[amp 07-11-29] 一時金カット訴訟 明日提訴、他

                                          平成19年11月29日(木)

立命館学園教職員 各位

 組合ニュースの別巻に「ベテラン職員からのメッセージ」が掲載
  されています。 

    『 情勢に切り結ぶのではなく、情勢に飲み込まれ、まるで
       金太郎飴のように多くの大学と同じ顔をした改革もどき
       に安住』

 している現状を心配されています。これまでの学園改革を高く評
  価する立場から、その改革を可能にした立命独自の仕組みを破壊
  することに現在の立命幹部が心血を注いでいることに疑義を呈す
  るとともに、

    『場合によっては作られた「競争的環境」に対し、アンチ
      テーゼを呈することによって、グレードアップされた改
      革へと踏み出していく』

  よう、時代の後追いをするのでなく時代に先駆けてきた学園にふ
  さわしい今後の立命のあるべき姿を示唆されています。これまで
  の学園改革の評価については種々の意見があるとは思いますが、
  こういう洞察力と先見性ある職員の方々が立命館の驚異的学園改
  革の真の担い手だったのであろう、と推測しました。


目次

  1─ 組合ニュース号外「改革のサステナビリティを担保するもの」より

  2─ 一時金訴訟ニュース No13 より: 11月30日、京都地裁へ提訴
   2a─ 会世話人と弁護団から理事会への申入書

  3─ 11月30日午後7時:今年度一時金1ヶ月カット強行への抗議集会

  4─ お便り紹介 2007.11.22

  5─ 就業規則改定案・懲戒規程原案の見直しへ
      ゆにおん No93 (2007.11.22) より

  6─ 労働者過半数代表選挙:選管広報第2号 2007.11.29
      立会演説会・投票日程、候補者所信表明、「選管よりひとこと」
   ¶有権者名簿の提供を法人が拒否したことが報告されています

  7─ [kinugasa-forum:0455] (明日の一時金提訴と叙勲パーティを前に)

 ┌1───
 │ゆにおん号外「改革のサステナビリティを担保するもの」より
     ベテラン職員からのメッセージ 2007.10.29
    https://j-union.com/-/rits-union/file/html/open/toukou-staff.pdf

(¶第4節のみ転載) 

  1. はじめに

  2. 学園の「改革」のいくつかの事例に基づいて
    (1) 国際化の取組みについて
  (2) 学生の「進路・就職支援」について

  3. 学園改革のサステナビリティを支えてきたものとその仕組み
    (1) 学園の全構成員による「理念」の共有化とその仕組みについて
    (2) 教職協働とその仕組み
  (3) 学生の視点、「学生が主役」の立場に立った学園創造

  4. 学園改革がフェードアウトするとき

  「学園改革」のいくつかの事例を見つつ、「改革のサステナビリ
  ティを担保するもの」とその「仕組み」を考えてきたが、目の前
  の「学園改革」のダイナミズムが「衰弱し」改革そのものがフェー
  ドアウトする危惧がある。それはまず前提として、昨今の高等教
  育や教育全般をめぐる「競争的環境」の中で、「個性が輝く」こ
  となく、まったく『没個性』のまま全国の高等教育機関が「7つの
  パターンへの機能分化」や「12の提言」を鵜呑みにすると言う、
  いういわゆる「情勢」に切り結ぶのではなく、「情勢」に「飲み
  込ま」れ、まるで「金太郎飴」のように多くの大学と同じ顔をし
  た「改革もどき」に安住したり、ことさら迅速な意思決定とその
  『仕組み』として、これも多くの大学と同じように「学長のリー
  ダーシップ」を強調することは、大いなる危惧である。

  そのことを前提として、私は「学園の理念・アイデンティティの
  共有」「教職の協働」「学生の視点・学生の立場に立った学園創
  造」といった立命館学園が培ってきた「3つの特色と強み」がフェー
  ドアウトする時、学園の改革そのものもフェードアウトしてしま
  うだろうと思う。そして昨今の学園の状況を見るとその危惧を抱
  かざるをえない現状である。

