2004年09月24日

「意見広告の会」ニュース194

Date: Thu, 23 Sep 2004 23:15:22 +0900
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** 目次 **

1 種々の意味で危機を迎える国立大学法人
1−1 「運営費交付金の減少」を前提とする東京大学役員会
「法人化後の部局編成について(案)」
1−2 思い起こす2003年度
      誰が何を言っていたか。
1−2−1 「学内の反対意見を抑えてきたのに、こんなことなら法人化反対
      と言いたいぐらいだ」
1−2−2 「重大な決意をもって事態の推移を注視したい。」
1−2−3 「研究も教育も質が低下し、科学技術立国などおぼつかない」
1−2−4 学長辞任も 予算削減で国立大学協会が文科省に抗議
1−2−5 「学長返上」総会でも採択 予算削減案に国大協
1−2−6 初志貫徹、辞任して世に問うてはどうか。
1−2−7 法人化に賛成した学長、及び了解を与えた学長は、行動するべき
      です。

2 大学財政危機打開をめざす国会内ポスターセッション
    3 rd Circular   国立大学法人法反対首都圏ネットワーク事務局

3 種々の意味で危機を迎える都立大
3−1 開かれた大学改革を求める会(代表:西川直子)の声明
「首大」案認可答申に接して
3−2 教学体制の保全に関する要望書
     東京都立大学 学生・院生連絡会議 (2004.9.15)

1−1 「運営費交付金の減少」を前提とする東京大学役員会
「法人化後の部局編成について(案)」
      首都圏ネット公開の資料より
【資料】
東京大学役員会の下にある『財務分析室』(室長:石堂正信副理事)は去る9月7日、「法人化後の部局編成について(案)」という文書を作成し、各部局に示した。この文書は(案)とされているが、役員会の方向性を示すものとして注目される。全国的にも影響が大きいと思われるので電子版として公表する。なお、同文書では上付添字番号で指示された7つの注が文書中に挿入されているが、本電子版では最末尾に一括して掲載した。

2004年9月22日 国立大学法人法反対首都圏ネットワーク事務局

法人化後の部局編成について(案)
                          2004.9.7財務分析室
1.はじめに


国立大学法人の財政状況は、一方では17年度以降、運営費交付金(注1)に強制的に削減率(「狭義の効率化係数」)がかかる可能性が高いため、極めて厳しくなると予想される。他方で、法人化後は研究・教育環境に法人間に大きな差がつくことが許容され、資金面で他の国立大学法人や私立大学との厳しい競争にさらされることになる。したがって、研究・教育環境を充実させるための十分な外部資金確保と効率的な運営に、大学経営の成否がかかることになる。


さて、平成15年12月9日の法人化委員会で承認された「法人化後の学内予算配分に関する報告書」(「物件費報告書」)では、総長が教育研究事業の方向性を示し、競争的専門家査定を経て、そのイニシアティブによって特定の教育研究事業への重点的配分を行うとしている。こうした方向性を持った教育研究事業への配分は、国立大学法人としての東京大学の先端的教育研究への取り組みの姿勢を示すものであり、また広告塔の役割をも果たすことになる。これに対し部局の運営費交付金配分額は、新規事業関連を除けば基本的に以下のようになっている。すなわち、前年度の運営費交付金決算額に、国によって強制的に課せられる削減率である「狭義の効率化係数」と、全学的な恒久的新規事業資金捻出のための係数である「全学協力係数」を乗じて(注2)前年度の運営費交付金決算額より差し引き、当該年度の運営費交付金配分額を算出する。これは安定性に配慮した方法であるが、厳しい運営費交付金の削減率(「狭義の効率化係数」)が予想される現在、運営費交付金だけでは部局運営は次第に困難さを増すことが予想される。


そこで「物件費報告書」では、法人化後の部局をrevenue centerと規定し、部局運営に関して部局の自助努力を促している。法人化後の厳しい環境の中で大学を経営するためには、当然のことながら運営費交付金以外に、十分な外部資金の確保が重要になる。このためには、多くの部局が新規事業によって新しい予算を獲得すると同時に、十分な外部資金を獲得する経営の自己責任単位(revenue center)となることが重要になる。言い換えれば、新規事業により文部科学省から獲得する資金のみならず、外部資金の導入によって運営費交付金の減少を十分に補うことができる部局が大半でなければ、大学の経営は成り立たない。


しかしここで、学内には外部資金獲得能力のあまり高くない部局もあることに注意したい。このような部局でも、現在のシステムではある程度の外部資金を獲得すれば運営可能なように、前年度の決算額に係数をかけて当骸年度の予算を決定するという安定性に配慮した予算配分方法をとっている。しかし、それでもなお運営が困難になる部局があるかもしれない。そのような場合には、総長=役員会が調整を行うことになる。その際、総長=役員会は単に外部資金獲得能力などだけではなく社会的必要性などを考慮に入れて総合的に判断し、発展的な意味での調整を行う。その際に学問の多様性の維持が重要な課題となるのは言うまでもない。これと総長イニシアティブによる先端的教育研究への重点的予算配分とがあいまって、東京大学に対する多様で、高度な社会的な要請に責任をもって答えることになるのである。


