[amp 07-06-12] 常任理事会の回答, 不当労動行為, 広島電鉄,ほか

                                          平成19年6月12日(火)
RU教員およびAPU教員 各位

┌1───
│記録:常任理事会の「春闘回答」2007.5.31
   「2007年度立命館教職員組合連合への常任理事会の提起」
    〜立命館教職員組合連合要求書への回答の基本的考え方〜
    https://j-union.com/-/rits-union/file/html/open/2007kangaekata.pdf

(抜書)
  p13「教職員の処遇についての基本的考え方」より:

   『常任理事会は、「高度で多様な教職員処遇制度」を構築するこ
     とにより、教職員の奮闘に応え実践と結果に応じた待遇・条件
     が整備され、高い到達点に達する教職員には私学トップクラス
     の待遇・条件もありうるという、活力とダイナミズムを生み出
     す制度へと転換する必要があると考える。2007年度は、世界に
     通用する私立総合学園としての立命館にふさわしい処遇政策を
     構築する大きな節目の年とする。』

  p15 「常任理事会としての具体的な提起」より

    基本賃金と一時金について

     ・基本賃金→定期昇給のみとする。
       *APU教職員(立命館大学からの移籍教員を除く)は 1号俸アップする。

     ・一時金→5.1ヶ月+10万円とする。
       *一時金支給は、夏季 2ヶ月(6月15日支給)
        年末 3.1ヶ月+10万円(12月10日支給)とする。

   ─1a─
   組合要求書への回答詳細:ゆにおんNo29(2007.6.4) より
   https://j-union.com/-/rits-union/file/html/open/07unionNo29.pdf

   p5 組合要求「2005・2006年度にカットした1ヶ月分について、全
   教職員に遡って支給すること」への回答:

      『2005・2006年度一時金に関わる協議は各年度において終了し
        ている。 』


 ¶一昨年、前理事長が主導してきた「旧体制」は明確な理由もなく
   全教職員の給与5.5%カットを提案し、合意形成のきざしもないま
   まにカットを断行した。どうして「協議は終了している」などと
   いう物言いを「新体制」がするのであろうか。長年培われてきた
   学園内の相互信頼を瞬時に破壊した旧体制の失政を新体制は支持
   し継承することを表明してしまったわけだが、旧体制の浅慮によ
   る信頼感の消滅が徐々にもたらしつつある学園の荒廃について、
   新体制は何も感じないのであろうか。

   多くの人が指摘しているように、新体制も前理事長が主導してい
   て旧体制とは何ら違いはない、ということが証明された、と考え
   るしかないようである。形式的引退劇を敢行した理由について、
   退職慰労金倍増事件で学内外の多くの人は妙に納得してしまった
   のは、真偽のほどはわからないが仕方のないことである。本当に
   興醒めなことであった。

   17年前の第四次長期計画委員会の第一次答申書(1990.4.11)には

    『少くない私学で改革をめぐって法人と教学機関の対立が改
      革そのものをおしとどめる事態をまねいている状況のなか
      で、本学は大学改革のモデルとして注目を集めている』

   という文言がある。いま、法人は教学機関を完全に支配しようと
   して、立命の強みと言われていた法人と教学機関の信頼関係を破
   壊してしまった。かくまで独善的で硬直化した法人の暴走が何年
   にもわたって放任されるまでに教学機関と組合が弱体化する時が
   来ようとは、当時の立命館教職員は想像もできなかったのであろ
   う。

   合意なしの一方的賃金カットという違法行為により、教学機関と
   法人の間の信頼関係という樹は根もとから伐裁されてしまった。
   回答書が示唆するような成果主義で教学機関をコントロールする
   ことに新体制=旧体制が成功したとしても、信頼関係が根本から
   失われた学園の未来に、何かわくわくするようなものがあるのだ
   ろうか。

┌2───
│ 記録:「総長懇談会」2007.6.8

   ゆにおん No 32 ( 2007.6.8 )
   https://j-union.com/-/rits-union/file/html/open/07unionNo32.pdf

