第二は、独立行政法人について伺います。
独立行政法人の制度は、国民生活部門の公共的業務を民営化もしくは廃止 かという、国の行政から切り離す仕組みをつくるものであり、重大です。
その対象として、四万五千人の職員が働く国立病院・療養所や国立試験研究 機関、車検など、八十九施設機関が挙げられています。さらには国立大学まで も独立行政法人にしようとするなど、国民の福祉や医療、教育など国民生活 部門が真っ先に挙げられています。
既に国立病院・療養所では、現場業務の下請化、看護婦の二交代制勤務の導 入など、徹底した人減らし合理化が行われています。独立行政法人では、採 算優先の病院運営が一層追求され、高齢者、結核、難病医療、離島僻地医療な ど、本来国が責任を持たなければならない不採算医療が、切り捨てられていく のではありませんか。厚生大臣の明確な答弁を求めます。
国立研究機関は、国の機関として高い公共性、中立性、長期的かつ広域的な 視点を保障する研究環境のもとで、科学技術の向上に大きな貢献をしておりま す。例えば、リチウムイオン電池は、将来の電気自動車のエネルギー源など大 幅な需要増が見込まれています。通産省の四国工業技術研究所では、二十年に わたる基礎研究によって、海水からリチウムを採取する独創的な技術をつくり 上げました。こうした研究は、環境、安全、農業など、どの分野にもあるので す。
しかし、独立行政法人では、三年から五年という短期間の評価が求めら れ、効率化と採算が優先されて、独創的な研究がつぶされていくおそれがあり ます。長期間にわたり地道な基礎研究を行っている国立試験研究機関は、もと もと市場原理にはなじまないものではないですか。総理の答弁を求めます。
今、民間の美術館や博物館の運営は、低金利政策で困難なもとに置かれてお ります。こうした中で、世界の貴重な文化遺産でもある美術品などの保存、展 示、資料収集、調査研究などを公共的立場から行っている国立博物館や国立美 術館に対する期待が高まっています。国立博物館、国立美術館を独立行政法 人化することは、国民の文化に企業的な効率化を求めるものです。小渕首相 は、文化で金もうけをさせようというのですか。明確な答弁を求めます。
独立行政法人通則法案では、独立行政法人が行う事務事業を、国民生活及 び社会経済の安定等の公共上の見地から確実に実施されることが必要な事務及 び事業としているにもかかわらず、三年から五年の期間において独立行政法 人が達成すべき中期目標を定め、評価委員会がその評価を行い、民営化や業務 の改廃を勧告できるとしています。公共上の見地から確実に実施が必要だとい いながら、業務を廃止する仕組みをつくるとは、一体どういうことですか。答 弁を求めます。
第三に、国家公務員の二五%削減について伺います。
現在八十五万人の公務員は、郵政公社化で三十一万人を減らし、残った五十 四万人の二五%削減によって四十一万人になるとされています。我が国の公務 員数は、先進国の中でも人口当たりの公務員数が最も少ない水準にあること は、政府の調査からも明らかになっています。高齢化社会のもとで、介護体制 の強化拡充など、行政需要が高まっているもとで、公務員二五%削減の根拠は 一体どこにあるのですか。総理の答弁を求めます。
その削減の矛先は、いわゆる生活部門や地方出先機関など、国民生活に直接 かかわる公共サービス部門に向けられています。ところが、二十八万人の自衛 隊は聖域としています。公務員の二五%削減が行われると、国家公務員の四割 が自衛隊員ということになります。まさにこれは軍事優先の国家体制ではない ですか。総理の明確な答弁を求めます。
独立行政法人に関するお尋ねでありましたが、独立行政法人制度は、自主 性、自律性を付与するとともに、客観的な評価を行うことにより、業務運営 の効率化、質の向上等を目的とするものでありまして、市場原理のもとで独 立採算を目的とするものではございません。また、社会経済情勢の変化等に よりまして、独立行政法人の業務、組織のあり方が見直されることは、制度 の矛盾に当たらず、むしろ制度のねらいとしているところでもあります。