[amp 08-09-30] APU専任職員Kさんの弁明書

立命館学園教職員の皆様へ

─目次────────────────────────────
 1─Kさんの弁明書 2008.9.29
 2─審査委員会への出席要請(08.9.19)
 3─Kさんの母親から立命館への手紙 (2008.5.26)
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 立命館憲章は、自主、民主、公正、公開とともに非暴力の原則を貫
 くと謳っています。暴力には、身体に傷を与える暴力だけでなく、
 心に打撃を与え傷付ける非物理的な暴力があり、後者は前者以上に
 悪性となることもしばしばあります。
 
 新任教職員の就任式で「君たちの代わりはいくらでもいるから、や
 めたければいつでもどうぞ」という学園トップの「歓迎の辞」が何
 年か続いています。新しい職場への希望と期待、これは人生の中の
 最も大きな喜びの一つともいえると思いますが、それを最初から奪
 うことは暴力に分類できます。この「歓迎の辞」は、立命館におけ
 る非物理的暴力に対する寛容さを象徴するように感じます。実際、
 立命館では非物理的暴力が蔓延し、働く人たちの心を深く圧迫し、
 ときには深く傷つけ、大学としての機能を深いところで大きく阻害
 している懸念があります。
 
 この3年ほどRU・APU両大学の教職員の方々に、直接には存知あげな
 い方にもメールをときどき差し上げているためか、この種の暴力に
 ついてときどき情報をいただくことがあります。その中でかなり深
 刻と感じる例を紹介したいと思います。
 
      ◇  ◇  ◇  ◇  ◇  ◇  
 
 専任職員のKさんは1998年3月に立命館経営学部を卒業後、銀行勤務
 を経て2004年5月にAPUに就職しましたが、2005年12月に鬱病を発病
 し、それ以降病気休業されています(今年8月からは自宅待機)。医
 師は「鬱病の発症の原因として上司との人間関係が考えられる」と
 診断しました。Kさんの鬱病の原因と考えられる上司の激しい叱責
 行為(Kさんの母親の手紙【3】参照)について、学内のハラスメン
 ト委員会は、ハラスメント行為はなかったと結論したものの、
 
    「ハラスメント行為に該当しないとしても、面談時に激
     しい口調で机をたたいて話しをしたことが、申立人に恐
     怖感を与えたことについて、反省し、本人に謝罪する必
     要がある。」
 
 と述べていますが、現在にいたるまで、謝罪は行われていないそう
 です。
 
 立命館から労災保険(*1)ではなく私学共済の傷病手当(*2)を
 申請をするように指示されたため、傷病手当を申請し、06年2月から
 今年の1月まで受給しています。
 
  (*1)労災保険は、標準報酬額の8割と休職中の給与ーー立命館
   では、就業中の傷害が原因ではない休職期間の給与は、標準報酬
   額の2割ーーとの差額を支給。
 
  (*2)傷病手当金は、標準報酬額の6割と休職中の給与との差額
   を支給。
 
 傷病手当受給には3ヶ月毎に申請が必要ですが、昨年11月から今年の
 1月までの受給申請の際に提出した診断書は偽物だとして立命館はK
 さんを詐欺罪で刑事告訴すると3月に伝えました。7月16日の常任理
 事会でK さんの懲戒についての調査委員会が設置され、7 月末に総
 務部次長がKさんと面談し、辞職するなら刑事告訴はしない、と辞
 職を勧めましたが、Kさんは職場復帰を望んでいます。
 
 9月19日には審査委員会への出席要請書【2】がKさんに届きました。
 審査委員会としての見解がまとまったので弁明の機会を設ける、と
 書かれていますが、「委員会の見解」は概要すら記載されていませ
 ん。出席するまでKさんには「見解」の内容を伝えず、会議で見解
 を初めて伝えて即座に弁明させるという段取りは、弁明の機会は形
 だけのもので結論はすでに決まっていることが伺えます。Kさんが
 委員会に送付した弁明書【1】が言及している法人の対応には不可解
 な点があり、常任理事会が十分な審議をせずに調査委員会の報告を
 鵜呑みにして結論を形式的に承認するようなことがあると、立命館
 の社会的信用が傷つくことになるのではないかと、心配です。
 
      ◇  ◇  ◇  ◇  ◇  ◇  
 
 パワハラは第三者にはわかりにくい面もあり、これまで紹介はして
 きませんでした。遮二無二の学園規模拡大が現場における非物理的
 暴力によって支えられ、学園の規模拡大の結果である半端ではない
 仕事量と責任の重さのストレスが現場における非物理的暴力を誘発
 していることも推測され、この状況が立命館が陥っている深い混迷
 の大きな要因になっていながら隠蔽され放置されていることにより
 立命館の病状が深まり社会的信用度が低下していき、「発展」への
 努力が実は崩壊を早める「努力」になっている危険性が感じられま
 したので、Kさんの状況を紹介しました。
 
