[amp 07-08-07] 『理事会自治』の諸問題
平成19年8月7日(火)
立命館学園教職員 各位
この数日、学園広報に法人幹部による文書が続けて転載されています:
学園広報 VOL93( 2007.8.3 発行)
職員部次長一同から教職員組合委員長への要請書 7/20
http://www.ritsumei.ac.jp/mng/gl/koho/kyousyokuin/uhn/unitashotnews93.htm
学園広報 VOL94( 2007.8.3 発行)
常務理事からゼネラルユニオンへのハンストに関する申入書 7/18
http://www.ritsumei.ac.jp/mng/gl/koho/kyousyokuin/uhn/unitashotnews94.htm
学園広報 VOL95( 2007.8.6 発行)
学生部長から教職員組合委員長への謝罪要求 8/3
学園広報紙を組合活動批判に利用することだけでも学園運営者と
しての良識が疑われますが、その内容を読むと学園の今後に不安
を感じます。学園運営担当者集団の良識・常識について私たち学
園構成員の間に蓄積してきた不安と不信の総量は耐えがたい規模
に達しつつあるように思います。
「昨年来、RUとAPUで行われた数々の団体交渉の記録を見
ると、相手の言葉尻をとらえて執拗に攻撃し正論や批判を封じ
るパターンが理事会側に余りに多く、とても悲しく情けなく感
じていましたが、昨日の「業務協議会」中継を傍聴し、実際に
その現場を目撃し衝撃を受けました。常任理事会が最近機能し
ていないのは、詭弁・強弁・挙げ足取りでまともな議論が封じ
られているからだ、と推測しました」
( http://ac-net.org/rtm/No/93 )
これは昨年7月19日に開催された業務協議会の傍聴記からの引用で
すが、今年の3月以来の学園運営担当者の言動も「詭弁・強弁・挙
げ足とり」で実質的な議論を躱すことに終始しています。このよ
うな対応を執拗に続ければ相手がいつかは根負けして諦めること
により問題が解決する、という戦術のようですが、そのような戦
術では誰からも相手にされなくなるというのが堅気の世界の実相
です。相手にされなくなることで「労使闘争」に勝利したと思う
方々もいると推測されますが、この「勝利」は学園の大半の構成
員が意欲を失うという代価を伴っており、学園へのダメージは致
命的なものとなるでしょう。
┌───
│目次
1─ 職員部次長一同から教職員組合執行委員長への要請書
参考: 要請書をめぐる意見
2─ ストライキおよびハンガーストライキに関する申入書について
参考: ストに関連する法人の責任
3─ 教職員組合のニュース等に関わる学生部長の謝罪要求
参考: 京都民報(8/6):「民主立命」の名が泣く! 学生の要請行動を妨害
┌1───
│資料:職員部次長一同から教職員組合執行委員長への要請書 07/7/20
UNITAS HOT NEWS VOL93━2007.8.3
http://www.ritsumei.ac.jp/mng/gl/koho/kyousyokuin/uhn/unitashotnews93.htm
転載 => http://ac-net.org/rtm/No/243 (id: rtm, passwd: rtm)
「最近では、相談役の自宅に退任慰労金問題について抗議する匿
名の電話や手紙が何件も届けられる事態となっています。私た
ちは、言論の自由や批判の自由の名の下に行われる無名の暴力
や大学人としてふさわしくない議論の仕方がエスカレートする
事態を座視することは出来ません。」
¶組合等の顕名的教職員集団が、学園政策批判の一環としてその最
高責任者を批判することを「個人攻撃」として「批判」するのは
詭弁の典型である。さらに、上で引用した部分は、法人幹部への
匿名批判を本学教職員からのものであると断定するのも同然で、
教学現場で増大している「行政部門」への不信感を悪化させるも
のとなっている。立命館学園の行政機構の現場責任者24 名全員が
合意して、このような思慮に欠く言動をされたとは、いまなお信
じられない。
¶参考:立命館学園内線電話番号簿によれば、総務部次長5名、総
長・理事長室次長4名、国際部次長3名、教学部次長2名、財務部次
長1名、教育文化部次長1名、初等中等教育部次長1名、大学評価質
次長1名、大学行政研究・研修センター次長1名、衣笠キャンパス
事務局次長1名、入学センター次長1名、学生部次長1名、APU事務
局次長1名の計24名が「学校法人立命館 職員部次長一同」の内訳
である。
要請書の内容に賛同できず名前を出すことをためらった方がおら
れたために「一同」とするしかなかったという事情を、衣笠フォー
ラムの方から伝え聞き、やや救われる思いがしたが、「部次長有
志**名」とはならず「部次長一同」となったことは、言論の自由
が立命館学園の「行政部門」では許されなくなっていることを証
明していると言えまいか。最近の学園行政の硬直化・単調化の原
因の一つが、異論を表明する自由が行政諸部門から失われ実質的
議論が行われなくなっているところにあるのではないかというこ