これに対し、revenue center とは異なる機能を持つ部局があることに注意したい。例えば、本部は、学部・研究所等の部局・教員・学生にサービスを提供する部局であり、revenue center とはあきらかに異なる機能を持つ。(以下では、このような部局を「教育研究支援部局」、revenue center を「教育研究事業部局」と呼ぶ。)しかし、その維持は大学にとって必要不可欠であり、学部・研究所等の部局と同じ扱いではなく、それに対する現行のシステムの下での運営費交付金割当額削減を、全学的見地からある程度圧縮する必要が生じるかもしれない。こうした観点からみれば、部局を機能別に分類して、大学を運営するのが適切と考えられる。言い換えれば、運営費交付金削減の程度を圧縮すべき部局と、圧縮する必要のない部局に分類して、運営がなされるべきであると考えられる。


これに関しては、役員会が各部局の機能を勘案してトップダウンで分類を行うのも一案であるが、総長室・本部が分頬のための十分な情報を必ずしも持っていないため、適切な分類が行われるとは限らない。そこで、十分な情報を持つ各部局が、自らの機能や財政状況を勘案して主体的に選択するのが適切と考えられる。これは、法人化後には総長イニシアティブが高まるとはいえ、依然として重要な部局の自治の観点からも望ましいと思われる。


したがって、法人化2年日からの部局編成は以下の方法で行うのが適当と考えられる。


1.まず、教育研究事業部局と教育研究支援部局の2種を考える。物件費報告書の理念より、ほとんどの部局は教育研究事業部局を選択することになるが、例外的に全学(または全国)への広範なサービス提供を主な機能とする部局は、このいずれかを自主的に選択することができる。(教育研究支援部局を選択する場合は、総長=役員会の許可を必要とする。)それ以外の部局は、教育・研究を主な機能とする部局であり、教育研究事業部局となることを自動的に選択する。


2.教育研究事業部局を選択した場合は、運営費交付金と外部資金などにより、中期計画中の部局運営が可能か否かを検討する。運営可能ではないと判断される場合は、総長q =役員会に調整を依頼する。


なお病院については、その特殊性を考慮して別途検討する。


次項以下、部局編成の具体的方法を述べる。


2.部局の分類


 まず、部局を以下の2種に分類する。


 A.教育研究事業部局(事業部局):教育研究事業経営の自己責任単位である
 B.教育研究支援部局(支援部局):全学または日本全国のためにサービスを提供する部局で、総長=役員会が経営の権限と責任を負う


各部局は、以下で述べる事業部局と支援部局の機能と責任の内容を十分に理解した上で、自ら選択を行う。


A.教育研究事業部局


教育研究事業部局(事業部局)とは、「法人化後の学内予算配分に関する報告書」で規定されているrevenue centerであり、以下の機能と責任を持つ。


A-1.機能と責任


1)今まで同様、学部研究科・研究所自治は人事等で保たれるが、同時にそれぞれが経営の自己責任単位となることを明確にする。


2)部局には、主として三種類の「収入」が入る。
 
(i)政府から交付され大学本部を通じ配分される「運営費交付金」
    これは更に、
   「既存事業計画に対する運営費交付金」
    と、総長のリーダーシップの元に配分される
   「恒久的新規事業計画に対する運営費交付金」
    に分けられる。


(ii)「運営費交付金の中で従来の教育研究基盤校費大学分に対応する部分(見合い額)」や「外部研究資金等の間接経費」等から全学的に拠出された「全学教育研究基金」より、機動的且つ戦略的に、総長のリーダーシップの元に時限的新規事業計画に対して配分される資金


(iii)「外部研究資金(その他の自己収入(特許収入等)を含む)」


3)事業部局は、(i)の「運営費交付金」、(ii)の「全学教育研究基金」に対して、それぞれの事業計画を立て、本部に要求し、査定を受け、最終的な配分を受ける。


4)事業部局は、(iii)「外部研究資金(その他の自己収入を含む)」を確保する責任を負う。(注3) その際、「外部研究資金」の確保や、経営の実務面(特に会計)について本部の支援を得ることができるようにするのは当然である。事業部局は、(iii)の「外部研究資金」に対応する独立研究事業計画を自律して行う。


5)事業部局は、一過性の特殊な要因による場合を除いて、運営費交付金を追加要求できない。


6)事業部局予算の査定ベース(「前年度既存事業実績」+「前年度恒久的新規事業」−「前 年度特殊要因」)にかかる「物件費報告書」に言う「効率化係数」は、既に述べたよう に、政府による強制的削減率である「狭義の効率化係数」に恒久的新規事業のための「全学協力係数」を加えたものである。


7)事業部局の運営は、単に短期的な視点だけでなく長期的な視点からなされなければならない。たとえば、事業部局が施設を新設する場合は、それにかかる費用を客観的に見積もり、長期的な方針もとに施設運営を行うことが求められる。(第5.2項参照。)


B.教育研究支援部局


教育研究支援部局とは全学または日本全国のためにサービスを提供する部局であり、かつ上述の事業部局の機能と責任を果たすことが困難な部局である。具体的には、以下の機能と責任を持つ。


B-1.機能と責任


1)今まで同様、自治は人事等で保たれるが、経営に関わる事項について総長=役員会の指 示に従う。支援部局は、全学の多くの事業部局または全国に十分なサービスを提供する責務を負う。


