[amp 07-12-12] 労働者代表選挙の状況、総合教育院の諸問題、ほか

                                          平成19年12月12日(水)

立命館学園教職員 各位

  立命館大学では25名余の専任教員を擁する教員組織「総合教育
  院」(仮称)の案が全学討論に付されました。教対会議では激し
  い議論があったと伝え聞いていますが、教学機関の集約日は12
  月19日、事務諸機関の集約日は12月13日という具合に、来
  年4月設置を目指して突貫工事が進んでいます。

  11月に常任理事会の下に設置された総合教育院具体化検討委員
  会による11月末の答申案によれば、総合教育院を「教員組織」
  と規定しながら教授会は置かず、所属教員を構成員とする会議体
  は「教員会議」だけであり、しかも「総合教育院の審議事項」と
  いう表現はありますが「教員会議の審議事項」は規定がなく、実
  質的な審議や決定は「総合教育院運営会議」が行い、「総合教育
  院教員会議」は、上意下達の連絡の場だと伝え聞くアジア太平洋
  大学の「教員会議」に近いものになる可能性が大きいように感じ
  ます。こう見ると、立命館大学における従来の学部・研究科や来
  年度発足する総合理工学院とは似ても似つかぬ教員組織ーー組織
  の長を所属教員が選べず、所属教員の合議によって運営されるこ
  とのない教員組織が誕生しようとしているようです。

 来年度にスタートする「総合理工学院」においても学院教授会の
  他に「学部教員会議」が置かれる予定ですが、「理工学部教員会
  議」が現在の学部教授会と同じ機能を担うことが理工学部教授会
  で合意されています。「教員会議」という名称が、総合理工学院
  と同類の教員組織であるという印象を与える「総合教育院」(仮
  称)では、実質的な審議機能がもたないと推測される会議に用い
  られていることは、無用の混乱を招く心配があります。

  現在でも、教授会において発言し投票する機会を与えられていな
  い専任教員は少なくなく、そのことは教学機関の弱体化を象徴す
  るものとなっていますが、そのかたがたが集まり定員増を加えて、
  学部規模の教員組織を形成しながら教授会をもたないということ
  は、教学機関の弱体化が進行し明確な形態をもつに至る事態と、
  言うこともできると思います。

 「総合教育院」を教員組織にするのであれば当該院の意志決定の場
  としての教授会を置き、そうしないのであれば、「総合教育院」
  は全学教育にかかわる諸機構の調整機関としての性格を明確にし、
  関連教員は合議機能をもつ教授会のいずれかに所属して大学運営
  への発言権を獲得するようにすることが、経営と教学のバランス
  が壊れている現状を改善するために、あるいは少なくとも現在よ
  り悪化させないために、不可欠な配慮と感じます。

目次

  1─ 2007年 12月 08日 労働者代表選挙の状況
  2─ お便り紹介(2007.12.7)

 ┌1───
 │ゼネラルユニオンブログより 2007年 12月 08日 選挙の状況
   http://gurits.exblog.jp/6535879/

  「当局の妨害のせいで,なかなか苦戦している選挙です.

    本日(あ,もう昨日になってますが,7日金曜)に,投票が出
    来た,という投票所もあれば,まだ準備中,と言われて断られ
    た,という場所もあり.本格的には来週から開始といったとこ
    ろでしょうか.

    事前の合意では,投票所は,全員所属の学部または事務室で,
    ということになっていたので,ポスターなどでもそう情宣して
    きたのですが,いろいろあって,非正規の教員のうち,非常勤
    と嘱託は,教職員組合事務所で投票,非正規でも常勤や任期制
    は学部?,正規は学部,ただし,産社と映像では,すべて学部
    事務室で投票できる,というような状況になっています.

