2004年12月30日

転載「意見広告の会」ニュース231(2004.12.30)

*ニュースの配布申し込み、投稿は、
  qahoujin at magellan.c.u-tokyo.ac.jp まで、お願い致します。

*授業料値上げ問題に関する各大学の状況・情報を上記へお寄せ下さい。
  その際、掲載の可・不可、匿名希望等の指定をお願い致します。

** 目次 **
1 国立大学授業料値上げ問題特集
      政府支出は189億円、率にして1.5%強減少する。
1−1 2005年度国立大学関係予算政府案を分析する
      国立大学法人法反対首都圏ネットワーク事務局
1−2 文科省資料目次
      本資料は首都圏ネットのHPをご覧下さい。
1−3 資料 平成17年度国立大学関係予算の政府案決定と今後の対応について
      国大協会長 佐々木 毅
1−4 資料 国立大学の授業料標準額の改定について
      国立大学法人支援課長 清水孝悦
1−5 国立大学の授業料値上げを文科省が押しつけ JANJANニュース
  J    ANJAN 2004年12月26日付

2 真にかつ種々の意味で危機を迎える都立大
2−1 大手予備校進路相談担当者の見方紹介
      やさしいFAQ
2−2 大手予備校進路相談担当者は「首大」をどう見ているか?
力作・労作・傑作! その一部を紹介
2−3 中期目標素案紹介
やさしいFAQ 

***
1 国立大学授業料値上げ問題特集

1−1 2005年度国立大学関係予算政府案を分析する
  2004年12月30日 国立大学法人法反対首都圏ネットワーク事務局

 去る24日、2005年度予算政府案が閣議決定された。同日国大協は会長
名で「平成17年度国立大学関係予算の政府案決定と今後の対応について」
(国大協企画第125号。以下、『12.24国大協会長文書』)を各会員大
学代表者(学長)宛に送付し、来年1月13日に臨時理事会を開催して対応を
検討する旨表明した。同文書には国立大学関係予算の枠組み等にかかわる文科
省の資料(以下、『文科省資料』。引用を容易にするために本事務局でA〜G
のラベルをつけた)が添付されている。なお、これに先立ち、22日には、文
科省高等教育局国立大学法人支援課長名による「国立大学の授業料標準額の改
定について」という事務連絡文書(以下、『12.22支援課長文書』)が各
大学の学生納付金担当理事宛に送付されている。本事務局は、これらの文書を
まず公開することとする。

(1)12.24国大協会長文書
(2)文科省資料(A〜G)
(3)12.22支援課長文書

 また、それらの文書を基にして、2005年度国立大学関係予算政府案の解
説と分析を試みたのでその結果を併せて以下に示す。

1.国立大学法人の収入:『文科省資料A,F』が全体を理解する上で便利で
ある。

(1)収入の項目
授業料等、雑収入、運営費交付金、病院収入の4つである

(2)各項目の増減
1)授業料:授業料標準額の増額(15,000円)による収入増81億円が既に組
み込まれて、総額86億円増。『文科省資料G』の2)参照。
2)雑収入:1億円減。根拠不明。
3)運営費交付金:『文科省資料G』にあるとおり98億円減。
4)病院収入:経営改善係数2%分=92億円の収入増が前提にされている。
総額104億円の収入増のためにはさらに12億円の収入増が必要だがその根
拠は不明(医療費「改革」?)。

(3)事業費総額
91億円増。このうち81億円は授業料値上げによる増収であることに注意。

2.国立大学法人の支出:『文科省資料A,F』が全体を理解する上で便利で
ある。

(1)支出の項目
特別教育研究経費、教育研究費等、退職手当等、病院関係経費の4つである。

(2)各項目の増減
1)特別教育研究経費:45億円増。競争的経費への傾斜を示す。『文科省資
料B,G』参照。
2)教育研究費等:46億円増額することによって効率化係額97億円減額分
を51億円減に圧縮。『文科省資料B,G』参照。
3)退職手当等:78億円増。
4)病院関係経費:病院関係経費=病院収入+運営費交付金(病院診療関係相
当分)であるから、病院関係経費の増額が19億円に留まっていることは、運
c費交付金(病院診療関係相当分)が平成16年度の584億円から499億
円へ85億円、率にして約15%の減を意味する。