2)支援部局には、主として三種類の「収入」が入る。


 (i)政府から交付され大学本部を通じ配分される「運営費交付金」。
   これは、「既存事業計画に対する運営費交付金」のみからなる。


(ii)「運営費交付金の中で従来の教育研究基盤校費大学分に対応する部分(見合い額)」や「外部研究資金等の間接経費」等から全学的に拠出された「全学教育研究基金」  より、機動的且つ戦略的に、総長のリーダーシップの元に時限的新規事業計画に対して配分される資金・


(iii)「外部研究資金(その他の自己収入を含む)」


3)支援部局は、(i)の「運営費交付金」、(ii)の「全学教育研究基金」に対して、総長=役員 会の指示に従ってそれぞれの事業計画を立てる。


4)支援部局は、(iii)「外部研究資金(その他の自己収入を含む)」獲得のためにできるだけの努力をする。しかし確保は義務づけられていない。また、支援部局は、(iii)の「外部研究資金」に対応する研究事業計画を行う。


5)支援部局は、一過性の特殊な要因による場合以外でも、運営費交付金の追加要求ができる。


6)支援部局の査定ベースにかかる効率化係数(「狭義の効率化係数」と「全学協力係数」の和)は、支援部局の性格を反映して、教育研究事業部局のものより低く設定される。(注4)また、この支援部局効率化係数は、総長=役員会により決定される。(ある程度査定ベースが小さくなった場合は、効率化係数を0にすることもありうる。)


7)支援部局は、担っているサービス提供のあり方について常に受益者の意見を求め、中長期的な経営方針を総長=役員会に提起する。


3.役員会と部局による選択


1)総長=役員会及び部局は、中期計画初年度中に以下の決定をする。


   (i) 総長=役員会


「物件費報告書」で詳述したように、部局の「教育研究基盤校費大学分見合い」のX%、「科学研究費補助金・出資金および科学技術振興調整費に付随して支給される間接経費」のY%、「奨学寄附金(委任経理金)」のZ%を「全学教育研究基金」拠出金とすることが、(X、Y、Zの具体的数字を除いて)既に全学の合意を得ている。同様にまた、査定べース(「前年度既存事業実績」+「前年度恒久的新規事業」−「前年度特殊要因」)に「狭義の効率化係数」+「全学協力係数」であるα、および物価調整係数βをかけることも(α,βの具体的数字を除いて)決定している。そこで総長=役員会は、中期計画初年度に中期計画中のX、Y、Z、α ,βの目安を示す。


また、総長=役員会は「支援部局効率化係数」の目安も示す。(なお、従来間接経費が措置されていなかった受託研究・民間との共同研究等の外部資金にも、研究支援経費を課す(注5)ことを現在検討中である。総長=役員会はこの研究支援経費の具体的率についても目安を示す。)


(ii) 各部局
 (a)上述の支援部局の機能と責任と、事業部局の機能と賛任について十分な理解をしたうえで、各部局はどちらになるかを退択する。


 (b)この際、支援部局となるためには、全学の多くの部局、教員、学生に十分なサービスを提供していることを総長=役員会に示し、承終を得なければならない。あるいは、日本全国に十分なサービスを提供していることを示してもよい。6(少数の図書や資料の貸し出し程度では不十分である。)教育研究事業部局となるばあいには、中期計画中にA・1,2)に記された部局収入で運営できるか、を検討する必要がある。


(c)もし、事業部局を選択するものの、今中期計画中にA・1,2)に記された部局収入で運営できない場合は、その旨を総長=役員会に報告する。これを受けて、総長=役員会は学内調整を行う。(学内調整の方法については後述。)


2)部局は、中期計画中に上述の事業部局、支援部局となる決定を変更することができる。 たとえば、全学あるいは全国にサービスを供給している部局で、中期計画初年度に事業部局を選択した部局は、総長=役員会の承認があれば支援部局になることができる。もちろんその際、支援部局の条件を満たす必要がある。また、事業部局を選択した部局が、中期計画中に部局収入での.運営が困難になったときは、総長=役員会に関連部局間調整を申請できる。


3)事業部局を選択した関連の深い複数の部局は、連結経営という形で一つの事業部局となることもできる。ただし、連結経営を行う場合は、総長=役員会の許可を必要とする。


4.学内調整


教育研究事業部局を選択した部局が、中期計画初年度または中期計画中に3.A−1,2 )に記された部局収入で運営できないと判断した場合は、総長=役員会に学内調整を申請する。総長=役員会は、社会的な必要性などの総合的な判断により学内の調整を行う。これは総合的判断によるわけだから、具体的な方法は定めない。以下に調整方法の一例を示すが、これはあくまで一例にすぎないことを断っておく。


(i)総長=役員会が、申請部局が明示した関連教育研究事業部局と話し合いを行い、これらの部局からの支援を要請する。関連部局の支援が得られた場合には、総長=役員会からも事業支援金を支出し、申請部局は、3.A-1,2)に記された部局収入に以上の支援金を加えた予算で、教育研究事業部局として運営される。


(ii)ただし、支援はあくまでも短期間である。たとえば2年間、総長=役員会からの事業支援金を保証する。


(iii)当該期間後、それでもなお3.A−1,2)に記された部局収入で運営できない場合、総長=役員会は、部局存続を含めて検討し、必要な措置をおこなう。たとえば、その部局を基礎とする新規事業をおこす。