   (抜書)『今回のような事実上の「決議書を理事会が批判する」場
    に対しては、専門家からは「不当労働行為の可能性」の指摘も
    ありましたし、その問題は、常任理事会の回答書自体にもある
    と指摘されました。しかしながら、私たち教職員組合は、そう
    いう重大な問題点があったとしても、それを指摘するより話し
    合うことが学園のためであると考えました。したがって、教職
    員組合は、常任理事会の誠意ある姿勢は必ず得られるものと考
    え、さしあたっては、「労働委員会への救済申し立て」などを
    行う考えはありません。ただただ、常任理事会が批判に積極的
    に耳を傾け、業務協議会の開催に応じることを訴えます。』

 ¶ 理事会回答書にある組合への恫喝に、組合が萎縮してしまった
    ように感じたが、それが誤解であることを祈りたい。

┌3───
│ 記録:ゼネラルユニオン:立命館を再び不当労働行為で訴え
         2007年6月4日
     http://gurits.exblog.jp/5702689/
   申立書:http://www.generalunion.org/doc/070604ULP.pdf

  (抜書)『今回の焦点は、立命館大学で非常勤講師として働いてい
   る、ゼネラルユニオン副委員長に、1年半も前に雇い止め通告を
   出したこと、「外部の組合に事務所はいらない」として、労組事
   務所の貸与について検討すらしないこと、そして、当局が、ゼネ
   ラルユニオンのニュースだけを、掲示板からはがしたこと、の3
   点です。』

 ¶申立書は約16000字あり、立命館の一側面を詳細に浮きぼりにし
   ている。問題の根は深く、読むと憂鬱な思いにかられる人も多い
   はず。

   なお、「2007年度立命館教職員組合連合への常任理事会の提起」
   のp22に

   『現行の大学非常勤講師給の改定に向けて、そのありようについ
    て、2008年度から実施できるよう、検討を行うものとする。』

   という部分があるが、ゼネラルユニオンの同趣旨の要求には無回
   答であったことも「不当労働行為」になるようだが、この件は、
   この申立書にはない。

┌4───
│転載 [ml-bkc-mf 110] 立命館における労働運動の 「再生」をめぐって
    2007.5.31

『本日の朝日新聞に、添付しておきました河西論評が掲載されまし
  た。日ごろから、考えている事柄が明瞭に述べられており、気持
  ちがさわやかになりました。

 そこで皆様方と、一度、ここで提起されている論点を深めたいと
  思い、このメールを出すことを思いつきました。

 ご関心のもたれた方は、お返事をください。よろしくお願いします。』

 ¶堀 雅春 教授(法学部)からの投稿。

  ─4a─

 (私の視点ワイド)『労働運動再生 広島電鉄の好例に学べ』
  河西宏祐     朝日新聞 2007年5月31日 朝刊
  http://ac-net.org/rtm/f7/070531-hiroshimadentetsu.html

 『労働運動の停滞がいわれてから久しい。組織率は年々低下を続け
  ている(2006年12月時点で18・2%)。正社員中心の企
  業内組合が、非正規社員の増加に対応できなかったからである。
  非正規社員は全雇用者の33・2%(06年)に上っている。労
  働運動再生のカギの一つは非正規社員の組織化にある。

  この課題の解決策は、それほど難しいことではない。(1)職場
  の働く者は毎日気持ちよく仕事をしたいのだ。仲間の間に格差な
  どはないほうがよい。そんな感情を誰もが大事にすること。(2)
  非正規社員を組織化しなければ正社員の労働条件も低下していく。
  この「原則」を正社員が自覚すること。(3)職場内の格差はや
  がて勤労意欲の低下を招き、いずれは生産性の低下にもつながる。
  それを経営者側も自覚すること。

  好例がある。路面電車やバスを運行している広島電鉄(広島市)
  も現在、契約社員および契約社員から登用された正社員が電車・
  バス運転手の約2割、車掌の約7割を占めている。運転手や車掌
  らが組織する労働組合(私鉄中国地方労働組合広島電鉄支部)は
  「このままでは組織労働者の方が少数派になる」と危機感を抱き、
  契約社員の組織化に取り組んでいる。

