==> 国立大学独立行政法人化の諸問題 |
「文部省が教員養成学部再編を検討開始」関係の報道
2000.8.28
NHK ニュース速報2000.8.28
東京新聞2000.8.25
共同通信ニュース速報(2000.8.19)
教員養成学部を再編へ 採用数減少で文部省 地域から反発も
「地域の教育の核」と大学 統廃合に強い反発
『沖縄タイムス』2000年8月21日付社説「教員養成」再編どうするかは大学判断で
『琉球新報』2000年8月21日付社説「教員課程再編・効率性だけでいいのか 」
国立大学教員養成学部の統廃合で質向上 文部省が見直しで検討
NHKニュース速報 2000.8.28
国立大学の運営を効率化し質の高い教員を養成するために、文部省はき
ょう会議を設けて、都道府県に一つは置かれている国立大学の教員養成の
学部を見直す方向で検討を始めました。
きょうから始まった会議には、大学や小・中学校の関係者が出席しまし
た。
初めに文部省の担当者が「国立大学の独立行政法人化の検討を進めるに
あたって、教員養成の学部についても組織の見直しが必要だ」と説明し、
国立大学の教員養成学部を統廃合して減らす方向で検討するよう求めまし
た。
国立大学の教員養成の学部は、旧制の師範学校の流れを受け継いで都道
府県に一つは置かれていて、合わせて四十八ありますが、一つ一つの規模
が小さすぎて、教育の効果が十分に上がらないという指摘があります。
きょうの会議でも「今の教員養成学部の教官は、小中学校などで一度も
子どもを教えた経験がない人が多く、指導力のある先生を養成できない」
といった問題点を指摘する意見が相次ぎ、質の高い教員を育てるために、
学部の教育内容も含め、幅広く見直しの議論を進めることになりました。
文部省は、会議の意見を踏まえて、来年の夏ごろまでに学部の統廃合に
ついて結論を出したいとしています。
[2000-08-28-16:51]
Subject: [he-forum 1214] 東京新聞08/25
Date: Sat, 26 Aug 2000 01:31:41 +0900 (JST)
From: Hiroaki Ozawa
『東京新聞』2000年8月25日付
いじめ・学級崩壊・・・対応できません
教員養成大 リストラ時代
文部省、統合・再編も視野
懇談会を設け検討へ
文部省は二十四日までに、いじめや学級崩壊などの教育課題に本格的に対応
するため、統合・再編を含めて教員養成大学・学部の在り方を検討することを
決めた。二十八日から国立大学長や財界人、教育学者らの懇談会を開始、約一
年間かけて結論を出す。
同省は統合・再編に前向きな姿勢で、地域ブロックごとの再編などを提案す
る方針だが、リストラされる各大学や地元の反対も予想されるため、実際にど
こまで再編が進むかは不透明だ。
教員養成学部を設置している国立大学は、原則として各都道府県に一つずつ
(新潟県だけ二つ)ある。しかし、定員の六割を教職免許の取得を目的としない、
いわゆる「ゼロ免課程」が占め、三分の一の学部では教員養成課程の定員が百
人に満たない状況がある。
教科の専門教官以外の各大学の教官数も少なく、いじめや不登校、学級崩壊
などの現代の教育課題に機動的に対処した教員養成ができないという問題が指
摘されている。
このため、文部省では(1)ゼロ免課程を教員養成大学・学部と分離する(2)教
員養成課程を教員養成大学を中心にした地域ブロックごとに統合する—などの
構想を描いており、懇談会に検討を求める。
少子化による採用減に対応した、教員養成課程全体の定員削減については、
すでに五千人を削減しているため、見送る方針。
教員養成課程が統合されることにより、現職教員が大学院で学ぶ機会が狭め
られたり、地元教育委員会との連携が弱まる恐れがあるが、同省では「各大学
に『教職センター』などを残して、テレビ会議システムやインターネットを利
用した遠隔教育により、不便にならないようにしたい」と話している。
From: "Tomohiro Okada"
To:
Subject: [he-forum 1191] 教員養成学部を再編へ 採用数減少で文部省 地域から反発も(共同通信)
Date: Sun, 20 Aug 2000 09:25:52 +0900
教員養成学部を再編へ 採用数減少で文部省 地域から反発も
共同通信ニュース速報
少子化の影響で小中学校教員の採用数が減っていることから、文
部省は十九日までに教員養成課程がある国立の大学・学部の再編、
統合を検討する懇談会を今月末に発足させることを決めた。
地域ブロックごとに統合するなどのスリム化案を討議し、来年三
月ごろまでに結論をまとめる方針。
大学側には縮小や統廃合に強い反対がある上、都道府県からも地
域の教育への影響を懸念する声が上がるのは必至とみられる。具体
的な再編計画の策定や実行までには曲折も予想される。
教員養成課程は私立大三校以外はすべて国立大に設置されている
。新潟県は新潟大、上越教育大の二校に養成課程があるが、ほかは
各都道府県に一校ずつ。
国立の教員養成課程がある大学、学部を卒業し、教員になった割
合は十年連続で下がり続け、昨春は過去最低の三二%。
文部省はこうした状況を受け、教員養成の学部内で免許取得を目
的としない生涯教育課程などのコース(通称「ゼロ免課程」)の定
員の割合を増やした。
これで一九九八年度からの三年間で、教員養成課程の定員を約一
万五千人から約一万人に削減した。教員養成大学、学部の定員の四
○%近くがゼロ免課程の学生となっている。
懇談会では①ゼロ免課程を他学部に改組する②地域ブロックごと
に二、三校を一カ所に統合する③小学校教員養成課程のみの大学や
、教員養成の大学院だけがある大学を設けるなど機能分担をする—
といった再編統合の具体策を探る。
(了)