  「立命館教職員組合の立場が変わった」ということを口実として、
  学園トップは業務協議会の開催を拒否しつづけている現状がある。
  退任慰労金の支給規定の改定は常任理事会での議論を飛ばし直接
  理事会で「決定」したこと、2007年の全学協議会では、学友会が
  退任慰労金問題を議題にしないように学生に「指導」をしてきた
  こと、そのことに批判があがれば、本来「不偏不党」でニュート
  ラルな立場であるべき学園広報誌「ウェブ・ユニタース」で「学
  生部長声明」を掲載したりしている。「ウェブ・ユニタース」に
  ついて言うと、組合の動向を「憂慮する」「部次長一同」による
  「声明」なども掲載され、これでは学園広報誌の私物化ではない
  かと思われる。また本年9月25日のシンポジウムや「改革の哲学」
  の中で相談役が学部教授会についてさかんに「セクショナリズム
  を生むもの」として厳しく批判していることも今後の動向を想定
  すると危惧せざるをえない。昨今の学長のリーダーシップの強調
  とガバナンスへの新しい仕組み作りの提案(全学議論は止まってい
  るが)という状況を見ると、今後トップダウンによる政策決定がよ
  り一層進められるのはかなり明白ではないだろうか。高等教育を
  めぐる厳しい競争的環境がそれらの背景にあるといわれているが、
  それは先述のように「没個性」の機能分化等を強いる「無策の政
  策」であり、それに「誘導される」のは真の「改革」を自ら放棄
  することにならないか。

  これらの昨今の動向を見ると、次に懸念されるのは学部教授会の
  「解体」、学部長理事制の廃止、微妙な位置に置かれる常任理事
  会、常務会を軸としたトップダウンの「政策提起」、教職の分断、
  学部5者懇談会・全学協議会における学生参加の質的量的制限等で
  ある。これらを貫く事の本質は、かつて「改革のフロントラン
  ナー」といわれてきた立命館学園の改革のサステナビリティを支
  えてきた仕組みを否定し乱暴に蹂躙する行為の背景に垣間見られ
  るのではないか。本当に厳しい高等教育をめぐる状況の中で、真
  に学園改革のサステナビリティを担保する仕組みを固め、改革へ
  の取組みを立命館学園の歴史の教訓に学びながら現在の情勢と真
  に「切り結び」、場合によっては作られた「競争的環境」に対し、
  アンチテーゼを呈することによって、グレードアップされた改革
  へと踏み出していくことが、今喫緊に求められているのではない
  だろうか。(以上)」

 ┌2───
 │一時金訴訟をすすめる会ニュース No13 (2007.11.26) より
   http://ac-net.org/rtm/f7/071127-soshou-news-13.pdf

 「05年一時金カット分請求権の消滅時効まであと半月とせまっ
  た去る11月21日、一時金訴訟をすすめる会と弁護団は、常任
  理事会に対して円満な解決を求める申入れを行いました(¶申入
  書: 2a)。常任理事会側は総務部次長に対応を押し付け、責任あ
  る対応をしませんでした。

  以上を踏まえて、世話人会としては11月30日に提訴に踏み切
  ることにいたしました。11月21日時点での原告予定者数は、
  153名となっており、それ以外にも、職員を中心に原告予定者
  と思いを共にする方々がおられ、「すすめる会」のメンバーは2
  00名を優に超えています。(中略)原告であるか否かに関わら
  ず「すすめる会」のすべての会員の皆さん、運動をご指示いただ
  けるすべての皆さん。11月30日の提訴にあたって、みんなで
  訴状を提出したいと思いますので、京都地裁にぜひお集まりくだ
  さい。

  地裁提訴行動

  集合場所:11月30日(金)13:50
  集合場所:京都地方裁判所(丸太町通柳馬場)門前

 (訴状提出後、弁護士会館(地裁から富小路通りを下ル)に移動します
   ので、所用で遅れる方は直接そちらへお越しください。)

  ─2a─

                申 入 書

  貴学校法人立命館(以下「立命館」といいます)は、長年の経緯
   を無視して2005年度以降、一方的に一時金の一ヶ月分カット
   を強行しました。その理由については最終的に「社会的水準」な
   どという極めて抽象的な説明にとどまり、到底教職員が納得でき
   るものではありません。1ヶ月分もの「一時金」カットは教職員
   の生活に大きな影響を及ぼすものです。しかも他方では元理事長・
   元総長の「退任慰労金」を従来の二倍もの1億6000万円に増
   額するなど、内外の顰蹙をかっています。

   立命館は、戦後一貫して「全構成員による自治」を基本理念とし
   て、理事者・教職員・学生等、構成員全員が一体となって立命館
   の発展に努力し、教職員の生活保障にも努力してきた歴史があり、
   立命館の教職員はこのことに誇りを抱いてきました。

   ところが、最近の常任理事会のやりかたは、一時金問題にかぎら
   ず、学内のさまざまな声に耳を傾けず、まともな交渉すら拒絶す
   るなど、輝かしい立命館の民主主義の伝統を踏みにじるものとい
   わざるを得ません。常任理事会のこうした強引な態度が続く限り、
   「一時金」問題についての訴訟もやむなしとの声が広がっていま
   す。

   私ども「一時金訴訟を進める会」「一時金訴訟弁護団」は、一時
   金問題について、常任理事会が立命館の民主主義の伝統に再度た
   ちかえり、話し合いにより円満解決をされることを強く申し入れ
   る次第です。