とを、この「要請書」は全教職員に伝えている。貴重な歴史的文
書と言うべきであろう。
なお、要請書に「部次長の責任は学園行政の現場にある」という
文言は、はからずも、教学軽視の本音を露呈している。職員部次
長24名の内、常時教学現場にいるのは衣笠に4名、BKCに1名、APU
に1名だけで、残り18名が常時朱雀に居る、という数字は、教学軽
視の学園政策の本質を明確に表わしている。「ガバナンス文書」
(*2)の構想が、教学現場から徹底的な批判(*1)にもかかわらず、
そのまま実行に移されたことが確認できた思いがした。「理事会
自治 ( というより常務会自治 )」の確立を記す歴史的事件と言え
るだろう。
(*1)http://ac-net.org/rtm/a/bunsho/30
(*2)http://ac-net.org/rtm/a/bunsho/34
¶参考意見:
[ml-cm-bkcmf 658] 「部次長一同」から組合委員長への要請書(7/22)
http://ac-net.org/rtm/No/244
[kinugasa-forum:0418]Re:部次長一同」から組合委員長への要請書(7/22)
http://ac-net.org/rtm/No/246
(抜書)『次長一同の要請書について、情報をありがとうござい
ました。まさに異様な文書ですね。
(中略)
常任理事会は今次組合の定期大会決議という民主的な手続きを
経た文書にいちゃもんをつけていますが、逆に、さいきんのユ
ニタスに載った諸文書や全学生に送ったメールと並んで、この
文書も歴史的な証文として、語り継がれる文書になることでしょ
う。
私はこの次長一同要請書は、物心ともに永久保存文書として記
憶に刻み、これから生きていくことにします。本当にあきれか
えりました。
本当に人情の機微がわかっていない連中ですね。最近彼らがお
そらく沈静化をはかろうと思って打っている手は、ことごとく
怒りの火種に油を注ぎ込むようなことばかりですな。いやは
や。』
[ml-cm-bkcmf 660] Re: 「部次長一同」から組合委員長への要請書(7/22)
http://ac-net.org/rtm/No/245
『一昨年からの学園運営における失政について、法人を代表する
前理事長と現理事長の責任を教員集団が公けに追究することを、
匿名のいやがらせと同列において、「個人攻撃」として批判す
る強弁・詭弁は、立命館の「学園行政における責任者集団」と
しての自覚に欠ける軽率で不誠実な言動であるとともに、大学
教員全体への誹謗中傷となっています。
ぜひ、返答書では、教員全体を代表し、要請書の内容の異様さ
の自覚を部次長の方々に促し、強く反省を求める要請をしてい
ただくよう、お願いしたく思います。』
┌2───
│資料:ストライキおよびハンガーストライキに関する申入書について
UNITAS HOT NEWS VOL94━2007.8.3
http://www.ritsumei.ac.jp/mng/gl/koho/kyousyokuin/uhn/unitashotnews94.htm
(転載:http://ac-net.org/rtm/No/247 )
「今回のように、学生に約束していた授業を休講にして補講も予
定しないということは、憲法に保障された教育を受ける権利お
よび学生が大学との間で契約した教育を受ける権利を侵害する
ものである。」
¶京都滋賀地区私立大学教職員組合の初代専従書記を歴任された方
で労動法についての一定の理解があるはずの人が、学園運営者を代
表して、大学教員のストは許されない、と言う主旨の発言をしたこ
とに失笑を伴う批判が拡がっている。ゼネラルユニオンへの申入書
ではあるが全学に公開された以上、ストを検討している立命館大学
教職員組合が看過できる文書ではない。
─2a─
転載:ハンストカフェ掲示板 [115] 美しいハンスト
2007/07/28(Sat) 01:49
=> http://ac-net.org/rtm/No/249
(抜書)
『ところで立命館の常務理事の****という人は恥ずかしい人ですね。
まず大学はストが起こるような事態に陥らないようにいたらないように教
員等と信頼関係を構築するため様々な施策を行う義務があるのに、その雇
用者責任を全く自覚していない点。
次にストによって被った損害の補填責任は大学側にあるのに、そのことを
無知によってか、意図的な誤認によってか認識していない点。(知ってい
ないとすれば単なる無能であり、意図的な誤認だとすれば不当労働行為で
す。)
第三に、学生に対する責任を自覚するのであれば、例えやましい手段であっ
たとして他の教師に命じて、スト破りの補講をさせることなど、責任感の
ある機関であれば検討するのに、その努力もろくにせずに、自らの無能さ
と学生への責任を棚にあげて相手を非難することで責任回避できると思っ
ている点。
第四に、「学生の学ぶ権利」を人質のように使って脅迫している点。憲法
を用いてお門違いの相手に因縁をふっかける立命館の振る舞いをみたら、
故末川博先生はいったい何と思われるだろうかと思います。
先生への抗議文を見ていると、大学側には、雇用者としての責任感も、学
