2004年12月21日

転載:「意見広告の会」ニュース228(2004.12.20)

*ニュースの配布申し込み、投稿は、
  qahoujin at magellan.c.u-tokyo.ac.jp まで、お願い致します。
** 目次 **
1 真にかつ種々の意味で危機を迎える都立大
1−1 都立2高専を統合 
      やさしいFAQ
1−2 ものづくり技術高専、06年開校 大学経ず修士コース−−都方針
毎日新聞 12/17
1−3 単位バンクの「学修カウンセラー」
やさしいFAQ
1−4 「任用・給与制度の選択について」 ルール無視の管理本部
      「手から手へ」 2313号   *付 FAQコメント
1−5 新たな流出が判明
      首大非就任者の会HP
2 中国・四国地区国立大学法人学長 「標準額」引き上げに反対

3 「授業料が危ない!」についての Ac Net Letter編集発行人の註
    Academia e-Network Letter No 221 (2004.12.18 Sat)


*前号目次「10」の「同上」(以下参照)は「朝日新聞」ではなく「任命阻止ネット」のことです。
 短時間制作によるミスをお詫び致します。
8 つくる会が埼玉新聞への「攻撃」を呼びかけ  任命阻止ネット
9 県幹部の意見に埼玉知事が注意 朝日新聞
10 高橋氏任命の違法性について、知事周辺で二転三転 同上
***
1−1 都立の2高専を統合 やさしいFAQ

2004年12月18日:東京新聞(12/17/04)に,「都立2高専を統合:専攻科新設大学院と一
体化へ」という記事。以下,一部引用:

 都教委の「高専改革検討委員会」(委員長・山際成一学務部長)は十六日、都立工業
高専(品川区)と航空高専(荒川区)を統合再編して専攻科を新設するなど、より専門
化した高等教育機関とする報告書をまとめた。

 新高専は現高専二校をそれぞれ品川キャンパス、荒川キャンパスとして二〇〇六年四
月の開校を目指す。専攻科修了後、首都大学東京の産業技術大学院(二〇〇六年設置予
定)への進学を視野に入れており、日本で唯一大学院と一体化した教育で「ものづくり
のスペシャリスト」養成を目指すのが最大の特色という。
COMMENT:2つの高専を再編統合するという話の続きとして,高専専攻科を卒業して,「
首都大学東京産業技術大学院」に入学する道を作るという話。高専の専攻科卒業は,大
学卒業と同等の資格が得られるのか?そもそも高専の再編統合も,「産業技術大学院」
も,現都立4大学の教員とはまったく関係ないところで進められている話。しかし,1
つの法人で高等教育すべてを統括し,東京都の思ったようにコントロールできる教育体
制は,これで完成する。もう阻止できないのか? はっきりと NO! と言う人が急増しな
い限り,「これは都民のためにやっているんです」,「都民は大賛成しています」と宣
伝されてしまう。本当ですよ。

1−2 ものづくり技術高専、06年開校 大学経ず修士コース−−都方針
     『毎日新聞』2004年12月17日付
 ◇9年間の一貫教育

 中学校卒業後に9年間かけて、科学技術の高度化に対応できる「ものづくり
技術者」を養成しようと、都は06年4月、新たな高等専門学校を開校し、2
4歳までの一貫教育プログラムを準備する方針を決めた。4年制大学を経由せ
ずに「専門職大学院」で修士号を得られる国内唯一のコースになるという。

 都教委の構想によると、現在ある都立工業高専(品川区)と都立航空工業高
専(荒川区)を統合した新しい高専の本科(5年)の上に専攻科(2年)を新
設し、「首都大学東京」の産業技術大学院(2年)に接続する。学力テスト以
外の多様な入試を実施することにより、ものづくりの才能がある中学卒業生を
入学させるという。

 新しい高専は、公立大学法人「首都大学東京」が運営する見込み。東京のも
のづくり産業を担うスペシャリストの養成を目標に掲げ、環境に配慮したエネ
ルギー技術や、防災・防犯のための安全確保技術など「東京再生に寄与する東
京工学」の視点を取り入れた教育をする。

 現在、公立大学法人による高専経営は認められていないため、都は国に教育
改革特区を申請中。専攻科の定員は1学年32人を想定し、専門職大学院に進
学しなかった学生も学士号を得られるため、大卒と同じ扱いになるという。
【奥村隆】