5.部局運営時の二つのガイドライン


5.1.財サービス生産部門の効率運営:財サービスの対価と財サービス部門改廃の基準


 部局が財サービスを生産している場合は、効率的経営の視点から運営されなければならない。つまり、財サービスの対価とその生産部門の改廃の基準を、以下の方法で定める。まず、本部が標準的な原価計算の手法により、財サービスの製造原価を計算する。この際、原材料費だけでなく、人件費および設備の減価償却費も原価に算入する。(注7)次に、原価と財サービスの外部調達額を比較する。


ケース1:原価が外部調達額を上回る場合


この財サービスの生産は非効率であり、本部は超過負担をしていることになる。したがって、この財サービス生産部門の改廃を基本とする。(改廃の方法については別に定める。また、改廃後は、財サービスを購入または使用している部局は、外部調達額とこれまで払っていた対価の差額分を運営費交付金として受け取ることができる。(すなわち、財サービスを購入または使用している部局は、費用負担なく現状を維持できる。)ただし、財サービスの生産が教育や技術の継承・研究に役立っていると考えられる場合、総長=役員会はその点を十分勘案の上、改廃の決定をおこなう。また、総長=役員会が改廃を決定した場合でも、この財サービスを購入または使用している部局が教育研究の観点から希望するなら、原価マイナス外部調達額を本部に支払うことにより、この部門を存続させることができる。(つまり、これらの部局が本部の超過負担分を支払うことにより、当該部門を存続させることもできる。)この際、対価については、部局間で取り決める事とする。[そもそも、非効率な生産をおこなっているわけだから、正当な対価を決めるのは不可能。対価は、関連部局からの補助金と考えられる。]


ケース2:原価が外部調達額を下回る場合


この財サービスの生産は効率的であり、存続を基本とする。財サービスを生産している部局が、効率化係数や全学協力係数により財サービス生産のための予算を削減された場合は、削減分の範囲内で財サービスの対価に上乗せすることができる。[削減分の補填は、財サービスを廉価に購入している部局の受益者負担とする。]


5.2長期的運営と新施設


事業部局の運営は、長期的な視点からなされなければならない。特に、事業部局が施設を新設・使用する場合は、それに起因する様々な負担を認識した上で長期的かつ客観的な視点から運営可能であることを総長=役員会に示さなければならない。つまり、施設の新設は総長=役員会によって決定されるキャンパス計画に基づいておこなわれるわけだが、その際、新施設を使用する予定の事業部局は、新施設における経常的費用(光熱水費など)の専門家による客観的な見積もりを付して、計画を総長=役員会に提出しなければならない。計画に妥当性がない場合は、概算要求の段階で、新施設の建設を決定しない場合がある。


(注)


1授業料などは『運営絆交付金対象収入』であり、入ってくると自動的に『大学全体に対する』運営費交付金になる。したがって、「運営費交付金」は授薬科収入などを含む。


2「物件費報告書」では、「効率化係数」という言葉を用いているが、それはここで言う「全学協力係数」(全学的な恒久的新規事業資金捻出のための係数)のことであるので、注意されたい。この「報告書」が作成された時点では、国によって強制的に「狭義の効率化係数」が課せられ、運営費交付金のベースが年ごとに減少していくことはまだわからなかったのである。その後の予算編成の段階で、運営費交付金に強制削減率(「狭義の効率化係数」)が平成17年度以降課せられることがほぼ間違いないことが判明した。そこでここでは両者を含む形で表現している。なお、予算確定後の平成16年3月2日の法人化委員会で承認された「法人化後の人件費管理に関する報告書」では、この両者を最初から併記している。


3. 雑収入については運営費交付金の一部であり、この雑収入を見込んで部局への交付金が減額されている。実際の雑収入が見込み額を上回る場合も、下回る場合も部局収入とする。したがって、部局には雑収入を増やすインセンチイブがある。


4 柏事務所が支援部局を選択した場合、低い効率化係数がかかることによる負担は、柏地区の事業部局が負うものとする。各事業部局の負担割合については、別に定める。


5 正確には「委託元にこうした研究支援経費に対応する部分を追加することを申請する」ことになる。


6 なお、教育研究支援部局が他部局からサービスの対価を受けとる場合は、総長=役員会の許可を必要とする。


7 施設面積については、その所有者が総長=役員会であることを明確にし、さらにレント等の概念を導入して、これを原価へ算入することも検討課題である。 


以下「対照表」を略



1−2 思い起こす2003年度
      誰が何を言っていたか。


1−2−1 共同通信ニュース速報
 「学内の反対意見を抑えてきたのに、こんなことなら法人化反対
  と言いたいぐらいだ」


 来年四月から法人化する国立大への予算配分をめぐり、財務省が文部科学省に対し、大学予算の減額につながる方式に改めるよう打診していることが十二日、東京都内で開かれた国立大学協会(会長・佐々木毅東大学長)の総会で報告された。


 法人化法成立の際「十分な予算を確保する」との国会の付帯決議も受け、学内の反対意見を抑えてきた各地の国立大学長は「話が違う」と強く反発。国大協は「誠に憂慮すべき状況」と訴える異例の声明を出し、首相官邸や国会などへの働き掛けを強める。


 関係者によると、財務省は、法人化した国立大に配分する人件費などの運営費交付金について、使途を限定せずに各省庁の政策に充てる「裁量的経費」にするよう文科省に打診。裁量的経費は来年度の政府予算で2%削減が決まっている。


