国大協総会と運営費交付金問題
[he-forum 6369] より
首都圏ネット事務局です。11月12日の国立大学協会総会に関連し、重要な情報を入手しましたので、お知らせいたします。
一、国立大学協会総会は、11月12日10時より、オリンピック記念青少年センター(代々木)国際会議室で開催される。また、同日15時30分より、国立大学長等会議が開催される。
二、国大協総会においては、資料1(『日本経済新聞』11月11日付朝刊)のとおり、運営費交付金に関わる極めて重大な問題が議題となる予定である。
三、これに関連して、資料2のように、すでに11月4日に国立大学協会佐々木毅会長から各国立大学長にあてて問題点を指摘する文書が配布されている。
四、われわれは、国立大学法人法に関する議論の中で、運営費交付金に関する財務省の論理を指摘するとともに、文部科学省の対応と説明の問題点を批判してきた。このたびの財務省の方針は、資料3に掲げた衆参両議院の附帯決議にも反するものであり、国立大学の今後のあり方にも重大な影響を及ぼすものである。
五、われわれは、国立大学協会が、このような財務省の論理に対し、毅然とした反対の立場を表明することを求めるとともに、文部科学省がいかなる立場を取るのか、批判的に注視したい。
六、なお、日本経済新聞の報道の末尾では、運営費交付金に関して2004年度予算のみが保証されているかのような記述が見られる。これは附帯決議の趣旨と合致しないものであることを付言しておく。
資料1;日経記事より:国立大学予算 総額抑制へ財務省打診 文科省判断で配分
資料2;国立大学協会会長から国立大学長へ
資料3:衆議院附帯決議(2003年5月16日)
参議院附帯決議(2003年7月9日)
資料1国立大学予算 総額抑制へ財務省打診 文科省判断で配分
来年四月に法人化する国立大学に対する予算の配分方法について、文部科学省の裁量に委ねる方法に変更し、大学予算の総額を抑制する方式の検討が行なわれていることが十日明らかになった。これまで制度や法律で定められていた国立大の予算配分システムを見直すもので、財務省が文科省に打診している。十二日の国立大学協会の総会でこの方針が説明される予定だが、学長らの反発などで総会の混乱も予想される。
大学側は反発も
国立大学を中心とする国立学校の歳入は二〇〇三年度予算で約二兆八千億円。このうち授業料収入や付属病院収入、産学連携等収入など自己収入は四五・六%で、のこる五四・四%は国の一般会計からの繰り入れに依存している。
この繰入金は、人件費など必要不可欠な経費に充てられる「義務的経費」と呼ばれ、使途は限定された上、制度や法律を変更しないと金額を変えられない。文科省によると、国立大は繰入金の九割以上を人件費に充当しているという。
財務省は大学が法人化後、繰入金が独立法人への「運営費交付金」へ切り替わることに伴って、交付金を各省庁が政策的に配分できる「裁量的経費」へと予算の性格を変えるよう文科省側に打診した。
裁量的経費は来年度政府予算では二%削減されるなど今後とも抑制傾向が見込まれることから、今後の国立大学予算の段階的縮小につながる可能性がある。
財務省側は「大学より先に独立行政法人なった組織に配分している予算も同じ性格。国立大だけ特別扱いできない」(幹部)としたうえで、「文科省全体として歳出を二%カットすればいいわけで、国立大への予算を削減したくなければ、他の分野への予算をカットするなど、やり繰りすればいい」(同)と説明。
これに対し、文科省側は「国立大の歳出は人件費の割合が非常に高く、他の独法とは同様に扱うべきではない」(幹部)と義務的経費としての性格を維持するよう要求している。
国立大の関係者からは「法人化は国の行財政改革とは別の観点で議論されてきたはず。今になって政府からはしごを外された思いだ」などと憤りの声も聞かれるほか、交付金が裁量的経費となれば、予算減は避けられず、各国立大は現在作成中の期間六年の中期目標や中期計画の原案づくりの修正を余儀なくされる。
国立大学法人法は運営費交付金について、〇三年度予算の実績を維持する旨の付帯決議をしており、〇四年度予算に大きな変化はないもよう。財務省側の方針が実際に反映されるのは〇五年度予算からとなる見通し。
資料2
各国立大学長殿 2003年11月4日
前略 国大協の活動については常日頃ご協力いただき、ありがたく存じております。
さて、10月31日の理事会においても取り上げられましたが、国立大学法人に対する運営費交付金をめぐっては目下われわれの気になる動きが目立ってきております。運営費交付金は「裁量的経費」であるから概算要求基準に従ってカットしようとか、他の独立行政法人にならって効率化係数を設定しようとか、われわれにとっては座視できない議論が関係者の間で行われているように聞いております。
会長、副会長は関係各所に赴き、国立大学法人の独自性や法案成立の経緯からしてこうした経費削減は受け入れられない旨を既に繰り返し述べております。しかし、一番重要なのは会員大学の御意志であり、それを外に見える形で率直に示していただくことが最も大事であると考えます。そうした場としては次回の総会しか機会がございません。次回の総会ではこの件につき、相当の時間を割く予定にしておりますので、この点何卒ご賢察の上ご出席下さいますよう、異例ながらお願い申し上げます。
草々
国立大学協会会長
佐々木 毅
資料3
衆議院附帯決議(2003年5月16日)
六 運営費交付金等の算定に当たっては、公正かつ透明性のある基準に従って行うとともに、法人化前の公費投入額を十分に確保し、必要な運営費交付金等を措置するよう努めること。また、学生納付金については、経済状況によって学生の進学機会を奪うこととならないよう、適正な金額とするよう努めること。
参議院附帯決議(2003年7月9日)
十二 運営費交付金等の算定に当たっては、算定基準及び算定根拠を明確にした上で公表し、公正性・透明性を確保するとともに、各法人の規模等その特性を考慮した適切な算定方法となるよう工夫すること。また、法人化前の公費投入額を踏まえ、従来以上に各国立大学における教育研究が確実に実施されるに必要な所要額を確保するよう努めること。
tjst
|11月12日
|URL:http://www.ac-net.org/dgh/blog/archives/000288.html
|国立大学法人制度の欠陥