校運営者としての学生への責任感も、サービス供給者としての責任感もな
く、さらには法人の責任者として最低限の法を守らなければならないとい
う遵法精神さえも、ついでにいえば普通の公民としての知識・品格・モラ
ルさえも、ないというのがよくわかります。」
┌3───
│資料:教職員組合のニュース等に関わっての学生部の見解について
UNITAS HOT NEWS VOL95━2007.8.6
=> http://ac-net.org/rtm/No/250
http://www.ritsumei.ac.jp/mng/gl/koho/kyousyokuin/news/2007/0803.pdf
(抜書)「退任慰労金については、学友会からの説明会開催要求に
応え、6月6 日には説明会を開催しました。また、申し出があれば
何度でも説明を行う用意があることを学友会に伝えてきました。そ
の後、学友会からは、全学協議会代表者会議事務折衝に向けての打
ち合わせにおいて、退任慰労金について議題としたい旨の意向が示
されました。それを受け、学生部は、全学協議会の性格・議論すべ
き内容について丁寧に説明し、学友会との意見交換を行いました。
そのなかで、全学協議会での議論は、それぞれの立場・役割の違い
の理解し、互いの活動やその決定の尊重・保障を前提としたうえで
こそ成り立つものであるという共通理解を得ることができました。
それを受けて、学友会からは退任慰労金については議題として扱わ
ないことが表明され、改めて全学協議会での有意義な議論のために、
ともに力を尽くすことを確認したというのがことの経緯です。それ
にもとづき、7月16日の全学協議会代表者会議事務折衝の冒頭でも
全パートに対し議長から正式に確認を行い、事務折衝および7 月
18日の全学協議会代表者会議を滞りなく開催しました。 したがっ
て、「全学協で議題にすることは許されていません」「強引に学生
に認めさせました」という記載は、事実とまったく異なるもので
す。」
¶「全学協議会は、それぞれの立場・役割の違いの理解し、互いの
活動やその決定の尊重・保障を前提としたうえでこそ成り立つ」と
して利害対立があることは議題にしないのであれば仲良しクラブの
儀式にしかならない。学友会が、学生の利益を守る立場から「退任
慰労金について議題」とすることを要求するのは当然のことである。
理事会の立場を尊重せよと迫り、学友会がその立場を放棄するまで
執拗に交渉したことは学生部長の文章自身が明らかにしているが、
そのような経緯を普通は「強引に学生に認めさせた」と表現する。
以下の京都民報記事が報道しているように、7月27日の要請行動に
おいて意見表明しようとした学生を 『理事会自治の侵害』という
噴飯用語を出して阻止しようとした様子は、全学協議会についての
学生部と学友会の交渉実態を推定するに十分なものがある。
なお教学機関の一端を担う学生部の長が、学生の自主活動を侵害・
干渉するようなことを述べている点で、当該文書は教授会としても
見過せない、という意見も寄せられている。
─3a─
京都民報:2007年08月06日 11:59
「民主立命」の名が泣く! 学生の要請行動を妨害
http://www.kyoto-minpo.net/archives/2007/08/06/post_3656.php
http://ac-net.org/rtm/No/251
『立命館大学の学生自治会と教職員組合が合同で、前理事長と前総
長の退任慰労金倍増の撤回を求める要請を行った際(7月27日)、
学生部長らが学生の要請だけを妨害しました。これに学生や教職
員から批判の声があがっています。
学生と組合員が一緒に朱雀キャンパスに入る際に、学生部長らは
数人で学生を呼び寄せ、別の場所に連れていこうとしました。居
合わせた組合員が「学生の自主的とりくみを、やめさせるべきで
はない」と注意しました。それでも学生部長らは受けつけず、あ
げくのはてに「学生が理事に要請するのは『理事会自治』の侵害
だ」などと述べ、10月に行われる4年に1度大学の方針を議論す
る公開全学協議会の開催が危ぶまれることをにおわす発言までし
て脅しました。これに学生は屈せず要請行動に参加しました。
組合役員は、「今回の要請は、学生大会の決議にもとづいて学生
自治会の役員が自主的に行ったものだ。大学と折衝してうまくい
くように指導するのが学生部の仕事なのに、やめさせるなどとい
うことは絶対にしてはならない」と話しています。
参加した学生自治会の役員は「まったくの脅しだ。最初は恐かっ
たが、あまりにも理解できないことばかり言われて腹が立ってき
た。学生が自分たちの意見を自由にのべることを妨害されるよう
では、『民主立命』の危機だ。学生にも広く知らせ、学生部への
抗議を検討したい」と話しています。(山手四郎)』
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│凡例:¶は発信者のコメント
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これまでのログ:http://ac-net.org/rtm/amp/