 文科省所管のほかの独立行政法人は運営費交付金が裁量的経費となっているが、国立大側は法人化の検討過程で対象から外すよう要求。衆院や参院も法人化法成立に際し「法人化前の公費投入額を十分確保するよう努める」と付帯決議をした。


 総会では、東京外国語大の池端雪浦学長が「学内の反対意見を抑えてきたのに、こんなことなら法人化反対と言いたいぐらいだ」と訴えた。


 ほかにも「予算が減るとは考えていなかった」(岩手大)、「ほかの独立法人とは違う前提だったはず」(名古屋大)、「学術が軽視されている」(横浜国立大)と反発が続いた。


 これを受け河村建夫文部科学相は「最大限の努力をする」と強調し、記者会見で佐々木会長は「事態は深刻。各学長の危機感が表れていた」と述べた。
(了)
[2003-11-12-20:03]



1−2−2 『朝日新聞』2003年12月2日付
 私の視点  東京大学学長 佐々木 毅
    「重大な決意をもって事態の推移を注視したい。」


◆国立大法人化 予算削減では失速する


 国立大学法人の発足まで4ヶ月に迫っているが、ここに来て予算編成との関係でその将来を揺るがす問題が浮上している。


 法案審議の過程で何度も政府側が答弁していたように、6年間の中期計画の達成度と改革の実績を評価し、それに応じて資源配分を変えていくというのが共通の了解だった。国立大学法人法が作られ、「教育研究の特性への配慮義務」が定められているのもこうした精神に基づいている。


 ところが、この複雑な制度改革を背負わされた法人が動くかどうかも見極めがつかないうちに、すでに運営費交付金の一律削減計画が文部科学省と財務省との間で練られ、05年度から実行に移されようとしている。これでは話があべこべだ。政府支出減らしの口実を作るためだけに国立大学法人法を作ったと自白するようなものである。


 当然、学長たちの間からは「話が違う」と不信感が高まっている。法人化の過程にかかわってきた一人として、重い責任を感じるとともに強い怒りを禁じえない。


 仮に現在、国立大学に投入されている国費が毎年1%、5年間にわたって削減された場合、その額は規模の小さな大学が20以上消滅する額に達する。この額は全国立大学の工学部全体の半分に達する額であり、医学部の3分の1が消滅する額に相当する。授業料などへの波及については即断できないが、やがてそれを押し上げる圧力がかかることは確実である。


 また、文科省が計画中の案が実施された場合、先端医療、地域の高度医療を担ってきた付属病院の将来がおぼつかなくなる。


 わが国の将来の発展が知識基盤社会に負うとすれば、理工系の大学院ほど重要なものはない。そこで圧倒的な割合の学生たちが学び研究しているのは国立大学である。自然科学系の研究業績において世界的に高いランキングを得ているのも一部の国立大学である。


 産学連携を含め、こうした知的資源の積極的活用が政府の施策であり、法人化もそれを後押しする手段であるというのが我々の見解だったが、現に政府が国立大学法人に行おうとしていることは長年にわたって蓄積した知的資源を自ら破壊することのように見える。


 人材の育成を怠るような政策と科学技術創造立国の建設とがつながるわけはない。


 それはまた、高等教育政策の不在を実証することになる。国立大学の運営資金の多くは国民からの貴重な税金であり、これを大切に使わなければならないことは当然である。


 しかし、ここで問いたいのは、その貴重な資金を使って運営するにたるだけの大学にするために、何を優先するべきなのか、そのグランドデザインなしに、目先の官僚的技術論が支配しようとしている点である。


 国立大学法人法案を審議し、決定した「政治」は、こうした事態の認識を踏まえ、識見を持って、政治主導でこの問題の解決に当たってもらいたい。役人たちは04年度の説明だけして削減計画を隠蔽するかも知れないが、「そんなことは知らなかった」では政治の責任を果たしたことにならない。


 とにかく削減するというのでは改革を主導してきた人々が基盤を失い、法人化は発足前に失速しかねない。我々は重大な決意をもって事態の推移を注視したい。



1−2−3 読売新聞ニュース速報


     「研究も教育も質が低下し、科学技術立国などおぼつかない」


来春に法人化される国立大への運営費交付金について、財務省が「2005年度から毎年約2%ずつ減らす」との方針を文部科学省に提示したことが、5日わかった。


既存の独立行政法人は交付金が年々削減されているが、大学については今年7月に成立した国立大学法人法で「教育研究の特性に配慮する」と定め、国会が「法人化前の額を確保」と決議していた。


このため、大学側は「約束が違う」と猛反発。大学の経費は大半が人件費で、削減が難しく、交付金の削減で多くの大学が破たんするとの声も出ている。財務省の方針では、大学の根幹をなす教育や研究など事業部門について、交付金算定の基準となる総事業費を毎年1%ずつ削減する。予算の半分を占める入学金などの自己収入がほぼ固定されているため、残り半分にあたる国からの運営費交付金(約1兆円)が事実上、毎年約2%減る。


国の財政の悪化で歳出が抑制される中、国立大の予算は従来、「義務的経費」として一律削減の対象外だった。既存の独立行政法人は毎年予算を削減されており、「大学も経営努力を求められた」(文科省)という。しかし、同省や各大学は「学生数を自由化すれば民業圧迫。授業料を上げ過ぎると国立大の存在意義がなくなる。経営がより自由な他の独立法人と同列に考えるのはおかしい」と反発。末松安晴・元東工大学長は「研究も教育も質が低下し、科学技術立国などおぼつかない」と話している。


