2003年09月29日シンポジウム「大学界の真の改革を求めて」報道発表独法化阻止全国ネット報道発表.2003年9月29日 多分野連携シンポジウム 主催者代表 われわれ国立大学独法化に反対する4団体(全国ネット,新首都圏ネット,意見広告の会,アピールの会)は,実施が迫る国立大学の「法人化」について,その問題点,これまでの反対運動の意味,そして大学界の真に意味のある改革とは何かを考える標記のシンポジウムを,9月27日,東大構内で開いた. これは,次のような目的を持ったものである. 52名*の参加者の過半数は国立大学の教職員,学生であるが,国会議員2名,議員秘書1名,韓国教授労働組合2名,国立大学長,元学長各1名,私大・公立大から8名など,多様な人々が集まった.また,日本の大学問題についての本を書いたアメリカ人研究者,山内恵子衆議院議員,それに全大教からメッセージが寄せられた. 午前,午後,合計6時間にわたって多様な報告と熱心な討論がなされた. まず,主催者団体などによる運動の総括が5人から述べられた.冒頭,全国ネットの豊島は,法案阻止運動がなぜ敗北したかについて,この問題が憲法と教育基本法に反するものであるとの認識が大学関係者にほとんどなかったことなど,5点にわたって分析した. 首都圏ネットの小沢は,「論点集」を作って議員に質問の材料を提供するなど,終盤での国会ロビー活動について説明した.また,かなりの程度まで成功した,メディアにこの問題を取り上げさせるための努力について述べた. 次いで「アピールの会」の池内は,大学内に限られている運動を,多くの著名人の賛同意見などを使って一般に広げていったことを,「意見広告の会」の野村は,最終版での世論形成に重要な効果を上げた意見広告運動について説明した. 千葉大学の独法化問題情報センターの安田氏は,ネット上で飛び交う情報があまりにも大量なため,教職員がむしろ情報不足に陥っている状況を改善するために,重要な情報を選び出して提供する活動について説明した.これは同大学でいくつか出された教授会などの意見表明のベースを与えたのだと思われた. 共産党参議院議員の林紀子氏は,参院審議において,「労働安全衛生法」の問題での追及などを説明した.さらに,教育基本法改悪問題が今度の国会で重大な局面を迎えるだろうと述べた. 社民党の山内恵子衆議院議員秘書の広瀬氏は,国会議員と大学関係者の間の認識の壁の問題について意見を述べ,また議員のメッセージを紹介した. 鹿児島大学大学の前学長,田中弘允氏は,2000年頃の国大協内部の状況や,そこでの独立行政法人化に対する自らの批判活動について述べた.関連して現職学長である宇都宮大学の田原博人氏が発言したが,国大協の会議の雰囲気がどのようなものかを十分想像させるものであった. 続いて,「改革」と称する行政による強権的介入と,それによるリストラが目論まれている横浜市大,東京都立大の深刻な状況が,両大学の同僚から説明された.教授会無視や秘密主義は両者に共通する特徴のように思われる. 韓国教授労働組合副委員長の朴巨用 (パク・コヨン) 氏は,「軍事政権の山を越えたら新自由主義の川が待っていた」との表現で,政府が導入を目論む「国立大学運営に関する特別法」について批判的に紹介した.これは大学の民主主義と自治を無視し,授業料の値上げを招くなど重大な問題を含むとのことである. アレゼール日本の岡山茂氏は,フランスの大学改革について説明した.予算の費目自由化や「中期目標」など,日本の「法人化」と見かけ上似たところもあるが,しかしフランスでは政府と大学との「対等な契約」とされており,「目標」も日本のように政府が定めるものではない. 教育法が専門の成嶋隆氏は,「法人法」が教育基本法10条(教育への不当な支配の排除)に違反するものであることを,限られた時間ながら詳細に論じた.10条のみならず,6条2項(教員の身分保障),3条1項(機会均等)にも反する疑いがある. フロアからは,工学院大学の蔵原氏が,国立大学法人制度における「法人」と「大学」の事実上の一体化は,従来の学校法人制度と全く異質であると指摘した.