3.2005年度国立大学関係予算政府案の本質

(1)2005年度国立大学関係予算政府案は授業料値上げを前提として作ら
れている。

 文科省は、「運営費交付金の減額は98億円、0.8%に過ぎない。現状ではベ
ストに近い予算案である」と主張していると伝えられているが、これはことの
本質を覆い隠すデマゴーギッシュな主張である。『文科省資料G』に示された
「算定ルール」による189億円の運営費交付金減額を98億円にまで圧縮で
きたのは、授業料値上げによる81億円増収や病院収入において経営改善額以
外に12億円の増収などを見込んでいるからである。そして、政府支出は疑い
なく189億円、率にして1.5%強減少するのである。

(2)授業料の連続的値上げが導かれる

 政府支出減を最も確かな収入増である授業料値上げでまかなおうとするなら
ば、授業料を毎年値上げしなければならないことになることは明白である。す
なわち、学生と父母の負担が毎年増大するのである。しかも、退職手当等増7
8億円(ほぼ授業料値上げ増収額に匹敵)となる2005年度は教職員数が最
も少ない世代が定年を迎える年度であり、第1次ベビーブーマーが定年に達す
る2007年度は退職手当経費はピークになるニ推定されていることにも注目
しておこう。

(3)病院の独立採算制移行への拍車がかかる

 2(2)4)で指摘したように、病院の経営改善係数2%の強制によって、
病院診療関係相当分の運営費交付金は全体の10倍、年15%の率で減少して
いる。この率で減少するならば、5年で当初年度の約50%になる。そうなれ
ばもはや事実上の独立採算制となるが、果たしてそれで大学病院としての任務
が果たせるのであろうか。

4.問われる各大学、そして国大協の姿勢

 授業料値上げを前提とした政府予算案を粉砕しない限り、学生と父母への負
担増によって運営費交付金削減をまかなうという悪無限的構造が確立される。
各大学が個別に対処するのではなく、全国立大学が一致してきっぱりと授業料
標準額値上げを拒否し、国立大学関係予算政府案の組み替えを要求することが
必要である。そしてこのような運営費交付金制度をもたらした国立大学法人法
の廃止へと進まねばならない。

 国大協執行部、なかんずく国立大学法人法案の国会審議過程で参考人として
同法に賛成の意見陳述を行った佐々木会長は、自らの責任を自覚しつつ、予算
案組み替えのための行動を直ちに展開しなければならない。その意味でも1月
13日の臨時理事会が注目される。

1−2 文科省資料 

A 国立大学法人の収支構造(イメージ)
B 平成17年度 国立大学法人運営費交付金の内示概要
C 国立大学法人の授業料標準額の改定について(案)
D 国立大学と私立大学の授業料と改定幅の推移
E (参考) 国立大学と私立大学の授業料等の推移
F 平成17年度予算の内示概要
G 平成17年度 国立大学法人予算予定額の概要
 *詳細は首都圏ネット http://www.shutoken-net.jp/ をご覧下さい。

1−3 平成17年度国立大学関係予算の政府案決定と今後の対応について

国大協企画第125号
平成16年12月24日
各会員大学代表者 各位
社団法人 国立大学協会
会長 佐々木 毅

平成17年度国立大学関係予算の政府案決定と今後の対応について

ご案内のとおり、平成17年度の政府予算は、本日閣議決定されました。各大学に掛か
る個別案件の結果については、既に文部科学省から各大学ごとにご連絡があったことと
承知しておりますが、国立大学関係予算の枠組み等については、別添のとおり資料を入
手しましたので、ご参考に供します。
ところで、この予算案において、国立大学学生納付金(授業料)の標準額が改定される
予定となりました。具体的には、今後、文部科学省令において改訂額が規定され、各大
学はその110%を上限として、授業料を設定するとの説明を受けております。
しかしながら、今回の授業料標準額改定やこれを新年度から実施するに当たっての具体
的な諸課題への対応などについては、法人化された国立大学の立場などとの関係も含め
必ずしも明確ではありません。このため、先般文部科学省当局との間でこの問題を話し
合いました。文部科学省は、既に各大学の学生納付金担当理事あての通知で、疑問点の
問い合わせ窓口設置を通知しているようですがA各大学や各支部から要請があれば、責
任者の会議等に自ら出かけて説明する用意があるとの意向を示しております。ついては
、このことについて国大協事務局から貴大学の事務当局に対して、日程調整を中心にし
た連絡をさせますので、よろしくご協力の程お願いします。
おって、今回の予算案については、来年1月13日(木)に臨時理事会を開催し、文部
科学省から詳しい説明を受けるとともに、今後の対応を協議することとしておりますの
で、念のため申し添えます。

