出て、しかもそのほとんどすべてが、受験生の不安と新大学構想への批判的な意見だったということです。・・・・・

2003年10月29日

都立大史学科OB会有志抗議声明

抗議声明

石原慎太郎東京都知事殿
山口一久東京都大学管理本部長殿

 東京都立大学を初めとする都立4大学の統合問題について、本年8月1日以降の展開 は、我々が深く憂慮する事態となっている。すなわち、石原慎太郎都知事のもと、東 京都は、自ら策定した「東京都大学改革大綱」に則ってそれまで進めてきた統合構想 と準備体制を、8月1日に何ら正当な理由なく一方的に破棄することを突然宣言し、 「都立の新しい大学の構想について」(以下、「新構想」)を発表した。これ以降、 「新大学」の検討体制は、都立大学総長を排除し、また都立大学の各学部長に対して は、「資源」としての現大学を知悉する「個人」としてのみ「参加」を認め、学部な どからの意見を反映させることはおろか、検討の内容についても一切公表しないこと を求めるという、強権的なものとなっている。また東京都大学管理本部は、都立4大 学の教員に対して、都が示す「新構想」に包括的に賛成する「白紙委任状」とも言う べき「同意書」の提出を求め、各大学内に大きな混乱と対立を引き起こしている。さ らに、この「同意書」は、「新大学」における教員配置計画や詳細設計の内容につい て、一切口外しないことへの「同意」も求めている。このような秘密主義的態度は、 民主主義社会においては到底許されるものではない。

 このように東京都が情報を開示しない中で、在籍する学生・院生は、将来に対する 不安から幾度となく大学管理本部に足を運び説明を求めたが、大学管理本部は全く回 答せず、不誠実な態度に終始している。さらに、一部には、そうした在学生の不安を 大学側が煽っているとの批判がある。これは一体どういうことなのか。「秘密」の厚 い

壁に包まれた「新構想」に対して在学生が将来への大きな危惧を抱き、止むに止ま れず大学管理本部に訴えることは、当然のことであろう。こうした事態を招いている 原因は、言うまでもなく、大学管理本部の強権的・強圧的で秘密主義的なその態度 にある。大学管理本部は、速やかに情報を公開し、新しい大学のあり方を議論する 開かれた場を構築しなければならない。

 さらに、こうした手続き上の問題に加え、現在示されている「新構想」の内容にも 大きな問題がある。

 「新構想」は、人文科学系の学術に対する著しい軽視と激しい攻撃に、その特徴が ある。すなわち、「新構想」では、人文科学系の教員定数を現状の半分以下にすると いう大幅な人員削減と、英文・仏文・独文・中文・国文といった文学系専攻の消滅が 計画されている。しかし、東京都立大学の人文科学系各専攻は、これまで日本の人文 系学術界に多くの傑出した人材を輩出し、学界において重要な位置を占めてきた。 「新構想」は、こうした学術的蓄積・成果や貢献について何ら考慮することなく、そ れらを大きく損なわせようとするものである。このような行為を「改革」と呼ぶこと はできない。文化と「知」の破壊である。

 また、この「トップダウン」などという流行の言葉のもとに行われている強権的・ 強圧的な大学破壊が実現されるならば、それが「モデル」として、独立法人化を目前 にした全国の国公立大学、ひいては私立大学の「改革」に波及することは必至であ る。このような学術破壊は、この国の「知」そのものに取り返しのつかない打撃を与 えるであろう。東京都立大学が直面している問題は、単に都立大学だけの問題ではな い。

 以上から我々は、現在、東京都によって進められている東京都立大学の破壊に対 し、深い危惧の念を抱き、ここに強く抗議する。
以上

2003年10月 日
東京都立大学史学科OB会有志および支援者一同 ・・・・・

2003年10月26日

東京都立大学1年生のアピール

2003年10月20日
都立大理学部1年44クラスアピール
東京都立大学理学部1年44クラス(化学・生物・地理)

