2004年12月24日

転載:「意見広告の会」ニュース230 (2004.12.24)

*ニュースの配布申し込み、投稿は、
  qahoujin at magellan.c.u-tokyo.ac.jp まで、お願い致します。
** 目次 **
1 立川反戦ビラ事件無罪判決
1−1 立川反戦ビラ事件無罪判決を支持する法学者声明
1−2 検察側、控訴の方針 自衛隊イラク派遣反対ビラ訴訟 
     12/22 朝日新聞
1−3 防衛庁長官コメント
     防衛庁記者会見の概要より
2 学校に自由の風を!ネットワーク1・10集会へのご賛同のお願い
     呼びかけ人3名含む賛同者計121人

***
1−1 立川反戦ビラ事件無罪判決を支持する法学者声明
 立川市内の防衛庁官舎で、イラク派兵に反対する内容のビラを投函した市民グループ
「立川自衛隊監視テント村」のメンバー三人が、住居侵入罪の容疑で、逮捕・起訴され
た事件の判決言い渡しが、一二月一六日に東京地方裁判所八王子支部であった。

 1 判決内容

 判決は、三人が行ったビラ投函は憲法二一条一項の保障する政治的表現の一態様であ
り、民主主義社会の根幹を成すものとして、営業活動など経済的自由に比して「優越的
地位」にあり、憲法上特に強い保障を受けると判示した。このように表現の自由の意義
を確認したうえで、政治的見解を伝える動機で、官舎の住人のプライヴァシーを侵害す
る程度が非常に低い態様で、防衛庁官舎に立ち入った三人の行為は、刑罰を加えるほど
の違法性がないとして、無罪判決を言い渡した。
 またこの判決は、住居侵入罪の構成要件について、従来の最高裁判所の判例の立場と
同様に、意思侵害説に立ち、また住居侵入罪の対象について、集合住宅の個々の居室、
通路および敷地を「一体」のものと捉えるという見解を示した。そして、三人の行為は
、住居侵入罪の構成要件を満たすとした上で、しかし、行為の動機が政治的意見表明を
目的とした正当なものであり、手段も相当なものであり、その行為の結果も法益の侵害
の程度が極めて軽微という三点において刑罰を加えるほどの違法性がないとした。
 すなわち管理人ないし住人から、明確な意思表示があったわけではないこと、ビラの
内容自体には「威力」をちらつかせたり、法によって保護されるべき住人の何らかの利
益を侵害するところがないこと、三人が属する市民グループの普段の活動も暴力を用い
て政治的主張を行うものではないこと等の事実を詳細に認定した上で、無罪判決を言い
渡したしたのである。

 2 私たちは、この無罪判決を支持する。

 私たち法学者は、民主主義社会における表現の自由の意義についての適切な評価を踏
まえて、丁寧な事実認定と説得力ある論理に基づいた無罪判決を支持する。
 また、この無罪判決が、今回の捜査、逮捕及び起訴が、極めて不当なものであったこ
とを浮き彫りにさせるものであることを確認する。

 3 私たちは、次のことを要求する。

 以上に述べた無罪判決の意義にかんがみて、私たちは、次のことを強く要求する。
 検察は、民主主義社会における表現の自由の意義および最高裁判所の判例に照らして
も無罪判決が当然の結論であることを深く理解し、この事件の控訴を行うべきではない

 防衛庁官舎等の管理人および住人は、この事件における三人の行為のような民主主義
社会が当然に前提とする表現活動の意義を認識し、プライヴァシー侵害などの重大な不
利益が発生する等の場合を除いては、安易に拒絶の意思表示を行うべきではない。また
拒絶の意思表示をする場合であっても、住人一人一人の判断を尊重すべきである。
 最後に、私たち法学者は、少数意見への寛容さが急速に失われつつある日本において
、三人を無罪とした裁判官の見識に敬意を表するとともに、この無罪判決をきっかけに
して、民主主義社会における表現の自由の重要性を再確認することを、すべての市民に
呼びかける。

二〇〇四年一二月一六日

呼びかけ人 奥平康弘(憲法研究者)、山内敏弘(龍谷大学・憲法学)、松宮孝明(立
命館大学・刑法学)

賛同者(12/23, 00:30更新)

