==> 国立大学独立行政法人化の諸問題
泊3号機署名の件など
小野氏の取り組みは、大学の自治と学問の自由の意義を紛れなく証明している。こ
れほど効果的な独立行政法人化反対の意思表示はない思うので転載した。
From: 小野 有五
Date: Mon, 17 Apr 2000 12:10:44 +0900
To: hokudai-hiroba
Subject: [hiroba] 泊3号機署名の件など
hokudai-hirobaのメーリング・リスト登録者の皆様
いつもメールをありがとうございます。1月以来、海外出張その他が続き、独
立法人化の問題に関心はもちつつも何もお手伝いできず、心苦しく思っており
ます。今回の独立法人化問題で、大学の社会的責任ということがいろいろ話題
になりましたが、この問題が大学の外ではほとんど話題にされないというのも、
これまで大学の人間が社会の問題にはほとんどコミットしてこなかったことの
ツケではないかと思っています。それで、僕としてはこれまで以上にいままで
関わってきた市民運動に関わり、大学の研究者がそうやって市民とともに社会
を変えていくためにも、政府の言っている独立法人化には反対すべきなのだと
いうことを訴えてきたつもりです。ただ、僕はいまそういう市民運動を6つほ
どもかかえており、それをこなすだけで精一杯で、皆様との集まりになかなか
出られないという事情をお察し下さい。
このネットワークは独立法人化の問題のためにつくられたものであり、ここで
それ以外の問題をとりあげさせていただくのはルール違反かもしれませんが、
今かきましたような事情で、社会的問題に関わることは、逆にこの問題を社会
的に広く認知させるうえでも重要だと考えますので、お許しいただきたいと思
います。
泊3号機の問題はすでにご存じと思いますが、先進国のなかでいま原発を増や
そうとしているのは日本だけであり、これがいかにあやまった選択かはおわか
りいただけると思います。北電は、エネルギーが足りなくなると宣伝していま
すが、そんなことはなく、自然エネエルギーと節電で十分対処できるというの
が僕たちの研究結果です。それで、とりあえずは、賛否を問うための住民投票
をよびかける署名を始めました。有無を言わさずつくってしまおうとする道庁
の動きがかなりありますので、5月中旬までに100万の署名を、とかない急
なスケジュールになっています。1枚5名書ける署名用紙を用意していますの
で、賛同してくださる方はメールでご連絡下さい。
つぎに、やはり道庁が幌延につくろうとしている深地層研究施設への反対があ
ります。ご存じのように、核廃棄物の施設への反対が強いため、いきなりそう
言わず、まずそのための研究施設だと言っているものですが、最近の研究では
予定地に伏在活断層があることも判明し、幌延周辺は地殻変動がきわめて活発
な地域であることがわかってきました。ほんらい研究というものはその可能性
が最も高い場所ですべきものであり、わざわざ条件の悪い場所を選ぶというの
は、ゴミ処理を一刻も早く考えなければならないという状況のもとでは科学的
な態度ではありません。研究者のなかには、とにかく研究することはいいこと
だ、とこれに賛成する人もいますが、欧米のような安定大陸で、もっと地盤の
条件がいいところでさえ、深層に核のゴミを埋める研究には否定的なのが現実
です。このようななかで、それを強行しようという道に対して北大の研究者が
黙認してはならないと思います。すでに2月にこの問題に疑問をもつ研究者7
名が、「深地層研究施設計画に反対する研究者会議」を立ち上げ、15日にも
200人以上を集めた道民集会を札幌で開いたばかりです。この研究者会議へ
の賛同人を募集しています。一人でも多くの研究者が、研究者としてお名前を
連ねていてだけるよう、お願いいたします。
どうかよろしくお願いいたします。
僕の、研究者としての市民運動の関わり方、大学での科学研究のありかたにつ
いての考え方は、
「科学」1999年12月号、(vol.69,1003-1012)
「市民のための川の科学」にかきましたのでご一読いただけたら幸いです。
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小野 有五 yugo@earth.ees.hokudai.ac.jp
060-0810
札幌市北区北10条西5丁目
北海道大学大学院地球環境科学研究科地球生態学講座
TEL011-706-2220 FAX011-706-4866