私たち1年44クラス一同は、現在行われている大学改革に対し、以下の意見を表明します。

以下 アピール本文

(1) 私達は現在行われている大学改革に対し、今後私達に保障される身分・進路等について学生への説明が不十分であり、また大学の具体的な先行きが見えてこないという現状を、非常に不安に感じています。

(2) よって学生への今現在の改革状況の正確な情報の全面的な公開と、それをうけた私達に考え、発言できる環境が用意されることを、東京都及び東京都立大学側に要求します。

(3) そしてこれからの大学改革について、私達学生の側も積極的に情報を取り入れ、考えていくことを、都立4大学のすべての学生を対象に呼びかけます。

アピール文の解説


1.動揺…8月1日以降の大学改革についての動きをほとんど知らないまま夏休みを過ごした多くの学生は、後期開始と同時に断片的に飛び込んでくる情報に戸惑っている。「都立大がなくなる」「卒業までの具体的カリキュラムの保障がない」「学費が上がる」「大学院がなくなる」「学部が変わる」「都立大生として卒業できない」等、深刻な内容の情報に不安を覚えている。将来に多大な影響を及ぼす大学自体の先行きが見えない為、進路選択の指針を見失う学生も多い。

2.要求…上記のような状態の原因は、根拠のある具体的な情報がないことにある。まずは、今現在大学改革が誰によってどのような方向に進められているのかを、学生にはっきりと示して欲しい。また、これまで私達の得た数少ない情報を総合すると、この大学改革にはプロセスについても改革案についても多くの問題が含まれていると見受けられる。よって、情報を公開するだけでなく、学生がそれについて考え、意見を言えるような場が必要であり、それらを踏まえた上での大学改革であるべきである。

3.呼びかけ…以上のように、学生に向けた情報公開も発言の場も提供されていない状況で現在進められている改革の方法は、私達学生の意見を反映したものとは言い得ない。今こそ学生の側からも、積極的に改革に対し意見を言っていくことが必要である。よって私達は、都立4大学の学生を対象に、積極的に情報を取り入れ、考えていくことを広く呼びかける。

2003年10月25日

都立大学改革についての神戸大教職組緊急声明10/21


緊急声明−東京都による非民主的な都立4大学「改革」に抗議する−

 現在、東京都は新大学設立の準備を進めている。しかし、とくに以下の3点に見られるように、今日に至るその手法は、非民主的で、健全な市民的常識、「改革」の社会的な通念からかけ離れており、到底容認できるものではない。・・・・・

 ここに私たちは、これまでの都の手法に抗議するとともに、教育に責任を持つ教員、教育を受ける権利を持つ学生・院生の意見を広く聴き、議論を公開しながら、大学改革を進めるよう、東京都に対して強く求めるものである。

2003年10月21日         神戸大学教職員組合中央執行委員会

全文:


緊急声明−東京都による非民主的な都立4大学「改革」に抗議する−

 現在、東京都は新大学設立の準備を進めている。しかし、とくに以下の3点に見られるように、今日に至るその手法は、非民主的で、健全な市民的常識、「改革」の社会的な通念からかけ離れており、到底容認できるものではない。
 
  1.都が事前に何の説明もなく、都立新大学設立準備委員会の廃止、同委員会が作成していた計画の破棄を、一方的に行ったこと。また、これにかわる新たな基本構想が、研究教育の当事者である大学をはじめ、都議会にも知らされないまま作成されたこと。

  2.その後の準備委員会に参加する大学教員に対して、新しい構想への積極的賛成を前提とし、検討事項の守秘義務を課すという、都の意向に対する反論を一切封じる体制をとったこと。

  3.同じく新しい構想への賛同と詳細設計の守秘を誓う「同意書」なるものの提出を教員に求め、設置者である都自らが、大学教員が本来果たすべき社会的使命や責任を、放棄するよう迫ったこと。