     一時金訴訟を進める会 代表世話人 木田 融男

     一時金訴訟弁護団   
           弁 護 士   岩 佐  英 夫
           弁 護 士   大河原  壽 貴
           弁 護 士   佐 藤  克 昭
           弁 護 士   塩 見  卓 也
           弁 護 士   福 山  和 人
           弁 護 士   毛 利   崇
           弁 護 士   森 川   明

 ┌3───
 │ 11月30日午後7時より:理事会に対しての抗議集会
   https://j-union.com/-/rits-union/file/html/open/07unionNo94.pdf

   From: 立命館大学教職員組合
   Date: Mon, 26 Nov 2007 22:55:02 +0900

  「2007年度の年末一時金1ヶ月カット強行しようとしている
               理事会に対しての抗議集会!

  日時:11月30日(金) 午後7時〜
  場所:衣笠 至徳館(旧中川会館)301会議室
   − BKC コアステーション第1会議室
   − 朱雀 B01 会議室
  ※一時金訴訟団の方からの発言もあります」


┌4───
│ お便り紹介

   Subject: Re: [amp 07-11-21]  過半数代表選挙、就業規則改定案、他
   Date: Thu, 22 Nov 2007 12:46:12 +0900

  「業務会議にて就業規則を議論をしたときにも、課員から、懲戒
    免職の項では、解雇権の乱用につながるのではないのか、教員
    の裁量労働制については、教員からヒヤリングをしたのかとか、
    慢性的に欠員が続いている状況、およびこの間の職員の離職率
    の高さは、立命館大学が職場として魅力がなくなってきている
    のではないかとか、様々な意見がでました。

    また、なぜ、この時期に就業規則を改悪?する必要があるのか
    については、不明なままです。このまま、この就業規則案が通っ
    てしまうのでしょうか?

    ボーナスも回復されないままですし、ますます、やる気が出ま
    せんですね。」


┌5───
│ 就業規則改定案・懲戒規程原案の見直しへ

   ゆにおん No93 (2007.11.22) より
   https://j-union.com/-/rits-union/file/html/open/07unionNo93.pdf

  「11 月21 日(水)に、総務部次長から、就業規則・懲戒手続規程
    改定の進め方について組合に電話連絡がありました。内容は以
    下の通りです。

    ==本日(11 月21 日)の常任理事会で議論し、以下の判断をした==

    ・11 月30 日の(一般)理事会に出すことはしない。

    ・学部長理事の入ったワーキング・グループをつくり原案を見
      直すと判断した。

    ・ワーキングの議論期間について終わりは決めていない。

    ・議論の中心は教職員就業規則と懲戒問題と教授会との関わり
      と、役員の懲戒をどう扱うのかについてである。

    ・組合のニュースについても議論の参考にする。

    ・次回組合の意見を伺うときは、労基署に出す意見書という意
      味ではなく、理事会決定前に組合に意見を聞くという意味で
      ある。

    ・なお、原案が変わることになるが、いつ組合に説明できるか、
      時期は未定である。」


┌6───
│2007年度過半数代表選挙:選管広報第2号 2007.11.29
  http://ac-net.org/rtm/f7/071129-senkan-kouhou2.pdf
  投票期間:12月3日(月)から12月14日(金)
  立会演説会 12月4日(火)19:00~(予定)

  ■衣笠キャンパス労働者代表候補者
      遠藤礼子(文学部 非常勤講師)
   佐藤春吉(産業社会学部 教授)

 ■BKC労働者代表候補
   山本じゅん(キャリアオフィス事務職員)

 ■朱雀キャンパス労働者代表候補者
   加藤 薫(教学企画課 事務職員)


「選管からひとこと
  =有権者名簿の提供をしないという法人側の態度について

    労働者代表をなぜ選ぶのか、選ばれなかった際に誰が困るのか、
    それは法人の側です。現在、提起されている就業規則の「新規
    制定」をみても、現行の就業規則での不十分な点を改善してい
    くならいざしらず、懲戒規程を含め法人側の管理・監督を強め
    る方向で提起されており、法整備にともなう改定は、都度届出
    をしていれば問題なかったはずです。今般、労働基準監督署か
    らは、改定の都度、届出がされていない点について改善を勧告
    されているわけで、労働者代表の選出以前の問題があるといわ
    ざるを得ません。