[2003-12-06-03:11]



1−2−4 Yomiuri On-Line 2003年12月8日付
   学長辞任も 予算削減で国立大学協会が文科省に抗議


 来年4月に法人化される国立大の予算を巡り、財務省が2005年度以降の削減を文部科学省に提案したことについて、国立大学協会の佐々木毅会長(東京大学長)と石弘光副会長(一橋大学長)は8日、御手洗康文科次官に対し、「学長らが4月以降の学長指名を返上することも考える」として、慎重な対処を申し入れた。


 記者会見した佐々木会長は「我々は法人化について、財務的な(削減という)ことを約束した覚えは全くなく、話が違うという不満が高まっている」と述べた。


1−2−5 共同通信ニュース速報
  「学長返上」総会でも採択 予算削減案に国大協


 来春、法人化する国立大に国から交付する予算を二○○五年度以降、毎年削減する方向で検討が進んでいる問題で、国立大学協会(会長・佐々木毅東大学長)は十一日、東京都内で臨時総会を開催。河村建夫文部科学相あてに国大協の理事会が九日に提出した「学長の指名返上も念頭に置く」との要望書を総会としても全会一致で採択、方針の見直しを求めた。


 各学長からは「○五年度以降のことを法人化前の今、決める必要はない」などと反発が相次いだ。


 国大協執行部は、財務省から減収分を補う策として、授業料や入学金などの「学生納付金」が増加することを見込んだ案が示されたと説明。しかし、この案では学費の値上げになることから「地方大が値上げすれば学生が集まらなくなる」(佐賀大)と批判の声が上がった。
(了)
[2003-12-11-19:10]


1−2−6 辞任のススメ(窓・論説委員室から)
    2004.02.14 東京夕刊 2頁 2総 (全607字) 
      初志貫徹、辞任して世に問うてはどうか。


 国立大学の学長は、今年4月の法人化に抗議(こうぎ)して辞任する――。


 東大学長の佐々木毅(たけし)・国立大学協会長が昨年末、文部科学省に出した要望書には、そんな決意が盛られていた。


 自立性を高めるという法人化の理念は、予算の裏付けがなければ実現できない。だから発足(ほっそく)後しばらくはこれまでと同水準の予算を配分する。あとは各大学の実績でメリハリをつける。


 そんなはず、と思っていたのに、文科省と財務省が「一律削減(さくげん)」の方針を打ち出したのだから、学長さんたちがまなじりを決したのもうなずける。


 勢いに押されたのか、文科省は、部分的には大学の努力結果によって予算が増える仕組みを入れるなど、歩み寄った。削減幅も当初案より小さくなるようだ。



 佐々木会長は「それなりに改善されているが、問題は残る」と語る。国の05年度予算の概算(がいさん)要求で文科省予算にも枠がかかれば「一律削減」につながる可能性がある、というのだ。


 しかし問題の本質は、予算額の多い少ないではないはずだ。官僚が予算を通じて大学の首根っこを押さえる構造そのものにある。


 官からの「自立」のためには、そこをどう変えていくかという提案が大学側からもっとあってもいい。


 当初の「辞任」の決意はしぼみかけているようにも映るが、このままお茶を濁(にご)していいのか。初志貫徹(しょしかんてつ)、辞任して世に問うてはどうか。最初が肝心(かんじん)だ。〈山上浩二郎〉



1−2−7 意見広告の会ニュース77
【1-1】法人化に賛成した学長殿 
                山口大学事務職員50代掛長


 数千人の意見広告の会や全大教や法人化反対の政党のいろいろの行動が国会での法人化法案に付帯決議を生みました。


 微力ですが、私も意見の会に賛成しも数万円の広告費をカンパしました。全国の同志結集で全国紙に数回にわたり、数千万円の経費を掛けて意見を述べました。


 付帯決議で、悪化の歯止めがつけられたかに見えましたが、財政面で政府与党・財務省の恒常的な予算削減計画は、財政の停滞状況に導き、大学が財源を集中したほんの一部の分野しか陽が当たらないこととなります。


 今までの国立大学では毎年の定員削減計画により大変苦しんだ計画に匹敵する最悪の恒常的な予算削減計画です。


 数大学の学長は、国大協で反対の意見を述べられ、危険であることの警鐘を鳴らし続けられたと報道されています。 


 法人化に賛成した学長又は、意見を述べなかった学長は、直ちに行動を起こすべきです。現在要望書を提出したとしていますが、この計画が決定されたら、長期にわたり各大学に数億円以上のの減額が予定されていると報道されています。


 民間会社なら社長の判断ミスで、組織に多大な損害を与えた場合は、辞職する例もあります。


 これは、恒常的な予算削減計画を乗り切るために収入減を授業料等の大幅値あげでカバーするするしか方法がなく、国民に対して国立大学の良さを捨てたに責任もその学長にはあると思います。


 この1月に恒常的な予算削減率計画が決定がされたら、学内外の反対を押し切り、賛成した学長として組織に対して謝罪と損害賠償を考えるべきです。


 各大学は、恒常的な予算削減計画が決定されると、血のにじむような計画をこの4月から検討しなければなりません。


 教職員は、定員削減計画で教職員が減り恒常的な長時間勤務となり体調を崩す教職員も増大しています。この悪夢を恒常的な予算削減計画が更に増幅させることは、間違いありません。


