[amp 2007-12-07] 労働者代表選挙18日迄、一時金提訴訴状と記事、他

                                          平成19年12月7日(金)

立命館学園教職員 各位

 一時金訴訟が始まりました。二十数頁の訴状[3]は読み応えがあり
  ます。一時金「6.1ヶ月+10万円」は過去20年間の慣行であっ
  たことを知り、今回の「一時金カット」は基本給与カットという
  性格のものであったことが確認できました。

 しかし、元組合幹部諸氏が主導する訴訟が開始されたことにより
  一時金削減問題について教職員組合がすべきことは終わった、と
  いう空気が広がるとすれば、この訴訟は法人幹部諸氏にとっては
  大歓迎ということになるでしょう。というのは、数年後に原告の
  完勝となったとしても、現在の法人幹部集団の性行から予想すれ
  ば、判決に納得できないと言いつつ原告134人に2億円を支払
  うだけで終わりでしょうから、05−06年については結局差し
  引き10億円強の歳入増で決着がつくことになりますし、07以
  降は04年以前と比べて毎年6億円もの歳入増が確保されたこと
  になっているでしょうから、一時金カット政策は法人幹部にとっ
  て成功裏に終わったということになります。

 世間の常識の範囲を超えるような大規模の給与カットが全教職員
  に対し強行されても、組合は抗議するだけで法システムが提供し
  ているストライキ等の正当な手段を行使しようとせず、個人訴訟
  するしかカットされた給与を取り戻す可能性が残されなかった、
  という結末は、訴訟などにかかわりたくない大半の教職員にとっ
  ては、閉塞感を限りなく深めるものではないかと感じます。

 ところで、ギリシャ時代の民主主義のようになっている「立命館
  の民主主義」において「構成員」としては従来みなされていなかっ
  た人たちが学内外で存在感を増していることには閉塞感を和らげ
  るものがあります[1,2]。今回の過半数代表選挙でも衣笠では複数
  候補者が出ていますが、これまでの立命のコンセプトでは「非構
  成員」の候補者が「構成員」の候補者と争っていること[1d]が注
  目されます。


目次

  1─ 過半数代表選挙:投票期間は 12/5- 12/18 に変更

    ゼネラルユニオンブログより
      12/5: Workers' representative election
      12/6: 投票期間に入りましたが投票は出来ていないようです.

    ユニオンぼちぼち立命館分会ブログより
      12/4: 有権者の範囲が拡大されました
      12/5: 衣笠キャンパスの労働者代表候補
                 ▼遠藤礼子さんの所信表明
		 ▼佐藤春吉さんの所信表明
  (¶上記二労組・非常勤組合・教職員組合が選管を構成)

  2─ 京都新聞2007年11月30日(金)
     学内で働く学生が労組結成 立命館大 労働条件改善向け

  3─ 一時金取り戻し訴訟 訴状より

   3a─ 一時金取り戻し訴訟提訴の報道(2007.11.30)
     朝日新聞:「一時金減不当」立命を提訴 教員ら
    毎日新聞:「賞与カット不当」立命館を提訴
    読売新聞:ボーナスカット不当と、「立命館」154教員が提訴
    産経新聞:立命館で削減分のボーナスめぐり「紛争」
     京都新聞:ボーナス削減分支払い求め提訴 「立命館」教職員有志154人

  4─ [kinugasa-forum:0459] カタカナの揮毫

 ┌1───
 │過半数代表選挙:投票期間12/5- 12/18 に変更

  ─1a──
   Workers' representative election
   http://gurits.exblog.jp/6527374/

   An Important election is taking place between Wednesday
   5th and Tuesday 18th of December. The election is for a
   workers' representative for the Kinugasa campus. Under
   the Japanese Labour Standards Law, before management can
   change working rules, or require workers to work
   over-time, they need the agreement either of a union
   representing 51% of employees, or of a workers
   representative, elected by over 50% of employees.

