2003年07月20日二者択一論を超えて―高等教育研究者の役割東京大学大学総合教育研究センター 小林 雅之 「・・・競争の条件を等しくするようなインフラの整備がなければ、不平等はむしろ拡大し競争の正当性が疑問視されよう。この意味で、競争条件を等しくするような、最低限の一律補助は必ず必要であり、二者択一ではあり得ない。欧米でも基盤の部分にはそれなりの公的補助がなされており、完全に競争的な資源配分方式はとられていない。・・・」 《事例1 上からと下からのアクレディテーション》 《事例2 国公立と私立》 《事例3 教育費と資源配分》 近年、大学に対する公的補助について一律補助から競争的資源配分へのシフトが強調されている。しかし、競争はあくまで公正でなければ競争自体が成り立たない。競争の条件を等しくするようなインフラの整備がなければ、不平等はむしろ拡大し競争の正当性が疑問視されよう。この意味で、競争条件を等しくするような、最低限の一律補助は必ず必要であり、二者択一ではあり得ない。欧米でも基盤の部分にはそれなりの公的補助がなされており、完全に競争的な資源配分方式はとられていない。 また、教育費を公費負担とするか私費負担するかではなく、第三の方式を探ること、つまり資金調達の多元化も二者択一的思考からの新しい方向性を示しているといえよう。教育費の完全な公的負担も私的負担もあり得ない。両者のバランスが重要なのである。 これは、公的補助を機関補助にするか個人補助(奨学金)にするかについてもいえる。さらに奨学金についてもニードベース(奨学)かメリットベース(育英)かについてもいえるし、ローンか給付奨学金かの議論も同様だ。両者を巧みに組み合わせることに各国とも知恵を絞っているのに、わが国は二者択一的な議論が多すぎる。」 tjst |7月20日 |URL:http://www.ac-net.org/dgh/blog/archives/000011.html |大学財政 |
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