 憲章にある「非暴力」の理念と両立するような発展が模索されるきっ
 かけの一つになればと思います。
 

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 │Kさんの弁明書 2008.9.29

 ¶これは調査委員会の出席要請書【2】に対する回答。
 ¶イニシャルまたは伏字は編集時に変換したもの。


                         2008年9月29日

                             弁明書

  審査委員会委員長 
  若林 洋夫 様

                          K

 08年3月24日に**副事務長から文書で指摘された、07年11月13日提
 出診断書、08年1月28日提出「傷病手当金・傷病手当金付加請求書」
 の疑義については、08年3月30日と08年4月9日提出の文書および、
 08年7月31日と08年8月12日の面談でご説明した通りです。この診断
 書は、私が数年前にカトリック教会で知り合い、医者でありながら
 司祭を目指しておられたN先生に書いていただいたものです。当時
 私は、N先生に、無償で往診して頂き、カウンセリングや、リハビ
 リを行って頂いておりました。このことは、**副事務局長が、母
 にも確認されていることです。私は、今でも、命の恩人であるN先
 生が偽医者であったとも偽名を使っていたとも思いませんが、万が
 一そうであったとすれば、私がN先生に騙されたのであって、私が
 学園や私学共済を騙したのではありません。私がN先生に騙された
 ことが、懲戒事由となるのでしょうか。
 
 しかも、「N先生から書いていただいた診断書が偽物である」との指
 摘を受け、熊本市民病院や、おがた整形外科からその期間、本当に
 病気であり、かつ両方の病院に通院していたとの診断書や傷病手当
 金・傷病手当金付加請求書を発行してもらい、大学側に提出してい
 ます。これらの新しい書類で、私が嫌疑をかけられるようなことが
 ないことを証明できるはずです。
 
 08年7月31日の**次長の次の言葉が耳を離れません「君が何と言お
 うと偽物の診断書だ」「騙された人間が、何で、騙した人間のこと
 を信用するの そんなことバカのすることだ」「あなたとの雇用関係
 についてはもう切りますから」。**次長は、その日、私が何を弁
 明しても、私の言うことは信用できない、診断書が偽造である、と
 断定し、もし私が退職しなければ、刑事告訴や懲戒解雇をすると迫
 りました。
 
 私は、05年12月から病気療養中ですが、率直に申し上げて、この間
 の学園の対応には、多くの疑問があります。
 
 第一の疑問点は、労災保険についてです。当初の診断書に「鬱病の
 発症の原因として上司との人間関係が考えられる」という記載があ
 りましたが、学園はこの件を労災として申請していません。私は、
 労災のことはよく分からないのですが、ある相談員の方がそれは労
 災隠しにあたるのではないかとおっしゃっていました。今からでも、
 労災として申請をしていただきたく存じます。
 
 第二の疑問点は、私学共済についてです。私はこの間、学園を通し
 て「傷病手当金請求書」で私学共済の傷病手当を申請してきており、
 そのお金は、私学共済からの傷病手当であると信じておりました。
 ところが、私学共済に問い合わせたところ、08 年4月ごろ「あなた
 から傷病手当金は請求されていない」との回答をもらいました。08
 年7月に、そのことを学園に照会すると「大学側が、あなたの傷病手
 当金を立て替えている」ということでした。一体私がこの間提出し
 た「傷病手当金請求書」はどうなってしまったのでしょうか。どう
 して、大学が立て替えるということが行われたのでしょうか。
 
 この間、全く身に覚えのないことで、退職しなければ告訴する、退
 職か解雇かどちらかしかない、と何度も迫られ、大きな苦痛を味わっ
 て来ましたが、このたび、懲戒の手続きが進んでいるということで、
 このまま懲戒解雇にされてしまうのかと思うと、非常に不安です。
 
 08年8月より自宅待機命令が出ていますが、幸い、右腕神経叢引き抜
 き症候群も改善してきております。一日も早く、復職して、学園と
 学生のために役に立ちたいと思っております。


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│審査委員会への出席要請(08-09-19)
 ¶イニシャルまたは伏字は編集時に変換したもの。


                          2008年9月19日
  K 殿

           審査委員会への出席要請


  審査委員会委員長 若林洋夫


 K課員に、就業規則に定める懲戒事由に該当する疑いがあると認め
 られる行為が判明したとして、常任理事会のもとに審査委員会を設
 置し検討してきました。審査委員会としての見解がまとまりました
 ので、K課員の弁明の機会を設けます。以下の日程から選んでくだ
 さい。返答の期限は、9月26日(金)とします。場所は、来校の日程が
 決まり次第、お知らせします。旅費については、九州横断特急の往
 復運賃と別府〜APU間のバス料金を支給します。
 