 このままでは、これまで都立大学が時間をかけて築き上げ、蓄積してきた研究、教育の財産は新大学に継承されるどころか、全く無に帰することになる。そうなれば、これは 都立大学が築き上げた知的財産の恩恵に浴するすべての人々にとっての損失であり、東 京都だけの問題ではない。さらに、このような手法が今後の大学改革の悪しき前例となれば、日本の大学教育そのものが危機に瀕することになる。
 ここに私たちは、これまでの都の手法に抗議するとともに、教育に責任を持つ教員、教育を受ける権利を持つ学生・院生の意見を広く聴き、議論を公開しながら、大学改革を進めるよう、東京都に対して強く求めるものである。

2003年10月21日
            
                       神戸大学教職員組合中央執行委員会

2003年10月23日

都立科技大:学長名意見表明批判

教授会の議を経ない学長名での「意見表明」は管理本部の大学分断に
利用される恐れがある学長名での「意見表明」を批判する


教授会の議を経ない学長名での「意見表明」は管理本部の大学分断に
利用される恐れがある学長名での「意見表明」を批判する

2003.10.17 教職員組合 科技大支部

10月9日付の『新大学開学準備に向けて積極的な取り組みを行う旨の意見表明』という文書に,本学石島学長が名を連ねました.

 非常に不可解なことに,当日の教員懇談会で学長から,保健科学大,短大の学長と相談し意見書を発表するつもりだ,という表明があり,「学長名」の使用について疑義が出され,その討論が決着しないままで散会になったときにはすでに本学ホームページに掲載され,しかも都庁管理本部はプレス発表を行っていたのです.(管理本部HP参照.問合せ先が管理本部になっているのも奇妙です)・・・・・

東京都を蝕んでいく秘密主義

石原都政の下での都立大学改革問題を考えるホームページより


9月28日に行われた「都立四大学廃止に関する緊急シンポジウム参加者・賛同者一同」による公開質問状の回答期限の10日が過ぎましたが、いまだ回答はまったくありません。・・・・・

2003年10月22日

11/1シンポジウム「廃止して良いのか?都立大学!!」PDF版

再:【都立大学祭企画】シンポジウム11月1日(土)4時30分〜8時「廃止して良いのか?都立大学!!」(PDF)
cf:http://www.ac-net.org/dgh/blog/archives/000197.html

2003年10月19日

大学管理本部と都立大学のいずれがプロか

都立大の危機 FAQ 廃校 or 改革?より、Q51:10月16日の説明会について

Q 51 あのー,総長は10月14日に学生に対しての説明会をやったけど,15日には大学の先生たちを相手に説明会をしましたよね。その場で何か新しいことが分かりましたか?

ポーカス博士
いま言ったばかりだが,総長は基本的に大学改革を行う意志を持っておる。しかしだな,10月7日の総長声明以来,大学管理本部が改革派で都立大学が保守派だと見られているところがあり迷惑しておるそうじゃ。大学管理本部は急進派で人の言うことを聞かないアマチュアなんじゃな。都立大学こそ真の改革派で,現実の教育現場の姿とカリキュラムを熟知しているプロ集団なのじゃ。
それから「同意書」の件は,もうさっき言ってしまったのでよいとして,新鮮だったのは,人文以外の学部でも今回の8月1日以降の大学管理本部のやり方に強い不満を持っている先生が多くいたという点だな。各学部の教授会で発言しても,その様子は外には伝わらないからのお。
これで,大学管理本部長が「反対しているのは都立大の人文だけ」と言ったらしいが,そんなことはないのを実感できた。他の学部の先生たちにも,外に向かって発言できる場がなければならないと感じたな。なんとかせねば...

