[amp 07-11-21] 過半数代表選挙、就業規則改定案、他

                                          平成19年11月21日(水)

立命館学園教職員 各位

  過半数代表選挙が公示されました。候補者締切は明後日の11月
  23日金曜日です。

 今年度は、立命館大学の4労組(教職員組合、ゼネラルユニオン、
  関西圏大学非常勤講師組合、関西圏非正規等労働組合:ユニオン
  ぼちぼち立命館分会)が参加する選管が実施する点が画期的で、
  時代の推移を感じさせます。


目次

  1─ 労働者過半数代表選挙関係資料
   ( 候補者受付締切: 11.23(金)17:30 )  

  2─ 就業規則についての意見
   2a─ 就業規則・懲戒規程等に対する月曜会有志の見解
   2b─ ある学科の意見より
   2c─ [ml-cm-bkcmf 711] 補足:学園内での解雇権濫用事件二件
   2d─「就業規則」「懲戒手続規程」に関する理工学部の意見
   2e─ ゆにおんNo92(改訂版) 新就業規則・懲戒手続規程の制定について

  3─ 毎日新聞(07.11.13) 赤福:偽装検証 
    「意見すると首飛ぶ」 ワンマン前会長、チェック機能なく

 ┌1───
 │労働者過半数代表選挙関係

 ■「立命館大学労働者代表選出要綱」より
  ( 選挙要綱全文 ==>  http://ac-net.org/rtm/No/231 )

    『「就業規則」の変更は、労働者代表の意見を聴いた上で、ま
      た、いわゆる「36 協定」は、労働者代表との合意のうえ意見
      書を添え、労働基準監督署に届出することが必要です。労働
      者代表は、労働者の過半数で構成される労働組合または民主
      的手続きを経て選出された者とされています。しかし、立命
      館大学には、それぞれのキャンパスの労働者の過半数を組織
      する労働組合がないのが実態です。よって、労働基準法等で
      定める労働者代表選挙を立命館大学で働くすべてのみなさん
      に公示します。』

  ■「公示」より抜粋

     2 立候補届出

   (1)立候補有資格 
         労働基準法第41条第2号に規定される監督又は管理の地位
         にある者ではないもの

   (2)届出受付期間
         2007年11月19日(月)午前10時より2007年11月23日(金)
         午後5時30分まで

   (3)届出方法   
        「労働者代表立候補届」(様式指定)に所定の事項を記載
        し、本選挙管理委員会の事務局(立命館大学教職員組合書
        記局)まで届け出ること

    3 選挙期間
    (1)立候補者の掲出 11月26日(月)から11月30日(金)

    (2)投 票 12月3日(月)から12月14日(金)午後5時まで

    (3)投票方法 選挙区毎に実施する。
       なお、選挙の細目については、後日、公示する。

    (4)開 票 12月18日(火) 午後7時より各キャンパスTV会議接続
     (衣笠:至徳館4階 401西会議室、BKC:コアステーション第1会議室、
      朱雀:B01会議室 ※開票立会人の受付はそれぞれの会場で6時30分とします)

    (5)開票結果の周知 12月19日(水) 掲示により公示

     以 上

  ■ 選管広報No1は転載禁止なので印刷物参照。

 ■ 週刊ぼちぼち第14号
   ( 選管に参加している、関西圏非正規等労働組合ユニオンぼちぼち
     立命館分会の広報誌 )
  表:http://blog.goo.ne.jp/rbotiunion/e/17aaacec8d4259ebad88efc6e4cb89f0
  裏:http://blog.goo.ne.jp/rbotiunion/e/e8a565fe60167536c46caeebc7dd46f1

┌2───
│就業規則についての意見の紹介

 ─2a──
  就業規則・懲戒規程等に対する月曜会有志の見解
  [ml-cm-bkcmf 696] 懲戒手続規程案
    Date: Fri, 9 Nov 2007 01:58:55 +0900

    教員組織と理事会(理事長)の間に意見対立や利害対立がしばし
    ば発生するのは自然なことであり健全なことでもある。教員組
    織は教育研究という長期展望に立つ業務を推進するのに対し、
    理事会は経営という機動性を要する業務を推進するために、両
    者の間に価値観や判断基準において矛盾対立が発生する事は自
    然であり、この矛盾対立の昇華を契機にして始めて学園は健全
    に発展する。この緊張関係を念頭において、今回理事会が提案
    した懲戒諸規定を見ると、現場=教員組織と理事会(理事長)の
    バランスを著しく損なわせる重大な問題があることがわかる。