    教職員組合事務所というのは,国関の北側というか政策の前と
    いうかにある階段を延々と上っていったところにある4階建て
    の建物です.山猫軒のとなり,といったらわかりやすい人もい
    るかも.遠いですが,みなさんぜひ,足運んでくださいね!」

 ┌2───
 │BKC教員からのお便り紹介

   Re: [amp 2007-12-07]
   Fri, 07 Dec 2007 22:07:26 +0900

  「下記の件について少しコメントさせていただきます。

    >   数年後に原告の完勝となったとしても、現在の法人幹部集
    >   団の性行から予想すれば、判決に納得できないと言いつつ
    >   原告134人に2億円を支払うだけで終わりでしょうから、

    私は、現在の法人幹部集団の性行から予想すれば、最高裁まで
    敗訴し続けて判決が確定しても、1円も支払わないと予想して
    います。勿論、これは訴訟団の教職員たちが最高裁まで闘い抜
    く強い意志を持続できればの話ですが。

    仮に最高裁で勝訴した場合、判決に従わない法人に対して強制
    執行の申し立て云々の話にも発展するかも知れません。強制執
    行を申し立てた場合、法人は教職員懲戒規定を改悪して「本学
    に対する許しがたい財政的テロ行為である」等の荒唐無稽な理
    由で、訴訟の主導的人物を免職にする等の挙に出るかも知れま
    せん。勿論それは人事権の乱用として裁判をすれば勝ちますが、
    訴える側を消耗させ戦意を喪失させる有効な手立てではありま
    す。

    上のシナリオと似たような話は、数年前、南草津の光泉学園元
    理事長による複数名の教諭に対する不当解雇事件で実際にあり
    ました。この元理事長は、最高裁判決で敗訴が確定しても、不
    当解雇した教諭を1週間だけ復職させてまた解雇したり、判決
    を鼻っから無視して全く復職させなかったりといった事を繰り
    返したとされています。勿論、本学法人幹部はこの件について
    熟知しているはずで、一時金訴訟であれ不当解雇訴訟であれ
    「刑務所にぶち込まれるわけでもないし、民事の判決はいくら
    でも蹴飛ばせる」という教訓を学んで心を強くしていることと
    思われます。

    私は一時金訴訟について以上のような見方をしているため、同
    じ訴訟団の教職員の方々があまりに楽観的であることに、いさ
    さか違和感を感じております。そして恐らく、大学紛争鎮圧で
    手腕を発揮したとされる百戦練磨の本学相談役はその点を既に
    見抜いていて、「連中はどこまで本気で戦う積もりか知らない
    が、ま、お手並み拝見」と高みの見物気分でいるのではないか
    と想像しております。」

  ¶訂正:前号の「原告134人に」は「原告154人に」の誤まり。

   ¶一時期、南草津駅前で、この訴訟の原告の支援を求めるビラが
   しばしば配られていたそうである。この紛争(1993-2001)では
   「訴訟で勝っても勝っても職場復帰ができず」16回の訴訟(す
   べて原告勝訴)の末にようやく法人が屈して原告四名全員の職場
   復帰を認めた(*)そうだが、当初の原告一名は再解雇の際に「こ
   れ以上闘いを継続することはできない」として解雇を撤回させた
   うえで依願退職したという。  
   (*) http://www.jlaf.jp/tsushin/2001/1026.html

  ¶現実性の有無は別にして、最高裁で原告が勝訴した後の可能性
   としては、法人は判決に従って支払うべきものは支払ったあと今
   後はもっと賢く給与カットをするのではないか、というコメント
   も他のかたからあった。原告が勝利したとしても、被告である立
   命法人が一時金カット政策を悔い改めると予測している人は余り
   いないのかもしれない。

   財務政策としては成功したことになる「一時金カット政策」が学
   園政策として成功したかどうかは疑わしい。法外な「一時金カッ
   ト」は法外な「退職慰労金」とあいまって、組織構成員の大半を
   組織に対して白けさせたことは、年6億円の増収では到底勘定が
   合わないほど深刻な損失を法人にもたらしている。おそらく「損
   失」というような軽い言葉は、現在立命館が受けているダメージ
   の深さは表現するには不適切であろう。組織が直面している危機
   についての驚くような盲目性、ないし、無関心さが、立命法人幹
   部集団に加わるために要求される資質なのであろうか。

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│¶は発信者のコメント