2003年10月18日

朝日・武蔵野版が都立大学院生の公開質問状を報道

『朝日新聞』武蔵野版 2003年10月16日付 都立大学院生ら都に公開質問状 4大学廃止巡り

 都立の4大学を廃止して新大学を設置する計画をめぐり、都立大(八王子市)
の大学院人文科学研究科の学生らが15日、都大学管理本部に「公開質問状」を
出した。新大学の内容や構成によっては現在の研究が続けられなくなる不安が
あるとし、従来通りの研究環境や在籍可能年数を保障するようただした。
 人文研究科の学生らは、新大学計画に対処するため、11日に全員参加の「院
生会」を結成。今回の質問状はこの院生会名で出した。
 質問状では「私たちは当事者、契約者、納税者として、質問する権利も回答
をいただく権利もある」と強調したが、都側は「学生からの様々な質問には対
処し切れない」とし、都としては回答せず、質問状を都立大側に回して対応を
委ねる考えだという。

東京都の文教委員会9/30で「学生の意見は聞いた」という答弁があったが、意見は聞くが質問には答えない、ということか。

都立大学学生自治会抗議声明10/10

一連の改革及び新大学構想に対する、東京都立大学学生自治会抗議声明 2003年10月10日

9月29日に行われた文教委員会において、大学管理本部から「学生の意見を聞いた改革である」という旨の発言があった。しかし、学生の意見が新大学構想に対し、どのような協議、検討を経て反映されたのか全く不明である。
 さらに、1000人規模で成立している学生大会の決議においても、現在発表されている新大学構想の内容に関する意思を示した事実はない。大学管理本部の言う「学生の意見」は、少なくとも現都立大学の学生の総意として認められるものではない。

全文:


東京都大学管理本部長殿               

2003年10月10日

一連の改革及び新大学構想に対する抗議声明

東京都立大学A類学生自治会執行委員会
執行委員長 山下大輔    
東京都立大学夜間受講生自治会執行委員会
執行委員長 内田洋介    

  東京都大学管理本部が8月1日以降行っている現都立4大学構成員を無視したトップダウン方式と称す改革推進に対し、東京都立大学A類学生自治会執行委員会並びに夜間受講生自治会執行委員会は、以下の点について抗議する。

1.大学管理本部は現在、都立4大学の最大の構成員である学生の意見を取り入れることなく、一部の有識者により秘密裏に新大学設置に向け準備を進めようとしている。教員に、改革の詳細計画について口外しない旨の「同意書」を提出させて、情報を全く公開せずに新大学の計画を決定していくなどは、およそ民主的な方法とは言えない。

 7月31日以前の検討体制も学生が直接参加できないという不十分なものであったが、大学を通じ意見を表明し、それを反映させることは可能であった。しかし、8月1日以降はそれまで以上に学生の意見を反映させにくい体制に移行したと言わざるを得ない。これは学生の最高の意思決定機関である学生大会において決議された「学生の意見を取り入れた改革を求める」という学生の総意を全く無視したものであり、到底容認できない。

2.9月29日に行われた文教委員会において、大学管理本部から「学生の意見を聞いた改革である」という旨の発言があった。しかし、学生の意見が新大学構想に対し、どのような協議、検討を経て反映されたのか全く不明である。

 さらに、1000人規模で成立している学生大会の決議においても、現在発表されている新大学構想の内容に関する意思を示した事実はない。大学管理本部の言う「学生の意見」は、少なくとも現都立大学の学生の総意として認められるものではない。

3.大学管理本部は現都立大学に在学している学生が卒業するまで、現在の学習環境を保障すると言っているが、その根拠が何一つ具体的にされていないため、不安を抱える学生が多い。学部編成が大きく変わるということは、自分が履修したい講義がなくなる恐れがある。また、専攻したい研究分野がこのまま維持されるのかも不明である。その上、専門院以外の大学院についてはほぼ白紙であり、院への進学を希望する学生の間に、動揺が広がっている。

 さらに、B類生(夜間課程の学生)に対しては、2001年11月28日の文教委員会において、B類の現行制度で「当然のことながら卒業までの間、責任を持って教育を行っていく」と大学管理本部は明言したが、8月1日以降B類生について何ら言及されていない。よって、大学管理本部にA類B類を合わせた全学生に対しての具体的な説明を要求する。

