2004年03月13日

「たくさんの言い訳」

「茶色の朝」
物語/フランク・パヴロフ(藤本一勇訳)、絵/ヴィンセント・ギャロ、メッセージ/高橋哲哉
Publicity No 877 2004.3.13で紹介。

▼本文中に、「政府の動きはすばやかったし、/俺には仕事があるし、/毎日やらなきゃならないこばごましたことも多い。/他の人たちだって、/ごたごたはごめんだから、/おとなしくしているんじゃないか?」という一言がある。
「『行きすぎはまずいよ』/とシャルリーは言った」という一言と対照的で、我が身に堪えるねえ。

Publicity で紹介されているプレスリリースより:

<原書・フランス語版について>たった11ページしかないこの寓話は、著者が印税を放棄し、1998年、1ユーロで発売された。・・・・・・2002年4月下旬に行われたフランス大統領選挙の第1回投票で、移民排斥などを訴える極右政党国民戦線党首のジャン=マリ・ルペンが18%の支持を得た時、フランス国営ラジオFrance Interがルペンのインタビューを流す直前に紹介。それを期に、ベストセラー入り。以来、「現象」、「センセーショナルな本」、「引っ張りだこの小さな本」と形容されたこの本は、2002年の年間ベストセラー2位、2003年は1位に輝いている。・・・・・・

東京新聞2/14「フランス寓話が問いかけるもの」

「筋書きはこうだ。主人公はごく普通の男性市民。ある日、遊び仲間の友人から飼い犬を安楽死させたと知らされる。理由は、政府が毛が茶色以外の犬や猫はペットにできないという法律を定めたためだ。その後も日常に小さな変化が起きる。このペット制限を批判した新聞が廃刊され、その系列出版社の本も消えていく。しかし、「(政府の認めた)『茶色新報』も競馬とスポーツネタはましだから」と、さして不自由のない生活に主人公はまだ、声を上げない。だが、ある日、友人をはじめ、多くの人々が逮捕され始める。過去に茶色以外の動物を飼っていたことを犯罪と見なす法律ができたためだ。「茶色の朝」、主人公にも危険が迫る−。」

宮台真司氏が「(多くの日本人は)周囲に少数派に属する友人がおらず、異質な人間と接触することがほとんどない結果、自分は多数派、あるいは勝ち馬に乗っていられると信じている」とコメント。

ウェブログ Better Days より

白と黒のぶちの猫を飼っている「俺」
『ペット特別措置法』という法律が出来る。

街には『茶色の法律』を守ろうとする自警団が現れ、ペットを殺すための毒入り餌も無料で配られる。

茶色以外の猫を飼ってはいけない事になる。
猫を安楽死させて、一段落する「俺」。
(少しだけ胸が痛んだがすぐに忘れる)

法律が『茶色ではない犬も飼ってはいけない』事になる。
黒いラブラドールを飼っている、友人のシャルリ−がペットを安楽死させる。
お互いペットを安楽死させた「俺」とシャルリ−。
(少しだけ胸が傷んだ。すっきりしない。しかし、ごたごたに巻き込まれるのは嫌だ。仕
事はあるし…他にもいろんなことをしなくちゃならない。)

いつも読んでいる新聞が廃刊になった。
茶色でない事を書いたからだ。いつも茶色を批判する事を書いていた。
(『茶色の新聞』を読むしかないとあきらめる「俺」とシャルリ−)

図書館から日常の本が強制撤去される。
いつも言い表わす時、「茶色」をつけなくっちゃならなくなった。
「茶色の猫」「茶色の犬」「茶色のコーヒー」「茶色の記念日」

茶色の他、日常は存在してはいけなくなった…

でも、慣れてしまった。

「俺」とシャルリ−は茶色のペットを手に入れ、茶色に囲まれた生活を始める。
(流れに逆らわない生活は悪くはないと「俺」)

自警団の摘発がエスカレートする。
『以前に茶色以外のペットを飼っていたものも逮捕』

そのために、シャルリ−が逮捕される!!

そんな事考えもしなかった「俺」後悔する「俺」
「嫌だと言うべきだった」「抵抗すべきだった」と「俺」
気づくのが遅かった「俺」が迎えた茶色の朝…。。。
以上が、フランス寓話「茶色の朝」の話しの進行です。・・・・・・

amazon.com 書評欄に「今の子達は、日本が戦争をしている時、全部の日本人が好戦的なテンションでいた、と勘違いしている」という言葉が紹介されている。戦前の日本の人々の大多数が、今の人たちと同じように軍隊や軍人が嫌いで軍事について無知・無関心であったことは知られているのだろうか。

tjst |3月13日 |URL:http://www.ac-net.org/dgh/blog/archives/000561.html |イラク戦争 , 荒廃の諸相 , 本の紹介
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