   At Ritsumeikan there is no union representing over 50% of
   the workforce. The biggest union on the campus is the
   Ritsumeikan Kyoshokuin Kumiai. However, this union
   doesn't have the fifty-percent necessary to appoint the
   representative. In fact its membership is only open to
   full time academics and office workers who make up only
   567 of the 1,487 person Kinugasa workforce. The many
   categories of limited term contract workers total 920 or
   nearly 62% of the workforce. .... =>
                           http://gurits.exblog.jp/6527374/

  ─1b──
  ゼネラルユニオンブログ 2007.12.6: 投票期間に入りましたが
 http://gurits.exblog.jp/6530927/

 投票期間に入りましたが,当局の妨害などあり,投票は出来てい
  ないようです.

  なんでも投票場所が所属事務室ではなく,教職員組合事務所に変
  わるとか(?)

  「労働者代表とは」また,昨年までのいきさつなどについては,
  こちら ( http://gurits.exblog.jp/i15/ ) をご参照ください.

  ところで,来週の月曜日10日には,労働委員会の審問がありま
  す.学校法人立命館が行っている数多くの不当労働行為のうちい
  くつかが,今,大阪府労働委員会にかかっています.10日の審
  問では,大学側の証人(文学部教授と総務部次長)の尋問があり
  ます.私,遠藤礼子の雇い止め問題も焦点のひとつです.1時か
  ら3時,大阪府労働委員会(天満橋のLおおさかの上にあります)
  です.ぜひ支援の傍聴を!」

  ─1c─
  ユニオンぼちぼち立命館分会ブログ2007-12-04
 有権者の範囲が拡大されました
 http://blog.goo.ne.jp/rbotiunion/e/1e4ad5ddb0ecd1af332e7049fe378334

 2007労働者代表選挙重要なお知らせです。

  当初、有権者に関する規定では、「対象は、10月1日現在において
  学校法人立命館と雇用関係にある労働者のみとする。」となって
  いました。そして、有権者であることを証明するものとして、
  「2007 年10月分給与明細」が指定されていました。

  このたび、その規定をより実質的に改め、有権者は「当選挙公示・
  実施期間中(11月19日〜12月18日)に学校法人立命館と雇用関係
  にある労働者」となりました。

  これによって、11月/12月から雇用関係をスタートしたRAその他
  スタッフも有権者となります。

  ただ、そうした人たちはまだ給与明細を受け取っていないので、
  かわりに「任用契約書」の提示をもって有権者であることの証明
  とします。 (以下略)

  ─1d─ 衣笠キャンパスの労働者代表候補
    2007-12-05 16:23:36   2007労働者代表選挙
  http://blog.goo.ne.jp/rbotiunion/e/67ac36efa62b8eeb39edc9def35b519f

  本日12月5日(水)、とうとう労働者代表選出選挙が始まりました。

  といっても、いまこれを読んでいるかたのほとんどは、どんな人
  が立候補しているのかもご存知ないと思います。そこで以下、
  《立命館大学労働者代表選出選挙 選挙管理委員会 広報第2号》か
  ら転載するかたちで、2名の候補者の紹介をしたいと思います。

  ■立候補者(立候補受付順)
   ・遠藤 礼子(文学部非常勤講師・ゼネラルユニオン副委員長)
   ・佐藤 春吉(産業社会学部教授・教職員組合副委員長)

  ▼遠藤礼子さんの所信表明

 目下、立命館は、非正規を含むすべての労働者を対象とした就業
  規則の改定作業を行なっていますが、その内容や手続きに大きな
  問題があり、それ以前に、多くの対象者に、改定を行なっている
  という事実すら知らされていません。また、懲戒手続規定の制定
  作業も進められていますが、特に、公正と透明性の確保という点
  で、非常に問題の多い内容であり、これもまた、対象者の多くに
  は全く知らされていません。

 私は、2000年から、立命館大学でイタリア語の非常勤講師をして
  いますが、その間、非常勤講師組合やゼネラルユニオンの役員も
  する中で、立命館大学の多くの労働相談を扱ってきました。どの
  大学にも、労働のトラブルはありますが、立命館大学での、トラ
  ブルの量の多さと悪質さは突出しています。労働者代表選挙で、
  すべての問題が解決できるわけではありませんが、私は、この選
  挙を通して、この大学の労働環境の改善に貢献したいと考えてい
  ます。

