○国務大臣(小渕恵三君) 石田美栄議員にお答え申し上げます。  ここ十年間の大学改革の成果への評価と、今回の法改正の意義についてのお 尋ねでありました。  これまで各大学の改革への取り組みが着実に進められてきておりますが、本 法律案におきまして、教育研究の質の向上や組織運営体制の整備を図るととも に、今後、大学の自律性の確保や多元的な評価システムの確立等を図り、国際 的に通用する大学を目指した大胆な大学改革の実現に努力してまいりたいと 考えます。  二十一世紀における我が国の大学等の役割と国際的に通用する大学のイメ ージについてのお尋ねですが、すぐれた人材の養成や独創的な学術研究の推進 等の役割を担う大学が、社会経済の変化や学問の動向等に適応しつつ、国際的 な教育水準を確保し、その社会的な責任を果たしていくことが極めて重要であ ると考えております。  最後に、大学院に関する将来像についてのお尋ねでありますが、今後の大 学院は、独創的な学術研究の推進や創造性を持った研究者の養成とともに、社 会の要請に的確に対応した高度な専門的能力を有する職業人の養成など、国際 的な教育研究水準を確保しつつ、多様で活力あるシステムを目指すことが重要 でありまして、引き続き質、量の両面にわたりまして充実に努めてまいりま す。  なお、国立大学の独立行政法人化等につきましては、大学の自主性を尊重 しつつ、大学改革の一環として検討を行ってまいりたいと考えます。  残余の質問につきましては、関係大臣から答弁させます。(拍手)    〔国務大臣有馬朗人君登壇、拍手〕 ○国務大臣(有馬朗人君) 石田美栄議員にお答え申し上げます。  第一に、大学改革への取り組みについてのお尋ねでございますが、大学改革 につきましては、大学審議会答申等を踏まえ、各大学の改革への具体的取り組 みが着実に進められ成果を上げてきておりますが、さらなる改革の推進が求め られております。  このため、本法律案におきまして、教育研究の質の向上や組織運営体制の整 備を図るとともに、今後、大学の自律性の確保や多元的な評価システムの確立 等を図る必要があります。  引き続き、所要の制度改正に取り組むとともに、各大学において学長のリー ダーシップのもとに大胆かつ積極的に大学改革が進められるよう促してまいり ます。  第二に、三年以上の在学で卒業を認める制度についてのお尋ねであります が、この制度は、学生の能力、適性に応じた教育を行い、その学習成果を適切 に評価するという観点から設けられた例外的な措置であります。  このことを踏まえ、三年以上の在学で大学が卒業を認めることができる場合 として、責任ある授業運営や厳格な成績評価を行い、かつ学生の履修科目登録 単位数の上限設定等が行われている場合に限ることを文部省令等において明ら かにすることとしております。その上で、各大学において、この措置を講ずる かどうか、どういう学生に適用するか等を判断し、実施していくことになりま す。  第三に、今回の法案と学問の自由、大学の自治との関係についてのお尋ねで ございますが、今回の法案は、大学内部の各機関の役割分担の明確化を図ると いう観点から、評議会や学部教授会の設置や所掌事務等を定めておりますが、 例えば、学部教授会は学部の教育研究の重要事項を審議することとするなど、 教育研究に関する大学の自主性を尊重した内容のものとしております。  したがって、この法案は、大学における学問の自由や大学の自治を前提とし た上で大学としての自律性をより高めるものであり、それを通して教育研究の 充実に資するものであります。  第四に、大学の自治と国立大学の説明責任との関係についてのお尋ねでござ いますが、国費で支えられている公的な機関である国立大学が、社会の意見等 を適切にくみ上げることとともに、教育研究等の情報を積極的に社会に対して 提供することは、その社会的な責任を明らかにする上で極めて重要でありま す。その場合、教育研究活動の主体は大学であることを踏まえ、教育研究活動 に関する大学の自主性は尊重されるべきものと考えます。  今回の法案は、このような考え方を前提とした上で国立大学の教育研究活動 の状況を社会に対して説明する責務を制度上明確化しようとするものでありま す。  第五に、運営諮問会議についてのお尋ねでございますが、本会議の委員の選 考については、学長が文部大臣に申し出るに当たり、学内の意見を聞くことは 予想されていることでありますが、最終的には、運営諮問会議の設置の趣旨を 踏まえ、学長の主体的な判断により適切に人選を行うこととなるものと考えて おります。  また、委員の構成としては、地方公共団体の代表者、地域経済界の関係者、 卒業生、他の大学や研究機関の関係者など、社会の各界から大学に関し広くか つ高い識見を有する方々になっていただくことを想定しております。  第六に、組織運営体制の整備と大学教育の充実との関係についてのお尋ねで ございますが、今回の法案は、学部教授会と評議会の役割分担の明確化などに ついて規定し、学長を中心とする大学としての合理的で責任ある意思決定と実 行を可能とするものであります。これによって大学が全学的な教育課題に組織 として一体的に対応することが可能となり、教育機能の充実に向けた各大学の 積極的な取り組みが期待されます。  なお、このような取り組みは運営諮問会議の審議や大学情報の公表等を通じ て、社会に対して責任ある形で実行されるものと考えております。  第七に、大学評価のための第三者機関の設置についてのお尋ねであります が、大学の教育研究の質の向上を図るため、第三者評価機関を設置し、教育活 動、研究活動など大学の行う諸活動について多面的な評価を行い、その結果を 各大学にフィードバックし、各大学の教育研究活動の改善に役立てていくこと を考えております。  今後、第三者評価機関の速やかな創設に向け、専門的な調査研究の成果を踏 まえつつ、評価内容、方法等について工夫、検討していくなど、調査、準備を 進めてまいる所存であります。(拍手)