1−4 文科省資料 
事 務 連 絡
平成16年12月22日
各国立大学法人
学生納付金担当理事 殿
文部科学省高等教育局
国立大学法人支援課長 清水孝悦

国立大学の授業料標準額の改定について

平成17年度以降の授業料標準額については、私立大学の授業料等の水準など社会経済
情勢等を総合的に勘案し、別紙案のとおり改訂することとなりましたのでお知らせしま
す。
今後、国立大学等の授業料その他の費用に関する省令(平成16年3月31日文部科学
省令第16号、以下「費用省令」。)の改正を予定しています。
ついては、下記にご留意の上、必要なご検討、ご対応をいただくようお願いいたします

1.各国立大学における具体の授業料の改訂については、費用省令の定める額を標準と
して、各国立大学法人の学則等により定められているところです。

2.各国立大学法人において授業料の額を改定される場合は、学生・保護者に対する事
前の周知に努めていただくようお願いいたします。(なお、各国立大学法人においては
、これまでも募集要項等において、授業料等が予定額であり、入学時または在学中に改
定を行った場合には、改定時から新たな授業料等を適用することなどを周知されてきた
ところと思います。)

3.なお、疑問点については、問い合わせ先に照会願います。

(問い合わせ先:略)

1−5 国立大学の授業料値上げを文科省が押しつけ JANJANニュース
  JANJAN 2004年12月26日付

 国立大学が法人化されてまだ1年もたたないのに、来年からの授業料の値上げが、文
科省によって押しつけられようとしている。法人化によって、国立の大学ではなくなっ
た「国立大学法人」は、授業料は自分たちで決められるはずであった。

 しかし、大学の運営に必要なお金「^営交付金」を、来年から学生の授業料を値上げ
して増益した分を減額するというやり方で、まだ値上げを決めてもいない大wに値上げ
を押しつけようとしている。法人化によって、文科省のコントロールから独立したはず
の「国立大学」だが、実際には、運営交付金を減らすと言うだけで、授業料の値上げを
せざるを得ない状態に追い込まれてしまう。そして、政府が国立大学に交付してきた金
を減らした分だけ、学生に負担させようということなのだ。

 学生よ。もっとこの政府のやり方に怒るべきだ。それともお金を払うのは親だから、
私達は知らないよ、というのだろうか。

 肝心の国立大学協会では、12月8日に総会を開いてその問題も含めて審議した。授
業料の値上げは容認できないという意見が多くの大学から出され、文科省への要望書を
提出した。しかし、政府予算案では、国大協の要望は一顧だにされず、授業料の値上げ
を前提とした運営交付金の減額が行われてしまった。これは、授業料を決めるのは国立
大学法人ではなく、実質的には、法人化したにもかかわらず政府が決めるということの
強い意志(脅し)を表したのであろう。国大協も法人化にきちんと反対しなかったため
、なめられたものだ。
(山路比呂志)
 http://www.janjan.jp/government/0412/0412221879/1.php

2 真にかつ種々の意味で危機を迎える都立大 

2−1 やさしいFAQ 大手予備校進路相談担当者の見方

2004年12月24日:クビダイ・ドット・コムに読者からの投稿 大手予備校進路相談担当
者は「首大」をどう見ているか? が掲載された。
  http://www.kubidai.com/modules/xfsection/article.php?articleid=26

COMMENT:受験産業はそれなりに「首大」の情報分析をしている。単に国公立合格率を上
げるために「首大」を推薦しているところもあれば,様子を見ていて,「積極的には奬
めない」ところもあるようだ。「首都大学東京大」というのにヘ, 笑ってしまった。「
首都大学」+「東京大」ですね(無理なネーミングをすると,こんな風に間違って受け
入れられてしまうという例)。
ところで,「首大」ブランドプロモーションは,河合塾によって行われた。宣伝紙 Voi
ceが約1万部が受験生に配布された。内容は,「リベラルアーツの重要性を見直すとこ
ろから大学改革が進んでいる!」というタイトルの一般論 2ページと「首都大学東京っ
てどんな大学?」という「首大」の全体的説明1ページの後に,コースごとに1名ない
し2名の教員の紹介が3ページほど掲載された冊子。 「首大」でやるのは,リベラル
アーツ(Liberal Arts)ではない!「都市教養」という,地域限定内容不明のレッテルが
存在するだけ。 そして,「都市教養」という概念が大学改革の中心にあるというのは
幻想。「首都大学東京」成立で中心にあったのは,(1) 人件費削減,(2) 東京都による
教育支配, (3) 経営効率のアップであって,「教育や研究」の未来を考えたものでは
なかった!

