2003年09月14日

「国家統制の強化で実現する大学改革」という考えについて

15分間大学改革研究: 国家統制を緩めれば日本の大学は良くなるか? の中で田中氏が、独立行政法人化による「国家統制」の強化を一概に悪いものと考えるべきではない、という趣旨のコメントをされている。フランスにおける高等教育行政の地方分権化が(グランド・デコールを除く)国立大学にもたらしている深刻な諸問題は、そういう主張をサポートするものかも知れない 。

しかし、日本における、従来の国立大学への行政指導と財政誘導の影響はかなり深いものであり、McVeigh 氏が例示する改革(大規模な社会人入学の実現と18才からの選挙権、キャンパスの開放、入試の軽減と厳格な成績評価、日本の高等教育の国際化等)に「文科省の外圧があって初めて重い腰を上げ始めたのではないか」という指摘は妥当であろうか。

また「できるがしようとしなかった」という主張は妥当だろうか。日本の現在の高等教育財政の規模で、そのようなことを大規模に行なうことが、研究と教育に与える影響は十分認識されていたのではないか。

この点に関連して、次の渡邊勇一氏の論説は、文部科学省が思つく様々な改革の意匠が、大学の現場に与えている影響の普遍的様相を捉えていると思われる。

渡邊勇一(新潟大学)「大学の使命を果たすのに必要な時間が「社会貢献」と
いう名目で 減らされる傾向の拡大への危惧」
http://www.ac-net.org/home/watanabe-y/03124-chieki.htm

tjst |9月14日 |URL:http://www.ac-net.org/dgh/blog/archives/000145.html |大学の自治
Comments

私が主張したかったのは以下の点です。

「国家統制を緩めたからといって、必ずしも大学が良くなるとは限らない」

 つまり、国家統制以外に、大学人の側に大きな問題があるということです。その問題を直視せずに、国家統制ばかりを批判するのは、日本の大学人として認めがたいというだけです。

Posted by: 田中浩朗 at 2003年09月14日 21:00

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