   (1) 10月2日(木)13時〜15時、立命館大学アジア太平洋大学
   (2) 10月6日(月)13時〜15時、立命館大学アジア太平洋大学
 
 何らかの理由でどうしても来校できない場合は、弁明の文書を送っ
 てください。すでに2008年3月24日および2008年4月3日に谷中晃APU
 副事務局長名で弁明を求めた文書に対し、2008年3月30日および
 2008年4月9日に返信されている文書がありますが、つけ加える事柄
 があれば送付してください。文書の締切りは、9月30日(火)とします。
 
 弁明のための来校の返答ならびに弁明の文書が期限までに届かない
 場合は、弁明の機会を放棄したものと看做します。
 
 連絡等の窓口は、**アドミニストレーション・オフィス課長です。
 
 以上


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 │Kさんの母親から立命館への手紙 (2008.5.26)
 ¶イニシャルまたは伏字は編集時に変換したもの。

  学校法人立命館
  立命館アジア太平洋大学
  アドミニストレーション・オフィス
  課長 ** 殿
  
  拝啓
  
  初夏の候、ますます御健勝のこととお喜び申し上げます。
  
  5月22日のFAX、有難うございました。Hが心身ともに非常に具合が
  悪いため、本人からの依頼により、私が代理で手続きを行います。
  本来は、成人し社会人たる本人が行わないといけないのですが、心
  身不調のため、失礼をお許しください。貴殿からのご質問に、回答
  します。
  
 1. Hについて
  
  (1) 6月1日からの休職について
   本日(5月26日)、受診した際に発行して頂いた診断書を送付します。
  
  (2) 4月1日から5月31日の休職について
  
  貴殿は、Hから“休職願い”を受け取っていらっしゃらないとのこ
  とですが、本人に聞きましたところ、「4月28日の面談時に渡してい
  る」とのことでした。また、本人の鞄の中を探しても「休職願い」を見
  つけることが出来ませんでした。恐れ入りますが、今一度、ご確認
  ください。念のため、再提出の「休職願い」を同封します。
  
  熊本市民病院 麻酔科 橋口先生から本日発行して頂いた診断書も同
  封します。どうぞ、ご査収ください。
  
 2. 私との面談について
  
  私は、貴殿らとお会いする立場にありません。Hが、貴法人と雇用
  契約を締結しています。私が、貴法人と雇用契約を締結しているわ
  けではありません。今後のこと、手続き関係などにおいてもHにご
  説明ください。
  
  また、机をバンバン叩いて恫喝するという、社会人では行ってはな
  らない行為を**氏が行い、大学側としても「謝罪する必要がある」
  と述べておきながら、今まで一度も謝罪がないことに対して強く憤
  りを覚えます。Hの依頼した弁護士、および私の義兄で弁護士をし
  ている者に、録音を聞かせましたところ、明らかに傷害罪に該当す
  るとのことでした。
  
  もちろん、Hが仕事で失敗したことはあるでしょう。しかし、それ
  を注意するにしても限度があります。今回の件でHは、金銭的にも
  大きな損害を得ているだけではなく、順調な人生をも狂わせられた
  ことに肉親として怒りの頂点に達しています。弁護士らと共に大分
  地検に出向き、告訴状を提出しようとしましたが、Hが提出を待つ
  よう、係官の前で述べましたから、現在まで告訴していません。
  
  日本経済新聞08年3月28日の朝刊には、被疑者の取調べに警察庁が監
  督官をおくという記事が掲載されました。貴法人は、Hの件がハラ
  スメントに該当しないとの判断です。しかし、警察庁は逮捕された
  被疑者に対する取調べにさえ、机を叩くことなどを禁じています。
  **氏は、警察でさえ禁止している行為をしているではないですか。
  いくら成人した子であるとはいえ、親として断固見過ごすことは出
  来ません。
  
  我が家は、下級ながら武士の家柄です。4月28日に貴殿らとHが面接
  した後、本人が普段使わない茶室に何度も足を入れておりました。
  なんだろうかと思い、しばらくして茶室を開けますと、そこには白
  装束をまとい、代々伝わる短刀を正面に置き、正座している本人が
  おりました。慌てて短刀を取り上げ、なぜこのようなことをしよう
  としたのかを尋ねますと、「これ以上迷惑をかけることは出来ない。
  ご先祖様に顔を合わせることが出来ない」としきりに述べていました。
  誰に迷惑をかけるのか尋ねても、決して答えようとはしません。面
  接のときに何があったのかは存じませんが、息子の自害直前に何度
  も出くわしますと、心配で夜も眠れません。
  
  長々と、さらに不躾な手紙になりましたことをお許し下さい。この
  ような経緯からも、お会いすると一気に私の感情が爆発しそうです
  ので、面談は控えさせてください。
  
  季節柄、どうぞ、ご自愛ください。
  
                       敬具

                        2008年5月26日   

                        ** **子   

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│¶以下は発信人の註.