145回-衆-本会議-36号 1999/06/10 ○松本善明君 私は、日本共産党を代表して、中央省庁再編関連十七法案に対 する反対討論を行います。(拍手)  まず、この法案の審議の問題であります。  国の全行政機関の再編にかかわる重要かつ広範なこの法案を、日本のすべての 法律の約三分の一、四百七十五本の法律改定を一つにした地方分権一括法案とあ わせて審議し、しかも、わずか十二日間の審議で採決するということは、国会審 議の形骸化以外の何物でもありません。戦争法、盗聴法案の強行に続くこの事態 は、国権の最高機関である国会の権威をみずから失墜させるだけではなく、国民 主権に対する重大な背反であります。私は、最初にこのことを厳しく糾弾するも のであります。(拍手)  法案に対する反対理由の第一は、これらの法案が、国民の福祉や医療、教育な ど、国民生活部門を徹底的に切り捨てるものだからであります。  言うまでもなく、憲法第二十五条は、国民の生存権をうたい、社会福祉、社会 保障などを国の義務として規定しております。二十六条は国民の教育を受ける権 利を、二十七条は勤労の権利を明記し、それぞれ国の責任も明示しているのであ ります。この法案は、国が国民に対して負っている国民生活擁護の責任を放棄し ようとしているものであります。  その役割の中心をなすものが、新しく導入する独立行政法人であります。こ れは、国の事務事業を行政から切り離して法人に行わせようとするものでありま すが、制度のねらいは、審議の中で総理大臣や総務庁長官が答弁をしましたよう に、一定期間後に法人組織の改編や廃止をすることにあります。つまり独立行 政法人は、民営化か廃止かの第一歩であります。これが国の責務の放棄であるこ とは明白であります。  しかも、その対象は、国立病院・療養所、国立研究機関、国立美術館、博物館 など、国民と密接に関係する分野ばかりであります。その数も八十九施設機関、 対象となる職員は七万三千人であります。  独立行政法人の運営は、目標と管理、企業会計原則の導入など、徹底した企 業的効率が追求される仕組みになっております。ところが、その対象となる国立 病院・療養所では、重度心身障害者、高齢者、結核、難病など、民間施設では困 難な医療を受け持っているのであります。独立行政法人化によって採算優先の 運営がされ、本来国が果たすべきこれらの不採算医療が切り捨てられていく危険 が、ますます高まってまいります。  国立試験研究機関は、国の機関として高い公共性、中立性、長期的かつ広域的 な視点から、科学技術の向上に大きな貢献をしております。独立行政法人によ る、三年から五年という短期的評価、また効率化と採算優先のもとでは、こうし た研究は成り立ちません。  このことは、有馬文部大臣が、行革会議の委員当時、国立大学の独立行政法 人化への反論書の中でも、自発性、長期性、多様性を本質とする大学の研究には なじまない、安定的研究費、人件費の確保の保障がない、国立以上に独立行政 法人に対し国の財政支援がなされるとは到底考えられないと言って反対をしまし たが、これは国立研究機関でも全く同じであります。  国家公務員の十年間、二五%削減は、公的部門が負うべき行政需要を無視し、 国民生活に不可欠の行政サービスを大幅に切り捨てることにつながる無謀なもの であります。  総務庁長官も認めておりますが、我が国の公務員は先進国の中で人口比で最も 少ないのであります。しかも、削減目標は、橋本内閣当時が一〇%、小渕首相の 総裁選出馬で二〇%、自自合意で二五%へと、わずか一年足らずで次々と引き上 げられ、総務庁長官も、当惑していると答弁をしたくらいであります。二五%削 減には、何の根拠もないのであります。また、削減対象から二十六万の自衛隊を 外すなど、軍事優先の人減らし計画でもあります。