 法人化に賛成した学長、及び了解を与えた学長は、行動するべきです。



2 大学財政危機打開をめざす国会内ポスターセッション
     3 rd Circular
     http://www.shutoken-net.jp/040922_1poster-format.html


ポスターの規格、参加費、およびポスターセッションの日程について
  2004年9月20日
国立大学法人法反対首都圏ネットワーク事務局


国会内ポスターセッションでの一ポスターの規格が決まりました(詳細は、別添のPDF ファイルを参照してください)。


 ポスターは一つ当たり縦1500mmm×横900mm以内の大きさで作成してください。別添PDFファイルに「ポスターの形式」の詳細を示しておきましたので、ご参照ください。


 このポスターをパネル(縦1500mmm×横900mm)に張っていただき、それを机の上に載せて展示することにしました。展示されたポスターの前にある机のスペースを使ってPCなどを置くことも可能です。ポスターを掲示するためのパネルは首都圏ネットが業者にレンタルおよび搬入・搬出を依頼します。ポスターセッションに参加される組織または個人は、パネルに張るポスターをご用意ください。


国会内ポスターセッション参加費について


 パネルのレンタル料、搬出・搬入料が必要となります。参加ポスター数によっても経費総額は異なってきますが、それでもなお、ポスター一つ当たり1万円をお願いすることになると思います。ご準備の方よろしくお願いいたします。


国会内ポスターセッションの日程について
:衆議院議員会館は10月27日(水)に決定!


 10月の第4週とお知らせしておりましたが、衆議院については、第2衆議院議員会館で27日(水)に行なうことが決定しました。参議院議員会館の日程はまだ決定していませんが、26日(火)または28日(木)のいずれかの日に設定したいと思います。ポスターセッションへの説明要員の派遣およびスケジュール調整をよろしくお願いします。


ポスターセッションに結集して、開会中の臨時国会に対して国立大学の財政的危機の実態を訴えよう!


 早くも2つの職組から参加の連絡をいただいています。また、首都圏非常勤講師組合も参加を決定しました。


 それぞれの大学からの「完璧な」報告と分析が求められている訳ではありません。部局、学科、研究室などにおいてこれまで蓄積してきたデータに基づき、財政危機の実態を具体的に提示することが重要なのです。さらに、超過勤務手当支給状況、非常勤職員給与・待遇・労働条件の実態、非常勤講師給与・旅費支給状況、雇用保険等による給与実質減の現状、事務作業の肥大化・煩雑化に伴う経費増など、職場からの生々しい報告を是非ともお願いします。国会内ポスターセッションによる現場データの集積と開示は、大学財政危機の深刻さを折から開会中の臨時国会にはっきりと示すことになるでしょう。そのことは、法人法成立時の附帯決議と明瞭に背反する事態が法人化された大学に出現していることを国会に知らせしめ、立法府としての責任ある措置を迫る第一歩となるものです。



3 種々の意味で危機を迎える都立大


3−1 開かれた大学改革を求める会(代表:西川直子)の声明
「首大」案認可答申に接して


見解
―設置審による「首大」案認可答申に接して―


2004年9月22日
開かれた大学改革を求める会(代表:西川直子)


【1】文部科学省の大学設置・学校法人審議会は、東京都の進める「首都大学東京」案に対して数々の問題点を把握しながらも、その設置を認める答申を文部科学大臣に提出したことが9月21日に報道されました。新大学計画をめぐる現状を冷静に考量するならば、この判断は拙速と呼ばねばならぬもので、きわめて遺憾です。


【2】しかしこの答申において5点にわたる「留意事項」が付されたことは、東京都の進めている新大学案が設置審によって明らかに「問題あり」と認められた証左であると考えます。(この他さらに3点のより根幹的な指摘が非公開で為されているはずです。)


 本来ならば、最低限これらの点が具体的に解決されてはじめて設置認可はくだされるべきです。ともあれ、指摘を受けた「留意事項」に対して東京都側は誠実な対処をするよう、大学設置者である東京都に対してはもちろんのこと、設置認可をくだす文科省にも強く求めます。


 ちなみにこの5点に即して、すでにこれまでことあるごとに公表してきた私たちの批判的認識を略記すれば以下のようになります。


1. 東京都大学管理本部は、現行の都立4大学がこれまで築いてきた教育・研究の蓄積を無視し、大学側との開かれた協議体制を築かぬままに新大学を発足させようとしている。


2. 「都市教養学部」がいったいどのような教育・学問を目指す学部であるのか不明である。教育・研究に必須の体系性がそこには認められない。


3. 単位バンク制には難点がきわめて多い。


4. 新大学は単位枠等の制約の緩やかさをあたかも利点のごとく喧伝しているが、その実は体系的な教育体制の否定に他ならず、責任ある大学教育を放棄するものである。


5. 学部と大学院の設計は一体に考えられるべきであるにもかかわらず、後者案はいまだに明確に示されていない。


 東京都大学管理本部、新大学理事長予定者、学長予定者らは、これまで私たちの声に耳を貸さず強引に進めてきた新大学案のどこに問題があるのか、これを機によく反省し自覚するべきです。