4.大学管理本部は、学生の課外活動に関して全く言及していない。学生の課外活動は、学生の基本的権利であり、自主性・指導性等を養い、人間形成の上で非常に重要なものである。現在保障されている環境が、東京都の一方的な進め方により侵害される状況は認めることは出来ない。管理本部はこれまでの学生の自主的な活動を尊重し、今後、課外活動に関する事項を決定する際には学生の意見を取り入れるよう要求する。

以上の4点を踏まえ、今までの検討体制を改め、学生を含めた現都立大学全構成員を交えた形で、今後の改革準備が進められることを求めるものである。

都立大学:10/15学生説明会に500名余が参加

大学改革学生説明会に500数十人参加、熱気に満ちた質疑  −「大学改革の現況について」学生説明会傍聴記−(写真入り)

工4年―工学部の有志で総長声明を支持する意見書をつくったので、いま提出したい。(拍手の中、総長に提出)

東京歴史科学研究会委員会声明10/16

都立4大学の「改革」に対する抗議声明

・・・・・以上の動向は、設置者権限を大きく逸脱しているばかりか、憲法・教育関連諸法規の認める学問の自由、大学の自治を侵すものに他ならない。そして、教職員のみならず、学習する権利を有する学生と都の主権者たる都民の希望を十分に反映しうるものであるのか、大いに疑わしい。
 従来から教育行政を含め、都政全体を注視している本会は、この一連の「改革」の進め方に強く抗議する。・・・・・2003年10月16日 東京歴史科学研究会委員会

全文:


   都立4大学の「改革」に対する抗議声明
                           さる8月1日、石原慎太郎東京都知事は記者会見で、「都立の新しい大学の構想について」(以下、新構想)を発表し、それまで都と東京都立4大学(東京都立大学・科学技術大学・保健科学大学・都立短期大学)が協力して作り上げた新大学計画を一方的に破棄した。石原知事は就任当時から都立4大学に対する「改革」を表明していたが、ここに至るまでの都による大学「改革」への手法には重大な問題があり、歴史学を含む人文科学系学問に対する攻撃を孕んでいる。
 よって、東京歴史科学研究会として、以下の2点を強く抗議する。

1、教職員・学生・都民の意見を聞かない強引な「改革」であること
 本年7月31日まで、東京都大学管理本部と都立4大学の間では、各大学を統合した形での新たな大学の構想を検討してきたが、この構想は、8月1日に都が発表した新構想によって一方的に破棄された。しかも、8月1日以降の検討体制では、東京都立大総長を排除し、学部長・研究科長は「資源」としての都立大をよく知る個人として「参加」を認めるという、大学側の意向が反映されにくいものになった。さらに都は、都立4大学教員全てに、都が示した新構想に包括的に賛成することを求め、教員配置や詳細設計の内容について一切口外しないことを約束させる同意書の提出を要求し、新構想をトップダウンで進めようとしている。
 以上の動向は、設置者権限を大きく逸脱しているばかりか、憲法・教育関連諸法規の認める学問の自由、大学の自治を侵すものに他ならない。そして、教職員のみならず、学習する権利を有する学生と都の主権者たる都民の希望を十分に反映しうるものであるのか、大いに疑わしい。
 従来から教育行政を含め、都政全体を注視している本会は、この一連の「改革」の進め方に強く抗議する。

2、極端な人文科学系学問への攻撃であること
 以上の手続き上の問題に加え、現在示されている新構想の中にも多くの重大な問題がある。
 とりわけ東京都立大学人文学部は、他学部とともに都市教養学部に包摂され、そのコース編成においては、現行の人文学部における英・国・仏・独・中文の文学科各専攻が消滅することになっている。また人文学部の教員定数に関しては、現定員の半数以下という、他の学部に比して極端な削減が予定されている。この新構想が実現すれば、人文科学系の修士・博士課程の設置に必要な教員定数を満たすことも難しく、現行の東京都立大学大学院の研究・教育水準の維持は危うい。