1−3 単位バンクの「学修カウンセラー」
2004年12月18日:単位バンクシステムで活躍予定の「学修カウンセラー」(旧:キャリ
アカウンセラー)のチーフ1名,スタッフ2名が公募されていることが判明(2004年12
月10日開催第6回教学準備会議資料より。 2005年1月21日受付締切,2月中に決定予定
)。学生のカリキュラム相談を担当し,学生に合ったカリキュラムを助言し作っていく
ことができるという恐ろしく強権な職員。
COMMENT:教学準備委員会では,「学修カウンセラー」の公募が事前の協議なしに始めら
れたことに対して,抗議が出たようだ。なにしろ, 「学修カウンセラー」の具体的な
職務規程に関しては,まだ何も決まっていないのだ。しかし,より本質的な問題は,学
生のカリキュラムの決定に大きな影響を与える人材が,学外から職員として採用される
という点。このシステム自体が根本的に間違っている。さらに「時間がない」という常
套句の繰り返しで,議論もせずに,なし崩しに事が決められていく。その被害者は,教
職員と学生。役人は,ただ期限までに仕事を終わらせればよいのだ。

1−4 「任用・給与制度の選択について」 ルール無視の管理本部

「手から手へ」 2313号

大学管理本部の背信行為に怒りを込めて抗議する!!
    2004年12月16日 東京都立大学・短期大学教職員組合 中央執行委員会

 本日、「大学管理本部長」名で都立の各大学学長宛に『任用・給与制度の選択につい
て(依頼)』という文書が届けられました。これは表題が示すとおり、現在、組合と当
局の間で交渉の真っ最中である法人下での雇用、賃金制度に関して、労働条件を示さず
に労働契約を押し付けようと発せられたもので、組合とすべての教職員に対する重大な
背信行為です。
 第一にこの文書は言語道断な交渉ルール無視であり、誠実な交渉義務に反する暴挙で
す。私たちは昨日、12月15日に、まさにこの問題に関する緊急要求書および制度選択の
前提となる事項に関しての解明要求書を当局に提出し、合意した交渉ルールに則って20
日に決定されていた団交の議題とするべく、双方の窓口において内容整理の話し合いを
行っていたのです。その最中にこの文書が事前に内容を提示することもなく一方的に出
されたことは背信行為以外の何ものでもありません。
 第二にこの文書はなんら労働契約の前提となる判断材料を示していません。当局自身
が去る7月2日付の『5項目要求への回答』において「法人と教員各人が労働契約を締結
する際には、労基法に定める項目に関し、条件を明示」すると述べているにもかかわら
ず、これまでと同じあいまいな内容提示のまま、教員の現在と将来の生活を決してしま
う選択を迫っていることは許しがたい不誠実さです。その判断に必要だからこそ私たち
は再三にわたり団交で問いかけ、解明要求を提出しているのです。
 私たちは管理本部に対して、この文書を撤回し、まず緊急要求と解明要求に答えるこ
とを強く要求します。また、各大学学長に対しては、組合の交渉過程を注視し、軽はず
みに「依頼」に応えないよう要望します。
 4大学の教員のみなさん。組合は12月20日団交を予定しており、さらに別記の緊急要
求、解明要求を管理本部に求めています。これらの経過、結果は遂次「手から手へ」と
HPでお知らせします。たとえこの「照会」が届いたとしても、安易に応じないようにお
願いします。評価制度の未定なままの任期制・年俸制も、昇任・昇給を放棄することも
どちらも、現状からの不利益変更なのです。当局の横暴に団結して闘いましょう。

*FAQの関連コメント
◎ 2004年12月16日:都立大学・短期大学教職員組合は,12月15日付で大学管理本部長
宛に「新法人における賃金雇用制度に関する緊急要求」を提出していたことが判明。管
理本部は,「任用・給与制度の選択について」という文書を12月中に都立4大学教員の
該当者に配布し,「新制度」と「旧制度」の選択を迫ろうとしている。
COMMENT:法人に就任する承諾書の前に,任用・給与制度を選択する「意思確認」をさせ
ようとしている。所属部局への締め切りが2005年1月14日,管理本部締め切りが1月18日
。これまでに「新制度」(=任期制・年俸制)か「旧制度」(=昇格なし,昇給なし)
を決めないと4月に給与が支払えないと主張しているようだ。しかし,任用・給与制度
の基本的確認事項が組合との間に合意されていない現在,個人に2つの制度から1つを
(署名捺印して)選択させるのは違法。なお,先頃行われた首大昇任人事に該当する教
員は,自動的に「新制度」の適用になり,首大非就任者は自動的に「旧制度」になると
いうのは,明らかに雇用の不利益変更にあたる。これに対して,都立大各学部長は,法
学部を除き,この「任用・給与制度の選択について」という文書を配布しないと宣言し
ているらしい。

1−5 新たな流出が判明
12月16日
人文学部において2名の転出が決定し、人文学部の「流出数」は32名、「流出率」は24.
8%になった。(ただし、2名のうち1名は来年度末の転出予定である。)
また,理学研究科において1名の退職が決定し,理学研究科の「流出率」は12.4%となっ
た。