 私が、労働者代表に選出されれば、就業規則の意見書を書く際や、
  協定を結ぶ際に、対象者の意見をできるだけ多く聴いて、作成し
  ます、また、すべての非正規と正規の労働者の権利を守り、獲得
  するために行動します。以上

▼佐藤春吉さんの所信表明

 私は産業社会学部の教員です。現在立命館大学教職員組合の副委
  員長をしています。このたび組合より推薦をうけて労働者代表選
  挙に立候補しました。

 労働者代表の仕事として一番大切なことは、専任教職員・有期雇
  用教職員を含む本学園において雇用契約関係にある全労働者の代
  表として、労働時間、休日、さまざまな労働条件について労働者
  の利益代表として理事会雇用者側と交渉する代理人の役割を果た
  すことです。その意味では、現在問題になっている就業規則の
  「新規制定」の動きについても、改悪を許さず労働者が安心して
  働ける環境と条件を守り抜くために、組合の運動と連動して、労
  働者の代表として大きな発言権をもって交渉に臨みます。また、
  労働者代表は、本来の法定労働時間を超える超過勤務(残業)に
  ついて理事者側と協議し協定する「36協定」についてその締結
  の責任を担います。雇用者は、労働者の働き方の問題や課長や事
  務長など現場の職制の管理責任の問題に責任転嫁するのではなく、
  36協定遵守に努め、それができないような労働環境や人員構成
  をあらためる責任があります。その責任をしっかり果たさせてい
  くことが労働者代表の仕事だと思っています。労働者代表に選出
  されたならば、組合はじめ立命館大学で働く専任教職員や有期雇
  用の教職員、全ての労働者のみなさんの声を聞き、その要求実現
  のために奮闘する所存です。以上

  *立会演説会は、12月10日(月)〜14日(金)の間で調整中です。

 ┌2───
 │京都新聞2007年11月30日(金)
  学内で働く学生が労組結成  立命館大 労働条件改善向け
   http://www.kyoto-np.co.jp/article.php?mid=P2007113000211&genre=O1&area=K10

「立命館大の授業や研究の補助員として働く学生と大学院生が労働
  組合を結成し、活動を本格化させている。大学で働く学生による
  労組の結成は例がないという。組合員は「増えつつある大学の非
  正規雇用の労働者の賃金や福利厚生の改善につなげたい」として
  いる。

 「関西非正規等労働組合(通称・ユニオンぼちぼち)立命館分
  会」。立命大博士課程の院生橋口昌治さん(29)ら計9人は、研
  究活動の傍ら、学校法人「立命館」を雇用主として時給制で学生
  の指導や学会の手伝いをしているが、「労働時間の算出の方法を
  一方的に変更されたり、研究活動と称してタダ働きさせられてい
  る学生もいる」と5月に労組を立ち上げた。

 立命大で働く学生に連帯を呼びかけたり、就業規則の変更などを
  大学と話し合う労働者代表の選挙に非正規雇用の労働者を送る活
  動をしている。

 橋口さんは「労働条件の改善を社会に働きかけるべき大学が、学
  生など非正規雇用の労働力を増やすことはおかしい。学生の『研
  究』と『労働』の区別をはっきりさせたい」と話している。」

 ┌3───
 │一時金取り戻し訴訟 訴状(全23頁)より

 第1 はじめに

 p2 本件訴訟は、それまで労使間で基本的に合意されてきた一時金
  の支給額を、被告が、交渉の経過の中で十分な根拠を示す、ある
  いは説明を果たすこともなく、一方的に大きな減額をなした20
  05年度及び2006年度の一時金の支給につき、その是正を求
  める裁判である。

  本来は、学校法人立命館が歴史的に形成してきた民主主義と自治
  の原則に根ざした学園運営に基づき、労使間の交渉により解決さ
  れることが望ましいが、被告は、こうした学園運営の理念に反し、
  労使間の交渉による解決を自ら閉ざしてきており、時効による請
  求権の喪失との関係もあり、原告らが、やむを得ず提訴に至った
  ものである。(中略)

