145回-参-本会議-18号 1999/05/07 ○石田美栄君 民主党の石田美栄でございます。  私は、民主党・新緑風会を代表して、学校教育法等の一部を改正する法律案に ついて、小渕総理大臣並びに有馬文部大臣に対して質問いたします。  文部省に大学審議会が設置されて十年が過ぎ、この間さまざまな改革や提言が 打ち出されて、大学改革が進められてまいりました。しかし、改革は十分な効果 を上げてきたかといえば、まだそうとは言えないのが現状ではないでしょうか。 二十一世紀へ向けて、日本の大学は今変わらなければならない。そして今変わろ うとしております。  昨年十月に出された大学審議会の答申、「二十一世紀の大学像と今後の改革 方策について」を受けて、最初に実施される具体策がこのたびの法改正となるの ですが、小渕総理としては、この十年間の大学改革の成果をどのように評価し、 さらにこの法改正にどのような意義を持たせての提案であるのでしょうか。総理 の大学改革についてのビジョンをお尋ねいたします。  また、総理は、所信の中で述べられた五つのかけ橋の中で、未来へのかけ橋と して教育を取り上げています。その中で、国際的に通用する大学を目指した大胆 な大学改革を実現すると言及されています。そこで、二十一世紀の我が国のビジ ョン、ありようと高等教育、大学、大学院の果たすべき役割についてはどのよ うにお考えか、さらに、国際的に通用する大学とはどのような大学をイメージ しているのかの二点についてお聞かせ願いたいと存じます。  続いて、有馬文部大臣にお尋ねいたします。  「日本は、初等・中等教育が強く、高等教育は弱い。一方、アメリカは、初 等・中等教育に問題があるものの、高等教育は極めて優秀である。」とは、アメ リカの社会学者ダニエル・ベル氏の言葉です。このように我が国の高等教育に対 する評価は決して高くはないのであります。  そこで、東京大学の総長、大学審議会の副会長を歴任された有馬文部大臣と しては、答申する側からそれを受けて実行する立場へと変わられたわけですが、 この十年間の大学改革の成果をどのように評価し、今後、一層の大学改革のた めにどのようなリーダーシップを発揮されるおつもりか、その決意のほどをお聞 かせ願いたいと存じます。  それでは、法改正案に沿って逐次質問を続けてまいります。  まず、大学制度の弾力化を推進するため、学校教育法の一部改正の中で、優秀 な成績で所定の単位を修得した者について、三年以上の在学で卒業を認める制度 を設けることになっておりますが、法文では「文部大臣の定めるところによ り、」となっております。そこで、文部大臣は、この制度をどのような大学に対 してどのようにお認めになるつもりか、想定しておられることについてお尋ねい たします。  次に、もう一つの改正理由の、大学、特に国立大学の組織及び運営体制を整 備することについてであります。  このために、学校教育法の一部改正で、学部長の追加設置、並びに国立学校設 置法の一部改正で、国立大学における運営諮問会議及び評議会の設置に関する規 定を追加整備し、教授会についても、その所掌事務を定めるなど、学長の権限を 明確にして大学の責任体制の整備を図っています。これに対して、一部にこれま で守ってきた学問の自由、大学の自治が根底から脅かされかねないという批判が あります。文部大臣はこうした批判や懸念に対してどのようにお考えか、お尋ね いたします。  同じく、いわゆる大学の自治と、特に国立大学に求められている社会に対す るアカウンタビリティー、社会に開かれた大学、大学の透明性といったことと の関係をどのようにとらえておられるのか、お聞かせください。  また、このたびの法改正で、新たに国立大学に対して設置が義務づけられるこ とになった運営諮問会議についてであります。  大学の教育研究に関しての計画、教育研究活動の状況についての評価、また、 大学の運営に関しての重要事項などについて、学長の諮問に応じて審議し、学長 に助言または勧告を行うことのできる重要なものであります。「学長の申出を受 けて文部大臣が任命する。」とありますが、大臣はどのような選考方法でどのよ うな構成を考えておられるのか、お尋ねいたします。  続いて、大学審議会の答申の中で、教育問題として次のような指摘がなされて います。  教員の意識は、「研究重視の意識は強いが教育活動に対する責任意識が十分で ない。また、カリキュラム改革や学習指導の改善が、個々の教員レベルに任せら れており、組織全体としての責任意識が十分でない。」とあります。この問題 と、このたびの学部長、評議会、教授会の法的位置づけ、そして外部監査的な機 能のある運営諮問会議の設置によりどのような大学の責任体制がつくられていく とお考えなのか、お尋ねいたします。  次に、このたびの法改正も含めて、ここしばらくは大学改革はちょっとしたブ ームと言われるほどで、およそ九割もの大学がカリキュラム改革や自己点検や自 己評価などの取り組みを進め、結果の公表や外部評価を実施する大学もふえてお ります。また、二十一世紀の大学は世界的な競争にさらされること、少子化の影 響で十年後には数字の上では希望者全員が入学できる時代が来ること、国立大学 の独立行政法人化について平成十五年までに結論を得ることなどを考えると、 自己評価はもちろん、学内学外を含めて公正で信頼性のおける総合評価の仕組み を日本においても確立することが大変重要であると考えます。  さらに、国立大学について、大学審議会の答申は、国費によって支えられて いるがゆえに、特にその社会的責任として果たすべきことが期待されている機能 を明確にして、このような機能を十分果たしていない国立大学については、適切 な評価に基づき改組転換を検討する必要も出てくると述べています。さらに、透 明性、客観性の高い大学評価をするために、第三者機関を設置して、その結果を 国立大学予算配分に際しての参考資料の一部として活用することも言及しており ます。  そこで、文部大臣、大学の評価について、アメリカなどに比べて日本は非常に おくれていることがよく言われておりますが、この外部監査的な役割を持つ運営 諮問会議に加えて、今後、大学評価をするための第三者機関を本当に設置される おつもりなのでしょうか。もし設置するのであれば、それはいつごろまでに、多 様で総合的な評価システムをどのような構想で進めていくおつもりなのか、お尋 ねいたします。  最後に、最も重視されている大学改革は大学院重点化であると言われていま す。  高等教育に関して、事大学院については欧米との間に格段の差があります。例 えば大学院生の数で見ると、人口千人当たり、アメリカは七・五人ぐらいです が、日本は一・七人、英国、ドイツ、フランスでも日本の倍の三・五人くらいに なっております。将来の国立大学の独立行政法人化問題や国際競争するには国 立大学の再編が必要といった問題も含めて、小渕総理大臣の大学院に関する将 来像をお伺いして、私の質問を終わらせていただきます。  ありがとうございました。(拍手)    〔国務大臣小渕恵三君登壇、拍手〕 ○内閣総理大臣(小渕恵三君)  独立行政法人に関するお尋ねでありましたが、独立行政法人制度は、自主 性、自律性を付与するとともに、客観的な評価を行うことにより、業務運営の 効率化、質の向上等を目的とするものでありまして、市場原理のもとで独立採 算を目的とするものではございません。また、社会経済情勢の変化等によりま して、独立行政法人の業務、組織のあり方が見直されることは、制度の矛盾に 当たらず、むしろ制度のねらいとしているところでもあります。  公務員の削減についてお尋ねですが、政府におきましては、中央省庁等改革 にあわせ、計画的削減と独立行政法人化によりまして、十年間で二〇%の削減 を目指してきたところでありますが、この目標を一層厳しくする観点から、自 民、自由両党の合意がなされ、これを受けて、十年、二五%削減の方針を国の 行政組織等の減量、効率化等に関する基本的計画の中で閣議決定したところで あります。