愛敬浩二(名古屋大学)/鮎京正訓(名古屋大学)/青井未帆(信州大学)/麻生多聞
(鳴門教育大学)/安達光治(國學院大學)/足立英郎(大阪電気通信大学)/綾部六
郎(北海道大学)/飯島滋明(工学院大学)/飯田泰雄(鹿児島大学)/生田勝義(立
命館大学)/井口秀作(大阪産業大学)/池端忠司(香川大学)/石川裕一郎(早稲田
大学)/石埼学(亜細亜大学)/市川正人(立命館大学)/伊藤雅康(札幌学院大学)
/稲正樹(大宮法科大学院大学)/井端正幸(沖縄国際大学)/今関源成(早稲田大学
)/岩佐卓也(神戸大学)/植松健一(島根大学)/植村勝慶(國學院大學)/右崎正
博(獨協大学)/浦田一郎(一橋大学)/浦田賢治(早稲田大学)/蛯原健介(明治学
院大学)/遠藤隆久(熊本学園大学)/遠藤美奈(摂南大学)/大久保史郎(立命館大
学)/大河内美紀(新潟大学)/岡本篤尚(神戸学院大学)/小栗実(鹿児島大学)/
小沢隆一(静岡大学)/柏崎敏義(関東学院大学)/加藤一彦(東京経済大学)/紙野
健二(名古屋大学)/上脇博之(神戸学院大学)/川岸令和(早稲田大学)/北川善英
(横浜国立大学)/君島東彦(立命館大学)/葛野尋之(立命館大学)/楠本孝(三重
短期大学)/久保田穣(東京農工大学)/倉持孝司(甲南大学)/小竹聡(愛知教育大
学)/小林武(愛知大学)/小松浩(神戸学院大学)/木幡洋子(愛知県立大学)/近
藤充代(日本福祉大学)/斉藤小百合(恵泉女学園大学)/阪口正二郎(一橋大学)/
佐々木弘通(成城大学)/佐々木光明(神戸学院大学)/笹沼弘志(静岡大学)/澤野
義一(大阪経済法科大学)/清水雅彦(明治大学)/新屋達之(大宮法科大学院大学)
/杉浦一孝(名古屋大学)/杉原弘修(宇都宮大学)/鈴木眞澄(龍谷大学)/隅野隆
徳(専修大学)/芹沢斉(青山学院大学)/高佐智美(獨協大学)/高橋利安(広島修
道大学)/高村学人(東京都立大学)/武川眞固(高田短期大学)/多田一路(大分大
学)/只野雅人(一橋大学)/館田晶子(跡見学園女子大学)/塚田哲之(福井大学)
/土屋清(山梨学院大学)/角替晃(東京学芸大学)/寺川史朗(三重大学)/豊崎七
絵(龍谷大学)/長岡徹(関西学院大学)/中島茂樹(立命館大学)/中島徹(早稲田
大学)/永田秀樹(関西学院大学)/長塚真琴(獨協大学)/中富公一(岡山大学)/
長峯信彦(愛知大学)/永山茂樹(東亜大学)/成澤孝人(三重短期大学)/名和鐵郎
(獨協大学)/西原博史(早稲田大学)/丹羽徹(大阪経済法科大学)/庭山英雄(刑
事法研究者)/根森健(新潟大学)/坂東行和(四日市大学)/東澤靖(明治学院大学
)/平井佐和子(西南学院大学)/藤原俊雄(静岡大学)/本田稔(立命館大学)/前
田朗(東京造形大学)/前原清隆(長崎総合科学大学)/松井幸夫(関西学院大学)/
水島朝穂(早稲田大学)/緑大輔(広島修道大学)/宮地基(明治学院大学)/宮本弘
典(関東学院大学)/三輪隆(埼玉大学)/宗野隆俊(滋賀大学)/村井敏邦(龍谷大
学)/村田尚紀(関西大学)/本秀紀(名古屋大学)/元山健(龍谷大学)/森尾亮(
久留米大学)/森川恭剛(琉球大学)/森英樹(名古屋大学)/柳井健一(山口大学)
/山口和秀(岡山大学)/山崎英壽(日本体育大学)/山元一(東北大学)/横田力(
都留文科大学)/吉田省三(長崎大学)/和田進(神戸大学)/渡辺治(一橋大学)/
渡辺洋(神戸学院大学)

呼びかけ人3名含む賛同者計121人

声明事務局 石埼学 ma1968@msj.biglobe.ne.jp

1−2 検察側、控訴の方針 自衛隊イラク派遣反対ビラ訴訟 

 自衛隊のイラク派遣反対を訴えるビラを防衛庁官舎の新聞受けに入れたとして、住居
侵入の罪に問われた市民団体の人に東京地裁八王子支部が無罪判決を言い渡したことを
不服として、検察当局は22日、東京高裁に控訴する方針を固めた。

 東京地裁八王子支部は16日、「住民のプライバシー侵害の程度は低く、ビラ入れが
憲法で保障された政治的表現活動の一つとして民主主義社会の根幹をなすことを考えれ
ば、刑事罰に値するほどの違法性はない」と述べて無罪を言い渡した。 (12/23 07:55)