    36協定については、9月末をもって期限が切れており、現在
    は無協定状態です。しかし、これは協定の期限を1年と定めて
    いることから、法人側の準備が遅れていることを示しています。
    配付された「働きがい」文書にかかわり、超勤削減の手立てを
    検討するにも、労働基準監督署の査察があった時点から、速や
    かに対応を講じていればある程度は間に合わせられてのではな
    いでしょうか。労働者側にとってみれば、「超勤命令がなくて
    も働かざるを得ない」状況に変わりはなく、むしろ、職員の定
    員増や事務体制の整備が、現場の意識とかけ離れているなかで、
    日日の業務はそれぞれの「がんばり」に依拠する、きわめて不
    安定な基盤のうえに成り立っていると言えます。無協定であっ
    ても超過勤務の手当や休日出勤の手当は支払われますが、この
    ままでは健康を守ることがおぼつかない状況です。その意味で
    は、時間外労働の上限設定は必要ですが、現場の職制に責任を
    負わせるような内容の36協定では「使用者が時間外労働をさ
    せても免責される」という条件に過ぎないといっても差し支え
    ないでしょう。

    就業規則の改定について意見を述べたり、労使協定の協議をし
    て締結する場合に、過半数の労働者を組織する労働組合がない
    場合に選出するのが労働者代表であり、重要な位置づけがされ
    ています。以上のようなことから考えれば、法人が労働者代表
    の選出に必要な有権者名簿を提供しないとして、協力的な態度
    をとらないことは、わたしたち労働者の権利や健康、ひいては
    学園の業務遂行にかかわる労働者の働きを軽くとらえていると、
    批判せざるをえないと考えます。

    ※この間実務の遅れを来たしておりますが、上記にかかわる対
    応が主な要因です。早期に是正されるよう再三要請をしてきて
    おります。京都労働局にも対応の相談をしております。

    ※名簿の提供を要請するため、11月28日に選挙管理委員長
    が森島総務担当常務理事に面会を申し入れましたが、11月2
    9日になって、「必要ない」として面会を断ってきました。」

┌7───
│[kinugasa-forum:0455] (明日の一時金提訴と叙勲パーティを前に)
  Date: Thu, 29 Nov 2007 18:05:21 +0900 (JST)

「昨日、京都駅で10分ほど時間があったので、地下の書店で本を見
  ていると、面白い文章に出くわしました。文春文庫に城山三郎の
  『粗にして野だが卑ではない」という小説があり、その解説を佐
  高信氏が勲章のことを述べています。

  奇しくも明日(30日)、2つのことがあります。1つは、一時金に
  ついての提訴があります。もう1つは、一般理事会のあと、川本氏
  の叙勲のパーティがあります。偶然でしょうが同じ日になりまし
  た。

  さて、佐高氏の小説への「解説」ですが、以下のように書いてい
  ます。

      勲章を私は"老人のワッペン"としか思っていないので、欲し
      い奴にはドンドンやったらいい、と皮肉に言ってはいる。し
      かし、数少ない拒否者、もしくは固辞者のほうが格段に優れ
      た人物であることは確かである。

      現役の財界人で拒否している興銀特別顧問、というより"財界
      の鞍馬天狗"の異称を持つ中山素平は、「勲章をもらわざる弁」
      をこういっている。

        「勲章がとくにいやと言うんじゃなくて、形式というもの
        が嫌なの。役所は形式が先だが、ぼくらは実を上げなきゃ
        ならない。それに、人間の値打ちを役所に決められるのは
        抵抗がある」。

      勲章を拒否し通した財貨人としては日清紡の師弟コンビ、宮
      嶋清次郎と桜田武が有名である。

      より上の勲章がもらいたくて経営者があさましく工作する例
      は数多い。それも自分で動くのではなく、部下に工作させる
      わけだが、その点、宮嶋と桜田、そして石田はじつにすがす
      がしい。中山素平を含めて、決して多くはないこうした人た
      ちに共通するのは、若々しい「精神のダンディズム」である。

      数年前に亡くなった元日銀総裁の前川春雄もワッペン拒否者
      だった。前川には、1984年に日銀総裁を退任した時、歴代総
      裁と並ぶ勲一等が用意されたのだが、前川は、「人間に等級
      をつける勲章は好まない」として強くそれを辞退している。
      そして、死後の勲章も辞退するよう、婦人宛ての遺書に明記
      していたため、叙勲は見送られたのだった。

      勲章亡者への道を歩むのか。石川、前川、中山ら、さわやか
      な人間の系譜につらなるのか、そこでまさに男が試される。

        「男の一生をかけた仕事に、官僚から勲何等なんて等級を
        つけられてたまるか」

      こう言って勲章を拒否した宮嶋清次郎は、日清紡の社員が胸
      像を飾るのも断った。その意味をじっくり考えるべきであろ
      う。

  以上少し長いですが、一部分を抜書きしました。私にとっては偶
  然見つけた文章ですがですが、明日にちなんで、記憶しておきた
  いと思います。」

┌───────
│¶は発信者のコメント