2004年03月14日

自衛官宅ビラ配布者の即時釈放を求める社会科学者有志の声明

[aml 38241;2004.3.14] より

以下のような、3名の逮捕に抗議する社会科学者有志の声明の賛同人を募っています。・・・・・・15日に賛同人を一次集約して16日に公表します。時間がないのですがよろしくお願いします。賛同送り先
東 浩一郎
azuma@fsinet.or.jp #(使用時は半角で)

「自衛隊イラク派遣に反対するビラ入れへの逮捕に抗議し3名の即時釈放を求める社会科学者有志の声明」

 2月27日、自衛隊イラク派遣に反対するビラを自衛隊官舎の郵便受けに入れたことが住居不法侵入にあたるとして、東京都立川市の市民団体「立川自衛隊監視テント村」の市民3名が警視庁立川署に逮捕されました。同時に立川署は、同団体の事務所や関係者の自宅など6ヶ所に家宅捜索を行ない、ビラとは直接関係のないパソコンや多数の書類などを押収していきました。ビラを入れたのは1ヶ月以上前の1月17日であり、ビラのタイトルは「自衛官・ご家族の皆さんへ 自衛隊のイラク派兵反対! いっしょに考え反対の声をあげよう!」というものです。

 そもそも自衛隊官舎といっても外見は普通の集合住宅であり、業者などが日常的にビラ入れを行なっているものです。なぜこれが犯罪とされなければならないのでしょうか。本件に関して3月3日には法学者が連名で声明を発表していますが、そこでも「当該行為が刑法130条の住居侵入罪に当たるかどうかについて疑問があります」と述べられています。

 私たちは学問にたずさわる者として、政府の方針に反対する意見のものだけが選別され犯罪に問われたということに大きな危惧を覚えています。とりわけ社会科学においては、政府がすすめる政策の是非をめぐっては常に激しい論争が繰り広げられます。もし特定の意見や思想だけを禁止するのであれば、それは学問にとっての死を意味すると考えます。

 イラク戦争や自衛隊のイラク派兵は国論を二分する問題です。そうしたなかで特定の表現行為を一方的に取り締まるということは、戦前の言論統制の例を持ち出すまでもなく、民主主義の原則を大きく逸脱したものと言わなければなりません。私たち社会科学者は、基本的人権を侵害し自由な議論を規制する今回の弾圧に対し、強く抗議する声明を発し、以下を求めます。

1. 東京地方検察庁(八王子支部)は起訴することなく、3名を即時釈放すること
2. 警視庁および立川署は今回の措置の不当性を認め今後このような逮捕および家宅捜索を行なわないこと

    以上、発起人・賛同人一同

発起人 東 浩一郎(東京立正女子短大・経済学)

賛同人(3月13日現在 42名)

青才 高志(信州大・経済学)/赤坂 道俊(八戸大・経営史)/石川 康宏(神戸女学院大・経済学)/伊藤 誠(経済学者)/大谷 禎之介(法政大)/岡田 清(政治経済研究所・経済学)/岡田 徹太郎(香川大・経済学)/奥村 茂次(大阪市立大(名)・経済学)/鎌倉 孝夫(埼玉大(名)・経済学)/川上 恵江(熊本大・社会思想史)/北 明美(福井県立大学看護福祉学部)/北原 勇(慶應義塾大(名))/吉川 顕麿(金沢星稜大・経済学)/久留間 健(立教大(名)・経済学)/黒瀬 直宏(専修大・経済学)/黒滝 正昭(宮城学院女子大・社会思想史)/斎藤 日出治(大坂産業大)/真田 哲也(福島大・経済学)/島崎 美代子(地域開発論)/下山 房雄(九州大(名)・経済学)/新藤 通弘(アジア・アフリカ研究所)/竹内 晴夫(愛知大学経済学部・経済学)/鶴田 満彦(中央大・経済学)/永谷 清(経済学者)/中山 孝男(東邦学園大・経済学)/西野 勉(高知大(名))/二宮 厚美(神戸大)/二瓶 敏(専修大(名)・経済学)/延近 充(慶應義塾大・経済学)/原 伸子(法政大・経済学)/樋口 均(信州大・経済学)/久野 国夫(九州大・経済学)/姫田 光義(中央大・歴史学)/藤田 進(東京外語大・アラブ現代史)/古川 智(東亜大・経済学)/星野 富一(富山大・経済学)/三輪 俊和(北九州市立大学経済学部・理論経済学)/八木 晃介(花園大・社会学)/山本 孝則(大東文化大学環境創造学部・経済学)/和田 重司(中央大・経済学)/渡辺 治(一橋大)ほか1名.※(名)=名誉教授

tjst |3月14日 |URL:http://www.ac-net.org/dgh/blog/archives/000568.html |研究者から社会へ
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 N@獨協大学教員、attac Japan会員です。15日に、反戦ビラ配布者不当逮捕に抗議する集会に行ってきました。