1−3 防衛庁記者会見の概要より(→12月17日をクリック)
http://www.jda.go.jp/j/kisha/index.html

Q:昨日、東京地裁の八王子支部の判決で、自衛隊のイラク派遣に反対する
ビラを防衛庁の官舎に配布した市民団体のメンバーに対して無罪判決が
言い渡されましたが、これついての大臣の所見を頂きたいと思います。

A:事件はイラク派遣反対ビラを立川公務員宿舎に撒いた人がいるという
ことで、これについて言わば住民の方から、「もうこういうビラは撒かないで
欲しい。」という要請が出たわけであります。そして立ち入り制限に入って
くれるなということを紙に書いたビラを掲示していたということでありますが、
これを無視して入ってきて、そしてビラを引き続き撒いたということで、宿舎
維持管理責任者である東立川駐屯地の業務隊長などが警察と相談して、警視庁
立川警察署長に対して住居侵入に対する被害届を提出した。これが事実であります。

 これに対して裁判の方は、今お尋ねのとおりであります。法的にどう判断する
かは別といたしまして、やはりビラを撒くというのは言論の自由であり、報道の
自由であり、そういう言論の自由と関係することではありますけれども、問題は、
「それが嫌だ。」、「そういうことをして欲しくない。」と言うのも自由な
は、私は全く別だと思いますけれども、そういうビラを撒いて欲しくないという
人がいたら、そういう要望があるということも撒く方は考えてもらいたいという
気がいたします。

◆大野防衛庁長官へのご意見はこちらへ ◆
--------------------------------------------------
防衛庁
〒162-8801 東京都新宿区市谷本村町5-1
電話(代表)  03−3268−3111  03−5366―3111
イラク派遣へのご意見箱  info-iraq at jda.go.jp
その他のご意見箱     info at jda.go.jp

2 学校に自由の風を!ネットワーク1・10集会へのご賛同のお願い

 今年も残り少なくなってまいりましたが、お元気でご活躍のことと存じます。
今年一年、私たちはいろいろな方々のご協力を得て、「学校に自由の風を」吹かせよ
うと活動を続けてまいりました都立学校の保護者などを中心とする市民団体です。
ご存知の通り、昨年10月23日の都教委通達以来、東京の学校への国旗・国歌の強制は
極限に達した感があります。教職員のみならず、生徒や保護者にまで国旗・国歌が強
制され始めるなど、東京の教育現場は国家主義への道をまっしぐらに進んでいるよう
に見えます。また、現在の教育にかけられている攻撃は、憲法・教育基本法の「改
定」につながる道筋のうえにあることは明らかで、国旗・国歌の強制は、その道筋の
一つの典型なのだと私たちは考えています。今、私たちが大きな連帯で声を上げてい
かなければ、日本の教育において良心はすべておしつぶされ、戦争への道をひた走る
レールが引かれてしまう、そこまで事ヤは進行していると言えるでしょう。

私たちは教育の自由を守り、この東京から平和や人権を守る大きな流れを、多くの
方々とともにつくっていきたいと考え、別紙の通り来年1月10日、日比谷公会堂での
集会を計画いたしました。大きな会場での集会をなんとしても成功させて、国旗・国
歌の強制などで教職員・生徒・保護者の心を縛ろうとする東京都教育委員会の暴走に
ストップをかけ、さらに日本中の学校に「自由の風」を吹かせていきたいと考えてい
ます。

年末のお忙しい時期とは存じますが、集会に成功に向けてぜひお力をお貸しいただき
たく、下記のことをお願い申し上げるしだいです。どうぞよろしくお願いいたしま
す。
末筆ながら、今後のさらなるご活躍をお祈りいたします。

                  記
1.集会へのメッセージをお願いいたします。別紙にご記入の上、ご返送ください。
  ※いただいたメッセージは、集会当日のプログラムに掲載させていただくとともに

   集会後の報告としてHPに「プログラムより」として掲載させていただきますので

   お名前・肩書きの公表の可否をお書き添えください。
  (e-mail、Fax、何れでも結構です)

2.集会にご賛同ください。集会は入場無料といたしましたが、会場費・資料代等か
なり財政的に厳しいものがございます。大変恐縮ですが以下の振込先に賛同金
のご協力をいただけると幸いです。

以上

連絡先:丸浜江里子 筺Fax3331-4533、東本久子 筺Fax3334-6656
      学校に自由の風を!ネットワーク  
HP http://comcom.jca.apc.org/freedom/
 e-mail jiyuunokaze at yahoo.co.jp

■賛同金 団体:一口2000円(何口でも大歓迎)、個人:一口500円以上
   振り込み先:郵便振替口座 加入者名:自由の風ネットワーク
      口座番号:00140−8−777805   

tjst |12月24日 |URL:http://www.ac-net.org/dgh/blog/archives/000645.html |意見広告の会ニュース
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