       (中略)

  そして昨年の秋闘、ついに「正社員・契約社員の賃金体系と労働
  条件の統一を目指す」ことで労使が合意した。それは全契約社員
  の正社員化と契約社員制度そのものの廃止につながると予想され
  る。

  これらは最近の組合運動のなかでは突出した成果だろう。同労組
  の役員は「労働条件は必ず低い水準に並んでいく。契約社員が多
  数になれば、労働条件は契約社員の方にそろえられる。契約社員
  の組織化は正社員にとっても死活問題なのだ」と語る。上記(2)
  の「原則」に忠実に従っているに過ぎない、ということだ。

  (以下 略)

  かわにしひろすけ 早稲田大教授〈労働社会学〉 42年生まれ。
  千葉大名誉教授。98年から現職。「電産の興亡」などの著書が
  ある。』


┌5───
│記録:退職慰労金倍増事件についての学友会の意見表明
   立命館大学学友会Blog より
   http://gakuyukai-rits.blog.drecom.jp/

 ─5a─
  学友会中央常任委員会 2007年5月21日
    理事長・総長退任慰労金内規の改定に対する声明
  http://gakuyukai-rits.blog.drecom.jp/archive/60

  (抜書)『私たちの多くは、父母の経済負担に拠りながら毎年社系
   でおよそ100万円、理系で150万円以上の学費を納めている。これ
   を捻出するために授業以外の時間のほとんどをアルバイトに費や
   す学生も少なからずいる。このような負担を強いていながら、本
   学では、未だ毎年学費が値上がりするシステムがとられている。
   これに対して学生は反対し続けてきたが、理事会は「学費の重み」
   を受け止めると言いながら、理事会の「責任」の名の下に毎年学
   費値上げを行ってきている。それだけに留まらず、2003年度の全
   学協議会では、学費改定議論を見守る多くの学生の前で議論を一
   方的を打ち切った。

   このような背景がありながら、自らの退任慰労金については、自
   分たちの都合のいいように規定を改定していると受け止められて
   も仕方のない今回の決定は、「学費の重み」に応え、学生への
   「責任」を果たすどころか、不公正で、非民主的な態度であると
   強く憤りを覚える。

   加えて、5月16日発行の「立命館大学新聞」の記事で理事会は、
   「事業規模の大幅な拡大」への貢献と民間企業との比較を挙げて
   今回の決定の妥当性を説明しているが、事業拡大などをもって功
   績とし、民間企業に合わせて慰労退職金を倍増するのでは、営利
   を主目的としない学校法人の責任者としての見識を疑わざるを得
   ない。』

 ─5b─
  学友会、院生連合協議会 2007年5月28日
    理事長、総長の退任慰労金内規の改定に関する意見書
   http://gakuyukai-rits.blog.drecom.jp/archive/61

 ─5c─
  (6.10)理事長・総長への慰労退職金についての説明会(6/8)を受けて
  http://gakuyukai-rits.blog.drecom.jp/archive/63

 (抜書)『大学側の説明は、

  (i) 今回の慰労金に学生納付金は当てていない、それ以外の収入
  から充てていること。

  (ii) 前理事長や前総長に退任慰労金を支給したのは、在任期間中
   の功労。BKCの開設、APUの開設、BKCローム記念館など。それと、
   これまでの慰労金の後払い的な性格を改善した。

  (iii)役員には経営の成果として慰労金をもらっている。通常の給
   料とは違う。

  (iv) 事前説明がなかったとあったが、役員に対する方針はみなさ
   んと事前に相談して決めるものではなかった。そういう性格では
   ない。もっと分かりやすくいうと、職員の給料なども学友会や院
   生協議会にははからない。これと同じ。

  の4点でした。』

  ¶学生部部長の種子田教授が説明したとのことだが、(i)は学費外
    収入を特別会計として扱っていることを意味するが、それは事
    実であろうか。

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