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「国大協への署名運動」(he-forum 1093,Reform 2986)の呼びかけ人に加わっているものとして、少し発言させて頂きます。 国立大学の独立行政法人化を最後に決定するのは国会ですが、そこに到るプロセスの無数のステップで、小さな選択が積み重なっていきます。6月14日の国立大学協会総会で、独立行政法人化の詳細を決める調査検討会議に国立大学協会として参加することを全会一致で決めました。 この選択の意味は各学長の解釈に委ねることになっているそうです。一般の国立大学教員が関与可能な最終段階とも言える選択であったと思うのですが、国立大学内部の大半の者が何も知らされることもないままに、このような灰色の選択が行われてしまいました。 それから一月近く経ち、この機会を活かすことに関心が移っている方も多いようです。しかし、会議参加が、独立行政法人通則法ベースの法人化を容認する行為であることは、言葉でいくら否定しても否定しようもないことです。重要なステップにおいて、明確な意思決定を避けて灰色の選択をして譲歩したことは、今後の種々の交渉の場での国立大学の発言力を弱めることになると危惧されます。 こういった灰色の選択を積み重ねた末に最後に空から「決定」が降ってくるが誰にも責任がない−−こういった経緯が、これまでの流れを外挿すると予想されます。大学教員を主とする、わずか12万人余の社会が、自らの行く末にかかわる問題について意思決定をひたすら避けて成り行きに任せる姿勢を取り続けるならば、日本社会の行く末に深刻な影響を与えずには済まない、と暗澹たる思いがしています。 国立大学内部には閉塞感が蔓延していると聞きますし実際にそれを感じることも少なくありません。<今の「ニセモノのアカデミズム」を養護することになる「独法化反対」に与することもできない>というメールも最近頂きました。しかし、これまでも繰り返し申してきましたが、既得権の厚い壁の前に、内部からの解決がどれほど困難に見えても、地道に壁を穿ち風化させ崩していく努力を積み重ねることを放棄して外から一気に壁を破壊してもらおうとする誘惑、これには何としても抵抗しなければならない、と思います。 2000.7.11 辻下 徹[reform:02992]より
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