異常に強力な学長権限と相俟って,大学制度全体に重大な悪影響を及ぼす恐れがあると述べた. 時間の都合で最後のセッションで発言した民主党参議院議員の櫻井充氏は,この問題で国民世論を喚起できなかったから敗北したのであり,それは大学側からのわかりやすい説明が不十分であったためだと述べた.また,今後,制度運用における対応のありかたなどについて述べた. 討論の時間は不足し,これからの運動の展開についての具体的方針が打ち出されるまでには至らなかったが,参加者一同,この制度の重大な問題性を再認識し,また国際的な視野でこの問題をとらえることができた.教育基本法改悪反対運動との連携の重要性も認識され,教育の自由,大学の自由を回復し発展させる運動のためのより総合的な認識が共有されたと思われる. 今回のシンポジウムで得られた知識と理解,そして人々の新しいネットワークが,大学という文化の創造において,大いに力を発揮すること期待したい. なお,いくつかのレジュメ,メッセージは全国ネットホームページで公開している.また,シンポジウムの全内容は,近日中に出来るだけ詳細に公表する予定である. *受付の名簿による. 840-8502 佐賀市本庄町1 Comments
大学の法人化によって、仕事が急増していくなかで、学生との接点が激減して、授業時間が激減した場合におけるなど、学習権の侵害した場合。授業料との関係はどのようになるのか? Posted by: 林 幸三 at 2003年11月09日 14:42
分類「 研究者から社会へ, 国立大学法人制度の欠陥, 国立大学法人法, 大学の自治」の記事より
[AcNet Letter 号外] 東京大学教職員緊急アピールの賛同呼掛け -
4/22 |
主題別ログ
AcNet Letter[53]
大学政策[23]
大学評価[19]
大学内行政[15]
大学入試[4]
大学における不当解雇[5]
大学に関連する訴訟[7]
大学の不正[1]
大学の労使関係[10]
大学の骨組みの変更[4]
大学の使命[22]
大学の自治[44]
大学改革の提案ーー大学から[5]
大学改革の提案ーー社会から[3]
大学界の自治[7]
大学財政[16]
地方独立行政法人制度[30]
中央行政の諸問題[3]
blog[8]
博士課程・ポスドク・若手研究者[1]
任期制の諸問題[13]
不当な介入[27]
不当な支配に直面する横浜市立大学[25]
本の紹介[6]
福岡教育大学発国立大学法人化関連情報[2]
法人化問題週報[1]
法人化準備[10]
平気で嘘をつく指導者達[3]
noblesse oblige[3]
東京都の大学支配問題[86]
天下り[3]
日本国憲法と教育基本法の改正問題[21]
その他[3]
メディアの諸問題[14]
メディアの情報操作[34]
イラク戦争[94]
意見広告の会ニュース[31]
学生の動き[1]
学費値上げ・格差[4]
学問の意義[4]
学長の権限[19]
学校法人制度改革[3]
学術政策・科学技術政策[12]
競争的研究費[4]
教育学部再編問題[1]
研究者から社会へ[22]
国立大学附属学校の今後[2]
国立大学法人制度の欠陥[29]
国立大学法人法[21]
国会審議の形骸化[4]
国公私立大学通信[18]
国際問題[12]
荒廃の諸相[58]
司法制度の形骸化[14]
司法改革[9]
私立大学「改革」の諸問題[3]
産学連携の諸問題[2]
初等中等教育の諸問題[5]
情報公開法の活用[2]
人事[8]
新首都圏ネットワーク[4]
リンク
石原都政の下での都立大学改革問題を考えるホームページ
|横浜市立大学[
大学改革日誌(永岑氏)
/
学問の自由と大学の自治の危機問題(佐藤氏)
/
YABUKI's China Watch Room(矢吹氏)
]
|
日誌(渡邊信久氏)
|
国立大学「独立」行政法人化問題資料集
|
推薦文書
|
個人
|
団体
|
文部科学省(国立大学協会)
|
総合科学技術会議
|
独立
行政法人評価委員会
|
その他
■ログ:2003年| 2002年|2001(重要事項,お知らせ)|1999-2000(簡約版)
検索
|