2004年03月01日

2/15意見広告「なんかヘンだ ! 横浜市立大学「改革」」

朝日新聞2004.2.15朝刊、神奈川全県版
http://homepage3.nifty.com/ycukumiai/shiryo/k040215-1.pdf

なんかヘンだ ! 横浜市立大学「改革」

  • 優秀な人材を社会に輩出してきた75年の伝統と利点を生かせる改革でしょうか?
  • 学部の統合・吸収は教育・研究の切りつめにならないか心配です。
  • 大学の将来を憂い、多くの異論が出ています。
  • 全教員への任期制の導入は教育と研究の質を低下させます。
  • 独立行政法人化に当たって全教員に任期制を導入することは法律にも違反しています。

横浜市立大学教員組合

全文:

なんかヘンだ ! 横浜市立大学「改革」

優秀な人材を社会に輩出してきた75年の伝統と利点を生かせる改革でしょうか?

横浜市立大学の前身は1928年設立の横浜市立商業専門学校(通称 Y専)です。大学の少ない当時、商業専門学校として有名で、全国から学生が集まり、ビジネス界に優れた人材を送り出し続けてきました。また、神奈川県には医学部を持つ国立大学がなく横浜市立大学は国立大学の医学部の役割を果たし、看護短期大学部とともに市民医療の中核の役割を担って来ました。9年前には、文理学部が国際文化学部と理学部という2学部に改組され、専門性に裏付けられた高度な教育と研究が行なわれてきました。

また、商、国際文化、理、医の全ての学部には大学院の博士後期課程が設置されています。全学部に博士後期課程を置いている公立大学として全国的に高い評価を受けてきました。

学部の統合・吸収は教育・研究の切りつめにならないか心配です。

このような伝統と実績がある横浜市立大学において、現在の商、国際文化、理の3学部を1学部に統合し、看護短大を医学部に吸収するという、教育・研究を切りつめる大学改革案が検討されています。同時に、独立行政法人にするための定款が2月の市議会にかけられることになっています。

多くの問題を孕んだこのような改革案がこのまま実行されれば、国際港都として世界に知られ、日本で最大の市である横浜における学問・文化の発信拠点を失うことになります。市議会での慎重な審議を求めます。

大学の将来を憂い、多くの異論が出ています。

改革案は学部の統合や独立行政法人化だけではなく、原則的に研究費を支給しない、現職のすべての教員に任期制を導入する等々多くの問題点を含んでいます。こうした改革案の出発点・原型となったのが、市長の諮問機関「市立大学の今後のあり方懇談会」が昨年2月に出した最終答申です。この「あり方懇」は学外者だけで構成され市大の関係者はその委員になっていません。

この最終答申を原型として作られてきた諸改革案について、学内の教授会や教員、学生、市民から不満の声があげ続けられてきました。学部教授会、大学院研究科委員会、研究所教授会などでは、昨年2月の「あり方懇」答申以来、それらに対して20件近くの反対決議、遺憾表明、教授会意見、要望などが出されているにもかかわらず、改革案においてこれらの多くは無視されてきました。このことは、教授会が「重要な事項を審議する」としている学校教育法第59条第1項の精神に反するものです。

全教員への任期制の導入は教育と研究の質を低下させます。

今度の改革案には現職の全教員に一律に任期制を導入することが含まれています。言うまでもなく学生の教育には系統性と継続性が不可欠です。しかし、任期つきの教員ばかりの大学になると、学生の勉学の途上で転出する教員が出てきて学生の教育が中断されるなどの不都合が生じます。

現在、横浜市立大学では少人数教育を重視していますが、なかでもゼミナールは学生が成長する大変重要な場となっています。ゼミナールでは学生一人一人に充分な目配りをしつつ、系統的に教育することが必要ですが、全教員への任期制の導入はゼミナールの継続性という点において障害が生じます。

横浜市立大学は環境ホルモン研究の成果でよく知られていますが、これは数十年におよぶ地道な基礎研究の結果だったのです。このような研究においてはすぐには成果に結びつかない長期的な研究が重要なのですが、任期制の下では短期的に成果の上がる研究に流れていく危険性があります。

独立行政法人化に当たって全教員に任期制を導入することは法律にも違反しています。

地方独立行政法人法第59条第2項は、「当該移行型地方独立行政法人の成立の日において、当該移行型一般地方独立行政法人の職員となるものとする」としています。また、国会答弁でも次のように述べられています。「これは、設立団体の業務と同一の業務に従事する者につきましては、当該地方独立行政法人の職員として引き続いて身分を自動的に保有し続けることができるという形を法律上措置したものでございます」(参議院法務委員会 2003年7月1日 森清総務省自治行政局公務部長)。

ですから、独立行政法人化に際して現職の全教員に任期制を導入し、身分を有期雇用に変更することは、法律違反です。

市民,学生、教員、一般職員の要望を反映した改革案を作るべきです。

横浜市立大学教員組合
横浜市金沢区瀬戸22-2 横浜市立大学  
電話/FAX 045-787-2320

教員組合ホームページ
http://homepage3.nifty.com/ycukumiai/index.htm

*横浜市立大学教員組合は、統合が予定されている3学部の教員の87%が加入
している組合です。

tjst |3月01日 |URL:http://www.ac-net.org/dgh/blog/archives/000547.html |不当な支配に直面する横浜市立大学
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