2003年11月25日

大学の「構造改革」と私立大学の現状

JSA大学フォーラム2002.12.10 大学の「構造改革」と私立大学の現状
新村洋史(中京女子大学)

大学破壊の枠組みと守るべき大学像

 4年前、1998年10月に大学審議会答申「21世紀の大学像と今後の改革方策について−競争的環境の中で個性が輝く大学−」が出され、2001年夏には大学版「構造改革」(遠山プラン)が出された。さらに、2002年3月には文科省・調査検討会議の「新しい『国立大学法人』像について」(最終報告)が提出された。

 これらの大学政策は、国大についても単純にアウトソーシングして設置形態を法人化、「民営化」するということには留まらない大学(制度)像の根本的改変を狙うものであることを宣明した。私大については、18歳人口の減少という不可抗力な要因が「私大の危機」ではなく、政治的・政策的意図や基準をもって私大を淘汰することこそ「真の私大危機」であることを示すものである。こうして、日本の大学は国公私大の区別なく財界・政府の「国策」を基準に政治的・財政的に大学の研究教育を誘導し支配統制する装置(市場・競争システム)のなかに囲い込まれることになった。

 大学像の根幹といえば、言うまでもなく学問の自由と大学の自治である。これこそは大学の本来的役割や仕事内容の在り方を想定したところの「大学の理念」=大学像である。これを否定するのであれば、もうそれだけでも「理念亡き大学像」というに十分でさえあり、それが大学破壊の基本的枠組みにほかならない。
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tjst |11月25日 |URL:http://www.ac-net.org/dgh/blog/archives/000302.html |私立大学「改革」の諸問題
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