    就業規則第50条にリストされた懲戒事由を見ると、教育研究
    の現場の立場に立って理事会を批判し、理事会の計画遂行に抵
    抗する人たちを懲戒対象とするための理由を数え上げることは
    簡単である。しかも、懲戒手続き規程第3条4項には、<審査委
    員会>委員の過半数を理事長が選任することになっており、理事
    長は、懲戒手続き案第二条が保証する懲戒権を活用し、理事長
    を批判するような「問題教員」を威嚇し沈黙させ、時には懲戒
    手続きを発動させ、独断専行が可能となる。

    以上にも述べたように、教員組織と理事会の間には緊張感ある
    バランスがなければ健全な大学運営はあり得ない。上記規程は
    このバランスを根底から崩す提案であり、のびやかな教育研究
    の発展に大学の最大の価値を見出す教員の立場からは到底うけ
    いれ難い。

    教員組織の成員の懲戒手続きは、教員人事に責任を持つ教員組
    織に委ねる事が自然であり健全である。現行のように、教員懲
    戒は教員組織に委ねることを核とし、さらに恣意的な懲戒事由
    を排除し、教職員を萎縮させることのないような健全な懲戒規
    程案を練り直すべきであり、その作業に手間を惜しんではなら
    ない。極端なことを言えば現行の懲戒規程を改定する必要性は
    ないとさえいえる。

    なお、東大、京大、阪大等の多くの社会的評価の高い大学では
    教員の懲戒手続きは(立命の大学協議会に相当する)「評議会」
    に委ねられており、総長が教員懲戒の実質的権限をもつような
    大学すらなかなか見当たらない。理事長が実質的な教員懲戒権
    をもつような大学は、世間を騒がせた浅井学園と同類の大学と
    見なされることになろう。「平和と民主主義」を学是とし「自
    主、民主、公正、公開、非暴力」を立命館憲章の中で高らかに
    謳う我が学園の基本精神から、ことに「自主、民主、公開」と
    いう原則からは到底受け入れられ難い提案である。

    この案が実行に移されれば教育研究の現場は萎縮し、教職員は
   「余計な事はやらず、規則に従い、懲戒さえされなければ後は
    どうなってもいい」と考えるようになることは火を見るより明
    らかである。建物と組織だけはもっともらしく存在するものの、
    内部の教職員は懲戒の脅迫に萎縮し、同僚の一挙一投足に疑心
    暗鬼になり学園の活力は跡形もなく消えうせるであろう。

    我が学園の教職員の士気は高かった。大学に対する危機感をば
    ねにして、教職員の自発的努力によって、他学ではみられない
    教育研究の活性化の試みがなされてきた。これは本学の教育研
    究の現場がのびやかで風通しがよかったお陰である。しかし、
    そのような環境は破壊され、士気というこれまでに培ったかけ
    がえのない財産を喪失し、我が学園は今後ますます激化する大
    学間競争にも敗北する事は自明の理に見える。

    現場からのチェックのない企業組織の幹部の暴走が、当該企業
    の社会的信用を失墜させる事件の実例は、最近の新聞報道をに
    ぎわせている通りいくらでもある。我が学園にその轍をふませ
    てはならない。

 ─2b─
 ある学科の意見より(¶加筆修正あり)

 (全体について)

    これまでに、種々の「必要性」を理由になされた寄付行為等の
    改定を通して経営側の権限が劇的に強化され、経営と教学のバ
    ランスが崩れた状況が続く中で立命の将来を危惧する構成員は
    多い。

  「教授会自治」が学園の発展を阻害することのないようにする趣
    旨で行われた私学法改定は、教授会と理事会の円満な関係がで
    きていた立命館にとっては無用な改定であったが、それを理由
    になされた寄付行為改定で理事長は絶対的に安定した地位を掌
    握し、その前後から種々の学園政策の一方的な押しつけが始まっ
    た。また、学園規模拡大を理由になされた総長選任規程改定で
    は、理事長が総長を事実上指名できるような巧妙な工夫がなさ
    れていたことは、昨年度の総長選出過程で明るみにでた。学園
    構成員の目を欺くかのようなやりかたで体制を変えてきた学園
    幹部への不信感が教学現場に充満したまま、すでに2年以上の
    月日が経過している。2度あることは3度あるものである。種々
    の表層的理由を掲げる今回の就業規則改定も、理事長や幹部職
    員の権限拡大を意図したものであると推測しない者を探す方が
    難しい。