【3】東京都庁側と大学との間での開かれた協議体制、及び、現行大学に在学する学生に対する教育保障、という2点を主軸にこの間活動してきた「開かれた大学改革を求める会」では、これまで掲げてきた目標がまったく達成されていない以上、今後とも粘り強く従来の要求を主張しつづけてゆきます。


1. 新大学開学まで半年を残すばかりとなった現在にいたっても、いまだ解決されていない、それどころか認識すらされていない問題が山積されています。このまま2005年度新大学開学を強行するならば、新大学新入生は言わずもがな、現在在学している学生たちにとっても甚大な被害が及ぶことは誰の目にも明らかです。


 かくなる現実を承知しつつ来年度新大学開学の方針に従う東京都立大学総長以下執行部に対して、さらには冷厳なる現実を把握できていない大学管理本部、理事長予定者、学長予定者に対して、8月9日付声明を発した「開かれた大学改革を求める会」有志らは設置認可が最終的におりようとも引き続き、「新大学開学一年延長」を速やかに決断することこそが考えられうる責任ある最善の方策であるとの訴えを続けてゆきます。


2. 大学の独立法人化案が12月の都議会に諮られると伝えられていますが、大学の自治を重んずる現大学構成員の意見がここに充分に組み込まれてゆくよう、東京都に働きかけてゆきます。とりわけ、2010年度で廃止される予定の現行大学は法人化後にあってもこれまでと同等の学則のもとで運営される、という当然の措置がなされるよう強く求めます。


3. 今後現実に起きた被害に対しては訴訟等の手段を講ずることも念頭に置きつつ、事態を見つめてゆきます。


 以上。



3−2 教学体制の保全に関する要望書
      東京都立大学 学生・院生連絡会議 (2004.9.15)
                平成16年9月15日


東京都立大学人文学部長 南雲 智様
東京都立大学人文学部教授会 御中


教学体制の保全に関する要望書


私たちは、東京都立大学に在籍する学生・院生として、今後いかなる事態があろうとも、ゆらぐことのない私たちの地位と権利をここに確認するとともに、私たちの学習研究環境の保障に直接責任を負う教学体制の保全を求めて下記の要望を提出いたします。


いかなる外部の高圧的な管理も私たちの学習研究環境とは相容れない性質のものであること、私たち学生・院生すべては、都立大本来の教育と研究環境を当然に享受すべきであること、並びに、その自由な学生生活は脅かすことのできない価値であることをご理解いただきたくお願い申し上げます。




私たち東京都立大学の学生・院生は、これまで一貫して私たちの学習研究環境の保障を求めてきました。しかし、現在まで具体的な回答は何一つ示されていません。このような中で、公立大学法人首都大学東京定款(たたき台)が示され、その附則第11項は、「第19条第1項に規定するもののほか、法人に旧大学ごとに当該大学の教育研究に関する重要事項を審議する機関として、教育研究審議会を置く」としており、さらに同12項は、現大学の教育関連事項を決定するにあたって、首都大学東京の規定を準用するとしています。


 現在、東京都立大学においては、カリキュラムの編成、論文審査に関する事項、学位の授与などは、東京都立大学学則と学部規則、あるいは大学院学則、学位規程等にもとづいて教授会の権限とされています。すなわち、私たちの教育研究に関する責任主体ならびに学習研究環境の保障主体は、各学部あるいは各研究科の教授会となります。東京都は、私たちが東京都立大学に入学したことをもって、入学時の学則等によって定められた高等教育を提供する契約を締結しました。当該契約内容は、契約当事者が東京都から公立大学法人首都大学東京へ変更されたとしても、信義則上、影響を受けるものではありません。私たちは東京都立大学において、教授会等の現体制の責任のもと学習研究環境が保障されることで、初めて契約の履行を得られたことになるのです。


ところが、定款附則11項は「法人に旧大学ごとに当該大学の教育研究に関する重要事項を審議する機関として、教育研究審議会を置く」としているのみで、「教育研究審議会」と現大学の教授会との関係が明らかでなく、教授会が本来の機能を果たすことができるかについて危惧を招くものです。私たちの学習研究環境の保障主体である現大学の教授会が、今後十分にその機能を発揮できない状態におかれるならば、公立大学法人首都大学東京が私たちに対して契約を履行するのは不可能となります。また附則12項は、現大学の教育関連事項を決定するにあたって、首都大学東京に適用されるべき規定を準用するとしていますが、新大学である首都大学東京の体制がいかなるものであろうと、そのようなものは現大学に在籍する学生・院生にいささかも関係のないことです。公立大学法人が発足するにともない、現東京都立大学の学則が不可避的に改変されるとしても、新大学である首都大学東京の体制を東京都立大学に適用することは、当初私たちが入学時に締結した契約に明らかに違反するものです。まして学則の改変が正規の手続きを経て行われなければ、とうてい私たちの受け入れられるものではありま
せん。



人文学部教授会におかれましては、教育研究事項についてその責任を全うしていただくとともに、私たちの学習研究環境の保障に万全を期していただきたく、ここに要望いたします。


東京都立大学 学生・院生連絡会議
学生自治会執行委員会
人文科学研究科院生会
史学科院生会
社会科学研究科院生有志
連絡先:renrakukaigi@yahoo.co.jp

tjst |9月24日 |URL:http://www.ac-net.org/dgh/blog/archives/000624.html |意見広告の会ニュース
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