2−2 大手予備校進路相談担当者は「首大」をどう見ているか?
     一部紹介

私は,このサイト,クビダイドットコムの熱心な読者の一人である。伝統ある都立大学
を廃止し,中身が全くわからない首都大学東京が設置されるという現状を強く憂う者だ
。このサイトに掲載された情報などから判断すると,都立大学と首都大学東京とは全く
の別物である。それは,インターネット等で入手できる予備校の偏差値予測にも現われ
ているが,最近,実際にどの程度予備校の進路相談担当者に新大学の中身のなさ,設置
をめぐる混乱模様が伝わっているのだろうか,きちんと受験生に伝わっているのだろう
か,ということがどうしても気になるようになってきた。

そこで,都内の大きなX駅周辺 (そこは予備校激戦地区とも呼ばれる) において,複数
の予備校を訪問し,進路相談担当の事務員に今冬の首都大学東京の入試難易度,受験志
望者の傾向,予備校としての指導方針などを質問してきた。

以下は,その訪問記である。
 *以下は http://www.kubidai.com/modules/xfsection/article.php?articleid=26
  をご覧下さい。

2−3 やさしいFAQ 中期目標素案紹介

2004年12月27日:12月20日に行われた第9回経営準備室会議で, 中期目標素案(12/20/2
004)が紹介され,中期目標はほぼこれで完成であるとの報告がなされたらしい。 2004
年12月15日の情報で伝えたように,12月15日に配布された案に対して,同日締め切りで
意見が求められ,それに応じて人文学部長が提出した修正案(12/15/2004) が提出され
た。素案と修正意見を比較するには, こちらをクリック。
COMMENT:比較して分かること: 字句の修正以Oの基本的理念はほとんど何も受け入れら
れてはいない。 例1)首大の【教育課程・教育方法】に「現代都市における新たな教養
教育を創成し、都市教養という概念が広く社会に認知されるよう努める。  また、こ
れらを基礎に、各分野における専門教育の充実にwめるとともに、各学部の協力のもと
に、学部横断的な都市政策コースを開設し、魅力的なカ リキュラムを学生に提供する
。 」とあるが,「都市教養」なんて誰も分からないものを社会に広めるなんて無理。ウ
らに,河合塾外注から飛び出してきた「都市政策コース」なんてまだほとんど内容は議
論されていないばかりか,担当教員はたった一人とい、噂!
例2)「研究内容等に関する目標」にある「また、首都大学東京の使命を意識しながら
、個々の研究の質を高めるように努める。」 は削られることはなく,「研究実施体制
等の整備に関キる目標」に「長期的視野に立ち学術の体系に沿った研究に基礎的研究費
の配分を保障するとともに、 研究を活性化する観点から戦略的な研究費配分をも採り
入れる一方、全学的な体制整備のもとに 外部資金の獲得を積極的に進める。」 という
提案に対して、「研究を活性化する観点から戦略的な研究費配分を行うとともに、産学
公連携センターを中心に体制の整備を進め、外部資金の獲得を積極的に進める。」 と
なった。長期的視野に立った学問は無視し,研究費の傾斜的配分や産学交流をメインに
し,なるべく外部から研究費を集めろという方針が明確になっている。もう呆れて声も
出ない。

tjst |12月30日 |URL:http://www.ac-net.org/dgh/blog/archives/000646.html |意見広告の会ニュース
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「意見広告の会」ニュース199 (2004.10.06) - 10/06
「意見広告の会」ニュース 198(2004.10.02) - 10/03
「意見広告の会」ニュース196 (2004.9.27) - 10/03
「意見広告の会」ニュース195 2004.9.25 - 9/25
「意見広告の会」ニュース194 - 9/24
[AcNet Letter 71] 東京都立大学評議会見解2004.3.9 - 3/13
フランスにおける科学者・研究者たちの闘い――「研究を救おう!」をめぐる三週間の動き - 2/04
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抗議辞職した都立大四教授支持声明 - 12/24
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