   実際、改正案は、理事長に教員懲戒権を付与する点や、懲戒事
    由に「職務命令違反」を加えて従来にはなかった「命令遵守」
    を職員の義務に課している。この意図は、全構成員の「協力」
    を基盤とする現行の就業規則と比較すると歴然としている:

    現就業規則 第4条 
     職員は職制に則り、相協力して業務に当らなければならない。

    就業規則案:服務の義務 第46条の2
     教職員は、この規則に定めるほか、所属長の指示命令に従い、
     誠実に職務に専念するとともに職場の規律を維持しなければならない。

    組織の幹部に見識があり適切な指示をすれば誰でも喜んで従う
    ものである。幹部が現場の実情にそぐわない計画をたて実施を
    指示するだけで現場の批判や提言に耳を貸さない場合、ここは
    軍隊ではなく学校であって教育と研究を行う組織である以上、
    それに従う事を拒否することは、教育と研究の現場が機能して
    いることの証しとも言えるであろう。

    今回提案の就業規則案の根本にある発想は、職務命令徹底重視
    の諸条項が象徴するように、学園の全構成員が各々の立場で適
    切に判断し行動する、自主性に基づくこれまでの学園運営の原
    則を破壊するもので、立命館そのものを破壊するとさえいえる
    性格のものである。

  「ガバナンス文書」で宣言した「トップダウン体制」の基礎固め
    の意図が歴然としており、学園幹部を信頼できなくなった教学
    現場において、このような変更が容認できるはずがない。

    具体的には以下の点を指摘したい。

    【1】就業規則の大幅な変更の根拠が希薄である。理由に掲げ
    られた個々の事項に応じて必要な最小限の修正にとどめるべき
    である。「多様な雇用形態」により「体系の一貫性がなくなっ
    ている」としても、それは当然なことで、個々の雇用形態毎に
    就業規則を作ればよいだけである。

    【2】第25条に、教員の勤務形態を裁量労働制とするとある
    が、今まで通りでは何か支障があるのか。今までの就業規則の
    教員についての部分は理事会側にとって支障となる点があるの
    であればそれを具体的に明確に述べていただきたい。

   【3】教員の懲戒・解雇はあくまで教授会、あるいは、大学協議
    会の権限で行うことであって、この点を実質的に変えることは
    不適切である。

    解雇についての18条では、「法人は、教職員が、次の各号の
    いずれかに該当するときは、解雇することができる」と書いて
    あって、そのプロセスに触れていない。特に、解雇の事由とし
    てかがげている次の二項は「該当する」かどうかの判断は容易
    ではないので、判断のプロセスが明記されていなければ危険で
    ある。

    (6)勤務状況または勤務成績が、著しく不良で改善の見込
         みがないと認められたとき

    (7)職務遂行能力または能率が、著しく劣り改善の見込み
      が認められないとき

    また、教員については、当然ながら、教授会および大学協議会
    での審議に基づかなければならない。


 ─2c──
 [ml-cm-bkcmf 711] 補足:APUでの解雇権濫用事件
  Date: Tue, 13 Nov 2007 16:42:48 +0900

    立命館学園幹部が経営する立命館アジア太平洋大学(APU)で昨年
    に起きた専任教員解雇事件では、京都地裁は解雇権が濫用され
    たと判断し解雇を不当とした仮処分決定(*)を出している。
    解雇理由は、科研費の研究遂行のために海外出張中に書類の不
    備があるので日本に戻るように命令したがすぐには帰国しなかっ
    たため「勤務成績が不良で改善の見込みがない」として解雇し
    たもの。新しい就業規則案にある「勤務成績が不良で改善の見
    込みがない」という解雇の事由を、立命幹部が具体的にどのよ
    うに適用しようとしているかを象徴する事例である。 
   (*)http://university.main.jp/blog3/archives/2006/06/apu_12.html

    また、今年の初頭には、衣笠の外国籍の常勤講師が解雇された
    が、解雇理由は、成績表の記入を二回間違えたということであっ
    た。これも、やはり京都地裁から解雇権濫用と判断され和解と
    なっている。