[2000-08-19-16:39]
「地域の教育の核」と大学 統廃合に強い反発
共同通信ニュース速報
文部省が教員養成課程がある大学・学部の縮小や統廃合に向けて
動き出すことについて、大学側には「地域の教育の核として不可欠
」「一方的に再編するのでなく、競争原理にゆだねるべきだ」など
と反発の声が強い。
ある地方国立大の学長は「ある程度の再編、縮小はやむを得ない
かもしれない」と社会情勢の変化に対応する必要を認める。
しかし「教育学部は教員養成の機能だけでなく、教育現場と日常
的に連携して教育実践の研究をしており、地域の教育のセンター的
機能を果たしている。全くなくなるというのは受け入れがたい」と
話す。
別の学長は「県内に小中学校の教員養成課程がすべてそろってい
ないと、教育がアンバランスになる」と再編自体に反対の立場。「
学生が集まらない大学はいずれ脱落していく。自然淘汰(とうた)
を待つ方がいい」と訴える。
文部省も、再編が容易ではないことを認める。幹部は「今回の懇
談会ではとりあえず大まかな方向性を出すが、問題はその先。具体
的にどこを縮小し、統廃合するかという話になると、行政だけでは
手には負えず、政治的な決断が必要になる」と話している。
(了)
[2000-08-19-16:42]
To: he-forum
Subject: [he-forum 1198] 沖縄タイムス社説08/21
Date: Tue, 22 Aug 2000 01:30:20 +0900 (JST)
From: Hiroaki Ozawa
『沖縄タイムス』2000年8月21日付社説
「教員養成」再編
どうするかは大学判断で
少子化が教育全般に及ぼす影響は底知れぬものがある。
単純図式で考えても、入学する子どもが減れば、先生の絶対数も少なくなる。
逆に空き教室はどんどん増える計算だ。
それが小学校から中学、高校、大学へ連動する。
今がまさにその最中だと言えようか。
とはいえ、これからも少子化はなお進むという。
十八歳の大学受験人口で見ると、二百五万人をピークに減少の一途をたどり、
現在は百五十万人まで落ちた。近い将来には百二十万人ラインを予想する。
受験生が、ピーク時の六割弱まで落ち込むのだから、各大学にとって定員確
保は至上命題となる。景気回復が長引いており、授業料の高い私立大学は、学
生集めで一層し烈にならざるを得ない。
国立大学だって安閑としていられないのは確かだ。改革に取り組んでも、独
立行政法人化が論議され、先行きは不透明である。
文部省は、教員養成課程がある国立の大学・学部の再編、統合を検討する懇
談会を発足させるという。
少子化で、小中学校教員の採用が減ったのを理由とする。
教員養成課程は、三つの私立大以外はすべて国立大学にある。人材育成を目
指した戦前の師範学校を引き継ぎ、新潟県を除いて各都道府県に一校ずつだ。
教員採用の減少とともに、学部の卒業生が教員となる割合も十年連続して下
がり続け、昨春は過去最低の三二%というのも関連している。
懇談会は、地域ブロックごとに統合するスリム化や小学校教員養成のみの大
学など検討する方針だ。
大学や地域の反発は当然だろう。学部が地元教育の核として、教育現場と連
携しながら果たした役割は大きい。
離島県の本県に照らせば、小学校教員の大半や、中学校教師の多くが琉球大
学の教育学部卒業生だろう。もし、教員養成課程が廃止されるとすれば、県教
育への影響は計り知れない。
懇談会は、少子化時代の教員養成や大学運営などを論議してほしい。具体的
にどうするかは大学や地域に任すべきだ。
To: he-forum
Subject: [he-forum 1199] 琉球新報社説08/21
Date: Tue, 22 Aug 2000 01:31:55 +0900 (JST)
From: Hiroaki Ozawa
『琉球新報』2000年8月21日付社説
教員課程再編・効率性だけでいいのか
大学はいま、独立行政法人化問題にさらされているが、今度は教員養成課程
がある国立大学・学部の縮小、統廃合の再編計画に向けて文部省が動きだした。
来年三月までに結論をまとめる方針という。
大きな理由として、少子化の影響で小中学校教員の採用数が年々、減少して
いること、教員養成課程を卒業し、教員になった割合が十年連続下がり続け、
昨春は過去最低の三二%であったことなどを挙げている。再編の内容は地域ブ
ロックごとに統合することや、さらなる定員の縮小などだ。
不登校、いじめ、体罰、校内暴力など、学校を取り巻く状況はかつてなく厳
しい。大分で起きた十五歳少年による一家六人殺傷事件などにみられるように、
少年犯罪も凶悪化。その背景として学校教育と家庭教育の関連が常に指摘され
ている。これらの問題解決能力で資質の向上がより求められているのが教職員
である。
こうした中、教職の専門家を育成する養成課程をなぜあえて、いま再編しよ
うとするのか。一方で文相の諮問機関である教育職員養成審議会は教員研修の
在り方で答申を行った。教育学部は教員養成の機能ばかりではない。少子化な
どである程度の再編、縮小には理解を示している大学でも地域の教育センター
的機能を果たしていることを無視して全く廃止されることには強く反発してい
る。当然だ。
大学の独立行政法人化問題もそうだが、もともと、教育や研究は効率性の観
点にはなじまない。もちろん大学の組織や研究体制、職員の身分制度の在り方
は固定的であってはならないし、時代と状況に応じた改組、改善には大学自ら
積極的に対応すべきである。
教育は国家百年の大計といわれるように、人材を育てるのは国が発展してい
くための根幹にかかわる。
もっぱら効率性だけを前面に押し出した教育改革には反対する。むしろ教員
の枠を減らすことなく、国民の要請が強い少子化時代に対応した三十人学級を
実現することが先決であろう。