 このような著しい人文科学系学問への軽視は、私たち歴史学研究者にとって看過することはできず、強く抗議する。

 上記のような東京都主体の「改革」がこのまま見過ごされた場合、他の公立大学をはじめ、日本全国の大学の改革に影響を与えかねず、日本の人文科学系学問に対する損害は測り知れない。
 よって、現在強引に進められようとしている東京都によるトップダウン式の非民主的「改革」を即座に中止し、教職員・学部生・院生などの大学構成員が主体となる真の発展的改革を、広く都民に開かれた形で進めるよう、本会は強く要請する。

2003年10月16日
東京歴史科学研究会委員会

2003年10月16日

都立大の危機 FAQ 廃校 or 改革?

都立大の危機 FAQ 廃校 or 改革?

Q 47 そうか,これからが正念場なんだ。ところで10月14日に発売になった「週刊朝日」には,都立大の話が2ページ載っていますね。先生はあの記事,どれくらい真実を伝えていると思いますか?

ポーカス博士

新聞の記事がこれまで地方版(東京面)にしか載らなかったのに対して,週刊誌は全国版だからその影響は大きい。しかも「慎太郎流トップダウンに教員激怒:東京都立大リストラ騒動」という見出しもかなりショッキングだし,
作家,石原慎太郎知事は文学者が憎い? ー 人文学部が看板の東京都立大学の改革をめぐり,東京との姿勢が関係者に波紋を投げかけている。構想の具体化に「同意書」を求める手法に,石原流トップダウンの「リストラ策」という反発が出ているのだ。

という小見出しもそれなりのインパクトがあるな。
しかし,この記事には3つの問題点がある。
まず第1 に,都が4つの大学の「統合再編」を進めているという部分。それは昔の話で,都が4つの大学の廃校にし,新しい大学を作ろうとしている というのが正しい。2番目に,人文学部だけのリストラだというところに焦点をあてて書かれているが,それが中心なのではなく, 「学問の自由」と「大学の自治」が侵害されているところが大問題なのじゃ。これは,放っておけば全国の大学改革の悪しきモデルになる危険性がある。3つ目は,都知事のやり方が強引だとは書いてあっても,違憲であるとか,法律違反であるとして追求する姿勢が一切ないのじゃ。これまでも数多くの放言をしてきた知事に対して,明確に辞任を迫るような姿勢が世間一般に少ないというのは情けない気もするな。大臣だったらとっくに首が飛んでおる。

2003年10月11日

11/1 都立大学祭企画「廃止して良いのか?都立大学!!」

日時:11月1日(土)4時30分〜8時
場所:都立大教養部120番教室
  アクセス方法:京王相模原線「南大沢駅」下車、徒歩5分。
  http://www.metro-u.ac.jp/access.htm
 会場地図:下記サイト地図の8番
  http://www.metro-u.ac.jp/campusmap/campusmap-j2.htm
共催:都立大・短期大学教職員組合、A類・B類自治会、体育会、サークル連合(予定)
後援:「都民の会(準)」
参加費:無料

○集会終了後に「都立の大学を考える都民の会」(仮称;都民
以外の方々にもご参加をお願いいたします)設立大会を9時まで
開く予定ですので、併せてご参加くださるようお願いいたします。

スケジュール(予定):

1)改革の現状(山下)・・15分
2)短大からの報告(石川)・・15分
3)大学管理本部からの報告・・15分
4)OB弁護士からの報告・・15分
5)A類自治会からの報告・・10分
6)B類自治会からの報告・・10分
7)体育会からの報告・・5分
8)サークルからの報告・・5分
9)院生からの報告・・・5分
10)寮からの報告・・・5分
11)横浜市大からの連帯の挨拶・・5分
12)大日岳裁判支援の訴え・・・5分
13)自由討論・・・90分

連絡先:山下正廣(教職員組合委員長・理学研究科化学専攻)
電話:0426−77−2550
E-mail: yamashit@comp.metro-u.ac.jp