2003年12月06日

平成16年度予算の編成等に関する建議

平成15年11月26日 財政制度等審議会 平成16年度予算の編成等に関する建議

4.文教・科学技術(1)文教予算 イ.国立大学法人

 平成16年4月の国立大学の法人化にあたっては、大学における教育・研究活動の質の向上という国民の求める成果を達成することが重要である。現在、国立大学の運営には多額の財政資金が投入されているが、新しい予算制度の構築にあたっては、客観的かつ厳格な事後評価を重視するとともに、大学運営の自主性・自律性を高めることに伴う合理化・効率化を促すような制度設計とすべきである。

 さらに、運営費交付金算定の基礎となる学生納付金の水準に関しては、これまでの建議においても再三提言を行ってきたように、受益者負担の徹底及び私立大学との格差是正の観点から、各大学が適時適切に改定を行い得るような仕組みとすることが必要である。

4.文教・科学技術(1)文教予算 ウ.その他

 その他の文教予算については、「平成15年度予算の編成等に関する建議」(平成14年11月20日)においても述べた通り、受益者負担の徹底と資源配分の重点化を図り、施策の効率的・効果的な実施を徹底すべきである。

 具体的には、高等教育に関し、上記の国立大学法人に対する予算措置の改革と合わせ、私学助成等について機関支援という形での支援の在り方を見直し、公募方式により教育・研究上の優れた取組みに対して支援を行う等の国公私を通じた競争原理に基づく支援へと思い切った重点化を図るべきである 。また、予算の透明性向上の観点から、学校法人会計基準について、企業会計原則を取り入れた見直しを推進すべきである。

 育英奨学事業については、無利子奨学金を縮減するなど適正な受益者負担を求めるとともに、平成16年4月から事業実施主体が独立行政法人化される機会に合わせ、事務・事業の抜本的見直しによる合理化・効率化や、債権回収率の向上など事業運営の健全化を図るべきである。

 文化予算については、官と民、国と地方の役割分担を明確にするとともに、費用対効果を吟味し、優先順位の高いものに支援を重点化すべきである。

・・・・・4.文教・科学技術(2)科学技術
 我が国の科学技術予算は、近年の厳しい財政事情の中で大幅に拡充されてきており〔資料4-3参照〕、政府研究開発投資の対GDP比でみても、「第2期科学技術基本計画」(平成13年3月30日閣議決定)の目指す欧米主要国並の水準は既に達成されている〔資料4-4参照〕。我が国の財政状況が引き続き厳しい中においては、今後は量的拡大よりも一層の質的向上に軸足が置かれるべきである。

 そのためには、科学技術予算の一層のメリハリ付けを進める必要があり、総合科学技術会議による科学技術関係施策の優先順位付け(平成15年10月17日)を踏まえ、重点4分野に対する資金配分の更なる重点化を図る一方で、その他の分野における一層の効率化・合理化を行う必要がある。また、複数の省庁や独立行政法人が関わる研究開発プロジェクトについては、役割分担の明確化・重複の排除を徹底し、効率的な実施体制を構築する必要がある。

 その際、資金の効率的利用を一層促進するため、「PLAN(編成)−DO(執行)−SEE(評価・検証)」の考え方を踏まえ、厳正な評価を実施し、スクラップ・アンド・ビルドの原則に基づく新規プロジェクトの厳選と既存プロジェクトの見直しや中止を行っていく(チェック・アクション)必要がある。特に、従来より取組みが遅れている中間評価・事後評価を適切に実施すること、そのために定量的なものも含めた明確な目標設定を行うことが必要である。また、いわゆるビッグプロジェクトについては、後年度負担が大きいこと等に鑑み、真に優先順位の高いプロジェクトのみを厳選し、重点的な資金配分を行う必要がある。

 更に、科学技術システム改革の一層の推進のために、競争的資金については、制度メニューの大括り化や不正経理問題の再発を防ぐための制度改革を行うこと、研究開発型の独立行政法人については、限られた予算の中で中期目標・中期計画に基づき効率的に業務運営を行うことが求められる。

tjst |12月06日 |URL:http://www.ac-net.org/dgh/blog/archives/000332.html |大学財政
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