2004年10月31日

都立大フランス文学専攻の抗議声明

石原東京都知事に発言の撤回を求める

                    2004年10月31日

      東京都立大学人文学部フランス文学専攻教員一同

去る10月19日、石原慎太郎東京都知事は、「The Tokyo U-club」設立総会の場で次のような発言を行ったと伝えられる(『毎日新聞』10月20日付ほか)。

「都立大にはドイツ語やフランス語の教員はいっぱいいるのに学生は数人またはゼロ。」
「フランス語は数を勘定できない言葉ですから国際語として失格しているのもむべなるかなという気がします。そういうものにしがみついている手合いが〔東京都立大学の廃止、新大学の設置をめぐって〕反対のための反対をしている。笑止千万だ。」
教員の配置数と、ドイツ語ドイツ文学、フランス語フランス文学を履修する学生数の関係については、すでに幾度となく真実の「数の勘定」にもとづいた正確な評価と公の議論を東京都大学管理本部に申し入れてきたが、その甲斐もなく、知事側からまたもやこの種の発言が繰り返されたことは誠に遺憾である。現・東京都立大学において、フランス語を学ぶ学生は、毎年、数百人の規模で存在しており、また、人文学部フランス文学専攻に在籍する学生の数(昼間部・夜間部の上限定数、各学年それぞれ9名・3名)がゼロであった年度など、いまだかつて一度もなかったことを、ここで再び確認しておかねばならない。

新大学「首都大学東京」の支援組織「The Tokyo-U club」が、このような虚言と、他国の言語、文化に対する価値毀損の暴言を旗印として発足すること自体、東京都教育行政の権威を失墜せしめるばかりか、日本の首都の知的水準を世界の目に疑わしめかねない極めて重大な事態である。東京都は、1982年、フランスの首都パリと姉妹友好都市協定を締結しており、東京都立大学は、「日仏共同博士課程日本コンソーシアム」発足以来、日本側加盟大学29校に名を連ねている。このように相手国の言語と文化をいたずらに貶めて恥じないような人物を、東京都の長の座に、そして大学設置主体の最高責任者の座に戴いてしまったことの不幸を、良識ある東京都民、現・東京都立大学の教職員、学生諸君とともに心より嘆く。

世界1億7千万人のフランス語常用者、数億、十数億人の随時使用者、学習者、ならびに日本国、とりわけ東京都にあって、フランス語、フランス語圏文化となんらかのかたちで関わりながら暮らしているすべての住民を前に、断固、上記発言の撤回を求める。

          石川知広 石野好一 大久保康明

           岡田真知夫 小川定義 菅野賢治

           西川直子 藤原真実 吉川一義

tjst |10月31日 |URL:http://www.ac-net.org/dgh/blog/archives/000639.html |東京都の大学支配問題

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