 主催は「立川・反戦ビラ弾圧救援会」。会場の公民館に開始5分ほど前に着いたのですが、50名ほど入れる部屋はすでに満席でした。いすのない人は床に座ったり、立ったりして聞いています。4人に1人ぐらいが若者です。出入りした人を全部合わせると、100人を超していたかもしれません。

 集会前半は救援会報告、担当弁護士報告、法学者声明の発起人報告など。そして会場からの発言。質疑応答の他、アピールや情報提供もありました。サンデー毎日3月28日号にコメントが載ったという人からは、「警察に抗議電話したら、反戦チラシだから捕まえたとはっきり言われた」との情報提供。イラク開戦後に個人でアメリカ大使館前アピールを続けた人は、「ある人に向かって大声を出した」という容疑(!?)で告訴され、自宅や職場の家宅捜索を受けた話をし、「人ごとではない」と訴えていました。
 集会後半は、各地の反戦運動からの報告でしたが、都合により途中で帰ってしまったため、内容はわかりません。

 状況がよりよく見えるようになり、行ってよかったと思っています。この件の他にも、運動弾圧が狙いであることが明白な、これまでありえなかった微罪逮捕が、全国で相次いでいるそうです。何らかの行動に関わっている人は、自分なら何で捕まるかを考え、逮捕を未然に防ぐと共に、万一の場合を想定しておく必要があるかもしれません。
 その一方で、もっともっと世論を起こさなければなりません。多くの人が、お金や時間、人脈やインターネットアクセスなど、それぞれのもつリソースをちょっとずつ出し合えば、逮捕がおかしいことがわかりやすいだけに、状況は大きく変わると思われます。

 3人が起訴されるかは、拘留期限が切れる19日までに、つまり実質的には今日明日のうちに決まります。刑事訴訟法248条によれば、逮捕された人はすべて起訴されるというわけではありません。しかし、担当弁護士の内田雅敏先生のお話では、今回の逮捕は令状逮捕といって、検察庁が予め打ち合わせをした上での、起訴を含んだ(と通常みられる)逮捕なのだそうです。
 内田先生は、残念ながら起訴はあるかもしれないが、その先には裁判で違憲判決を勝ちとるという目標があるともおっしゃっていました。

 あまりに正直に書いてしまったため、がっかりされた方もいるでしょう。しかし、100%起訴と決まったわけではないのも事実です。集会主催者は、参加者に向けて、「起訴を許さない声を検察庁に届けよう」という行動提起をしました。

 私も、逮捕された3人にとって不起訴がベストである以上、最後まで検察庁に圧力をかけたいと思い、以下のような抗議文を、検察庁サイト(http://www.kensatsu.go.jp/)の「ご意見・ご質問」メールフォームを通じて送りました。インターネットをなさる皆さんに、同様の行動を呼びかけます。
 それぞれがオリジナルの熱い叫びを届けるのがベストなのですが(特に匿名の場合)、時間のない人は、どうぞ私の文章をお使いください。私もいちおう法律家なので、「起訴の不当性」を法律的に主張すると共に、裁判になった場合、支援体制が充実しているから(昨日の集会でそれを感じました)、面倒なことになるよ、というメッセージを込めました。
 私は名前も肩書もメールアドレスも出し、大学を連絡先にしておきましたが(そのうち逮捕されるかな)、相手が相手なので、名前や連絡先は、個人の判断で出す出さないを決めたらいいと思います。
 
 なお、地域での次の行動は、19日(金)17時30分から、立川駅北口コンコース上でビラまき+終了後立川警察署抗議行動。その次は、21日立川〜横田ロングピースウォーク(9時30分立川錦中央公園集合、13時30分福生公園集合)です。

 以上、集会報告と行動の呼びかけまで。

【ここから抗議文】
題名:立川ビラ配布住居侵入被疑事件について

内容:
 上記の件につき、公訴を提起しないことを強く要望します。
 この件は、3月3日付け法学者声明が指摘するように、そもそも刑法130条の構成要件該当性に重大な疑問があります。
 百歩譲って構成要件を満たすとしても、刑事訴訟法248条の「犯罪の軽重」を考慮に入れれば、公訴を提起すべきでないことは明白です。公訴提起は、3人の被疑者の人権を侵害するのみならず、かえって国民の検察に対する信頼を失墜させることとなるでしょう。
 万一公訴が提起された場合、私たち国民は全面的に「被告人」らの側に立ちます。公判は、金銭的にも法律知識の点でも、尽きることのない豊富なサポートを全国から集めておこなわれるでしょう。特に、私たちには、裁判所が憲法判断を回避することのないよう、あらゆる手段を尽くす準備があることを強調しておきます。
【ここまで抗議文】

Posted by: N at 2004年03月16日 21:53

分類「 研究者から社会へ」の記事より

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