2 中国・四国地区国立大学法人学長 「標準額」引き上げに反対
 声 明 文
       「国立大学授業料の値上げについて再考を」

 文部科学・財務両省は14日、国立大学の年間授業料の目安となる「標準額」
を来年4月、現行の52万800円から1万5000円引き上げ、53万58
00円とする方向で調整に入った、という突然のインターネット上の情報に、
私たち学長は仰天していると同時に、学生やその保護者に対して誠に申し訳な
いと思っている。

 12月8日、国立大学長の集まりである国立大学協会が、臨時総会を東京で
開いて、文部科学省の授業料値上げや老朽校舎整備のための施設整備費補助金
の大幅カットの動きについて意見を交わし、こうした事態が現実化しないよう、
要請文「国立大学関連予算の充実について」を全員一致で決議し、中山成彬文
部科学大臣に提出したところである。その主要な要請内容は次のとおりである。

 平成17年度予算等における要請

(1)運営費交付金の確保・充実

 教育・人材立国、科学技術創造立国の重要な拠点である国立大学が、意欲的
な特色ある取り組みを継続して推進し、法人化のメリットを活かすことができ
るよう、運営費交付金の確実な確保を図ること。

(2)学生納付金標準額の据え置き

 学生が、経済状況に左右されることなく、能力・適性に応じて進学できる機
会を確保するという国立大学の役割を果たすため、中期計画期間における学生
納付金の値上げは容認できないこと。

(3)施設整備費の大幅増

 「国立大学等施設緊急整備5か年計画」の達成、特に、老朽施設の着実な整
備は、より高い教育研究の成果を実現するために欠かせない緊急な課題であり、
施設整備費補助金などの大幅な増額を図ること。 

 私たちの願いとは反対に、国立大学の学生納付金が法人化前と同様に、授業
料と入学料の値上げが隔年で交互に実施されれば、国立大学法人の使命である、
国民が能力に応じて高等教育を受ける機会を保障しにくくなる。特に、中国・
四国地域の国立大学にあっては、経済状況に左右されることなく、地域から幅
広く能力のある学生を集め、地域社会の中核となる人材を育成して、地域社会
のあらゆる分野に大きく貢献してきた。しかし、世界一高い国立大学の授業料
であるにもかかわらず、さらに値上げが続けば、地域における「知のサイクル」
が壊れ、地方と中央の格差はますます拡大し、地域の発展は期待しがたいこと
となる。

 教育・科学技術創造立国を目指すわが国としては、その拠点となる国立大学
の教育研究基盤の充実を図れるよう、国が予算面からも支援して、安易に授業
料の値上げをしないよう強く訴える。

      平成16年12月16日

中国・四国地区国立大学法人

鳥取大学長  道上 正規
島根大学長  本田 雄一
岡山大学長  河野 伊一郎
広島大学長  牟田 泰三
山口大学長  加藤 紘
徳島大学長  青野 敏博
鳴門教育大学長 高橋 啓
香川大学長  木村 好次
愛媛大学長  小松 正幸
高知大学長  相良 祐輔

3 「授業料が危ない!」についての Ac Net Letter編集発行人の註
    Academia e-Network Letter No 221 (2004.12.18 Sat)

#(編註:国立大学の独立行政法人化は「独立採算化ではない」の
で民営化とは違う、という説明により国立大学社会は独立行政法人
化を気軽に受け入れたと言ってもよい。しかし、財務省が25年間やっ
てきた通り、今後も、学費値上げと入学金値上げを1年置きに交互に
行い、その分だけ運営費交付金を減らしていくとすれば、それは時
間をかけた独立採算化と何が違うのだろうか。また、国立大学社会
の志気を著しく低下させる弊害は大きい。

一方、私大の高い学費を緩和すべく私学補助金の増額が行われるべ
きであるが、来年度も、削減はされていないが一般補助は据えおか
れたままである。私立大学の学生が格段に裕福な家庭の子女である
わけではなく、国立大学の学費値上げと同じように、私学の高い学
費が維持されていることは多くの家計を圧迫している。

四半世紀一貫して政府が推進している「高等教育費受益者負担化政
策」を疑問視する世論を形成しないかぎり、ごく少数のエリートの
ための国立大学が数校残り、他はすべて学校法人立や株式会社立と
なり、学費は「受益者」がすべて負担する時代が来ることは避けが
たいのではなかろうか、日本を動かす力のある組織や団体が絶えず
それを主張している以上。)

編集発行人連絡先: admin@letter.ac-net.org
趣旨:http://ac-net.org/letter/
ログ:http://ac-net.org/letter/log.php

tjst |12月21日 |URL:http://www.ac-net.org/dgh/blog/archives/000644.html |意見広告の会ニュース
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