  本件訴訟は、学校法人立命館においてこれまで維持されていた、
  被告も含めた全学構成員の合意となっていた労使関係をないがし
  ろにし、交渉を一方的に打ち切り、大幅な一時金の切り下げを断
  行した被告の行為を速やかに是正することを求めるものである。

 第3 一時金に関する経過

  p5 (中略)学校法人立命館においては、1985年から2004
  年まで20年間もの長期間にわたって、年6.1ヶ月+10万円
  の一時金が反復継続して支給され続けてきた。(中略)

 第6 本件訴訟の背景としての「立命館民主主義」の形成過程と
   特徴、変質の危機

  p22(中略)05年7月に改定された「総長選任規定」も選考委員
  数を206名から96名に減じ、選考委員中の学外者の比率を格
  段に高めるなど学園構成員による公選の理念から後退したものに
  なっただけでなく、その新規定に基づいて行われた06年秋の総
  長選任は、理事長自身を含む「総長候補者推薦委員会」委員を推
  挙し、その委員会に理事長自らが三人の「総長候補者」を推薦す
  るなど、理事長が終始総長選任プロセスを主導する極めて異常な
  事態下での「選任」であった。

  さらに、06年に従来の累次の「長期計画」に代わって策定され
  た「中期計画」は、ほとんどの教授会において反対ないし危惧が
  表明されたにも拘わらず、「常任理事会の責任」で強引に「決定」
  された。(中略)

  常任理事会のこのような学園運営の手法に対しては多数の教職員
  の間に危惧や反対の声が高まっており、一時金訴訟はその一つの
  象徴的な事態ということができるのである。

 5.立命館の前途をめぐる二つの路

  立命館学園は今、二つの路の岐路に立っている。第一の路は学園
  の新自由主義的な改造の路である。営利を視野においた「知の企
  業体」への改造をトップ・ダウン的に行おうという路である。も
  う一つの路は、立命館を真理への多様な探求を進める「知の共同
  体」として発展させようという路である。それは、学園の民主主
  義的な慣行を遵守し、教職員の自発性・創造性に依拠しながら学
  問のバランスのとれた発展をはかる道である。

  こうして今次の訴訟は、立命館学園が自治と民主主義の原則にた
  ち、その重要な担い手である教職員が真に確信をもって教育・研
  究に専念できる学園として再び発展するための重要な転換点とし
  て位置づけられるのである。
                                                       以上

 全文:http://katzmak.kir.jp/rits_soshou/sojou.pdf
        http://ac-net.org/rtm/f7/071130-sojou.pdf (学内)

  関連資料 => 立命館学園一時金訴訟をすすめる会サイト
           http://katzmak.kir.jp/rits_soshou/

  ─3a─
   一時金取り戻し訴訟提訴 記事全文
                  => http://ac-net.org/rtm/No/236

 ┌4───
 │[kinugasa-forum:0459] カタカナの揮毫
   Date: Tue, 4 Dec 2007

   「叙勲記念書道展(at BKC)にご案内申し上げます。
   http://www.ritsumei.ac.jp/se/~arai-m/syodou.htm

             所: BKC 全域
             年中無休(協賛出品は土日閉館) 入場無料」

 ¶紹介作品

   「アクロスウィング」
     竣工 1998年1月31日
     設計監理 株式会社 山下設計
     施行   株式会社 熊谷組
     川本八郎 (理事長)
     1998年起筆

      ......

   「アスリートクラブハウス」
     竣工 2007年7月31日
     設計監理 株式会社 山下設計
     施行   株式会社 熊谷組
     川本八郎 (相談役)
     2007年起筆

 ¶上のサイトに紹介されている他の揮毫:
   アドセミナリオ、リンクスクウェア、
      コラーニングハウス、コラーニングハウスII、
      クリエーションコア、セントラルアーク

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│¶は発信者のコメント