   こういった「解雇権濫用」の事例について、組織幹部の判断の
    誤りがどういうプロセスで生じたか、組織の構造設計に欠陥は
    なかったか等の吟味と報告が組織構成員に対してなされないま
    ま、今回のような提案をすることは、誠実とは言い難い。

 ─2d──
   「就業規則」「懲戒手続規程」に関する理工学部の意見
   2007.11.20 学科長会議

   「就業規則」および「懲戒手続規程」については,11月6日の
    理工学部学科長会議で各学系および学科会議での議論を要請し
    た。併せて,11月13日の理工学部教授会(全体)において
    両規程について理工学部長から報告を行い,討議を行った。理
    工学部での代表的な意見を纏めると下記のようになる。

1.理工学部教授会としての全体意見

 ・今、この時点で規程を変更しなければならない根拠が希薄である。

 ・内容を検討するための時間が短すぎる。もっと時間をかけて検
  討を行うべきである。

 ・仮に、現在の就業規則に法令上問題があるのであれば、その部
    分のみを修正すればよい。

 ・今回の「就業規則」新規制定案における解雇や懲戒の規定の変
    更内容や新規に制定される「懲戒手続規程」が、教職員にとっ
    ては現状より不利な内容となることから、教授会として、今回
    の規程の新規制定案については反対をする。

2.教授会での意見および各学系・学科での意見まとめ

(中略)

 <就業規則第25条「裁量労働制」について>

   ・本来は、教員に対して裁量労働制を導入することについて、き
   ちんと提起し、その議論をすべきである。今回は就業規則改正の
   1つの項目としてしか提案されておらず、その制度内容(法令上
   の位置づけや具体的な勤務管理方法など)も不充分な説明しかさ
   れていない。これでは、どのように制度が変わるのかが議論でき
   ない。

 (多くの教員は「裁量労働制」に関しては知識がないし、説明して
   いる学部長もその制度に関する理解が不十分なまま説明している)

 ( 以下略:全文 ==> http://ac-net.org/rtm/No/229 )

 ¶ある学系は以下のような総括をしている:「全体的に文章が曖昧
   で、教職員の規範を拡大解釈した法で拘束する方向に偏り適用を
   誤ると、教職員の雇用にとって非常に危険な項目や表現がある.
   法律を厳しくするのではなく、教職員の人心を掌握して統治して
   ゆくことが最良の知恵であるように考える.」こういう声に耳を
   傾けるような柔軟な姿勢が少しでもあればと願わずにはおれない。

 ─2e──
 ゆにおんNo92<改訂版>(2007.11.20)
 新就業規則・懲戒手続規程の制定について
 https://j-union.com/-/rits-union/file/html/open/07unionNo92.pdf

┌3───
│毎日新聞 2007年11月13日 中部朝刊
 赤福:偽装検証 「意見すると首飛ぶ」 ワンマン前会長、
    チェック機能なく

  三重県伊勢市の和菓子メーカー「赤福」(浜田典保社長)の偽装発
  覚から1カ月。創業300年を迎えた老舗による不正は消費者に大
  きな衝撃を与え、この間、堰(せき)を切ったように全国各地で食
  品偽装や不適正表示が明るみに出た。なぜ赤福は信頼を裏切る行為
  に手を染めたのか。元社員らの証言を基に検証した。
                      【飯田和樹、山口知、高木香奈、岡大介】

  ¶抜書

 『5年ほど前、伊勢市内で開かれた社員大会で、当時社長だった益
  嗣氏は従業員約200人を前にクギを刺した。「自分の方針に従
  わない者は去ってもらう」。幹部はイエスマンで固められてい
  た--。同じく赤福を去った40代の製造部門の元社員は振り返る。

  もっとも、商品の製造販売の行程は細分化され、誰もが偽装の全
  体像を知っていたわけではなかったようだ。大半の社員は赤福に
  誇りを感じ、拡大路線を走る益嗣氏の経営手腕に信頼を寄せてい
  た。商品への愛着から「社員は日常的に自分でお金を出して赤福
  餅を買っていた」という別の元社員の話もある。』

 『「日本一の企業を目指そう」。前会長はワンマンで鳴らす一方、
  こう言って社員の士気を鼓舞していたという。内向きな経営組織
  はチェック機能もなく、消費者と社員を欺きながら野心だけを膨
  らませていった。』

  全文 => http://ac-net.org/rtm/No/228

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│¶は発信者のコメント